JP2007189396A - バラン - Google Patents

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Abstract

【課題】実装面積が小さく低背化されて十分な小型化を図ることのできるバランを具現する。
【解決手段】自己の一端110E1および他端110E2間の電流路をなすように延長して基板上に形成された第1の導体パターン110と、第1の導体パターン110とは別に自己の一端21OE1および他端210E2間の電流路をなすように延長して形成された第2の導体パターンとを備え、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは基板上に両者が相互に沿って並置されるように配された導体部分110p,210pを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波回路における平衡伝送線路の信号および不平衡伝送線路の信号を相互に変換するために用いられるバランに関し、特にIC部品への内蔵化にも適合するバランの改良に関する。
尚、本願発明の説明に関して用いている「バラン」の語は、狭義の平衡−不平衡の変換素子として機能するのみならず、例えばUHF帯以上の高周波回路における伝送線路のインピーダンスを変換するためのインピーダンス変換器や位相変換器等として機能する素子を含む広義の概念を表すものであり、本発明思想は、このように広義の概念である「バラン」を特許請求の範囲に記載の如くに限定したところに特徴を有する。
尚、「バラン」とは平衡−不平衡の語(balance-unbalance)の略に由来し、同種の機能素子についてバルントランスと称呼される場合もある。
平衡−不平衡の変換素子として、従来より種々のものが提案されている。例えば、チップ型トランスとしてのバルントランスを第1〜第5の5層の誘電体基板を積層して構成し、最上層および最下層である第1層および第5層を接地電極とし、第2層に接続電極を形成し、第3層および第4層には対応するストリップラインを形成して、両層のストリップラインが電磁結合するようにして小型化を図るといった提案がある(特許文献1参照)。
更に、この提案の発展したものとして、チップ型トランスとしてのバルントランスを第1〜第8の8層の誘電体基板を積層して構成し、最上層および最下層である第1層および第8層ならびに中間の第5層を接地電極とし、第2層に接続電極を形成し、第3層および第4層には対応するストリップラインを形成して両層のストリップラインが電磁結合するようにし、同様に、第6層および第7層には対応するストリップラインを形成して両層のストリップラインが電磁結合するようにした上、第3層および第7層のストリップラインを外部電極を介して電気的に接続して小型化を図るといった提案もある(特許文献2参照)。
更にまた、チップ型トランスとしてのバルントランスを第1〜第12の12層のハイブリッド材により形成された構成層を積層して構成し、第2層および第7層ならびに第12層に内部GND導体を形成し、一方、第3層〜第6層、および、第8層〜第11層には各所定のパターンを有する内部導体を形成するように構成して小型化を図るといった提案もある(特許文献3参照)。
一方、高周波回路を構成する積層基板を含む電子部品をICパッケージ化すると共に、大型化及び構造の複雑化を招くことなく各電子部品間のシールドを実現するべく、複数種類の電子部品を積層基板上にモジュールとして一体的に組み込み、高周波を扱う各回路ブロックを明確に分離した配置にするなどして各機能ブロック回路が、信号の入出力端部を除いて平面方向及び垂直方向に互いに電気的に分離して配置するといった小型化、低背化のための提案もされている(特許文献4参照)。
また、簡易な構造を有するとともに基板の同一平面上に設けられた電子回路の平衡端子対との接続を容易にする広周波数帯域のバランを実現するべく、基板の上下両面に各所定の形状を持ち対をなす導電体パターンを設け、基板の上面に設けられた導体パターンと下面に設けられた導体パターンとをスルーホールを介して電気的に接続し、下面側の導体パターンはこれと対をなす上面側の長方形の導体パターンの長手方向に沿って上記接続がなされた位置から離れる程に幅が広がったテーパー状に形成するといった提案もなされている(特許文献5参照)。
特開平7−176918号公報(段落0011、段落0017〜段落0025、図2) 特開平9−260145号公報((段落0007、段落0010〜段落0015、図1) 特開2002−52644号公報(段落0103〜段落0104、図1〜図3) 特開2000−91751号公報(段落0004〜段落0005、段落0008、図3) 特開2003−8311号公報(段落0012〜段落0013、段落0032〜段落0038、図1〜図3)
ところで、上述のような平衡−不平衡の変換素子としてのICの高周波入力端における平衡信号の位相特性の劣化といった問題は一つの留意点である。
この種の実際のIC部品は、所謂ICパッケージ内に半導体チップをマウントし、半導体チップの各入出力端子をこのICパッケージ側の各入出力端子にワイヤーボンディング等で接続し、更にこのICパッケージ内の配線を介してICパッケージ外部に設定される外部接続用の端子に接続している。
通常平衡信号(一対の信号)は2線によって信号対として伝送されるが、実際の回路内ではそれぞれの2線はGND電極との対も成していることから2線の伝送形態であっても、2線間での性質として、対象周波数信号において等振幅で且つ位相差が180度の関係となる。
しかしながら特に位相差特性は前記2線の配線長が同一でなければ維持することができない特性であるが、IC部品内において信号入力端に向かう当該2線の配線が、ICパッケージ内での配線長、及びICチップとのボンディングワイヤー長を完全に同一にすることは現実には困難である。
そのため位相特性が悪化し(位相差180度からのズレが生じ)、理想的な平衡信号を得ることが困難となる。近年のIC設計はシミュレーションによりICの回路設計、配線設計が行われるため、上述のような実配線による位相差が存在する場合、理想的な設計を行った後に実設計を考慮したケースをいくつか検証する必要が生じ、設計に多大な時間を要していた。
次に実装面積を小さくし、更には低背化して小型化を図るといった点も、この種のIC部品に対する強い要請である。しかしながら、近年の高周波回路において小型、低背化が進んだ他のIC部品に対してバランは未だ一般的に大型であり、高周波回路の実装面積に対して大きな面積を占有する。
更に、バランの平衡側の配線に関しては、上述のように、接続する2線を同一長さで配線する必要があるため、配線設計としても占有面積を必要とし、高周波回路の実装面積が大型化してしまい易かった。また、多層に基板を重ねて構成する例えば上掲の特許文献1乃至特許文献3のようなものでは、低背化も十分ではなく、従ってこの観点からの小型化についても更なる改良が求められていた。
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、平衡−不平衡の変換素子としてのICの高周波入力端における平衡信号の位相特性の劣化が少なく、且つ、設計時間の短縮が図られ、更に、実装面積が小さく低背化されて十分な小型化を図ることのできるこの種のバランを実現するための新規且つ具体的な技術を提供することを目的としている。
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
(1)所定の基板上に形成され高周波信号の平衡−不平衡変換用に適合するバランであって、自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して前記基板上に形成された第1の導体パターンと、前記第1の導体パターンとは別に自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して形成された前記第2の導体パターンとを備え、前記第1の導体パターンと第2の導体パターンとは前記基板上に両者が相互に沿って並置されるように配され、且つ、前記第2の導体パターン(または前記第1の導体パターン)は前記第1の導体パターン(または前記第2の導体パターン)の一部乃至略全部を挟んで対向する対をなす導体部分を有することを特徴とするバラン。
上記(1)のバランでは、第1の導体パターンと第2の導体パターンとが両者が相互に沿って並置されるように配され、且つ、前記第2の導体パターン(または前記第1の導体パターン)は前記第1の導体パターン(または前記第2の導体パターン)の一部乃至略全部を挟んで対向する対をなす導体部分を有するため、第1の導体パターンと第2の導体パターンとの電磁的結合がそれらのサイズに比して十分なものとなり、平衡信号の位相特性の劣化が少なく、且つ、小型化が図られる。
また、第1の導体パターンと第2の導体パターンとは単に一対の導体パターンとして基板の該当する面に沿って形成されるものであるため、これらの導体パターンが形成された基板の面内に交差する方向で両者が電磁的に結合するものであるため、基板の面内方向での不所望な電磁的結合を低減するための余分なスペースを設ける必要がなく、実装面積が小さく低背化されて十分な小型化が図られる。
更には、単に一対の導体パターンが基板の該当する面に沿って形成される簡素な構造であるため設計に多大な時間を要することなく理想的な特性を得ることが可能になる。
(2)前記第1の導体パターンおよび前記第2の導体パターンは略重畳した関係に配置され、且つ、前記第2の導体パターンまたは前記第1の導体パターンのうちの何れか一方の導体パターンは前記第1の導体パターンまたは前記第2の導体パターンのうちの何れか他方の導体パターンを略サンドイッチ構造に挟み込むように配設されていることを特徴とする(1)のバラン。
上記(2)のバランでは、(1)のバランによる作用において特に、第1および第2の導体パターンが略サンドイッチ構造をなすため、両者間の十分な電磁的結合が得られ、損失の少ない良好な特性のバランが実現される。
(3)前記第1の導体パターンの一端を不平衡信号入力端とし他端を接地端とし更に前記第1の導体パターンの一端および他端間の所定の中間位置に一対の平衡信号のうちの一方の信号を出力する第1の平衡信号出力端を設定し、前記第2の導体パターンの一端を接地端とし他端を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端とすることを特徴とする(1)〜(2)の何れか一のバラン。
上記(3)のバランでは、(1)〜(2)の何れか一のバランによる作用において特に、第1の導体パターンの一端である不平衡信号入力端から不平衡信号を入力すると、第1の導体パターンの一端および他端間の所定の中間位置に設定された第1の平衡信号出力端から一対の平衡信号のうちの一方の信号が出力され、且つ、第2の導体パターンの接地端でない他端に設定された第2の平衡信号出力端から該一対の平衡信号のうちの他方の信号が出力される。
(4)前記第1の導体パターンの一端を不平衡信号出力端とし他端を接地端とし更に前記第1の導体パターンの一端および他端間の所定の中間位置に一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力する第1の平衡信号入力端を設定し、前記第2の導体パターンの一端を接地端とし他端を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力する第2の平衡信号入力端とすることを特徴とする(1)〜(2)の何れか一のバラン。
上記(4)のバランでは、(1)〜(2)の何れか一のバランによる作用において特に、第1の導体パターンの一端および他端間の所定の中間位置に設定された第1の平衡信号入力端から一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力し、且つ、第2の導体パターンの接地端でない他端に設定された第2の平衡信号入力端から該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力すると、第1の導体パターンの一端である不平衡信号出力端から不平衡信号が出力される。
(5)前記第2の導体パターンは前記第1の導体パターンの前記不平衡信号入力端と前記第1の平衡信号出力端との間において、前記第1の導体パターンの側方又は上下方向に沿って並置され、前記第2の導体パターンの接地端と前記第1の導体パターンの不平衡信号入力端とが当該並置された前記第1の導体パターンおよび前記第2の導体パターンの同じ端部側に配置されたことを特徴とする(3)のバラン。
上記(5)のバランでは、(3)のバランによる作用において特に、前記第1および第2の導体パターンが所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
(6)前記第2の導体パターンは前記第1の導体パターンの前記不平衡信号出力端と前記第1の平衡信号入力端との間において、前記第1の導体パターンの側方又は上下方向に沿って並置され、前記第2の導体パターンの接地端と前記第1の導体パターンの不平衡信号出力端とが当該並置された前記第1の導体パターンおよび前記第2の導体パターンの同じ端部側に配置されたことを特徴とする(4)のバラン。
上記(6)のバランでは、(4)のバランによる作用において特に、前記第1および第2の導体パターンが所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
(7)前記第1の導体パターン及び前記第2の導体パターンはそれぞれ平面投影形状が略回旋状に形成されたことを特徴とする(1)〜(6)の何れか一のバラン。
上記(7)のバランでは、(1)〜(6)の何れか一のバランによる作用において特に、前記第1の導体パターン及び第2の導体パターンの平面投影形状が略回旋状により形成されていることにより、両導体パターンが小型化されたコイルとして作用し得る。
(8)前記バランは全体的に所定の非磁性基板上に構成され、且つ前記第1の導体パターン及び前記第2の導体パターンはそれぞれ非磁性誘電体材料に支持されるようにして配設されたことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか一のバラン。
上記(8)のバランでは、(1)〜(7)の何れか一のバランによる作用において特に、前記第1の導体パターン及び第2の導体パターンが非磁性誘電体材料に支持されるようにして配設されているため、高周波域に及んで損失が少なく、高い周波数帯域においての使途に適合する。
(9)前記第1の導体パターン及び前記第2の導体パターンは、それらの当該対向する対をなす導体部分の間隔が100μm以下であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか一のバラン。
上記(9)のバランでは、(1)〜(8)の何れか一のバランによる作用において特に、前記第1の導体パターン及び第2の導体パターンは、それらの当該対向する対をなす導体部分の間隔が100μm以下であるため、高周波域に及んで導体間の電磁結合が良好であり、高い周波数帯域においての使途に適合する。
(10)前記基板は半導体であって、前記バランは半導体上の配線層に形成されたことを特徴とする(1)〜(9)のいずれか一のバラン。
上記(10)のバランでは、(1)〜(9)の何れか一のバランによる作用において特に、バランが半導体上の配線層に形成されるため、実装面積が小さく低背化されて小型化が図られる。
(11)前記バランは、その入力側および出力側の何れか一方または双方にインピーダンス変換部が付加されたことを特徴とする(1)〜(10)のいずれか一のバラン。
上記(11)のバランでは、(1)〜(9)の何れか一のバランによる作用において特に、インピーダンス変換素子としての使途に適合する。
(12)所定の基板上に形成され高周波信号の平衡−不平衡変換用に適合するバランであって、自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して前記基板上に形成された第1の導体パターンと、前記第1の導体パターンとは別に自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して形成された第2の導体パターンとを備え、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとは前記基板上に両者が相互に沿って並置されるように配された導体部分を有することを特徴とするバラン。
上記(12)のバランでは、前記第1の導体パターンと第2の導体パターンとが両者が相互に沿って並置されるように配されるため平衡信号の位相特性の劣化が少なく、且つ、小型化が図られる。
また、前記第1の導体パターンと第2の導体パターンとは単に一対の導体パターンとして基板の該当する面に沿って形成されるものであるため、これらの導体パターンが形成された基板の面内に交差する方向で両者が電磁的に結合するものであるため、基板の面内方向での不所望な電磁的結合を低減するための余分なスペースを設ける必要がなく、実装面積が小さく低背化されて十分な小型化が図られる。
更には、単に一対の導体パターンが基板の該当する面に沿って形成される簡素な構造であるため設計に多大な時間を要することなく理想的な特性を得ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下に参照する図においては、便宜上、説明の主題となる要部は適宜誇張し、要部以外については適宜簡略化し乃至省略されている。
図1は、本発明の第一の実施の形態としてのバランについてその要部を透視するようにして表す図、図2は、図1のバランの要部拡大図、図3は、図1のバランの導体パターンの配置と各端部(外部接続端子)の設定状況を表す等価回路図である。
この実施の形態のバラン11は、所定の非磁性基板としてのSi基板1000上に形成され高周波信号の平衡−不平衡変換用に適合するものであって、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とがこのSi基板1000上に形成された非磁性誘電体材料としてのSiO2でなる層間絶縁体1200中に埋設されて支持されるようにして形成されている。
この第1の導体パターン110は、その一端および他端間の電流路をなすように延長して基板1000上に形成されている。第2の導体パターン210は、第1の導体パターン110とは別にその一端および他端間の電流路をなすように延長して形成されている。
図示のバラン11では、第1の導体パターン110(その導体部分110p)および第2の導体パターン210(その導体部分210p)は基板1000上において両者が相互に沿って並置され上下に略重畳した関係に配置されている。これらの導体部分110pおよび210pが両者(110p、210p)間が電磁的に結合する結合部LNKをなしている。
上述における第1の導体パターン110および第2の導体パターン210は何れもストリップ導体であり、従って、以下、適宜、第1の導体パターン(110)について第1のストリップ導体(110)と称呼し、第2の導体パターン(210)について第2のストリップ導体(210)と称呼する。
次に、このバラン11の入出力に係る各端部について説明する。第1のストリップ導体110の一端110E1を不平衡信号入力端Uin とし他端110E2を接地端GND1とし、更に第1のストリップ導体110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110M(この中間位置110Mから引出した導体の端部110ME)に一対の平衡信号のうちの一方の信号を出力する第1の平衡信号出力端B1outを設定する。
また、第2のストリップ導体210の一端210E1を接地端GND2とし他端210E2を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端B2outとする。
図示のように、第2の導体パターン210の他端210E2は上述の1のストリップ導体110の中間位置110Mからストリップ導体が導出されてその端部110MEに電極(平衡信号出力端)B1outが形成される付近(110M)で、一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力するために設定された電極(第2の平衡信号出力端)B2outに接続されている。
第1のストリップ導体110は、不平衡信号入力端Uin として設定された一端110E1から発し、回旋状のパターン(スパイラルパターン)を繰り返して、上述の中間位置110Mを経て、以降、段階的に小径となりゆくスパイラルパターンを繰り返し、全回旋状のパターンの略中央部よりこれらスパイラルパターンの外側に引き出されてその端部(他端110E2)が接地端GND1となっている。
一方、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは、回旋状のパターン(スパイラルパターン)の相対的に外周のパターンで、双方が沿って電磁的に結合する上述の結合部LNKをなしているが、第2の導体パターン210については、第1の導体パターン110がその最外周でスパイラルパターンが開始する部位(この部位から、不平衡信号入力端Uin として設定された一端110E1へと導体パターンが形成されている)と重畳する部位(この部位から、接地端GND2として設定された自己の一端210E1へと導体パターンが形成されている)から上記スパイラルパターンが相対的に外周のパターンを2周余り廻って上述の第1の導体パターン110の中間位置110Mに至る付近の部位で自己の回旋パターンを終えて該中間位置110Mから電極(平衡信号出力端)B1outへ向けて導出された導体と平行にストリップ導体が外部に導出されてその端部が既述の他端210E2であって一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端B2outとして設定されている。
この結果、第2のストリップ導体210の全延長の長さは第1のストリップ導体110の全延長の長さの略半分となっている。
尚、図1の例において想定している基板1000は、その平面投影形状におけるサイズが200×200μmのSi基板であり、このSi基板1000上に層間絶縁体としてのSiO2を形成し、この層間絶縁体1200中に、各ストリップ導体は形成され、従って、各ストリップ導体たる第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは、この絶縁体1200で支持されている。
各ストリップ導体110,210はアルミからなり、幅が3μmで厚みは1μmとなるように形成されている。また、積層形成される各導体間は層間1μmのSiO2の層間絶縁体1200で絶縁されている。
図4は、図1のバランの位相特性を表す図である。
図5は、図1のバランの振幅特性を表す図である。
図4および図5において、上述のバラン11の不平衡信号入力端Uinにおける不平衡信号の入力から一対の平衡信号の各出力端B1outおよびB2outでの順方向の出力に関するSパラメータをS2,1、S3,1と表記している。
図4に表された通り、S2,1とS3,1の位相差は2〜10GHz程度にかけて約180度になっており、バランの不平衡信号入力端Uinからの不平衡信号(シングルエンド)入力に対して一対の平衡信号の各出力端B1outおよびB2out間より平衡信号(バランス)出力が得られることが分かる。
一方、平衡信号の各出力端B1outおよびB2out間の平衡信号出力に関してはレベル差が小さいことが好ましいが、本実施の形態では、図5に表された通り、一対の平衡信号間のレベル差が1dBを若干上回る程度であることが確認された。
以上に説明した本発明の第一の実施の形態のバラン11では、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とが両者が相互に沿って並置されるように配されるため平衡信号の位相特性の劣化が少なく、且つ、小型化が図られる。
また、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは単に一対の導体パターンとして基板1000の該当する面に沿って形成されるものであるため、これらの導体パターン110,210が形成された基板1000の面内(主面)に交差する方向で両者が電磁的に結合するものであるため、基板の面内方向での不所望な電磁的結合を低減するための余分なスペースを設ける必要がなく、実装面積が小さく低背化されて十分な小型化が図られる。
更には、単に一対の導体パターン110,210が基板1000の該当する面(主面)に沿って形成される簡素な構造であるため設計に多大な時間を要することなく理想的な特性を得ることが可能になる。
また、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の不平衡信号入力端Uinと第1の平衡信号出力端B1outとの間において、第1の導体パターン110の側方又は上下方向に沿って並置され(図では上下方向に沿った場合について説明したが側方に沿っていてもよい)、第2の導体パターン210の接地端GND2と第1の導体パターン110の不平衡信号入力端Uinとが当該並置された第1および第2の導体パターン110,210の同じ端部側に配置されているため、第1および第2の導体パターン110,210が所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
更に、第1の導体パターン110及び第2の導体パターン210の平面投影形状が略回旋状に形成されていることにより、両導体パターン110,210が小型化されたコイルとして作用し得る。
尚、図1ないし図3を参照して説明した実施の形態において、平衡信号と不平衡信号とで、それらの入力および出力の関係を逆にして構成する(用いる)ことができることは勿論である。
即ち、第1のストリップ導体110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110M(この中間位置110Mから引出した導体の端部110ME)に一対の平衡信号のうちの一方の信号を出力する第1の平衡信号入力端B1inを設定する。
また、第2のストリップ導体210の一端210E1を接地端GND2とし他端210E2を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力する第2の平衡信号入力端B2inとする。
そして、第1のストリップ導体110の一端110E1を不平衡信号出力端Uout とし他端110E2を接地端GND1とする。
このように構成することにより、第1の導体パターン110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110Mに設定された第1の平衡信号入力端B1inから一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力し、且つ、第2の導体パターン210の接地端でない他端210E2に設定された第2の平衡信号入力端B2inから該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力すると、第1の導体パターン110の一端110E1である不平衡信号出力端Uoutから不平衡信号が出力される。
このように、図1ないし図3のものとは平衡信号と不平衡信号とで、それらの入力および出力の関係を逆にして構成した(用いた)例において、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の不平衡信号出力端Uoutと第1の平衡信号入力端B1inとの間において、第1の導体パターン110の側方又は上下方向に沿って並置され、第2の導体パターン210の接地端GND2と第1の導体パターン110の不平衡信号出力端Uoutとが当該並置された第1および第2の導体パターン110,210の同じ端部側に配置されるため、第1および第2の導体パターン110,210が所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
図6は、本発明の第2の実施の形態としてのバランについてその要部を透視するようにして表す図、図7は、図6のバランの要部拡大図、図8は、図6のバランの導体パターンの配置と各端部(外部接続端子)の設定状況を表す等価回路図である。
この実施の形態のバラン12は、所定の非磁性基板としてのSi基板1000上に形成され高周波信号の平衡−不平衡変換用に適合するものであって、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とがこのSi基板1000上に形成された非磁性誘電体材料としてのSiO2でなる層間絶縁体1200中に埋設されて支持されるようにして形成されている。
この第1の導体パターン110は、その一端および他端間の電流路をなすように延長して基板1000上に形成されている。第2の導体パターン210は、第1の導体パターン110とは別にその一端および他端間の電流路をなすように延長して形成されている。
図示のバラン12では、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは既述のSi基板1000上に両者が相互に沿って並置されるように配され、且つ、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の一部乃至略全部を挟んで対向する対をなす導体部分210a,210bを有する。
尚、これらの導体部分210a,210bはそれらの平面投影形状を同じくするように形成され、且つ、第1の導体パターン110を略サンドイッチ構造に挟み込むように配設され、両者210a,210bは同電位となるように適宜の箇所で電気的に接続されている。
第1の導体パターン110(その導体部分110p)および第2の導体パターン210(その導体部分210a,210b)は基板1000上において両者が相互に沿って並置され上下に略重畳した関係で、既述のような略サンドイッチ構造に配置されている。これらの導体部分110pおよび210a,210bが相互に電磁的に結合する結合部LNKをなしている。
上述における第1の導体パターン110および第2の導体パターン210(その各導体部分210a,210b)は何れもストリップ導体であり、従って、以下、適宜、第1の導体パターン(110)について第1のストリップ導体(110(110p))と称呼し、第2の導体パターン(210)について第2のストリップ導体(210(210a,210b))と称呼する。
このバラン12の入出力に係る各端部は、図1を参照して説明した第1の実施の形態におけるものとは、第2のストリップ導体210が、二つの導体部分210a,210bに分かれている点が異なっていても、本質的に相違がない。
即ち、第1のストリップ導体110の一端110E1を不平衡信号入力端Uin とし他端110E2を接地端GND1とし、更に第1のストリップ導体110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110M(この中間位置110Mから引出した導体の端部110ME)に一対の平衡信号のうちの一方の信号を出力する第1の平衡信号出力端B1outを設定する。
また、第2のストリップ導体210(それらの二つの導体部分210a,210b)の同電位である各一端210E1(a),210E1(b)を接地端GND2とし、その同電位である各他端210E2(a),210E2(b)を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端B2outとする。
既述の第一の実施の形態と同様に、第2の導体パターン210の他端210E2(各他端210E2(a),210E2(b))は上述の第1のストリップ導体110の中間位置110Mからストリップ導体が導出されてその端部110MEに電極(平衡信号出力端)B1outが形成される付近(110M)で、一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力するために設定された電極(第2の平衡信号出力端)B2outに接続されている。
第1のストリップ導体110は、不平衡信号入力端Uin として設定された一端110E1から発し、回旋状のパターン(スパイラルパターン)を繰り返して、上述の中間位置110Mを経て、以降、段階的に小径となりゆくスパイラルパターンを繰り返し、全回旋状のパターンの略中央部よりこれらスパイラルパターンの外側に引き出されてその端部(他端110E2)が接地端GND1となっている。
一方、第1の導体パターン110(その導体部分110p)と第2の導体パターン210(それらの二つの導体部分210a,210b)とは、回旋状のパターン(スパイラルパターン)の相対的に外周のパターンで、双方が沿って電磁的に結合する上述の結合部LNKをなしている。
他方、第2の導体パターン210については、第1の導体パターン110がその最外周でスパイラルパターンが開始する部位(この部位から、不平衡信号入力端Uin として設定された一端110E1へと導体パターンが形成されている)と重畳する部位(この部位から、接地端GND2として設定された自己の一端210E1へと導体パターンが形成されている)から上記スパイラルパターンが相対的に外周のパターンを2周余り廻って上述の第1の導体パターン110の中間位置110Mに至る付近の部位で自己の回旋パターンを終える。
この回旋パターンを終えた部位で、第2の導体パターン210の二つの導体部分210a,210bが一本のストリップ導体にまとめられて、該中間位置110Mから電極(平衡信号出力端)B1outへ向けて導出された導体と平行に、この一本のストリップ導体が外部に導出され、その端部が既述の他端210E2であって一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端B2outとして設定されている。
この結果、第2のストリップ導体210の全延長の長さは第1のストリップ導体110の全延長の長さの略半分となっている。
この第2の実施の形態でも、既述の第1の実施の形態と同様に、その構成に想定している基板1000は、平面投影形状におけるサイズが200×200μmのSi基板であり、このSi基板1000上に層間絶縁体としてのSiO2を形成し、この層間絶縁体1200中に、各ストリップ導体は形成され、従って、各ストリップ導体たる第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは、この絶縁体1200で支持されている。
各ストリップ導体110,210はアルミからなり、幅が3μmで厚みは1μmとなるように形成されている。また、積層形成される各導体間は層間1μmのSiO2の層間絶縁体1200で絶縁されている。
図9は、図6のバランの位相特性を表す図である。
図10は、図6のバランの振幅特性を表す図である。
図9および図10において、上述のバラン12の不平衡信号入力端Uinにおける不平衡信号の入力から一対の平衡信号の各出力端B1outおよびB2outでの順方向の出力に関するSパラメータをS2,1、S3,1と表記している。
図9に表された通り、S2,1とS3,1の位相差は約3〜10GHz程度にかけて約180度になっており、バランの不平衡信号入力端Uinからの不平衡信号(シングルエンド)入力に対して一対の平衡信号の各出力端B1outおよびB2out間より平衡信号(バランス)出力が得られることが分かる。
既述のとおり、平衡信号の各出力端B1outおよびB2out間の平衡信号出力に関してはレベル差が小さいことが好ましいが、本実施の形態では、図10に表された通り、一対の平衡信号間のレベル差を1dB以下にすることができている。即ち、既述のように第2の導体パターンで第1の導体パターン110を略サンドイッチ構造に挟み込む構成を採ることにより、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210との結合度が向上することが確認できる。
以上説明した第2の実施の形態では、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とが両者が相互に沿って並置されるように配され、且つ、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の一部乃至略全部を挟んで対向する対をなす一対の導体部分210a,210bを有するため、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210との電磁的結合がそれらのサイズに比して十分なものとなり、平衡信号の位相特性の劣化が少なく、且つ、小型化が図られる。
また、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは単に一対の導体パターンとして基板1000の該当する面(主面)に沿って形成されるものであるため、これらの導体パターンが形成された基板1000の面内(主面)に交差する方向で両者が電磁的に結合するものであるため、基板の面内方向での不所望な電磁的結合を低減するための余分なスペースを設ける必要がなく、実装面積が小さく低背化されて十分な小型化が図られる。
更には、単に一対の導体パターン(第1の導体パターン110と第2の導体パターン210)が基板1000の該当する面(主面)に沿って形成される簡素な構造であるため設計に多大な時間を要することなく理想的な特性を得ることが可能になる。
更にまた、第2の実施の形態のバランでは、特に、第1および第2の導体パターン110,210(その一対の導体部分210a,210b)が略サンドイッチ構造をなすため、両者間の十分な電磁的結合が得られ、損失の少ない良好な特性のバランが実現される。
この第2の実施の形態でも、既述の第1の実施の形態におけると同様に、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の不平衡信号入力端Uinと第1の平衡信号出力端B1outとの間において、第1の導体パターン110の側方又は上下方向に沿って並置され(図では上下方向に添った場合について説明したが側方に沿っていてもよい)、第2の導体パターン210の接地端GND2と第1の導体パターン110の不平衡信号入力端Uinとが当該並置された第1および第2の導体パターン110,210の同じ端部側に配置されているため、第1および第2の導体パターン110,210が所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
更に、第1の導体パターン110及び第2の導体パターン210の平面投影形状が略回旋状に形成されていることにより、両導体パターン110,210が小型化されたコイルとして作用し得る。
図6ないし図8を参照して説明した第2の実施の形態に関しても、平衡信号と不平衡信号とで、それらの入力および出力の関係を逆にして構成する(用いる)ことができることは第1の実施の形態と同様である。
即ち、第1のストリップ導体110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110M(この中間位置110Mから引出した導体の端部110ME)に一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力する第1の平衡信号入力端B1inを設定する。
また、第2のストリップ導体210(その導体部分210a,210b)の一端210E1(その同電位である各一端210E1(a),210E1(b))を接地端GND2とし他端210E2(その同電位である各他端210E2(a),210E2(b))を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力する第2の平衡信号入力端B2inとする。
そして、第1のストリップ導体110の一端110E1を不平衡信号出力端Uout とし他端110E2を接地端GND1とする。
このように構成することにより、第1の導体パターン110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110Mに設定された第1の平衡信号入力端B1inから一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力し、且つ、第2の導体パターン210の接地端でない他端210E2に設定された第2の平衡信号入力端B2inから該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力すると、第1の導体パターン110の一端110E1である不平衡信号出力端Uoutから不平衡信号が出力される。
このように、図6ないし図8のものとは平衡信号と不平衡信号とで、それらの入力および出力の関係を逆にして構成した例において、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の不平衡信号出力端Uoutと第1の平衡信号入端B1inとの間において、第1の導体パターン110の側方又は上下方向に沿って並置され、第2の導体パターン210の接地端GND2と第1の導体パターン110の不平衡信号出力端Uoutとが当該並置された第1および第2の導体パターン110,210の同じ端部側に配置されるため、第1および第2の導体パターン110,210が所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
図11は、本発明の第3の実施の形態としてのバランについてその要部を透視するようにして表す図、図12は、図11のバランの要部拡大図、図13は、図11のバランの導体パターンの配置と各端部(外部接続端子)の設定状況を表す等価回路図である。
この実施の形態のバラン13は、所定の非磁性基板としてのSi基板1000上に形成され高周波信号の平衡−不平衡変換用に適合するものであって、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とがこのSi基板1000上に形成された非磁性誘電体材料としてのSiO2でなる層間絶縁体1200中に埋設されて支持されるようにして形成されている点については、既述の実施の形態と同様である。
この第1の導体パターン110は、その一端および他端間の電流路をなすように延長して基板1000上に形成されている。第2の導体パターン210は、第1の導体パターン110とは別にその一端および他端間の電流路をなすように延長して形成されている。
図示のバラン13では、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは既述のSi基板1000上に両者が相互に沿って並置されるように配され、且つ、第1の導体パターン110は第2の導体パターン210の一部乃至略全部を挟んで対向する対をなす導体部分110a,110bを有する。
尚、これらの導体部分110a,110bはそれらの平面投影形状を同じくするように形成され、且つ、第2の導体パターン110を略サンドイッチ構造に挟み込むように配設され、両者110a,110bは同電位となるように適宜の箇所で電気的に接続されている。
第1の導体パターン110(その導体部分110a,110b)および第2の導体パターン210(その導体部分210p)は基板1000上において両者が相互に沿って並置され上下に略重畳した関係で、既述のような略サンドイッチ構造に配置されている。これらの導体部分110a,110bおよび210pが相互に電磁的に結合する結合部LNKをなしている。
上述における第1の導体パターン110(その各導体部分110a,110b)および第2の導体パターン210は何れもストリップ導体であり、従って、以下、適宜、第1の導体パターン(110)について第1のストリップ導体(110(110a,110b))と称呼し、第2の導体パターン(210)について第2のストリップ導体(210(210p))と称呼する。
このバラン13の入出力に係る各端部は、図1を参照して説明した第1の実施の形態におけるものとは、第1のストリップ導体110が、二つの導体部分110a,110bに分かれている点が異なっていても、本質的に相違がない。
即ち、第1のストリップ導体110(それらの二つの導体部分110a,110b)の一端110E1(同電位である各一端110E1(a),110E1(b))を不平衡信号入力端Uin とし他端110E2を接地端GND1とし、更に第1のストリップ導体110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110M(この中間位置110Mから引出した導体の端部110ME)に一対の平衡信号のうちの一方の信号を出力する第1の平衡信号出力端B1outを設定する。
また、第2のストリップ導体210の一端210E1を接地端GND2とし、その他端210E2を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端B2outとする。
既述の第一の実施の形態と同様に、第2の導体パターン210の他端210E2は上述の第1のストリップ導体110の中間位置110Mからストリップ導体が導出されてその端部110MEに電極(平衡信号出力端)B1outが形成される付近(110M)で、一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力するために設定された電極(第2の平衡信号出力端)B2outに接続されている。
第1のストリップ導体110(二つの導体部分110a,110b)は、不平衡信号入力端Uin として設定された一端110E1から発し、回旋状のパターン(スパイラルパターン)を繰り返して、上述の中間位置110Mを経て、以降、段階的に小径となりゆくスパイラルパターンを繰り返し、全回旋状のパターンの略中央部より上記二つの導体部分210a,210bが一本のストリップ導体にまとめられて、これらスパイラルパターンの外側に引き出されてその端部(他端110E2)が接地端GND1となっている。
一方、第1の導体パターン110(それらの二つの導体部分110a,110b)と第2の導体パターン210(その導体部分210p)とは、回旋状のパターン(スパイラルパターン)の相対的に外周のパターンで、双方が沿って電磁的に結合する上述の結合部LNKをなしている。
他方、第2の導体パターン210については、第1の導体パターン110がその最外周でスパイラルパターンが開始する部位(この部位から、不平衡信号入力端Uin として設定された一端110E1へと導体パターンが形成されている)と重畳する部位(この部位から、接地端GND2として設定された自己の一端210E1へと導体パターンが形成されている)から上記スパイラルパターンが相対的に外周のパターンを2周余り廻って上述の第1の導体パターン110の中間位置110Mに至る付近の部位で自己の回旋パターンを終える。
この回旋パターンを終えた部位で、第2の導体パターン210は上記の中間位置110Mから電極(平衡信号出力端)B1outへ向けて導出された導体と平行に、ストリップ導体が外部に導出され、その端部が既述の他端210E2であって一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端B2outとして設定されている。
この結果、第2のストリップ導体210の全延長の長さは第1のストリップ導体110の全延長の長さの略半分となっている。
この第3の実施の形態でも、既述の第1の実施の形態と同様に、その構成に想定している基板1000は、平面投影形状におけるサイズが200×200μmのSi基板であり、このSi基板1000上に層間絶縁体としてのSiO2を形成し、この層間絶縁体1200中に、各ストリップ導体は形成され、従って、各ストリップ導体たる第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは、この絶縁体1200で支持されている。
各ストリップ導体110,210はアルミからなり、幅が3μmで厚みは1μmとなるように形成されている。また、積層形成される各導体間は層間1μmのSiO2の層間絶縁体1200で絶縁されている。
図14は、図11のバランの位相特性を表す図である。
図15は、図11のバランの振幅特性を表す図である。
図14および図15において、上述のバラン13の不平衡信号入力端Uinにおける不平衡信号の入力から一対の平衡信号の各出力端B1outおよびB2outでの順方向の出力に関するSパラメータをS2,1、S3,1と表記している。
図14に表された通り、S2,1とS3,1の位相特性については2〜5GHz程度で180度の位相差が得られている。
また、図15に表された通り、特に振幅特性については第2の実施の形態よりもS2,1とS3,1の振幅差が0.5dB以下と小さくなり、より良好な振幅特性となっている。
既述のとおり、平衡信号の各出力端B1outおよびB2out間の平衡信号出力に関してはレベル差が小さいことが好ましいが、本実施の形態では、図15に表された通り、一対の平衡信号間のレベル差を0.5dB以下にすることができている。即ち、既述のように第1の導体パターンで第2の導体パターン110を略サンドイッチ構造に挟み込む構成を採ることにより、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210との結合度が向上することが確認できる。
以上説明した第3の実施の形態では、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とが両者が相互に沿って並置されるように配され、且つ、第1の導体パターン110は第2の導体パターン210の一部乃至略全部を挟んで対向する対をなす一対の導体部分110a,110bを有するため、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210との電磁的結合がそれらのサイズに比して十分なものとなり、平衡信号の位相特性の劣化が少なく、且つ、小型化が図られる。
また、第1の導体パターン110と第2の導体パターン210とは単に一対の導体パターンとして基板1000の該当する面(主面)に沿って形成されるものであるため、これらの導体パターンが形成された基板1000の面内(主面)に交差する方向で両者が電磁的に結合するものであるため、基板の面内方向での不所望な電磁的結合を低減するための余分なスペースを設ける必要がなく、実装面積が小さく低背化されて十分な小型化が図られる。
更には、単に一対の導体パターン(第1の導体パターン110と第2の導体パターン210)が基板1000の該当する面(主面)に沿って形成される簡素な構造であるため設計に多大な時間を要することなく理想的な特性を得ることが可能になる。
更にまた、第3の実施の形態のバランでは、特に、第1の導体パターン110,(その一対の導体部分110a,110b)および第2の導体パターン210が略サンドイッチ構造をなすため、両者間の十分な電磁的結合が得られ、損失の少ない良好な特性のバランが実現される。
この第3の実施の形態でも、既述の第1の実施の形態におけると同様に、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の不平衡信号入力端Uinと第1の平衡信号出力端B1outとの間において、第1の導体パターン110の側方又は上下方向に沿って並置され(図では上下方向に添った場合について説明したが側方に沿っていてもよい)、第2の導体パターン210の接地端GND2と第1の導体パターン110の不平衡信号入力端Uinとが当該並置された第1および第2の導体パターン110,210の同じ端部側に配置されているため、第1および第2の導体パターン110,210が所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
更に、第1の導体パターン110及び第2の導体パターン210の平面投影形状が略回旋状に形成されていることにより、両導体パターン110,210が小型化されたコイルとして作用し得る。
図11ないし図13を参照して説明した第3の実施の形態に関しても、平衡信号と不平衡信号とで、それらの入力および出力の関係を逆にして構成する(用いる)ことができることは第1の実施の形態と同様である。
即ち、第1のストリップ導体110(その導体部分110a,110b)の一端110E1(その同電位である各一端110E1(a),110E1(b))および他端110E2間の所定の中間位置110M(この中間位置110Mから引出した導体の端部110ME)に一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力する第1の平衡信号入力端B1inを設定する。
また、第2のストリップ導体210の一端210E1を接地端GND2とし他端210E2を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力する第2の平衡信号入力端B2inとする。
そして、第1のストリップ導体110の一端110E1(その同電位である各一端110E1(a),110E1(b))を不平衡信号出力端Uout とし他端110E2を接地端GND1とする。
このように構成することにより、第1の導体パターン110の一端110E1および他端110E2間の所定の中間位置110Mに設定された第1の平衡信号入力端B1inから一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力し、且つ、第2の導体パターン210の接地端でない他端210E2に設定された第2の平衡信号入力端B2inから該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力すると、第1の導体パターン110の一端110E1である不平衡信号出力端Uoutから不平衡信号が出力される。
このように、図11ないし図13のものとは平衡信号と不平衡信号とで、それらの入力および出力の関係を逆にして構成した(用いた)例において、第2の導体パターン210は第1の導体パターン110の不平衡信号出力端Uoutと第1の平衡信号入端B1inとの間において、第1の導体パターン110の側方又は上下方向に沿って並置され、第2の導体パターン210の接地端GND2と第1の導体パターン110の不平衡信号出力端Uoutとが当該並置された第1および第2の導体パターン110,210の同じ端部側に配置されるため、第1および第2の導体パターン110,210が所定部分に渡って並置されることによって所定の特性が選択され得ると共に構成が簡素化される。
図16は、本発明のバランの第1の導体パターンと第2の導体パターンの磁気結合の状況を第1の実施の形態と第2の実施の形態間で比較して説明するための図である。
図16(A)は、第2の実施の形態のバランに関する第1の導体パターンと第2の導体パターンとの磁気結合の状況を表わし、図16(B)は、第1の実施の形態のバランに関する第1の導体パターンと第2の導体パターンとの磁気結合の状況を表わしている。尚、第3の実施の形態のバランについては、図16(A)に表されたものと程度を異にするも略同様の現象を呈する。
図示のように、第1の導体パターン110にはその周囲を周回する高周波磁界が形成される。第2の実施の形態においては、特に、第1の導体パターン110の上下に形成される高周波磁界に対し、第2の導体パターン210における一対の導体部210aと210bとによって第1の導体パターン110を挟む位置関係をもって第1の導体パターンおよび第2の導体パターンを配置している。
このような構成により、効率的に相互に電磁的結合が得られ、図16(B)のように第2の導体パターン210が第1の導体パターン110に対して一方のみ(上側又は下側のみ)に配置された場合に比べ、第1の導体パターンと第2の導体パターンとの電磁的結合度を相対的に高くすることができる。
尚、第1の導体パターン110による高周波磁界が第2の導体パターンの導体部210aと210bの外側まで達しているのに対し、第1の導体パターンと第2の導体パターンの間に高周波磁界が生じない(極めて小さい)のは、第1の導体パターンと第2の導体パターンが形成するそれぞれの高周波磁界のベクトルが相反する方向になって相殺し合うためである。
本発明にかかるバランにおける1次側と2次側の導体間の磁気結合は、1次側導体パターンのライン方向に電流が流れた際、1次側導体周囲に生じた磁場に対し、この磁場を打ち消す方向に磁場が生じるように2次側導体パターンのライン方向に電流が流れる現象により行われる。
従来の構成である図16(B)では1次側及と2次側導体とが単に上下に配置されているため、各導体周囲に生じるそれぞれ打ち消し合う磁場の対象性が崩れやすい。即ち、導体を中心として同心円として形成される磁場に対して、例えば図16(B)の導体110により下側に形成される磁場は、それを打ち消すために磁場を発生させる導体210から見ると距離的に遠くなり、導体110により上側に形成される磁場は、それを打ち消すために磁場を発生させる導体210から見ると距離的に近くなる。
この場合、エネルギー的に低い側で1次側と2次側の磁気結合が行われるため、2次側導体の上側での打ち消し磁界に相当する電流が2次側導体に流れることになるため、結果として結合度が低下する。
しかし、図16(A)に示すトランスの断面では1次側と2次側が上下方向に関して対称配置となっているため、従来の配置に関わる問題が生じることはなく、効率的に1次側と2次側の磁気結合を行うことが可能となる。
図17は、本発明のバランの導体パターン周辺に形成される高周波磁界の分布を概念的に説明する図である。図17に表されたとおり、導体パターンよりある一定の距離だけ離れたところで急激に磁界のエネルギーが減衰することから、第2の導体パターン210と第1の導体パターン110との上下方向の間隔は上記一定の距離以下であることが望ましいことが理解される。これについては、図18および図19を参照して更に詳述する。
図18は、本発明のバランに適用するストリップ導体に関する磁場エネルギーの分布の状況についてシミュレーションを行ったモデルの構成を表す図であり、図19は、図18のモデルに関する磁場エネルギーの分布の状況を表す図である。尚、図19の縦軸は磁場エネルギーの減衰量を対数(dB)で示している。(図17の縦軸は線形表示。)
図18のモデルは、ストリップ導体1100をSi基板1000上に形成した構造であって、Si基板1000の平面形状は200×200μmの方形であり、ストリップ導体1100は、長さ160μm幅3μm厚み1μmであり、Si基板1000の上に6μmのSiO2層間絶縁体1200を設け、このSiO2層間絶縁体1200上にストリップ導体1100は形成されているものとする。
SiO2層間絶縁体1200はストリップ導体1100の上側にも5μmの厚みで形成されている。Si基板1000の厚みを100μmとし、このSi基板1000の裏面にはGND電極1300を形成して、ストリップ導体1100はマイクロストリップ線路の構成をとっている。
図18のモデルについて、磁場エネルギーの分布は図19のような状況を呈している。図18に細線の矢線でx,y,zとして示されたように座標軸を設定すると、図19は、ストリップ導体1100の長手方向(x方向)に対して垂直な面z方向(上面方向)における磁場エネルギーの分布を表わしている。
導体パターン周辺に形成される高周波磁界の分布では細い導体ほど電流を流すことができないため数μmの幅・厚みの導体(IC設計レベル)では10μm程度が有効な高周波磁界の分布の領域と考えられる。
しかし、導体の厚み又は幅が数十又は数百μm程度の例えばプリント基板やセラミック基板(LTCC等)の導体では上記の数十から数百倍の高周波電流を流すことが可能となるため、高周波磁界エネルギーの絶対値の大きさから有効となる高周波磁界の分布の領域も数十倍程度となる。
上述の考察から、本発明の実施の形態の構成において、高周波領域で用いるに適合するバランとしては、その一例としての好適な実施例では第2の導体パターン210と第1の導体パターン部110との上下方向の間隔については、上述のような有効な高周波磁界の分布領域の考え方から100μm以下が好ましいと考えられる。
図20は、本発明のバランを適用した高周波ICの回路ブロック(ICチップ)の一部を示した図である。図で示されている箇所は高周波信号の入力部であり、例えば携帯電話等でアンテナから受信された信号が入力する部分である。
この図では平衡−不平衡変換素子としてのバランをIC部品の中に取り込んだ状況を示している。図中、一点鎖線より左側のUNBLと表記した領域が不平衡(入力)信号の領域、右側のBLと表記した領域が平衡(出力)信号の領域である。
図21は本発明のバランを高周波ICに搭載した状況を表す概念図である。図21に示すように、本発明に係るバラン10はIC部品を形成するICチップの半導体基板SSの配線層WLにおいて、そのバラン形成領域BMPとして設定された領域に受動部品として形成されることが好ましい。
このように配線層WLにバラン10が形成されることにより、例えばバラン10の後段にアンプがある場合、アンプの入力段まで各平衡信号が通過するラインを同一線路長で形成することが可能である。そのため、平衡信号の振幅特性や位相特性を理想に近い形でアンプ段に供給することができる。
また、バラン10が半導体上の配線層に形成されるため、実装面積が小さく低背化されて小型化が図られる。
更にまた、上述のバラン10について、その入力側および出力側の何れか一方または双方にインピーダンス変換部を付加するような構成をとってもよい。この場合、このバラン10は特に、インピーダンス変換素子としての使途に適合する。
本発明の第一の実施の形態としてのバランについてその要部を透視するようにして表す図である。 図1のバランの要部拡大図である。 図1のバランの導体パターンの配置と各端部(外部接続端子)の設定状況を表す等価回路図である。 図1のバランの位相特性を表す図である。 図1のバランの振幅特性を表す図である。 本発明の第2の実施の形態としてのバランについてその要部を透視するようにして表す図である。 図6のバランの要部拡大図である。 図6のバランの導体パターンの配置と各端部(外部接続端子)の設定状況を表す等価回路図である。 図6のバランの位相特性を表す図である。 図6のバランの振幅特性を表す図である。 本発明の第3の実施の形態としてのバランについてその要部を透視するようにして表す図である。 図11のバランの要部拡大図である。 図11のバランの導体パターンの配置と各端部(外部接続端子)の設定状況を表す等価回路図である。 図11のバランの位相特性を表す図である。 図11のバランの振幅特性を表す図である。 本発明のバランの第1の導体パターンと第2の導体パターンの磁気結合の状況を第1の実施の形態と第2の実施の形態間で比較して説明するための図である。 本発明のバランの導体パターン周辺に形成される高周波磁界の分布を概念的に説明する図である。 本発明のバランに適用するストリップ導体に関する磁場エネルギーの分布の状況についてシミュレーションを行ったモデルの構成を表す図である。 図18のモデルに関する磁場エネルギーの分布の状況を表す図である。 本発明のバランを適用した高周波ICの回路ブロック(ICチップ)の一部を示した図である。 本発明のバランを高周波ICに搭載した状況を表す概念図である。
符号の説明
10,11,12,13…バラン 110…第1の導体パターン 210…第2の導体パターン 211…第2パターン 211a…第1導体部 211b…第2導体部 1000…Si基板 1100…ストリップ導体 1200…SiO2層間絶縁体 1300…GND電極

Claims (12)

  1. 所定の基板上に形成され高周波信号の平衡−不平衡変換用に適合するバランであって、自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して前記基板上に形成された第1の導体パターンと、前記第1の導体パターンとは別に自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して形成された第2の導体パターンとを備え、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとは前記基板上に両者が相互に沿って並置されるように配され、且つ、前記第2の導体パターン(または前記第1の導体パターン)は前記第1の導体パターン(または前記第2の導体パターン)の一部乃至略全部を挟んで対向する対をなす導体部分を有することを特徴とするバラン。
  2. 前記第1の導体パターンおよび前記第2の導体パターンは略重畳した関係に配置され、且つ、前記第2の導体パターンまたは前記第1の導体パターンのうちの何れか一方の導体パターンは前記第1の導体パターンまたは前記第2の導体パターンのうちの何れか他方の導体パターンを略サンドイッチ構造に挟み込むように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のバラン。
  3. 前記第1の導体パターンの一端を不平衡信号入力端とし他端を接地端とし更に前記第1の導体パターンの一端および他端間の所定の中間位置に一対の平衡信号のうちの一方の信号を出力する第1の平衡信号出力端を設定し、前記第2の導体パターンの一端を接地端とし他端を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を出力する第2の平衡信号出力端とすることを特徴とする請求項1〜請求項2の何れか一項に記載のバラン。
  4. 前記第1の導体パターンの一端を不平衡信号出力端とし他端を接地端とし更に前記第1の導体パターンの一端および他端間の所定の中間位置に一対の平衡信号のうちの一方の信号を入力する第1の平衡信号入力端を設定し、前記第2の導体パターンの一端を接地端とし他端を該一対の平衡信号のうちの他方の信号を入力する第2の平衡信号入力端とすることを特徴とする請求項1〜請求項2の何れか一項に記載のバラン。
  5. 前記第2の導体パターンは前記第1の導体パターンの前記不平衡信号入力端と前記第1の平衡信号出力端との間において、前記第1の導体パターンの側方又は上下方向に沿って並置され、前記第2の導体パターンの接地端と前記第1の導体パターンの不平衡信号入力端とが当該並置された前記第1の導体パターンおよび前記第2の導体パターンの同じ端部側に配置されたことを特徴とする請求項3に記載のバラン。
  6. 前記第2の導体パターンは前記第1の導体パターンの前記不平衡信号出力端と前記第1の平衡信号入力端との間において、前記第1の導体パターンの側方又は上下方向に沿って並置され、前記第2の導体パターンの接地端と前記第1の導体パターンの不平衡信号出力端とが当該並置された前記第1の導体パターンおよび前記第2の導体パターンの同じ端部側に配置されたことを特徴とする請求項4に記載のバラン。
  7. 前記第1の導体パターン及び前記第2の導体パターンはそれぞれ平面投影形状が略回旋状に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のバラン。
  8. 前記バランは全体的に所定の非磁性基板上に構成され、且つ前記第1の導体パターン及び前記第2の導体パターンはそれぞれ非磁性誘電体材料に支持されるようにして配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のバラン。
  9. 前記第1の導体パターン及び前記第2の導体パターンは、それらの当該対向する対をなす導体部分の間隔が100μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のバラン。
  10. 前記基板は半導体であって、前記バランは半導体上の配線層に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のバラン。
  11. 前記バランは、その入力側およびは出力側の何れか一方または双方にインピーダンス変換部が付加されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のバラン。
  12. 所定の基板上に形成され高周波信号の平衡−不平衡変換用に適合するバランであって、自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して前記基板上に形成された第1の導体パターンと、前記第1の導体パターンとは別に自己の一端および他端間の電流路をなすように延長して形成された第2の導体パターンとを備え、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとは前記基板上に両者が相互に沿って並置されるように配された導体部分を有することを特徴とするバラン。
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