JPH08180228A - 車両用通信装置 - Google Patents

車両用通信装置

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JPH08180228A
JPH08180228A JP32020894A JP32020894A JPH08180228A JP H08180228 A JPH08180228 A JP H08180228A JP 32020894 A JP32020894 A JP 32020894A JP 32020894 A JP32020894 A JP 32020894A JP H08180228 A JPH08180228 A JP H08180228A
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signal
road
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Ichiro Yoshida
一郎 吉田
Hiromasa Katou
大誠 加藤
Toshihide Ando
俊秀 安藤
Manabu Matsumoto
学 松元
Chikashi Yamashita
睦志 山下
Yoshiyuki Kago
義行 加後
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    • GPHYSICS
    • G07CHECKING-DEVICES
    • G07BTICKET-ISSUING APPARATUS; FARE-REGISTERING APPARATUS; FRANKING APPARATUS
    • G07B15/00Arrangements or apparatus for collecting fares, tolls or entrance fees at one or more control points
    • G07B15/06Arrangements for road pricing or congestion charging of vehicles or vehicle users, e.g. automatic toll systems
    • G07B15/063Arrangements for road pricing or congestion charging of vehicles or vehicle users, e.g. automatic toll systems using wireless information transmission between the vehicle and a fixed station

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の車線を有する道路で通行車両の車載機
と確実に通信処理を行えるようにする。 【構成】 高速道路11は3車線12〜14を有し、所
定位置にガントリ15が配設される。ガントリ15に
は、車線12〜14に対応してアンテナユニット16〜
18が配設される。各アンテナユニット16〜18は2
個のアンテナ素子22a,22bにより通信エリア19
〜21を設定する。アンテナ素子22aは、4個ずつ2
列に8個のパッチを配置したマイクロストリップ形のア
レイアンテナで構成される。各アンテナユニット16〜
18は隣接するもの同士を交互に送信するように制御
し、車載機34から応答信号があると、その車載機34
を固定して料金徴収の通信処理を行う。各車線12〜1
4を通行する自動車32,33の車載機34,35と確
実に通信処理を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路に所定の通信エリ
アを設定する路上機と、前記通信エリア内を通過すると
きに前記路上機と通信するように車両に設けられた車載
機とを備えた構成の車両用通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、高速道路などの有料道路におけ
る自動料金徴収の方法として、次のようなものが考えら
れている。すなわち、自動車側に、あらかじめ登録され
た識別番号などを記憶している通信機(車載機)を搭載
し、道路の料金徴収を行うべき場所に通信機(路上機)
を設け、その路上機により設定される通信エリア内を通
過する際に、路上機と車載機との間で通信を行って登録
された識別番号の車両が通行したことを認識して記憶
し、その記録データに基づいて別途に料金の授受を行う
ようにしたものである。
【0003】このようなものとしては、例えば、特開昭
55−116176号公報に示された有料道路の無人化
装置があり、これは、有料道路の出入口に送受信装置を
設けると共に、車両にも送受信装置を設け、通行時に両
者の間で通信を行って料金徴収データの授受を行うよう
にして車両を停止させることなく自動的に料金徴収を行
う構成のものである。
【0004】また、複数の車両が通行する場合に、それ
らとの間の通信の混信を防止するためのものとして、例
えば、特開平5−314325号公報に示された非接触
ICカード装置がある。このものは、混信を受けること
なく1つの移動体の非接触ICカードのみと交信できる
ようにするために、ICカードから返送される電波を受
信し、受信信号の振幅を振幅検出回路で検出するか、受
信信号のSN比をSN比検出回路で検出し、検出値が一
定になるように送信系の可変増幅回路のゲインを送信電
力制御器で制御することにより、移動体が無線局に近付
くほど送信電力を低下させて交信可能領域を狭くし、1
つの移動体のみが交信可能領域に入るように構成したも
のである。
【0005】あるいは、特開平4−303289号公報
に示された記録媒体処理装置においては、無線カードか
ら連続してデータが発生された場合に、無線カードへの
先行する書き込み処理が遅れたりあるいは完了しなくて
も、後続のデータ処理を、抜けや漏れのないように完了
できるようにした構成のものが開示されている。
【0006】さらに、特開平4−315282号公報に
示された料金収受システムにおいては、有料道路の料金
所の通信可能領域に複数台の車両が進入しても、各利用
者が持つ非接触ICカードと料金所との間の無線による
通信を先着順とすることができ、混信を防止することが
できるようにした構成のものが開示されている。
【0007】そして、特開平6−131509号公報に
示された非接触ICカードシステムにおける通信方式に
おいては、通信可能領域の異なる複数の移動体が連続し
て進入してきても、電波の干渉をなくして、進入する移
動体の順番で通信が行えるようにするため、走行車両の
車種を車種判別板により読取り、その車種用の問い合わ
せ番号を料金所のアンテナから送信する構成とし、進入
車両に搭載された非接触ICカードはその車種に対応し
た問い合わせ番号を受信した場合だけ車両自身の利用者
番号を送信して本体間の通信処理を行う通信方式が開示
されている。
【0008】ところが、上述のものはいずれのものにお
いても道路が1車線の場合について構成されたものであ
り、一般的な複数の車線を有する道路でそのまま適用す
るには困難な点があるものであった。そこで、複数の車
線を有する道路に対応して料金徴収データの授受を行う
ようにしたものとしては、例えば、特開平5−3249
67号公報に開示されたものがある。
【0009】すなわち、このものは、非接触ICカード
を利用した有料道路の料金徴収システムにおいて、チェ
ックバリアでの路上機と非接触ICカード間の無線通信
の信頼性を向上するために、チェックバリアの路上機に
複数のアンテナを接続し、1本の車線に対して複数のア
ンテナを進行方向に交信可能領域が互いにずれるように
配置することにより、路上機と車両の非接触ICカード
との通信可能な機会を増やすようにした構成のものであ
る。
【0010】このような構成とすることにより、高速道
路等の有料道路などで料金徴収を行う必要がある道路に
おいて、複数の車線を有する場合でも道路を1車線毎に
仕切った状態として料金徴収業務を行う必要がなく、複
数車線が存在する状態のままで自動的に料金徴収業務を
行うことができ、人員の削減を図ると共に、料金所渋滞
のような渋滞の発生を低減することができるものであ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来構成のものでは、次のような不具合が予想さ
れており、自動車側の車載機とアンテナユニットとが確
実な通信を行えない場合が発生する虞がある。すなわ
ち、上述の従来構成のものは、複数の車両と通信を行う
場合に混信を防ぐために、車両に問い合わせ番号を割り
当てて問い合わせ番号を受信した非接触ICカードだけ
が料金所と通信でき、それが終わるまで後続車両との通
信ができないようにした構成としたものがある。
【0012】ところが、上述のような構成では、アンテ
ナの通信エリアが広い場合には、料金所送信データの問
い合わせ番号に対し複数の非接触ICカードの通信可能
信号が有効になる可能性があるため、完全に混信を防ぐ
方法にはならない。また、高速で車間距離が短い場合に
も同時に2台の車両からの通信が行われるため混信する
ことも起こり得るといった状況である。
【0013】このような不具合の発生状況の一例につい
て、図37ないし図40を参照して説明する。すなわ
ち、図37は、2台以上の自動車が並列走行可能な幅を
有する道路1に対応して路上機2を配設した構成を模式
的に示したもので、路上機2は、図示のように、道路1
を通行する車両に対応する広さの通信エリアKを設定し
ており、その通信エリアKに対して問合わせ番号の質問
信号を所定周期で繰り返し送信している。これに対し、
今、車両である自動車3および4が一定以上の車間距離
を存して次々に通過する場合について説明する。自動車
3,4には通信用の非接触ICカード5,6がそれぞれ
通信装置に装着された状態で搭載されており、問合わせ
番号の質問信号を受けるとこれに対して利用者番号の応
答信号を作成して送信するようになっているものであ
る。
【0014】この場合には、図39に示すように、路上
機2からの問合わせ番号の質問信号に対して、通信エリ
アK内に最初に進入した自動車3の非接触ICカード5
がその質問信号を受信すると、これに応じて非接触IC
カード5は利用者番号の応答信号を作成して送信するよ
うになる。そして、次に質問信号が受信されると、2回
目の応答信号では質問内容に対する返答および書き込み
処理等の編集信号を送信してこの後通信が終了する。
【0015】続いて、この後、自動車4が通信エリアK
内に進入すると、上述と同様にして非接触ICカード6
は、問合わせ番号の質問信号に応答すると共に、質問信
号に対する書き込みおよび読出し処理を行って応答信号
を作成して送信する。これにより、各自動車3,4は、
それぞれ通信エリアKを通過する際に路上機2と通信を
行うものである。
【0016】ところが、この場合には、道路1の幅が広
く、2台程度の自動車が同時に走行することができるの
で、図38に示すように、路上機2の通信エリアK内に
自動車3および4が同時あるいは僅かな時間差をもって
次々に進入することがある。すると、この場合には、図
40に示すように、両自動車3,4の非接触ICカード
5,6が略同時に質問信号を受信することになり、両者
の優先準位はつけられないために、そのまま両方の非接
触ICカード5,6から応答信号が出力されることにな
る。路上機2は、両方の非接触ICカード5,6から同
時に応答信号を受信するために、識別が不能となって混
信状態となり、実質的に通信不能の状態に陥ることにな
る。また、混信以外に通信不能となる場合としては、例
えば、大型車両の直後に発生する通信エリアの死角に後
続の小型車両等が存在する場合などがある。
【0017】そして、上述のように、通信エリア内に略
同時に複数の車両が進入することにより発生することが
予想される混信状態や通信不能の状況としては、例えば
次の各場合が考えられる。すなわち、(1)低速走行時
に発生する状況としては、(a)数珠つなぎ状態で自動
車が走行する場合、(b)渋滞時の自動車の間の二輪車
の走行、(c)大型車の直後に走行する小型車あるいは
二輪車の走行、(d)故障車両の取扱い、(e)斜め走
行、(f)牽引車両、(g)通信エリアに入った後引き
返す車両、(h)乗用車と多数の二輪車の一斉通過など
があり、また(2)高速走行時に発生する状況として、
(i)車線またぎ走行、(j)大型車に挟まれた車両、
(k)高速平行走行、(l)高速連続走行などの走行パ
ターンがある。
【0018】さらに、このような混信の発生される状況
においても1台毎に確実な通信を行う必要があると共
に、その通信による記録データが正しい内容であったか
否かを確認する手段がないと、実用上において使用に耐
えるシステムとして採用し難いところがある。
【0019】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、複数の車線を有する道路において、様
々な通行状況にかかわらず、通行するすべての車両の車
載機と確実に通信を行うことができるようにすると共
に、その通信内容が正しく行われているかを確認するこ
とができるようにした車両用通信装置を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用通信装置
は、車両に設けられ、質問信号を受信するとその質問信
号に続けて受信する無変調の搬送電波を変調して反射す
ることにより応答信号を送信するようにした車載機と、
複数の車線を有する道路の所定箇所にそれら複数の車線
を上方位置で跨ぐようにして配設された路上機と、この
路上機の各車線に対応した位置に配設され直下に位置す
る車線に前記車両の長さ寸法に対して同程度以下の長さ
寸法を有する所定の通信エリアを設定する複数のアンテ
ナユニットと、これら複数のアンテナユニットのそれぞ
れに設けられ、少なくとも隣接するもの同士の間では異
なる発振周波数で動作して前記通信エリアを複数の通信
可能領域で分担して設定する複数のアンテナ素子と、前
記通信エリアが重複する領域を有する前記アンテナユニ
ット間の質問信号の送信タイミングを異なるようにして
送受信の制御を行う通信制御手段とを具備したところに
特徴を有する(請求項1の発明)。
【0021】前記アンテナユニットを、そのアンテナユ
ニットが配置された車線の直下部に通信可能領域を設定
する第1のアンテナ素子と、この第1のアンテナ素子の
通信可能領域よりも遠方側に通信可能領域を設定する第
2のアンテナ素子とを備えた構成とすることができる
(請求項2の発明)。
【0022】前記通信制御手段を、前記複数のアンテナ
ユニットにより所定時間間隔を存してパイロット質問信
号を繰り返し出力し、それら複数のアンテナユニットの
うちの前記車載機からパイロット応答信号を受信したア
ンテナユニットはその後質問信号を送信して対応する車
載機との間で通信を行うように構成され、前記車載機
に、前記パイロット質問信号を受信するとこれに対する
パイロット応答信号を出力し、以後受信する質問信号に
対して応答信号を送信する車載機通信制御手段を設ける
構成とすることが好ましい(請求項3の発明)。
【0023】前記車載機に、通信内容を記憶する記憶手
段を設け、前記車載機通信制御手段を、前記路上機から
パイロット質問信号を受信したときにその通信内容を記
憶し、以後、同一の路上機からのパイロット質問信号の
受信があってもこれを無効化して通信を行わないように
制御するように構成することができる(請求項4の発
明)。
【0024】また、前記アンテナ素子を、マイクロスト
リップ形のアンテナにより構成することができる(請求
項5の発明)。
【0025】そして、前記アンテナ素子を、正方形のパ
ッチを複数個並べて構成したマイクロストリップ形のア
レイアンテナにより構成することが好ましい(請求項6
の発明)。
【0026】さらに、前記アンテナ素子において、前記
複数のパッチ間を連結する給電経路のインピーダンス
を、中央部が低く端部に至るにしたがって高い値となる
ように設定して、前記通信エリアのサイドローブを小さ
くするように構成することが好ましい(請求項7の発
明)。
【0027】そして、前記アンテナ素子を、前記通信エ
リアの設定方向を調整可能な方向調整手段を具備した構
成とすることが有効である(請求項8の発明)。
【0028】前記車載機を、識別コードが記憶されてい
ると共に通信データを読み書き可能なICカードが着脱
可能な構成とすることができる(請求項9の発明)。
【0029】前記車載機通信制御手段を、前記車載機が
パイロット信号を受信したときに、複数のタイムスロッ
トのうちからランダムに選択したタイムスロットのタイ
ミングで応答信号を送信するように構成することができ
る(請求項10の発明)。
【0030】また、前記路上機による通信結果を確認す
るために前記車載機と通信を行う確認用路上機を設けて
構成することが有効である(請求項11の発明)。
【0031】そして、前記確認用路上機を、前記路上機
に対して少なくとも前記車載機内部でのデータ処理に必
要な時間を確保できる距離を存した位置に配設すること
が好ましい(請求項12の発明)。
【0032】前記アンテナユニット間を相互に接続する
LAN回線と、このLAN回線を介して前記路上機およ
び確認用路上機とを駆動制御する集中制御手段とを設け
て構成することができる(請求項13の発明)。
【0033】さらに、前記路上機の通信エリアを通過し
た車両のナンバープレートを撮影可能なカメラを設ける
と良い(請求項14の発明)。
【0034】そして、前記路上機を、有料道路に設け、
その通行により必要な料金徴収用のデータの授受を行う
ように構成することができる(請求項15の発明)。
【0035】
【作用および発明の効果】請求項1記載の車両用通信装
置によれば、道路の複数の車線のそれぞれに対応して複
数のアンテナユニットにより通信エリアが設定されてい
るので、各車線を通行する車両毎に個々に通信を行うこ
とができるようになる。そして、このとき、隣接する通
信エリア間では通信タイミングおよび発振周波数が異な
るように設定されているので、例えば、アンテナユニッ
トにより設定される通信エリアのうちの重複する領域を
車載機が通過する場合でも、両者のアンテナユニットか
ら質問信号を同時に受信することがなく、必ずいずれか
一方のアンテナユニットから先に質問信号を受信するこ
とができ、質問信号を受信した車載機は、そのアンテナ
ユニットとの間で通信を行うことができるようになる。
【0036】また、通信エリアの長さ寸法が車両の長さ
寸法以下程度に設定されるので、前後に近接した状態で
複数の車両が通行する場合でも、通常の走行状態であれ
ば、1台毎に通信処理を実施することができるようにな
り、混信などによる通信不能状態の発生を極力防止する
ことができるようになる。
【0037】請求項2記載の車両用通信装置によれば、
第1のアンテナ素子により路上機の直下に位置する通信
可能領域を設定すると共に、第2のアンテナ素子により
その遠方側に通信可能領域を設定することで通信エリア
を設定しているので、例えば、大型車両の直後に続く小
型車両が存在する場合でも、大型車両により発生する通
信エリアの死角を大型車両の通過時点で解消して、第1
のアンテナ素子により設定される通信可能領域で小型車
両に対する通信処理を確実に行わせることができるよう
になり、通行する車両の状態による通信の死角が少なく
なり、確実に通信を行うことができるようになる。
【0038】請求項3記載の車両用通信装置によれば、
車載機は、路上機のアンテナユニットからパイロット質
問信号を受信してパイロット応答信号を送信した後に、
自己宛てに受ける質問信号に対する通信処理を行うの
で、その後の通信処理過程においては他のアンテナユニ
ットや車載機との間の混信を防止することができるよう
になり、確実に通信処理を行うことができるようにな
る。
【0039】請求項4記載の車両用通信装置によれば、
車載機は、車載機通信制御手段により、路上機との間の
通信処理を記憶手段に記憶し、同一の路上機からのパイ
ロット信号の受信を無効化することができるので、同一
の路上機の通信エリア内に長時間に渡って存在する場合
でも確実に1回だけ通信処理を行って重複通信を避ける
ことができると共に、他の車載機の通信動作を妨害する
ことがなくなって通信の信頼性が向上する。
【0040】請求項5記載の車両用通信装置によれば、
アンテナ素子をマイクロストリップ形のアンテナで構成
しているので、マイクロ波の送受信を行うための構成を
簡単且つ安価に提供することができるようになる。
【0041】請求項6記載の車両用通信装置によれば、
アンテナ素子を複数のパッチを並べたアレイアンテナと
しているので、パッチの配列の仕方によって所望の通信
エリアすなわち、道路の車線の幅や設置場所の高さ寸法
等の環境に応じて適切な通信エリアを設定することがで
きるようになり、設計の自由度を高めることができるよ
うになる。
【0042】請求項7記載の車両用通信装置によれば、
パッチ間を連結する給電経路のインピーダンスを調整す
ることにより、設定する通信エリアのサイドローブを小
さくするように構成したので、通信エリアを、各車線幅
に対応して通信に必要な長さを確保しながら、高さ方向
に対する領域の変動が少ない設定とすることができ、通
行車両の大小による車載機の設置高さにかかわらず一定
の通信エリアを設定して通信処理を行うことができるよ
うになり、実用性に優れた構成とすることができるよう
になる。
【0043】請求項8記載の車両用通信装置によれば、
アンテナ素子はその設定方向を方向調整手段により調整
可能に設けられているので、アンテナ素子の取付け時に
は道路や設置場所に対応して固定をした後に、方向調整
手段により微調整を行うことで通信エリアを所望の領域
に設定することができ、取り付け作業の自由度が高くな
って作業性に優れている。
【0044】請求項9記載の車両用通信装置によれば、
車載機が路上機の各アンテナユニットにより設定された
通信エリアを通過する際に、通信処理を行うと、路上機
側ではICカードに登録された識別コードにより通行す
る車両を特定することができ、ICカード側において
は、自動的に通行による内容を記憶させることができる
ようになる。また、ICカードが着脱可能であるから、
これを利用することで、個人単位で通信内容の管理を行
うことができるようになる。
【0045】請求項10記載の車両用通信装置によれ
ば、車載機の応答信号送信時に、その送信タイミングを
タイムスロットをランダムに選択して設定するので、複
数の車載機が同じアンテナユニットから同時に質問信号
を受信した場合でも、同時に応答信号を送信する確率が
小さくなり、繰り返してタイムスロットを選択するうち
に同一のタイムスロットになることをほとんどなくすこ
とができ、混信を防止して確実に通信処理を実施するこ
とができるようになる。
【0046】請求項11記載の車両用通信装置によれ
ば、車載機が路上機の通信エリアを通過する際に行った
通信内容について、その後通過する確認用路上機の通信
エリアを通過する際に確認することができるので、何等
かの不測の事態があって通信内容に異常がある場合で
も、これを特定することができるようになるので、通信
処理の信頼性の向上を図ることができる。
【0047】請求項12記載の車両用通信装置によれ
ば、確認用路上機により路上機と車載機との間の通信内
容の確認動作を確実に実施することができる。このと
き、車載機においては、路上機との間の通信内容を処理
した後に確認用路上機との間で確認用の通信を行うこと
になるので、確認用路上機では、路上機と車載機との通
信内容を確認すると共に、車載機によるデータ処理の動
作が正常であるか否かも判定することができるようにな
る。
【0048】請求項13記載の車両用通信装置によれ
ば、各アンテナユニット間をLAN回線で接続している
ので、個々に結線して配線する場合に比べて配線本数を
少なくすることができ、遠距離の配線でも簡素化するこ
とができ、配線のためのコストを低下させることができ
ると共に、断線等に対する信頼性の低下を極力防止する
ことができ、さらには、動作態様の変更や通信処理方式
の変更に柔軟に対応する構成とすることができる。
【0049】請求項14記載の車両用通信装置によれ
ば、路上機による通信内容が不完全であったり失敗した
場合や、あるいは車載機を備えていない車両を検知した
場合にも、これを補うべく、カメラによりその車両のナ
ンバープレートを撮影記録することにより、その車両を
特定して車両の所有者を認識することができるようにな
る。
【0050】請求項15記載の車両用通信装置によれ
ば、上記の機能を備えているので、有料道路の料金徴収
業務に用いる場合に、従来の料金所等における人員によ
る料金徴収作業を廃止することができるようになり、料
金所渋滞を緩和させることができると共に、人員の削減
あるいは現金を扱わない迅速な処理を行ってコストの低
減を図ることができるようになる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を高速道路の料金徴収業務シス
テムに適用した場合の第1の実施例について図1ないし
図34を参照しながら説明する。まず、全体の外観構成
を示す図1において、高速道路(片側通行帯のみ図示)
11は、片側に3つの車線12,13,14を有するも
ので、所定の料金徴収地点には、この道路11を跨ぐよ
うにして路上機としてのガントリ(gantry)15が配設
されている。このガントリ15には、各車線12〜14
に対応してアンテナユニット16〜18が下方に向けて
配設され、通信エリア19〜21を設定するようになっ
ている。
【0052】通信エリア19〜21は、各アンテナユニ
ット16〜18から車両(図中例えば自動車32,33
で示す)が近付いて来る方向に向けてそれぞれ設定され
ている。この場合、アンテナユニット16には、アンテ
ナ素子22aおよび22bが設けられ、それぞれ通信可
能領域19a,19bを設定することにより通信エリア
19を合成している。同様にして、アンテナユニット1
7にはアンテナ素子23aおよび23bが設けられ、通
信可能領域20a,20bを設定して通信エリア20を
合成しており、また、アンテナユニット18にはアンテ
ナ素子24aおよび24bが設けられ、通信可能領域2
1a,21bを設定して通信エリア21を合成してい
る。
【0053】アンテナユニット16,17,18は、図
2および図3に示すように(図中ではアンテナユニット
16を代表として示すが他も同様の構成である)、ガン
トリ15の下面部に取り付けられるベース25に制御回
路部26を配設すると共にアンテナ素子22a,22b
が配設され、電波が透過可能な樹脂性のカバー27で全
体を覆い防水構造としている。制御回路部26には、後
述する電気的構成が配設され、アンテナ素子22a,2
2bが駆動制御され、送受信動作を行なわせるようにな
っている。
【0054】そして、アンテナ素子22a,22bは、
それぞれ図示のように方向調整手段としての支持棒2
8,28により回動可能に支持されており、アンテナ素
子22a,22bの放射面の方向を調整可能に設けられ
ている。また、図示はしないが、アンテナ素子22a,
22bは、支持棒28と直交する方向にも周知の構造に
より回動可能に支持されており、その放射面の方向を支
持棒28の直交方向にも調整可能に設けられている。
【0055】また、アンテナ素子22a,22bの放射
面の角度によってそれぞれ通信可能領域19a,19b
が設定され、これらを合成することにより通信エリア1
9を設定しているが、両者間には重複領域19cが設け
られており、通信可能領域19aと19bとが途切れな
いように設定されている(他のアンテナ素子23a,2
3b,24a,24bについても同様にして重複領域2
0c,21cが設定されている)。なお、後述するが、
アンテナ素子22a,22bは互いに異なる周波数のマ
イクロ波を出力して通信を行うようになっている。
【0056】各アンテナ素子22a,22b,23a,
23b,24a,24bのそれぞれは、図4に示すよう
に(アンテナ素子22aを代表として示すが他も同様の
構成である)、プリント基板29の一方の面側に8個の
正方形状をなすパッチ30a〜30hを形成し、これら
を伝送線路31a,31b,31cで結合して給電端子
31dに接続するように構成したマイクロストリップ形
のアレイアンテナ素子である。
【0057】この場合、プリント基板29は、両面を導
体でプリントした樹脂材料(両面プリント基板)を用
い、その誘電率の温度特性が使用温度領域内(例えば高
温領域120℃程度までの範囲)での変化が所定以下
(例えば1%以下)となる材質で例えばBTレジン材料
やガラスエポキシ材料のものを使用している。8個のパ
ッチ30a〜30hは、図示のように、対向する頂点部
を僅かに切り落として円偏波対応の形状として4個ずつ
のパッチ30a〜30dおよび30e〜30hを2列に
配置し、伝送線路31a,31b,31c,31dと共
にエッチングにより形成している。これにより所望の通
信可能領域を得るようにしており、一方、伝送線路31
a,31bは、伝送線路31cに比べてインピーダンス
が高くなるように線幅が設定されている。
【0058】一般に、パッチを複数個並べて通信可能領
域を設定するアレイアンテナにおいては、図14および
図15に示すように、パッチPの個数に応じて通信可能
領域の形状が変化する。つまり、図14(a)〜(d)
に示すように、パッチPを1個,2個,4個,8個と一
列に並べた場合には、電波の放射方向に垂直な面での通
信可能領域S1〜S4の広がりはパッチPの列と直交す
る方向に長い寸法となるが、パッチPの列方向ではほと
んど変化しない。また、逆に、同図(e)に示すよう
に、パッチPを8個とする場合でも4個ずつ2列に並べ
た場合には、通信可能領域S5は列方向の幅が他のもの
に比べて広くなる。一方、電波の放射方向での通信可能
領域S1〜S4の広がりは、図15(a)〜(d)に示
すように、パッチPの数が増加するに従って遠い距離ま
で到達するようになる。この場合には、同図(e)に示
す8個の場合でも、同図(d)と略同様の距離まで通信
可能領域S5が到達するようになっている。
【0059】さて、上述のようにして、アンテナ素子に
使用するパッチPの数を適当に選択することで、この場
合には、図14および図15の(e)に示すような形状
をなす通信可能領域を設定することができるようにな
る。
【0060】本実施例におけるアンテナ素子22a,2
2bは、例えば、それぞれ図12に示すような通信可能
領域19a,19bが設定されるようになっている。こ
の図では、アンテナユニット16の設置する高さ寸法が
6mの場合を想定しており、アンテナユニット16の直
下に通信可能領域19aを設定するアンテナ素子22a
は、その放射面の角度が垂直方向から約5°だけ傾いた
状態に設定され、アンテナ素子22bは、放射面の角度
が垂直方向から約30°だけ傾いた状態(水平方向から
では約60°傾斜されている)に設定されている。
【0061】また、一般に、多数のパッチPを使用して
アレイアンテナを形成するときには、図16(b)に示
すように、各パッチPから出力される電波の相互干渉に
よってメインローブMLとサイドローブSLが発生する
ようになる。そして、このようにサイドローブSLが発
生すると、メインローブMLとの間に電波が届かない死
角領域DZが発生してしまう。そこで、本実施例のアン
テナユニット16(17,18)においては、各アンテ
ナ素子22a,22bに対して、8個のパッチ30a〜
30hを接続する伝送線路31a,31b,31cを、
図4に示したような不均衡なインピーダンスとなるよう
に設定しており、これによって図16(a)に示すよう
に、サイドローブSLが小さくなるようにした構成のも
のとされている。
【0062】なお、このように構成することで、例え
ば、高さ2m,1.5m,1mのいずれの位置において
も図13(a),(b),(c)に示すように、ほぼ同
じ寸法の通信可能領域19a1,19a2,19a3お
よび19b1,19b2,,19b3を得ることがで
き、通信エリア19は異なる高さ寸法でも略同じ領域を
カバーすることができるように設定されている。
【0063】さて、この高速道路11を通行する車両例
えば図1に示す自動車32,33にはそれぞれダッシュ
ボード近傍に車載機34,35が搭載されている。この
車載機34,35には、図5に示すように、路上機15
のアンテナユニット16〜18からの質問信号を受信す
るアンテナ36が設けられている。このアンテナ36
は、前述したアンテナ素子22aに使用しているものと
同様のプリント基板37に正方形状をなすパッチ38お
よび39を形成したマイクロストリップ形のアンテナで
ある。そして、この場合においては、パッチ38,39
は、それぞれ受信用および送信用に設けられた単一パッ
チの構成としている。
【0064】そして、各パッチ38,39は、円偏波を
行うために、対向する頂点部分を切り欠いた状態に形成
しており、これらをそれぞれ伝送線路40a,40bに
よりアンプ41を介して給電点側に接続するように構成
されている。したがって、車載機34,35が通信エリ
ア19内に進入しているときには、例えば、図17に示
すように、指向性の少ない広い範囲SAで応答が可能と
なるように構成されているものである。また、アンテナ
36においては、応答信号の送信に当たっては、アンテ
ナユニット16側から送信される無変調の搬送電波を応
答信号で変調しながら反射することで送信するように構
成されている。つまり、車載機34,35は、通信エリ
ア19〜21内でアンテナユニット16〜18から無変
調の搬送電波を受けている状態でこれを反射することで
応答信号の送信が可能となる構成とされているのであ
る。
【0065】次に、電気的構成について図6ないし図1
1を参照して説明する。まず、同様に構成されたアンテ
ナユニット16,17,18の構成についてアンテナユ
ニット16を代表して説明する。図6は全体構成を示す
もので、アンテナ素子22a,22bの各制御回路42
a,42bに対して、これらを統括して制御する制御部
43は、コントロール回路44,電源回路45および外
部とのデータの授受を行うためのインターフェース回路
46を有する構成とされている。各アンテナ素子22
a,22bに対応して設けられた制御回路42a,42
bにおいて、変調回路47は、所定周波数の発振器48
から与えられる発振出力を搬送電波としてこれをコント
ロール回路44から与えられるパイロット質問信号ある
いは質問信号で変調し、サーキュレータ49を介してア
ンテナ素子22aに出力するようになっている。
【0066】また、復調等の信号処理を行う受信回路5
0は、混合器51に接続されており、混合器51には発
振器48から発振出力が与えられると共に、サーキュレ
ータ49を介してアンテナ素子22aから応答信号に応
じた電波信号が与えられるようになっている。搬送電波
と応答信号に応じた電波信号とは混合器51にて合成さ
れた後、受信回路50に与えられる。受信回路50は、
与えられた合成信号を復調して応答信号を得ると共に、
コントロール回路44に出力するようになっている。
【0067】そして、上述の各アンテナ素子22a〜2
4bに対応して設けられた発振器48のそれぞれは、所
定周波数領域として割り当てられた例えば2.45GH
z帯の準マイクロ波を搬送電波として出力するために、
その周波数帯域のうちの狭い周波数領域の異なる周波数
f1〜f6をそれぞれに割り当てて出力させるように構
成されている。また、後述するが、車載機34(35)
においては、それらの各発振器48のすべての発振周波
数f1〜f6に対応する信号を受信可能に設定されてい
る。
【0068】以上のように構成された各アンテナユニッ
ト16〜18は、インターフェイス回路46を介して接
続されている図示しない制御装置により各アンテナ素子
22a〜24bに対応して駆動するタイミング信号が与
えられるようになっている。この場合、隣接するアンテ
ナユニット16と17との間、およびアンテナユニット
17と18との間では、通信エリア19〜21へのパイ
ロット質問信号や質問信号の出力タイミングが半サイク
ルずれるように設定されている。これによって、これら
の通信エリア19〜21を通過する自動車の車載機34
(35)が、例えば通信エリア19と20とが重複して
いる領域を通過する場合でも、2つのアンテナユニット
16,17から同時にパイロット信号を受信することが
ないように設定されている。
【0069】次に、車載機34(35)の電気的構成を
示す図7および図8において、全体の制御を行うための
制御回路52は、マイクロコンピュータ,ROM,RA
Mなどから構成されるもので、全体の通信制御を行うよ
うにあらかじめ通信プログラムが記憶されている。そし
て、車載機34には、通信回路53,ICカードインタ
ーフェイス54,通信状態の表示を行う表示部55,電
池の消耗状態を検出する電池チェック回路56,電池の
消耗状態を表示する表示灯57,不正行為による装置の
改変などを検出するための不正検知センサ58が接続さ
れている。また、全体の給電を行うためのパワーユニッ
ト59には、シールド電池60,交換可能電池61およ
びDC/DCコンバータ62が配設されている。
【0070】通信回路53は、前述したアンテナ36に
よる送受信信号を処理するようになっているもので、パ
イロット質問信号を受信すると装置全体を起動させるよ
うに構成された起動回路53aが付加されている。つま
り、通信を行っていない状態では、制御回路52を含め
た大部分の構成が起動されていない状態つまり「スリー
プ状態」にあり、この起動回路53aの動作により通信
可能な動作状態すなわち「ウェイクアップ状態」となる
ものである。
【0071】さて、通信回路53は、図8に示すよう
に、前述した受信用アンテナ38から検波器63および
送信信号変調器64に受信信号が与えられるように接続
されており、検波器63は、受信信号を検波して制御回
路52に出力する。データ信号変調回路65は、制御回
路52から送信すべきデータ信号が与えられると、これ
を周波数変調または移相変調して送信信号変調回路64
に与えるように構成されており、送信信号変調回路64
は、受信用アンテナ38が受信した無変調の搬送電波の
信号をデータ信号変調回路65にて生成した変調信号に
よって変調するように構成されており、送信用アンテナ
39を介して送信電波信号として出力されるようになっ
ている。
【0072】この場合に、後述するように、制御回路5
2は、送信すべきデータの送信タイミングの設定を、あ
らかじめ設定されている複数のタイムスロットのうちか
らランダムに選択してそのタイムスロットで行うように
している。つまり、複数の車載機34(35)から送信
信号が競合する場合でも、タイムスロットが異なれば、
同時に送信信号が発っせられることが防止でき、混信の
発生を防止するように構成されているのである。
【0073】また、ICカードインターフェイス54
は、使用者個人あるいは車両に対応して登録されたIC
カード66を装着した状態で使用するようになってお
り、そのICカード66はICカードインターフェイス
54に装着可能になっている。ICカード66には、登
録された識別コードIDの他に種々のデータが記憶され
ると共に、書き込み可能な記憶手段が内蔵されており、
ICカードインターフェイス54を通じて料金徴収のデ
ータ等の種々のデータがやり取りされるようになってい
る。
【0074】不正検知センサ58は、車載機34(3
5)の不正使用、不正移動あるいは改造等の不正行為を
検知するもので、具体的には、車載機34(35)の図
示しない外箱を固定する器具に取り付けられた細いワイ
ヤを用いて構成されるセンサで、不正行為によりその細
いワイヤが切断されると、その信号が制御回路52に入
力され、制御回路52は、その検出信号に基づいて車載
機34(35)に不正行為が発生している状態を認識し
て以後の動作について規制する制御を行うようになる。
なお、この不正検知センサ58は、ワイヤを用いた構成
とするもの以外に、例えば、車載機34(35)の外箱
を不正に開けると機械的あるいは電気的に動作するスイ
ッチを設ける構成としても良いものである。
【0075】パワーユニット59においては、通常は交
換可能電池61とDC/DCコンバータ62とによって
車載機34の各回路に給電しており、電池チェック回路
56は、ICカード66の挿入時と、車載機34が通信
エリア19〜21内に進入して起動回路53aにより起
動されたときに交換可能電池61の電圧をチェックする
ようになっている。そして、電池チェック回路56によ
り交換可能電池61の電圧が低下して所定値よりも消耗
していることが検出されると、交換可能電池61による
給電が停止され、シールド電池60によるバックアップ
動作のみを実施するように切り替えられると共に、表示
灯57を点灯させて交換可能電池61の消耗状態つまり
電池交換時期であることが報知されるようになってい
る。
【0076】次に、通信エリア19〜21の長さ寸法L
aについて説明する。すなわち、通信エリア19〜21
は、そこを車載機34が通過する際に、確実に通信を行
う必要があることから、最低限でも通信途中で通信エリ
ア19〜21の外に出てしまうことを避けるために、道
路11の進行方向に沿って一定以上長さ寸法Laを設定
しておく必要がある。
【0077】すなわち、まず、通信エリア19〜21に
長さ寸法Laの必要条件は、次式で設定される。この場
合において、式中、Cは送信するデータの情報量(バイ
ト)、Sは通信速度(ビット/秒)、tは機器内での情
報処理速度(秒)、Vは車両速度(m/秒)、nは1回
の料金徴収データ授受に必要な通信回数として規定され
る再送信回数を示している。
【0078】
【数1】
【0079】上述の条件式において、例えば、その一例
として、車両速度を120km/h,情報量を150バ
イト,データ処理時間を10m秒,通信速度を100k
バイト,再送信回数を3回とした場合について計算して
みると、通信エリア19〜21に必要な長さ寸法La
は、2.2mよりも大きい値に設定すれば良いことが計
算できる。
【0080】この場合に、車両速度をより高速に対応で
きるようにするためには、条件式に従うと、通信エリア
19〜21の長さ寸法Laを長くする必要があるが、そ
の長さ寸法Laが大きくなり過ぎると、通信エリア19
〜21内に同時に複数の車載機34(35)が進入する
状態が発生しやすくなるので、混信の発生確率が高くな
る不具合がある。したがって、長さ寸法Laの値は、通
行車両のうちの最小サイズのものの長さ寸法よりも短く
設定した状態を保持することが望ましい。
【0081】以上の点から考慮すると、高速車両に対応
できるようにする場合には、通信エリア19〜21の長
さ寸法Laを長く設定することに代えて、通信速度Sの
値を大きく設定する構成とすることが好ましい。そこ
で、通信速度Sを増加させるための原理について以下に
簡単に説明する。
【0082】車載機34と路上機15との間での通信
は、路上機15から送信される無変調の搬送電波を車載
機34側で反射させるときに変調して路上機15側に応
答信号を送信するようにしている。ここで、通信速度S
は、変調波の占有帯域幅から決定される。占有帯域幅
は、送信信号のスペクトラムから求められる電力におい
て、送信電力全体の99%になるスペクトラム幅の大き
さを求めることで計算される。図11は、変調信号とそ
のスペクトルを模式的に示したものであり、変調信号の
スペクトルをn個とったときの電力割合Kn(n=1,
3,5,…)は次式のように表すことができる。
【0083】
【数2】
【0084】上式において、変調信号の立ち上がり時間
をτとすると、変調信号傾斜率は2τ/Sとして表さ
れ、この変調信号傾斜率にπを乗じた値をψ(=2πτ
/S)としている。したがって、例えば、変調信号の傾
斜率を0.03としたときに、ψの値は0.03πとな
り、このとき、式(2)からK9 =98.9%が得ら
れ、K11=99.3%が得られる。この結果から、占有
帯域幅は11番目のスペクトルまでを取ることで形成で
きる。そして、通信周波数帯を例えば2.5MHzとす
ると、最大通信速度は114kbpsとすることができ
るようになる。また、通信速度を上げる方法として、通
信周波数帯を大きく設定したり、あるいは変調信号傾斜
率を大きく設定する等の方法がある。具体的には、変調
信号のτを大きくすることにより通信速度を大きくする
ことができるということになる。
【0085】なお、本実施例においては、使用している
搬送電波の周波数を2.45GHz領域とし、使用可能
周波数帯は26MHzとしている。そして、この使用可
能周波数帯を12チャンネルに分割して1つのチャンネ
ル当たり2.17MHzを通信周波数帯として割り当て
ている。これを変調信号傾斜率0.03の変調信号で変
調し100kbpsの通信速度を得ることができた。
【0086】そこで、12台のアンテナ素子を準備し、
それぞれの通信周波数を2451±(n×2.17)M
Hzとした。ここで、nは1〜6の整数である。このよ
うにして設定される周波数のアンテナ素子がアンテナユ
ニット1台あたりにそれぞれ2台設置されている。この
構成で、車両最高速度を120km/hとして150バ
イトの情報量を通信し、データ処理時間が12m秒,再
送回数を3回とした場合に対応できるようにするため
に、通信可能な長さ寸法Laの値を3mに設定してい
る。
【0087】また、通信可能な長さ寸法Laを設定する
ために、誘電率3.7のBTレジン両面プリント基板を
プリント基板29として採用し、パッチ30a〜30h
を一辺が30mmとして設定した。そして、各アンテナ
素子からは20mWの出力を設定し、パイロット質問信
号の送信時間間隔を10msとした。これにより、高速
道路11を通行する各車両32が通信エリア19〜21
を通過する際には、各アンテナユニット16〜18のい
ずれかにより各車両32が搭載している車載機34と確
実に通信を行うことができるようになるのである。
【0088】次に、本実施例の作用について、図18な
いし図34をも参照して説明する。通常の場合において
は、自動車が各車線12〜14を1台ずつ別れて走行す
る状態が想定されるので、この場合には、従来と同様に
して通信エリア19〜21内を通過する自動車の車載機
34とそれぞれ通信処理を行って料金徴収データの授受
を確実に実行することができる。
【0089】以下においては、従来混信が発生するもの
と予想される状況を例にとって、その場合でも確実に通
信処理が行われることを説明する。すなわち、まず、図
18に示すように、2台の自動車32,33がアンテナ
ユニット18の通信エリア21にほぼ同時に進入してい
る状況で、これによってアンテナユニット18において
は、各自動車32,33の車載機34,35との通信が
可能になるといった場合である。この場合、自動車32
は、アンテナユニット17の通信エリア20との重複通
信エリアを通過するものとする。
【0090】この状況においては、通信が行われる態様
として図19および図20のいずれかに示すような場合
が生ずる。すなわち、図19において、アンテナユニッ
ト16および18は時刻t0〜t7においてΔtの時間
間隔で繰り返しパイロット質問信号を出力している。こ
れに対して、アンテナユニット17は、両隣のアンテナ
ユニット16,18とはΔt/2の時間差をもって同様
にΔtの時間間隔で繰り返しパイロット質問信号を出力
している。
【0091】そして、車載機34および35が共にアン
テナユニット18からパイロット質問信号PLTを受信
した(時刻t0)場合に、各車載機34,35において
は、起動回路53aが動作してスリープ状態からウェイ
クアップ状態になり、通信処理動作を開始し、そのパイ
ロット質問信号PLTに含まれる場所を示すコードおよ
びガントリ15のコード番号を認識して記憶し、この
後、前述したようにしてそれぞれ応答信号RSP1,R
SP2を生成して送信するようになる。この場合、応答
信号RSPの送信は、アンテナユニット18から送信さ
れる無変調の搬送電波を前述したように応答信号で変調
することにより反射して送信電波とするようになってい
る。
【0092】そして、応答信号RSP1,RSP2に
は、自己に装着されたICカード66に登録されている
識別コードを含んでいる。そして、応答信号RSP1,
RSP2の送信タイミングは、各車載機34,35のそ
れぞれにおいて、複数のタイムスロットからランダムに
選択されたタイムスロットに設定されるようになってい
る。これにより、複数の車載機34,35から同時に応
答信号RSPを送信する場合でも、それらの送信タイミ
ングが重複する確率を低くすることができ、混信による
通信不能の状態が発生する機会を少なくすることができ
る。
【0093】そして、図19に示す場合においては、車
載機35からの送信信号が車載機34からの送信信号の
送信タイミングよりも早いタイミングのタイムスロット
に入ったために、アンテナユニット18は、応答信号R
SP1,RSP2の受信順位を車載機35を第1番目に
して車載機34を第2番目としている。アンテナユニッ
ト18は、まず、車載機35に対して質問信号として車
載機情報送信要求信号RC1を送信する(時刻t1)。
この車載機情報送信要求信号RC1には、場所を示すコ
ード,ガントリのコード番号および相手の車載機35の
ICカード66に登録された識別コードが含められてお
り、車載機34および35が受信したときに、車載機3
5は受信動作を行うが、車載機34は識別コードが異な
ることからこれを自己に対するものではないと判別して
通信処理を実行しないようになっている。
【0094】車載機35は、車載機情報送信要求信号R
C1を受信すると、これに応じてICカード66からI
Cカード識別コード,残高金額データなどのデータを読
出してカードリード信号RD1を生成し、アンテナユニ
ット18に対して上述同様にして送信するようになる。
次にアンテナユニット18は、カードリード信号RD1
を受信すると、料金徴収データ処理のための所定のデー
タをカード書込み信号WD1として車載機35に送信す
るようになる(時刻t2)。この場合、カード書込み信
号WD1には、料金徴収命令コード,料金データ,場所
コード番号,ガントリのコード番号,車載機35の識別
コードおよび動作時刻データなどが含まれている。な
お、車載機35からの応答信号RSPが異常であった場
合には、アンテナユニット18は、所定の異常処理ルー
チンを実行して処置をするようになっている。
【0095】そして、車載機35は、カード書込み信号
WD1を受信すると、その内容を読みとって所定の書込
み処理を行い、この後、場所のコード信号,ガントリの
コード番号および車載機35の識別コードを含んだ書込
み終了信号END1を前述同様にして送信する。アンテ
ナユニット18は、書込み処理の終了信号END1を受
信すると、受信したことを知らせるための終了確認信号
ACK1を車載機35に送信するようになり、車載機3
5はこの終了確認信号ACK1を受けると、通信が終了
したとして起動回路53aが停止して再びスリープ状態
に移行するようになる。
【0096】なお、車載機34,35は、同じ路上機1
5の通信エリア19〜21内で再びパイロット質問信号
PLTを受信しても、既に通信処理を実施している場合
には、内部に記憶されている通信結果のデータから判定
してこれを無視するようになっており、これによって他
の車載機による通信を妨げないようになっている。ま
た、このことは、同一の通信エリア21あるいは同一の
ガントリ15の通信エリア19〜21内での重複通信を
防止して料金の二重徴収の弊害もなくす構成としても機
能しているものである。
【0097】また、実際の料金徴収処理においては、車
載機35(34)は、通信エリア18を通過した後に、
前述した書込み信号WD1によって指定された種々の書
込みデータに基づいて、料金残高からいま通信して送信
された料金データを差し引いた額に対応するデータをI
Cカードインターフェイス54を介してICカード66
に書き込む処理を行うようになっている。
【0098】次に、アンテナユニット18は、通信順位
が第2番目となっている車載機34に対して上述同様に
して車載機情報送信要求信号RC1を送信し、車載機3
4との通信を開始するようになる。そして、アンテナユ
ニット18により、上述同様にしてカード書込み信号W
D2,終了確認信号ACK2を順次送信して車載機34
との通信を実行して通信処理が終了すると、車載機34
もスリープ状態に移行するようになる。これにより、略
同時に2つの車載機34,35がアンテナユニット18
の通信エリア21内に進入した場合でも、両者との間で
確実に通信を行うことができるようになる。なお、車載
機34,35を搭載した自動車32,33が通常の速度
で通行していれば、両者が通信エリア21内から出るま
での間に十分通信処理を行うことができるようになって
いる。
【0099】さて、上述の場合には、一つのアンテナユ
ニット18に対して2つの車載機34,35が順次通信
処理を行う動作の場合について説明したが、車載機35
が隣接する通信エリア20と重複する領域を通過するこ
とから、受信タイミングによっては、車載機35はアン
テナユニット17からのパイロット質問信号を受信して
通信を行うことができる。図20はその場合の通信処理
内容を示すもので、以下に説明する。
【0100】この場合には、例えば、車載機34,35
が、アンテナユニット18から同時にパイロット質問信
号PLTを受信して異なるタイムスロットでパイロット
応答信号RSPを送信するが、車載機34が早いタイミ
ングで送信したことにより、アンテナユニット18にお
ける通信の優先順位は車載機34が第1番目となり車載
機35が第2番目となる。そこで、上述のようにしてそ
れぞれの車載機34,35が応答信号RSP1,RSP
2を送信すると、車載機35においては、続いてアンテ
ナユニット17から送信されたパイロット質問信号PL
Tを受信するようになる。
【0101】各車載機34,35は、応答信号RSP
1,RSP2を送信した後に受ける質問信号の受信時点
で通信対象を固定するが、質問信号が得られない状態で
は、パイロット質問信号PLTに対する応答信号RSP
を繰り返し送信するようになっている。そして、この場
合においては、車載機35は、アンテナユニット18で
は第2番目の通信順位が設定されているので、自己に対
する質問信号がまだ送信されない状態となっているが、
アンテナユニット17から自己に対する質問信号が送信
されるようになる。
【0102】この結果、車載機34は、アンテナユニッ
ト18と通信処理を行い、車載機35は、アンテナユニ
ット17との間で通信処理を実施するようになり、それ
ぞれが、別々に同時に通信を行うようになる。したがっ
て、この場合には、図19に示した前述の場合に比べて
全体の通信時間が短くなっており、効率的な通信処理が
行われることになる。つまり、車両32,33が通信エ
リア20,21を通過する間に確実に通信処理が実施で
きることになるのである。
【0103】次に、実際の走行パターンで、従来では混
信や通信不能が発生すると予想されるいくつかの例を図
21ないし図34に示し、それらの場合において本実施
例でそのような不具合が発生することなく確実に通信処
理が実施されることを説明する。
【0104】すなわち、まず、(1)低速走行状態で
は、図23ないし図30に示す通行状況が想定される。 (a)図23は一つの車線例えば車線13を複数の自動
車67,68,69が数珠つなぎ状態で走行している場
合を示しており、この場合においては、各自動車67〜
69の車載機34が低速度で順次通信エリア20内に進
入してくるが、アンテナユニット17は、進入する車載
機34毎に順次通信処理を実行すると共に、通信処理が
終了してICカード66に料金徴収データの書き込みが
終了している場合には、以後同一のパイロット質問信号
を受信しても通信処理動作を実施しないので、次に進入
してくる車載機34と通信処理を実施することができる
ようになり、各自動車67〜69の車載機34と確実に
通信処理つまり料金徴収データの授受を確実に行うこと
ができるようになる。
【0105】(b)図24は渋滞時の多数の自動車70
〜76の間を二輪車77が擦り抜けるようにして走行し
てゆく場合を示しており、この場合においても、二輪車
77に搭載している車載機34が通信エリア19〜21
のいずれかを通過する際に、アンテナユニット16〜1
8のいずれかから受けるパイロット質問信号PLTによ
り確実に通信処理を行って料金徴収データの授受を行う
ことができるようになる。なお、このとき、自動車70
〜76は渋滞状態であるために、既に通信エリア19〜
21のいずれかに進入している状態で対応するアンテナ
ユニット16〜18との間で料金徴収データの授受が終
了しているので、二輪車77の通行時点ではアンテナユ
ニット16〜18は、二輪車77の車載機34と確実に
通信処理を実施することができるのである。
【0106】(c)図25はトレーラ車等の車高の高い
バン型の大型車78の直後に二輪車79(あるいは小型
車)が走行する場合を示しており、この場合には、大型
車78の陰になって後続の二輪車78の車載機34はア
ンテナユニット16〜18に対して死角に入ることが想
定される。すなわち、図21に示すように、大型車78
は車高が高いために、アンテナユニット17の通信エリ
ア20を車両の直後の領域で遮断して路面近傍側に死角
DZ1を形成している。これによって、二輪車79が通
信可能領域20b側に位置するときには死角DZ1に入
って通信不能な状態となっている。
【0107】しかし、アンテナユニット17による通信
エリア20は、直下部に通信可能領域20aを設定して
いるので、大型車78の通過に伴って図22に示すよう
に死角DZ1がDZ2のように小さくなり、二輪車79
に対する通信可能領域が確保できるようになり、この状
態で確実に通信処理を行って料金徴収のデータ授受を行
うことができるようになる。
【0108】(d)図26は例えば車線13に故障車両
80が存在する場合で、その故障車両80がちょうど通
信エリア20内に進入した状態となっている場合であ
る。この場合には、前述したように、通信エリア19〜
21内に一度進入して通信処理を実行している場合に
は、以後、車載機34は、パイロット質問信号を受けて
も通信処理を開始しないようになっているので、他の自
動車81,82が車線12あるいは14を通行して通信
エリア19,21を通過する場合には確実に通信処理を
実行して料金徴収データの授受を行うことができるよう
になる。
【0109】(e)図27は通信エリア19〜21の領
域を自動車82が斜めに横切るようにして走行する場合
を示しており、この場合には、自動車82の車載機34
が最初に通過する例えば通信エリア18にて通信処理が
終了すると、その時点で料金徴収データの授受が完了
し、その後通過する通信エリア17,16においては、
繰り返し同じ内容で通信することがなくなり、重複通信
をすることなく、確実に通信処理を実施することができ
るようになる。
【0110】(f)図28は例えば車線13を通行する
車両としての大型車84が故障車両等の牽引車両85を
伴う場合を示しており、この場合には、大型車84およ
び牽引車両85の両者の車載機34と通信処理を行うよ
うになっており、前述と同様にして大型車両84の直後
に牽引車両85が存在する場合でも確実に通信処理を行
うことができ、料金徴収のデータを授受することができ
る。
【0111】なお、牽引車両85との通信を無効化する
場合には、牽引車両85の車載機34を電波のシールド
部材などで覆うようにして受信不能な状態として処置す
ることができる。また、大型車84が牽引専用の車両で
ある場合には、あらかじめ車載機34に装着するICカ
ード66に牽引車両がある場合にはこれを無効化すると
いったプログラムを作成しておけば、牽引車両85と通
信を行った結果を無効化することができるようになる。
【0112】(g)図29は、自動車86が高速道路1
1の走行中に、通信エリア20に入った後すぐに引き返
すようにして走行する場合を示すもので、この場合に
は、料金徴収の仕様によってどのように設定するかが異
なるが、その一例として例えば、一度通信エリア20内
に入ったら料金徴収を行い、直ぐにUターンした場合に
は、記憶された料金徴収の場所,路上機番号や時刻情報
が同じになるため、料金徴収処理をキャンセルするよう
にした構成が考えられる。
【0113】(h)図30は例えば車線12,14をそ
れぞれ自動車87,88が通過し、車線13に多数の二
輪車89〜93が一斉通過する場合を示すもので、この
場合には、二輪車89〜93が低速走行であるから通過
中に十分通信時間が確保できるので、通信エリア20内
に進入した順番に車載機34とアンテナユニット17と
の間で通信処理を行って料金徴収のデータ授受を行うこ
とができる。
【0114】また、(2)高速走行時に発生する状況と
しては、次のような走行状況が考えられる。すなわち、
図31に示すように各車線12〜14に自動車94,9
5,96が平行して走行する(i)高速平行走行の場
合、図32に示すように走行する自動車97,98のう
ち、一方の自動車98が車線13,14を跨いだ状態で
走行する(j)車線またぎ走行の場合、図33に示すよ
うに狭い車間距離で連続して走行する2台の自動車9
9,100が走行する(k)高速連続走行の場合、ある
いは図34に示すように車線12,14のそれぞれに大
型車101,102が平行して走行する状態でそれらの
間に挟まれて走行する自動車103がが存在する(l)
大型車に挟まれた車両の走行の場合などがある。そし
て、これらの各走行パターンにおいても、前述の低速走
行の場合の走行パターンと同様にして通信処理を行うこ
とができるので、すべての車両が確実に料金徴収のデー
タ授受を行うことができるようになる。
【0115】このような本実施例によれば、次のような
効果を得ることができる。すなわち、第1に、路上機1
5として、高速道路11の各車線12〜14に対応して
アンテナユニット16〜18を設ける構成とし、それら
各アンテナユニット16〜18により、所定の通信エリ
ア19〜21を設定して各車線12〜14毎に通行する
車両の車載機34(35)と通信処理を実行して料金徴
収のデータ授受を行うことができるようになる。
【0116】第2に、隣接する通信エリア19〜21間
で、重複通信エリアを設けると共に交互にパイロット質
問信号を送信するように構成しているので、車線を跨い
だ状態で車両が通行する場合でも、いずれかの通信エリ
アと確実に通信処理を実施することができる。
【0117】第3に、通信エリア19〜21の長さ寸法
Laを条件式(1)の関係で設定しているので、車両が
通常の走行状態にある場合には、他の車両の車載機と同
時に通信する状態を極力排除することができる。
【0118】第4に、車載機34(35)の応答信号の
送信タイミングを、複数のタイムスロットからランダム
に選択したタイムスロットで設定するので、複数の車載
機が同時にパイロット質問信号を受信した場合でも同時
にパイロット応答信号を送信してしまう確率を低くして
混信を防止することができる。
【0119】第5に、アンテナ素子22a〜24bとし
て、8個のパッチ30a〜30hを用いたマイクロスト
リップ形のアレイアンテナとしているので、所定の形状
を有する通信エリアの設定を自由度をもって行うことが
できるようになる。
【0120】第6に、アンテナ素子22a〜24bの各
パッチ30a〜30h間をインピーダンスの異なる伝送
線路31a〜31cで接続してサイドローブを極力小さ
くして通信エリアを設定するようにしたので、通信エリ
ア19〜21の高さ位置による領域のばらつきを極力防
止して一定の通信条件を確保できるようになる。
【0121】第7に、通信エリア19〜21をアンテナ
ユニット16〜18の直下部分にも設定しているので、
大型車の直後を走行する小型車や二輪車などの車載機に
対する通信の死角の発生を極力防止でき、確実な通信処
理を実施することができるようになる。
【0122】第8に、各車載機34(35)において、
同一の路上機15とは2回以上通信処理を実施しないよ
うに構成しているので、渋滞時などの重複通信を防止で
きると共に、複数の車載機34(35)が通信エリア1
9〜21内に存在する場合でも、通信が終了していれば
他の車載機34(35)の通信処理の妨害をすることが
なくなり、確実に料金徴収のデータ授受を実現できる。
【0123】第9に、車載機34(35)にICカード
66を装着して使用する構成としているので、使用者に
対応して料金徴収業務を行うことができる。
【0124】第10に、車載機34(35)は、パイロ
ット質問信号を受信した時点でウェイクアップ状態とし
て動作を開始させ、通信を行わない状態ではスリープ状
態として起動を停止しているので、交換可能電池61の
消耗を極力低減して省電力化を図ることができる。
【0125】図35は本発明の第2の実施例を示すもの
で、第1の実施例と異なるところは、ガントリ15に加
えて、その後方の所定位置に確認用路上機としての第2
のガントリ110を設けたところである。この第2のガ
ントリ110には、ガントリ15と同様にしてアンテナ
ユニット111〜113が各車線12〜14に対応して
配設されており、それぞれのアンテナユニット111〜
113により通信エリア114〜116が設定されてい
る。また、第1のガントリ15の上部には、各車線12
〜14に対応して通信エリア114〜116近傍を通過
する車両を撮影可能なカメラ117〜119が配設され
ている。
【0126】第2のガントリ110においては、第1の
ガントリ15の各通信エリア19〜21を通過したとき
に実施した通信内容について、通信エリア114〜11
6を通過する際に確認をするように構成されている。こ
のとき、車載機34(35)とアンテナユニット111
〜113とは、通信エリア19〜21を通過する際の場
合と略同様にして通信処理が実施される。そして、第2
のガントリ110における通信内容が第1のガントリ1
5における通信内容と異なるところは、カード書込み信
号WDがないことと、代りにICカード66に正常にデ
ータが書き込まれたか否かを確認する信号が含まれてい
ることである。つまり、第2のガントリ110において
は、各アンテナユニット111〜113においてICカ
ード66に書き込まれた料金徴収のデータの内容を照合
して確認を行うのである。
【0127】これによって、照合結果が一致していれ
ば、各機器の動作が正常に実施されていることも確認す
ることができ、信頼性の向上を図ることができる。一
方、通信内容に不一致が生じた場合には、先に通信した
内容について異常処理ルーチンを行うと共に、その車両
を対応する車線12〜14のカメラ117〜119によ
って撮影する。この撮影画像データからその自動車のナ
ンバープレートのナンバーを認識して車両の所有者つま
りはICカード66の所持者を特定するようにしている
のである。
【0128】上述の場合に、第1のガントリ15と第2
のガントリ110との間の距離Lbは、後述の条件式
(3)で示す条件に適合するように設定されている。す
なわち、第1の実施例でも説明したように、車載機34
(35)は、通信エリア19〜21を通過中にアンテナ
ユニット16〜18と通信を行うと、その通信結果に基
づいて、通信終了後にICカード66への書込み処理を
行うため、所定の書込み処理時間trが必要となる。
【0129】そこで、その書込み処理時間trを確保し
て、その書込み処理が確実に終了した後に第2のガント
リ110の通信エリア114〜116に進入することを
条件とすると、条件式(3)を満たす必要がある。すな
わち、式中、Vmは車両の最高速度であり、trはIC
カード66への書き込み処理時間である。
【0130】
【数3】
【0131】このような第2の実施例によれば、確認用
の路上機として第2のガントリ110を設け、車載機3
4が第1のガントリ15を通過する際の通信内容を確認
するようにしたので、料金徴収のデータ授受を確認でき
ると共に、車載機34の動作状態を確認することがで
き、実用上での信頼性の向上を図ることができる。
【0132】また、第2の実施例によれば、カメラ11
7〜119を設けて、通信が不完全な場合にその車両の
ナンバープレートを撮影して所有者を特定するようにし
たので、電波障害や不測の事態が発生した場合でも、第
1のガントリ15および第2のガントリ110による通
信処理の不具合発生を補助して確実な料金徴収業務を行
うことができ、実用上での信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0133】図36は本発明の第3の実施例を示すもの
で、第2の実施例の構成で示した第1のガントリと第2
のガントリを設ける構成の料金徴収システムを複数箇所
に設けた場合に、それらを統括して制御するようにした
構成を示すものである。
【0134】すなわち、図36において、高速道路11
の第1の料金徴収地点には第2の実施例と同様に構成さ
れた第1のガントリ120および第2のガントリ121
が設けられ、それぞれ車線12〜14に対応してアンテ
ナユニット122〜124およびアンテナユニット12
5〜127が配設されている。また、第2の料金徴収地
点には同様に第1のガントリ128および第2のガント
リ129が設けられ、それぞれ車線12〜14に対応し
てアンテナユニット130〜132およびアンテナユニ
ット133〜135が配設されている。
【0135】また、各ガントリ120,121,12
8,129にはそれぞれのアンテナユニット122〜1
24,125〜127,130〜132,133〜13
5を制御するための路上機制御機136〜139が接続
されている。また、第1の料金徴収地点の路上機制御機
136および137は信号処理装置140に接続され、
第2の料金徴収地点の路上機制御機138および139
は信号処理装置141に接続されている。そして、各信
号処理装置140,141は、他の料金徴収地点に対応
して設けられた信号処理装置と共にLAN回線142に
共通に接続されており、そのLAN回線142は集中制
御手段としてのホストコンピュータ143に接続されて
いる。
【0136】そして、各料金徴収地点のガントリ12
0,121,128,129はホストコンピュータ14
3により集中的に制御され、これによって、すべてのア
ンテナユニット122〜124,125〜127,13
0〜132,133〜135が信号処理装置140,1
41および路上機制御機136〜139を介して所定タ
イミングで制御されるようになる。そして、各アンテナ
ユニットにおいて車載機34との間の通信により授受さ
れた料金徴収データはLAN回線142を介してホスト
コンピュータ143に集積されるようになり、高速道路
11の各料金徴収地点の種々のデータを統括的に処理す
ることができるようになっている。
【0137】なお、上記したホストコンピュータ143
は、料金徴収データの取扱いのみならず、高速道路11
の各料金徴収地点における車両の走行状態についても統
計処理などを行うことができ、道路管理情報を得ること
もできる。
【0138】このような第3の実施例によれば、各料金
徴収地点に配置されるガントリ間をLAN回線142に
て結合し、ホストコンピュータ143により統括的に制
御することができ、各ガントリ間を接続する配線を簡単
にした構成としながら、総合的にデータの取扱いを行う
ことができ、また、システムのソフトウェア変更も行い
易くなる。また、料金徴収データを統括的に扱うことが
できるので、料金徴収業務のみならず道路管理情報とし
ても利用することができるようになる。
【0139】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、次のように変形また拡張できる。高速道路
以外にも、有料駐車場の料金徴収業務にも適用できる。
この場合には、複数の車線から同時に車両が進入できる
ように構成することができ、出入口でその都度停車して
料金徴収の手続きを行う必要がなくなって迅速な出入り
を可能にすると共に人員削減を図れる。
【0140】また、料金徴収業務以外に、車両の通行状
態の調査等のデータの授受などの各種のデータの授受に
適用することができる。例えば、交通量を調査して道路
情報を作成することに使用したり、都市交通計画等への
応用を図ることもできる。
【0141】車線は3つに限らず、2つでも良いし、4
以上でも良い。車載機は自動車に固有のものとした構成
としてICカードを用いない構成とすることもできる。
車載機は、パイロット質問信号を受信してウェイクアッ
プする構成に限らず、常時動作しているものを用いても
良い。アンテナ素子はパッチ以外のものを使用するもの
でも良い。アンテナ素子は、プリント基板に代えてセラ
ミック板を用い、パッチと伝送線路とを薄膜プロセスで
形成する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を全体構成の外観斜視図
【図2】アンテナユニット部分の縦断側面図
【図3】アンテナユニットの外観斜視図
【図4】アンテナ素子の外観斜視図
【図5】車載機のアンテナ素子の平面図
【図6】アンテナユニットの電気的構成の概略図
【図7】車載機の電気的構成図
【図8】車載機の通信回路の電気的構成図
【図9】アンテナ素子の搬送電波周波数と車載機のアン
テナ特性
【図10】アンテナ素子の信号出力波形図
【図11】アンテナ素子の信号出力の周波数特性図
【図12】通信エリアを示す側面図
【図13】異なる高さ寸法での通信エリアの平面図
【図14】アンテナ素子のパッチ数と通信可能領域の対
応図(平面図)
【図15】アンテナ素子のパッチ数と通信可能領域の対
応図(側面図)
【図16】アンテナユニットのメインローブとサイドロ
ーブとの形状を示す側面図
【図17】アンテナユニットの通信エリア内における車
載機の応答信号の到達領域を示す側面図
【図18】ひとつの通信エリア内に略同時に2つの車載
機が存在する場合の作用説明図
【図19】各アンテナユニットおよび2つの車載機の出
力のタイムチャート(その1)
【図20】各アンテナユニットおよび2つの車載機の出
力のタイムチャート(その2)
【図21】大型車の直後に存在する二輪車の通信態様を
説明する側面図(その1)
【図22】大型車の直後に存在する二輪車の通信態様を
説明する側面図(その2)
【図23】数珠つなぎ状態の走行状況説明図
【図24】渋滞時の自動車の間の二輪車の走行状況説明
【図25】大型車の直後に存在する二輪車の走行状況説
明図
【図26】故障車両が存在する場合の走行状況説明図
【図27】複数の車線を跨いで斜め走行する場合の走行
状況説明図
【図28】牽引車両を伴う走行状況説明図
【図29】通信エリアに入った後引き返す車両の走行状
況説明図
【図30】乗用車と多数の二輪車の一斉通過の場合の走
行状況説明図
【図31】高速走行時で同時平行走行する場合の走行状
況説明図
【図32】車線跨ぎ走行がある場合の走行状況説明図
【図33】高速連続走行の場合の走行状況説明図
【図34】大型車に挟まれた状態で走行する場合の走行
状況説明図
【図35】本発明の第2の実施例を示す全体構成の外観
斜視図
【図36】本発明の第3の実施例を示す図35相当図
【図37】従来例を示す概略構成の平面図
【図38】車両の走行状況が異なる状態で示す図37相
当図
【図39】路上機と車載機との間の通信状態を図37の
状況に対応して示すタイムチャート
【図40】図38に対応して示す図39相当図
【符号の説明】
11は高速道路(道路)、12〜14は車線、15はガ
ントリ(路上機)、16〜18はアンテナユニット、1
9〜21は通信エリア、19a,19b,20a,20
b,21a,21bは通信可能領域、19cは重複領
域、22a,22b,23a,23b,24a,24b
はアンテナ素子、26は制御回路部、29はプリント基
板、30a〜30hはパッチ、31a〜31cは伝送線
路、31dは給電端子、32,33は自動車(車両)、
34,35は車載機、36はアンテナ、37はプリント
基板、38,39はパッチ、40a,40bは伝送線
路、41はアンプ、43は制御部、44はコントロール
回路、46はインターフェイス回路、47は変調回路、
48は発振器、49はサーキュレータ、50は受信回
路、51は混合器、52は制御回路、53は通信回路、
53aは起動回路、54はICカードインターフェイ
ス、55は表示部、56は電池チェック回路、57はラ
ンプ、58は不正防止センサ、59はパワーユニット、
60はシールド電池、61は交換可能電池、62はDC
/DCコンバータ、63は検波器、64は送信信号変調
回路、65はデータ信号変調回路、66はICカード、
110は第2のガントリ(確認用路上機)、111〜1
13はアンテナユニット、114〜116は通信エリ
ア、117〜119はカメラ、120,128は第1の
ガントリ(路上機)、121,129は第2のガントリ
(確認用路上機)、122〜127,130〜135は
アンテナユニット、136〜139は路上機制御機、1
40,141は信号処理装置、142はLAN回線、1
43はホストコンピュータ(集中制御手段)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01S 13/76 13/79 G08G 1/017 H04B 7/26 (72)発明者 松元 学 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 山下 睦志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 加後 義行 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に設けられ、質問信号を受信すると
    その質問信号に続けて受信する無変調の搬送電波を変調
    して反射することにより応答信号を送信するようにした
    車載機と、 複数の車線を有する道路の所定箇所にそれら複数の車線
    を上方位置で跨ぐようにして配設された路上機と、 この路上機の各車線に対応した位置に配設され直下に位
    置する車線に前記車両の長さ寸法に対して同程度以下の
    長さ寸法を有する所定の通信エリアを設定する複数のア
    ンテナユニットと、 これら複数のアンテナユニットのそれぞれに設けられ、
    少なくとも隣接するもの同士の間では異なる発振周波数
    で動作して前記通信エリアを複数の通信可能領域で分担
    して設定する複数のアンテナ素子と、 前記通信エリアが重複する領域を有する前記アンテナユ
    ニット間の質問信号の送信タイミングを異なるようにし
    て送受信の制御を行う通信制御手段とを具備したことを
    特徴とする車両用通信装置。
  2. 【請求項2】 前記アンテナユニットは、そのアンテナ
    ユニットが配置された車線の直下部に通信可能領域を設
    定する第1のアンテナ素子と、この第1のアンテナ素子
    の通信可能領域よりも遠方側に通信可能領域を設定する
    第2のアンテナ素子とを備えた構成とされていることを
    特徴とする請求項1記載の車両用通信装置。
  3. 【請求項3】 前記通信制御手段は、前記複数のアンテ
    ナユニットにより所定時間間隔を存してパイロット質問
    信号を繰り返し出力し、それら複数のアンテナユニット
    のうちの前記車載機からパイロット応答信号を受信した
    アンテナユニットはその後質問信号を送信して対応する
    車載機との間で通信を行うように構成され、 前記車載機は、前記パイロット質問信号を受信するとこ
    れに対するパイロット応答信号を出力し、以後受信する
    質問信号に対して応答信号を送信する車載機通信制御手
    段を備えた構成とされていることを特徴とする車両用通
    信装置。
  4. 【請求項4】 前記車載機は、通信内容を記憶する記憶
    手段を備え、 前記車載機通信制御手段は、前記路上機からパイロット
    質問信号を受信したときにその通信内容を記憶し、以
    後、同一の路上機からのパイロット質問信号の受信があ
    ってもこれを無効化して通信を行わないように制御する
    ように構成されていることを特徴とする請求項3記載の
    車両用通信装置。
  5. 【請求項5】 前記アンテナ素子は、マイクロストリッ
    プ形のアンテナにより構成されていることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用通信装置。
  6. 【請求項6】 前記アンテナ素子は、正方形のパッチを
    複数個並べて構成したマイクロストリップ形のアレイア
    ンテナにより構成されていることを特徴とする請求項5
    記載の車両用通信装置。
  7. 【請求項7】 前記アンテナ素子は、前記複数のパッチ
    間を連結する給電経路のインピーダンスを中央部が低く
    端部に至るにしたがって高い値となるように設定して、
    前記通信エリアのサイドローブを小さくするように構成
    されていることを特徴とする請求項6記載の車両用通信
    装置。
  8. 【請求項8】 前記アンテナ素子は、前記通信エリアの
    設定方向を調整可能な方向調整手段を具備した構成とさ
    れていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    に記載の車両用通信装置。
  9. 【請求項9】 前記車載機は、識別コードが記憶されて
    いると共に通信データを読み書き可能なICカードが着
    脱可能な構成とされていることを特徴とする請求項1な
    いし8のいずれかに記載の車両用通信装置。
  10. 【請求項10】 前記車載機通信制御手段は、前記車載
    機がパイロット信号を受信したときに、複数のタイムス
    ロットのうちからランダムに選択したタイムスロットの
    タイミングで応答信号を送信するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の
    車両用通信装置。
  11. 【請求項11】 前記路上機による通信結果を確認する
    ために前記車載機と通信を行うように設けられた確認用
    路上機を具備したことを特徴とする請求項1ないし10
    のいずれかに記載の車両用通信装置。
  12. 【請求項12】 前記確認用路上機は、前記路上機に対
    して少なくとも前記車載機内部でのデータ処理に必要な
    時間を確保できる距離を存した位置に配設されているこ
    とを特徴とする請求項11記載の車両用通信装置。
  13. 【請求項13】 前記アンテナユニット間を相互に接続
    するLAN回線と、 このLAN回線を介して前記路上機および確認用路上機
    とを駆動制御する集中制御手段とを具備したことを特徴
    とする請求項11または12記載の車両用通信装置。
  14. 【請求項14】 前記路上機の通信エリアを通過した車
    両のナンバープレートを撮影可能なカメラを設けたこと
    を特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の車
    両用通信装置。
  15. 【請求項15】 前記路上機は、有料道路に設けられ、
    その通行により必要な料金徴収用のデータの授受を行う
    ように構成されていることを特徴とする請求項1ないし
    14のいずれかに記載の車両用通信装置。
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