JPH08173178A - デキストランの製造方法 - Google Patents

デキストランの製造方法

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JPH08173178A
JPH08173178A JP32536094A JP32536094A JPH08173178A JP H08173178 A JPH08173178 A JP H08173178A JP 32536094 A JP32536094 A JP 32536094A JP 32536094 A JP32536094 A JP 32536094A JP H08173178 A JPH08173178 A JP H08173178A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安定かつ高収率にデキストランの製造が可能な
デキストランの製造方法を提供する。 【構成】ロイコストック メセンテロイデスのデキスト
ランスクラーゼ構成的変異株を用いてスクロースからデ
キストランを生産させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、デキストランの製造
に使用されているロイコノストック メセンテロイデス
のデキストランスクラーゼ構成的変異株を用いてデキス
トランを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デキストランは、ロイコノストック メ
センテロイデスにより工業的に生産され、血しょう代替
物を始めとして様々な分野で用途開発されてきた多糖で
ある。かかるデキストランの製造方法としては、スクロ
ースを含む培地でロイコノストック メセンテロイデス
を培養してデキストランを生成させる発酵法と、この菌
が産生する酵素であるデキストランスクラーゼとスクロ
ースを反応させてデキストランを生成させる酵素法があ
る。現在、工業的製造には、発酵法が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】デキストラン製造にお
ける発酵法は、デキストラン生産菌であるロイコノスト
ック メセンテロイデスをスクロースを含む培地で培養
する方法である。この菌は、スクロースによって合成誘
導された酵素デキストランスクラーゼを菌体から培養液
中へ分泌し、この酵素が培地中のスクロースと反応する
ことによりデキストランを培養液中において合成する。
ここに、通常、菌の増殖に伴いデキストランスクラーゼ
が生成されるため、発酵法では、菌の増殖と培養液中の
デキストランスクラーゼの活性との双方を確保維持する
必要がある。すなわち、菌の増殖のための栄養源や生育
因子、最適温度、pH、デキストラン生成の酵素反応を
行うための最適温度,pH等の様々な条件が整う必要が
ある。
【0004】しかしながら、菌の増殖に伴い産生される
有機酸により培養液のpHが低下する。一方、培養液の
pHが5.0よりも低下することにより、デキストラン
スクラーゼの活性が低下し、デキストランの生産量が低
下するという問題があった。したがって、通常のデキス
トラン製造用の培地に、ロイコノストック メセンテロ
イデスを植菌して培養しても、そのままでは必ずしも高
収率でデキストランが得られるわけでなく、培養液のp
Hをチェックし、必要に応じてアルカリ液を添加するp
H調整等により、デキストランスクラーゼの活性を維持
する必要があった。しかし生成されたデキストランによ
り、培養液の粘度が高くなるため、培養液のpH低下抑
制による酵素活性の維持には限界があるとともに、一方
では、pHのモニタリングはコストアップの一因であっ
た。
【0005】また、リン酸塩等の緩衝剤をあらかじめ培
地に加えておくことにより、培養液のpH低下抑制の効
果が得られるが、これも効果に限界があり、コストアッ
プにもなる。
【0006】そこで、本発明では、安定かつ高収率にデ
キストランの製造が可能なデキストランの製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するため、デキストランスクラーゼを培地中
のスクロースの誘導によらなくても産生するロイコノス
トック メセンテロイデスのデキストランスクラーゼ構
成的変異株を利用してデキストランを製造することを試
み、以下の発明を完成した。
【0008】すなわち、請求項1に記載の発明は、ロイ
コノストック メセンテロイデスのデキストランスクラ
ーゼ構成的変異株を用いてスクロースからデキストラン
を生産させることを特徴とするデキストランの製造方法
である。また、請求項2に記載の発明は、前記デキスト
ランスクラーゼ構成的変異株は、ロイコノストック メ
センテロイデスM209(生命工学工業技術研究所 受
託番号 FERM 第BP-4903 号) であることを特徴とする
請求項1に記載のデキストランの製造方法である。ま
た、請求項3に記載の発明は、前記デキストランスクラ
ーゼ構成的変異株は、ロイコノストック メセンテロイ
デスM898(生命工学工業技術研究所 受託番号 FE
RM 第BP-4904 号) であることを特徴とする請求項1に
記載のデキストランの製造方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。ロイコノ
ストック メセンテロイデスは、ロイコノストック属に
属する菌であって、デキストラン及びデキストランスク
ラーゼを産生する菌である。また、デキストランスクラ
ーゼ構成的変異株とは、スクロース以外の糖類からデキ
ストランスクラーゼを生産できる、すなわち、デキスト
ランスクラーゼによるデキストラン合成の基質であるス
クロースの誘導なくしてデキストランスクラーゼを常に
生産する菌株をいう。
【0010】このロイコノストック メセンテロイデス
のデキストランスクラーゼ構成的変異株によれば、デキ
ストランスクラーゼが構成的に生産され、スクロースを
炭素源とした場合に、親株よりも酵素生成量が多くな
る。したがって、培地にスクロースを添加してデキスト
ランを製造する場合、スクロースから誘導的にデキスト
ランスクラーゼが生産される通常の菌株(親株)よりも
多量に、あるいは速やかにデキストランが生成され、培
養状況に大きく影響を受けることなく目的物たるデキス
トランを得ることができる。
【0011】かかるデキストランスクラーゼ構成的変異
株としては、ロイコノストック メセンテロイデス N
RRL B−512F(ATCC 10830a)(L
euconostoc mesenteroides
Northern Utilization Rese
arch and Development ofAg
riculture B−512F(American
Type Culture Collection
10830a))を親株とする変異株であるロイコノス
トック メセテンロイデスM209株(以下、単にM2
09株という。)やロイコノストック メセンテロイデ
ス M898株(以下、単にM898株という。)が挙
げられる。なお、M898株は、工業技術院生命工学工
業技術研究所にFERM第BP−4904号として、平
成6年12月1日付けで寄託され、M209株は、同F
ERM第BP−4903号として平成6年12月1日付
けで寄託されている。
【0012】デキストランスクラーゼ構成的変異株は、
デキストランスクラーゼ(以下、単にDSaseとい
う。)を生産するロイコノストック属菌を親株としてこ
れを変異誘導処理して得られた変異株からスクロース以
外の糖類から恒常的にDSaseを生産するものを選択
し、これを用いる。
【0013】変異誘導の方法としては、通常用いられる
公知の変異手段である、ニトロソグアニジン処理、UV
処理、エチルメタンスルホネート処理などの一般的な変
異手段や、自然変異によっても安定な変異株を得ること
ができる。このように変異誘導された変異株の中から、
DSaseの構成的変異株を選択するには、変異処理し
た株をスクロース以外の糖類を炭素源とした培地におい
て、培養した後、新たなタンパク質合成を抑制した状態
で、スクロースを炭素源として与えることにより、デキ
ストランの合成を確認できる菌株を選択する。
【0014】以下に、M898株及びM209株につい
ての取得例を示す。まず、前記親株(B−512F株)
をMRS液体培地(米国DIFCO社製Lactoba
silli MRS Broth,炭素源はグルコース
であり、スクロースを含まない)で30℃、24時間培
養し、菌体を洗浄後、NTGで処理(0.5mg/m
l、60分)した。さらに、菌体を洗浄した後、適宜希
釈してMRS寒天平板培地に塗布し、30℃で2日間培
養した。この後、4000ppmのテトラサイクリンを
含む10%スクロース寒天を重層し、25℃で2〜6時
間放置した。ここに重層寒天中のテトラサイクリンは、
MRS寒天培地中の変異株の新規なタンパク質の合成を
阻害する。このため、寒天の重層前のMRS寒天培地中
での培養により既に生産されたDSaseのみが、重層
された寒天中のスクロースを基質としてデキストランを
合成することができる。
【0015】平板を観察して、コロニーの回りに粘性の
デキストランを生成した株をDSase構成的変異株と
して分離した。これらの変異株について、菌の安定性と
各種の炭素源を含む液体培地におけるDSase生産性
を検討し、M898株及びM209株を選択した。な
お、液体培地の組成は、炭素源0.2%、K2 HPO4
1.4%、KH2 PO4 0.6%、酵母エキス2.0
%、ペプトン1.0%、金属塩溶液1.0%、CaCO
3 0.5%であり、pHは7.0であった。ここに金属
塩溶液の組成は、NaCl 2.0%、MgSO4 ・7
2 O 2.0%、MnSO4 ・4H2O 0.1%、
FeSO4 ・7H2 O 0.1%であった。
【0016】このようなDSase構成的変異株によ
る、デキストラン合成のための培地は、通常のデキスト
ラン製造と同様、スクロースを含むデキストラン製造培
地を用いる。すなわち、炭素源として、スクロースを含
み、窒素源、有機天然栄養源、リン酸塩、金属イオン、
ビタミン等がバランスよく含まれていればよい。
【0017】また、天然物を用いてデキストラン製造を
行うこともできる。例えば、甜菜や甘しょの搾汁液、廃
糖密等を有効利用の目的でデキストラン製造用培地とし
て用いることができる。この場合、これらをそのままあ
るいは適当に希釈した後、オートクレーブするだけで直
接培地として使用することができる。したがって、コス
ト的にも安価にデキストランを製造することができる。
【0018】培養条件は、通常のデキストラン製造に用
いられている条件を用いることができる。すなわち、静
置培養若しくはゆっくりとした撹拌培養で、8〜48時
間培養する。培養温度は、15〜35℃、好ましくは2
5〜30℃である。初発の培地pHは、5.0〜8.
0、好ましくは、6.0〜7.5がよい。
【0019】培養液からのデキストランの分離には、遠
心分離法やろ過法によって菌体を除去した後、上清液に
アルコールを加えて沈殿させることにより行うことがで
きる。分離されたデキストランの、水への溶解とアルコ
ール沈殿を繰り返すことにより洗浄を行い、デキストラ
ンを精製することができる。
【0020】ここに、上記のデキストラン製造方法を用
いて、デキストラン生産を行った場合、pH低下抑制が
十分でない培地で、親株であるロイコノストック メセ
ンテロイデス B−512Fを培養すると、著しくデキ
ストラン生成量が少ないことがある。
【0021】しかし、上記変異株M209株において
は、特にデキストラン生成が非常に速く、短時間に高収
率でデキストランを得ることができる。この株において
は、菌の増殖スピードは親株と同様であるが、単位菌体
あたりのDSase合成能が親株の数倍もあるため、培
養開始から短時間で、すなわち、培養液のpHがDSa
seの不活性化域まで低下する前に、高活性のDSas
eによりデキストランを効率よく産生することができる
からである。
【0022】また、M898株においては、特に、菌の
増殖が遅いため培養液のpHの低下が遅く、かつ単位菌
体あたりのDSase合成能が高いため、pHが低下し
ない状態の培養液中で活性状態のDSaseを存在させ
ることができ、効率的にデキストランの製造を安定して
行うことができる。よって、M898株では、親株の約
100分の1程度の菌数でもデキストランを十分に製造
できる。
【0023】したがって、M209株では、短時間に高
収率でデキストランを得ることができ、M898株で
は、少ない菌数で安定的にデキストランを得ることがで
き、これらの菌株の性質に適合したデキストラン製造法
を選択することができる。
【0024】このようにM209株及びM898株にお
いては、DSaseを構成的に産生するという性質と、
菌株のDSase合成能と培養液のpH低下の原因であ
る菌の増殖スピードとの関係から、特にpH調整をする
ことなく培養液中でのデキストラン合成を確保すること
ができる。
【0025】また、親株の培養液のpHの低下を抑制し
てデキストランを高生成させた場合でも、M209株の
ような酵素生成が高い変異株の方がデキストラン生成を
より短時間に行うことができる。以上のように、DSa
se構成的変異株を取得して、これらデキストランを高
収率で安定して生産できる実用的な株を選ぶことができ
るのである。
【0026】なお、かかるDSase構成的変異株は、
バッチ法のみならず、流加培養法、菌を担体に固定する
方法等、菌体を用いたデキストラン製造方法であれば、
使用することができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、DSa
se構成的変異株によりスクロースからデキストランを
製造するため、培養液中にDSaseを速やかに供給し
たり、あるいは、DSase濃度を高濃度とすることが
できる。したがって、菌株の増殖による培養環境の影響
を受けにくく、安定かつ高収率にデキストランを製造す
ることができる。請求項2に記載のDSase構成的変
異株であるM209株によれば、菌株のDSase合成
能が高いため、菌の増殖により培養液のpHがDSas
eの不活性化域まで低下する前に、短期間に安定にかつ
高収率にデキストランを製造することができる。請求項
3に記載のDSase構成的変異株のM898株は、菌
の増殖速度が遅くかつDSase合成能が高いため、培
養液のpHが菌の増殖により低下しにくく、良好な培養
環境下でのDSaseの活性が長時間確保される。した
がって、安定して、高収率でデキストランを得ることが
できる。
【0028】
【実施例】以下に本発明を具現化した実施例について説
明する。なお、本発明は、本実施例に限定されるもので
はない。 (実施例1)本実施例では、DSase構成的変異株と
してM209株及びM898株を用いて、以下の条件下
でデキストランを製造した。また、比較対照のため、親
株であるロイコノストック メセンテロイデス NRR
L B−512F(以下、単に親株という。)を使用し
て同様にデキストランを製造した。
【0029】1.培地の組成 iデキストラン製造用基本培地の組成 ペプトン 0.3% 酵母エキス 0.15% リン酸二カリウム 0.5% NaCl 0.1% MgSO4 ・7H2 O 0.001% MnSO4 ・4H2 O 0.001% となるように、水を加えて溶かし、pH6.8に調整
し、デキストラン製造用基本培地とした。 ii 種培養用培地の組成 本培地として、前記したデキストラン製造用基本培地に
炭素源としてスクロース濃度を5%としたものを用い
た。 iii デキストラン製造培地の組成 前記したデキストラン製造用基本培地に炭素源としてス
クロース濃度を18.4%とした培地を用いた。
【0030】2.種培養 前記種培養用培地でM209株、M898株及び親株を
24時間フラスコ培養した培養液を種培養とした。
【0031】3.デキストラン製造培養 前記種培養を前記したデキストラン製造培地1Lに植菌
し、2Lジャー中で100rpmで撹拌しながら25℃
で培養した。なお、初発の菌数は約1.0×107 個/
mlとなるように植菌した。この培養液から、12時
間、24時間、36時間後に試料として培養液を採取し
た。
【0032】4.試験項目 採取した培養液につき、pH、DSase活性、デキス
トラン生産量を測定した。DSase活性は、pH5.
2の酢酸緩衝液中で30℃で1分間にスクロースから1
μmolのフラクトースを遊離させる酵素量を1ユニッ
トとして測定した。また、デキストラン生産量は、培養
液を適度に水で希釈して、遠心分離により菌体を除去
し、エタノールを上清の2倍量加えてデキストランを沈
殿させ2回洗浄を行い、最終的にエタノール濃度50%
で沈殿したデキストランを水に溶解してフェノール・硫
酸法でグルコース量として測定した。
【0033】DSase構成的変異株であるM209
株、M898株及び親株について試験した結果を表1に
示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示す結果から明らかなように、親株
では、12時間後には、培養液のpHが4.30にまで
低下し、これに対応して、DSase活性は低下し、デ
キストラン生産量も増加せず、ほぼ12時間経過後と同
様の低いデキストラン量が維持されるのみであった。こ
れに対し、M209株では、ほぼ親株と同様に菌数が増
加し、培養液のpHが低下するが、12時間経過時点
で、DSase活性が親株に比べて約5倍近い高い数値
を示しており、デキストラン量も約3倍となっていた。
すなわち、M209株では、特に、培養液のpHの調整
をしなくても、培養後12時間で、同一のバッチサイズ
において従来の親株の発酵法によるデキストラン生産量
の約3倍収量が得られることが明らかである。また、短
期間の培養で多くの収量が得られることも明らかであ
る。
【0036】また、M898株では、菌の増殖が弱く、
36時間経過後においても、依然として初発植菌数であ
る107 オーダーのままである。この結果、pHはDS
ase活性が失活する5以下になることがない。一方、
DSase合成が活発に行われ、DSase活性は時間
の経過とともに増加され、この結果、24時間経過後に
は、親株の約3倍量のデキストランが生産された。すな
わち、M898株では、特に、培養液のpH調整をしな
くても、安定的にデキストランを製造でき、高収率を得
られることが明らかである。
【0037】このように、本発明においては、いずれの
DSase構成的変異株において、親株を上回るデキス
トランを生産することができた。これは、M209株及
び898株がDSase構成的変異株であり、スクロー
スの存在下、親株よりも多くのDSaseを合成するこ
とと、これらの変異株の生育とDSase合成能との関
係から、菌株培養中にDSaseによるデキストラン合
成の条件が確保できるということによるものである。
【0038】なお、上記試験例において親株の培養液
を、水酸化ナトリウムにてpH5.5に維持した場合、
培養20時間後に最高デキストラン量4.81%に達し
た。一方、表1に示した通り、M209株では培養液の
pH調整をしなくても12時間後にデキストラン量6.
21%に達しており、また、同様にM898株では、2
4時間後には、最高デキストラン量6.48%に達して
おり、M209株及びM898株の発酵法によるデキス
トラン生産の有用性を確認できた。
【0039】(実施例2)次に、同様に本実施例では、
実施例1と同様にM209株、M898株及び親株につ
いて、デキストラン製造用培地として、北海道産甜菜
(品種 モノヒカリ)の根の部分をすりつぶし、ガーゼ
に包んで搾り出した搾汁液をpH6.8に調製してその
ままオートクレーブしたもの(スクロース濃度は18.
7%)を用いて、その他は実施例1と同様の条件で培養
を行い、同様の試験項目について試験をした。結果を表
2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】この表2に示す結果から明らかなように、
甜菜の搾汁液による培地でも、親株では、デキストラン
量は1%にも満たないのに対し、M209株やM898
株では、高レベルで生産されることがわかった。なお、
本培地においては、12時間後には、どの株も菌数は1
9 オーダーまで増殖して培養液のpHは5を下回って
いるが、変異株では、DSase合成能が高く、DSa
se活性が高いため、デキストランが高収率に得ること
ができた。特に、M209株では、12時間後にほぼ最
高デキストラン量に達している。
【0042】また、実施例1と同様に、親株の培養液の
pHを5.5に維持した場合、20時間経過後に、最高
デキストラン量4.65%に達したものの、M209株
では何らpHを調整しなくても12時間後にデキストラ
ン量5.42%に達し、また、M898株でも同様に、
24時間後にデキストラン量4.70%に達しているた
め、これらの菌株による発酵法の有用性が確認できた。
フロントページの続き (72)発明者 高山 健一郎 愛知県名古屋市東区白壁五丁目3番地 敷 島製パン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロイコストック メセンテロイデスのデキ
    ストランスクラーゼ構成的変異株を用いてスクロースか
    らデキストランを生産させることを特徴とするデキスト
    ランの製造方法。
  2. 【請求項2】前記デキストランスクラーゼ構成的変異株
    は、ロイコノストック メセンテロイデスM209(生
    命工学工業技術研究所 受託番号 FERM 第BP-4903
    号) であることを特徴とする請求項1に記載のデキスト
    ランの製造方法。
  3. 【請求項3】前記デキストランスクラーゼ構成的変異株
    は、ロイコノストック メセンテロイデスM898(生
    命工学工業技術研究所 受託番号 FERM 第BP-4904
    号) であることを特徴とする請求項1に記載のデキスト
    ランの製造方法。
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