JPH08176576A - 潤滑油用粘度指数向上剤 - Google Patents

潤滑油用粘度指数向上剤

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JPH08176576A
JPH08176576A JP6318551A JP31855194A JPH08176576A JP H08176576 A JPH08176576 A JP H08176576A JP 6318551 A JP6318551 A JP 6318551A JP 31855194 A JP31855194 A JP 31855194A JP H08176576 A JPH08176576 A JP H08176576A
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JP
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acrylate
alkyl
meth
weight
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JP6318551A
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English (en)
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Masahiro Fukuda
昌弘 福田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 清浄分散作用及び熱安定性共に優れ、さらに
アルキル(メタ)アクリレートの優れた粘度特性及び流
動点降下能をそのまま生かした粘度指数向上剤の提供 【構成】 アルキル(メタ)アクリレートとスチレンと
を特定割合で含む共重合体の存在下に、式(I)で表さ
れる単量体の特定量をラジカル重合させるか、アルキル
(メタ)アクリレートと、スチレンと、式(I)で表さ
れる単量体とを特定割合でラジカル重合させて得られる
重合体を必須成分とする潤滑油用粘度指数向上剤。 【化1】 (式中、R1及びR2はH 又はメチル基、R3はH 、C1-20
アルキル基又はシクロアルキル基、あるいはフェニル基
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は潤滑油の粘度指数向上剤
に関し、更に詳しくは優れた清浄分散作用及び熱安定性
を有する潤滑油の粘度指数向上剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】粘度指
数向上剤は、潤滑油の粘度特性を調節する添加剤であ
り、高温下でも潤滑油の粘性を保つことにより潤滑作用
を保持するため、エンジン油には不可欠なものとなって
いる。従来、潤滑油の粘度指数向上剤としては、油溶性
のポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリイソブ
チレン、エチレン−プロピレン共重合体などが知られて
いるが、これらの中でも、ポリメタクリレート及び/又
はポリアクリレート(以下ポリ(メタ)アクリレートと
略す)は粘度指数向上作用が最も優れており、かつそれ
自体が流動点降下能をも兼ね備えていることから、潤滑
油の粘度指数向上剤として、現在多用されている。
【0003】ガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン
油等の潤滑油は、 200〜300 ℃もの高温下にあるエンジ
ンと直接接触することから、熱及び酸化に対して高度な
安定性が要求される。このような過酷な条件下では種々
の添加剤に由来するスラッジが生じやすいとされてい
る。これらのスラッジはエンジン内壁への沈着を起こ
し、時には、ピストンのリング膠着を引き起こす原因と
なる。このようなスラッジを潤滑油に分散させ、エンジ
ン内壁への沈着を防止するため、種々の清浄分散剤が開
発され、実際に使用されてきた。近年、この清浄分散作
用を粘度指数向上剤に併せ持たせようという試みがなさ
れ、その重合体中に極性基を導入することにより、活性
型粘度指数向上剤として開発されているが、実際にはそ
の効果はまだ不十分で、市場には不活性型のものが大半
を占めている。
【0004】例えば、特公昭34−4992号、特公昭44−57
07号、特公昭51−40883 号、米国特許第2737496 号など
には、極性モノマーとアルキル(メタ)アクリレートを
単に共重合したものが開示されている。これらは清浄分
散効果は多少上昇するものの、極性モノマーの導入部分
からのポリマーの熱分解が促進され、実用上は、エンジ
ン内壁へのデポジットが多く、清浄分散効果、熱安定性
共に充分なものとは言えない。
【0005】これに対して、特公昭51−20237 号や特公
昭53−2883号に見られるように、アルキル(メタ)アク
リレートの基幹ポリマーに極性モノマーを二次的に導入
し、いわゆるグラフト的な構造によって清浄分散性を改
良しようという試みがなされている。これによって清浄
分散性に関しては確かに改善されるが、この場合もアル
キル(メタ)アクリレートの熱安定性が不十分であると
いう欠点は改良できていない。
【0006】さらに、熱安定性を改善するため、特開昭
59−179698号、特開昭57−137391号に見られるように、
基幹ポリマー中に多量のスチレンを導入する方法が提案
されている。しかしながらこの方法では本来アルキル
(メタ)アクリレートの有する優れた粘度指数向上能を
損なってしまうばかりでなく、油溶性が極端に下がって
しまうため、増粘効果も望めず、更には流動性降下能さ
え失われてしまう。また、多量のスチレンはアルキル
(メタ)アクリレートの重合の際、分子量を抑制する効
果があり、実際に必要な比粘度を有する目的物を得るた
めには非常に高濃度単量体溶液で重合する必要があり、
粘度が極端に上昇してしまう結果、実用的製造法とは言
えない。また、特開昭62−220593号に見られるように、
基幹ポリマーの構成モノマーとして少量のスチレンを導
入し、この基幹ポリマーにN−ビニル−2−ピロリドン
のような極性モノマーを二次的に導入する試みもなされ
ている。しかしこの場合も、粘度指数向上能、清浄分散
性及び流動性降下能は満足するが、熱安定性が充分とは
言えない。
【0007】従って、本発明の目的は、清浄分散作用及
び熱安定性共に優れた粘度指数向上剤を提供することに
ある。さらには、上記欠点を改良しアルキル(メタ)ア
クリレートの特性を生かした粘度指数向上剤を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の欠点
を改良するために、鋭意研究を行った結果、アルキル
(メタ)アクリレートと特定量のスチレンを共重合させ
て基礎重合体とした後、該基礎重合体の存在下に特定の
極性モノマーをラジカル重合させるか、又は、アルキル
(メタ)アクリレートと、特定量のスチレンと、特定の
極性モノマーをラジカル重合させることによって清浄分
散作用及び熱安定性共に優れた粘度指数向上剤が、アル
キル(メタ)アクリレートの粘度特性及び流動点降下能
を損なうことなく得られることを見い出し、本発明に到
った。
【0009】即ち、本発明は、下記1)〜4)に示す潤
滑油用粘度指数向上剤を提供するものである。 1)(a) 炭素数8〜20のアルキル基を有する高級アルキ
ル(メタ)アクリレート50〜95重量部((a)〜(d) の合計
量 100重量部に対する値、以下同様) 、(b) 炭素数1〜
4のアルキル基を有する低級アルキル(メタ)アクリレ
ート0〜20重量部、及び(c) スチレン3〜20重量部を構
成モノマー成分とする共重合体の存在下に、(d) 下記一
般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又は
メチル基を示し、R3は水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基又はシクロアルキル基、あるいはフェニル基を示
す。)で表される単量体2〜10重量部をラジカル重合さ
せて得られる重合体を必須成分とする潤滑油用粘度指数
向上剤。 2)(a) 炭素数8〜20のアルキル基を有する高級アルキ
ル(メタ)アクリレート50〜95重量部、(b) 炭素数1〜
4のアルキル基を有する低級アルキル(メタ)アクリレ
ート0〜20重量部、(c) スチレン3〜20重量部、及び
(d) 前記一般式(I)で表される単量体2〜10重量部を
ラジカル重合させて得られる重合体を必須成分とする潤
滑油用粘度指数向上剤。 3)前記一般式(I)で表される単量体が無水マレイン
酸もしくは無水シトラコン酸から誘導された単量体であ
る上記1)又は2)記載の潤滑油用粘度指数向上剤。 4)ラジカル重合の際の重合開始剤が過酸化物系開始剤
である上記1)記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
【0012】本発明において用いられる、炭素数8〜20
のアルキル基を有する高級アルキル(メタ)アクリレー
トとしては、オクチル(メタ)アクリレート、デシル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル
(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレ
ート、オクタデシル(メタ)アクリレート等が挙げら
れ、炭素数10〜18のアルキル基を有する高級アルキル
(メタ)アクリレートが特に好ましく、これらのアルキ
ル基は、直鎖もしくは分岐鎖であっても良い。また、炭
素数1〜4のアルキル基を有する低級アルキル(メタ)
アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】本発明において、上記高級アルキル(メ
タ)アクリレートは本発明の粘度指数向上剤の必須成分
となる重合体を構成するモノマー((a)〜(d))の合計量 1
00重量部に対して50〜95重量部、好ましくは60〜90重量
部の範囲内で用いることができる。95重量部を越える
と、重合体に十分な清浄分散作用や熱安定性を付与する
ことができず、50重量部未満であると、重合体自身の油
溶性が低下してしまい、本来のアルキル(メタ)アクリ
レートの特性である粘度指数向上能を十分に発揮するこ
とができず、また流動点降下能も損なわれてしまう。
【0014】本発明において、上記低級アルキル(メ
タ)アクリレートは、モノマー(a) 〜(d) の合計量 100
重量部に対して0〜20重量部、好ましくは5〜15重量部
の範囲内で用いることができる。20重量部を越えると、
共重合体の油溶性がなくなり、また濁りが生じる等の不
都合が生じるので好ましくない。
【0015】本発明において、スチレンの量は、(a) 〜
(d) の合計量 100重量部に対して3〜20重量部、好まし
くは5〜15重量部の範囲で用いられる。スチレンの量が
3重量部より少ない場合には、重合体に十分な熱安定性
を付与することができず、また、20重量部よりも多い場
合には、重合体自身の油溶性が低下してしまい、本来の
アルキル(メタ)アクリレートの特性である粘度指数向
上能を十分に発揮することができず、また流動点降下能
も損なわれてしまう。
【0016】本発明で用いることのできる、前記一般式
(I)で表される単量体としては、無水マレイン酸もし
くは無水シトラコン酸から誘導された単量体が好まし
く、具体的には、マレイミドや、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−ドデシルマレイミドな
どのN−アルキル置換マレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミドなどのN−シクロアルキル置換マレイミド、
N−フェニルマレイミド等が挙げられるが、このうち、
N−フェニルマレイミドが特に好ましい。
【0017】本発明において、前記一般式(I)で表さ
れる単量体は、本発明の粘度指数向上剤の必須成分とな
る重合体を構成するモノマー((a)〜(d))の合計量 100重
量部に対して2〜10重量部、好ましくは3〜5重量部の
範囲で使用される。2重量部より少ない場合は重合体に
十分な清浄分散作用を与えることができず、また10重量
部より多い場合は重合体自身の油溶性を低下させ、また
残存モノマー量が多くなり、実用的とは言えなくなる。
【0018】本発明における、上記1)に示した高級ア
ルキル(メタ)アクリレート及びスチレンを必須構成モ
ノマーとし、必要により低級アルキル(メタ)アクリレ
ートを構成モノマーとして含む共重合体、または、上記
2)に示した高級アルキル(メタ)アクリレート、スチ
レン及び一般式(I)で表される単量体を必須構成モノ
マーとし、必要により低級アルキル(メタ)アクリレー
トを構成モノマーとして含む重合体は、通常行われてい
る重合方法、例えば各単量体を混合し、アゾ系開始剤ま
たは過酸化物系開始剤などの重合開始剤を用いて、ラジ
カル重合法等によって製造することができる。これら
は、トルエン、ヘキサン等の油溶性溶媒中で重合しても
良いし、直接鉱油中で重合し、基礎重合体として10〜70
重量部を含む鉱油溶液として得ても良い。高級アルキル
(メタ)アクリレート及びスチレンを必須構成モノマー
とし、必要により低級アルキル(メタ)アクリレートを
構成モノマーとして含む共重合体の存在下に、一般式
(I)で表される単量体をラジカル重合させる際に使用
する開始剤としては過酸化物系開始剤が好ましく、通常
用いられるハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステ
ル、ジアシルパーオキサイドを挙げることができるが、
より好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、
ジクミルパーオキサイドなどである。
【0019】本発明において、上記共重合体の存在下
に、一般式(I)で表される単量体をラジカル重合させ
る際、他の共重合可能な単量体を少量添加しても良い。
このような共重合可能な単量体としては次のようなもの
を挙げることができる。即ち、メチル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レート等のアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルフ
マレート、ジ−n−ブチルフマレート等のジアルキルフ
マレート、酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル等の脂肪酸ビ
ニルエステル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビ
ニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、エチレン、
イソブチレン、炭素数8〜32のα−オレフィン、スチレ
ン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体等が挙げら
れる。
【0020】本発明の粘度指数向上剤の必須成分である
重合体を製造する方法としては、上記共重合体の存在下
に一般式(I)で表される単量体をラジカル重合させ、
いわゆるグラフト的に極性基を導入する、上記1)に示
す重合方法と、(a) 高級アルキル(メタ)アクリレー
ト、(b) 低級アルキル(メタ)アクリレート、(c) スチ
レン、及び(d) 一般式(I)で表される単量体を一括し
て重合する、上記2)に示す重合方法があるが、いずれ
の重合方法でも、粘度指数向上能、清浄分散性、熱安定
性、及び流動性降下能を共に満足できる。本発明の粘度
指数向上剤の必須成分である上記重合体は、通常平均分
子量5,000 〜500,000 、好ましくは10,000〜200,000 、
分子量分布10以下、好ましくは5以下を有するが、これ
に限定されるものではない。
【0021】本発明の粘度指数向上剤は、天然又は合成
の潤滑油に適応できる。本発明の粘度指数向上剤は、ガ
ソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油、ギヤー油、
トルクコンバータ油、オートマティックトランスミッシ
ョンフルード(ATF)作動油等の潤滑油に添加して使用す
ることができる。この場合、潤滑油に対して通常1〜30
重量%添加される。この他、金属系清浄分散剤、無灰性
清浄分散剤、酸化防止剤、極圧剤等と併用しても良い。
【0022】
【作用】本発明における作用機構は、必ずしも明らかで
はないが、おそらくスチレンを共重合体中に組み入れる
ことによって、スチレンがいわゆるくさびの役割を果た
し、重合体の熱によるジッパー型の解重合を防止するた
め熱安定性が増すものと考えられる。また、分子中に一
般式(I)で表される単量体を存在させることによって
スラッジに対する吸着力が増し、よりスラッジを分散さ
せる効果を向上させているものと推察される。一方、ポ
リアルキル(メタ)アクリレートの特徴である粘度指数
向上能は、重合体自身の油溶性及びフレキシビリティー
が重要な因子で、高温、低温時の重合体の伸縮により、
その効果を発現している。スチレンが特定量以上になる
と重合体自身の油溶性がなくなり、またリジッドな構造
となるためこのような伸縮が行えなくなる結果、粘度指
数向上能が低下してしまう。従って、本発明のようにス
チレンが特定の範囲内で組み入れられていれば、これら
のアルキル(メタ)アクリレートの特性を生かしつつ清
浄分散性及び熱安定性が得られるものと推察される。
【0023】
【実施例】以下に実施例によって本発明を詳述するが本
発明はこれに限定されるものではない。尚、例中の
「部」は「重量部」である。
【0024】実施例1 メチルメタクリレート8部、炭素数12〜18の直鎖及び分
岐の混合アルキル基を有するアルキルメタクリレート80
部及びスチレン8部を鉱油(150 ニュートラル油)100
部中にてアゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤とし
て80℃、8時間重合した。さらに、このポリマー溶液に
N−フェニルマレイミド4部とt−ブチルパーベンゾエ
ート 0.5部の混合物を110 ℃にて1時間かけて滴下し
た。その後110 ℃にて8時間重合を行い、黄色粘性のあ
る透明液体を得た。得られた粘性のある液体を、粘度指
数 100、流動点−12.5℃を有するニュートラル油で希釈
し、ポリマー分5%に調整した。この希釈溶液の粘度指
数を測定したところ、185 で、優れた粘度指数向上能を
示した。また、この希釈溶液の流動点は−35℃以下であ
った。更にこの希釈溶液について、清浄分散性及び熱安
定性を以下に示すパネルコーキングテストにて評価し
た。清浄分散性については、評点9.5 で十分な性能を示
した。また、熱安定性についてもデポジット量11mgと非
常に良好な結果であった。
【0025】<パネルコーキングテスト>本実施例及び
比較例で得られた粘度指数向上剤を通常のエンジン油濃
度まで鉱油で希釈したものを作成し、このものの清浄分
散性及び熱安定性をパネルコーキングテスターにて評価
した。テスト条件は下記の通りである。
【0026】 (1) 清浄分散性評価 1.パネル温度;250 ℃ 2.油温 ;100 ℃ 3.試験方法 ;10時間連続はねかけ 4.配合油処方;粘度指数向上剤(ポリマー分50%)10部 鉱油(150 ニュートラル油) 90部 5.試料重量 ;250 g パネル評点は、アルミ製テストパネルが試験前と変わら
ない場合を10点とし、パネル表面全体がスラッジ付着に
より、覆われた場合を0点とし、その間を0.5点間隔で
評価した。
【0027】 (2) 熱安定性評価 1.パネル温度;280 ℃ 2.油温 ;100 ℃ 3.試験方法 ;15秒はねかけ、45秒停止の連続サイクル3時間 4.配合油処方; 粘度指数向上剤(ポリマー分50%) 10部 無灰清浄分散剤 OLOA1200(オロナイト化学製) 3部 フェネート OLOA229(オロナイト化学製) 3部 スルフォネート OLOA246B(オロナイト化学製) 2部 ジチオリン酸亜鉛 OLOA269R(オロナイト化学製) 2部 鉱油(150 ニュートラル油) 80部 5.試料重量 ;250 g 評価は、アルミ製テストパネル上に付着した炭化物の量
(デポジット)を測定し、mg数で表した。即ち、少ない
程熱安定性が良好であることを示す。
【0028】比較例1 メチルメタクリレート8部、炭素数12〜18の直鎖及び分
岐の混合アルキル基を有するアルキルメタクリレート80
部及びスチレン8部を鉱油(150 ニュートラル油)100
部中にてアゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤とし
て80℃、8時間重合した。以下、実施例1と同様にN−
ビニル−2−ピロリドン4部を重合させて黄色粘性のあ
る透明液体を得た。このものについて実施例1と同様に
して粘度指数を測定したところ、182 で、優れた粘度指
数向上能を示した。また、この希釈溶液の流動点は−35
℃以下であった。更にパネルコーキングテスターにて同
様に評価したところ、清浄分散性は評点8.5 であった
が、熱安定性評価においてデポジット量25mgで熱安定性
が不十分であった。
【0029】比較例2 スチレンを除き、代わりに炭素数12〜18の直鎖及び分岐
の混合アルキル基を有するアルキルメタクリレートを88
部に増加させる以外は実施例1と全く同様にして粘性の
ある液体を得た。このものについて実施例1と同様に粘
度指数を測定したところ、187 で、優れた粘度指数向上
能を示した。また、流動点は−35℃以下であった。更に
パネルコーキングテスターにて同様に評価したところ、
清浄分散性は評点9.0 で優れていたが、熱安定性評価に
おいてデポジット量55mgで不十分であった。
【0030】比較例3 メチルメタクリレート8部、炭素数12〜18の直鎖及び分
岐の混合アルキル基を有するアルキルメタクリレート84
部及びスチレン8部を鉱油(150 ニュートラル油)100
部中にてアゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤とし
て80℃、8時間重合した。このものについて実施例1と
同様に粘度指数を測定したところ、182 で、優れた粘度
指数向上能を示した。また、この希釈溶液の流動点は−
35℃以下であった。更にパネルコーキングテスターにて
同様に評価したところ、清浄分散性は評点5.5 であり、
熱安定性評価においてデポジット量40mgで清浄分散性、
熱安定性共に不十分であった。
【0031】実施例2 n−ブチルメタクリレート10部、炭素数12〜18の直鎖ア
ルキル基を有するアルキルメタクリレート78部及びスチ
レン10部を鉱油(150 ニュートラル油)100 部中にてラ
ウロイルパーオキサイドを重合開始剤として85℃、6時
間重合した。更に、このポリマー溶液にN−フェニルマ
レイミド2部とt−ブチルパーベンゾエート 0.5部の混
合物を110 ℃にて1時間かけて滴下した。その後 110℃
にて8時間重合を行い、黄色粘性のある透明液体を得
た。実施例1と同様にして、粘度指数を測定したとこ
ろ、192 を示し、良好な粘度指数向上能を示した。ま
た、流動点は−35℃以下であった。更にパネルコーキン
グテスターにて同様に評価したところ、清浄分散性は評
点9.5 であり、熱安定性評価においてデポジット量13mg
で清浄分散性、熱安定性共に優れていた。
【0032】実施例3 t−ブチルパーベンゾエート0.5 部の代わりに、ジ−t
−ブチルパーオキサイド0.5 部を用いた以外は実施例1
と全く同様にして重合を行った。得られた重合物につい
て実施例1と同様にして粘度指数を測定したところ、19
0 で優れていた。また、流動点−35℃以下であった。更
にパネルコーキングテスターにて同様に評価したとこ
ろ、清浄分散性は評点9.5 であり、熱安定性評価におい
てデポジット量14mgで清浄分散性、熱安定性共に優れて
いた。
【0033】実施例4 メチルメタクリレート8部、炭素数12〜18の直鎖及び分
岐の混合アルキル基を有するアルキルメタクリレート80
部及びスチレン8部を鉱油(150 ニュートラル油)100
部中にて実施例1と同様にして重合した。さらに、N−
ドデシルマレイミド4部とt−ブチルパーベンゾエート
0.5部の混合物を実施例1と同様にして滴下、重合し、
黄色粘性のある透明液体を得た。このものについて実施
例1と同様にして粘度指数を測定したところ、190 で優
れていた。また、流動点−35℃以下であった。更にパネ
ルコーキングテスターにて同様に評価したところ、清浄
分散性は評点9.0 であり、熱安定性評価においてデポジ
ット量13mgで清浄分散性、熱安定性共に優れていた。
【0034】実施例5 炭素数12〜18の直鎖及び分岐の混合アルキル基を有する
アルキルメタクリレート86部及びスチレン10部を鉱油
(150 ニュートラル油)100 部中にてアゾビスイソブチ
ロニトリルを重合開始剤として80℃、8時間重合した。
さらに、実施例1と同様にN−フェニルマレイミド4部
を重合し、黄色粘性のある透明液体を得た。このものに
ついて実施例1と同様にして粘度指数を測定したとこ
ろ、180 で優れていた。また、流動点−35℃以下であっ
た。更にパネルコーキングテスターにて同様に評価した
ところ、清浄分散性は評点9.0 であり、熱安定性評価に
おいてデポジット量9mgで清浄分散性、熱安定性共に優
れていた。
【0035】実施例6 メチルメタクリレート8部、炭素数12〜18の直鎖及び分
岐の混合アルキル基を有するアルキルメタクリレート80
部、スチレン8部及びN−フェニルマレイミド4部を鉱
油(150 ニュートラル油)100 部中にてアゾビスイソブ
チロニトリルを重合開始剤として80℃、8時間重合し、
黄色粘性のある透明液体を得た。このものについて実施
例1と同様にして粘度指数を測定したところ、185 で優
れていた。また、流動点−35℃以下であった。更にパネ
ルコーキングテスターにて同様に評価したところ、清浄
分散性は評点9.0 であり、熱安定性評価においてデポジ
ット量18mgで清浄分散性、熱安定性共に優れていた。
【0036】上記実施例1〜6及び比較例1〜3で得ら
れた評価結果を表1にまとめて記した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明によ
って、清浄分散作用及び熱安定性に優れ、しかもアルキ
ル(メタ)アクリレートの優れた粘度特性及び流動点降
下能をそのまま生かした粘度指数向上剤を提供すること
ができた。これによって、ガソリンエンジン油、ディー
ゼルエンジン油などの潤滑剤に求められている性能が満
足される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:02 30:04 30:08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 炭素数8〜20のアルキル基を有する
    高級アルキルアクリレート又はメタクリレート(以下
    (メタ)アクリレートと略記)50〜95重量部((a)〜(d)
    の合計量 100重量部に対する値、以下同様)、(b) 炭素
    数1〜4のアルキル基を有する低級アルキル(メタ)ア
    クリレート0〜20重量部、及び(c) スチレン3〜20重量
    部を構成モノマー成分とする共重合体の存在下に、(d)
    下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を示
    し、R3は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はシク
    ロアルキル基、あるいはフェニル基を示す。)で表され
    る単量体2〜10重量部をラジカル重合させて得られる重
    合体を必須成分とする潤滑油用粘度指数向上剤。
  2. 【請求項2】 (a) 炭素数8〜20のアルキル基を有する
    高級アルキル(メタ)アクリレート50〜95重量部、(b)
    炭素数1〜4のアルキル基を有する低級アルキル(メ
    タ)アクリレート0〜20重量部、(c) スチレン3〜20重
    量部、及び(d)前記一般式(I)で表される単量体2〜1
    0重量部をラジカル重合させて得られる重合体を必須成
    分とする潤滑油用粘度指数向上剤。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)で表される単量体が無
    水マレイン酸もしくは無水シトラコン酸から誘導された
    単量体である請求項1又は2記載の潤滑油用粘度指数向
    上剤。
  4. 【請求項4】 ラジカル重合の際の重合開始剤が過酸化
    物系開始剤である請求項1記載の潤滑油用粘度指数向上
    剤。
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