JPH08175437A - ドレインホース構造 - Google Patents

ドレインホース構造

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JPH08175437A
JPH08175437A JP6324154A JP32415494A JPH08175437A JP H08175437 A JPH08175437 A JP H08175437A JP 6324154 A JP6324154 A JP 6324154A JP 32415494 A JP32415494 A JP 32415494A JP H08175437 A JPH08175437 A JP H08175437A
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JP
Japan
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drain hose
grommet
vehicle
pair
cabin
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JP6324154A
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English (en)
Inventor
Rikihei Naruse
力平 成瀬
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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  • Vehicle Waterproofing, Decoration, And Sanitation Devices (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドレインホースをクーリングユニット等に接
続した状態のまま車体パネル(ダッシュパネル等)への
ドレインホースの装着を車室側から容易に行なうことが
可能であり、車体パネル側にフランジ等を設けなくても
優れた防水性を得ることができ、しかも車室内に配管さ
れたドレインホースが乗員の足によって押されてもブロ
メット部が車体パネルから外れるようなことがない状態
でグロメット部を車体パネルに装着し得るような構成の
ドレインホース構造を提供する。 【構成】 ドレインホース1のグロメット部13に形成
される一対の挾着片14,15のうち車室外側(例え
ば、エンジンルーム3側)の挾着片14の径方向の寸法
を相対的に小さく構成すると共に車室内側の挾着片15
の径方向の寸法を相対的に大きく構成し、かつ、これら
の一対の挾着片14,15の両方に車体パネル(ダッシ
ュパネル5)に圧着されるリップ部17,18をそれぞ
れ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に使用されるド
レインホースの構造に関し、さらに詳しくは、互いに対
向する一対の挾着片とこれら一対の挾着片の間に形成さ
れた係着溝とを有するグロメット部をドレインホース本
体に一体に配設し、このグロメット部をパネル部材の貫
通孔に挿入して前記グロメット部の係着溝に前記貫通孔
の周縁部を係合させることにより前記ドレインホース本
体を前記パネル部材に係止するようにしたドレインホー
ス構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のエアコン用ドレインホースはエ
ンジンルームと車室との間を仕切るダッシュパネル(車
体パネル)に貫通状態で配置され、このドレインホース
を通してドレイン水がエンジンルームに排出されるよう
になっている。なお、ダッシュパネルからのドレインホ
ースの抜け防止やダッシュパネルのドレインホース貫通
孔の箇所の防水等のために、ダッシュパネルへのドレイ
ンホースの取付けはドレインホースに一体的に配設した
グロメット部を介して行なうようにしている。
【0003】図8〜図10は従来のドレインホース30
を示すものであって、このドレインホース30は、エン
ジンルーム31と車室32との間を仕切るダッシュパネ
ル33にエンジンルーム31の側から装着する型式のも
のである。上述のドレインホース30の適宜箇所の外周
部には、ドレインホース本体34の軸線方向において互
いに対向する一対の挾着片35,36とこれら一対の挾
着片35,36の間に環状に形成された係着溝37とを
有するグロメット部38が一体成形されている。そし
て、エンジンルーム31の側(車室外側)に配置される
挾着片35が相対的に大径に構成されかつ車室32の側
(車室内側)に配置される挾着片36が相対的に小径に
構成されている。さらに、図8及び図10に明示するよ
うに、上述の大径の挾着片35の外周端縁部分に前記挾
着片36の側に向けて突出するリップ部39が一体成形
されている。
【0004】図9は前記ドレインホース30の装着状態
を示すものであって、ダッシュパネル33へドレインホ
ース30を固定するための装着作業はエンジンルーム3
1の側から行われるようになっている。すなわち、ドレ
インホース30の装着作業に当たっては、まず、車室3
2内に配管すべきドレインホース本体34のホース部3
4aをダッシュパネル33の適宜箇所に形成された貫通
孔40にエンジンルーム31の側から車室32内に挿通
し、グロメット部38の挾着片36をダッシュパネル3
3の外面(エンジンルーム32側の面)33aに当接さ
せ、次いでグロメット部38を前記貫通孔40内に押し
込んで係合溝37内にダッシュパネル33の貫通孔40
の周縁部40aを係合させた状態とし、装着作業を完了
する。
【0005】これに伴い、ダッシュパネル33の貫通孔
40の周縁部40aがグロメット部38の一対の挾着片
35,36間に挾持されると共に、挾着片35のリップ
部39がその弾性によりダッシュパネル33の外面33
aに圧着される(図10参照)。かくして、ダッシュパ
ネル37への一対の挾着片35,36の挾着力にてドレ
インホース30がグロメット部38を介してダッシュパ
ネル33に装着され、さらにダッシュパネル33へのリ
ップ部39の圧着作用にて前記貫通孔40を通しての水
漏れが防止される。
【0006】また、図11及び図12は上記とは別の従
来のドレインホース50を示すものであって、このドレ
インホース50は車室32の側からダッシュパネル33
に装着する型式のものである。図11及び図12に示す
ように、上述のドレインホース50の適宜箇所の外周部
には、ドレインホース本体51の軸線方向において互い
に対向する一対の挾着片52,53とこれら一対の挾着
片52,53の間に環状に形成された係着溝54とを有
するグロメット部55が一体成形されている。そして、
エンジンルーム31の側に配置される挾着片52が相対
的に小径に構成されかつ車室32の側に配置される挾着
片53が相対的に大径に構成されている。さらに、上述
の大径の挾着片53の外周端縁部分に前記挾着片52の
側に突出するリップ部56が一体成形されている。
【0007】このように、グロメット部55は既述のグ
ロメット部38とは軸線方向において実質的に左右が逆
の構成となされており、ダッシュパネル33へのグロメ
ット部55の装着作業は既述のグロメット部38の場合
とは逆に車室32の側から行なわれるようになってい
る。すなわち、ドレインホース50の装着作業に当たっ
ては、まず、エンジンルーム31内に配管すべきドレイ
ンホース本体51のホース部57をダッシュパネル33
の貫通孔40に車室32の側からエンジンルーム31内
に挿通し、グロメット部55の挾着片52をダッシュパ
ネル33の内面(車室32側の面)33bに当接させ、
次いでグロメット部55を前記貫通孔40内に押し込ん
で係合溝54内にダッシュパネル33の貫通孔40の周
縁部40aを係合させた状態にし、装着作業を完了す
る。
【0008】これに伴い、ダッシュパネル33の貫通孔
40の周縁部40aがグロメット部55の一対の挾着片
52,53間に挾持されると共に、挾着片53のリップ
部56がその弾性によりダッシュパネル33の内面33
bに圧着される(図12参照)。かくして、ダッシュパ
ネル37への一対の挾着片52,53の挾着力にてドレ
インホース50がグロメット部55を介してダッシュパ
ネル33に装着され、及びダッシュパネル33へのリッ
プ部56の圧着作用にて前記貫通孔40を通しての水漏
れが防止される。
【0009】また、図13は更に別の従来のドレインホ
ース30′を示すものであって、このドレインホース3
0′は図11に示すドレインホース30に比べて防水性
の向上を図るようにした改良型のものである。すなわ
ち、このドレインホース30′にあっては、図14に明
示するように、グロメット部38の一対の挾着片35,
36間の係合溝37に凸状のリップ部60を設ける一
方、ダッシュパネル33の貫通孔40の周縁部40aに
屈曲成形(プレス成形)したフランジ61に前記リップ
部60を圧着せしめるようにしたものである。かくして
この場合には、リップ部39及び60がダッシュパネル
33に2箇所においてそれぞれ圧着されることとなり、
防水性の向上が図られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来のドレインホース構造では次のような問題点が
ある。まず、図8〜図10示すドレインホース30の場
合には、グロメット部38をエンジンルーム31の側か
らダッシュパネル33の貫通孔40に押し込んで装着し
なければならないため、ダッシュパネル33へのグロメ
ット部38の装着後に、車室32内においてクーリング
ユニット等にドレインホース本体34のホース部34a
を差し込んで接続する作業が必要となり、その作業が面
倒となる。しかも、前記ホース部34aは車室32内で
乗員の足元に配管されることが多く、このような場合に
は乗員の足で前記ホース部34aが押されると、クーリ
ングユニット等から前記ホース部34aが不測に外れて
しまうおそれがある。
【0011】また、図11及び図12に示すドレインホ
ース50の場合には、車室32内に水漏れ防止用のリッ
プ部56があるため、車室32内への水の侵入は防げる
ものの、図12において×印で示した部分にまで水が入
り込んでしまい、これに起因してダッシュパネル337
に錆が発生してしまう不具合がある。
【0012】また、図13及び図14に示すドレインホ
ース30´の場合には、2つのリップ部39及び60に
て防水効果を充分に得るようにしているが、ダッシュパ
ネル33にフランジ61を成形するための工程を必要と
するため製作工数が多くなる上に、フランジ61はプレ
ス成形なのでフランジ61の高さH(図14参照)の寸
法精度が良くなく、従ってグロメット部38がダッシュ
パネル33に対してぐらついたり変形したりして水漏れ
が生じるおそれがある。
【0013】本発明は、このような種々の問題点を解消
すべくなされたものであって、その目的は、ドレインホ
ースをクーリングユニット等に接続した状態のまま車体
パネル(ダッシュパネル等)へのドレインホースの装着
を車室側から容易に行なうことが可能であり、車体パネ
ル側にフランジ等を設けなくても優れた防水性を得るこ
とができ、しかも車室内に配管されたドレインホースが
乗員の足によって押されてもブロメット部が車体パネル
から外れるようなことがない状態でグロメット部を車体
パネルに装着し得るような構成のドレインホース構造を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、ドレインホース本体の軸線方向にお
いて互いに対向する一対の挾着片とこれら一対の挾着片
の間に形成された係着溝とを有するグロメット部を前記
ドレインホース本体に一体に配設し、このグロメット部
を車体パネルの貫通孔に挿入して前記グロメット部の係
着溝に前記貫通孔の周縁部を係合させることにより前記
ドレインホース本体を前記車体パネルに係止するように
したドレインホース構造において、前記一対の挾着片の
うち車室外側に配置される挾着片の径方向の寸法を相対
的に小さく構成すると共に車室内側に配置される挾着片
の径方向の寸法を相対的に大きく構成し、かつ、前記一
対の挾着片の両方に前記車体パネルに圧着されるリップ
部をそれぞれ設けるようにしている。
【0015】また、本発明では、前記一対の挾着片を前
記ドレインホース本体に一体成形し、前記車室内側の挾
着片の付け根箇所において前記車室内側の挾着片と前記
ドレインホース本体との間に切欠き部を形成すると共
に、前記車室内側の挾着片のリップ部が前記車体パネル
に係着せしめられた状態の下で前記車室内側の挾着片と
前記車体パネルの貫通孔の周縁部との間に隙間が存在す
るように構成している。
【0016】また、本発明では、前記ドレインホース本
体及びグロメット部を硬質材料にて一体成形する場合
に、前記グロメット部に対応する前記ドレインホース本
体の内周面部分に凹部を形成するようにしている。
【0017】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば、グロメット
部の形状を車室外側(エンジンルーム側)の方を小径に
したことにより、ドレインホースをクーリングユニット
等に接続した状態のまま車体パネルへのグロメット部の
装着を車室内の側から行なうことができることとなる上
に、グロメット部の車室内側の部分を大径にしたことに
より、車室内に配管されたドレインホース本体を乗員が
足で押してもグロメット部は車体パネルから外れること
がなくなる。しかも、グロメット部の一対の挾着片の両
方すなわち車室外側及び車室内側の両側にリップ部をそ
れぞれ設けるようにしたことにより、車体パネル側に屈
曲状フランジ等を設けなくても、優れた防水性が得られ
る。
【0018】また、請求項2に記載の本発明によれば、
既述の如く切欠き部及び隙間を設けることにより、車体
パネルにグロメット部を装着すべくドレインホース本体
を例えばエンジンルーム側からドレインホース本体を引
っ張った時に、グロメット部の車室内側の挾着片が充分
に弾性変形し、これに応じてグロメット部のエンジンル
ーム側の挾着片が車体パネルの貫通孔を難なく通過して
エンジンルーム内に完全に引き出され、グロメット部の
係合孔内に車体パネルの貫通孔の周縁部が確実に係合さ
れる。
【0019】また、請求項3に記載の本発明によれば、
既述の如く凹部を設けることにより、ドレインホースを
硬質材料にて構成するようにしても、車体パネルへのグ
ロメット部の装着時にグロメット部の車室内側の挾着片
が車室の側に充分に弾性変形され、従ってグロメット部
の装着作業が円滑かつ容易にしかも確実に行なわれるこ
ととなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1〜図7を
参照して詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明を適用したドレインホース
1を備えた四輪自動車2の要部を概略的に示すものであ
って、同図において、3はエンジンルーム、4は車室、
5はエンジンルーム3及び車室4の間を仕切るダッシュ
パネル、6はフロントフード、7はフロントウインド、
8はインストルメントパネル、9はクーリングユニット
である。上述のクーリングユニット9は、図1に示すよ
うに、インストルメントパネル8の下方箇所であってか
つダッシュパネル5の後部近傍箇所において、車室4内
の側に配置されている。
【0022】また、図1に示す如くクーリングユニット
9に接続されたドレインホース1は、図1及び図2に示
すようにダッシュパネル5の下部部分に貫通されて固定
状態で取付けられており、クーリングユニット9内で生
じた水分がこのドレインホース1を介してエンジンルー
ム3内にドレイン水として排出されるように構成されて
いる。
【0023】ここで、ダッシュパネル5へのドレインホ
ース1の取付構造について述べると、次の通りである。
まず、ドレインホース1は、図3に示すように、軸線に
沿って延びる流通路11を有するドレインホース本体1
2と、このドレインホース本体12の中間箇所に一体成
形されたグロメット部13とから構成されている。上述
のグロメット部13は、ドレインホース本体12の外周
面側に同軸状に突出するように一体成形されたものであ
って、ドレインホース本体12の軸線方向において互い
に対向する一対の挾着片14,15を有している。そし
て、これら一対の挾着片14,15の間に係合溝16が
形成されている。なお、図4に示すように、前記一対の
挾着片14,15のうちの一方の挾着片14がエンジン
ルーム3の側に配置されると共に、他方の挾着片15が
車室4の側に配置されるようになっている。
【0024】また、本例においては、エンジンルーム3
の側に配置される挾着片14の径方向の寸法(直径)を
相対的に小さく構成すると共に、室内4の側に配置され
る挾着片15の径方向の寸法(直径)を相対的に大きく
構成するようにしており、前記挾着片14の外径よりも
前記挾着片15の外径が大きく構成されている。かくし
て、本例のドレインホース1は前記一対の挾着片14,
15の寸法関係から、型式上は車室4の側から押し込ん
で装着するタイプのものであるが、後述の如くエンジン
ルーム3の側から引っ張って装着することも可能なもの
である。
【0025】さらに、図4及び図5に示すように、上述
の一対の挾着片14,15の互いに対向する外周縁部分
には、それらの全周に亘ってリップ部17,18がそれ
ぞれ一体成形されている。なお、本例の場合、エンジン
ルーム3の側に配置される挾着片14のリップ部17は
相対的に大きく、室内4の側に配置される挾着片15の
リップ部18は相対的に小さく形成されている。
【0026】また、図5に明示するように、室内4の側
に配置される挾着片15の断面形状は室内4側に向けて
略くの字形状に屈曲成形されている。そして、ドレイン
ホース本体12に対する挾着片15の付け根箇所(根元
箇所)であって、かつ、前記挾着片14とは反対側の部
分においては、挾着片15とドレインホース本体12と
の間に切欠き部19が設けられている。
【0027】一方、ドレインホース1が装着されるダッ
シュパネル(車体パネル)5には、その下部の適宜箇所
にホース取付用の貫通孔20が形成されており、この貫
通孔20にドレインホース本体12が挿通された状態の
下で前記グロメット部13が前記貫通孔20に周縁部2
0aに装着されるようになっている。
【0028】次に、ダッシュパネル5へのドレインホー
ス1の装着作業について述べると、以下の通りである。
まず、車室4内において、相対的に大きな挾着片15の
側のドレインホース本体部分12aの端部をクーリング
ユニット9の所定の排水パイプ部22(図1参照)に差
し込んで接続しておく。しかる後に、相対的に小さな挾
着片14の側のドレインホース本体部分12bをダッシ
ュパネル5の貫通孔20に差し込んで貫通させ、図5に
示すように、グロメット部13の挾着片14の外面14
aをダッシュパネル5の内面5aに当接させた状態にす
る。
【0029】次いで、エンジンルーム3の側からドレイ
ンホース本体部分12bを図5において矢印α方向に引
っ張ることにより、挾着片14を適度に弾性変形させつ
つこの挾着片14のリップ部17をダッシュパネル5の
貫通孔20内を通過させて車室4内に配置せしめる。こ
の際、グロメット部13の挾着片15のリップ部18が
ダッシュパネル5に当接するので、前記リップ部17を
前記貫通孔20内を介して円滑に通過させるためには前
記挾着片15を適宜に弾性変形させなければならない
が、本例の場合には、挾着片15とドレインホース本体
12との間に切欠き部19が存在し、かつ、挾着片15
が略くの字に成形されて挾着片15とダッシュパネル5
との間に隙間25(図6参照)が存在するため、前記リ
ップ部17を前記貫通孔20を乗り越えさせてエンジン
ルーム3内の側に完全に引き出すのに必要な程度の挾着
片15の弾性変形が充分に許容される。
【0030】このようにして、リップ部17を貫通孔2
0から完全に引き抜いて挾着片14をエンジンルーム3
の側に配置した後に、ドレインホース本体部分23への
引っ張り力を解除するのに伴い、グロメット部13の係
合溝16内にダッシュパネル5の貫通孔20の周縁部2
0aが図6に示すように嵌着される。そして、前記係合
溝16の周面16aに前記貫通孔20の端面が圧着され
ると共に、グロメット部13の一対のリップ部17,1
8が前記貫通孔20の周縁部20aに圧着されることと
なる。その結果、グロメット部13の一対の挾着片1
4,15の間に前記貫通孔20の周縁部20aが挾持さ
れた状態となり、その挾持力にてドレインホース1がグ
ロメット部13を介してダッシュパネル5に固定され
る。
【0031】このような構成のドレインホース1の構造
によれば、ドレインホース1をクーリングユニット9に
接続固定した状態のままドレインホース1をダッシュパ
ネル5に装着することができるため、ドレインホース1
及びクーリングユニット9を個々に装着した後にこれら
を互いに接続するような面倒な作業を省略することがで
きる。なお、上述の例では、エンジンルーム3の側から
ドレインホース本体部分12bを引っ張ってドレインホ
ース1の装着作業を行なうようにしているが、車室内側
の挾着片15を大きくかつ車室外側の挾着片14を小さ
くしたので、必要に応じて室内4の側からグロメット部
13を前記貫通孔20に押し込むことによっても、ドレ
インホース1をダッシュパネル5に装着することが可能
である。
【0032】また、車室4の側に配置される挾着片15
は相対的に大きな寸法となされているため、車室4内に
配置されたドレインホース本体部分23に比較的大きな
力が作用してもグロメット部13とダッシュパネル5と
の間の装着状態は解除され難い構造となる。従って、乗
員の足元に配管されるドレインホース本体部分23が乗
員の足で押されたとしても、グロメット部13がダッシ
ュパネル5から外れてしまうような不具合を生じるのを
回避できる。
【0033】さらに、グロメット部13の一対の挾着片
14,15には、エンジンルーム3及び車室4の両方側
にそれぞれ配設されるリップ部17,18が設けられて
いるため、これらのリップ部17,18とダッシュパネ
ル5とがエンジンルーム3及び車室4の両方側において
圧着され、防水性の向上が図られる。
【0034】また、図7は、既述の実施例とは別の本発
明の実施例を説明するためのものであって、本例は、ド
レインホース1を硬質材料(例えば硬質のゴム材料等)
にて一体成形する場合に、グロメット部13に対応する
ドレインホース本体12の内周面部分に前記グロメット
部13の側に窪んだ凹部28を形成するようにしたもの
である。
【0035】このような凹部28を有するドレインホー
ス1によれば、ダッシュパネル5へのグロメット部13
の装着に際して、ドレインホース本体部分12bをエン
ジンルーム3側に引っ張るのに応じて一対の挾着片1
4,15が前記凹部28の存在により各々適宜に弾性変
形されることとなり、ドレインホース1の材質が硬質で
あっても、既述の実施例の場合と同様にグロメット部1
3をダッシュパネル5の貫通孔20に容易にしかも確実
に装着することが可能である。
【0036】以上、本発明の実施例につき述べたが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能で
ある。例えば、既述の実施例ではクーリングユニット9
用のドレインホース1をダッシュパネル5の貫通孔20
を介して車内4からエンジンルーム3内に挿通配置する
場合に本発明を適用するようにしているが、これに限ら
ず、車室内から車室外にドレインホースを引き出す際に
水漏れ防止のためにグロメット部を利用する場合にも本
発明を適用することが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、ドレインホース
本体に一体に配設されるグロメット部の一対の挾着片の
うち車室外側に配置される挾着片の径方向の寸法を相対
的に小さく構成すると共に車室内側の挾着片の径方向の
寸法を相対的に大きく構成し、かつ、前記一対の挾着片
の両方に前記車体パネルに圧着されるリップ部をそれぞ
れ設けるようにしたものであるから、次のような作用効
果を奏することができる。すなわち、ドレインホースの
グロメット部の形状を車室内側が大きく車室外側(例え
ばエンジンルーム側)が小さくなるようにしたので、ド
レインホースをクーリングユニット等に接続した状態の
まま車体パネルへのグロメット部の装着を必要に応じて
車室内の側から行なうことが可能となり、従って車体パ
ネルへのドレインホースの装着後にクーリングユニット
等にドレインホースを接続する作業を省略できる。ま
た、グロメット部の車室内側の挾着片部分を大径にした
ことにより、車室内に配管されたドレインホース本体を
乗員が足で押してもグロメット部は車体パネルから外れ
るのを防止できる。しかも、グロメット部の一対の挾着
片の両側(例えば、エンジンルーム側及び車室側)にリ
ップ部をそれぞれ設けるようにしたことにより、車体パ
ネル側に特別な屈曲状フランジ等を設けなくても、優れ
た防水性を得ることができる。
【0038】また、本発明によれば、グロメット部の一
対の挾着片をドレインホース本体に一体成形し、相対的
に大きく成形された車室内側の挾着片の付け根箇所にお
いてこの挾着片と前記ドレインホース本体との間に切欠
き部を形成すると共に、この挾着片のリップ部が車体パ
ネルに係着した状態の下でこの挾着片と車体パネルの貫
通孔の周縁部との間に隙間が存在するように構成したの
で、車体パネル(ダッシュパネル)にグロメット部を装
着すべくドレインホース本体を例えばエンジンルーム側
からドレインホース本体を引っ張った時(又は車室内側
からグロメット部を押し込んだ時)に、グロメット部の
車室内側の挾着片が充分に弾性変形することとなり、こ
れにより、グロメット部のエンジンルーム側の挾着片を
車体パネルの貫通孔内を難なく通過させてエンジンルー
ム内に完全に引き出すことができ、グロメット部の係合
孔内に車体パネルの貫通孔の周縁部を確実に係合させる
ことができる。
【0039】また、本発明によれば、ドレインホース本
体及びグロメット部を硬質材料にて一体成形する場合
に、前記グロメット部に対応する前記ドレインホース本
体の内周面部分に凹部を形成するようにしたので、ドレ
インホースを硬質材料にて構成するようにしても、車体
パネルへのグロメット部の装着時にグロメット部の車室
側の挾着片が車室の側に充分に弾性変形させることがで
き、従ってグロメット部の装着作業を円滑かつ容易にし
かも確実に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドレインホース構造を備えた四輪
自動車の要部を概略的に示す断面図である。
【図2】ダッシュパネルへのドレインホースの装着状態
を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示すドレインホースの断面
図である。
【図4】前記ドレインホースのグロメット部のダッシュ
パネルへの装着状態を示す断面図である。
【図5】グロメット部の一対の挾着片とダッシュパネル
の貫通孔の周縁部とを示す断面図である。
【図6】ダッシュパネルへのグロメット部の装着状態を
示す断面図である。
【図7】本発明の別の実施例を説明するためのものであ
って、ドレインホースの変形例を示すドレインホースの
断面図である。
【図8】従来のドレインホースの構造を示す断面図であ
る。
【図9】図8のドレインホースのダッシュパネルへの装
着状態を示す断面図である。
【図10】図8のドレインホースのグロメット部に一体
成形されたリップ部を示す拡大断面図である。
【図11】別の従来のドレインホースの構造を示す断面
図である。
【図12】図11のドレインホースのグロメット部に一
体成形されたリップ部を示す拡大断面図である。
【図13】従来のドレインホースのグロメット部の改良
例を示す断面図である。
【図14】図13のドレインホースをダッシュパネルに
装着した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ドレインホース 2 四輪自動車 3 エンジンルーム 4 車室 5 ダッシュパネル(車体パネル) 9 クーリングユニット 12 ドレインホース本体 13 グロメット部 14,15 挾着片 16 係合溝 17,18 リップ部 19 切欠き部 20 貫通孔 20a 周縁部 25 隙間 28 凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドレインホース本体の軸線方向において
    互いに対向する一対の挾着片とこれら一対の挾着片の間
    に形成された係着溝とを有するグロメット部を前記ドレ
    インホース本体に一体に配設し、このグロメット部を車
    体パネルの貫通孔に挿入して前記グロメット部の係着溝
    に前記貫通孔の周縁部を係合させることにより前記ドレ
    インホース本体を前記車体パネルに係止するようにした
    ドレインホース構造において、前記一対の挾着片のうち
    車室外側に配置される挾着片の径方向の寸法を相対的に
    小さく構成すると共に車室内側に配置される挾着片の径
    方向の寸法を相対的に大きく構成し、かつ、前記一対の
    挾着片の両方に前記車体パネルに圧着されるリップ部を
    それぞれ設けるようにしたことを特徴とするドレインホ
    ース構造。
  2. 【請求項2】 前記一対の挾着片を前記ドレインホース
    本体に一体成形し、前記車室内側の挾着片の付け根箇所
    において前記車室内側の挾着片と前記ドレインホース本
    体との間に切欠き部を形成すると共に、前記車室内側の
    挾着片のリップ部が前記車体パネルに係着せしめられた
    状態の下で前記車室内側の挾着片と前記車体パネルの貫
    通孔の周縁部との間に隙間が存在するように構成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のドレインホース構造。
  3. 【請求項3】 前記ドレインホース本体及びグロメット
    部を硬質材料にて一体成形する場合に、前記グロメット
    部に対応する前記ドレインホース本体の内周面部分に凹
    部を形成するようにしたこと特徴とする請求項1又は2
    に記載のドレインホース構造。
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