JPH08179406A - フラッシュを選択可能なカメラとその組立方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸長式と固定式フラッシュ装置を選択的に使
用可能なカメラを提供する。 【解決手段】 伸長式フラッシュ装置１４あるいは固定
式フラッシュ装置１６の取付部３４，３６を有するカメ
ラであって、一方の取付部３４または取付部３６を用い
てフラッシュ装置１４または、フラッシュ装置１６の一
方をカメラに固定し、使用されない取付部をカメラケー
シング２０によって覆う。カメラケーシング２０には、
前記取付部用の開口８２，８４が設けられ、開口８２
は、伸長式フラッシュ装置１４からの照明光を通過さ
せ、開口８４は固定式フラッシュ装置１６からの照明光
を通過させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はフラッシュ装置付き
カメラに関し、特に、二者択一のデザインの永久電子フ
ラッシュを含むカメラアッセンブリとその組立方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】自動カメラに電子フラッシュ装置を装備
することは、現代の写真技術では一般的に行われてい
る。種々のデザインのフラッシュがあり、これらはカメ
ラ全体に対して固定あるいは伸長式のフラッシュチュー
ブと反射鏡のアッセンブリを持っている。

【０００３】固定式フラッシュは、使用部品数が比較的
少なく、製造が容易であり、使い方が易しい。しかし、
コンパクトカメラではスペースが限られているため、フ
ラッシュと反射鏡アッセンブリはカメラの光学系からほ
んの僅かしか離れていない。被写体によっては、この短
い距離がレッドアイと呼ばれる現象をもたらすことがあ
る。被写体の網膜の血管から光が反射されて、得られる
写真に赤い点として写し出されるのである。

【０００４】レッドアイの問題を解決するために、伸長
式フラッシュ装置は、撮影中にフラッシュチューブと反
射鏡アッセンブリとを伸長させて、光学軸からの距離を
増してている。しばしばコブラフラッシュと呼ばれてい
る人気のある解決法では、フラッシュと反射鏡アッセン
ブリがカメラ本体に装着され、前記フラッシュと反射鏡
アッセンブリが光学系を覆う折曲位置と、撮影中のカメ
ラの上方に伸長された位置との間を軸を中心に回動可能
となっている。このような伸長式フラッシュ装置は、レ
ッドアイを手際よく解決しているが、カメラ部の製造と
操作方法が複雑になっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】レッドアイが、全ての
個人あるいは全世界のあらゆる地域での関心事であると
いうわけではない。目の特性、特に暗い色の目では、レ
ッドアイは滅多に問題とならない。このような特性を持
っている消費者は、レッドアイの減少を目的としている
機能付きのカメラを購入しようとはしないであろう。

【０００６】世界中あるいは様々な人々に販売している
カメラ製造業者は、通常、固定式と伸長式のフラッシュ
装置付きのカメラを提供している。レッドアイが関心事
ではない個人あるいは地域では、固定式フラッシュが好
ましいであろう。他の人々あるいは地域では、伸長式フ
ラッシュが要求されるであろう。このように個々のデザ
インについて、特有の部品と組立工程と販売法と市場調
査戦略が要求される。本発明は上記従来の課題に鑑みな
されたものであり、その目的は消費者のニーズに適した
フラッシュを有するカメラを効率よく提供することので
きるフラッシュを選択可能なカメラとその組立方法を提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１の発明は、伸長式フラッシュチューブと反射鏡
アッセンブリを有するフラッシュ装置あるいは固定フラ
ッシュチューブと反射鏡アッセンブリを有するフラッシ
ュ装置とを選択的に使用するカメラであって、光学軸を
有するカメラにおいて、前記光学軸に対して伸長式フラ
ッシュ装置を第１の所定位置に位置決めし固定させる第
１のフラッシュ取付部と、前記光学軸に対して固定フラ
ッシュ装置を第２の所定位置に位置決めし固定させる第
２のフラッシュ取付部と、選択されたフラッシュ装置の
第１または第２の取付部を装着するための開口を有する
ケーシングであって、選択されなかった取付部を覆うこ
とができるケーシングとを有することを特徴とする。

【０００８】また、上記目的を達成するために、第２の
発明は、第１の発明のカメラであって、上部及び前記上
部に対して通常垂直である前面部とを有し、前記上部に
第１のフラッシュ取付部が設けられており、前記前面部
に第２のフラッシュ取付部が設けられていることを特徴
とする。

【０００９】つまり、カメラは、伸長式フラッシュと固
定式フラッシュ用の選択可能な２つの取付部を有する。
そして、取付部の一つが、選択された伸長式あるいは固
定式フラッシュ装置の固定と位置決めに使用される。選
択されなかったフラッシュの取付部は、カメラのケーシ
ングで覆われる。

【００１０】より詳細には、ケーシングには、第１と第
２の取付部にそれぞれ整合する第１と第２の開口が形成
されている。第１の開口は、ケーシングを介して伸長式
フラッシュアッセンブリを装着可能であり、第２の開口
はケーシングを介して固定フラッシュアセンブリーから
の照明光を通過させる。

【００１１】また、上記目的を達成するために、第３の
発明は、伸長式のフラッシュチューブと反射鏡を有する
第１のアッセンブリと固定式のフラッシュチューブと反
射鏡を有する第２のアッセンブリよりなる選択式フラッ
シュアッセンブリを形成する工程と、前記伸長式アッセ
ンブリ用の第１の取付部及び前記固定式アッセンブリ用
の第２の取付部よりなる選択式フラッシュ取付部を有す
るコアを形成する工程と、前記コアにフラッシュ用蓄電
器を含むフラッシュ回路板を取付ける工程と、選択され
た前記伸長式あるいは固定式フラッシュアッセンブリの
一方を前記フラッシュ回路板に電気的に接続し、前記選
択されたフラッシュアッセンブリに対応した取付部に機
械的に接続する工程と、カメラケーシングを用いて前記
コアを覆う工程と、からなることを特徴とする。

【００１２】本発明はカメラの組立方法も含んでいる。
この方法は、伸長式及び固定式フラッシュアッセンブリ
の組立工程と、個々のフラッシュアッセンブリに適合す
るフラッシュ取付部を含むコアの形成工程と、選択され
たフラッシュアッセンブリの対応する取付部への結合工
程と、コアをカメラのケーシングで覆う工程とから構成
される。

【００１３】本発明は、カメラのデザインを簡素化し、
伸長式と固定式フラッシュアッセンブリの双方に共通な
部品、例えば、電子部品、反射鏡アッセンブリ、ケーシ
ング及びカバーの使用によって製造を簡素化している。
レッドアイの問題に拘わりなく、単一のカメラコアによ
って全ての地域に適するカメラの製造が可能となる。多
様な人々がいる地域において、固定式と伸長式の切換を
短時間に効率良く行える。また、用途が明確になるま
で、フラッシュの種類の決定を先延ばしすることができ
る。

【００１４】以下の好ましい実施形態の詳細な説明と、
図面と請求の範囲を参照することによって、本発明の特
性と効果が明らかとなろう。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１に示すように、本発明の好ま
しい実施形態では、カメラはコア１２と、伸長式あるい
は固定式フラッシュ装置１４と１６のいずれかを選択可
能な永久フラッシュ装置と、フラッシュ回路板１８と、
カメラケーシング２０とから構成される。

【００１６】この好ましい実施形態では、コア１２は成
型されたプラスチックのフレームであり、多数のカメラ
部品用の収容室及び支持体を有する。収容室は、フィル
ム供給及び巻き取り室２２と２４と、電池室２６と露出
箱２８である。露出箱２８は、フィルム供給及び巻き取
り室２２と２４とカメラの前面と裏面部の間にある。露
出箱２８のカメラ前面側には光学系が収容され、光学系
とカメラの裏面側にある露出面３０（図２と図３）との
間に遮られない経路を形成している。露出面３０では、
露出箱２８の平らな表面でフィルム供給室２２と巻き取
り室２４との間にフィルムを支持し位置決めしている。
カメラの作動時、光学軸３２に沿って中心にある光学系
によって露出面に焦点が合った像に、フィルムが露光さ
れる。各露光の間、フィルムは順次供給室２２から巻取
室２４へ繰り出される。本実施形態において、カートリ
ッジが供給室２２に装填され、フィルムの露光時供給室
２２から巻取室２４に送られ、そしてカメラからフィル
ムを取出す時には、カートリッジに巻き戻される。他の
適切なカメラには、巻戻しカメラ、例えば、カメラ製造
者によってフィルムカートリッジが供給室に予め巻取ら
れている使い捨てカメラ、等がある。この場合、露光工
程において、フィルムはカートリッジに戻される。

【００１７】コア１２は、さらに、図２に示すように第
１のフラッシュ取付部３４と、図３に示すように第２の
フラッシュ取付部３６とを構成している。これらは、そ
れぞれ、選択可能なフラッシュ装置１４と１６を位置決
めし支持する。第１のフラッシュ取付部３４は露出箱２
８上の上部にあり、通常水平であり、図２に示すように
露出面３０に対して垂直である。取付部３４は、複数の
ボス３８、４０、４２と４４を持っており、これらのボ
スは伸長式フラッシュを適切な面、例えば上部ボス面、
を用いてコアに永久的に取付けるようなっている。これ
により、光学軸３２に対して適切なフラッシュの方向
（方位）を設定する。図３に示すように第２のフラッシ
ュ取付部３６も同様であるが、通常、露光面３０に平行
あるいは第１の取付部３４に垂直である。取付部３６
は、複数のボス４６と４８を有する。これらのボスは、
光学軸３２に対して固定式フラッシュを適切に位置合わ
せして永久的に取付けるようになっている。

【００１８】伸長式フラッシュ装置１４は、コブラフラ
ッシュ装置であり、ヘッド部５４はフラッシュチューブ
と反射鏡アッセンブリ５２を有し、該ヘッド部５４を回
動可能に支持するベース取付板５０を持っている。ベー
ス取付板５０は、伸張式フラッシュ装置１４を第１のフ
ラッシュ取付部３４のボス３８、４０、４２と４４に取
付けるために使用され、前記フラッシュチューブと反射
鏡アッセンブリをカメラの残りの部分全体に対して適切
に位置決めすることができる。ピン、ねじあるいは他の
適切な締め具によって取付板を永久的にボスに取付ける
ことが可能となる。ピボットピン５８によって、ヘッド
部５４はベース取付板５０の前面部に取付けられる。ベ
ース取付板５０がカメラに固定されると、ピボットピン
５８はカメラの前面上部に位置することになる。ヘッド
部５４は協動するオフセット６０を有している。このオ
フセット６０によって、カメラの光学系をカバーする閉
じ位置と、カメラの上部に伸長する位置との間をヘッド
部がフラッシュチューブと反射鏡アッセンブリと共に容
易に移動可能となる。伸長位置では、オフセット６０は
カメラのケーシング２０、実際には後述する嵌め込み
（ｉｎｌａｙ）、と対向しており、フラッシュチューブ
と反射鏡アッセンブリとを含むヘッド部を光学軸３２と
基本的には平行となるように支持している。フラッシュ
蓄電器７６あるいは回路板１８との接続に必要な十分な
長さを持つ可撓性の電気コネクタ６２が、フラッシュヘ
ッドカバー６４の後ろ側に沿ってヘッド部５４内に設け
られている。さらに、フラッシュレンズ６６を用いてフ
ラッシュチューブを覆って、照明光を所望の方向に向け
てもよい。

【００１９】図３に示すように、固定フラッシュ装置１
６の構造は比較的簡単であり、フラッシュチューブと反
射鏡アッセンブリ６８で構成されており、カメラの残り
の部分に対して適切に位置合わせされるように、コアと
対向するようになっている。ピン、ねじあるいは他の適
当な締め具７０によって、アッセンブリ６８が永久的に
ボス４６と４８（図１参照）に固定される。そして、可
撓性の電気コネクタ７２が、フラッシュ回路板１８と接
続するための十分な長さを持った状態で、固定フラッシ
ュアッセンブリから延出している。フラッシュレンズ７
４を用いて、照明光を所望の方向にしてもよい。

【００２０】前述のように、選択された固定あるいは伸
長式のフラッシュ装置がコア１２に永久的に装着され
る。フラッシュ回路板１８はいずれのフラッシュ装置に
も適用可能であり、電池室２６内の電池からの必要な電
気エネルギーを蓄積するためのフラッシュ蓄電器７６を
持っている。フラッシュ回路板１８は、コアの凹部に設
けられていて、電気コネクタ６２あるいは７２を介して
フラッシュ装置に電気的に接続されている。

【００２１】カメラケーシング２０は、互いに適合しコ
ア１２を囲んでいる前部７８と後部８０とを有する。ケ
ーシング２０には、第１のフラッシュ取付構造３４と第
２のフラッシュ取り付け構造３６とにそれぞれ整合する
開口部８２と８４が付いている。開口部８２は前部７８
と後部８０の間にあり、第１のフラッシュ取付構造３４
と整合しており、第１のフラッシュ取付部３４にケーシ
ングを介して伸長式フラッシュアッセンブリ１４を取付
ける。開口部８４は、カメラの前面部にある切欠きある
いは開口であり、第２のフラッシュ取付構造３６と整合
しており、固定フラッシュアッセンブリからの照明光を
ケーシングを介して通過させる。

【００２２】カメラケーシング２０は、カバーあるいは
嵌め込み８６と８８、及びプラグ９０を有する。カバー
８６は伸長式フラッシュ１４と共に用いられ、ベース取
付板５０をカバーしつつケーシングの上部を閉じてい
る。カバー８８は、固定フラッシュが選択され、伸長式
フラッシュを用いない時に開口部８２を閉じるために選
択される嵌め込みである。伸長式フラッシュが選択さ
れ、固定式フラッシュを用いない時には、プラグ９０が
開口部８４に嵌め込まれる。従って、ケーシング２０
と、嵌め込み８６または８８、及びプラグ９０が、コア
と選択されなかったフラッシュに対応する取付構造を覆
う。

【００２３】本発明には、以下の工程からなるカメラの
組立方法も含まれる。すなわち、伸長式のフラッシュチ
ューブと反射鏡を有するアッセンブリと固定式のフラッ
シュチューブと反射鏡を有するアッセンブリよりなる選
択式フラッシュアッセンブリを形成する工程と、伸長式
アッセンブリ用の取付部及び前記固定式アッセンブリ用
の取付部よりなる選択式フラッシュ取付部を有するコア
を形成する工程と、選択された伸長式あるいは固定式フ
ラッシュアッセンブリを対応する取付部に接続する工程
と、カメラケーシングを用いてコアと選択されなかった
取付構造を覆う工程とからなる。

【００２４】以上、本発明を好ましい実施形態について
説明したが、当業者は他の変更や適用を行うことができ
よう。そのような変更や適用は、本件の特許請求の範囲
に含まれるものとする。

【００２５】

【発明の効果】伸長式と固定式フラッシュアッセンブリ
の選択が簡単となり、これらフラッシュアッセンブリの
双方に共通な部品の使用により、カメラの製造が簡単に
なり、消費者のニーズに適したフラッシュを有するカメ
ラを効率よく提供することのできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の好ましい実施形態に基づくカメラの
分解図であり、選択可能な伸長式フラッシュと固定フラ
ッシュとの両方を示す分解斜視図である。

【図２】 伸長式フラッシュを有する図１のカメラの断
面図である。

【図３】 固定フラッシュを有する図１のカメラの断面
図である。

【符号の説明】 １２ コア、１４ 伸長式フラッシュ装置、１６ 固定
フラッシュ装置、２０カメラケーシング、３２ 光学
軸、３４ 第１のフラッシュ取付部、３６ 第２のフラ
ッシュ取付部、５２ フラッシュチューブと反射鏡アッ
センブリ、８２，８４ 開口。

フロントページの続き (72)発明者 ジョン ケントオン マクブライド アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ロチェ スター イングルウッド ドライブ 158

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸長式フラッシュチューブと反射鏡アッ
   センブリを有するフラッシュ装置あるいは固定フラッシ
   ュチューブと反射鏡アッセンブリを有するフラッシュ装
   置とを選択的に使用するカメラであって、光学軸を有す
   るカメラにおいて、 前記光学軸に対して伸長式フラッシュ装置を第１の所定
   位置に位置決めし固定させる第１のフラッシュ取付部
   と、 前記光学軸に対して固定フラッシュ装置を第２の所定位
   置に位置決めし固定させる第２のフラッシュ取付部と、 選択されたフラッシュ装置の第１または第２の取付部を
   装着するための開口を有するケーシングであって、選択
   されなかった取付部を覆うことができるケーシングと、 を有することを特徴とするフラッシを選択可能なカメ
   ラ。
2. 【請求項２】 請求項１記載のフラッシを選択可能なカ
   メラであって、 上部及び前記上部に対して通常垂直である前面部とを有
   し、前記上部に第１のフラッシュ取付部が設けられてお
   り、前記前面部に第２のフラッシュ取付部が設けられて
   いることを特徴とするフラッシを選択可能なカメラ。
3. 【請求項３】 伸長式のフラッシュチューブと反射鏡を
   有する第１のアッセンブリと固定式のフラッシュチュー
   ブと反射鏡を有する第２のアッセンブリよりなる選択式
   フラッシュアッセンブリを形成する工程と、 前記伸長式アッセンブリ用の第１の取付部及び前記固定
   式アッセンブリ用の第２の取付部よりなる選択式フラッ
   シュ取付部を有するコアを形成する工程と、 前記コアにフラッシュ用蓄電器を含むフラッシュ回路板
   を取付ける工程と、 選択された前記伸長式あるいは固定式フラッシュアッセ
   ンブリの一方を前記フラッシュ回路板に電気的に接続
   し、前記選択されたフラッシュアッセンブリに対応した
   取付部に機械的に接続する工程と、 カメラケーシングを用いて前記コアを覆う工程と、 からなることを特徴とするカメラの組立方法。