JPH0818568B2 - 動力舵取装置の操舵力制御装置 - Google Patents

動力舵取装置の操舵力制御装置

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JPH0818568B2
JPH0818568B2 JP61216795A JP21679586A JPH0818568B2 JP H0818568 B2 JPH0818568 B2 JP H0818568B2 JP 61216795 A JP61216795 A JP 61216795A JP 21679586 A JP21679586 A JP 21679586A JP H0818568 B2 JPH0818568 B2 JP H0818568B2
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豊 森
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/007Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits adjustable by the driver, e.g. sport mode

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車の走行状態に応じてアシスト力を電
子制御装置により制御して操舵特性を変化させるように
した動力舵取装置の操舵力制御装置に関する。
(従来技術) この種の動力舵取装置においては、自動車の走行状態
の検出は車速により行うのが普通であり、この検出結果
により、アシスト力が低速域では大きく、高速域では小
さくなるように制御するものがある。また、例えば、特
開昭59−59574号公報に示すごとく、車速とオイルポン
プ回転数の間の制御特性を複数用意し、この中から市街
地か山道か等の道路状態に応じて一つの制御特性を選択
するものがあり、これによれば車速のみでなく道路状態
の違いによってもアシスト力を変えて手動操舵トルクと
操舵出力トルクの間の特性(以下単に操舵特性という)
を変えることができる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、自動車の走行状態は上記車速や道路状
態の他に、運転者の気分や性格による運転状態、すなわ
ち活発な運転か穏やかな運転か等によつても変化し、前
記従来技術では運転者による運転状態に応じた適切な操
舵特性を得ることは必ずしも出来ないと言う問題があっ
た。これを解決するために出願人は先に特願昭60−2964
95号に係る発明を行い、同発明の実施例において、道路
状態に対応する第1走行指数Kθと運転状態に対応する
第2走行指数Kvを演算し、次式 I=Iθ+Iv 但し Iθ:第1走行指数Kθに応じた印加電流 Iv:第2走行指数Kvに応じた印加電流 により演算された値Iの制御電流を操舵特性を変化させ
る電磁制御弁に印加することを提案した。しかしながら
上記式の第2項Ivは第2走行指数Kvに対応して1次元的
に変化するのみなので、制御電流Iの特性は、印加電流
θの特性を第2走行指数Kvに応じて上下方向に平行移
動させたものとなり、制御電流Iの変化の自由度が充分
でなく、従って操舵特性の変化の自由度が低いという問
題がある。本発明は前記特開昭59−59574号の問題を解
決するのみならず特願昭60−29645号の問題をも解決し
たものである。
(問題点を解決するための手段) このために、第1の本発明による動力舵取装置の操舵
力制御装置は、第1図に示すように、印加される制御電
流に応じて開度が変化して手動操舵トルクと操舵出力ト
ルクの間の特性を変化させる電磁制御弁30を備えた動力
舵取装置10において、車速またはこれと関連して変化す
るエンジン回転数等の情報値を検出する車速等センサ1
と、操舵角を検出する操舵角センサ2と、前記情報値を
入力して運転者の運転状態に対応する運転状態指数を演
算すると共に前記操舵角を入力して道路状態に対応する
道路状態指数を演算する指数演算手段3と、市街地等の
屈曲の少ない道路における穏やかな運転の際に使用する
のに適した第1制御電流特性、同屈曲の少ない道路にお
ける活発な運転の際に使用するのに適した第2制御電流
特性、山道等の屈曲の多い道路における穏やかな運転の
際に使用するのに適した第3制御電流特性及び同屈曲の
多い道路における活発な運転の際に使用するのに適した
第4制御電流特性を記憶する記憶手段4と、前記第1及
び第2制御電流特性に基づいて前記指数演算手段3にて
演算された運転状態指数に応じた第1中間電流値を補間
演算する第1電流演算手段5と、前記第3及び第4制御
電流特性に基づいて前記指数演算手段3にて演算された
運転状態指数に応じた第2中間電流値を補間演算する第
2電流演算手段6と、これら第1及び第2電流演算手段
6にて補間演算された第1及び第2中間電流値に基づい
て前記指数演算手段3にて演算された道路状態指数に応
じた制御電流値を補間演算する制御電流演算手段7と、
この制御電流演算手段7にて補間演算された制御電流値
を前記電磁制御弁30に印加するソレノイド駆動手段8を
備えたことを特徴とするものである。
また、第2の本発明による動力舵取装置の操舵力制御
装置は、第1図に示すように、印加される制御電流に応
じて開度が変化して手動操舵トルクと操舵出力トルクの
間の特性を変化させる電磁制御弁30を備えた動力舵取装
置10において、車速またはこれと関連して変化するエン
ジン回転数等の情報値を検出する車速等センサ1と、操
舵角を検出する操舵角センサ2と、前記情報値を入力し
て運転者の運転状態に対応する運転状態指数を演算する
と共に前記操舵角を入力して道路状態に対応する道路状
態指数を演算する指数演算手段3と、市街地等の屈曲の
少ない道路における穏やかな運転の際に使用するのに適
した第1制御電流特性、同屈曲の少ない道路における活
発な運転の際に使用するのに適した第2制御電流特性、
山道等の屈曲の多い道路における穏やかな運転の際に使
用するのに適した第3制御電流特性及び同屈曲の多い道
路における活発な運転の際に使用するのに適した第4制
御電流特性を記憶する記憶手段4と、前記第1及び第3
制御電流特性に基づいて前記指数演算手段3にて演算さ
れた道路状態指数に応じた第1中間電流値を補間演算す
る第1電流演算手段5と、前記第2及び第4制御電流特
性に基づいて前記指数演算手段3にて演算された道路状
態指数に応じた第2中間電流値を補間演算する第2電流
演算手段6と、これら第1及び第2電流演算手段6にて
補間演算された第1及び第2中間電流値に基づいて前記
指数演算手段3にて演算された運転状態指数に応じた制
御電流値を補間演算する制御電流演算手段7と、この制
御電流演算手段7にて補間演算された制御電流値を前記
電磁制御弁30に印加するソレノイド駆動手段8を備えた
ことを特徴とするものである。
(作用) 第1の本発明では、指数演算手段3は車速等センサ1
により検出された情報値を入力して運転状態指数を演算
し、また操舵角センサ2により検出された操舵角を入力
して道路状態指数を演算する。第1電流演算手段5は市
街地等の屈曲の少ない道路に対応する第1中間電流値
を、記憶手段4に記憶された第1及び第2制御電流特性
のその時点に対応する各電流値と指数演算手段3にて演
算された運転状態指数に基づいて補間演算し、第2電流
演算手段6は山道等の屈曲の多い道路に対応する第2中
間電流値を、第3及び第4制御電流特性のその時点に対
応する各電流値と指数演算手段3にて演算された運転状
態指数に基づいて補間演算する。制御電流演算手段7は
この第1及び第2中間電流値と指数演算手段3にて演算
された道路状態指数に基づいてその時点における制御電
流値を補間演算し、ソレノイド駆動手段8はこの制御電
流値を電磁制御弁30に印加して動力舵取装置の操舵力制
御を行う。これにより、操舵特性はその時の車速等、運
転状態及び道路状態に適したものとなる。また後に詳述
するように、電磁制御弁30に印加する制御電流の特性は
第1中間電流値を基準として第2中間電流値に応じた平
行移動をするのみならず傾斜も変化するので、操舵特性
の変化の自由度は大となる。
第2の発明の指数演算手段3も、第1の発明と同様、
車速等センサ1により検出された情報値を入力して運転
状態指数を演算し、また操舵角センサ2により検出され
た操舵角を入力して道路状態指数を演算する。この第2
の発明では、第1電流演算手段5は穏やかな運転に対応
する第1中間電流値を、記憶手段4に記憶された第1及
び第3制御電流特性のその時点に対応する各電流値と指
数演算手段3にて演算された道路状態指数に基づいて補
間演算し、第2電流演算手段6は活発な運転に対応する
第2中間電流値を、第2及び第4制御電流特性のその時
点に対応する各電流値と指数演算手段3にて演算された
道路状態指数に基づいて補間演算する。制御電流演算手
段7はこの第1及び第2中間電流値と指数演算手段3に
て演算された運転状態指数に基づいてその時点における
制御電流値を補間演算し、ソレノイド駆動手段8はこの
制御電流値を電磁制御弁30に印加して動力舵取装置の操
舵力制御を行う。これにより、操舵特性はその時の車速
等、運転状態及び道路状態に適したものとなり、また第
1の発明と同様、制御電流の特性は第1中間電流値を基
準として第2中間電流値に応じた平行移動をするのみな
らず傾斜も変化するので、操舵特性の変化の自由度は大
となる。
(発明の効果) 上述の如く、第1及び第2の本発明によれば、操舵特
性はその時の車速等,運転状態及び道路状態に適したも
のとなるので、よりきめ細かに自動車の走行状態に対応
して操舵力の重さを制御することができ、しかも操舵特
性の変化の自由度を高めることができる。
(実施例) 以下に、第1図〜第11図により、本発明の一実施例を
説明する。
第1図及び第2図において、動力舵取装置10は、ハン
ドル軸47を介して操舵ハンドル46と連結されたサーボ弁
11と、出力軸21より図略のリンク機構を介して前車輪に
連結されたパワーシリンダ12と、サーボ弁11に連結され
た反力機構13により構成されている。
自動車エンジンにより駆動されるベーンポンプ等の供
給ポンプ15にはバイパス弁18が内蔵され、これにより一
定流量Qの作動流体が、吐出通路17を経て、動力舵取装
置10に内蔵された分流弁14に供給されるようになってい
る。分流弁14は、前記一定流量Qの作動流体を、サーボ
弁通路17aおよび反力制御通路17bへそれぞれ一定流量Q1
及びQ2ずつ分配するものである。サーボ弁通路17aはサ
ーボ弁11を介してパワーシリンダ12に接続され、また反
力制御通路17bには反力機構13及び電磁制御弁30が接続
されている。
サーボ弁11は公知のロータリー形のもので、パワーシ
リンダ12と供給ポンプ15との間に設けられ、操舵ハンド
ル46よりハンドル軸47を経てサーボ弁11の入力軸20に加
えられる手動操舵トルクに応じて作動し、パワーシリン
ダ12の両室への作動流体の給排を制御してアシスト力を
発生させるものであり、これにより増大された操舵出力
トルクが出力軸21より前車輪に伝達されるよう構成され
ている。使用済みの作動流体はリザーバ16に戻され、再
びポンプ15に吸入される。
反力機構13は、ロータリー形のサーボ弁11の出力軸側
に設けられた挿通孔13cに嵌合されたプランジャ13bと、
入力軸側に設けられてプランジャ13bの先端と係合する
円周方向両側に傾斜した傾斜面13dを主要構成要素とす
る公知のものである。そして、ポート13aを介してプラ
ンジャ13bの後部に導入される作動流体の圧力を電磁制
御弁30により変化させて入力軸と出力軸の間の捩りばね
特性を変え、入力トルクすなわち手動操舵トルクに対す
るサーボ弁11の作動特性を変えるものである。
第3図に示す如く、電磁制御弁30のバルブ本体31の突
出部31aの先端には中央に絞り穴32aを有するユニオン32
が同軸に螺合固定され、絞り穴32aを挟んで第1ポート3
0a及び第2ポート30bが形成されている。バルブ本体31
に固定されたヨーク35の内孔には弁軸34を固定したスプ
ール33が突出部31aと同軸に軸方向摺動可能に支持さ
れ、このスプール33及び弁軸34はスプリング38及び39を
介してバルブ本体31とヨーク35に螺合した調整ねじ37の
間に弾性的に支持されている。電磁制御弁30は、通常は
弁軸34の先端がユニオン32の絞り穴32aから離れて絞り
穴32aを全開とし、ソレノイド36に通電すればその電流
値に応じてスプール33が左方向に変位して弁軸34の先端
により絞り穴32aの開度を次第に減少させ、遂には全閉
となるようにするものである。この全閉状態において
は、両ポート30a,30bは細い固定絞り32bにより連通され
ている。この電磁制御弁30はバルブ本体31の突出部31a
を動力舵取装置10の弁ハウジング等に螺合して取り付け
られている。
上記構成の動力舵取装置において、電磁制御弁30の開
度を車速に応じてのみ変化させるようにすれば、車速の
増大につれて電磁制御弁30の開度が小となるので、手動
操舵トルクは、第4図の実線に示す如く車速の増大に
応じて重くなり、また第4図の実線に示すごとく操舵
角の増大に応じて重くなる操舵特性となる。しかしなが
ら、これのみでは穏やかか活発か等の運転状態または市
街地か山道か等の道路状態が変化しても上記操舵特性は
一定のままであり変らない。本実施例においては、第2
図の電子制御装置50により、車速のみならず後述する運
転状態指数と道路状態指数に応じても電磁制御弁30の開
度を変化させ、これにより運転状態及び道路状態に応じ
て上記操舵特性を変化させている。
第2図に示す如く、電子制御装置50はマイクロプロセ
ッサ(以下単にCPUという)51と、読出し専用メモリ
(以下単にROMと言う)52と、書込み可能メモリ(以下
単にRAMと言う)53を主要構成要素とし、このCPU51には
図略のソレノイド駆動回路(図1のソレノイド駆動手段
8に対応)を介して前記電磁制御弁30のソレノイド36が
接続されて、これに印加される電流を制御するようにな
っている。また、CPU51には図略のインターフェイスを
介して車速センサ40が接続されている。この車速センサ
40は、エンジン41の駆動力を後車輪46に伝達するトラン
スミッション42の出力軸43に連結された回転計により構
成され、この車速センサ40から発生されるパルス信号の
周波数により車速vを検出するようになっている。さら
に、CPU51には図略のインターフェイスを介して操舵角
センサ45が接続されている。操舵角センサ45はハンドル
軸47に固定された回転板と、2つのフォトインタラプタ
と、位相判定回路により構成され、操舵ハンドル46の操
舵角θを検出するようになっている。
穏やかな運転の場合には、第6図に示す如く車速の
変動の回数は比較的少ないが、活発な運転の場合には、
第6図に示す如く車速の変動の回数は多くなる。従っ
て自動車の加速度の変化曲線は、穏やかな運転の場合
には、第6図に示す如く山の数及び高低差が少なく、
活発な運転の場合には、第6図に示す如く山の数及び
高低差が多くなる。また加速度の絶対値||は、穏や
かな運転の場合には、第6図に示す如く山の数及び高
さが小となり、活発な運転の場合には、第6図に示す
如く山の数及び高さが大となる。従って加速度の絶対値
||の所定時間内の積分値を運転状態指数J1とすれ
ば、この運転状態指数J1は穏やかな運転の場合には小さ
く、活発な運転の場合には大となり、これにより穏やか
か活発かの運転状態を知ることができる。
一方操舵角θの頻度分布は、市街地走行の場合にはカ
ーブは少ないが交差点で直角に曲がることが多いので中
間の操舵角θの頻度は比較的少なくなり、山道走行の場
合にはカーブは多いが直角に曲がることは少ないので中
間の操舵角θの頻度は比較的多くなる。従って、第7図
に示す如く操舵角θの絶対値|θ|の所定時間内の頻度
分布をとり、中間操舵角範囲L(ゆるいカーブ走行に対
応)内の頻度数を求め、この頻度数を全頻度数で除した
値を道路状態指数J2とすれば、この道路状態指数J2は、
第7図に示す市街地走行の場合は小さく、第7図に
示す山道走行の場合は大となり、これにより市街地か山
道かの道路状態を知ることができる。
ROM52の一部により構成される記憶手段4には電磁制
御弁30のソレノイド36に印加する制御電流の操舵角θ及
び車速vに対する制御特性が記憶されている。この制御
特性は、第5図に示す如く、4つの特性マップA1,A2,
A3,A4,より構成されている。特性マップA1は運転状態指
数J1=0(極めて穏やかな運転状態)でかつ道路状態指
数J2=0(交差点での屈折が極めて少ない市街地走行)
のときの操舵角θ及び車速vの変化に応じてソレノイド
36に印加すべき第1制御電流値i1の変化特性を示し、電
流値i1は操舵角θ及び車速vの増大に対して或る範囲内
(θ<θ<θ2,v1<v<v2)では一定の割合で増大す
るが、前記範囲の外では変化しないように設定されてい
る。また、特性マップA4は運転状態指数J1=1(極めて
活発な運転状態)でかつ道路状態指数J2=1(屈曲が極
めて多い山道走行)のときの操舵角θ及び車速vの変化
に応じてソレノイド36に印加すべき第4制御電流値i4
変化特性を示し、電流値i4は操舵角θ及び車速vの増大
に対しi1と同様に変化するが、その値は全般的にi1より
もかなり大となるように設定されている。特性マップA2
及びA3は、それぞれJ1=1でかつJ2=0の場合の第2制
御電流値i2及びJ1=0でかつJ2=1の場合の第3制御電
流値i3の変化特性を示し、何れも操舵角θ及び車速vの
増大に対しi1,i4と同様に変化するが、その値はi1とi4
の間の値となる。
運転状態指数J1を演算するために、RAM53は多数(N
個)のバッファレジスタD0〜DN-1を備えている。バッフ
ァレジスタD0〜DN-1は機能的には環状に配置され、CPU5
1はこのバッファレジスタD0〜DN-1に、所定の時間間隔
Tをおいて順次、次式 =(v−v)/T ・・・(1) v:前回に読み込んだ車速 により算出された加速度の絶対値||を記憶させ、
この記憶動作がバッファレジスタD0〜DN-1を一巡するご
とに最初に戻って作動を繰り返し、記憶内容を更新させ
る。CPU51は、次式 K1:定数(極めて活発な運転の場合にJ1≒1となるよう
に実験的に定める。) によりバッファレジスタD0〜DN-1の記憶値の積分値J1
演算し、この値を運転状態指数とする。第9図のフロー
チャートはこの演算を行うためのものであり、ROM52に
はこの動作を実行するための制御プログラムが記憶され
ている。
ROM53はまた、道路状態指数J2を演算するために、多
数(N個)のバッファレジスタE0〜EN-1を備えている。
バッファレジスタE0〜EN-1も機能的には環状に配置さ
れ、CPU51はこのバッファレジスタE0〜EN-1に、所定の
時間間隔Tをおいて順次、操舵角θを記憶させ、この記
憶動作がバッファレジスタE0〜EN-1を一巡するごとに最
初に戻って作動を繰り返し、記憶内容を更新させる。CP
U51は、このバッファレジスタE0〜EN-1の記憶内容か
ら、操舵角θの中立位置付近と末端位置付近のものを除
いた頻度数Fを計数し、次式 J2=K2×F/N ・・・(3) K2:定数(屈曲が多い山道においてJ2≒1となるように
実験的に定める。) により道路状態指数J2を演算する。第10図のフローチャ
ートはこの演算を行うためのものであり、ROM52にはこ
の動作を実行するための制御プログラムが記憶されてい
る。
更にCPU51は、現在の車速v、操舵角θ及び運転状態
指数J1を入力して、第5図の第1及び第2制御電流特性
マップA1及びA2から市街地走行の際に電磁制御弁30のソ
レノイド36に印加すべき第1中間電流値I1を補間演算
し、また第5図の第3及び第4制御電流特性マップA3
びA3から山道走行の際に電磁制御弁30に印加すべき第2
中間電流値I2を補間演算し、次いで道路状態指数J2を入
力して、第1及び第2中間電流値I1及びI2から現在の走
行状態に対応してソレノイド36に印加すべき制御電流値
Iを次式 I=(I2−I1)×J2+I1 ・・・(4) より補間演算し、この値Iの制御電流を電磁制御弁30の
ソレノイド36に印加するようになっている。第11図のフ
ローチャートのこの制御動作を示すものでありROM52に
はこの動作を実行するための制御プログラムが記憶され
ている。
しかして、両指数J1,J2が大となればソレノイド36に
印加される制御電流値Iが増大するので電磁制御弁30の
開度は小となる。これにより反力機構13に導入される圧
力が増大するので、第4図,の破線で示す如く、車
速v及び操舵角θに対する手動操舵トルクは増大する方
向に変化する。また、上記式(4)の第1項は道路状態
指数J2のみならず運転状態指数J1にも対応して2次元的
に変化するので、制御電流Iの特性は第1中間電流I1
基準として平行移動するのみならず全面的にあるいは部
分的に傾斜も変化するものとなり、制御電流Iの変化の
自由度は大となり、従って制御特性の変化の自由度も大
となる。
次に、本実施例の作動につき説明する。
CPU51の行う処理動作は、第8図に示す如く、運転状
態指数J1の演算処理Iと、道路状態指数J2の演算処理II
と、制御電流値Iの演算および出力処理IIIに大別さ
れ、此等の処理が順番に実行される。
自動車のメインスイッチを入れれば、電子制御装置50
は各変数を0または所定の初期値に設定する。自動車の
走行状態において時々刻々変化する車速vおよび操舵角
θは車速センサ40および操舵角センサ45により検出さ
れ、それぞれの現在の値が図略のレジスタに記憶され
る。CPU51は所定の時間間隔T(例えば0.5秒)毎に割込
信号が入力される都度、前記各制御プログラムに基づき
処理動作を実行する。
I)運転状態指数J1の演算処理 先ず第9図のステップ101において、CPU51は前記レジ
スタに記憶された車速vを読込み、次のステップ102に
おいて前記式(1)により車速vを微分して加速度を
演算する。
続くステップ103において、CPU51はサンプリングカウ
ンタ値nをバッファレジスタの個数Nと比較し、n≧N
でなければそのまま、またn≧Nであればステップ104
においてサンプリングカウンタ値nを0にリセットした
後、ステップ105に進んでn番目のバッファレジスタDn
に加速度の絶対値||を記憶させる。以上のステップ
103〜105により、CPU51は所定の時間間隔Tで検出され
た加速度の絶対値||をN個のバッファレジスタD0
DN-1に順次記憶させ、全バッファレジスタを一巡する毎
に最初のバッファレジスタD0に戻って順次記憶内容を更
新せしめる。これによりバッファレジスタD0〜DN-1には
最新の所定時間T×Nの間における加速度の絶対値|
|が記憶されることになる。
続くステップ106において、CPU51は全バッファレジス
タD0〜DN-1の記憶内容を順次読出し、前記式(2)によ
り運転状態指数J1を演算する。続くステップ107におい
て、CPU51は運転状態指数J1が1以上かどうかを判定
し、1以上でなければそのまま、また1以上であればス
テップ108で運転状態指数J1を1として、次の道路状態
指数J2の演算処理IIに移る。
II)道路状態指数J2の演算処理 先ず第10図のステップ111において、CPU51は前記レジ
スタに記憶された操舵角θを読み込み、ステップ112に
おいてn番目のバッファレジスタEnに操舵角の絶対値|
θ|を記憶させる。続いてCPU51は、ステップ113におい
て頻度カウンタ値Fを0にセットし、ステップ114にお
いて読出しカウンタ値Hの初期値としてバッファレジス
タの数Nをセットする。
続くステップ115において、CPU51はH番目のバッファ
レジスタEHの値を2つの設定値BおよびCと比較する。
設定値BおよびCはそれぞれゆるいカーブ走行に対応す
る操舵角範囲の絶対値の下限値および上限値である。CP
U51は、B≦EH≦Cならばステップ116において頻度カウ
ンタ値Fに1を加えた後、またB≦EH≦Cでなければそ
のままステップ117に進んで読出しカウンタ値Hより1
を減じる。続くステップ118において、CPU51は読出しカ
ウンタ値Hを数値0と比較し、H≦0になるまで上記ス
テップ115〜117を繰り返して頻度カウンタ値Fを、バッ
ファレジスタE0〜EN-1のうちB≦En≦Cなるものの数と
し、H≦0となれば次のステップ119に移る。
ステップ119において、CPU51は前記式(3)により道
路状態指数J2を演算する。続くステップ120において、C
PU51は道路状態指数J2が1以上か否かを判定し、1以上
でなければそのまま、また1以上であればステップ121
において道路状態指数J1を1として、次の制御電流値I
の演算及び出力処理IIIに移る。
III)制御電流Iの演算及び出力処理 先ず第11図のステップ131においてCPU51は、ステップ
101及び111において読み込んだ現在の車速v及び操舵角
θに基づいて、ROM52内の第1制御電流特性マップA1
り第1制御電流値i1をサーチし、ステツプ132において
同様に車速v及び操舵角θに基づいて第2制御電流マッ
プA2より第2制御電流値i2をサーチする。続くステップ
133においてCPU51は、この第1・第2制御電流値i1,i2
と前記演算処理Iにおいて演算された運転状態指数J1
次式に代入して第1中間電流値I1を補間演算する。
I1=(i2−i1)×J1+i1 この第1中間電流値I1は、屈曲の少ない市街地において
現在の車速,操舵角及び運転状態に対応して電磁制御弁
30に印加するのに適した制御電流値である。
続くステップ134〜136においてCPU51は、現在の車速
v及び操舵角θに基づいて、第3・第4制御電流特性マ
ップA3,A4より第3・第4制御電流値i3、i4をサーチ
し、この第3・第4制御電流値i3,i4と運転状態指数J1
を次式に代入して第2中間電流値I2を補間演算する。
I2=(i4−i3)×J1+i3 この第2中間電流値I2は、屈曲の多い山道において現在
の車速,操舵角及び運転状態に対応して電磁制御弁30に
印加するのに適した制御電流値である。
続くステップ137においてCPU51は、前記両中間電流値
I1,I2と前記演算処理IIにおいて演算された道路状態指
数J2を前記式(4)に代入して制御電流値Iを補間演算
する。この制御電流値Iは現在の車速,操舵角,運転状
態及び道路状態に対応して電磁制御弁30に印加するのに
適した制御電流値である。続くステップ138においてCPU
は、値Iなる制御電流を電磁制御弁30のソレノイド36に
印加する出力を行う。ステップ138が終了すれば、CPU51
は第9図〜第11図のフローチャートによる制御プログラ
ムの実行を終了する。
以後所定の小時間間隔T毎に割込信号が出力される都
度、CPU51は上記各フローチャートによるプログラムを
繰り返し実行し、車速,操舵角,運転状態及び道路状態
に応じて電磁制御弁30の開度を最適に設定し、操舵角に
応じて最適の手動操舵トルクが得られるようにする。こ
れにより運転状態指数J1及び道路状態指数J2が大となれ
ば動力舵取装置のアシスト力は減少し、車速及び操舵角
に対する手動操舵トルクの増加の割合は、第4図,
の破線に示すごとく、両状態指数J1,J2の増大にに応じ
て増大する方向に変化する。
なお、ステツプ107,108及びステップ120,121は、極め
て活発な運転及び屈曲が極めて多い山道において各状態
指数J1,J2が過度に増大して手動操舵トルクが過大とな
ることを防止するためのものである。
上記実施例においては、車速v及び操舵角θを検出
し、特性マップA1〜A4より各電流値i1〜i4をサーチし、
制御電流値Iを補間演算しているが、車速のみにより各
電流値をサーチし、あるいは車速の代わりに車速と関連
して変化するその他の情報値、例えばエンジン回転速
度,スロットルバルブ開度,吸入空気量等を検出し、此
等の値により各電流値i1〜i4をサーチし、制御電流値を
演算するようにしてもよい。
なお、上記実施例においては、先ず運転状態指数J1
用いて第1及び第2中間電流値I1,I2を演算し、次いで
道路状態指数J2を用いて制御電流値Iを演算している
が、先に道路状態指数I2を用いて第1及び第2中間電流
値を補間演算し、次いで運転状態指数J1を用いて制御電
流値Iを補間演算するようにしてもよい。
また、上記実施例においては、特性マップA1〜A4をRO
M52に記憶させ、電流値i1〜i4をサーチしているが、特
性マップA1〜A4の代りに演算式をROM52に記憶させ、車
速等のみ、あるいは車速等と操舵角により各電流値i1
i4を演算するようにしてもよい。
また、上記実施例においては、制御電流値Iは連続的
な値として演算されているが、段階的な値として制御電
流値を演算するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による動力舵取装置の操舵力制御装置の
全体構成図、第2図〜第11図は本発明の一実施例を示
し、第2図は全体の説明図、第3図は電磁制御弁の断面
図、第4図及びは車速及び操舵角に対する手動操舵
トルクの変化特性図、第5図A1〜A4は操舵角及び車速に
対する制御電流の特性図、第6図は運転状態に応じた車
速、加速度及び加速度の絶対値の変化を示す図、第7図
は操舵角の絶対値の頻度分布を示す図、第8図〜第11図
は制御プログラムのフローチャートである。 符号の説明 1,40……車速等センサ、2,45……操舵角センサ、3……
指数演算手段、4……記憶手段、5……第1電流演算手
段、6……第2電流演算手段、7……制御電流演算手
段、8……ソレノイド駆動手段、10……動力舵取装置、
30……電磁制御弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印加される制御電流に応じて開度が変化し
    て手動操舵トルクと操舵出力トルクの間の特性を変化さ
    せる電磁制御弁を備えた動力舵取装置において、車速ま
    たはこれと関連して変化するエンジン回転数等の情報値
    を検出する車速等センサと、操舵角を検出する操舵角セ
    ンサと、前記情報値を入力して運転者の運転状態に対応
    する運転状態指数を演算すると共に前記操舵角を入力し
    て道路状態に対応する道路状態指数を演算する指数演算
    手段と、市街地等の屈曲の少ない道路における穏やかな
    運転の際に使用するのに適した第1制御電流特性、同屈
    曲の少ない道路における活発な運転の際に使用するのに
    適した第2制御電流特性、山道等の屈曲の多い道路にお
    ける穏やかな運転の際に使用するのに適した第3制御電
    流特性及び同屈曲の多い道路における活発な運転の際に
    使用するのに適した第4制御電流特性を記憶する記憶手
    段と、前記第1及び第2制御電流特性に基づいて前記指
    数演算手段にて演算された運転状態指数に応じた第1中
    間電流値を補間演算する第1電流演算手段と、前記第3
    及び第4制御電流特性に基づいて前記指数演算手段にて
    演算された運転状態指数に応じた第2中間電流値を補間
    演算する第2電流演算手段と、これら第1及び第2電流
    演算手段にて補間演算された第1及び第2中間電流値に
    基づいて前記指数演算手段にて演算された道路状態指数
    に応じた制御電流値を補間演算する制御電流演算手段
    と、この制御電流演算手段にて補間演算された制御電流
    値を前記電磁制御弁に印加するソレノイド駆動手段を備
    えたことを特徴とする動力舵取装置の操舵力制御装置。
  2. 【請求項2】印加される制御電流に応じて開度が変化し
    て手動操舵トルクと操舵出力トルクの間の特性を変化さ
    せる電磁制御弁を備えた動力舵取装置において、車速ま
    たはこれと関連して変化するエンジン回転数等の情報値
    を検出する車速等センサと、操舵角を検出する操舵角セ
    ンサと、前記情報値を入力して運転者の運転状態に対応
    する運転状態指数を演算すると共に前記操舵角を入力し
    て道路状態に対応する道路状態指数を演算する指数演算
    手段と、市街地等の屈曲の少ない道路における穏やかな
    運転の際に使用するのに適した第1制御電流特性、同屈
    曲の少ない道路における活発な運転の際に使用するのに
    適した第2制御電流特性、山道等の屈曲の多い道路にお
    ける穏やかな運転の際に使用するのに適した第3制御電
    流特性及び同屈曲の多い道路における活発な運転の際に
    使用するのに適した第4制御電流特性を記憶する記憶手
    段と、前記第1及び第3制御電流特性に基づいて前記指
    数演算手段にて演算された道路状態指数に応じた第1中
    間電流値を補間演算する第1電流演算手段と、前記第2
    及び第4制御電流特性に基づいて前記指数演算手段にて
    演算された道路状態指数に応じた第2中間電流値を補間
    演算する第2電流演算手段と、これら第1及び第2電流
    演算手段にて補間演算された第1及び第2中間電流値に
    基づいて前記指数演算手段にて演算された運転状態指数
    に応じた制御電流値を補間演算する制御電流演算手段
    と、この制御電流演算手段にて補間演算された制御電流
    値を前記電磁制御弁に印加するソレノイド駆動手段を備
    えたことを特徴とする動力舵取装置の操舵力制御装置。
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