JPH08186591A - ループバック制御方式の通信システム - Google Patents

ループバック制御方式の通信システム

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JPH08186591A
JPH08186591A JP6326320A JP32632094A JPH08186591A JP H08186591 A JPH08186591 A JP H08186591A JP 6326320 A JP6326320 A JP 6326320A JP 32632094 A JP32632094 A JP 32632094A JP H08186591 A JPH08186591 A JP H08186591A
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JP
Japan
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carrier
transmission line
transmission
data
data transmission
Prior art date
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Application number
JP6326320A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Aoyama
芳久 青山
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 常用系伝送路Lmおよび予備系伝送路Lsか
らなる互いに逆方向にデータを送信するようになされた
二重ループ状データ伝送路に、複数のデータ伝送装置が
接続される。各データ伝送装置は、常用系伝送路Lmを
介したキャリアの有無を検出するキャリア検出部13
と、予備系伝送路Lsを介したキャリアの有無を検出す
るキャリア検出部14と、予備系伝送路Lsへ送出する
ためのキャリアを生成するキャリア生成部15と、自己
の伝送データフレーム中に回線状態の情報を付加する機
能とを備え、一組の符号化回路12および復号化回路1
1にて伝送信号の送受信を行う。 【効果】 従来2つ必要であった復号化回路を1つに削
減することができ、簡単な回路構成で短時間でループバ
ック制御を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、FA(Factor
y Automation)等に適用され、常用系および予備系から
なるそれぞれ逆方向にデータを送信するようになされた
二重ループトポロジーのデータ伝送路に複数のデータ伝
送装置が接続されている通信システムに関し、特に、伝
送路の障害に対してループバック制御を行うループバッ
ク制御方式の通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ループ状に構成された通信システムにお
いては、伝送路の障害に対して障害が発生した伝送路の
両端の伝送装置においてループバック制御を行うこと
で、システムダウンを回避することが一般的に行われて
いる。
【0003】例えば、特開昭62−98839号公報に
は、ループ上の各データ伝送装置が常用系および予備系
の各伝送路の受信信号状態を監視し、もし、常用系およ
び予備系の何れかの系において正常な信号が受信できな
かった場合、直ちにループバック状態をとることによ
り、迅速に伝送路の障害に対応できるループバック制御
方式が開示されている。
【0004】このループバック制御方式のデータ伝送装
置の構成を図28に示す。
【0005】上記データ伝送装置は、光ファイバケーブ
ル等からなる常用系伝送路Lmおよび予備系伝送路Ls
からの光信号を受信して電子信号に変換するインターフ
ェース機能を有する常用系受信部51および予備系受信
部52、伝送媒体上での符号形式であるマンチェスタ符
号等の特殊符号を通信処理部で処理できる符号形式(例
えばNRZ符号)に復号する常用系復号化回路53およ
び予備系復号化回路54、受信データの処理を行う常用
系受信処理部55および予備系受信処理部56、送信デ
ータの処理を行う常用系送信処理部57および予備系送
信処理部58、送信データを伝送に適した特殊符号(マ
ンチェスタ符号)に変換する常用系符号化回路59およ
び予備系符号化回路60、符号化された送信データを光
信号に変換して伝送媒体上へ送出するインターフェース
機能を有する常用系送信部61および予備系送信部6
2、スイッチSW71・SW72の切り換えによりルー
プバック構成にするか否かを制御するループ制御部63
と、常用系伝送路Lmおよび予備系伝送路Lsから正常
に光信号を受信しているか否かを監視し、正常でない場
合に他方の系の送信部(61または62)からの信号送
出を停止させる常用系監視部64および予備系監視部6
5とを備えている。
【0006】上記の構成において、常用系伝送路Lmま
たは予備系伝送路Lsの少なくとも一方において伝送路
障害が発生した場合、障害が発生した伝送路から正常な
光信号が受信できなくなったデータ伝送装置では、スイ
ッチSW71・SW72が何れも端子Aから端子Bへと
切り換わり、常用系から予備系および予備系から常用系
へのループバックが構成されると共に、正常に光信号が
受信できなかった系とは違う系の送信部(61または6
2)からの信号送出が停止する。また、上記データ伝送
装置が信号送出を停止することによって、それに隣接す
るデータ伝送装置においても同様にループバックを構成
する。
【0007】上記のようにして、障害が発生した伝送路
の両側のデータ伝送装置において迅速にループバックが
構成され、伝送路の障害に対応できるようになってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成では、
復号化回路53・54および符号化回路59・60が、
常用系用および予備系用に2組必要である。
【0009】一般に、受信側の復号化回路は、図29に
示すように、PLL等からなる受信信号に同期した受信
クロックCLKを生成する受信クロック生成部81、フ
レーム開始やデータ領域を認識するためのフラグやプリ
アンブルパターンを検出部82にて検出してマンチェス
タ符号復号回路84を制御する信号を作成する符号復号
用制御部83、およびマンチェスタ符号をNRZ符号等
に変換するマンチェスタ符号復号回路84等から構成さ
れ、受信信号に同期する手段や特殊符号(マンチェスタ
符号)の復号等の複雑な機能が必要とされるため、回路
規模が大きくなりがちであり、この復号化回路を2つ有
する従来のデータ伝送装置は回路構成が複雑化し、コス
ト高を招来するという問題を有している。
【0010】また、上記従来のループバック制御方式で
は、常用系の伝送路に障害が発生したときのみならず、
予備系のデータ伝送路のみに障害が発生した場合にも、
ループバックが構成されることになり、ループバックが
構成されるまでの間システムのデータ伝送が停止すると
いう問題がある。
【0011】本発明は、上記に鑑みなされたものであ
り、その目的は、従来2組必要であった復号化回路およ
び符号化回路を1組に削減、特に復号化回路を削減する
ことによりデータ伝送装置の回路構成を簡単化し、且つ
短時間でループバックを構成することができるループバ
ック制御方式の通信システムを提供することにある。ま
た、本発明のその他の目的は、予備系のデータ伝送路の
みの故障であれば不要なシステムのデータ伝送の停止を
回避することができ、また、迅速なシステムの立ち上げ
が可能なループバック制御方式の通信システムを提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るル
ープバック制御方式の通信システムは、常用系伝送路お
よび予備系伝送路からなるそれぞれ逆方向にデータを送
信するようになされた二重ループトポロジーのデータ伝
送路に、伝送路の障害を検出してループバック制御を行
う複数のデータ伝送装置が接続されている通信システム
であって、上記の課題を解決するために、以下の手段が
講じられていることを特徴としている。
【0013】すなわち、上記の各データ伝送装置は、伝
送データの送受信処理を行う通信処理部と、上記通信処
理部で処理されたデータを伝送に適した符号形式に変換
する符号化回路と、受信信号を復号して上記通信処理部
へわたす復号化回路と、隣接するデータ伝送装置からの
常用系伝送路を介したキャリアの有無を検出する常用系
キャリア検出手段と、もう一方に隣接するデータ伝送装
置からの予備系伝送路を介したキャリアの有無を検出す
る予備系キャリア検出手段と、予備系伝送路へ送出する
ためのキャリアを生成するキャリア生成手段と、システ
ム内の他のデータ伝送装置に対してキャリア生成手段の
生成キャリアの送出を停止させるキャリアOFFコマン
ドビットを、定期的に送出する自己の伝送データフレー
ム中に設定するコマンド設定手段とを有している。
【0014】そして、上記の各データ伝送装置は、常用
系および予備系の両系の伝送路を介したキャリアを検出
でき、且つ、キャリアOFFコマンドビットを含んだデ
ータフレームを受信していない場合には、常用系伝送路
から受信した信号を復号化回路を介して通信処理部へ入
力し、該通信処理部の出力を符号化回路を介して常用系
伝送路へ送出し、予備系伝送路へはキャリア生成手段の
生成キャリアのみを送出する第1状態となる。また、隣
接するデータ伝送装置からの予備系伝送路を介したキャ
リアを検出できるが、もう一方に隣接するデータ伝送装
置からの常用系伝送路を介したキャリアを検出できない
場合には、キャリア生成手段による予備系伝送路へのキ
ャリア送出を停止し、予備系伝送路から受信した信号を
復号化回路を介して通信処理部へ入力する一方該通信処
理部の出力を符号化回路を介して常用系伝送路へ送出す
るループバックを構成し、自己の伝送データフレームに
キャリアOFFコマンドビットを設定する第2状態とな
る。また、隣接するデータ伝送装置からの常用系伝送路
を介したキャリアを検出できるが、もう一方に隣接する
データ伝送装置からの予備系伝送路を介したキャリアを
検出できない場合には、キャリア生成手段による予備系
伝送路へのキャリア送出を停止し、常用系伝送路から受
信した信号を復号化回路を介して通信処理部へ入力する
一方該通信処理部の出力を符号化回路を介して予備系伝
送路へ送出するループバックを構成し、隣接するデータ
伝送装置への常用系伝送路を介したデータ伝送を継続す
るように該通信処理部の出力を符号化回路を介して常用
系伝送路へも送出し、自己の伝送データフレームにキャ
リアOFFコマンドビットを設定する第3状態となる。
また、常用系および予備系の両系の伝送路を介したキャ
リアを検出でき、且つ、他の装置が発信したキャリアO
FFコマンドビットを含むデータフレームを周期的に受
信している場合は、常用系伝送路から受信した信号を復
号化回路を介して通信処理部へ入力し、該通信処理部の
出力を符号化回路を介して常用系伝送路へ送出し、キャ
リア生成手段による予備系伝送路へのキャリア送出を停
止し、予備系伝送路から受信した信号をそのまま予備系
伝送路へ中継出力する第4状態となる。
【0015】請求項2の発明に係るループバック制御方
式の通信システムは、上記請求項1の発明の構成におい
て、上記の各データ伝送装置が、上記第2状態または第
3状態の何れかのループバック構成中にループバック構
成要因となった異常伝送路からのキャリアを検出すれ
ば、そのループバック構成を解除すると共に自己の伝送
データフレームに対するキャリアOFFコマンドビット
の設定を停止し、さらに、上記第4状態のときに所定時
間以上キャリアOFFコマンドビットを含むデータフレ
ームを受信しなければ、即座に上記第1状態に遷移する
ことを特徴とするものである。
【0016】請求項3の発明に係るループバック制御方
式の通信システムは、上記請求項2の発明の構成におい
て、上記の各データ伝送装置が、隣接するデータ伝送装
置からの常用系伝送路を介したキャリアも、もう一方に
隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路を介したキ
ャリアも検出できない場合は、隣接するデータ伝送装置
への常用系伝送路を介したデータ伝送のみを行う第5状
態となることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】上記請求項1の発明の構成によれば、二重ルー
プトポロジーのデータ伝送路に接続された各データ伝送
装置は、通信処理部における符号形態と伝送路上の符号
形態との間の符号変換を行う符号化回路、復号化回路を
1組だけ備え、従来よりも符号化回路、復号化回路が1
組少なくなっている。そして、符号化回路、復号化回路
を削減しても迅速なループバックが構成できるように、
常用系および予備系伝送路を介したキャリアの有無を検
出する常用系および予備系キャリア検出手段と、予備系
伝送路へ送出するためのキャリアを生成するキャリア生
成手段と、自己のデータフレームに回線状態の情報(キ
ャリアOFFコマンドビット)を付加するコマンド設定
手段とを各データ伝送装置に設けている。
【0018】そして、各データ伝送装置は、常用系およ
び予備系キャリア検出手段によるキャリア検出結果、お
よびデータフレームに付加されているキャリアOFFコ
マンドビットに応じて、上記第1状態(図5参照)、第
2状態(図6参照)、第3状態(図7参照)または第4
状態(図9参照)をとる。
【0019】すなわち、各データ伝送装置は、常用系お
よび予備系の両系の伝送路を介したキャリアを検出でき
る場合はループバック構成はとらず、常用系に関して
は、常用系伝送路から受信した信号を復号化回路を介し
て通信処理部へ入力し、該通信処理部の出力を符号化回
路を介して常用系伝送路へ送出し、該通信処理部の出力
を符号化回路を介して常用系伝送路へ送出する一般的な
形態をとる(第1状態または第4状態)。
【0020】この場合、予備系に関しては、キャリアO
FFコマンドビットを含むデータフレームの存在の有無
によってデータ伝送装置の伝送形態が異なる。上記キャ
リアOFFコマンドビットを含むデータフレームは、上
記第2状態または第3状態のループバック構成をとって
いるデータ伝送装置がシステム内に存在するときに、そ
のループバック構成のデータ伝送装置がシステム内に送
出するフレームである。したがって、システム内にルー
プバック構成のデータ伝送装置が存在せず正常なシステ
ム構成が成り立っている場合、上記キャリアOFFコマ
ンドビットを含むデータフレームはシステム内に存在せ
ず、この場合、各データ伝送装置は予備系伝送路へキャ
リア生成手段の生成キャリアのみを送出する(システム
内の全てのデータ伝送装置が第1状態)。このように、
システムが正常な場合は、常用系伝送路側のみデータフ
レームが伝送され、常用系伝送信号のみ符号化・復号化
される。
【0021】一方、システム内にループバック構成のデ
ータ伝送装置が存在し他の装置が送出したキャリアOF
Fコマンドビットを含むデータフレームを周期的に受信
している場合は、キャリア生成手段による予備系伝送路
へのキャリア送出を停止し、予備系伝送路から受信した
信号をそのまま予備系伝送路へ中継出力する(第4状
態)。すなわち、この第4状態をとっているデータ伝送
装置は、常用系伝送信号のみ符号化・復号化して通信処
理部で送受信処理し、予備系伝送信号は符号化・復号化
の処理をせずに透過的に隣接データ伝送装置へ送り出す
ことになる。
【0022】また、隣接するデータ伝送装置からの予備
系伝送路を介したキャリアを検出できるが、もう一方に
隣接するデータ伝送装置からの常用系伝送路を介したキ
ャリアを検出できない場合には、各データ伝送装置は、
キャリア生成手段による予備系伝送路へのキャリア送出
を停止し、予備系伝送路から受信した信号を復号化回路
を介して通信処理部へ入力する一方該通信処理部の出力
を符号化回路を介して常用系伝送路へ送出するループバ
ックを構成し、キャリアOFFコマンドビットを含むデ
ータフレームを送出する(第2状態)。
【0023】また、隣接するデータ伝送装置からの常用
系伝送路を介したキャリアを検出できるが、もう一方に
隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路を介したキ
ャリアを検出できない場合には、各データ伝送装置は、
キャリア生成手段による予備系伝送路へのキャリア送出
を停止し、常用系伝送路から受信した信号を復号化回路
を介して通信処理部へ入力する一方該通信処理部の出力
を符号化回路を介して予備系伝送路へ送出するループバ
ックを構成し、キャリアOFFコマンドビットを含むデ
ータフレームを送出する。さらにこの場合、隣接するデ
ータ伝送装置への常用系伝送路を介したデータ伝送を継
続するように通信処理部の出力を符号化回路を介して常
用系伝送路へも送出する(第3状態)。
【0024】したがって、例えば、予備系伝送路に障害
が発生した場合、その予備系伝送路からのキャリアが検
出できなくなったデータ伝送装置は、上記第3状態をと
る。この場合、上記データ伝送装置は、ループバックを
構成するものの、隣接するデータ伝送装置への常用系伝
送路を介したデータ伝送は継続しているので、実質的に
システムのデータ伝送の停止はない。この場合、上記デ
ータ伝送装置からキャリアOFFコマンドビットを含ん
だデータフレームが送出されるので、その他のデータ伝
送装置は上記第4状態となる。したがって、システム内
の全てのデータ伝送装置は、第3状態または第4状態に
より、常用系伝送路を介したデータ伝送を正常に行な
う。
【0025】また、例えば、常用系伝送路に障害が発生
した場合、その予備系伝送路からのキャリアが検出でき
なくなったデータ伝送装置は、上記第2状態をとり、予
備系から常用系へのループバックを構成すると共にキャ
リア生成手段による予備系伝送路へのキャリア送出を停
止する。このため、上記データ伝送装置に隣接するデー
タ伝送装置は、予備系伝送路からのキャリアを検出でき
なくなって上記第3状態をとり、常用系から予備系への
ループバックを構成する。また、上記のループバックを
構成したデータ伝送装置からキャリアOFFコマンドビ
ットを含んだデータフレームが送出されるので、その他
のデータ伝送装置は上記第4状態となる。
【0026】このように、常用系伝送路で障害が発生し
たときは、障害箇所の両端のデータ伝送装置において迅
速にループバックが構成され、ループバック構成をとら
ないデータ伝送装置は予備系伝送路から受信した信号
(データフレーム)をそのまま予備系伝送路へ中継出力
する構成となり、障害に迅速に対応できる。
【0027】そして、従来2組必要であった復号化回路
および符号化回路を1組に削減、特に構成が複雑な復号
化回路を削減することによりデータ伝送装置の回路構成
を簡単化することができる。
【0028】上記請求項2の発明の構成によれば、上記
請求項1の発明のループバック構成機能に加えてループ
バックから正常状態への自動復帰機能を備えている。す
なわち、伝送路の障害(またはあるデータ伝送装置の異
常停止)によってループバックが形成されているとき、
そのループバック構成要因となった現象が正常状態に復
帰した場合、ループバックを構成していたデータ伝送装
置は、ループバック構成要因となった異常伝送路からの
キャリアを検出するようになるので、そのループバック
構成を解除すると共に、自己の伝送データフレームに対
するキャリアOFFコマンドビットの設定を停止する。
これにより、ループバック構成の解除後、キャリアOF
Fコマンドビットを含むデータフレームがシステム内に
存在しなくなり、システム内の各データ伝送装置は、所
定時間以上キャリアOFFコマンドビットを含むデータ
フレームを受信しなければ、即座に上記第1状態に遷移
し、短時間で正常なシステム状態に戻る。
【0029】上記請求項3の発明の構成によれば、上記
のループバック構成機能およびループバックから正常状
態への自動復帰機能に加えて、システムの自動立ち上げ
機能を備えている。すなわち、システムの立ち上げ時、
システム内の各データ伝送装置の電源が投入されて初期
化中の状態から、最初に初期化を完了したデータ伝送装
置(aとする)は、隣接するデータ伝送装置からの常用
系伝送路を介したキャリアも、もう一方に隣接するデー
タ伝送装置からの予備系伝送路を介したキャリアも検出
できないので、隣接するデータ伝送装置への常用系伝送
路を介したデータ伝送のみを行う第5状態をとる。
【0030】この後、上記データ伝送装置(a)に隣接
するデータ伝送装置(識別のためbとする)が初期化を
完了し、常用系伝送路を介して信号を受信(キャリア検
出)すれば、そのデータ伝送装置(b)は第3状態とな
り、常用系伝送路を介したデータ伝送を継続しながら、
常用系から予備系へのループバックを構成し、予備系伝
送路を介したデータ伝送を開始する。これにより、上記
データ伝送装置(a)は、予備系伝送路を介してデータ
伝送装置(b)から信号を受信(キャリア検出)するの
で、第2状態となる。
【0031】この後、上記データ伝送装置(b)に隣接
するデータ伝送装置(cとする)が初期化を完了し、常
用系伝送路を介して信号を受信(キャリア検出)すれ
ば、そのデータ伝送装置(c)は第3状態となる。これ
により、上記データ伝送装置(b)は、予備系伝送路を
介してデータ伝送装置(c)から信号を受信(キャリア
検出)する、すなわち、データ伝送装置(b)は常用系
および予備系の両系からのキャリアを検出するので、ル
ープバック構成を解除し第4状態となる。
【0032】また、上記データ伝送装置(a)のデータ
伝送装置(b)とは反対側のデータ伝送装置(dとす
る)が初期化を完了して第5状態となれば、データ伝送
装置(a)は第4状態へ遷移する。
【0033】以降も同様に、各データ伝送装置は、初期
化を完了した直後に第5状態または第3状態をとり、そ
の後の隣接データ伝送装置の状態に応じて第5状態→第
2状態→第4状態、または第3状態→第4状態へと状態
遷移し、最終的に全てのデータ伝送装置の初期化が完了
すれば、システム内のループバック構成が全て解除され
てキャリアOFFコマンドビットを含むデータフレーム
が存在しなくなり、全てのデータ伝送装置が第1状態と
なりシステムが立ち上がる。
【0034】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図27
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0035】本実施例に係るループバック制御方式の通
信システムは、図2に示すように、常用系伝送路Lmお
よび予備系伝送路Lsからなるそれぞれ逆方向にデータ
を送信するようになされた二重ループトポロジーのデー
タ伝送路に、データ送受信のための符号化回路および復
号化回路を備えた複数の(本実施例では4つの)データ
伝送装置1〜4がこの順に接続されたものである。
【0036】各データ伝送装置1〜4は、定型フォーマ
ットのフレームを用いてデータ伝送を行う。このデータ
フレームのフォーマットの一例を図3に示す。データフ
レームは、フレームの位置を認識するためのFLAG
と、自己装置(自局)の回線構成の状態、すなわちルー
プバック構成をとっているか否かを示す情報である制御
データと、伝送データと、フレームチェック用のFCS
とから構成される。このデータフレームは、伝送データ
の有無に関わらず、上記の各データ伝送装置1〜4より
定期的に送出されるものである。上記制御データは、
「0」または「1」の1ビットのデータであり、例え
ば、自局がループバック構成をとっていない場合は
「0」(これをキャリアONコマンドビットと称す
る)、自局がループバック構成をとっている場合には
「1」(これをキャリアOFFコマンドビットと称す
る)を設定する。上記キャリアONコマンドビット、キ
ャリアOFFコマンドビットは、ループシステム内の各
局(ノード)の予備系伝送路Lsへのキャリアの送出・
停止の制御に用いられる(詳細は後述する)。
【0037】また、各伝送装置1〜4は、後述する復号
化回路が、常時、同期をとることができるように、上記
のデータフレームを送出しないときも、PADまたはFi
llデータ等の特殊なコード(例えば、PADでは8ビッ
ト連続「1」のデータ)をキャリアとして伝送媒体上に
送出するようになっている。
【0038】したがって、図4に示すように、常用系伝
送路Lmには、常に、キャリア(同図ではPAD)また
はデータフレームが伝送されている。
【0039】上記の各データ伝送装置1〜4は、それぞ
れ、常用系伝送路Lmおよび予備系伝送路Lsの異常を
検出しながら伝送路のループ制御を行うループ制御部5
と、送信データおよび受信データの処理(例えば、送信
しようとするデータを上記の定型フォーマットに変換す
る等の処理)を行う通信処理部6とを備えている。
【0040】上記ループ制御部5は、図1に示すよう
に、光ファイバケーブル等からなる常用系伝送路Lmお
よび予備系伝送路Lsからの光信号を受信して電子信号
に変換するインターフェース機能を有する常用系および
予備系の受信部7・8と、送信データを光信号に変換し
て伝送媒体上へ送出するインターフェース機能を有する
常用系および予備系の送信部9・10とを備えている。
これらの復号化・符号化回路7〜10は、常用系伝送路
Lmおよび予備系伝送路Lsにて互いに逆方向にデータ
伝送が行われるように、常用系伝送路Lmまたは予備系
伝送路Lsに接続されている。
【0041】また、上記ループ制御部5は、伝送媒体上
での符号形式であるマンチェスタ符号等の特殊符号を通
信処理部6にて処理できる符号形式(例えばNRZ符
号)に復号する復号化回路11と、送信データを伝送媒
体の伝送に適した符号形式(例えばマンチェスタ符号)
に変換する符号化回路12とを1組だけ備えている。
【0042】また、上記ループ制御部5は、常用系およ
び予備系の受信部7・8にて受信した信号、並びに符号
化回路12にて符号化された送信データの装置内経路を
切り換えるためのスイッチSW1〜SW7と、これらの
スイッチの動作を制御する図示しない制御部とを備え、
各スイッチを選択的に切り換えることによりループバッ
クの構成とその解除、内部送受信機能のチェック、或い
は通信処理を行わないバイパス構成を実現する(詳細は
後述する)。
【0043】また、上記ループ制御部5は、隣接するデ
ータ伝送装置からの常用系伝送路Lmを介したキャリア
の有無を検出する常用系のキャリア検出部13と、もう
一方に隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路Ls
を介したキャリアの有無を検出する予備系のキャリア検
出部14とを備えている。さらに、上記ループ制御部5
は、予備系伝送路Lsへ送出するためのキャリアを生成
するキャリア生成部15を備えている。勿論、上記キャ
リア検出部13・14は、データフレームを受信した場
合にもそれをキャリアを受信したのと同様に検出でき
る。
【0044】上記の構成において、各データ伝送装置1
〜4のループ制御部5は、図5に示すように、常用系伝
送路Lmおよび予備系伝送路Lsが何れも正常であり両
系からのキャリアがキャリア検出部13・14において
検出され、且つ、他の何れのデータ伝送装置もキャリア
OFFコマンドビットを含んだデータフレームを送信し
ていない正常なシステム状態の場合は、以下の動作状態
(第1状態)をとる。すなわち、受信部7が常用系伝送
路Lmから受信した信号を復号化回路11へ入力すると
共に、符号化回路12の出力データを送信部9を介して
常用系伝送路Lmへ送出する。さらに、キャリア生成部
15が生成したキャリアを送信部10を介して予備系伝
送路Lsへ送出する。さらにこの場合、通信処理部6
は、自己のデータフレームの生成時には、キャリアON
コマンドビットを含んだデータフレーム(図3の制御デ
ータのビットを「0」に設定したフレーム)を生成して
符号化回路12へわたす。したがって、該データ伝送装
置からはキャリアONコマンドビットを含んだデータフ
レームが常用系伝送路Lmへ送出されることになる。
【0045】尚、同図中において、キャリア検出部13
・14が正常なキャリアを検出している状態を、該キャ
リア検出部13・14を示すブロック内に“○”を記入
することにより示している。また、キャリア生成部15
がキャリアを生成している状態を、該キャリア生成部1
5を示すブロック内に“C”を記入することにより示
し、予備系伝送路Lsへ出力されるキャリアも“C”で
示している。また、常用系伝送路Lmへ送出されるキャ
リアONコマンドビットを含んだデータフレームを“O
N”で示している。これらの図示方法は、他の図におい
ても同様とする。
【0046】また、各データ伝送装置1〜4のループ制
御部5は、図6に示すように、予備系伝送路Lsからの
キャリアがキャリア検出部14において検出されるが、
常用系伝送路Lmからのキャリアがキャリア検出部13
においてβ時間(キャリアまたはデータフレーム送出の
時間の最大がβ時間であり、正常ならばこのβ時間内に
必ず1回はキャリアまたはデータフレームを受信でき
る)以上検出されなかったとき、以下の動作状態(第2
状態)をとる。すなわち、キャリア生成部15による予
備系伝送路Lsへのキャリア送出を停止する。さらに、
受信部8が予備系伝送路Lsから受信した信号を復号化
回路11へ入力すると共に、符号化回路12の出力デー
タを送信部9を介して常用系伝送路Lmへ送出、すなわ
ち、予備系伝送路Lsから常用系伝送路Lmへのループ
バックを構成する。さらにこの場合、通信処理部6は、
自己のデータフレームの生成時には、キャリアOFFコ
マンドビットを含んだデータフレーム(図3の制御デー
タのビットを「1」に設定したフレーム)を生成して符
号化回路12へわたす。したがって、該データ伝送装置
からは、キャリアOFFコマンドビットを含んだデータ
フレームが常用系伝送路Lmへ送出されることになる。
【0047】尚、同図中において、キャリア検出部13
が正常なキャリアを検出していない状態を、該キャリア
検出部13を示すブロック内に“×”を記入することに
より示している(ここでは図示していないがキャリア検
出部14についても同様とする)。また、キャリア生成
部15がキャリアの生成を停止している状態を、該キャ
リア生成部15を示すブロックを点線で表示することに
より示している。また、常用系伝送路Lmへ送出される
キャリアOFFコマンドビットを含んだデータフレーム
を“OFF”で示している。これらの図示方法は、他の
図においても同様とする。
【0048】また、各データ伝送装置1〜4のループ制
御部5は、図7に示すように、常用系伝送路Lmからの
キャリアがキャリア検出部13において検出されるが、
予備系伝送路Lsからのキャリアがキャリア検出部14
においてβ時間以上検出されなかったとき、以下の動作
状態(第3状態)をとる。受信部7が常用系伝送路Lm
から受信した信号を復号化回路11へ入力し、符号化回
路12の出力データを送信部9を介して常用系伝送路L
mへ送出すると共に、送信部10を介して予備系伝送路
Lsへも送出する。すなわち、隣接するデータ伝送装置
への常用系伝送路Lmを介したデータ伝送を継続すると
共に、常用系伝送路Lmから予備系伝送路Lsへのルー
プバックを構成する。勿論、この場合、図1のスイッチ
SW5の切り換えによりキャリア生成部15による予備
系伝送路Lsへのキャリア送出はなされない。さらにこ
の場合、通信処理部6は、自己のデータフレームの生成
時には、キャリアOFFコマンドビットを含んだデータ
フレームを生成して符号化回路12へわたす。したがっ
て、該データ伝送装置からは、キャリアOFFコマンド
ビットを含んだデータフレームが常用系伝送路Lmおよ
び予備系伝送路Lsへ送出されることになる。
【0049】また、各データ伝送装置1〜4のループ制
御部5は、図8に示すように、隣接するデータ伝送装置
からの常用系伝送路Lmを介したキャリアも、もう一方
に隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路Lsを介
したキャリアも検出できなかったとき、以下の動作状態
(第5状態)をとる。すなわち、通信処理部6からの送
信データを符号化回路12および送信部9を介して常用
系伝送路Lmへ送出するだけで、データ受信は行わず、
且つ、キャリア生成部15による予備系伝送路Lsへの
キャリア送出も行わない。この場合、通信処理部6は、
自己のデータフレームにキャリアONコマンドビットま
たはキャリアOFFコマンドビットの何れを設定しても
よい。尚、本実施例では、この場合、通信処理部6が自
己のデータフレームにキャリアOFFコマンドビットを
設定し、該データ伝送装置からは、キャリアOFFコマ
ンドビットを含んだデータフレームが常用系伝送路Lm
へ送出されるものとして以降の記載を統一する。
【0050】また、ループシステム中にキャリアOFF
コマンドビットを含むデータフレームを送出している局
が1つでも存在する場合(すなわち、ループバック構成
をとっている局がループシステム中に存在すれば)、各
データ伝送装置1〜4のループ制御部5はそのデータフ
レームを受信することになる。そこで、各データ伝送装
置は、図5に示す状態(自己の装置がループバックを構
成していない状態)で上記のキャリアOFFコマンドビ
ットを含むデータフレームを受信すれば、図9に示す動
作状態(第4状態)をとる。すなわち、ループ制御部5
は、キャリア生成部15による予備系伝送路Lsへのキ
ャリア送出を即座に停止し、且つ、受信部8が予備系伝
送路Lsから受信した信号をそのまま送信部10を介し
て予備系伝送路Lsへ送出、すなわち、図1のスイッチ
SW3・4・5を切り換えて予備系の受信部8と送信部
10とを直結し、予備系入力を透過的に中継出力する。
この場合、自局がループバックを構成していないので、
自局はキャリアONコマンドビットを含んだデータフレ
ームを他局に向けて発信する(自局生成のフレームにキ
ャリアONコマンドビットまたはキャリアOFFコマン
ドビットの何れを設定するかは、あくまで自局のループ
バック構成の有無によって決定されるものであり、キャ
リア生成部15から予備系伝送路Lsへキャリアを送出
しているか否かの状態には関係ない)。尚、図9におい
て、自局フレームには“自”を、他局フレームには
“他”を記入して区別している。
【0051】ところで、フレームがシステムを一周する
時間(これをα時間とする)だけキャリアOFFコマン
ドビットを含むフレームが存在しなくなったことを確認
できれば、これをもってループシステム中にキャリアO
FFコマンドビットを含むデータフレームを送出してい
る局が1つもない(すなわち、ループバック構成をとっ
ている局がループシステム中に存在しない)ことが判断
できる。
【0052】そこで、上記図9に示す状態において、上
記α時間だけキャリアOFFコマンドビットを含むフレ
ームが存在しなくなったことを通信処理部6が確認した
場合、ループ制御部5は、予備系入力の予備系出力への
中継出力を止めてキャリア生成部15による予備系伝送
路Lsへのキャリア送出を開始し、図5に示す状態にな
る。
【0053】また、図6または図7に示すループバック
構成状態において、ループバック構成要因となった現象
が正常状態に復帰し、常用系伝送路Lmおよび予備系伝
送路Lsの両系からのキャリアがキャリア検出部13・
14において検出されるようになると、ループ制御部5
はループバック構成を解除する。さらにこの場合、通信
処理部6は、自己のデータフレームの生成時には、キャ
リアONコマンドビットを含んだデータフレームを生成
し、該フレームが常用系伝送路Lmへ送出されることに
なる。
【0054】尚、上記ループバック構成の解除後の状態
としては、ループシステム中にキャリアOFFコマンド
ビットを含むデータフレームを送出している局が存在し
なければ図5に示す状態、そのような局が存在していれ
ば図9に示す状態をとる。
【0055】ここで、システム内でとりえる様々な状態
を想定して、上記通信システムの動作を図面を参照しな
がら以下に説明する。
【0056】先ず、システム立ち上げ時の動作を、図1
0ないし図16に基づいて以下に説明する。
【0057】全てのデータ伝送装置1〜4の電源が略同
時に投入されて全ての局が初期化中の状態(図10)か
ら、先ず、データ伝送装置2が最初に初期化を完了した
とすると、該データ伝送装置2は、常用系伝送路Lmお
よび予備系伝送路Lsの何れからのキャリアも検出でき
ないので、図11に示すように、常用系伝送路Lmへの
キャリアOFFコマンドビットを含んだデータフレーム
およびキャリアの伝送のみ行う。
【0058】この後、例えばデータ伝送装置3の初期化
が完了したとすると、該データ伝送装置3は、上記のキ
ャリアOFFコマンドビットを含んだデータフレームを
受信し(常用系伝送路Lmからのキャリアを検出し)、
データ伝送装置2を認識する。但し、予備系伝送路Ls
からのキャリアは検出できないので、図12に示すよう
に、常用系伝送路Lmから予備系伝送路Lsへのループ
バックを構成し、キャリアOFFコマンドビットを含む
データフレームを予備系伝送路Lsへ送出する。このと
き、上記データフレームは常用系伝送路Lmへも送出さ
れる。
【0059】上記により、上記データ伝送装置2は、キ
ャリア検出部14が予備系伝送路Lsからのキャリアを
検出するので、図13に示すように、予備系伝送路Ls
から常用系伝送路Lmへのループバックを構成する。
【0060】続いてデータ伝送装置4の初期化が完了し
たとすると、該データ伝送装置4は、常用系伝送路Lm
からのキャリアを検出するが、予備系伝送路Lsからの
キャリアは検出できないので、図14に示すように、前
記データ伝送装置3(図13)と同じ様に常用系伝送路
Lmから予備系伝送路Lsへのループバックを構成す
る。これにより、データ伝送装置3は、常用系伝送路L
mおよび予備系伝送路Lsの両系でキャリアを検出する
ことになるのでループバック構成を解除し、且つ、キャ
リアOFFコマンドビットを含むデータフレームを受信
しているので、キャリア生成部15の生成キャリアは送
出しないで予備系入力信号を予備系出力へ中継出力す
る。また、データ伝送装置3は、自局の回線構成がルー
プバック構成でなくなったので、キャリアONコマンド
ビットを含んだデータフレームを送信する。
【0061】続いてデータ伝送装置1の初期化が完了し
たとすると、該データ伝送装置1は、常用系伝送路Lm
からのキャリアを検出するが、予備系伝送路Lsからの
キャリアを検出できないので、図15に示すように、常
用系伝送路Lmから予備系伝送路Lsへのループバック
を構成し、予備系伝送路LsへのキャリアOFFコマン
ドビットを含んだデータフレームおよびキャリアの送出
を開始すると共に、常用系伝送路Lmへも該データフレ
ームおよびキャリアを送出する。これにより上記伝送装
置4は、予備系伝送路Lsからのキャリアを検出するの
で、常用系伝送路Lmから予備系伝送路Lsへのループ
バック構成を解除し、これと同時にキャリアONコマン
ドビットを含んだデータフレームを送信するようにな
る。
【0062】以降は、データ伝送装置2、データ伝送装
置1の順にループバック構成を解除する。すなわち、デ
ータ伝送装置2は、常用系伝送路Lmからのキャリアを
検出するので、予備系伝送路Lsから常用系伝送路Lm
へのループバックを解除して予備系伝送路Lsへの送信
を開始し、これによってデータ伝送装置1がループバッ
クを解除する。そして、両方のデータ伝送装置1・2と
もキャリアONコマンドビットを含んだデータフレーム
を送信するようになる。これにより、システム内の全て
のデータ伝送装置1〜4においてループバックが解除さ
れ、どのデータ伝送装置1〜4もキャリアONコマンド
ビットを含んだデータフレームしか送出しなくなり、各
データ伝送装置1〜4は、α時間だけキャリアOFFコ
マンドビットを含むフレームが存在しなくなったことを
確認したら、予備系入力の中継出力を止めてキャリア生
成部15による予備系伝送路Lsへのキャリア送出を開
始し、最終的に図16に示す定常状態となる。
【0063】上記図16に示す状態が、常用系および予
備系が正常な場合のシステムの最終目標状態であり、各
データ伝送装置1〜4間で常用系伝送路Lmを使用した
データの送受信を行うことができる正常なループ構成と
なり、予備系伝送路Lsには各装置のキャリア生成部1
5が生成したキャリアのみが伝送される。
【0064】次に、上記図16に示すシステム状態にお
いて、あるデータ伝送装置が異常により停止したときの
動作を、図17ないし図19に基づいて以下に説明す
る。
【0065】例えば、図17に示すように、データ伝送
装置3が異常により停止すると、該装置の常用系出力並
びに予備系出力がともに停止する(この状態は、データ
伝送装置3とデータ伝送装置4との間の常用系伝送路L
mと、データ伝送装置3とデータ伝送装置2との間の予
備系伝送路Lsとに障害が発生した場合としてとらえて
もよい)。
【0066】この場合、データ伝送装置2は、常用系伝
送路Lmからのキャリアは検出できるが、予備系伝送路
Lsからのキャリアは検出できなくなり、β時間以上の
予備系入力のキャリアの停止を検出したら、図18に示
すように、常用系伝送路Lmへのデータ伝送を継続する
と共に、常用系伝送路Lmから予備系伝送路Lsへのル
ープバックを構成し、キャリアOFFコマンドビットを
含んだデータフレームを送出する(キャリア生成部15
の生成キャリアの送出は停止)。
【0067】また、この場合、データ伝送装置4は、予
備系伝送路Lsからのキャリアは検出できるが、常用系
伝送路Lmからのキャリアは検出できなくなり、β時間
以上の常用系入力のキャリアの停止を検出したら、同図
に示すように、予備系伝送路Lsから常用系伝送路Lm
へのループバックを構成し、キャリアOFFコマンドビ
ットを含んだデータフレームを送出する(キャリア生成
部15の生成キャリアの送出は停止)。
【0068】さらに、この場合、データ伝送装置1は、
常用系入力にキャリアOFFコマンドビットを含んだデ
ータフレームを受信するので、同図に示すように、即座
にキャリア生成部15のキャリア出力を停止し、予備系
入力信号を予備系出力へ中継出力する。
【0069】このように、データ伝送装置3の異常停止
の際には、その隣接局であるデータ伝送装置2・4にお
いて迅速にループバックが構成される。
【0070】この後、上記データ伝送装置3が復帰した
場合、図19に示すように、該データ伝送装置3は常用
系伝送路Lmからのキャリアは検出できるが、予備系伝
送路Lsからのキャリアが検出できないので、常用系伝
送路Lmから予備系伝送路Lsへのループバックを構成
し、常用系伝送路Lmおよび予備系伝送路Lsへのキャ
リアOFFコマンドビットを含んだデータフレームおよ
びキャリアの伝送を開始する。
【0071】以降は、図15に示した状態からの状態遷
移と同様の状態遷移により、図16に示した最終状態へ
と到達する。
【0072】次に、上記図16に示す状態において、予
備系伝送路Lsで障害が発生したときの通信システムの
動作を、図20ないし図22に基づいて以下に説明す
る。
【0073】例えば、図20に示すように、データ伝送
装置2とデータ伝送装置3との間の予備系伝送路Lsで
障害が発生した場合、データ伝送装置2は、隣接するデ
ータ伝送装置3からの予備系伝送路Lsを介したキャリ
アを検出できなくなる。
【0074】この場合、図21に示すように、上記デー
タ伝送装置2は、常用系伝送路Lmへのデータ伝送を継
続すると共に、常用系伝送路Lmから予備系伝送路Ls
へのループバックを構成し、キャリアOFFコマンドビ
ットを含んだデータフレームを送出する(キャリア生成
部15の生成キャリアの送出は停止)。そして、上記の
キャリアOFFコマンドビットを含んだデータフレーム
を受信したデータ伝送装置3は、即座にキャリア生成部
15のキャリア出力を停止し、予備系入力信号を予備系
出力へ中継出力する。
【0075】この後、上記データ伝送装置2が送出した
キャリアOFFコマンドビットを含んだデータフレーム
は、常用系伝送路Lmを介してその他の各局へも伝搬さ
れ、図22に示すように、データ伝送装置1・3・4が
予備系入力信号を予備系出力へ中継出力する構成になっ
た状態で安定する。
【0076】このように、予備系伝送路Lsのみに故障
が発生した場合には、予備系伝送路Lsの故障を検知し
たデータ伝送装置2側で常用系伝送路Lmから予備系伝
送路Lsへのループバックを構成することになるが、こ
のとき、隣接するデータ伝送装置3への常用系伝送路L
mを介したデータ伝送を継続するので、ループバック構
成のために常用系伝送路Lmを用いたデータ伝送が一時
停止するということがない。
【0077】尚、予備系伝送路Lsが障害から復帰した
場合のシステムの復帰手順は、図15に示した状態から
の状態遷移と同様の状態遷移により、図16に示した最
終状態へと到達する。
【0078】次に、上記図16に示す状態において、常
用系伝送路Lmで障害が発生したときの通信システムの
動作を、図23ないし図25に基づいて以下に説明す
る。
【0079】例えば、図23に示すように、データ伝送
装置2とデータ伝送装置3との間の常用系伝送路Lmで
故障が発生した場合、データ伝送装置3は、隣接するデ
ータ伝送装置2からの常用系伝送路Lmを介したキャリ
アを検出できなくなる。
【0080】この場合、図24に示すように、上記デー
タ伝送装置3は、予備系伝送路Lsから常用系伝送路L
mへのループバックを構成し、キャリア生成部15の生
成キャリアの送出を停止し、キャリアOFFコマンドビ
ットを含んだデータフレームを常用系伝送路Lmから送
出する。そして、上記キャリアOFFコマンドビットを
含んだデータフレームを受信したデータ伝送装置4は、
即座にキャリア生成部15のキャリア出力を停止し、予
備系入力信号を予備系出力へ中継出力する。
【0081】また、上記データ伝送装置2は、隣接する
データ伝送装置3からの予備系伝送路Lsを介したキャ
リアを検出できなくなるので、図25に示すように、隣
接するデータ伝送装置3へのデータ伝送を継続すると共
に、常用系伝送路Lmから予備系伝送路Lsへのループ
バックを構成し、キャリアOFFコマンドビットを含ん
だデータフレームを送出する。また、上記データ伝送装
置3が送出したキャリアOFFコマンドビットを含んだ
データフレームを受信したデータ伝送装置1は、即座に
キャリア生成部15のキャリア出力を停止し、予備系入
力信号を予備系出力へ中継出力する構成となる。この図
25の状態をもってシステムが安定する。
【0082】このように、常用系伝送路Lmで故障が発
生したときは、故障が発生した常用系伝送路Lmの両端
のデータ伝送装置2・3において迅速にループバックが
構成される。
【0083】尚、常用系伝送路Lmが障害から復帰した
場合のシステムの復帰手順は、図15に示した状態から
の状態遷移と同様の状態遷移により、図16に示した最
終状態へと到達する。
【0084】ところで、各データ伝送装置1〜4は、内
部の送受信機能のテストを行う自己診断機能を備えてい
る。この内部テストは、図1のループ構成スイッチSW
6・SW7を何れも端子A側に切り換えて、図26に示
すように、符号化回路12の出力が復号化回路11へ入
力される内部ループを構成することによりなされる。上
記のループ構成スイッチSW6・SW7は連動し、上記
の内部テストを行わない通常の通信状態のときには、常
時、端子B側に固定されている。
【0085】また、各データ伝送装置1〜4は、上記の
内部テストにより自己の送受信機能に異常を検出した場
合には、図1のバイパススイッチSW8を閉じて常用系
入力を常用系出力に直結すると共に、スイッチSW3〜
SW5を切り換えて予備系入力を予備系出力に直結し、
図27に示すように、常用系および予備系の両系をバイ
パス状態にし、他の局にループバック制御を行わせるこ
となくシステムを正常に動作させるようになっている。
【0086】以上のように、本実施例の通信システム
は、伝送データの送受信処理を行う通信処理部6と、上
記通信処理部6で処理されたデータを伝送に適した符号
形式に変換する符号化回路12と、受信信号を復号して
上記通信処理部6へわたす復号化回路11と、隣接する
データ伝送装置からの常用系伝送路Lmを介したキャリ
アの有無を検出するキャリア検出部13と、もう一方に
隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路Lsを介し
たキャリアの有無を検出するキャリア検出部14と、予
備系伝送路Lsへ送出するためのキャリアを生成するキ
ャリア生成部15と、システム内の他のデータ伝送装置
に対してキャリア生成部15の生成キャリアの送出を停
止させるキャリアOFFコマンドビットを、定期的に送
出する自己の伝送データフレーム中に設定する手段(通
信処理部6が持つ機能)とを有し、常用系および予備系
の両系の伝送路を介したキャリアを検出でき、且つ、キ
ャリアOFFコマンドビットを含んだデータフレームを
受信していない場合には、図5に示す第1状態(常用系
伝送路Lmから受信した信号を復号化回路11を介して
通信処理部6へ入力し、該通信処理部6の出力を符号化
回路12を介して常用系伝送路Lmへ送出し、予備系伝
送路Lsへはキャリア生成部15の生成キャリアのみを
送出する状態)をとり、隣接するデータ伝送装置からの
予備系伝送路Lsを介したキャリアを検出できるが、も
う一方に隣接するデータ伝送装置からの常用系伝送路L
mを介したキャリアを検出できない場合には、図6に示
す第2状態(キャリア生成部15による予備系伝送路L
sへのキャリア送出を停止し、予備系伝送路Lsから受
信した信号を復号化回路11を介して通信処理部6へ入
力する一方該通信処理部6の出力を符号化回路12を介
して常用系伝送路Lmへ送出するループバックを構成
し、自己の伝送データフレームにキャリアOFFコマン
ドビットを設定する状態)をとり、隣接するデータ伝送
装置からの常用系伝送路Lmを介したキャリアを検出で
きるが、もう一方に隣接するデータ伝送装置からの予備
系伝送路Lsを介したキャリアを検出できない場合に
は、図7に示す第3状態(キャリア生成部15による予
備系伝送路Lsへのキャリア送出を停止し、常用系伝送
路Lmから受信した信号を復号化回路11を介して通信
処理部6へ入力する一方該通信処理部6の出力を符号化
回路12を介して予備系伝送路Lsへ送出するループバ
ックを構成し、隣接するデータ伝送装置への常用系伝送
路Lmを介したデータ伝送を継続するように該通信処理
部6の出力を符号化回路12を介して常用系伝送路Lm
へも送出し、自己の伝送データフレームにキャリアOF
Fコマンドビットを設定する状態)をとり、常用系およ
び予備系の両系の伝送路を介したキャリアを検出でき、
且つ、他の装置が発信したキャリアOFFコマンドビッ
トを含むデータフレームを周期的に受信している場合
は、図9に示す第4状態(常用系伝送路Lmから受信し
た信号を復号化回路11を介して通信処理部6へ入力
し、該通信処理部6の出力を符号化回路12を介して常
用系伝送路Lmへ送出し、キャリア生成部15による予
備系伝送路Lsへのキャリア送出を停止し、予備系伝送
路Lsから受信した信号をそのまま予備系伝送路Lsへ
中継出力する状態)をとる構成であり、これを第1の特
徴としている。
【0087】これにより、従来2組必要であった復号化
回路および符号化回路を1組に削減、特に構成が複雑な
復号化回路を削減でき、データ伝送装置の回路構成を簡
単化することができる。さらに、システムが立ち上がっ
た後の正常なループ構成のときに常用系伝送路Lmで故
障が発生した場合、その故障を検出しループバックを短
時間に構成することができる。また、上記の正常なルー
プ構成のときに予備系伝送路Lsのみで故障が発生した
場合、従来のように故障した伝送路の両端でループバッ
クが構成されることはなく常用系伝送路Lmによるデー
タ伝送が継続されるので、不要なシステムのデータ伝送
の停止が起こらない。
【0088】また、本実施例の通信システムは、上記第
1の特徴の構成において、さらに、上記の各データ伝送
装置が、上記第2状態または第3状態の何れかのループ
バック構成中に、ループバック構成要因となった異常伝
送路からのキャリアを検出すれば、そのループバック構
成を解除すると共に、自己の伝送データフレームに対す
るキャリアOFFコマンドビットの設定を停止し、上記
第4状態のときにα時間(フレームがシステムを一周す
る時間)以上キャリアOFFコマンドビットを含むデー
タフレームを受信しなければ、即座に上記第1状態に遷
移する構成であり、これを第2の特徴としている。
【0089】これにより、伝送路の障害(またはあるデ
ータ伝送装置の異常停止)によってループバックが形成
されているとき、そのループバック構成要因となった現
象が正常状態に復帰した場合、各データ伝送装置が即座
に上記第1状態に遷移し、短時間で正常なシステム状態
に自動復帰する。
【0090】また、本実施例の通信システムは、上記第
2の特徴の構成において、さらに、上記の各データ伝送
装置が、隣接するデータ伝送装置からの常用系伝送路L
mを介したキャリアも、もう一方に隣接するデータ伝送
装置からの予備系伝送路Lsを介したキャリアも検出で
きない場合は、図8に示す第5状態(隣接するデータ伝
送装置への常用系伝送路Lmを介したデータ伝送のみを
行う状態)をとる構成であり、これを第3の特徴として
いる。
【0091】これにより、システムの立ち上げ時におい
て、初期化を完了したデータ伝送装置は、隣接データ伝
送装置の状態に応じて第5状態→第2状態→第4状態、
または第3状態→第4状態というように状態を遷移さ
せ、最終的に全てのデータ伝送装置の初期化が完了した
時点でシステム内の全てのデータ伝送装置が第1状態と
なりシステムが立ち上がる。このように、システムの立
ち上げを自動的に迅速に行うことができる。
【0092】尚、上記実施例では、本通信システムの動
作を説明するのに必要十分となる4台のデータ伝送装置
1〜4を用いてシステムの動作説明をしたが、データ伝
送装置の接続台数はこれに限定されるものではなく、そ
の接続台数が例えば3であってもよいし或いは5以上で
あってもよい。上記実施例は、あくまでも、本発明の技
術内容を明らかにするものであって、そのような具体例
にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本
発明の精神と特許請求の範囲内で、いろいろと変更して
実施することができるものである。
【0093】
【発明の効果】請求項1の発明のループバック制御方式
の通信システムは、以上のように、システム内の各デー
タ伝送装置が、伝送データの送受信処理を行う通信処理
部と、上記通信処理部で処理されたデータを伝送に適し
た符号形式に変換する符号化回路と、受信信号を復号し
て上記通信処理部へわたす復号化回路と、隣接するデー
タ伝送装置からの常用系伝送路を介したキャリアの有無
を検出する常用系キャリア検出手段と、もう一方に隣接
するデータ伝送装置からの予備系伝送路を介したキャリ
アの有無を検出する予備系キャリア検出手段と、予備系
伝送路へ送出するためのキャリアを生成するキャリア生
成手段と、システム内の他のデータ伝送装置に対してキ
ャリア生成手段の生成キャリアの送出を停止させるキャ
リアOFFコマンドビットを、定期的に送出する自己の
伝送データフレーム中に設定するコマンド設定手段とを
有し、常用系および予備系の両系の伝送路を介したキャ
リアを検出でき、且つ、キャリアOFFコマンドビット
を含んだデータフレームを受信していない場合には、常
用系伝送路から受信した信号を復号化回路を介して通信
処理部へ入力し、該通信処理部の出力を符号化回路を介
して常用系伝送路へ送出し、予備系伝送路へはキャリア
生成手段の生成キャリアのみを送出する第1状態とな
り、隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路を介し
たキャリアを検出できるが、もう一方に隣接するデータ
伝送装置からの常用系伝送路を介したキャリアを検出で
きない場合には、キャリア生成手段による予備系伝送路
へのキャリア送出を停止し、予備系伝送路から受信した
信号を復号化回路を介して通信処理部へ入力する一方該
通信処理部の出力を符号化回路を介して常用系伝送路へ
送出するループバックを構成し、自己の伝送データフレ
ームにキャリアOFFコマンドビットを設定する第2状
態となり、隣接するデータ伝送装置からの常用系伝送路
を介したキャリアを検出できるが、もう一方に隣接する
データ伝送装置からの予備系伝送路を介したキャリアを
検出できない場合には、キャリア生成手段による予備系
伝送路へのキャリア送出を停止し、常用系伝送路から受
信した信号を復号化回路を介して通信処理部へ入力する
一方該通信処理部の出力を符号化回路を介して予備系伝
送路へ送出するループバックを構成し、隣接するデータ
伝送装置への常用系伝送路を介したデータ伝送を継続す
るように該通信処理部の出力を符号化回路を介して常用
系伝送路へも送出し、自己の伝送データフレームにキャ
リアOFFコマンドビットを設定する第3状態となり、
常用系および予備系の両系の伝送路を介したキャリアを
検出でき、且つ、他の装置が発信したキャリアOFFコ
マンドビットを含むデータフレームを周期的に受信して
いる場合は、常用系伝送路から受信した信号を復号化回
路を介して通信処理部へ入力し、該通信処理部の出力を
符号化回路を介して常用系伝送路へ送出し、キャリア生
成手段による予備系伝送路へのキャリア送出を停止し、
予備系伝送路から受信した信号をそのまま予備系伝送路
へ中継出力する第4状態となる構成である。
【0094】それゆえ、従来2組必要であった復号化回
路および符号化回路を1組に削減、特に構成が複雑な復
号化回路を削減することによりデータ伝送装置の回路構
成を簡単化することができるという効果を奏する。ま
た、各データ伝送装置間で常用系伝送路を使用したデー
タの送受信を行うことができる正常なループ構成のとき
に常用系伝送路で故障が発生した場合、その常用系伝送
路の故障を検出しループバックを短時間に構成すること
ができる。さらに、上記の正常なループ構成のときに予
備系伝送路のみで故障が発生した場合、故障した伝送路
の両端でループバックを構成するのではなく、常用系伝
送路を使ったデータ伝送を継続するので、不要なシステ
ムのデータ伝送の停止を回避することができるという効
果も併せて奏する。
【0095】また、請求項2の発明のループバック制御
方式の通信システムは、以上のように、上記請求項1の
発明の構成において、上記の各データ伝送装置が、上記
第2状態または第3状態の何れかのループバック構成中
に、ループバック構成要因となった異常伝送路からのキ
ャリアを検出すれば、そのループバック構成を解除する
と共に、自己の伝送データフレームに対するキャリアO
FFコマンドビットの設定を停止し、上記第4状態のと
きに、所定時間以上キャリアOFFコマンドビットを含
むデータフレームを受信しなければ、即座に上記第1状
態に遷移する構成である。
【0096】それゆえ、上記請求項1の発明の効果に加
えて、ループバック構成中にそのループバック構成要因
となった現象が正常状態に復帰した場合、各データ伝送
装置が即座に上記第1状態に遷移し、短時間で正常なシ
ステム状態に自動復帰することができるという効果も併
せて奏する。
【0097】また、請求項3の発明のループバック制御
方式の通信システムは、以上のように、上記請求項2の
発明の構成において、上記の各データ伝送装置が、隣接
するデータ伝送装置からの常用系伝送路を介したキャリ
アも、もう一方に隣接するデータ伝送装置からの予備系
伝送路を介したキャリアも検出できない場合は、隣接す
るデータ伝送装置への常用系伝送路を介したデータ伝送
のみを行う第5状態となる構成である。
【0098】それゆえ、上記請求項1および2の効果に
加えて、システムの自動立ち上げを迅速に行うことがで
きるという効果も併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、ループバ
ック制御方式の通信システムのデータ伝送装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】上記通信システムの概略の全体構成を示すブロ
ック図である。
【図3】上記通信システムに用いられるデータフレーム
のフォーマットの一例を示す説明図である。
【図4】上記通信システム上の伝送信号の一例を示す説
明図である。
【図5】上記通信システムにおいて、常用系および予備
系の両系の伝送路を介したキャリアを検出でき、且つ、
キャリアOFFコマンドビットを含んだデータフレーム
を受信していない場合にデータ伝送装置がとる第1状態
を示す説明図である。
【図6】上記通信システムにおいて、隣接するデータ伝
送装置からの予備系伝送路を介したキャリアを検出でき
るが、もう一方に隣接するデータ伝送装置からの常用系
伝送路を介したキャリアを検出できない場合にデータ伝
送装置がとる第2状態を示す説明図である。
【図7】上記通信システムにおいて、隣接するデータ伝
送装置からの常用系伝送路を介したキャリアを検出でき
るが、もう一方に隣接するデータ伝送装置からの予備系
伝送路を介したキャリアを検出できない場合にデータ伝
送装置がとる第3状態を示す説明図である。
【図8】上記通信システムにおいて、隣接するデータ伝
送装置からの常用系伝送路を介したキャリアも、もう一
方に隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路を介し
たキャリアも検出できない場合にデータ伝送装置がとる
第5状態を示す説明図である。
【図9】上記通信システムにおいて、常用系および予備
系の両系の伝送路を介したキャリアを検出でき、且つ、
他の装置が発信したキャリアOFFコマンドビットを含
むデータフレームを周期的に受信している場合にデータ
伝送装置がとる第4状態を示す説明図である。
【図10】上記通信システムにおいて、全てのデータ伝
送装置の初期化が完了していない状態を示す説明図であ
る。
【図11】上記通信システムにおいて、図10の状態か
らデータ伝送装置2の初期化が完了したときの状態を示
す説明図である。
【図12】上記通信システムにおいて、図11の状態か
らデータ伝送装置3の初期化が完了したときの状態を示
す説明図である。
【図13】上記通信システムにおいて、図12の状態か
らの状態遷移を示す説明図である。
【図14】上記通信システムにおいて、図13の状態か
らデータ伝送装置4の初期化が完了したときの状態を示
す説明図である。
【図15】上記通信システムにおいて、図14の状態か
らデータ伝送装置1の初期化が完了したときの状態を示
す説明図である。
【図16】上記通信システムにおいて、図15の状態か
らの状態遷移により正常なループが構成された状態を示
す説明図である。
【図17】上記通信システムにおいて、図16の状態か
らデータ伝送装置3が異常により停止した直後の状態を
示す説明図である。
【図18】上記通信システムにおいて、図17の状態か
らの状態遷移によりループバックが構成された状態を示
す説明図である。
【図19】上記通信システムにおいて、図18の状態か
らデータ伝送装置3が正常状態に復帰した直後の状態を
示す説明図である。
【図20】上記通信システムにおいて、図16の状態か
らデータ伝送装置2とデータ伝送装置3との間の予備系
伝送路で障害が発生した直後の状態を示す説明図であ
る。
【図21】上記通信システムにおいて、図20の状態か
らの状態遷移を示す説明図である。
【図22】上記通信システムにおいて、図21の状態か
らの状態遷移により安定状態になったことを示す説明図
である。
【図23】上記通信システムにおいて、図16の状態か
らデータ伝送装置2とデータ伝送装置3との間の常用系
伝送路で障害が発生した直後の状態を示す説明図であ
る。
【図24】上記通信システムにおいて、図23の状態か
らの状態遷移を示す説明図である。
【図25】上記通信システムにおいて、図24の状態か
らの状態遷移により安定状態になったことを示す説明図
である。
【図26】上記通信システムのデータ伝送装置において
内部の送受信機能をテストするときの内部ループ構成を
示す説明図である。
【図27】上記通信システムのデータ伝送装置において
送受信機能に異常が発生したときのバイパス構成を示す
説明図である。
【図28】従来のループバック制御方式の通信システム
のデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
【図29】データ伝送装置の復号化回路の概略構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1〜4 データ伝送装置 5 ループ制御部 6 通信処理部 7・ 8 受信部 9・10 送信部 11 復号化回路 12 符号化回路 13 キャリア検出部(常用系キャリア検出手
段) 14 キャリア検出部(予備系キャリア検出手
段) 15 キャリア生成部(キャリア生成手段) Lm 常用系伝送路 Ls 予備系伝送路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常用系伝送路および予備系伝送路からなる
    それぞれ逆方向にデータを送信するようになされた二重
    ループトポロジーのデータ伝送路に、伝送路の障害を検
    出してループバック制御を行う複数のデータ伝送装置が
    接続されているループバック制御方式の通信システムに
    おいて、 上記の各データ伝送装置は、 伝送データの送受信処理を行う通信処理部と、上記通信
    処理部で処理されたデータを伝送に適した符号形式に変
    換する符号化回路と、受信信号を復号して上記通信処理
    部へわたす復号化回路と、隣接するデータ伝送装置から
    の常用系伝送路を介したキャリアの有無を検出する常用
    系キャリア検出手段と、もう一方に隣接するデータ伝送
    装置からの予備系伝送路を介したキャリアの有無を検出
    する予備系キャリア検出手段と、予備系伝送路へ送出す
    るためのキャリアを生成するキャリア生成手段と、シス
    テム内の他のデータ伝送装置に対してキャリア生成手段
    の生成キャリアの送出を停止させるキャリアOFFコマ
    ンドビットを、定期的に送出する自己の伝送データフレ
    ーム中に設定するコマンド設定手段とを有し、 常用系および予備系の両系の伝送路を介したキャリアを
    検出でき、且つ、キャリアOFFコマンドビットを含ん
    だデータフレームを受信していない場合には、常用系伝
    送路から受信した信号を復号化回路を介して通信処理部
    へ入力し、該通信処理部の出力を符号化回路を介して常
    用系伝送路へ送出し、予備系伝送路へはキャリア生成手
    段の生成キャリアのみを送出する第1状態となり、 隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路を介したキ
    ャリアを検出できるが、もう一方に隣接するデータ伝送
    装置からの常用系伝送路を介したキャリアを検出できな
    い場合には、キャリア生成手段による予備系伝送路への
    キャリア送出を停止し、予備系伝送路から受信した信号
    を復号化回路を介して通信処理部へ入力する一方該通信
    処理部の出力を符号化回路を介して常用系伝送路へ送出
    するループバックを構成し、自己の伝送データフレーム
    にキャリアOFFコマンドビットを設定する第2状態と
    なり、 隣接するデータ伝送装置からの常用系伝送路を介したキ
    ャリアを検出できるが、もう一方に隣接するデータ伝送
    装置からの予備系伝送路を介したキャリアを検出できな
    い場合には、キャリア生成手段による予備系伝送路への
    キャリア送出を停止し、常用系伝送路から受信した信号
    を復号化回路を介して通信処理部へ入力する一方該通信
    処理部の出力を符号化回路を介して予備系伝送路へ送出
    するループバックを構成し、隣接するデータ伝送装置へ
    の常用系伝送路を介したデータ伝送を継続するように該
    通信処理部の出力を符号化回路を介して常用系伝送路へ
    も送出し、自己の伝送データフレームにキャリアOFF
    コマンドビットを設定する第3状態となり、 常用系および予備系の両系の伝送路を介したキャリアを
    検出でき、且つ、他の装置が発信したキャリアOFFコ
    マンドビットを含むデータフレームを周期的に受信して
    いる場合は、常用系伝送路から受信した信号を復号化回
    路を介して通信処理部へ入力し、該通信処理部の出力を
    符号化回路を介して常用系伝送路へ送出し、キャリア生
    成手段による予備系伝送路へのキャリア送出を停止し、
    予備系伝送路から受信した信号をそのまま予備系伝送路
    へ中継出力する第4状態となることを特徴とするループ
    バック制御方式の通信システム。
  2. 【請求項2】上記の各データ伝送装置は、 上記第2状態または第3状態の何れかのループバック構
    成中に、ループバック構成要因となった異常伝送路から
    のキャリアを検出すれば、そのループバック構成を解除
    すると共に、自己の伝送データフレームに対するキャリ
    アOFFコマンドビットの設定を停止し、 上記第4状態のときに、所定時間以上キャリアOFFコ
    マンドビットを含むデータフレームを受信しなければ、
    即座に上記第1状態に遷移することを特徴とする請求項
    1記載のループバック制御方式の通信システム。
  3. 【請求項3】上記の各データ伝送装置は、隣接するデー
    タ伝送装置からの常用系伝送路を介したキャリアも、も
    う一方に隣接するデータ伝送装置からの予備系伝送路を
    介したキャリアも検出できない場合は、隣接するデータ
    伝送装置への常用系伝送路を介したデータ伝送のみを行
    う第5状態となることを特徴とする請求項2記載のルー
    プバック制御方式の通信システム。
JP6326320A 1994-12-27 1994-12-27 ループバック制御方式の通信システム Pending JPH08186591A (ja)

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