JPH08165304A - 重合体エマルジョンの製造方法 - Google Patents

重合体エマルジョンの製造方法

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JPH08165304A
JPH08165304A JP33343694A JP33343694A JPH08165304A JP H08165304 A JPH08165304 A JP H08165304A JP 33343694 A JP33343694 A JP 33343694A JP 33343694 A JP33343694 A JP 33343694A JP H08165304 A JPH08165304 A JP H08165304A
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JP
Japan
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polymerization
emulsion
polymerizer
tank
polymerization tank
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JP33343694A
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Teruhiko Kondo
輝彦 近藤
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Aica Kogyo Co Ltd
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Aica Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の撹拌翼を有する反応槽を用いることに
より、重合時のモノマーの分散効率を良くし、粘度のば
らつきや微細凝集物の発生を少なくした製品と、反応装
置の洗浄を容易する。 【構成】 重合性単量体を乳化重合してなる重合体エマ
ルジョンの製造方法において、下記重合槽を用いて重合
する。重合槽内中心部に槽外から回転可能な撹拌軸1を
配設し、該軸1に、上側の格子部(グリット部)2と下
側の平板部(ボトムパドル部)3を一体化した構造の翼
を装着する。必要に応じて、槽の側壁面に邪魔板(バッ
フル)4を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体エマルジョンの
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、特定の
撹拌翼を有する反応槽を用いることにより、重合時にお
けるモノマーの分散効率が良く、重合後の出来上がり粘
度が安定し、さらに重合槽の槽壁および撹拌翼へのエマ
ルジョン付着が少なく洗浄の手間が大幅に低減できる。
【0002】又、特にアクリルエマルジョンについては
微細凝固物の発生を抑制し重合安定性に優れるエマルジ
ョンの製造が可能である。
【0003】
【従来の技術】従来より、酢酸ビニルエマルジョンやア
クリルエマルジョンなどの合成樹脂エマルジョンや、ポ
リブタジエンラテックスやスチレン−ブタジエン共重合
体ラテックスなどのジエン系共重合体ラテックスからな
る合成ゴムラテックスなどの水分散型の重合体エマルジ
ョンは、一般的に、多段の傾斜パドル,アンカー翼を撹
拌翼として持った重合槽にて反応を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら重合体エマルジ
ョン(あるいはラテックス)を製造する際には、その単
量体の種類,重合方法,重合時の粘度等により重合処方
が決定されるが、多段の傾斜パドルは、特にモノマーを
連続滴下する場合には、時間と共に重合槽の液面が時間
と共に上昇し、パドルに液面が経時的にかかっている状
態とかかっていない状態になり、撹拌効率としてばらつ
きが大きい。それゆえに、ロットごとに粘度のばらつき
が大きかったり、微細凝集物が発生することもあった。
【0005】また、アンカー翼は、液面が経時的に増加
しても撹拌効率の変化は少ないものの、部分的に十分に
撹拌されない所があり、やはり、ロットごとに粘度のば
らつきが大きかったり、微細凝集物が発生することがあ
った。
【0006】さらに、これらの翼を用いると、翼および
槽壁にエマルジョン(あるいはラテックス)の付着物が
付き易く、重合後の洗浄あるいは除去に手間がかかっ
た。
【0007】これらの問題は、生産性を低下させるのみ
ならず、場合によっては、得られたエマルジョンの品質
に悪影響をもたらすこともあった。つまり、高粘度(5
0〜2000P/30℃)の場合は粘度のばらつき、低
粘度(0.2〜50P/30℃)の特にアクリルエマル
ジョンについては微細凝集物の発生が顕著である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、重合槽に装着される撹拌翼に注目し研究した結
果、ある特定の撹拌翼を装着してなる重合槽を用いるこ
とにより、上記の課題を解決し、重合槽が大型でも、撹
拌効率が低下せず重合安定性に優れた重合体エマルジョ
ンを得る方法を見出した。
【0009】すなわち、本発明は、重合性単量体を乳化
重合してなる重合体エマルジョンの製造方法において、
下記重合槽を用いて重合すねることを特徴とする重合体
エマルジョンの製造方法である。 記 重合槽内中心部に槽外から回転可能な撹拌軸1を配設
し、該軸1に、上側の格子部(グリット部)2と下側の
平板部(ボトムパドル部)3を一体化した構造の翼を装
着した重合槽。
【0010】さらに、必要に応じて、一層の撹拌効率を
上げるために、撹拌槽の側壁面に、下部から上部まで軸
方向に沿う複数本の邪魔板(バッフル)4を間隔をおい
て配設しても良い。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用される重合性単量体としては、例えば、ビニ
ル系単量体,エチレン系不飽和カルボン酸単量体,不飽
和カルボン酸アルキルエステル単量体,ヒドロキシアル
キル基を含有する不飽和単量体,不飽和カルボン酸アミ
ド単量体,共役ジエン系単量体,芳香族ビニル系単量
体,シアン化ビニル系単量体,マレイミド単量体等が挙
げられる。
【0012】ビニル系単量体としては、酢酸ビニル,塩
化ビニル,プロピオン酸ビニル,塩化ビニリデンなどが
挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
【0013】エチレン系不飽和カルボン酸単量体として
は、アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレイン
酸,フマール酸,イタコン酸などのモノまたはジカルボ
ン酸(無水物)等が挙げられ、1種または2種以上用い
ることができる。特にモノまたはジカルボン酸が好まし
い。
【0014】不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
としては、メチルアクリレート,メチルメタクリレー
ト,エチルアクリレート,エチクメタリレート,グリシ
ジルメタクリレート,ジメチルフマレート,2−エチル
ヘキシルアクリレート等が挙げられ、1種または2種以
上用いることができる。特にメチルメタクリレートが好
ましい。
【0015】ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単
量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート,β
−ヒドロキシエチルメタクリレート,ヒドロキシプロピ
ルアクリレート,ヒドロキシプロピルメタクリレート,
2−ヒドロキシエチルメチルフマレート等が挙げられ、
1種または2種以上用いることができる。特にβ−ヒド
ロキシエチルアクリレートが好ましい。
【0016】不飽和カルボン酸アミド単量体としては、
アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチロールア
クリルアミド等が挙げられ、1種または2種以上用いる
ことができる。特にアクリルアミドが好ましい。
【0017】共役ジエン系単量体としては、1,3ブタ
ジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ
メチル−1,3ブタジエン、2−クロル−1,3ブタジ
エン、置換直鎖共役ペンタジエン類等が挙げられ、1種
または2種以上用いることができる。特に1,3ブタジ
エンが好ましい。
【0018】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン,α−メチルスチレン,ビニルトルエンおよびジビニ
ルベンゼン等が挙げられ、1種または2種以上用いるこ
とができる。特にスチレンが好ましい。
【0019】シアン化ビニル系単量体としては、アクリ
ロニトリル,メタクリニトリル,α−クロルアクリロニ
トリル等が挙げられ、1種または2種以上用いることが
できる。特にアクリロニトリルが好ましい。
【0020】マレイミド単量体としては、マレイミド,
N−フェニルマレイミド,N−メチルマレイミド等が挙
げられ、1種または2種以上用いることができる。特に
N−フェニルマレイミドが好ましい。
【0021】さらに、上記単量体の他に、エチレン,プ
ロピレン,ビニルピリジン等、通常の乳化重合において
使用される単量体は何れも使用可能である。
【0022】本発明の重合体エマルジョンの製造に用い
られる重合槽は、図1の断面図、及び以下に示される。
すなわち、重合槽内中心部に槽外から回転可能な撹拌軸
1を配設し、該軸に、上側の格子部(グリット部)2と
下側の平板部(ボトムパドル部)3を一体化した構造の
翼を装着する。さらに、一層の撹拌効率を上げるため撹
拌槽の側壁面に下部から上部まで軸方向に沿う複数本の
邪魔板(バッフル)4を間隔をおいて配設した重合槽で
も良い。なお、上記の邪魔板4は、冷却水を通水し、冷
却能力を付与することも可能である。
【0023】本発明における各種成分の添加方法につい
ては特に制限するものではなく、一括添加方法,分割添
加方法,連続滴下方法の何れでも採用することができ
る。また、本発明においては、一段重合,二段重合又は
多段階重合等何れでも採用することができる。
【0024】本発明の重合体エマルジョンを乳化重合す
るにあたっては、通常の乳化剤,重合開始剤,電解質,
連鎖移動剤,重合促進剤,キレート剤等を使用すること
ができる。
【0025】界面活性剤としては、アニオン性,カチオ
ン性,非イオン性界面活性化合物又はその混合物であり
得る。アニオン性乳化剤の例としては、アルキルアリー
ルスルホネートなどのスルホン化された脂肪酸,ポリエ
トキシル化されたアルカノール及びアルキルフェノール
のスルフェート,及びスルホ琥珀酸のエステルがある。
カチオン性乳化剤の例としては、アルキル四級アンモニ
ウム塩及びアルキル四級ホスホニウム塩がある。非イオ
ン性乳化剤の例としては、6〜22炭素原子を有する直
鎖及び枝分かれ鎖のアルカノールに付加される3〜10
0モルの酸化エチレンの添加生成物,又はアルキルフェ
ノール,又は高級脂肪酸,高級脂肪酸アミド,又は第1
及び第2高級アルキルアミン;及び酸化エチレンと酸化
プロピレンとのブロックコポリマー及びそれらの混合物
である。
【0026】種々の保護コロイドが、上記界面活性剤の
代りに又は同時に使用され得る。保護コロイドの例とし
ては、一般的なポリビニルアルコール(ポバール),一
部変性されたポリビニルアルコール,カルボキシメチル
セルロース,ヒドロキシエチルセルロース,アラビアゴ
ムなど公知のものがある。
【0027】開始剤としては、過硫酸カリウム,過硫酸
アンモニウム,過酸化水素等の水溶性開始剤,レドック
ス系開始剤あるいは過酸化ベンゾイル等の油溶性開始剤
が使用できる。
【0028】上記の如く製造された重合体エマルジョン
は、木材用接着剤,紙工用接着剤,などに使用される。
【実施例】
【0029】以下に実施例を挙げ具体的に説明するが、
割合を示す部は重量基準によるものである。 実施例1 図1に示される本発明にて規定する特定の撹拌翼を有す
る5m3 の重合槽に、ポバール水溶液(水59部,ポバ
ール3.5部)を62.5部入れ、酢酸ビニルモノマー
35部と過硫酸アンモニウム水溶液(水5部,過硫酸ア
ンモニウム0.5部)5.5部を連続滴下しながら80
℃で重合を行い、その後、可塑剤としてDBPを2部入
れ、pH調整剤を仕込んでpHを5に調整して、酢酸ビ
ニルからなる実施例1のエマルジョンとした。
【0030】比較例1 実施例1と同一の配合および同一重合条件で、5m3
重合槽の撹拌翼を多段(3段型)パドルにて重合を行
い、酢酸ビニルからなる比較例1のエマルジョンとし
た。
【0031】実施例2 実施例1と同一の重合槽に、水38部を仕込み60℃に
加熱し、過硫酸アンモニウム0.02部,硫酸第一鉄
0.002部を加える。次に、水10部,イタコン酸
0.4部,メチルメタアクリレート42部,界面活性剤
2.6部を前もってプレエマルジョンのモノマーとして
ものと過硫酸アンモニウム1部を水6部で溶解したもの
を、2時間で連続滴下しながら、60℃で重合を行い、
その後、pH調整剤を仕込んでpHを9に調整して、メ
チルメタアクリレート重合体からなる実施例2のエマル
ジョンとした。
【0032】比較例1 実施例1と同一の配合および同一重合条件で、5m3
重合槽の撹拌翼を多段(3段型)パドルにて重合を行
い、比較例2のエマルジョンとした。
【0033】次に、実施例,比較例の各エマルジョンの
製造時における重合状態、製品の粘度と微細凝集物の
量、重合槽の洗浄性を次の様に5ロット分を測定し、結
果を表1に示す。 重合状態 :エマルジョン重合時におけるモノマーの系
への分散性の状態(良好,不良) 粘度 :30℃におけるB型粘度計による測定値
(P/30℃) 微細凝集物:製品20Kg中に存在する凝集物の量(平
均重量g) 洗浄性 :槽壁や撹拌翼へのエマルジョンの付着量が
少なくて、洗浄し易い場合は容易。付着量が多くて、洗
浄しにくい場合は困難。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明にて特定の撹拌翼を有する重合槽
を用いることにより、モノマーの系への分散性が良好な
ために、製品の粘度のばらつきが少なく、微細凝集物が
少量となり、かつ、重合槽内,撹拌翼への付着が低減で
きて、洗浄作業が容易になる。よって、工業的に非常に
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1,2で用いられた特定撹拌翼
を備えた重合槽の断面図。
【符号の説明】
1 撹拌軸 2 格子部(グリット部) 3 平板部(ボトムパドル部) 4 邪魔板(バッフル)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体を乳化重合してなる重合体
    エマルジョンの製造方法において、下記重合槽を用いて
    重合することを特徴とする重合体エマルジョンの製造方
    法。 記 重合槽内中心部に槽外から回転可能な撹拌軸1を配設
    し、該軸1に、上側の格子部(グリット部)2と下側の
    平板部(ボトムパドル部)3を一体化した構造の翼を装
    着した重合槽。
JP33343694A 1994-12-14 1994-12-14 重合体エマルジョンの製造方法 Pending JPH08165304A (ja)

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