JPH08190277A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セルフバイアス効果によって誘起される誘導
バイアス電圧の変動を抑え、電圧変動に起因した画質低
下を低減させることが可能な記録装置及び記録方法を提
供する。 【構成】 潜像担持媒体11と、潜像担持媒体上の静電潜
像を現像液で現像する現像手段21ｂと、静電潜像を現像
した潜像担持媒体から余剰の現像液を除去する除去手段
21ｃとを備えた記録装置１と記録方法。現像手段及び／
又は除去手段は、潜像担持媒体によって電位が誘起され
る部材を有し、かつ、コンデンサ25を介してアースされ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録装置及び記録方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】感光ドラム上に形成された静電潜像を現
像液で現像し、現像されたトナー像を記録紙等の記録媒
体に転写，定着して記録する記録装置、例えば、電子写
真プリンタにおいては、潜像担持媒体から余剰現像液を
除去するために、余剰現像液を除去する除去ローラにバ
イアス電圧を強制的に印加する除去方法が知られている
（特公平１ー４３３０７号公報）。

【０００３】しかし、上記公報に開示された除去方法に
おいては、バイアス電圧を印加する外部電源を必要と
し、構造が複雑になるという問題があった。また、上記
除去方向においては、感光ドラムに傷があると、その部
分と除去ローラとの間でスパークし、現像されたトナー
像がライン状に白抜けして、画質が低下するという不具
合もあった。

【０００４】そこで、このような外部電源を用いること
なく潜像担持媒体から余剰現像液を除去する装置が、特
公昭５７−４８７８９号公報に開示されている。この装
置は、正規現像方式を使用しており、余剰現像液除去部
材に定電圧素子（ツェナーダイオード）を接続し、潜像
担持媒体上の電位に対応した誘導バイアス電圧を誘起さ
せることで余剰現像液を除去するものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、特公昭５７
−４８７８９号公報に開示された装置で使用しているツ
ェナーダイオードは、セルフバイアス効果によって余剰
現像液除去部材に誘起される電位を定電圧化させるもの
である。一般に、セルフバイアス効果によって誘起され
る電圧は、潜像担持媒体上に形成された静電潜像の有す
る電位によって変動し、写真と文字とが混在した原稿に
基づく静電潜像のように、印字情報量の変動が大きい場
合には、それに伴って誘起される誘導電圧も大きく変動
する。

【０００６】特に、反転現像方式を採用している記録装
置でセルフバイアス方式に基づく上記ツェナーダイオー
ドを使用すると以下のような問題があった。即ち、反転
現像方式においては、潜像担持媒体は、印字情報量が多
くなるに従って、印字情報に基づく静電潜像の部分にお
ける表面電位の絶対値が小さくゼロに近くなり、印字情
報のない白地部分では表面電位の絶対値が大きい。この
ため、印字情報量が多い原稿の場合には、潜像担持媒体
における表面電位が小さくなる結果、余剰現像液除去部
材に誘起されるバイアス電圧が小さくゼロに近くなり過
ぎ、ツェナーダイオードが有効に機能しない状態になっ
てしまう。

【０００７】また、このような状態が余剰現像液除去部
材に生ずると、余剰現像液の除去に際して現像されたト
ナー像が潜像担持媒体から剥がれ易くなるという問題が
ある。しかも、文字と絵が混在した原稿のように、１つ
の原稿中で印字情報量が大きく変動する場合には、誘起
される誘導バイアス電圧の変動が大きくなり過ぎる結
果、電位変動に対応した印刷ムラが生じ画質が低下する
という問題があった。

【０００８】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、セルフバイアス効果によって誘起される誘導バイア
ス電圧の変動を抑え、電圧変動に起因した画質低下を低
減させることが可能な記録装置及び記録方法を提供する
ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の記録装置によれば、潜像担持媒体と、該潜像担
持媒体上の静電潜像を現像液で現像する現像手段と、静
電潜像を現像した潜像担持媒体から余剰の現像液を除去
する除去手段とを備えた記録装置であって、前記現像手
段及び／又は除去手段は、前記潜像担持媒体によって電
位が誘起される部材を有し、かつ、コンデンサを介して
アースされている構成としたのである。

【００１０】また、上記目的を達成するため本発明の記
録方法によれば、潜像担持媒体と、該潜像担持媒体上の
静電潜像を現像液で現像する現像手段と、静電潜像を現
像した潜像担持媒体から余剰の現像液を除去する除去手
段とを備えた記録装置を用いて潜像担持媒体上の現像さ
れた像を記録媒体に記録するに際し、前記潜像担持媒体
によって現像手段及び／又は除去手段に誘起される電位
の変動を抑制する構成としたのである。

【００１１】好ましくは、上記現像方法は、反転現像方
式を用いる。

【００１２】

【作用】現像手段及び／又は除去手段は、印字情報濃度
の相違に基づく種々の表面電位を有する潜像担持媒体上
の静電潜像によって誘起される電位の変動が、コンデン
サによって抑制される。このとき、反転現像方式で静電
潜像を現像すると、誘起される電位の変動を抑制する効
果が好適に発揮される。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の記録装置及び記録方法に係る
一実施例を、カラープリント用の反転現像方式に基づく
電子写真プリンタを例にして図１に基づいて詳細に説明
する。電子写真プリンタ１は、図１に示すように、感光
手段１０、現像手段２０、中間転写手段３０、クリーニ
ング手段４０、転写・定着手段５０、転写前帯電器６０
及び補助スクイズ手段７０を備えており、感光手段１０
には図示しない露光手段から露光用の光が照射される。

【００１４】感光手段１０は、感光ドラム１１、除電ラ
ンプ１２および一次帯電器１３を有しており、感光ドラ
ム１１は残留電荷の除去に先立ってクリーニング手段４
０によって表面を清掃される。感光ドラム１１は、円筒
形のドラムの表面に有機光電材料からなる感光層が形成
され、前記露光手段から照射される光によって静電潜像
が形成される。除電ランプ１２は、小形の白熱ランプ
で、感光ドラム１１の表面に光を照射して残留電荷を除
去する。一次帯電器１３は、コロナ放電で発生させたイ
オンにより感光ドラム１１の表面を一様に帯電させるコ
ロナ帯電器である。

【００１５】現像手段２０は、第一現像ユニット２１〜
第四現像ユニット２４を有し、これらは図示しない駆動
手段によって感光ドラム１１の接線方向となる図中矢印
で示す水平方向に一体に移動される。また、各現像ユニ
ットには、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよび
黒の各現像液を収容した図示しないトナーカートリッジ
が着脱自在に装着される。現像液は、液体キャリア中に
それぞれイエロー、マゼンタ、シアン等のトナー粒子を
分散させたものが使用される。

【００１６】第一現像ユニット２１は、現像液の液槽２
１ａに、それぞれ現像ローラ２１ｂとスクイズローラ２
１ｃとが所定の間隔で平行に配置されている。液槽２１
ａは、現像ユニット２１に配置した前記トナーカートリ
ッジから現像液が供給される。ここで、スクイズローラ
２１ｃは、金属ローラあるいは金属ローラの表面に絶縁
性の合成樹脂，セラミック等からなる薄膜が形成され、
図示のように、コンデンサ２５を介してアースされてい
る。

【００１７】尚、他の現像ユニット２２〜２４は、第一
現像ユニット２１と同様に構成されているので、詳細な
説明を省略する。ここで、現像手段２０は、現像開始前
の初期位置においては、感光ドラム１１の右方に配置さ
れている。そして、現像ユニット２１〜２４は、現像の
際、前記駆動手段によってこの順で感光手段１０側へと
順次移動され、色分解されたプリント情報に基づいて形
成された各静電潜像が順次現像される。

【００１８】また、各現像液は、電子写真プリンタ１を
使用する場合だけ、各トナーカートリッジから各現像ユ
ニットに供給され、通常は、現像ユニットの液槽内には
現像液は入っていない。中間転写手段３０は、中間転写
ドラム３１、帯電器３２及びヒータ３３を備えている。

【００１９】中間転写ドラム３１は、感光ドラム１１に
圧接され、現像手段２０の現像ユニット２１〜２４で各
色相のトナー像が現像される度に、各トナー像が順次積
層転写される。帯電器３２は、感光手段１０の一次帯電
器１３と同様の原理で中間転写ドラム３１に帯電を施
し、感光ドラム１１から転写される色相の異なる次のト
ナー像が転写され易いように、前のトナー像の影響を打
ち消すと同時に、すでに中間転写ドラム３１上に転写さ
れたトナー像が感光ドラム１１上に戻ることを防ぐ。

【００２０】ヒータ３３は、ハロゲンランプ，赤外線ラ
ンプ等を使用した中間転写ドラム３１を加熱するヒータ
である。そして、中間転写手段３０においては、感光ド
ラム１１に現像されたトナー像が、帯電器３２により帯
電されながら中間転写ドラム３１に順次積層転写され
る。この転写に際し、感光ドラム１１には中間転写ドラ
ム３１に転写されなかった僅かなトナー像や現像液が残
るが、これらはクリーニング手段４０により清掃され
る。

【００２１】クリーニング手段４０は、中間転写ドラム
３１へトナー像を転写した後に感光ドラム１１に残った
トナー像や現像液の残滓を集めるもので、感光ドラム１
１に当接した２本のクリーニングローラ４１及び感光ド
ラム１１に当接自在なスクイズブレード４２を有してい
る。転写・定着手段５０は、熱ローラ５１，５２を有し
ている。熱ローラ５１，５２は、ヒータ(図示せず)が内
蔵されたローラで、図１に示すように、記録紙Ｓの搬送
方向上流側に熱ローラ５１が、同じく下流側に熱ローラ
５２が、それぞれ中間転写ドラム３１に当接させて配置
されている。熱ローラ５１，５２は、多色トナー像の記
録紙Ｓへの加熱定着の際に、図示しない押圧機構により
一体に駆動されて中間転写ドラム３１に圧接され、中間
転写ドラム３１に積層転写された多色トナー像を加熱・
加圧して記録紙Ｓ上に定着する。

【００２２】尚、前記押圧機構は、感光ドラム１１から
中間転写ドラム３１にトナー像を転写するときには、熱
ローラ５１，５２を中間転写ドラム３１から離間させて
おく。そして、中間転写ドラム３１の４種類のトナー像
のうち最後のトナー像が転写された部分が到達するまで
に、押圧機構により熱ローラ５１，５２が中間転写ドラ
ム３１に所定の圧接力で押し付けられる。これにより、
熱ローラ５１，５２は、中間転写ドラム３１に積層転写
された多色トナー像を加圧・加熱して記録紙Ｓ上に転
写，定着する。

【００２３】転写前帯電器６０は、感光ドラム１１のト
ナー像が現像された表面をトナー像、即ち、トナー粒子
と同極性に帯電させるコロナ帯電器である。帯電器６０
は、コロナ放電で発生させたイオンにより感光ドラム１
１のトナー像が現像された表面をトナー粒子と同極性に
帯電させ、これによりトナー像表面とトナー粒子との間
に斥力を作用させて感光ドラム１１の表面に凝集させ
る。

【００２４】補助スクイズ手段７０は、補助ローラ７１
と受け皿７２とを有している。補助ローラ７１は、感光
ドラム１１と同方向に回転して、トナー像が現像された
感光ドラム１１の表面から過剰の現像液、特に液体キャ
リアを除去する。補助ローラ７１に付着した現像液はス
クレーパによって除去され、下方の受け皿７２を介して
廃液タンクに回収される。

【００２５】本発明の電子写真プリンタ１は、以上のよ
うに構成され、以下のようにしてカラー像を作成する。
まず、クリーニング手段４０で清掃された感光ドラム１
１の表面から除電ランプ１２で残留電荷を除去し、一次
帯電器１３で一様に帯電させる。つぎに、前記露光手段
からレーザ光を照射し、色分解されたプリント情報に基
づく静電潜像を感光ドラム１１の表面に順次形成する。
このレーザ光の照射による静電潜像は、イエロー、マゼ
ンタ、シアンおよび黒の色相に対応して合計４回形成さ
れる。

【００２６】このとき、電子写真プリンタ１は、各現像
ユニット２１〜２４のスクイズローラが、コンデンサを
介してアースされている。このため、文字と絵が混在し
た原稿の場合には、１つの原稿中で印字情報量が大きく
変動し、静電潜像についてみたときに、印字情報量が少
なく表面電位が極端に大きな部分と、印字情報量が多く
表面電位が小さくゼロに近い部分とが感光ドラム１１上
に生ずる。この場合、スクイズローラ２１ｃに誘起され
る誘導バイアス電圧は、感光ドラム１１上の静電潜像の
表面電位に対応したものとなり誘導バイアス電圧の変動
が大きくなる。

【００２７】しかし、スクイズローラ２１ｃは、コンデ
ンサ２５を介してアースされているので、誘導バイアス
電圧の変動が小さく抑えられる。従って、電子写真プリ
ンタ１は、スクイズローラ２１ｃに誘起される誘導バイ
アス電圧の変動を小さく抑えながら感光ドラム１１上の
余剰現像液を除去する。このため、電子写真プリンタ１
は、誘導バイアス電圧の変動に対応した印刷ムラが生ず
ることのない画質に優れたプリント画像を提供すること
ができる。

【００２８】ついで、図中感光ドラム１１の右方に配置
されていた現像手段２０が、図示しない駆動手段によっ
て感光ドラム１１側へ水平に移動され、第一現像ユニッ
ト２１でイエローのトナー像が、第二現像ユニット２２
でマゼンタのトナー像が、以下同様にして、シアンおよ
び黒のトナー像が順次現像される。このようにして、各
現像ユニットで現像されたトナー像は中間転写ドラム３
１へと順次転写され、中間転写ドラム３１には４色のト
ナー像を積層した多色トナー像が形成される。

【００２９】そして、第四現像ユニット２４で現像され
たトナー像の中間転写ドラム３１への転写と並行して、
あるいは、転写終了後に、前記押圧機構により熱ローラ
５１，５２が中間転写ドラム３１に圧接される。これに
より、中間転写ドラム３１上に積層形成された多色トナ
ー像が、加熱・加圧されて搬送されてくる記録紙Ｓ上へ
一括して転写・定着され、カラー像を記録する工程が終
了する。

【００３０】記録紙Ｓへの多色トナー像の記録が終了す
ると、前記押圧機構による熱ローラ５１，５２の中間転
写ドラム３１への圧接が解除されると共に、現像手段２
０が前記駆動手段によって感光ドラム１１右方の初期位
置へ移動される。尚、上記実施例においては、各現像ユ
ニット２１〜２４におけるスクイズローラだけをコンデ
ンサを介してアースする構成としたが、各現像ユニット
２１〜２４の現像ローラ及び補助スクイズ手段７０のス
クイズローラ７１を同様に構成しても、セルフバイアス
効果によって誘起される誘導電圧の変動を抑え、電圧変
動に起因した画質低下を低減させることができることは
いうまでもない。

【００３１】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
記録装置及び記録方法によれば、セルフバイアス効果に
よって誘起される誘導バイアス電圧の変動を抑え、電圧
変動に起因した画質低下を低減させることができる。こ
のとき、本発明の記録方法においては、反転現像方式で
静電潜像を現像すると、誘導バイアス電圧の変動を抑制
する効果がより一層好適に発揮できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の記録方法を適用した記録装置の概略構
成図である。

【符号の説明】

１ 電子写真プリンタ（記録装置） １０ 感光手段 １１ 感光ドラム １２ 除電ランプ １３ 一次帯電器 ２０ 現像手段 ２１ 第一現像ユニット ２１ｃ スクイズローラ ２２〜２４ 第二〜第四現像ユニット ２５ コンデンサ ３０ 中間転写手段 ３１ 中間転写ドラム ３２ 帯電器 ３３ ヒータ ４０ クリーニング手段 ４１ クリーニングローラ ４２ スクイズブレード ５０ 転写・定着手段 ５１，５２ 熱ローラ ６０ 転写前帯電器 ７０ 補助スクイズ手段 ７１ 補助ローラ ７２ 受け皿 Ｓ 記録紙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 潜像担持媒体と、該潜像担持媒体上の静
   電潜像を現像液で現像する現像手段と、静電潜像を現像
   した潜像担持媒体から余剰の現像液を除去する除去手段
   とを備えた記録装置であって、前記現像手段及び／又は
   除去手段は、前記潜像担持媒体によって電位が誘起され
   る部材を有し、かつ、コンデンサを介してアースされて
   いることを特徴とする記録装置。
2. 【請求項２】 潜像担持媒体と、該潜像担持媒体上の静
   電潜像を現像液で現像する現像手段と、静電潜像を現像
   した潜像担持媒体から余剰の現像液を除去する除去手段
   とを備えた記録装置を用いて潜像担持媒体上の現像され
   た像を記録媒体に記録するに際し、前記潜像担持媒体に
   よって現像手段及び／又は除去手段に誘起される電位の
   変動を抑制することを特徴とする記録方法。
3. 【請求項３】 反転現像方式を用いる、請求項２の記録
   方法。