JPH08187823A - 農業用フッ素樹脂フィルム - Google Patents

農業用フッ素樹脂フィルム

Info

Publication number
JPH08187823A
JPH08187823A JP7003458A JP345895A JPH08187823A JP H08187823 A JPH08187823 A JP H08187823A JP 7003458 A JP7003458 A JP 7003458A JP 345895 A JP345895 A JP 345895A JP H08187823 A JPH08187823 A JP H08187823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
fluoropolymer
agricultural
group
fluororesin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7003458A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyotaka Arai
清隆 新井
Takashi Takayanagi
敬志 高柳
Bunji Uchino
文二 内野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP7003458A priority Critical patent/JPH08187823A/ja
Publication of JPH08187823A publication Critical patent/JPH08187823A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】アルコール可溶型もしくは水分散型のフッ素ポ
リマーと無機親水性コロイド物質とを含む層(A)、お
よび、フッ素樹脂からなる層(B)からなり、層(B)
は密着性改善の表面処理された面を有し、層(A)と層
(B)とはこの表面処理された面で積層されている農業
用フッ素樹脂フィルム。 【効果】流滴性、その耐久性および耐候性が高く、さら
にフッ素樹脂フィルムとの密着力を長期間保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐汚染性、耐薬品性、耐
候性などのフッ素樹脂に加えて良好な流滴性およびその
耐久性を兼ね備えた農業用フッ素樹脂フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からグリーンハウスに用いられる農
業用フィルムとして、耐汚染性、耐薬品性、耐候性など
を有し、高い可視光線透過性を有するフッ素樹脂フィル
ムが使用されている。しかし、フッ素樹脂フィルムは、
表面が疎水性のため、内面に粒子径が微小である水滴が
付着しやすく、付着した水滴は太陽光線を遮ったり、集
合し滴下して植物の成育を妨げるなどの問題点がある。
【0003】そのため、流滴機能を有する農業用フッ素
樹脂フィルムが提案されている。例えば、特開昭62−
179938号には膨潤性ケイ酸塩とシランカップリン
グ剤からなる流滴剤が、また、特開平5−310973
号にはコロイド状シリカとシランカップリング剤からな
る流滴剤が、提案されている。しかし、これらの流滴性
の耐久性は充分ではなく、長期間使用すると流滴性が低
下する欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素樹脂フィルムの優れた特性に加え、優れた流滴性、お
よびその耐久性を有する農業用フッ素樹脂フィルムを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決すべくなされたものであり、アルコール可溶型もしく
は水分散型のフッ素ポリマーと無機親水性コロイド物質
とを含む層(A)、および、フッ素樹脂からなる層
(B)からなり、層(B)は密着性改善の表面処理され
た面を有し、層(A)と層(B)とはこの表面処理され
た面で積層されていることを特徴とする農業用フッ素樹
脂フィルムを提供する。
【0006】本発明において、層(B)を構成するフッ
素樹脂は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとす
る)またはクロロトリフルオロエチレン(以下、CTF
Eとする)などのフルオロオレフィンとフルオロオレフ
ィンと共重合可能なモノマーとの共重合体である。
【0007】具体的にはTFE/エチレン系共重合体
(以下、ETFEとする)、TFE/ヘキサフルオロプ
ロピレン系共重合体(以下、FEPとする)、TFE/
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)系共重合体
(以下、PFAとする)が好ましい。
【0008】ETFEとしては、TFE重合単位/エチ
レン重合単位のモル比が30/70〜70/30、特に
は40/60〜60/40のETFEが好ましい。ET
FEとしては、上記2成分の他に、さらに1種または2
種以上のフッ素含有オレフィンや炭化水素系オレフィン
などの追加成分を共重合せしめたものでもよい。
【0009】この追加成分としては、プロピレン、1−
ブテン等のα−オレフィン類、ヘキサフルオロプロピレ
ン、フッ化ビニリデン、(パーフルオロブチル)エチレ
ン、CTFE等の含フッ素オレフィン類、パーフルオロ
(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニ
ルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテ
ル)等の含フッ素ビニルエーテル類、および含フッ素ア
クリレート類などが例示される。追加成分を10モル%
以下の少量で共重合せしめて、ETFEを改質せしめる
程度であってもよい。
【0010】ETFEの分子量は特に限定されず、その
目安となる容量流速(a)として10〜300mm3
秒程度が好適である。ここにおける容量流速(a)は、
高化式フローテスターを使用して、温度300℃、荷重
30kg/cm2 で、直径1mm、長さ2mmのノズル
から流出させ、単位時間(秒)に流出するETFEの容
量(mm3 )で表される値である。
【0011】FEPとしては、TFE重合単位/ヘキサ
フルオロプロピレン重合単位のモル比が70/30〜9
9/1、特には80/20〜95/5のFEPが好まし
い。FEPとしては、上記2成分の他に、さらに1種ま
たは2種以上のフッ素含有オレフィンや炭化水素系オレ
フィンなどの追加成分を共重合せしめたものでもよい。
【0012】この追加成分としては、プロピレン、1−
ブテン等のα−オレフィン類、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン、(パーフルオロブチル)エチレン、CTFE
等の含フッ素オレフィン類、パーフルオロ(エチルビニ
ルエーテル)、パーフルオロ(メチルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等の含
フッ素ビニルエーテル類などが例示される。これらの追
加成分を共重合せしめる場合には、FEPを改質せしめ
る程度でよく、10モル%以下で共重合せしめることが
好ましい。
【0013】FEPの分子量は特に限定されず、その目
安となる容量流速(b)として0.5〜300mm3
秒程度が好適である。ここにおける容量流速(b)は、
高化式フローテスターを使用して、温度380℃、荷重
7kg/cm2 で、直径2mm、長さ8mmのノズルか
ら流出させ、単位時間(秒)に流出するFEPの容量
(mm3 )で表される値である。
【0014】PFAとしては、TFE重合単位/パーフ
ルオロ(アルキルビニルエーテル)重合単位のモル比が
80/20〜99.5/0.5、特には90/10〜9
9/1のPFAが好ましい。また、パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)としては、パーフルオロ(メチル
ビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パー
フルオロ(n−ヘプチルビニルエーテル)などが挙げら
れる。共重合体物性などを考慮するとパーフルオロ(プ
ロピルビニルエーテル)が好ましい。PFAとしては、
上記2成分の他に、さらに1種または2種以上の少量の
フッ素含有オレフィンや炭化水素系オレフィンなどの追
加成分を共重合せしめたものでもよい。
【0015】この追加成分としては、プロピレン、1−
ブテン等のα−オレフィン類、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン、(パーフルオロブチル)エチレン、CTF
E、ヘキサフルオロプロピレン等の含フッ素オレフィン
類などが例示される。これらの追加成分を共重合せしめ
る場合には、PFAを改質せしめる程度でよく、10モ
ル%以下で共重合せしめることが好ましい。
【0016】PFAの分子量は特に限定されず、その目
安となる容量流速(c)として0.5〜300mm3
秒程度が好適である。ここにおける容量流速(c)は、
高化式フローテスターを使用して、温度380℃、荷重
7kg/cm2 で、直径2mm、長さ8mmのノズルか
ら流出させ、単位時間(秒)に流出するPFAの容量
(mm3 )で表される値である。
【0017】層(B)の厚みは特に限定されず、高い透
明性を得るためには10〜500μm、特に農業用フッ
素樹脂フィルムとしての機械的特性やコストなどを考慮
して好ましくは25〜200μmが適用される。
【0018】層(B)は密着性改善の表面処理が施され
た面を有する。表面処理方法としては、フッ素樹脂の密
着性改善に用いられる表面処理法が特に限定されること
なく広範囲にわたって採用されうる。例えばコロナ放電
処理、グロー放電処理、金属ナトリウム処理等が採用さ
れる。特に、コロナ放電処理が好ましい。
【0019】コロナ放電処理は、フッ素樹脂フィルムの
成形ラインにコロナ放電処理機を配置して逐次処理する
のが製造プロセス上有利である。処理条件は、処理する
フィルムの種類や、所望する処理の程度により選択され
る。特に限定されないが、0.1〜10kWの強度で
0.5〜100m2 /分程度処理するのが好ましい。
【0020】本発明において、層(A)は、フルオロオ
レフィン類に基づく重合単位(1)を有するフッ素ポリ
マーまたはフルオロオレフィン類に基づく重合単位
(1)と官能基を有するモノマーに基づく重合単位
(2)を含むフッ素ポリマーと無機親水性コロイド物質
を含む。
【0021】無機親水性コロイド溶液とフッ素ポリマー
を充分に分散するために、水に分散したフッ素ポリマー
またはメタノール、エタノール、イソプロパノール等の
アルコール系溶剤に溶解したフッ素ポリマーが採用され
る。
【0022】水分散型のフッ素ポリマーは、上記の重合
単位(1)または重合単位(1)および重合単位(2)
を構成するモノマーとそれ以外のモノマーを乳化剤の存
在下で乳化重合して製造できる。またアルコール可溶型
のフッ素ポリマーは、重合単位(1)および重合単位
(2)を構成するモノマーとそれ以外のモノマーを溶液
重合して製造できる。
【0023】層(A)のフッ素ポリマーは、フルオロオ
レフィン類に基づく重合単位を有するので耐候性に優れ
る。したがって、層(A)自体には劣化の問題が認めら
れない。また、層(A)のフッ素ポリマーは、官能基を
有するモノマーに基づく重合単位を含有するので、層
(B)の表面処理された面に導入された極性基との相互
作用により層(B)との高い密着性を発現する。
【0024】さらに、層(A)のフッ素ポリマーとして
は、アルコール可溶型または水分散型のフッ素ポリマー
を用いるため、フッ素ポリマーは無機親水性コロイド物
質と良く分散する。したがって、フッ素ポリマーは層
(A)のバインダーとして無機親水性コロイド物質およ
び層(B)と高い密着性を有していることにより流滴性
を長期間保持できる。
【0025】層(A)におけるアルコール可溶型のフッ
素ポリマーとしては、TFEおよびCTFEからなる群
から選ばれる少なくとも1種のフルオロオレフィン類に
基づく重合単位(1)を20モル%以上含有し、官能基
を有するモノマーに基づく重合単位(2)を5モル%以
上含有するフッ素ポリマーが好ましく採用される。
【0026】また、層(A)における水分散型のフッ素
ポリマーとしては、TFEおよびCTFEからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のフルオロオレフィン類に基
づく重合単位(1)を20モル%以上含有するか、また
は、TFEおよびCTFEからなる群から選ばれる少な
くとも1種のフルオロオレフィン類に基づく重合単位
(1)を20モル%以上含有し官能基を有するモノマー
に基づく重合単位(2)を5モル%以上含有するフッ素
ポリマーも採用される。フッ素ポリマー中の重合単位
(1)の含有量は、20モル%未満の場合、充分な耐候
性が得られず、40〜70モル%が好ましい。
【0027】フッ素ポリマーにおいて、重合単位(2)
を与えるモノマーとしては、ビニル基、アリル基、アク
リロイル基、メタクリロイル基などの重合性部位を有す
る単量体が挙げられる。具体的には、オレフィン類、ビ
ニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル
類、アリルエステル類、アクリル酸エステル類、メタク
リル酸エステル類などが例示され、重合性部位とともに
官能基を有するモノマーが採用される。フッ素ポリマー
中の重合単位(2)の含有量は、好ましくは5モル%以
上である。重合単位(2)の含有量が5モル%未満では
層(B)への密着性、フッ素ポリマーの透明性が低下す
る。
【0028】また、重合単位(2)における官能基は任
意に選択できる。具体的には、水酸基、カルボキシル
基、スルホン酸基、アミノ基、エポキシ基、アルコキシ
シリル基などが例示される。特に、カルボキシル基およ
びスルホン酸基が好ましい。また、上記官能基に変換可
能な置換基も含まれる。この置換基としては、カルボン
酸ハライド基、スルホン酸ハライド基、カルボン酸エス
テル基、スルホン酸エステル基などが例示される。
【0029】重合単位(2)を与えるモノマーは、上記
重合性部位および官能基をあわせ持つ単量体である。具
体的には、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキ
シエチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールモノアリルエーテル、グリシジルビニルエー
テル、グリシジルアリルエーテル、ビニルトリメトキシ
シラン、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、
カルボン酸アルキルエステル基を持つパーフルオロ(ビ
ニルエーテル)(例えばCF2 =CFO(CF23
OOCH3 )、スルホン酸ハライド基を持つパーフルオ
ロビニルエーテル(例えばCF2 =CFOCF2 CF
(CF3 )OCF2 CF2 SO2 F)などが例示され
る。
【0030】重合単位(2)における官能基は、重合単
位(1)を与えるモノマーとの共重合後に、他の官能基
に転換することもできる。具体的には、ヒドロキシアル
キルビニルエーテルやヒドロキシアルキルアリルエーテ
ルと酸無水物との反応物、グリシジルアリルエーテルと
アルカノールアミンまたはフェノール性化合物との反応
物、アリルアルコールなどからなる水酸基含有化合物に
アルキレンオキシドを付加反応させた化合物、その他水
酸基、アルコキシシリル基、カルボキシル基など上記官
能基と反応しうる基を有する化合物を反応させた化合物
などが例示される。
【0031】フッ素ポリマーの数平均分子量は5000
〜500000の範囲が好適である。数平均分子量が5
000未満では耐水性が低下し、500000超では溶
剤に不溶となり好ましくない。
【0032】本発明のフッ素ポリマーは層(B)の表面
処理された面の上で硬化できる。例えば、フッ素ポリマ
ーの官能基が加水分解性シリル基である場合には、湿気
で硬化でき1液で使用できる。また、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基などの活性水素を含有する官能基で
ある場合には、硬化剤として一般に利用されている多価
イソシアネートとの反応が迅速である。
【0033】層(A)におけるフッ素ポリマーを構成す
る重合単位(1)および(2)以外のモノマーとして
は、TFE、CTFEと共重合可能なモノマーを採用で
きる。例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン
類、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テル、シクロヘキシルビニルエステル類、アリルエーテ
ル類、アリルエステル類、アクリル酸エステル類、メタ
クリル酸エステル類、ヘキサフルオロプロピレン、フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、
フルオロアルキルエチレン、フルオロビニルエーテルな
どが例示される。
【0034】層(A)の塗膜厚さは、透明性が得られる
0.01〜5μm、特には0.02〜2μmが好まし
い。層(A)の塗膜厚みが0.01μm未満では充分な
流滴性が得られず、5μm超では光線透過率が低下し好
ましくない。
【0035】本発明の無機親水性コロイド物質として、
コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルチ
タニアなどが使用できる。また、これらのコロイド物質
は、2種以上併用されてもよい。コロイド物質の平均粒
子径は100nm以下、特には5〜50nmが好まし
い。
【0036】層(A)中の無機親水性コロイド物質の割
合は、60重量%以上が好ましく、特に初期の流滴性の
発現性より80重量%以上が好ましい。層(A)中のフ
ッ素ポリマーの割合は1〜40重量%が好ましい。1重
量%未満では充分な流滴耐久性が得られず、40重量%
超では初期の流滴性の発現が遅くなる。
【0037】フッ素ポリマーと無機親水性コロイド物質
からなる層(A)に、シランカップリング剤を添加する
ことにより層(A)とフッ素樹脂からなる層(B)との
高い密着性が付与できる。使用されるシランカップリン
グ剤は、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラ
ン、メタクリロキシシラン等が例示される。また、界面
活性剤の添加により流滴性を向上させうる。界面活性剤
としてはノニオン系、アニオン系の界面活性剤が好まし
い。さらに、層(A)に紫外線吸収剤、着色剤等を添加
できる。
【0038】フッ素ポリマーと無機親水性コロイド物質
を含む流滴剤塗工液は、水に分散したまたはアルコール
に溶解したフッ素ポリマー溶液に、水またはアルコール
系の溶剤に分散したコロイド物質を混合することにより
製造される。このようにして得られた流滴剤塗工液をフ
ィルムの表面に塗布する場合は、例えば、グラビアコー
ト、スプレーコートなどにより塗工できる。
【0039】本発明の農業用フッ素樹脂フィルムをグリ
ーンハウスなどに用いる際は、層(B)が最外層に、層
(A)がグリーンハウス内部側となるように用いる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例(例1〜5)および
比較例(例6〜7)を説明する。なお、例中の部は重量
部を示す。
【0041】[例1]トリフルオロトリクロロエタン溶
媒中でラジカル重合を行い、重合単位を構成するモノマ
ーのTFE/CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )OC
2 CF2 SO2 Fが87/13(モル%)で、数平均
分子量が300000である共重合体を得た。この共重
合体を水酸化カリウム水溶液にて加水分解後、塩酸水溶
液にて処理してSO2 F基がスルホン酸基に変換された
ポリマーをエタノールに溶解して10%溶液を得た。
【0042】コロイダルシリカ(OSCAL1432
(イソプロパノール分散)、触媒化成工業社製)に上記
のスルホン酸基含有ポリマー溶液を添加し、さらにイソ
プロパノールにて希釈し、固形分としてシリカ100部
に対しスルホン酸基含有ポリマー10部である、固形分
濃度3%の流滴剤溶液を得た。
【0043】この流滴剤をコロナ放電処理した厚さ10
0μmのETFEフィルムに塗布量0.5g/m2 にな
るようにグラビアコートし、80℃で2分乾燥した。
【0044】このフィルムを屋根角度20度のアクリル
樹脂製ミニハウスに展張し、水温60℃の恒温水槽上
に、流滴剤をコートした面が恒温水槽側となるように設
置して100日間観察したところ、初期の付着水滴が少
ない状態を維持した。また、このフィルムをサンシャイ
ンウェザオメーターにて3000時間の促進暴露した
後、同様に流滴性を観察したところ、曝露しないフィル
ムと同じく付着水滴の少ない状態であった。
【0045】[例2]キシレン溶媒中でラジカル重合を
行い、重合単位を構成するモノマーのTFE/シクロヘ
キシルビニルエーテル/ヒドロキシブチルビニルエーテ
ルが50/35/15(モル%)で、数平均分子量が2
0000である共重合体を得た。この共重合体の水酸基
に無水コハク酸を反応させて酸価50mgKOH/gの
ポリマーをイソプロピルアルコールに溶解して10%溶
液を得た。
【0046】コロイダルシリカ(N−103X(n−ブ
チルアルコール/イソプロピルアルコール分散)、コル
コート社製)に上記ポリマー溶液とメタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランを添加し、さらにイソプロパノ
ールにて希釈し、シリカ100部に対しポリマー10
部、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部で
ある、固形分濃度3%の流滴剤溶液を得た。
【0047】以下、この流滴剤を用いて例1と同様に処
理した。得られたフィルムを用いて例1と同様に設置し
て100日間観察したところ、初期の付着水滴が少ない
状態を維持した。また、このフィルムをサンシャインウ
ェザオメーターにて3000時間の促進暴露した後、同
様に流滴性を観察したところ、曝露しないものと同じく
付着水滴の少ない状態であった。
【0048】[例3]乳化重合により得られ、重合単位
を構成するモノマーのTFE/シクロヘキシルビニルエ
ーテル/エチルビニルエーテルが50/30/20(モ
ル%)で、数平均分子量が100000である共重合体
エマルションにコロイダルシリカ(OSCAL1432
(イソプロパノール分散)、触媒化成工業社製)と水を
添加し、シリカ100部に対しポリマー50部である、
固形分濃度3%の流滴剤溶液を得た。
【0049】以下、この流滴剤を用いて例1と同様に処
理した。得られたフィルムを用いて例1と同様に設置し
て100日間観察したところ、初期の付着水滴が少ない
状態を維持した。また、このフィルムをサンシャインウ
ェザオメーターにて3000時間の促進暴露した後、同
様に流滴性を観察したところ、曝露しないものと同じく
付着水滴の少ない状態であった。
【0050】[例4]トリフルオロトリクロロエタン溶
媒中でラジカル重合を行い、重合単位を構成するモノマ
ーのTFE/CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )OC
2 CF2 SO2 Fが87/13(モル%)で、数平均
分子量が300000である共重合体を得た。この共重
合体を水酸化カリウム水溶液にて加水分解後、塩酸水溶
液にて処理してSO2 F基がスルホン酸基に変換された
ポリマーをエタノールに溶解して10%溶液を得た。
【0051】コロイダルシリカ(OSCAL1432
(イソプロパノール分散)、触媒化成工業社製)に上記
のスルホン酸基含有ポリマー溶液とメタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランを添加し、さらにイソプロパノ
ールにて希釈し、固形分としてシリカ100部に対しス
ルホン酸基含有ポリマー10部、メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン5部である、固形分濃度3%の流
滴剤溶液を得た。
【0052】この流滴剤を用いて例1と同様に処理し
た。ただし厚さ100μmのETFEフィルムのかわり
に厚さ100μmのPFAフィルムを用いた。得られた
フィルムを用いて例1と同様に設置して100日間観察
したところ、初期の付着水滴が少ない状態を維持した。
また、このフィルムをサンシャインウェザオメーターに
て3000時間の促進暴露した後、同様に流滴性を観察
したところ、曝露しないフィルムと同じく付着水滴の少
ない状態であった。
【0053】[例5]乳化重合により得られ、重合単位
を構成するモノマーのTFE/シクロヘキシルビニルエ
ーテル/エチルビニルエーテルが50/30/20(モ
ル%)で、数平均分子量が100000である共重合体
エマルションにコロイダルアルミナ(カタロイドAS−
1(水分散)、触媒化成工業社製)、界面活性剤ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート、水を添加
し、シリカ100部に対しポリマー50部、界面活性剤
1部である、固形分濃度3%の流滴剤溶液を得た。
【0054】この流滴剤を用いて例1と同様に処理し
た。得られたフィルムを用いて例1と同様に設置して1
00日間観察したところ、初期の付着水滴が少ない状態
を維持した。また、このフィルムをサンシャインウェザ
オメーターにて3000時間の促進暴露した後、同様に
流滴性を観察したところ、曝露しないものと同じく付着
水滴の少ない状態であった。
【0055】[例6]コロイダルシリカ(N−103
X、コルコート社製)にソルビタンモノラウレートを添
加しイソプロパノールにて希釈して、シリカ100部に
対しソルビタンモノラウレート5部である、固形分濃度
3%の流滴剤溶液を得た。
【0056】この流滴剤を用いて例1と同様に処理し
た。得られたフィルムを用いて例1と同様に設置して1
00日間観察したところ、初期の付着水滴が少ない状態
は1日しか維持できなかった。走査型電子顕微鏡で観察
したところ被覆層が剥離していた。
【0057】[例7]コロイダルシリカ(カタロイドS
I−40(水分散)、触媒化成工業社製)にポリビニル
アルコール水溶液、メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、水を添加し、シリカ100部に対しポリビニ
ルアルコール10部、メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン2部である、固形分濃度3%の流滴剤溶液を
得た。
【0058】この流滴剤を用いて例1と同様に処理し
た。得られたフィルムを用いて例1と同様に設置して1
00日間観察したところ、初期の付着水滴が少ない状態
を維持した。しかし、このフィルムをサンシャインウェ
ザオメーターにて3000時間の促進暴露した後、同様
に流滴性を観察したところ、付着水滴の少ない状態は3
日間しか維持できなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明の農業用フッ素樹脂フィルムは、
流滴性、その耐久性および耐候性が高く、さらにフッ素
樹脂フィルムとの密着力を長期間保持できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/04 CEW S C08K 3/22 3/36 KJF C08L 27/12 KJG 27/14 LGB 27/18 LGB 27/20 LGB

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコール可溶型もしくは水分散型のフッ
    素ポリマーと無機親水性コロイド物質とを含む層
    (A)、および、フッ素樹脂からなる層(B)からな
    り、層(B)は密着性改善の表面処理された面を有し、
    層(A)と層(B)とはこの表面処理された面で積層さ
    れていることを特徴とする農業用フッ素樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】層(A)中の無機親水性コロイド物質の含
    有量が60重量%以上である請求項1の農業用フッ素樹
    脂フィルム。
  3. 【請求項3】層(B)の表面処理がコロナ放電処理であ
    る請求項1または2の農業用フッ素樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】アルコール可溶型のフッ素ポリマーが、フ
    ルオロオレフィン類に基づく重合単位と官能基を有する
    モノマーに基づく重合単位とを有するフッ素ポリマーで
    ある請求項1〜3のいずれかの農業用フッ素樹脂フィル
    ム。
  5. 【請求項5】水分散型のフッ素ポリマーが、フルオロオ
    レフィン類に基づく重合単位を有するフッ素ポリマーま
    たはフルオロオレフィン類に基づく重合単位と官能基を
    有するモノマーに基づく重合単位とを有するフッ素ポリ
    マーである請求項1〜3のいずれかの農業用フッ素樹脂
    フィルム。
  6. 【請求項6】層(B)におけるフッ素樹脂が、テトラフ
    ルオロエチレン/エチレン系共重合体、テトラフルオロ
    エチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体および
    テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニ
    ルエーテル)系共重合体からなる群から選ばれる少なく
    とも1種のフッ素樹脂フィルムである請求項1〜5のい
    ずれかの農業用フッ素樹脂フィルム。
  7. 【請求項7】層(A)における無機親水性コロイド物質
    がシリカゾル、アルミナゾルおよびチタニアゾルからな
    る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5の
    いずれかの農業用フッ素樹脂フィルム。
JP7003458A 1995-01-12 1995-01-12 農業用フッ素樹脂フィルム Pending JPH08187823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7003458A JPH08187823A (ja) 1995-01-12 1995-01-12 農業用フッ素樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7003458A JPH08187823A (ja) 1995-01-12 1995-01-12 農業用フッ素樹脂フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08187823A true JPH08187823A (ja) 1996-07-23

Family

ID=11557887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7003458A Pending JPH08187823A (ja) 1995-01-12 1995-01-12 農業用フッ素樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08187823A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999067333A1 (fr) * 1998-06-23 1999-12-29 Asahi Glass Company Ltd. Materiau de couverture agricole
JP2006152061A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Asahi Glass Co Ltd 非硬化型塗膜形成用組成物
JP2017047530A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 デンカ株式会社 農業用フッ素含有積層フィルム及びそれを用いてなる農業用被覆資材

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999067333A1 (fr) * 1998-06-23 1999-12-29 Asahi Glass Company Ltd. Materiau de couverture agricole
US6461719B1 (en) 1998-06-23 2002-10-08 Asahi Glass Company Limited Agricultural covering material
JP2006152061A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Asahi Glass Co Ltd 非硬化型塗膜形成用組成物
JP2017047530A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 デンカ株式会社 農業用フッ素含有積層フィルム及びそれを用いてなる農業用被覆資材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100333577B1 (ko) 함불소 공중합체 수성 분산액
KR100494864B1 (ko) 함불소계중합체수성분산액
US6734227B2 (en) Optical elements comprising a fluoropolymer surface treatment
WO1996006887A1 (fr) Dispersion aqueuse de copolymere de fluorure de vinylidene, dispersion aqueuse de polymere souche de fluorure de vinilidene et procedes de realisation de ces dispersions
KR101932829B1 (ko) 불연 시트 및 그 제조 방법
JP5292367B2 (ja) プラスチックレンズ用およびデバイス用低反射フルオロポリマー層
JPH08258228A (ja) 農業用フッ素樹脂積層体
US5859123A (en) Water-based fluorine-containing emulsion
JP3376493B2 (ja) 水性硬化性樹脂組成物
JP3362396B2 (ja) 合成樹脂の表面保護コーティング方法
JPH08187823A (ja) 農業用フッ素樹脂フィルム
JPH08120210A (ja) 含フッ素系重合体水性分散液
WO1998046688A1 (fr) Composition de couchage resistant aux intemperies
JP2000073001A (ja) フッ素樹脂塗料組成物
JPH0811268A (ja) フッ素樹脂積層体
JP3304788B2 (ja) 含フッ素樹脂水性分散体
JP2017179322A (ja) 塗料組成物および塗装物品
JP2811721B2 (ja) フルオロオレフィン共重合体水性分散体
JPH1161028A (ja) 水性含フッ素樹脂塗料用組成物
JPH10316903A (ja) 水性塗料用耐汚染性付与剤及び水性塗料組成物
JPH07117188A (ja) 農業用積層フィルム
JPH11116849A (ja) 水系塗料用組成物
JPH07179809A (ja) 含フッ素水性分散液
JPH11323241A (ja) 塗料用含フッ素樹脂組成物
JP3326853B2 (ja) フッ素樹脂水性分散体および該水性分散体を含む水性塗料組成物