JPH0817106A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 つなぎ撮りの位相合わせ時に、ポーズ前に記
録された部分が長時間モードで、ポーズ解除後に記録さ
れる部分が標準モードであっても、位相合わせモードに
おいて、キャプスタンの回転を安定させ、良好な再生時
の画質が得られる磁気記録再生装置を提供する。 【構成】 標準モードと長時間モードとの複数の異なる
記録速度を有する記録モードを切換可能な磁気記録装置
において、第１の記録モードから第２の記録モードへ切
り換える切換手段１と、一時停止解除後に磁気記録媒体
からコントロール信号を再生する手段６、７と、前記再
生コントロール信号から第２の記録モードに対応した再
生コントロール信号を選択的に通過させ、それ以外の再
生コントロール信号をマスクする再生ＣＴＬ信号マスク
手段１０と、前記選択的に通過した再生コントロール信
号を用いてキャプスタン位相制御を行うキャプスタン制
御手段２と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、標準モードと長時間モ
ードとの複数の記録速度を切換可能な磁気記録装置に係
り、特に、長時間モード（例えば、３倍モード）で記録
済みのテープに標準モードで記録（つなぎ撮り）する場
合のキャプスタンサーボ乱れを防止し、再生時の画像乱
れを低減した磁気記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は、記録済みの磁気テープを一時停
止させた後、再び記録を再開するつなぎ撮りのシーケン
スを説明するシーケンス図である。一般につなぎ撮りシ
ーケンスは、図３に示すように、最初の記録状態Ａにお
いて、一時停止（以下、ポーズと略す）入力Ｂがある
と、磁気テープの一定区間だけ巻き戻しＣが行われてポ
ーズ解除待ちとなる。次いで、ポーズ解除入力Ｄがある
と、位相合わせＥが行われた後、ポーズ入力Ｂされた位
置から、次の記録状態Ｆとなって、磁気記録が再開され
る。

【０００３】図４は、従来の磁気記録装置の要部構成例
を示すブロック図である。図４において、磁気記録再生
装置が記録モードにあるとき、システムコントローラ
（１）に外部から入力される動作モード入力（ａ）がポ
ーズとなると、システムコントローラ（１）はキャプス
タン制御装置（１２）に対して、サーボモード信号
（ｂ）によって“逆再生モード”を要求する。このと
き、キャプスタン制御装置（１２）はＣＴＬモード切換
信号（ｈ）を再生モードであるロウ［Ｌ］レベルとし、
コントロール信号（以下、ＣＴＬ信号と略す）を再生
し、キャプスタンモーター（３）を逆再生に制御する。

【０００４】次いで、システムコントローラ（１）は一
定時間または所定ＣＴＬパルス数だけこの逆再生状態を
継続することにより、一定区間だけ磁気テープの巻き戻
し（図３のＣに相当）を行い、その後キャプスタン制御
装置（１２）に対して、サーボモード信号（ｂ）を“停
止モード”とし、ポーズ解除待ち状態とする。

【０００５】次いで、ポーズ解除入力が行われた時点
（図３のＤ）で、システムコントローラ（１）は、キャ
プスタン制御装置（１２）に対してサーボモード信号
（ｂ）を“位相合わせモード”として出力する。このと
きキャプスタン制御装置（１２）は、ＣＴＬ信号を再生
しキャプスタンを位相制御する。

【０００６】システムコントローラ（１）は、図３のＣ
において一定区間巻き戻した磁気テープの長さと同じ長
さだけ“位相合わせモード”を要求（図３のＥ）した
後、サーボモード信号（ｂ）を“記録モード”に変更す
る。このとき、キャプスタン制御装置（１２）は、ＣＴ
Ｌモード切換信号（ｈ）をハイ［Ｈ］レベルとし、ＣＴ
Ｌヘッド（７）に記録ＣＴＬ信号発生装置（５）から出
力される記録ＣＴＬ信号を接続するとともに、キャプス
タンの位相制御を再生ＣＴＬ信号による位相制御から内
部の位相信号（例えば、キャプスタンＦＧ信号を分周し
た信号）による位相制御に切り換える。以上のような一
連の制御によって、従来の磁気記録再生装置はつなぎ撮
りの制御を行っていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の磁気記録再生装置において、記録から一時停止を経
て再び記録というつなぎ撮りの際に、記録速度が切り換
えられることがあり、一時停止前の記録速度（または記
録モード）と一時停止解除後の記録速度（または記録モ
ード）とが異なる場合がある。例えば、前者が３倍モー
ドで後者が標準モードの場合には、一時停止解除後の位
相合わせモードで入力される再生ＣＴＬ信号は３倍とな
り、キャプスタン速度が大きく乱れるという問題点があ
った。

【０００８】以下、この問題点を詳細に説明する。図５
は、従来の位相合わせモードにおけるキャプスタン位相
制御を説明するタイミングチャートである。図５におい
て、従来の位相合わせモードを含む再生系モードでのキ
ャプスタン位相制御は、ヘッド切換パルス（以下、ＨＳ
ＷＰと略す）と再生ＣＴＬタイミングを所定時間（図５
のφ）に制御することを目的としており、再生ＣＴＬ信
号タイミングで図５のｋに示すキャプスタン位相制御台
形波をラッチし、位相誤差を得ていた。即ち、再生ＣＴ
Ｌが所定位相φよりも以前に入力された場合は位相誤差
出力が低く、所定位相φよりも遅れて入力された場合は
位相誤差出力を高くすることで、キャプスタンの回転位
相の制御を行っていた。

【０００９】そこで、３倍モードの記録後、ポーズ、標
準モードへの切換、ポーズ解除が行われたとき、位相合
わせモードでは通常の３倍の周波数で再生ＣＴＬ信号が
入力される。そして、図５のｇに示すようにｇ１，ｇ
２，ｇ３，…と、全ての再生ＣＴＬ信号でキャプスタン
位相制御台形波のラッチが行われるので、キャプスタン
制御信号（図５のｄ）は発振状態となり、キャプスタン
の速度制御が大きく乱れる。

【００１０】したがって、位相合わせモードが本来の位
相合わせをできなくなり、位相合わせモード以降の記録
モードの最初の部分でサーボ乱れの吸収動作が行われる
こととなり、テープ速度が一定となるまで数秒程度を要
する。この様に記録されたテープを再生すると、つなぎ
撮り部分以降の数秒間は大きく画像が乱れている。

【００１１】また、このサーボ乱れを回避するために、
位相合わせ時のキャプスタン位相制御のサーボゲインを
小さくすると、つなぎ目の部分では多少速度偏差が残る
こととなり、やはりこの部分の再生時にノイズが現れる
ことがある。

【００１２】以上の問題点に鑑み、本発明の課題は、つ
なぎ撮りの位相合わせ時に、ポーズ前に記録された部分
（下地になる部分）が長時間モードで、ポーズ解除後に
記録される部分（重ね記録）が標準モードであっても、
キャプスタンの回転を安定させ、良好な再生時の画質が
得られる磁気記録再生装置を提供することである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次の構成を有する。すなわち、本発明は、
標準モードと長時間モードとの複数の異なる記録速度を
有する記録モードを切換可能な磁気記録装置において、
第１の記録モードから第２の記録モードへ切り換える切
換手段と、一時停止解除後に磁気記録媒体からコントロ
ール信号を再生する手段と、前記再生コントロール信号
から第２の記録モードに対応した再生コントロール信号
を選択的に通過させ、それ以外の再生コントロール信号
をマスクするマスク手段と、前記選択された再生コント
ロール信号を用いてキャプスタン位相制御を行う制御手
段と、を備えたことを特徴とする磁気記録再生装置であ
る。

【００１４】

【作用】上記構成により本発明は、つなぎ撮りの位相合
わせモード時に、テープ上の記録済み速度が長時間モー
ドで、ポーズ解除後の記録速度が標準モードである場合
であっても、キャプスタンの位相制御に用いる再生ＣＴ
Ｌ信号をポーズ解除後の記録速度における位相制御に必
要な信号のみ選択して使用する。このため、選択された
再生ＣＴＬ信号とキャプスタン位相制御周期とを一致さ
せることができ、位相合わせモードにおけるキャプスタ
ンサーボ乱れを防止し、位相合わせモードにおいて本来
の位相合わせができ、再開された記録モードの最初の部
分から正確なキャプスタン位相制御が行われる。

【００１５】

【実施例】次に、図面を参照して本発明の一実施例を詳
細に説明する。図１は、本発明をＶＨＳ方式のビデオテ
ープレコーダ（以下、ＶＴＲと略す）に適用した実施例
の要部構成を示すブロック図である。図２は、同実施例
における位相合わせ時のキャプスタン位相制御を説明す
るタイミングチャートである。

【００１６】図１において、本発明に係るＶＴＲは、ポ
ーズ及びポーズ解除を含む動作モード入力（ａ）に基づ
いてＶＴＲ全体を制御するシステムコントローラ（１）
と、キャプスタン制御装置（２）と、キャプスタンモー
ター（３）と、ドラムモーター（４）と、記録ＣＴＬ信
号発生装置（５）と、再生ＣＴＬＡＭＰ（６）と、ＣＴ
Ｌヘッド（７）と、ＣＴＬヘッド回路切換手段（以下Ｃ
ＴＬＳＷと略す）（８）と、再生ＣＴＬマスク信号
（ｊ）を発生するマスクタイミング発生回路（９）と、
再生ＣＴＬ信号マスク手段（１０）とを含む。

【００１７】上記構成のＶＴＲが記録モードで動作中
に、システムコントローラ（１）に入力されている動作
モード入力（ａ）が一時停止（ポーズ）入力となると、
システムコントローラ（１）はキャプスタン制御装置
（２）に対してサーボモード信号（ｂ）により“逆再生
モード”を要求する。

【００１８】これによりキャプスタン制御装置（２）
は、ＣＴＬモード切換信号（ｈ）を再生モード（ロウ
［Ｌ］レベルで再生モードを指示するとする）とし、Ｃ
ＴＬ信号を再生しキャプスタンモーター（３）を逆再生
に制御する。

【００１９】システムコントローラ（１）は、一定時間
または所定のＣＴＬパルス数だけ、この逆再生状態を継
続することにより、一定区間（一定量）だけテープを巻
き戻す。そして巻き戻しが終了すると、キャプスタン制
御装置（２）に対してサーボモード信号（ｂ）を“停止
モード”とし、ポーズ解除待ちの状態とする。

【００２０】次いで、ポーズ解除入力があると、システ
ムコントローラ（１）は、キャプスタン制御装置（２）
に対して出力するサーボモード信号（ｂ）で“位相合わ
せモード”を指示し、記録速度は速度指令信号（ｃ）で
指定する。このときキャプスタン制御装置（２）は、Ｃ
ＴＬ信号を再生し、キャプスタンを位相制御する。

【００２１】ここで、先に記録された部分（下地になる
部分）が３倍モードで、次に記録する部分（重ね記録）
が標準モードで記録する場合は、“位相合わせモード”
で再生される部分のテープ速度がその記録速度に対して
３倍となるので、再生ＣＴＬ信号のパルス周波数も３倍
となる。このため、再生ＣＴＬタイミング信号ｇは、図
２に示すように、１フレーム周期（即ちＨＳＷＰ周期：
Ｔ０）に３個となる。

【００２２】この“位相合わせモード”の期間、キャプ
スタン制御装置（２）は、マスクタイミング信号発生回
路（９）に対して、再生ＣＴＬマスク許可信号（ｉ）を
出力する。マスクタイミング発生回路（９）は、再生Ｃ
ＴＬマスク許可信号（ｉ）を出力する。

【００２３】マスクタイミング発生回路（９）は、再生
ＣＴＬマスク許可信号（ｉ）が入力されると、各フレー
ム周期Ｔ０毎に、第１の再生ＣＴＬ信号（図２のｇ１）
の立ち上がりエッジタイミングから時間Ｔ１だけ再生Ｃ
ＴＬマスク信号（ｊ）を出力する。

【００２４】このとき再生ＣＴＬ信号（ｇ１）により、
キャプスタン位相制御台形波（ｋ）がラッチされ、キャ
プスタンモーター（３）に対して、キャプスタン制御信
号（ｄ）に変換出力され、キャプスタンの回転位相はド
ラムモーター（４）から出力されるＨＳＷＰ（ｅ）に対
して所定の回転位相（φ）に制御される。

【００２５】再生ＣＴＬマスク信号が入力されている期
間、再生ＣＴＬ信号選択手段（１０）は、再生ＣＴＬＡ
ＭＰ（６）からキャプスタン制御装置（２）へ入力され
ている再生ＣＴＬタイミング信号（ｇ）を接続しない。
再生ＣＴＬマスク信号（ｊ）がアクティブになっている
時間Ｔ１をＴ０の２／３程度に選べば、図２に示すよう
に、再生ＣＴＬタイミング信号（ｇ２）及び（ｇ３）に
よるキャプスタン位相制御台形波（ｋ）のラッチを防止
することが可能となる。

【００２６】したがって、キャプスタン制御信号（ｄ）
は従来のように大きく発振することがなくなるため、位
相合わせモードが終了するまでに、キャプスタンの回転
は安定する。

【００２７】ここで、仮に下地が２倍速度（ＬＰモー
ド）の場合であっても、この再生ＣＴＬマスク信号
（ｊ）で上記再生ＣＴＬタイミング信号（ｇ２）のよう
な余分なキャプスタン位相制御台形波ｋのラッチを防止
することが可能となり、位相合わせモードの期間中にキ
ャプスタンモーターの回転を安定に制御できる。

【００２８】システムコントローラ（１）は、図３のＥ
に示すように、先ほど巻き戻したテープ長だけ、“位相
合わせモード”を継続した後、サーボモード信号を“記
録モード”に変更する。

【００２９】このとき、キャプスタン制御装置（２）
は、記録ＣＴＬタイミング信号（ｆ）を出力し、同時
に、ＣＴＬモード切換信号（ｈ）をハイ［Ｈ］レベルと
し、ＣＴＬヘッド（７）を記録ＣＴＬ信号発生装置
（５）に接続するとともに、キャプスタンの位相制御を
再生ＣＴＬタイミング信号（ｇ）による位相制御から内
部の位相信号（たとえば、本明細書では省略されている
キャプスタンＦＧ信号を分周して得る）による位相制御
に切り換える。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
時停止前の記録速度（３倍）より速い記録速度（標準）
に切り換えて、つなぎ撮りを行う場合の位相合わせモー
ドにおいて、キャプスタンの位相制御に用いる再生ＣＴ
Ｌ信号を後の記録速度における位相制御周期に適合した
ものだけ選択通過させ、それ以外の再生ＣＴＬ信号をマ
スクするので、キャプスタンサーボ乱れを防止し、位相
合わせモード中にキャプスタンの回転を安定化させるこ
とができる。したがって、記録モードの最初から安定し
たキャプスタン回転速度が得られ、再生時の速度変化
（３倍から標準へ）に対して良好な画質を確保できると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る磁気記録再生装置（ＶＴＲ）の一
実施例の要部構成を示すブロック図である。

【図２】実施例の位相合わせ動作を説明するタイミング
チャートである。

【図３】ＶＴＲにおけるつなぎ撮りシーケンスの説明図
である。

【図４】従来のＶＴＲの構成例を示すブロック図であ
る。

【図５】従来例の位相合わせ動作を説明するタイミング
チャートである。

【符号の説明】

１ システムコントローラ ２ キャプスタン制御装置 ３ キャプスタンモーター ４ ドラムモーター ５ 記録ＣＴＬ信号発生装置 ６ 再生ＣＴＬＡＭＰ ７ ＣＴＬヘッド ８ ＣＴＬＳＷ ９ マスクタイミング発生回路 １０ 再生ＣＴＬ信号マスク手段 ａ 動作モード入力 ｂ サーボモード信号 ｃ 速度指令信号 ｄ キャプスタン制御信号 ｅ ＨＳＷＰ ｆ 記録ＣＴＬタイミング信号 ｇ 再生ＣＴＬタイミング信号 ｈ ＣＴＬモード切換信号 ｉ 再生ＣＴＬマスク許可信号 ｊ 再生ＣＴＬマスク信号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 標準モードと長時間モードとを含む複数
   の異なる記録速度を有する記録モードを切換可能な磁気
   記録装置において、 第１の記録モードから第２の記録モードへ切り換える切
   換手段と、 一時停止解除後に磁気記録媒体からコントロール信号を
   再生する手段と、 前記再生コントロール信号から第２の記録モードに対応
   した再生コントロール信号を選択的に通過させ、それ以
   外の再生コントロール信号をマスクするマスク手段と、 前記選択的に通過した再生コントロール信号を用いてキ
   ャプスタン位相制御を行う制御手段と、 を備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。