JP3999307B2 - 低温粘度特性がよい粘度指数向上剤 - Google Patents

低温粘度特性がよい粘度指数向上剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘度指数向上剤に関する。更に詳しくは、異性化パラフィンを含有する高粘度指数鉱物油用の粘度指数向上剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の省燃費という社会的要請によって、潤滑油や作動油は低温粘度の低いことが強く望まれるようになってきた。これを解決する手段の一つとして異性化パラフィンを含有する高粘度指数油、またはこれと通常の溶剤精製鉱物油や合成潤滑油、MLDW油との併用が行われるようになりつつある。これに対し流動点降下剤を用いて低温粘度を良くする試みがなされており、その例としては、特開昭54−70305号公報等に認められるが、本高粘度指数油用に好適な粘度指数向上剤が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、通常の鉱物油と組成が著しく異なり、またこれに伴い粘度指数が高い高粘度指数油に用いられた場合、優れた低温粘度を与える粘度指数向上剤を開発する。特に、粘度指数115〜150程度の高粘度指数油に好適な粘度指数向上剤を開発する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定割合で、特定のアルキル炭素数を有する(メタ)アクリレート系ポリマーを、近年使用されつつある高粘度指数油に用いると極めて低い低温粘度を与えることを見いだし本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)から構成される重合体(A)と炭素数1〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b1)を0〜90モル%、炭素数14〜24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b2)を10〜100モル%から構成される重合体(B)と炭素数1〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(c1)を3〜87モル%、炭素数14〜24のアルキル基を有すアルキル(メタ)アクリレート(c2)を13〜97モル%から構成される重合体(C)との混合物からなり、(A)のガラス転移温度が−40℃以下であり、(b1)と(c1)のモル%および(b2)と(c2)のモル%が、それぞれ3モル%以上異なり、(A)が80〜99重量%,(B)が0.1〜19.9重量%、(C)が0.1〜19.9重量%含有されている、異性化パラフィンを含有する高粘度指数油用の粘度指数向上剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に於て用いられるアルキルアクリレート(a1)とはアルキル基の炭素数8〜12の直鎖または/および分枝アルキル基を有するアクリレート類である。これらの例としては、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート等が挙げられる。これらのアクリレートは、アクリル酸やメチルアクリレート等と天然または合成アルコールとの直接エステル化、またはエステル交換反応によって容易に製造することができる。天然アルコールを用いればアルキル基は直鎖のものとなり炭素数は偶数のものとなる。合成アルコールを用いると、例えばドバノール(三菱油化製)を用いるとアルキル基は直鎖と分枝の混合したものとなり、炭素数も奇数、偶数の混合したものとなる。これらのアルキルアクリレートの内、特に好ましいのはアルキル基の炭素数が8〜10のアルキルアクリレートであり、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート等が挙げられる。これらのアルキルアクリレートの内、特に好ましいのはアルキル基の炭素数が8〜10のアルキルアクリレートであり、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート等が挙げられる。アルキルメタクリレート(a2)とはアルキル基の炭素数8〜12の直鎖または/および分枝アルキル基を有するメタクリレート類である。これらの例としては、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等が挙げられる。これらのメタクリレートは、メタクリル酸やメチルメタクリレート等と天然または合成アルコールとの直接エステル化、またはエステル交換反応によって容易に製造することができる。天然アルコールを用いればアルキル基は直鎖のものとなり炭素数は偶数のものとなる。合成アルコールを用いると、例えばドバノール(三菱油化製)を用いるとアルキル基は直鎖と分枝の混合したものとなり、炭素数も奇数、偶数の混合したものとなる。これらのアルキルメタクリレートの内、特に好ましいのはアルキル基の炭素数が10〜12のアルキルメタクリレートであり、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート(b1)およびアルキル(メタ)アクリレート(c1)とは、アルキル基の炭素数1〜13の直鎖および/または分枝アルキル基を有する(メタ)アクリレート類である。これらの例としては、メチル(メタ)クリレート、エチル(メタ)クリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチル−1−プロピル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらメタクリレートは、(メタ)アクリル酸やメチル(メタ)アクリレート等と天然または合成アルコールとの直接エステル化、またはエステル交換反応によって容易に製造することができる。天然アルコールを用いればアルキル基は直鎖のものとなり炭素数は偶数のものとなる。合成アルコールを用いると、例えばドバノール(三菱油化製)を用いるとアルキル基は直鎖と分枝の混合したものとなり、炭素数も奇数、偶数の混合したものとなる。ダイアドール(三菱化学製)を用いるとアルキル基は直鎖と分岐の混合したものとなり、炭素数は奇数のもののみとなる。これらの内、特に好ましいのはアルキル基の炭素数が8〜13のアルキル(メタ)アクリレートであり、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート(b2)およびアルキル(メタ)アクリレート(c2)とは、アルキル基の炭素数14〜24の直鎖および/または分枝アルキル基を有する(メタ)アクリレート類である。これらの例としては、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらメタクリレートは、(メタ)アクリル酸やメチル(メタ)アクリレート等と天然または合成アルコールとの直接エステル化、またはエステル交換反応によって容易に製造することができる。天然アルコールを用いればアルキル基は直鎖のものとなり炭素数は偶数のものとなる。合成アルコールを用いると、例えばドバノール(三菱油化製)を用いるとアルキル基は直鎖と分枝の混合したものとなり、炭素数も奇数、偶数の混合したものとなる。ダイアドール(三菱化学製)を用いるとアルキル基は直鎖と分岐の混合したものとなり、炭素数は奇数のもののみとなる。これらのアルキル(メタ)アクリレートの内、特に好ましいのはアルキル基の炭素数が14〜22のアルキル(メタ)アクリレートであり、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0007】
これら各種の(メタ)アクリレート類の内、低温粘度の低い潤滑油等を与える上で、重合体Aについては(a)のみから構成され、重合体(B)については(b1)が0〜90モル%、(b2)が10〜100モル%から構成され、重合体(C)については(c1)が3〜87モル%、(c2)が13〜97モル%から構成されており、(b1)と(c1)のモル%および(b2)と(c2)のモル%が、それぞれ3モル%以上異なり、(A)が80〜99重量%、(B)が0.1〜19.9重量%、(C)が0.1〜19.9重量%含有することが必要である。特に、重合体(A)は(a)が炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから構成され、重合体(B)については(b1)が0〜85モル%、(b2)が15〜100モル%から構成され、重合体(C)については(c1)が5〜82モル%、(c2)が18〜95モル%から構成されており、(b1)と(c1)のモル比および(b2)と(c2)のモル比が、それぞれ5モル%以上異なり、(A)が90〜99重量%、(B)が1〜9重量%、(C)が1〜9重量%含有することが必要である。
【0008】
重合体(A)は炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから構成されるばかりではなく、当該重合体のガラス転移温度が−40℃以下であることが必要である。特に、好ましくは−50℃以下であることが必要である。ガラス転移温度は示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、略称、DSC)によって測定することができる。測定は、例えば、窒素雰囲気下、サンプル採取量約5mg、温度範囲−180〜80℃、昇温速度10℃/min.の条件下で行われる。
【0010】
本発明の重合体(A)、(B)および(C)は、通常の方法によって容易に得ることができる。例えば前記したモノマー類を鉱物油や溶剤中でラジカル重合することにより得られる。この場合、重合開始剤としてアゾ系(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等)や過酸化物系(例えば、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシド等)を用いる。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、(A)は1〜100万、(B)および(C)は1〜20万である。
【0011】
本発明の粘度指数向上剤が添加される異性化パラフィン含有高粘度指数油とは、通常の溶剤精製などによって製造されるものとは、性能的にも組成的にも大きく異なるものである。この高粘度指数油は、オランダ国特許出願第7613854号、特開平3−223393号公報、特開平5−214349号公報、特開平6−116572号公報等に記載の方法で製造されるものである。すなわち、オランダ国特許出願第7613854号、特開平5−214349号公報、特開平6−116572号公報等に記載の方法で製造されるものでは、n−パラフィンを触媒を用いて水素化分解しイソパラフィンに異性化した成分を含有するものである。この時の水素化分解触媒としては、貴金属触媒などが通常用いられる。また、特開平3−223393等に記載の方法で製造されるものでは、減圧蒸留留出油、脱歴油等を触媒を用いて水素化分解しイソパラフィンに異性化した成分を含有するものである。この時の水素化触媒としては、貴金属触媒が通常用いられる。尚、このようにして製造されたイソパラフィン含有異性化鉱物油を、更に溶剤精製したものも本発明の対象鉱物油に含まれる。このような異性化パラフィン含有鉱物油は、通常の溶剤精製鉱物油とは組成が大きく異なることから、粘度指数は大きく、製造法やイソパラフィン含量などにより異なるが通常115〜150程度のものとなる(通常の鉱物油は、粘度指数が90〜105程度)。
【0012】
本発明の粘度指数向上剤は、異性化パラフィン含有高粘度指数油単独に使用されることは当然であるが、これに通常の鉱物油や合成潤滑油、更にはMLDW油等と混合された場合も本発明に含まれる。ここで、通常の鉱物油とは、減圧蒸留油や脱れき油等をフルフラール等により芳香族成分を溶剤で除去した後、トルエン/メチルエチルケトン混合溶剤やプロパン溶剤により脱ろうしたものをいう。又、合成潤滑油とは、エステル系のもの(トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチレンジオール等のアルコール類と脂肪酸とのエステル類や、アジピン酸と脂肪族アルコールとのエステルなど)やポリオレフィン系のもの(例えばデセンオリゴマーなどのPAO系のものなど)である。また、MLDW油とは、モービル・ルーブ・ディワキシングと呼ばれるプロセスで製造されるもので、具体的には合成ゼオライト触媒などによりワックスを分解・除去したものである。高粘度指数油と他のものが配合されて使用される場合も本発明に含まれるが、この場合、高粘度指数油の含量は100〜30容量%程度である。
【0013】
本発明の粘度指数向上剤は高粘度指数油と共に用いられ、低温粘度が低いとの特性を活かして、SAE5W−30グレード等のような低粘度タイプのマルチグレードエンジン油、SAE75W−90グレード等のようなマルチグレードギアギア油、オートマチックトランスミッション油等の駆動系潤滑油、建設機械等に使用される高粘度指数作動油や数値制御工作機械(NCマシン)作動油等の製造に最適のものとなる。
【0014】
本発明の粘度指数向上剤は、他の任意成分、例えば清浄剤(スルフォネート系、サリチレート系、フェネート系、ナフテネート系のもの等)、分散剤(イソブテニルコハク酸イミド系、マンニッヒ縮合物系等)、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、ヒンダードフェノール系等)、流動点降下剤、油性剤(脂肪酸系、脂肪酸エステル系等)、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンカーバメイト等)、極圧剤(硫黄リン系、クロル系等)を含んでいても良い。
【0015】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、特に断わらない限り%は重量%を表すものとする。
【0016】
合成例A1
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素吹き込み管を付けた1リットル四ツ口フラスコに、100ニュートラルの鉱物油を214g仕込み、窒素置換を行った後、85℃に昇温した。その後、窒素雰囲気下、この温度に保って単量体として、デシルメタクリレート500g,重合開始剤としてアゾビスジメチルバレロニトリル2.0g,連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン5.0gの混合物を3時間にわたって滴下し、さらに3時間、同温度に保ち反応を完結させ、ガラス転移温度−70℃、重量平均分子量4.8万、ポリマー濃度69%の重合体溶液を得た。
【0017】
合成例A2
単量体としてドデシルメタクリレート500gを使用する以外、合成例A1と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度−65℃、重量平均分子量4.5万、ポリマー濃度69%の重合体溶液を得た。
【0018】
合成例A3
単量体として2−エチル−ヘキシルアクリレート75g、ドデシルメタクリレート425gを使用する以外、合成例A1と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度−63℃、重量平均分子量4.2万、ポリマー濃度69%の重合体溶液を得た。
【0019】
合成例A4
単量体としてオクチルアクリレート40g、デシルメタクリレート460g使用する以外、合成例A1と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度−69℃、重量平均分子量4.3万、ポリマー濃度69%の重合体溶液を得た。
【0020】
合成例A5
単量体としてテトラデシルアクリレート500gを使用する以外、合成例A1と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度14℃、重量平均分子量4.2万、ポリマー濃度69%の重合体溶液を得た。
【0021】
合成例A6
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素吹き込み管を付けた1リットル四ツ口フラスコに、100ニュートラルの鉱物油を300g仕込み、窒素置換を行った後、75℃に昇温した。その後、窒素雰囲気下、この温度に保って単量体としてn−オクチルアクリレート500g、重合開始剤としてアゾビスジメチルバレロニトリル00.5gの混合物を3時間にわたって滴下し、さらに3時間、同温度に保ち反応を完結させ、ガラス転移温度−65℃、重量平均分子量19.0万、ポリマー濃度39%の重合体溶液を得た。
【0022】
合成例A7
単量体としてドデシルメタクリレート500g使用する以外、合成例A6と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度−65℃、重量平均分子量20,0万、ポリマー濃度39%の重合体溶液を得た。
【0023】
合成例A8
単量体として2−エチル−ヘキシルアクリレート120g、ドデシルメタクリレート380gを使用する以外、合成例A6と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度−62℃、重量平均分子量18,0万、ポリマー濃度39%の重合体溶液を得た。
【0024】
合成例A9
単量体としてデシルメタクリレート235g、ドデシルメタクリレート265gを使用する以外、合成例A6と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度−68℃、重量平均分子量21,0万、ポリマー濃度39%の重合体溶液を得た。
【0025】
合成例A10
単量体としてテトラデシルメタクリレート500gを使用する以外、合成例A6と同様な方法で重合を行い、ガラス転移温度14℃、重量平均分子量21,0万、ポリマー濃度39%の重合体溶液を得た。
【0026】
合成例B1
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素吹き込み管を付けた1リットル四ツ口フラスコに、100ニュートラルの鉱物油を267g仕込み、窒素置換を行った後、80℃に昇温した。その後、窒素雰囲気下、この温度に保って単量体としてドデシルメタクリレート350g,セチルメタクリレート70g,オクタデシルメタクリレート80g、重合開始剤としてアゾビスジメチルルバレロニトリル2.0g,連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン3.0gの混合物を3時間にわたって滴下し、さらに3時間、同温度に保ち反応を完結させ、重量平均分子量4.0万、ポリマー濃度59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(b1):(b2)=75:25である。
【0027】
合成例B2
単量体としてドバノール23(三菱油化製の炭素数12および13を有するオキソアルコール、のメタクリレート250g、ドバノール45(三菱油化製の炭素数14および15のオキソアルコール)のメタクリレート250gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量6,0万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(b1):(b2)=52:48である。
【0028】
合成例B3
単量体としてドバノール23(合成例B2に同じ)のメタクリレート200g、ドバノール45(合成例B2に同じ)のメタクリレート200g、セチルメタクリレート60g、オクタデシルメタクリレート40gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量5.6万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(b1):(b2)=44:56である。
【0029】
合成例B4
単量体としてドバノール23(合成例B2に同じ)のメタクリレート180g、ドバノール45(合成例B2に同じ)のメタクリレート150g、セチルメタクリレート110g、オクタデシルメタクリレート60gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量5.4万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(b1):(b2)=40:60である。
【0030】
合成例B5
単量体としてドバノール23(合成例B2に同じ)のメタクリレート230g、テトラデシルメタクリレート75g、セチルメタクリレート135g、オクタデシルメタクリレート60gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量4.8万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(b1):(b2)=50:50である。
【0031】
合成例B6
単量体としてドデシルアクリレート335g、アイコシルメタクリレート165gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量5.3万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(b1):(b2)=70:30である。
【0032】
合成例C1
単量体としてドデシルメタクリレート400g、テトラデシルメタクリレート75g、セチルメタクリレート20g、オクタデシルメタクリレート5gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量5.2万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(c1):(c2)=82:18である。
【0035】
合成例C4
単量体としてドバノール23(合成例B2に同じ)のメタクリレート140g、ドバノール45(合成例B2に同じ)280g、セチルメタクリレート50g、オクタデシルメタクリレート30gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量4.5万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(c1):(c2)=30:70である。
【0036】
合成例C5
単量体としてドデシルメタクリレート280g、テトラデシルメタクリレート160g、セチルメタクリレート40g、オクタデシルメタクリレート20gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量4.5万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(c1):(c2)=60:40である。
【0037】
合成例C6
単量体としてドデシルアクリレート435g、セチルメタクリレート65gを使用する以外、合成例B1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量5.3万、ポリマー濃59%の重合体溶液を得た。本重合体の組成はモル%において(c1):(c2)=90:10である。
【0038】
実施例1、実施例6および9、比較例5および比較例10
温度80℃で、重合体溶液Aの合成例A1、A5、A6、A9およびA10、重合体溶液Bの合成例B1、B5およびB6並びに重合体溶液Cの合成例C1、C5およびC6を表1および表2に示す割合(重量%)で配合し、表1に示す実施例1および比較例5、および表2に示す実施例6、9および比較例10の本発明の粘度指数向上剤を得た。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
使用例1
高粘度指数基油A(粘度指数135の100ニュートラル油) に実施例1 の粘度指数向上剤を 16〜17%加え均一に混合し、オートマチックトランスミッション油に必要な100℃での動粘度を7.4〜7.6cStに調製した。この調製油を用いて、日本石油学会で定められている低温粘度試験方法(JPI−5S−26−85)に従い、−40℃での粘度を測定し表3の結果を得た。
<比較使用例1>
溶剤精製基油B(粘度指数102の100ニュートラル油)に実施例1の粘度指数向上剤を 16〜17%加え均一に混合し、上記使用例1と同様にして動粘度の調製を行い、−40℃での粘度を測定し表3の結果を得た。
<比較使用例2〜3>
高粘度指数基油A(粘度指数135の100ニュートラル油)または溶剤精製基油B(粘度指数102の100ニュートラル油)に比較例5の粘度指数向上剤を16〜17%加え均一に混合し、上記使用例1と同様にして動粘度の調製を行い、−40℃での粘度を測定し表3の結果を得た。
表3から明らかなように本発明の粘度指数向上剤は溶剤精製基油に対しても低い低温時粘度を与えているが、特に高粘度指数油に用いられた場合には効果が顕著で非常に低い低温粘度を与える。
【0042】
使用例2〜3>
高粘度指数基油A(粘度指数135の100ニュートラル油) に実施例6および9 の粘度指数向上剤を各々6〜7%加え均一に混合し、SAE5W−30グレードのマルチグレードエンジン油に必要な100℃での動粘度を10.0〜10.5cStに調製した。この調製油を用いて、日本石油学会で定められている低温粘度試験方法(JPI−5S−26−85)に従い、−40℃での粘度を測定し表4の結果を得た。
<比較使用例4〜5>
溶剤精製基油B(粘度指数102の100ニュートラル油)に実施例1の粘度指数向上剤を6〜7%加え均一に混合し、上記使用例2〜3と同様にして動粘度の調製を行い、−40℃での粘度を測定し表4の結果を得た。
<比較使用例6〜7>
高粘度指数基油A(粘度指数135の100ニュートラル油)または溶剤精製基油B(粘度指数102の100ニュートラル油)に比較例5の粘度指数向上剤を6〜7%加え均一に混合し、上記使用例2〜3と同様にして動粘度の調製を行い、−40℃での粘度を測定し表4の結果を得た。
表4から明らかなように本発明の粘度指数向上剤は溶剤精製基油に対しても低い低温時粘度を与えているが、特に高粘度指数油に用いられた場合には効果が顕著で非常に低い低温粘度を与える。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】
以上の実施例、比較例から明らかなように、本発明の粘度指数向上剤は溶剤精製基油に対しても低い低温時粘度を与えているが、特に高粘度指数油に用いられた場合には効果が顕著で非常に低い低温粘度を与えていることが判る。

Claims (3)

  1. 炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)から構成される重合体(A)と炭素数1〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b1)を0〜90モル%、炭素数14〜24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b2)を10〜100モル%から構成される重合体(B)と炭素数1〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(c1)を3〜87モル%、炭素数14〜24のアルキル基を有すアルキル(メタ)アクリレート(c2)を13〜97モル%から構成される重合体(C)との混合物からなり、(A)のガラス転移温度が−40℃以下であり、(b1)と(c1)のモル%および(b2)と(c2)のモル%が、それぞれ3モル%以上異なり、(A)が80〜99重量%,(B)が0.1〜19.9重量%、(C)が0.1〜19.9重量%含有されている、異性化パラフィンを含有する高粘度指数油用の粘度指数向上剤。
  2. (a)が炭素数8〜10のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a1)および/または炭素数10〜12のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(a2)である請求項1記載の向上剤。
  3. エンジン油用、駆動系潤滑油用または作動油用である請求項1または2記載の向上剤。
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