JP2754341B2 - 新規な粘度指数向上剤 - Google Patents
新規な粘度指数向上剤Info
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Description
る。更に詳しくは、異性化パラフィンを含有する高粘度
指数鉱物油用の粘度指数向上剤に関する。
て、潤滑油や作動油は低温粘度の低いことが強く望まれ
るようになってきた。これを解決する手段の一つとして
異性化パラフィンを含有する高粘度指数油、またはこれ
と通常の溶剤精製鉱物油や合成潤滑油、MLDW油との
併用が行われるようになりつつある。これに対し流動点
降下剤を用いて低温粘度を良くする試みがなされてお
り、その例としては、特開昭54−70305号公報等
に認められるが、本高粘度指数油用に好適な粘度指数向
上剤が要望されている。。
油と組成が著しく異なり、またこれに伴い粘度指数が高
い高粘度指数油に用いられた場合、優れた低温粘度を与
える粘度指数向上剤を開発する。特に、粘度指数130
〜150程度の高粘度指数油に好適な粘度指数向上剤を
開発する。
した結果、特定割合で、特定のアルキル炭素数を有する
メタクリレート系ポリマーを、近年使用されつつある高
粘度指数油に用いると極めて低い低温粘度を与えること
を見いだし本発明に至った。すなわち、本発明は、構成
単位として、アルキル基の炭素数が各々、1〜4のアル
キルメタクリレート(a1)と、12〜13のアルキル
メタクリレート(a2)、14〜15のアルキルメタク
リレート(a3)、及び必要により16〜18のアルキ
ルメタクリレート(a4)とを含有する重合体(A)か
らなり、(a2):(a3)の重量比が4:6〜1:1
9の範囲にあり、(a2)、(a3)および(a4)の
合計重量に基ずき(a4)は0〜20%、(a1)は5
〜30%の範囲にある、異性化パラフィンを含有する高
粘度指数油用の粘度指数向上剤である。
(a1)〜(a4)とは、アルキル基の炭素数1〜18
の直鎖または/および分枝アルキル基を有するメタクリ
レート類である。これらの例としては、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリ
レート、n−ブチルメタクリレート、s−ブチルメタク
リレート、t−ブチルメタクリレート、ドデシルメタク
リレート、トリデシルメタクリレート、テトラデシルメ
タクリレート、ペンタデシルメタクリレート、セチルメ
タクリレート、オクタデシルメタクリレート等が挙げら
れる。これらメタクリレートは、メタクリル酸やメチル
メタクリレート等と天然または合成アルコールとの直接
エステル化、またはエステル交換によって容易に製造す
ることができる。天然アルコールを用いればアルキル基
は直鎖のものとなり炭素数は偶数のものとなる。合成ア
ルコールを用いると、例えばドバノール(三菱油化製)
を用いるとアルキル基は直鎖と分枝の混合したものとな
り、炭素数も奇数、偶数の混合したものとなる。これら
各種のメタクリレート類の内、低温粘度の低い潤滑油等
を与える上で、(a2):(a3)の重量比が4:6〜
1:19の範囲にあり、(a2)、(a3)および(a
4)の合計重量に基ずき(a4)は0〜20%、(a
1)は5〜30%の範囲にあることが必要である。(a
4)が0〜15%の範囲にあるときに特に好ましい。
子量がある。通常重量平均分子量(Mw)で1〜30万
の範囲にあることが必要である。1万未満では増粘効果
が不足し、30万を越えるとせん断安定性が悪くなる。
駆動系潤滑油(マニュアルトランスミッション油、デフ
ァレンシャルギヤ油、オートマチックトランスミッショ
ン油など)に用いられる場合には、好ましくはMwが2
〜15万であり、作動油(建設機械の作動油、パワース
テアリング油、ショックアブソーバー油など)に用いら
れる場合にはMwは3〜30万の範囲にあるときに好ま
しい。尚、本分子量はポリスチレンを検量線として用い
たGPCによる値である。
キルメタアクリレートからなる共重合体であるが、必要
に応じて窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1
種以上の原子を有する単量体を1種以上含有する重合体
でもよい。導入方法としてランダム共重合やグラフト共
重合、グラフト付加等が挙げられる。この場合には、粘
度指数向上剤に清浄分散性や抗酸化性などを付与でき好
ましい。この例としては、USP5013468、US
P5013470、EP508012、UP46068
34、USP4036766、USP4036768、
USP4904404、USP4812261、USP
4668412、USP4790948、USP479
5577、特開昭60−110790、特開昭62−1
41096、特開平02−296811、特開平04−
211498等に記載されているもの等が使用できる。
具体的な例としては、ランダム共重合や、グラフト共重
合する化合物の例としては、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルチオピロリドン、ビニルピリジン、N,N−ジ
アルキルアミノアルキレン(メタ)アクリレート(アル
キル基の炭素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルア
ミノアルキレン(メタ)アクリルアミド(アルキル基の
炭素数は、通常1〜4)、ビニルイミダゾール、モルフ
ォリノアルキル(メタ)アクリレート等や、アミノフェ
ノチアジン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノ
カルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、
アミノピロール、アミノイミダゾリン、アミノメルカプ
トチアゾール、アミノピペリジン残基を有する(メタ)
アクリレート誘導体等各種のものが挙げられる。また、
グラフト付加する化合物の例としては、メタアクリレー
トの共重合時にカルボン酸化合物(無水マレイン酸、メ
タアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸など)を少量
(例えば0.5〜5重量%)共重合し、これに(ポリ)
アミン類でアミド化、イミド化したものや、ホルムアル
デヒドと(ポリ)アミン類でマンニッヒ縮合させたもの
などが挙げられる。さらには、共重合体(A)にラジカ
ル触媒等を用いて非ビニル化合物(例えば、フェノチア
ジン類、イミダゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾ
ール類、トリアゾール類、チアゾリンジン類、ピリミジ
ン類、ピペラジン類、ピロリジノン類、オキサゾール
類、チオモルフォリン類等)をグラフト付加させたもの
などが挙げられる。これら各種の化合物の重合体(A)
中における量は、通常20重量%以下であり、好ましく
は10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下であ
る。
して、30重量%未満、好ましくは20重量%未満の範
囲で,(a1)〜(a4)以外に、重合可能な二重結合
を有する他の化合物を含有することができる。これらの
例としては、例えばアルキル基の炭素数1〜30の不飽
和モノまたは/およびポリカルボン酸エステル類(オク
チルメタクリレート、i−デシルメタクリレート、エイ
コシルメタクリレート、ブチルクロトネート、オクチル
クロトネート、ドデシルクロトネート、ジブチルマレエ
ート、ジオクチルフマレート、ジラウリルマレエート、
ジステアリルフマレート、ジオクチルイタコネート、ジ
ラウリルイタコネート等)や、ビニル芳香族化合物(ス
チレン、ビニルトルエン等)、ビニルエーテル類(メチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等)、ビニル
エステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、ア
ルファオレフィン類(デセン、ドデセン等)等が挙げら
れる。
よって容易に得ることができる。例えば前記したモノマ
ー類を鉱物油や溶剤中でラジカル重合することにより得
られる。この場合、重合触媒としてアゾ系(例えば、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル
等)や過酸化物系(例えば、ベンゾイルパーオキシド、
クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシド等)を用い
る。
降下剤を含有していることが好ましい。この流動点降下
剤としては、ポリメタクリレートの従来公知のものが使
用される。例えば、アルキル基の炭素数が10〜20の
アルキルメタクリレート系のもの、又これらメタクリレ
ート系のもので組成や分子量が異なる2種類以上のもの
を組み合わせたもの(例えば、特開昭54−70305
等に記載のもの)や、更には非常に高分子量のもの(例
えばUSP5229021のものなど)等が挙げられ
る。このように流動点降下剤を含有する場合には、重合
体(A)100重量部に対し流動点降下剤は通常30重
量部以下、好ましくは20重量部以下である。
化パラフィン含有高粘度指数油とは、通常の溶剤精製な
どによって製造されるものとは、性能的にも組成的にも
大きく異なるものである。この高粘度指数油は、オラン
ダ国特許出願第7613854号や特開平5−2143
49等に記載の方法で製造されるものである。すなわ
ち、n−パラフィンを触媒を用いて水素化分解しi−パ
ラフィンに異性化した成分を含有するものである。この
時の水素化分解触媒としては、貴金属触媒などが通常用
いられる。尚、このようにして製造されたi−パラフィ
ン含有異性化鉱物油を、更に溶剤精製したものも本発明
の対象鉱物油に含まれる。このような異性化パラフィン
含有鉱物油は、通常の溶剤精製鉱物油とは組成が大きく
異なることから、粘度指数は大きく、製造法やi−パラ
フィン含量などにより異なるが通常110〜160程度
のものとなる(通常の鉱物油は、粘度指数が90〜10
5程度)。本発明の粘度指数向上剤は、異性化パラフィ
ン含有高粘度指数油単独に使用されることは当然である
が、これに通常の鉱物油や合成潤滑油、更にはMLDW
油等と混合された場合も本発明に含まれる。ここで、通
常の鉱物油とは、減圧蒸留油や脱れき油等をフルフラー
ル等により芳香族成分を溶剤で除去した後、トルエン/
メチルエチルケトン混合溶剤やプロパン溶剤により脱ろ
うしたものをいう。又、合成潤滑油とは、エステル系の
もの(トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ヘキサメチレンジオール等のアルコール類と脂肪酸
とのエステル類や、アジピン酸と脂肪族アルコールとの
エステルなど)やポリオレフィン系のもの(例えばデセ
ンオリゴマーなどのPAO系のものなど)である。ま
た、MLDW油とは、モービル・ルーブ・ディワキシン
グと呼ばれるプロセスで製造されるもので、具体的には
合成ゼオライト触媒などによりワックスを分解・除去し
たものである。高粘度指数油と他のものが配合されて使
用される場合も本発明に含まれるが、この場合高粘度指
数油の含量は100〜30容量%程度である。
共に用いられ、低温粘度が低いとの特性を活かして、駆
動系潤滑油、作動油に最適のものとなる。
分、例えば清浄剤(スルフォネート系、サリチレート
系、フェネート系、ナフテネート系のもの等)、分散剤
(イソブテニルコハク酸イミド系、マンニッヒ縮合物系
等)、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン
系、ヒンダードフェノール系等)、油性剤(脂肪酸系、
脂肪酸エステル系等)、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジ
チオフォスフェート、モリブデンカーバメイト等)、極
圧剤(硫黄リン系、クロル系等)を含んでいても良い。
が、本発明はこれに限定されるものではない。尚、特に
断わらない限り%は重量%を表すものとする。
ーを付けたガラス性の1リッター反応器に、鉱物油を3
00g入れ、窒素にて反応器中の空気を置換した後、7
0℃に温度を上げ少量の窒素を流しつつ、単量体として
メチルメタクリレート(以下MMAと略す)50g,ド
デシルメタクリレートとトリデシルメタクリレートとの
混合物(ドバノールから製造したもの、以下12/13
MAと略す)25g,テトラデシルメタクリレートとペ
ンタデシルメタクリレートとの混合物(ドバノールから
製造したもの、以下14/15MAと略す)200g,
セチルメタクリレートとオクタデシルメタクリレートの
7:3重量比混合物(以下16/18MAと略す)25
g、触媒としてアゾビスバレロニトリル0.9g,連鎖
移動剤としてラウリルメルカプタン1.4gの混合液を
4時間にわたって滴下し、更に3時間同温度に保ち重合
を完結させた。その結果、Mw4.0万、Mw/Mn
1.9のポリマー濃度49%の重合物を得た。本重合物
は(a2):(a3)=1:8で、(a4)は10%、
(a1)は20%である。
12/13MA50g,14/15MA175g、16
/18MA25gを使用した以外、実施例1と同様な方
法で重合を行い、Mw3.9万、Mw/Mn1.9のポ
リマー濃度49%の重合物を得た。本重合物は(a
2):(a3)=1:3.5、(a4)は10%、(a
1)は20%である。
12/13MA75g,14/15MA150g、16
/18MA25gを使用した以外、実施例1と同様な方
法で重合を行い、Mw4.0万、Mw/Mn1.9のポ
リマー濃度49%の重合物を得た。本重合物は(a
2):(a3)=1:2、(a4)は10%,(a4)
は20%である。
12/13MA60g,14/15MA168g,16
/18MA12gを使用した以外、実施例1と同様な方
法で重合を行い、Mw4.0万、Mw/Mn2.0のポ
リマー濃度49%の重合物を得た。本重合物は(a
2):(a3)=1:2.8、(a4)は5%、(a
1)は25%である。
12/13MA72g,14/15MA168gを使用
した以外、実施例1と同様な方法で重合を行い、Mw
3.9万、Mw/Mn1.9のポリマー濃度49%の重
合物を得た。本重合物は(a2):(a3)=1:2.
3、(a4)は0%、(a1)は25%である。
12/13MA225g,16/18MA25gを用い
た以外は実施例1と同様な方法で重合を行い、Mw3.
7万、Mw/Mn1.7のポリマー濃度49%の重合物
をえた。本重合物は(a3)成分が使用されていない。
(a4)は10%、(a1)は20%である。
12/13MA200g,16/18MA50gを用い
た以外は実施例1と同様な方法で重合を行い、Mw3.
8万、Mw/Mn1.9のポリマー濃度49%の重合物
を得た。本重合物は(a3)成分が使用されていない。
(a4)は20%、(a1)は20%である。
12/13MA162g,14/15MA25g,16
/18MA63gを用いた以外は実施例1と同様な方法
で重合を行い、Mw.9万、Mw/Mn2.0のポリマ
ー濃度49%の重合物を得た。本重合物は(a2):
(a3)=6.5:1、(a4)は25%、(a1)は
20%である。
12/13MA95g、14/15MA93g,16/
18MA62gを用いる以外は、実施例1と同様な方法
で重合を行いMw3.9万、Mw/Mn1.8のポリマ
ー濃度49%の重合物を得た。本重合物は(a2):
(a3)=1:1、(a4)は25%、(a1)は20
%である。
12/13MA113g、14/15MA75g,16
/18MA62gを用いる以外は、実施例1と同様な方
法で重合を行いMw3.9万、Mw/Mn1.8のポリ
マー濃度49%の重合物を得た。本重合物は(a2):
(a3)=1.5:1、(a4)は25%、(a1)は
20%である。
施例1〜5の重合物、比較例1〜5の重合物を16〜1
7%、流動点降下剤としてアクルーブ122(三洋化成
工業株式会社製)1%を、高粘度指数油A(粘度指数1
23の100ニュートラル油)及び高粘度指数油B(粘
度指数138の100ニュートラル油)に各々添加し、
オートマチックトランスミッション油に必要な100℃
での動粘度を7.4〜7.6cStに調製した。これら
の−40℃での粘度を測定し表1の結果を得た。表1か
ら明らかなように本発明のものは低温時粘度が低いこと
が判る。
わりに通常の溶剤精製鉱物油A(粘度指数101の10
0ニュートラル油)、溶剤精製鉱物油B(粘度指数98
の100ニュートラル油)に実施例1〜5のもの、比較
例1〜5のものを実施使用例1〜5、比較使用例1〜5
と同様にして加え、−40℃の粘度を測定し、表2の結
果を得た。表2から判るように、通常の鉱物油を用いた
場合には、実施例1〜5、比較例1〜5の場合とも低温
粘度は余り変わらない。このことは、高粘度指数油と通
常の鉱物油とでは同じ粘度指数向上剤を用いても、低温
粘度に与える影響が随分、異なっていることを示してい
る。
17)実施例1,実施例4,実施例5、比較例1、比較
例3のものを用い、流動点降下剤を用いなかった以外
は、実施使用例1〜5、比較使用例1〜5と同様にして
−40℃粘度を測定して表3の結果を得た。
〜19)実施例1、実施例4、実施例5、比較例1、比
較例3のものを用い、基油として高粘度指数油A:通常
鉱物油A=50:50(容量%;基油Aと略す)、高粘
度指数油B:通常鉱物油B=50:50(容量%;基油
Bと略す)を用いた以外は、実施使用例1〜5、比較使
用例1〜5と同様にして−40℃粘度を測定し表4の結
果を得た。
に、本発明の向上剤を高粘度指数油に用いると、非常に
低い低温(−40℃)時粘度を与えることが判る。粘度
指数123の高粘度指数油Aにも低い低温時粘度を与え
ているが、特に粘度指数138の高粘度指数油Bに対し
て顕著な効果を与えていることが判る。
Claims (3)
- 【請求項1】 構成単位として、アルキル基の炭素数が
各々、1〜4のアルキルメタクリレート(a1)と、1
2〜13のアルキルメタクリレート(a2)、14〜1
5のアルキルメタクリレート(a3)、及び必要により
16〜18のアルキルメタクリレート(a4)とを含有
する重合体(A)からなり、(a2):(a3)の重量
比が4:6〜1:19の範囲にあり、(a2)、(a
3)および(a4)の合計重量に基ずき(a4)は0〜
20%、(a1)は5〜30%の範囲にある、異性化パ
ラフィンを含有する高粘度指数油用の粘度指数向上剤。 - 【請求項2】 更に流動点降下剤(B)を含有する請求
項1に記載の向上剤。 - 【請求項3】 駆動系潤滑油用、作動油用である請求項
1または2に記載の向上剤。
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