JPH08158405A - 掘削機 - Google Patents

掘削機

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Publication number
JPH08158405A
JPH08158405A JP33113594A JP33113594A JPH08158405A JP H08158405 A JPH08158405 A JP H08158405A JP 33113594 A JP33113594 A JP 33113594A JP 33113594 A JP33113594 A JP 33113594A JP H08158405 A JPH08158405 A JP H08158405A
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JP
Japan
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base
rotation
swivel
swivel base
vehicle body
Prior art date
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Application number
JP33113594A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kishi
光宏 岸
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Japanic Corp
Original Assignee
Japanic Corp
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Publication date
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  • Operation Control Of Excavators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掘削機構を載置した回動基台と旋回台とを二
重に旋回させ、車幅の範囲内で掘削機構を車体の前側か
ら後側に移動させるとができる掘削機。 【構成】 車体10と、この車体10上に載置された旋
回台14と、この旋回台14の前側の一側に偏位して載
置された回動基台30と、この回動基台30に載置され
た掘削機構51と、旋回台14の前側の他側に偏位して
載置されたターンテーブル17と、このターンテーブル
17の上面に載置さた操縦席18と、車体10に対して
旋回台14を回転させる第一の駆動手段61と、旋回台
14に対して回動基台30を回転させる第二の駆動手段
67と、回動基台30とターンテーブル17を同期して
同じ方向に回転させる同期連動手段とから成り、第二の
駆動手段67により回動基台30を回転させるとターン
テーブル17も同一の角速度で回転することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路や工事現場での土
砂の掘削作業に用いられる掘削機に関し、特に、掘削機
構を載置した回動基台と旋回台とを二重に旋回させ、車
幅の範囲内で掘削機構を車体の前側から後側に移動させ
るとができる掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】道路工事や建築工事などの地面を掘り取
る作業には、従来から掘削機(バックホーとも呼ばれ
る)が盛んに用いられている。従来の掘削機の構成は、
移動できる車体の上に旋回台を回転自在に載置し、旋回
台にアームを上下動自在に連結し、アームの先端にブー
ムを上下動自在に連結し、ブームの先端にバケットを連
結したものが多かった。これらのアーム、ブーム、バケ
ットで掘削機構が構成され、この掘削機構は旋回台に対
して左右に揺動できるように連結してある。このような
構成の掘削機では、前記掘削機構を構成するアーム、ブ
ーム、バケットを協同して回動させ、バケットにより土
砂を掘り取ることができるものであった。
【0003】そして、掘削機では、車体の前方に対向し
た地面をバケットにより掘削し、掘削機構のアームとブ
ームを上下動させてバケットを持ち上げ、掘り取った土
砂をすくい上げることができる。そして、掘削機構を車
体の前側から後側に約180度旋回させ、バケットを反
転して移動させることにより、掘り取った土砂を掘削機
の後部に待機しているトラックの荷台等に移し変えるこ
とができた。この動作を順次行うことにより、溝や掘り
をその長さ方向に連続して掘り取ることができるもので
あり、省力化のために掘削機は有効に利用されていた。
【0004】このように、掘削機により土砂を掘り取る
掘削作業では、必ず掘削した土砂を掘削機の後方に待機
したトラックなどに移し変える作業が継続して発生して
いた。この移し変えのためには、掘削機構を車体上で反
転させなければならないことになるが、この反転の動作
において掘削機構が車体の側面より大きくはみ出すこと
になり、掘削の作業現場では掘削機構が旋回できるだけ
の空間が必要となっていた。
【0005】このため、従来の掘削機を使用して二車線
ある道路の一方の車線でその長さ方向に沿って溝などを
連続して掘り取る作業を行う場合では、掘削機構を旋回
させるために作業をしていない他方の車線まで掘削機構
をはみ出さなければならなかった。この場合、二車線の
うち一方の車線のみを掘削していて、掘削機が占有して
いるのは一方の車線だけであるが、実際の旋回の動作中
は他方の車線も事実上占有することになった。このた
め、掘削機構を旋回させる際には、危険防止のために作
業をしていない他方の車線で交通制限を行ない、自動車
の通行を一時停止させなければななかった。従って、従
来の掘削機を用いた掘削作業では、掘削していない隣の
車線での車輛の運行を全面的、或いは一時的に停止させ
なければならず、車輛の流れが停滞して交通機関の運行
経済上からも道路占有上からも好ましいものではなかっ
た。
【0006】また、掘削する工事現場では、掘削機の幅
しか入り込めない狭い道路や環境もある。例えば、狭い
道路の左右に壁が並んでいたり、建造物と建造物の間に
通路が設けられているような状況の場所である。このよ
うな状態であっては、掘削機構を車体上で旋回させる
と、車体の幅よりも外側に掘削機構が突出し、掘削機構
が壁や建造物に衝突して破損させる原因にもなってい
た。また、狭い道路であっては、掘削機構が旋回する際
に通行者や作業員に衝突し、人身事故となる場合もあ
り、極めて危険と言わざるを得なかった。
【0007】このため、移動可能な車体と、この車体上
方のやや中央よりその側面に接近した位置にその一端を
揺動自在に軸支させた回動体と、回動体の揺動中心より
距離を離した他端上面に回転自在に軸支させた旋回台
と、旋回台上に固定されたバケットを含む掘削機構とか
ら成る掘削機において、回動体の揺動中心にその中心を
合わせて車体上面に固定された固定歯車と、旋回台の回
動中心にその中心を合わせて旋回台に固定された旋回歯
車と、この固定歯車と旋回歯車の両者に噛み合って回動
体に軸支された中間歯車と、この中間歯車を回転させる
ための駆動機構とを有し、駆動機構によって中間歯車を
回動させることにより固定歯車の外周に沿って回動体を
前後に揺動させ、同時に中間歯車に噛み合った旋回歯車
を回転させることにより、旋回台を回動体の揺動に同期
させて逆方向に回転させ、掘削機構を車体の幅に納まる
ようにしながら車体上を移動させることを特徴とする掘
削機も提案されている(特開昭57年127032号、
特開昭57年127033など)。
【0008】この構成では、掘削機構を車体の幅の範囲
で旋回させることができるが、掘削機構を載置してある
回動体は車体上で扇形に往復動するため、回動体の支持
機構が複雑となる欠点があった。また、回動体と掘削機
構は歯車で連結されており、掘削機構の自由度が無く、
車体の側面やきわを掘ることができないため、掘削の作
業では使いにくいものであった。
【0009】また、移動可能な車体と、この車体上面の
ほぼ中央にその回転中心を一致させて水平に全旋回する
ことができるように軸支させた旋回台と、この旋回台の
回転中心よりその回転中心を離して水平に全旋回するこ
とができるように回転自在に軸支させた作業台と、旋回
台の回転と作業台の回転をそれぞれ一定の比率で同期さ
せると共に両者の回転を逆方向に制御する駆動機構と、
作業台上に固定されたバケットを含む掘削機構とから成
り、旋回台を車体上で水平方向に回転させると共に、作
業台を旋回台の回転に同期させて逆方向に回転させ、掘
削機構が車体の幅の範囲外に飛び出すことなく、車体の
一方より他方に移動させることを特徴とする掘削機も提
案されている(特開昭59年18823号、特開昭59
年68435号など)。
【0010】この構成では、旋回台と作業台が車体に対
して二重に旋回し、旋回台に載置した掘削機構を車体上
面を通過させ、掘削機構を車体の幅の範囲内で移動させ
ることができるものである。しかし、掘削機構を車体の
上面で通過させなければならないため、車体の形状に制
限があり、また、掘削機構を車体上で高い位置に載置し
ておかなければならず、重心が高くなる欠点があった。
また、運転手が乗る座席は旋回台と共に回転し、運転手
は二重に旋回するため運転の感覚が悪くなる欠点を有し
ていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
掘削機では、旋回台を回転させようとすると掘削機構が
車体の側面より突出し、建造物や人員に衝突して危険な
ものであった。また、この欠点を解消しようとして掘削
機の車体の幅の範囲内で掘削機構を回転させようとする
機構も提案されていたが、構造が複雑になると共に車体
の前側のみの掘削作業しかできない構造上の致命傷を持
つものであった。また、旋回台と回転台を自由に回転で
きるように構成し、それぞれを操作することにより車幅
内で掘削機構を旋回させることもできるが、操作が複雑
となり、作業員の熟練を必要とされるものであった。こ
のため、自動的に掘削機構を車幅内で旋回できる機構の
開発が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本願の発明に
かかる掘削機では、移動可能な車体と、この車体上で水
平方向に回転できるように載置された旋回台と、この旋
回台の前側であって一側に偏位した位置で水平方向に回
転できるように載置された回動基台と、この回動基台に
よりその下部を支持され、先端にバケットを連結して上
下に屈曲できるアームとブームを有する掘削機構と、旋
回台の前側であって他側に偏位した位置で水平方向に回
転できるように載置されたターンテーブルと、このター
ンテーブルの上面に載置されて作業員が座ることができ
る操縦席と、車体に対して旋回台を回転させる第一の駆
動手段と、旋回台に対して回動基台を回転させる第二の
駆動手段と、回動基台とターンテーブルを同期して同じ
方向に回転させる同期連動手段とから成り、第二の駆動
手段により回動基台を回転させるとターンテーブルも同
一の角速度で回転し、ターンテーブル上の操縦席に座っ
た作業者の視線の前方に回動基台上の掘削機構が常時位
置するように制御することを特徴とする。
【0013】本願の発明の掘削機では、移動可能な車体
と、この車体上で水平方向に回転できるように載置され
た旋回台と、この旋回台の前側であって一側に偏位した
位置で水平方向に回転できるように載置された回動基台
と、この回動基台によりその下部を支持され、先端にバ
ケットを連結して上下に屈曲できるアームとブームを有
する掘削機構と、車体に対して旋回台を回転させる第一
の駆動手段と、旋回台に対して回動基台を回転させる第
二の駆動手段と、第一と第二の駆動手段を予め定められ
た手順により制御する回転制御手段とから成り、第一の
駆動手段により旋回台を回転させながら第二の駆動手段
により回動基台を回転させ、両者の回転を定められた手
順により制御することで、掘削機構を車体の側面より突
出させずに車体の前側から後側に移動させることを特徴
とする。
【0014】本願の発明の掘削機では、移動可能な車体
と、この車体上で水平方向に回転できるように載置され
た旋回台と、この旋回台の前側であって一側に偏位した
位置で水平方向に回転できるように載置された回動基台
と、この回動基台によりその下部を支持され、先端にバ
ケットを連結して上下に屈曲できるアームとブームを有
する掘削機構と、車体に対して旋回台を回転させる第一
の駆動手段と、旋回台に対して回動基台を回転させる第
二の駆動手段と、第一と第二の駆動手段の回転運動を制
御する回転制御手段と、旋回台の回転角度を検知して回
転制御手段に信号を出力する第一の回転角検出手段と、
回動基台の回転角度を検知する回転制御手段に信号を出
力する第二の回転角検出手段と、回転制御手段に予め記
憶してある制御手順を出力する制御記憶手段とから成
り、回転制御手段は第一と第二の回転角検出手段からの
信号により旋回台と回動基台の角度位置を判別しながら
第一と第二の駆動手段を作動させることを特徴とする。
【0015】本願の発明の掘削機では、移動可能な車体
と、この車体上で水平方向に回転できるように載置され
た旋回台と、この旋回台の前側であって一側に偏位した
位置で水平方向に回転できるように載置された回動基台
と、この回動基台によりその下部を支持され、先端にバ
ケットを連結して上下に屈曲できるアームとブームを有
する掘削機構と、車体に対して旋回台を回転させる第一
の駆動手段と、旋回台に対して回動基台を回転させる第
二の駆動手段と、第一と第二の駆動手段の回転運動を制
御する回転制御手段と、旋回台の回転角度を検知して回
転制御手段に信号を出力する第一の回転角検出手段と、
回動基台の回転角度を検知する回転制御手段に信号を出
力する第二の回転角検出手段と、回転制御手段に予め記
憶してある制御手順を出力する制御記憶手段とから成
り、回転制御手段は第一と第二の回転角検出手段からの
信号により旋回台と回動基台の角度位置を判別しながら
第一と第二の駆動手段を作動させ、その制御手順は、旋
回台の前側が車体の前側から最初の90度を回転する際
には、回動基台は旋回台の回転方向とは逆方向に約2倍
の速度で回転し、旋回台が次の180度を回転する際に
は回動基台はその位置で停止し、旋回台が最初の位置か
ら270度回転したならば、その位置から逆方向に90
度回転し、回動基台は旋回台の回転方向とは逆方向に約
倍の速度で回転し、旋回台が逆方向に90度回転した時
に、旋回台と回動基台の回転を停止させることを特徴と
する。
【0016】本願の発明の掘削機では、移動可能な車体
と、この車体上で水平方向に回転できるように載置され
た旋回台と、この旋回台の前側であって一側に偏位した
位置で水平方向に回転できるように載置された回動基台
と、この回動基台によりその下部を支持され、先端にバ
ケットを連結して上下に屈曲できるアームとブームを有
する掘削機構と、旋回台の前側であって他側に偏位した
位置で水平方向に回転できるように載置されたターンテ
ーブルと、このターンテーブルの上面に載置されて作業
員が座ることができる操縦席と、車体に対して旋回台を
回転させる第一の駆動手段と、旋回台に対して回動基台
を回転させる第二の駆動手段と、回動基台とターンテー
ブルを同期して同じ方向に回転させる同期連動手段と、
第一と第二の駆動手段の回転運動を制御する回転制御手
段と、旋回台の回転角度を検知して回転制御手段に信号
を出力する第一の回転角検出手段と、回動基台の回転角
度を検知する回転制御手段に信号を出力する第二の回転
角検出手段と、回転制御手段に予め記憶してある制御手
順を出力する制御記憶手段とから成り、回転制御手段は
第一と第二の回転角検出手段からの信号により旋回台と
回動基台の角度位置を判別しながら第一と第二の駆動手
段を作動させ、その制御手順は、旋回台の前側が車体の
前側から最初の90度を回転する際には、回動基台は旋
回台の回転方向とは逆方向に約2倍の速度で回転し、旋
回台が次の180度を回転する際には回動基台はその位
置で停止し、旋回台が最初の位置から270度回転した
ならば、その位置から逆方向に90度回転し、回動基台
は旋回台の回転方向とは逆方向に約倍の速度で回転し、
旋回台が逆方向に90度回転した時に、旋回台と回動基
台の回転を停止させ、この回動基台が旋回台に対して回
転する際に、同期連動手段によってターンテーブルも回
動基台と同一方向に同一の角速度で回転させ、ターンテ
ーブル上の操縦席に座った作業者の視線の前方に回動基
台上の掘削機構が常時位置するように制御することを特
徴とする。
【0017】本願の発明の掘削機では、望ましくは、前
記第一と第二の駆動手段は、油圧モーターであることを
特徴とする。
【0018】本願の発明の掘削機では、望ましくは、前
記同期連動手段は、回動基台に同軸に固着したスプロケ
ットホイールと、ターンテーブルに同軸に固着したスプ
ロケットホイールと、両スプロケットホイールを巻き廻
したチェーンから成ることを特徴とする。
【0019】本願の発明の掘削機では、望ましくは、前
記第一と第二の回転角検出手段は、角度センサーである
ことを特徴とする。
【0020】
【作用】本発明による掘削機においては、回動基台が旋
回台の前側であって一側に偏位した位置で水平方向に回
転できるように載置してあり、この回動基台上に掘削機
構が固定してあり、ターンテーブルが旋回台の前側であ
って他側に偏位した位置で水平方向に回転できるように
載置してあり、このターンテーブルの上面に作業員が座
ることができる操縦席を設けてある。このため、旋回台
と回動基台をそれぞれ自由に回転させることができ、掘
削機構を車体上に移動させて外部に突出させない位置に
制御することができる。また、ターンテーブルを回動基
台と同調させて同じ回転角速度で回転させることができ
るので、操縦席に座った作業員の視線は常に掘削機構の
方向を向いており、回動基台の回転に伴って作業員の姿
勢を無理な方向に変えることなく掘削の作業位置を確認
することができる。
【0021】これらの旋回台と回動基台を回転させるた
めに、それぞれ独立した第一と第二の駆動手段を設けて
あり、各駆動手段により旋回台と回動基台を回転させる
ことができ、その回転は回転制御手段により定められた
手順により自動的に行うことができる。この手順に従っ
て第一と第二の駆動手段が適当なタイミングと速度で回
転するため、掘削機構は旋回台の上部に位置して回転す
ることができ、旋回台が車体の前側から後側に回転する
間に回動基台は掘削機構が車幅より突出しない位置に逃
がすことができる。この制御は記憶させてある手順によ
り、最良の回転タイミングで行うことができるので、作
業員に熟練を必要とせず、作業員の疲れも少なくなる。
【0022】そして、旋回台の回転角度を検知する第一
の回転角検出手段と、回動基台の回転角度を検知する第
二の回転角検出手段とを設けてあり、第一と第二の回転
角検出手段からの信号は回転制御手段に出力されてい
る。このため、回転制御手段は旋回台と回動基台の角度
位置を常時把握することができ、記憶させてある動作の
手順とその位置を比較することができ、正確に旋回台と
回動基台を回転させることができる。この回転角の位置
は零位置を基準にすれば、どのような場合であっても同
じ軌跡の回転制御を行うことができ、経年による回転角
度位置のずれを防止し、確実な制御を行うことができ
る。
【0023】そして、旋回台と回動基台の回転の順序と
して、旋回台が最初に90度回転する際には回動基台は
2倍の速度で逆方向に回転する。このため、旋回台が車
体に対して真横の90度回転した状態で掘削機構は18
0度回転して旋回台の上方に位置し、旋回台の外部に突
出していない。この後、旋回台が続けて180度回転し
て一時停止するが、この間は回動基台は回転せずに掘削
機構が旋回台の上方に位置したままの姿勢を保持する。
この状態で回転するので、掘削機構は車体の側面に位置
する建造物や人員と衝突することが無くなり、安全に回
転することができる。そして、最初に位置から270度
回転した位置から、旋回台は逆方向に回転を始め、同時
に回動基台は旋回台とは逆方向に2倍の速度で回転を始
める。すると、回動基台の回転により掘削機構は車体の
後方に引き出され、しかも、車体の側面に突出すること
なく回動させられる。次いで、旋回台が90度回転し、
旋回台が回転の最初の位置から180度の位置まで逆転
したならば旋回台は停止するが、この時には回動基台は
車体の後方を向いており、掘削機構は車体の後方に延長
するようにその長さ方向が伸びている。この一連の動作
を行うことにより、掘削機構は車体上で二重に旋回し、
車体の側面より突出することなく車幅の範囲内でその向
きを180度変更することができる。
【0024】このような旋回台と回動基台の同期した決
められた手順による回転により、掘削機構はその向きを
反転することができるが、この運動の際に、ターンテー
ブルは回動基台と同期して同じ角速度で回転することが
できる。このターンテーブル上の操縦席に座った作業員
は、操縦席と共に回動基台と同じ方向で同じ角速度で同
期して回転するため、作業員の視線の方向は常に掘削機
構の前方を向くことができ、作業の安全を確認すること
ができる。
【0025】前述の第一と第二の駆動手段は油圧モータ
ーにより構成されているので、旋回台と回動基台を強力
に回転させることができる。
【0026】また、回動基台とターンテーブルを同期さ
せるための同期連動手段は、スプロケットホイールとチ
ェーンにより構成されているので、構成が簡易で、その
動作が確実に行なうことができる。
【0027】そして、前記第一と第二の回転角検出手段
は角度センサーであるため、車体に対して回転している
旋回台の角度位置と、旋回台に対して回転している回動
基台の角度位置を正確に検出することができる。この検
出した角度位置の信号は回転制御手段に常時伝えられて
いるので、設定してある手順と比較し易いものであり、
制御のずれや誤差を自己判別して正確な制御を行うよう
に修正することが容易となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例である掘削機5を図
面により説明する。この図1は一実施例における掘削機
5全体の外観を示す斜視図、図2は掘削機5を上方から
見た平面図、図3は掘削機5の側面図、図4は掘削機5
を前方から見た正面図である。この図2においては、図
1、図3、図4で示されている運転席の上方に設けられ
ている保護屋根が省略されている。また、図1、図2、
図3、図4においては、車体11に対し旋回台14が正
面前方を向いた位置に停止しており、掘削機構51を車
体11と平行に位置させ、バケット50を上方に持ち上
げた状態を示している。
【0029】まず、この掘削機5はそれ自体で自走する
ことができるものであり、その中央から左右に広がった
形状の車体10の両側の前後には前輪11と後輪12が
軸支してある。車体10の左右の各一対の前輪11と後
輪12の間には、無端状となったクローラー13がそれ
ぞれ巻き回してあり、車体10の左右には二つのクロー
ラー13が平行となるように配置してある。この二つの
クローラー13を同時に正転または逆転、或いは左右を
逆に回転させることにより、車体10を前後進させたり
方向転換することができ、この構成は従来から知られて
いる。そして、車体10の中央(すなわち左右にあるク
ローラー13の間)には、上方に突起した円筒形状の回
転支持台28が設けてあり(図3、図4を参照)、この
車体10の回転支持台28の上部には旋回台14が車体
10に対して水平方向に360度回転自在に載置してあ
る。この旋回台14は車体10に対して旋回でき、後述
する掘削機構51を掘削する場所に向けることができる
ものであり、旋回台14の上面にはエンジン、油圧発生
機構等の駆動機構や制御機構を収納してある(これらの
機構は図示していない)。
【0030】この旋回台14の平面形状は図2により示
され、側面形状は図3により示されている。この旋回台
14の平面形状は周囲がやや円形となっており、その前
面(図1において左下側、図2において下側、図3にお
いて左側)は円形の接線方向に直線で切断された形状を
有している。このため、旋回台14は円盤形の一部を直
線で切り欠いた形状となっており、旋回台14の円形と
なった外径は左右のクローラー13の各側面より内側と
なる形状に設定してある(図3を参照)。この外径のた
め、旋回台14が車体10上で回転しても旋回台14の
側面はクローラー13の外側より突出せず、旋回台14
が旋回しても旋回台14の周面が建物や人員に接触する
ことがない形状となっている。
【0031】そして、この旋回台14は図3で示すよう
に掘削機構51などの重量を支えるために充分な耐久力
を持った厚みがあり、この旋回台14の平坦となった上
面にはお碗を伏せたような形状のカバー15が被せてあ
る。このカバー15は薄肉の鋼板を加工することによっ
て、内部が空洞となるように立体形に成形してあり、こ
のカバー15の内部にはエンジン、油圧発生機構等が収
納してある。このカバー15の下部の外周は前記旋回台
14の周面の形状に一致させて半円形に形成してあり、
カバー15の前側(図1において左手前側、図2におい
て下側)は旋回台14の中心部に向けてやや『く』の字
形となるように後退した境界側面16が形成してある。
この境界側面16はカバー15の屋根形をした上面よ
り、垂直に垂れ下がるように形成してあり、この境界側
面16により旋回台14の前半分の上面(図2において
下半分の区域)は平坦な平面を露出してある。
【0032】このように、カバー15の境界側面16に
よって、旋回台14の上面は平坦な部分とカバー15に
よって覆われた部分に区分されており、その平坦な部分
は境界側面16によりやや扇形の平面(図2において下
半分の部分)が形成されている。この扇形になった旋回
台14の上面の内で、車体10の正面に向かって右側
(図2、図4で右側)の上面にはターンテーブル17が
水平方向に回転自在に載置してあり、車体10の正面に
向かって左側(図2、図4で左側)の上面には回動基台
30が水平方向に回転自在に載置してある(このターン
テーブル17、回動基台30の回動手段の構成は後述す
る)。
【0033】そして、前述した旋回台14は車体10に
対して水平に360度回転することができ、その回転の
中心Xは図2で示すように左右のクローラー13の中間
に位置している。これに対し、ターンテーブル17の回
転の中心Yは図2で示すように旋回台14の回転の中心
Xよりも外側に離れた位置にあり、しかも旋回台14の
回転の中心Xよりも斜め右側の前方に偏位させてあり、
ターンテーブル17の回転の中心Yは左右のクローラー
13の幅の四分の一程度の距離だけ旋回台14の回転の
中心Xから離してある。また、回動基台30の回転の中
心Zは図2で示すように旋回台14の回転の中心Xより
も外側に離れた位置にあり、しかも旋回台14の回転の
中心Xよりも斜め左側の前方に偏位させてあり、回動基
台30の回転の中心Zは左右のクローラー13の幅の四
分の一よりも少し長い距離だけ旋回台14の回転の中心
Xから離してある。このように、この掘削機5では水平
方向の回転の中心がX、Y、Zの三点あり、各中心X、
Y、Zは三角形を描くように配置されている。
【0034】このターンテーブル17の上面後部(図2
において上側、図3において右側)には運転者が座るこ
とができる運転席運転席18が固定してあり、この運転
席18の左右には上方に延長した細長い箱状をした制御
箱19、20が設けてある。この制御箱19の上端から
は油圧機構を制御するためのジョイスティック21が上
方に突出してあり、制御箱20の上端にも油圧機構を制
御するためのジョイスティック22が上方に突出してい
る。このジョイスティック21、22は後述するように
掘削機5の全体を制御するとともに、掘削機構51を旋
回台14に対して左または、右の何れかに向けて回動の
制御を行わせることができ、さらに車体10に対して旋
回台14を同期して旋回させる制御を行わせることがで
きるものである。
【0035】また、ターンテーブル17の前側(図2に
おいて下側、図3において左側)には運転席18に搭乗
した運転者が運転席18より落下を防止するとともに、
ターンテーブル17と共に運転席18が回転したときに
運転者が他の機構と接触して事故を起こすのを防止する
ための保護レール23が固定してある。この保護レール
23は丸パイプを曲げることによりアーチ形に形成して
あり、両側にある脚部分の下端をターンテーブル17の
前側に固着して起立させてある。この保護レール23の
形状は図1で理解できるように、両側と中央は垂直に立
ち上げられて脚部分となり、両側の脚部分の上端の間に
ある水平部分は半円弧形に形成してあり、この半円弧形
部分の曲率はターンテーブル17の回転軌跡と同じとな
るように設定してある。つまり、保護レール23は三つ
の脚部分で支えられ、その上部の水平部分は半円弧形と
なっており、ターンテーブル17が回転しても保護レー
ル23は周囲の機構と衝突しないような形状に設定して
ある。そして、運転席18の背面の位置にはターンテー
ブル17より垂直上方に向けてマスト26が起立してあ
り、このマスト26の上端には運転席18を覆うように
水平に保護屋根27が取り付けてある。
【0036】次に、旋回台14の前側にある水平な部分
の左側(図1において左奥、図2において左の下側、図
4において旋回台14の中心より左側)には、円盤形を
した回動基台30が水平方向に回転自在に載置してあ
り、この回動基台30の上面にはブロック状となった支
持基台31が載置してある。この支持基台31は鋳物等
で一体に形成されたもので、支持基台31の両側には上
方に向かって壁状をした一対のシリンダー受片53が突
起してあり、支持基台31の前側には壁状をした一対の
シリンダー受片54が突出してある。両シリンダー受片
53の間にはやや『く』の字形に曲げられたブーム37
の下部が挿通してあり、ブーム37の下部と支持基台3
1とはピン38によって回動自在に連結してある。この
ピン38により、ブーム37はピン38を回動の中心と
して上下に揺動自在となるように軸支される。また、支
持基台31の前側にある両シリンダー受片54の間には
油圧シリンダー39の基部が挿通してあり、シリンダー
受片54と油圧シリンダー39の基部とはピン40によ
って回動自在に連結してある。この油圧シリンダー39
のシリンダーロッドの先端はブーム37の中間にピン4
1によって連結してあり、油圧シリンダー39が伸縮す
るとブーム37は上下に揺動させられる。
【0037】また、ブーム37の先端には細長いアーム
42の後端がピン43によって上下に揺動自在となるよ
うに連結してあり、アーム42の後端とブーム37の背
中の中央との間には油圧シリンダー44が介在させてあ
り、油圧シリンダー44のシリンダーロッドとアーム4
2の後端とはピン52によって連結してある。さらに、
アーム42の先端にはバケット50が上下に揺動自在に
連結してあり、同時に、アーム42の先端にはリンク4
8が連結してあり、バケット50の背面にはリンク49
が連結してある。そして、アーム42の上面後端には油
圧シリンダー45の基部がピン46によって連結してあ
り、油圧シリンダー45のシリンダーロッドの先端と両
リンク48、49の先端はピン47によってリンク機構
を形成するように連結してある。このような構成によ
り、ブーム37、アーム42、バケット50を主要部材
とし、油圧シリンダー39、44、45を作動源とする
掘削機構51が形成されている。この掘削機構51の機
構は従来から知られた構成である。
【0038】次に、図5は、旋回台14を車体10に対
して回転させるための駆動機構と、回動基台30(すな
わち掘削機構51全体)を旋回台14に対して回動させ
るための駆動機構を示すものである。前述の車体10の
中央上面にはリング状をした回転支持台28がその軸線
を垂直となるようにに固定してあり、この回転支持台2
8の内周には内歯車60が形成してある。この回転支持
台28の上面に旋回台14の下面を嵌め合わせることに
より、旋回台14は回転支持台28に対して水平方向に
回転することができる。この旋回台14の下面には油圧
によって回転させられる第一の駆動手段としての油圧モ
ーター61が固定してあり、この油圧モーター61の出
力軸62は回転支持台28の内部空間に向けられてお
り、出力軸62の先端には小歯車63が固着してあり、
小歯車63の外周に形成した歯面は前述の内歯車60と
噛み合わせてある。この油圧モーター61の上面には、
出力軸62の回転角度を電気信号として変換することが
できるロータリーエンコーダーなどのような構造の第一
の回転角検出手段としての角度センサー64が固定して
ある。
【0039】また、旋回台14のターンテーブル17と
回動基台30の間の位置には、油圧によって回転させら
れる第二の駆動手段としての油圧モーター67が固定し
てあり、この油圧モーター67の出力軸68は上方に向
けて垂直に位置させてある。そして、油圧モーター67
の大部分は旋回台14の内部空間に収納してあり、出力
軸68が旋回台14の上面から突出してある。この出力
軸68には駆動歯車76が固着してあり、油圧モーター
67の下面にはこの油圧モーター67の回転角度を電気
信号として変換することができるロータリーエンコーダ
ーなどのような構造の第二の回転角検出手段としての角
度センサー69が固定してある。
【0040】次に、図6は前述の油圧モーター67によ
って駆動させられる回動基台30とターンテーブル17
の同期連動機構を詳しく説明するものである。
【0041】前記旋回台14の前側の上面であって、車
体10の正面に対して左側(図6で奥側)には円筒形を
した軸支筒71がその軸線を垂直となるように固定して
あり、車体10の正面に対して右側(図6で手前側)に
は円筒形をした軸支筒79がその軸線を垂直となるよう
に固定してある。この軸支筒71の中心軸は図2で示す
回動基台30の回転中心Zと一致させてあり、軸支筒7
9の中心軸は図2で示すターンテーブル17の回転中心
Yと一致させてある。
【0042】この軸支筒71には、リング状の形状をし
て、その内径を軸支筒71の外径とほぼ同じとした軸穴
77を開口した駆動筒体75が挿通してある。この駆動
筒体75は、軸穴77が軸支筒71の周囲で円滑に摺動
することにより、駆動筒体75は軸支筒71の中心軸を
その回転中心として回動することができる。この駆動筒
体75の外周の上側には大歯車73を形成してあり、下
側にはスプロケットホイール74を形成してあり、大歯
車73とスプロケットホイール74は一体となって回転
することになる。そして、スプロケットホイール74の
軸穴77を軸支筒71に挿入した状態で、出力軸68に
固着した駆動歯車76の外歯を大歯車73と噛み合せて
ある。また、駆動筒体75の上面の周囲には等間隔にネ
ジ穴78が形成してあり、前述の円盤形をした回動基台
30の周囲には等間隔に通孔86が貫通開口させてあ
り、通孔86に止めネジ72を挿通した後、止めネジ7
2の先端をネジ穴78にねじ込むことにより駆動筒体7
5と回動基台30を固着している。
【0043】前述の軸支筒79には、円盤形状をして、
その内径を軸支筒79の外径とほぼ同じとした軸穴81
を開口したスプロケットホイール80が挿通してある。
このスプロケットホイール80の軸穴81が軸支筒79
の周囲で円滑に摺動することにより、スプロケットホイ
ール80は軸支筒79の中心軸をその回転中心として回
動することができる。このスプロケットホイール80の
周囲にはには歯面が形成してあり、スプロケットホイー
ル80の平面の上下には通孔82が貫通開口させてあ
る。前述のターンテーブル17の下面にはネジ穴85が
形成してあり、通孔82に止めネジ83を上向きに挿通
し、止めネジ83の先端をネジ穴85にねじ込むことに
より、ターンテーブル17はスプロケットホイール80
と一体になって組み立てられる。このように組み立てら
れると、スプロケットホイール80とターンテーブル1
7はこの軸支筒79をその回転の中心として水平方向に
自由に回動することができる。
【0044】こうして、駆動筒体75とスプロケットホ
イール80はそれぞれ軸支筒71、79で回転自在に保
持されており、前述のスプロケットホイール74と80
の間にはチェーン84が無端状に巻き廻されており、両
スプロケットホイール74と80は同期して同じ方向に
回動させれることになる。なお、スプロケットホイール
74の外径とスプロケットホイール80の外径は同一と
してあり、チェーン84で両スプロケットホイール74
と80の間を巻き廻すことにより、ターンテーブル17
の向く方向と回動基台30の前側に突出したシリンダー
受片54が向く方向とが常に平行になるように同期され
る。これらのスプロケットホイール74と80、チェー
ン84によって同期連動手段が構成されている。
【0045】次に、図7は本実施例における各駆動部分
に圧力油を供給する油圧系統の回路図である。この図7
においては、前述の油圧モーター61、67を駆動させ
る配管のみを説明し、掘削機構51の各油圧シリンダー
39、44、45、およびクローラー13を駆動する油
圧モーターへの圧力油の配管は省略してある。
【0046】圧力油を貯留する油タンク90には油圧ポ
ンプ91の吸引側が連通してあり、油圧ポンプ91の吐
出側には制御弁93、94がそれぞれ接続してある。こ
の油圧ポンプ91はカバー15の内部に収納させたエン
ジン92によって駆動されるものである。これらの制御
弁93、94は圧力油を三方に切り換えることができる
もので、中立、正転、逆転の三段階に切換えることがで
きるものである。そして、制御弁93は常時中立状態に
あり、制御弁93の電磁コイル95に制御電圧が加えら
れると正転側に切換え、制御弁93の電磁コイル96に
制御電圧が加えられると逆転側に切り換えられる。同様
に、制御弁94は常時中立状態にあり、制御弁94の電
磁コイル97に制御電圧が加えられると正転側に切換
え、制御弁94の電磁コイル98に制御電圧が加えられ
ると逆転側に切り換えられる。この制御弁93の出力側
には油圧モーター61の両端が接続してあり、制御弁9
4の出力側には油圧モーター67の両端が接続してあ
る。そして、両制御弁93、94の排出側は前記油タン
ク90に接続してあり、圧力油は油タンク90で回収さ
れる。なお、油圧ポンプ91の吐出側及び油タンク90
に戻される排油側のそれぞれの配管は、他の油圧機構に
それぞれ接続してある。
【0047】また、図8は本実施例における電気制御系
の回路図を示したものである。この図8においては、前
述した油圧モーター61、67を制御するための制御弁
93、94のみの電気制御回路のみを説明しており、掘
削機構51及びクローラー13を駆動する機構の電気制
御回路に付いては省略してある。
【0048】この制御回路の中心となる回転制御手段と
しての中央演算制御回路111は、例えばマイクロプロ
セッサー(CPU)等を内蔵したものであり、入力信号
の状況を取り込んで比較判断し、その判断結果によって
最適な制御信号を出力できるものであり、この中央演算
制御回路111には制御回路全体の始動及び停止を指示
する電源スイッチ110が接続してある。この中央演算
制御回路111の入力側には、設定切換スイッチ10
1、回転スイッチ102、首振りスイッチ103、旋回
始動スイッチ104、角度信号インターフェイス107
のそれぞれの出力が独立して接続してある。この設定切
換スイッチ101は旋回台14と回動基台30を同期し
て回転させるか、旋回台14、回動基台30をそれぞれ
単独で別個に回転させるかを選択できるものであり、回
転スイッチ102は旋回台14のみを単独で左方向ある
いは右方向に回転するように指示を与えるものであり、
首振りスイッチ103は回動基台30のみを単独で左方
向あるいは右方向に回転するように指示を与えるもので
ある。なお、回転スイッチ102と首振りスイッチ10
3は前記制御箱19、20の内部に収納されており、ジ
ョイスティック21、22によりオン、オフされるもの
である。さらに、旋回始動スイッチ104は、設定切換
スイッチ101を自動同調回転側に設定した状態で、旋
回台14と回動基台30を同期させながら一定の手順で
運動させ、車幅内で掘削機構51を回転することができ
るものである。
【0049】前述した角度センサー64の出力は回転角
演算回路105に入力しており、角度センサー69の出
力は回転角演算回路106に入力しており、両回転角演
算回路105、106の出力信号は角度信号インターフ
ェイス107に入力している。両回転角演算回路10
5、106はそれぞれ角度センサー64、69からの検
出信号を積算または演算することにより、出力軸62、
68の角度位置を算出して電気信号に変換し、それらの
信号を角度信号インターフェイス107に出力できるも
のである。そして、角度信号インターフェイス107は
両演算信号を中央演算制御回路111に中継して出力す
るものである。さらに、前記中央演算制御回路111に
は、旋回台14と回動基台30を同期して回転させた
り、予め定めた運動手順により旋回台14と回動基台3
0の停止、逆転の制御を行うためのプログラムを記憶さ
せた制御記憶手段としてのメモリー112と相互にバス
によって接続してある。このメモリー112は、例えば
不揮発性のメモリーや、プログラムを電気的に書き込ん
だロム(ROM)を用いている。
【0050】また、中央演算制御回路111の主力側に
は、前述の制御弁93にある電磁コイル95、96がそ
れぞれ独立して接続してあり、同時に制御弁94にある
電磁コイル97、98がそれぞれ独立して接続してあ
る。
【0051】次に、本実施例の作用を説明する。
【0052】<掘削機5の走行の操作>
【0053】この掘削機5はそれ自体が単独で走行で
き、作業場所から次の作業場所まで自力で移動すること
ができ、掘削の作業をしながら作業場所を変更するため
に移動することがでる。掘削機5を走行させるために
は、運転席18に運転者が座り、運転席18の左右に設
けてあるジョイスティック21、22をそれぞれ操作す
ることで行う。このジョイスティック21、22を前後
左右に倒すことにより、制御箱19、20の内部に収納
してあるスイッチ(図示せず)が開閉され、各スイッチ
からの信号は制御回路に伝えられる。この信号により電
磁弁が作動され、油圧ポンプ91で発生した圧力油が車
体10の左右に設けた油圧モーター(図示せず)に供給
され、左右のクローラー13はそれぞれ回転させられ
る。このジョイスティック21、22の操作において
は、例えば両ジョイスティック21、22を同時に前方
に倒すことで車体10が前進し、ジョイスティック2
1、22を同時に後方に倒すことで車体10が後退し、
一方のジョイスティック21又は22のみを前方に倒す
ことで一方のクローラー13のみが駆動され、掘削機5
の移動方向を転換することができる。さらに、左右のジ
ョイスティック21、22をそれぞれ逆方向に倒すこと
により、左右のクローラー13を同時に逆方向に回転さ
せ、掘削機5をその場所で旋回させることができる。こ
のようなクローラー13の制御による掘削機5を移動さ
せる操縦方向は従来から周知のことである。
【0054】この掘削機5を移動させる操作の際には、
図1から図4で示すように、旋回台14の正面が向いた
方向は掘削機5の移動方向と一致しており、運転席18
の方向も車体10の前方に向けられている。このため、
運転席18に座った運転者の視線は図1で示すように常
に車体10の前方を向けられ、掘削機5が走行する方向
を真っ直ぐ見ることができる。従って、運転者の姿勢に
無理が無く、掘削機5を操縦することができる。
【0055】<掘削機構51による土砂の掘削の操作>
【0056】次に、掘削機構51を操作してバケット5
0により地面から土砂を掘り取る作業を行う操作に付い
て説明する。この操作では運転席18の左右に突出して
いる一対のジョイスティック21、22にはそれぞれ予
め設定された方向に倒し、制御箱19、20の内部に収
納してあるスイッチ(図示せず)を開閉させる。これら
のスイッチからの信号により電磁弁が作動され、油圧ポ
ンプ91で発生された圧力油が各油圧シリンダー39、
44、45に供給され、それぞれを伸長または伸縮させ
ることができる。油圧シリンダー39が動作するとブー
ム37はピン38を回動の中心として上下に揺動し、油
圧シリンダー44が動作するとアーム42はピン43を
回動の中心として上下に揺動し、油圧シリンダー45が
動作するとバケット50はアーム42の先端で上下に揺
動する。これら油圧シリンダー39、44、45を協調
して動作されることにより、バケット50を地面に押し
下げて土砂を掘り取り、次いでバケット50を水平にな
ったままで持ち上げて土砂を移動させることができる。
【0057】図9では、旋回台14の前側を車体10の
前方に向け、掘削機構51をクローラー13と平行に位
置させ、バケット50により車体10の前方にある地面
を掘削している状態を上面から視たものである。この図
9におけるバケット50ーSはブーム37ーS、アーム
42ーSを前方に最大限に伸ばした状態を示すものであ
り、この伸ばした状態のバケット50ーSを車体10方
向に引き寄せ、バケット50の位置にまで移動させるこ
とで土砂を掘り取ることができる。この掘削機構51に
よる土砂の掘り取りの動作は、従来における掘削機構の
動作と同様であり、操作方法は従来から周知のものであ
る。
【0058】<手動による回転の設定>
【0059】本実施例の掘削機5では、旋回台14の
み、或いは回動基台30のみをそれぞれ単独で手動操作
により水平方向に回転させることができる。或いは、旋
回台14と回動基台30を同時に手動操作により水平方
向に回転させることができる。この手動による回転の操
作を行う場合には、予め手動の操作を行うための設定を
しなければならない。
【0060】この手動による操作の設定では、設定切換
スイッチ101をオフ側に投入する。この設定切換スイ
ッチ101からのオフ信号は中央演算制御回路111に
伝えられ、この中央演算制御回路111では手動回転設
定の状態に切換わり、それ以降は自動回転の制御を行う
旋回始動スイッチ104からの信号は無視される。この
設定切換スイッチ101をオフ側に設定した後、各ジョ
イスティック21、22を決められた方向に倒すと、制
御箱19、20の内部に収納してある回転スイッチ10
2と首振りスイッチ103がそれぞれ左方向または右方
向にオンされ、旋回台14または回動基台30のみがそ
れぞれ単独で回転させられる。
【0061】<旋回台14のみの回転の操作>
【0062】この旋回台14のみを水平方向に回転させ
る場合には、回転スイッチ102を左方向又は右方向に
オンさせる。この回転スイッチ102からのオン信号は
中央演算制御回路111に伝えられ、中央演算制御回路
111は旋回台14を左方向もしく右方向に回転させる
ために、制御弁93の電磁コイル95又は96に制御信
号を出力する。ここで、旋回台14を図9のように車体
10の前方に向けてある状態から、車体10に対して反
時計方向(左方向)に回転させようとするならば、中央
演算制御回路111は電磁コイル95に制御信号を伝
え、制御弁93を正転側に接続させる。このため、油圧
ポンプ91より吐出された圧力油は制御弁93の正転ブ
ロックを通過して油圧モーター61に供給され、油圧モ
ーター61を通過した圧力油は制御弁93を通って油タ
ンク90に戻される。
【0063】この油圧モーター61に圧力油が正転側よ
り供給されると、その出力軸62は正転方向に回転し、
小歯車63を正転方向に回転させる。この小歯車63の
外周に形成した歯面には内歯車60が噛み合わせてある
ため、小歯車63が内歯車60の内周に沿って順次噛み
合って転動することになり(車体10は停止しているた
め相対的な回転となる)、油圧モーター61を固定して
ある旋回台14は回転支持台28に対して図10中Aで
示す左方向に回転することになる。この旋回台14の回
転では、その回転中心は回転支持台28の中心軸とな
り、旋回台14の回転中心Xを回転軸とすることにな
る。所定の角度だけ旋回台14が回転したならば回転ス
イッチ102をオフさせると、電磁コイル95への制御
信号が停止し、制御弁93は中立に復帰して油圧ポンプ
91からの圧力油は油圧モーター61に流れなくなる。
このため、油圧モーター61は停止し、図10で示すよ
うに旋回台14は車体10に対して所定の角度で偏位し
た状態で停止する。
【0064】この図10の状態では、旋回台14の回転
に伴い掘削機構51も同一の角度で回転し、掘削機構5
1のブーム37、アーム42の長さ方向は旋回台14が
車体10に対して回転した角度だけ斜めに位置して停止
していることになる。この位置では、掘削機構51は車
体10の正面が向いている方向より偏位しており、この
位置でブーム37ーT、アーム42ーTを最大限に伸長
させ、次いでブーム37、アーム42を車体10の位置
にまで引き戻すことで車体10の左右方向にある土砂を
掘り取ることができる。
【0065】<回動基台30のみの回転の操作>
【0066】また、旋回台14を回転を回転させずに、
回動基台30のみを回転させる場合は首振りスイッチ1
03を左方向または右方向にオンさせる。この首振りス
イッチ103からのオン信号は中央演算制御回路111
に伝えられ、中央演算制御回路111は回動基台30を
左方向もしくは右方向に回転させるために、制御弁94
の電磁コイル97又は98に制御信号を出力する。ここ
で、旋回台14と回動基台30が図9のように車体10
の前方に向けてある状態から、回動基台30のみを旋回
台14に対して反時計方向(左方向)に回転させようと
するならば、中央演算制御回路111は電磁コイル97
に制御信号を伝え、制御弁94を正転側に接続させる。
このため、油圧ポンプ91より吐出された圧力油は制御
弁94の正転ブロックを通過して油圧モーター67に供
給され、油圧モーター67を通過した圧力油は制御弁9
4を通って油タンク90に戻される。
【0067】この油圧モーター67に圧力油が正転側よ
り供給されると、図6で示した出力軸68と駆動歯車7
6が正方向に回転させられることになる。この駆動歯車
76が回転すると、その外周の歯面に噛み合わせた大歯
車73は反対方向に従動して回転させられ、大歯車73
を構成する駆動筒体75全体が同時に軸支筒71の中心
軸を回転中心として回転することになる。この駆動筒体
75が回転すると、駆動筒体75の上面に載置した回動
基台30と掘削機構51は図11中Bで示す反時計方向
に回転することになる。この回動基台30の回転では、
その回転中心は軸支筒71の中心軸となり、回動基台3
0の回転中心Zを回転軸とすることになる。所定の角度
だけ駆動筒体75(回動基台30、掘削機構51など
も)が回転したならば首振りスイッチ103オフさせる
と、電磁コイル97への制御信号が停止し、制御弁94
は中立に復帰して油圧ポンプ91からの圧力油は油圧モ
ーター67に流れなくなる。このため、油圧モーター6
7は停止し、図11で示すように回動基台30、掘削機
構51は旋回台14に対して所定の角度で偏位した状態
で停止する。
【0068】この図11の状態では、駆動筒体75、回
動基台30の回転に伴い掘削機構51も同一の角度で回
転し、掘削機構51のブーム37、アーム42の長さ方
向は図11に示すように回動基台30が旋回台14に対
して回転した角度だけ斜めに位置して停止していること
になる。この位置では、掘削機構51のブーム37、ア
ーム42は車体10の正面が向いている方向より偏位し
ており、この位置でブーム37ーU、アーム42ーUを
最大限に伸長させ、次いでブーム37、アーム42を車
体10の位置にまで引き戻すことで車体10の左右方向
にある土砂を掘り取ることができる。
【0069】そして、この駆動歯車76によって大歯車
73が従動され、駆動筒体75が軸支筒71を中心にし
て回転させられると、スプロケットホイール74も同時
に回転させられる。このため、スプロケットホイール7
4の外周に巻き廻したチェーン84はその回転方向に引
き寄せられ、他方にあるスプロケットホイール80を同
時に連動させて回転させることになる。このスプロケッ
トホイール80は軸支筒79を回転の中心として回転さ
せられ、スプロケットホイール80の上面に載置してあ
るターンテーブル17も同時に回転させられる。これら
のスプロケットホイール80、ターンテーブル17は図
11で示す回転中心Yをその回転軸として回転し、しか
も、ターンテーブル17の回転方向Cは回動基台30の
回転方向Bと同一となる。そして、両スプロケットホイ
ール74、80の外径は同一としてあるため、スプロケ
ットホイール74の回転角度と同じ角度でスプロケット
ホイール80で回転し、ターンテーブル17は回動基台
30の回転角度と同期した角度で回転することになる。
【0070】こうして、ターンテーブル17は回動基台
30と同期して同じ角度で回転するため、回動基台30
に載置してある掘削機構51が回転する角度Bと、ター
ンテーブル17が回転する角度Cとは同一となり、ター
ンテーブル17の上面に固定してある運転席18に搭乗
した作業員が向く前方に掘削機構51のバケット50が
常に位置している。この同期した連動により、回動基台
30の上部に載置してある掘削機構51が回転して角度
位置が変わっても、運転席18に搭乗した作業員はその
作業姿勢を変えることなく、運転席18に座ったままで
常にバケット50の方向を監視することができる。
【0071】上述のように、旋回台14だけ、あるいは
回動基台30だけをそれぞれ単独で回転させる操作を説
明したが、回転スイッチ102、首振りスイッチ103
をそれぞれ同時に操作することにより旋回台14と回動
基台30を同時に回転させることも可能である。このよ
うな操作は、車体10とは平行な方向への掘削や、車体
10とは直角な方向への掘削に有効な操作となる。
【0072】<自動旋回による回転の設定操作>
【0073】次に、旋回台14を車体10に対して18
0度回転させて旋回台14を後方に向けると同時に、回
動基台30の上に搭載した掘削機構51を車体10の後
方に向ける一連の動作を自動的に行う場合について説明
する。この自動旋回による旋回台14と回動基台30の
回転では、掘削機構51を左右のクローラー13の幅の
範囲内で回転させる制御を行わせることができ、いわゆ
る車幅内旋回と呼ばれる動作を行うことができる。この
車幅内旋回では、掘削機構51が左右のクローラー13
より突出せず、狭い道路であっても掘削機構51を車体
10の前側(図2において下側)から後側(図2におい
て上側)に移動させ、掘り取った土砂をトラックの荷台
などに移し換える作業で有効なものである。
【0074】この自動旋回の動作を行うためには、設定
切換スイッチ101をオンさせて、そのオン信号を中央
演算制御回路111に出力する。このオン信号により中
央演算制御回路111は自動旋回の動作の体制となり、
回転スイッチ102、首振りスイッチ103からの信号
を遮断する。このため、例え誤って回転スイッチ10
2、首振りスイッチ103が操作されても、これらから
の信号によって中央演算制御回路111は何ら動作せ
ず、制御弁93、94は回転スイッチ102、首振りス
イッチ103によっては制御されない。そして、中央演
算制御回路111は制御弁93の電磁コイル95、96
及び制御弁94の電磁コイル97、98にそれぞれ適当
なタイミングで制御信号を通電することにより、この掘
削機5を後述する自動制御するうことができる。
【0075】<初期位置への復帰>
【0076】前述のように設定切換スイッチ101がオ
ンされて自動旋回の動作の設定を行うと、中央演算制御
回路111は旋回台14と回動基台30を初期位置に復
帰させる。前述のように、設定切換スイッチ101をオ
フにしていると、回転スイッチ102、首振りスイッチ
103により旋回台14と回動基台30を自由に回転さ
せることができるのであるが、自動旋回においては回転
の始動位置を設定しておかなければプログラムに沿った
手順が実行できないからである。すなわち、基準となる
『零位置』に旋回台14と回動基台30の角度位置を復
帰させることになる。前述の中央演算制御回路111は
電磁コイル95、96、97、98にそれぞれ信号を送
ることで制御弁93、94を制御し、手動制御でそれぞ
れ勝手な角度で停止していた旋回台14と回動基台30
を回転させ、旋回台14の前側を車体10の前側に一致
させ、回動基台30の前側(掘削機構51の長さ方向が
向いている方向)を旋回台14の前側に一致させて停止
させる。このように始動位置に復帰させた状態が図9で
示されており、この図9の角度位置が自動旋回の回転始
動位置となる。
【0077】<旋回台14、回動基台30の回転角度の
検出>
【0078】この自動旋回の動作においては、旋回台1
4、回動基台30がどの零位置からどれだけの角度を回
転したかを常時把握していなければならない。これらの
旋回台14、回動基台30の角度位置が明確でなけれ
ば、旋回台14、回動基台30のタイミングを合わせな
がら同調して回転させることができないからである。こ
のため、中央演算制御回路111は、車体10に対して
旋回台14がどの角度位置であるかを把握すると同時
に、旋回台14に対して回動基台30がどの角度位置で
あるかを把握することになる。このような回転による角
度位置の把握は角度センサー64、69によって検出さ
れて判断される。
【0079】前述の角度センサー64は油圧モーター6
1に固着されていて、油圧モーター61の出力軸62が
回転すると、出力軸62の回転角度は角度センサー64
によって検出されており、『零位置』から回転角度毎に
パルス信号を発生している。この角度センサー64から
のパルス信号は回転角演算回路105に伝えられ、回転
角演算回路105ではパルス信号を積算しており、『零
位置』からのパルス信号数の合計値により出力軸62が
どれだけの角度を回転したかを計算しており、角度信号
として出力している。この角度信号は角度信号インター
フェイス107に伝えられる。
【0080】また、前述の角度センサー69は油圧モー
ター67に固着されていて、油圧モーター67の出力軸
68が回転すると、出力軸68の回転角度は角度センサ
ー69によって検出されており、『零位置』から回転角
度毎にパルス信号を発生している。この角度センサー6
9からのパルス信号は回転角演算回路106に伝えら
れ、回転角演算回路106ではパルス信号を積算してお
り、『零位置』からのパルス信号数の合計値により出力
軸68がどれだけの角度を回転したかを計算しており、
角度信号として出力している。この角度信号は角度信号
インターフェイス107に伝えられる。
【0081】このようにして出力軸62、68が回転し
た回転角度はそれぞれ『零位置』より積算され、常時ど
の角度位置にあるかを回転角演算回路105、106よ
りデジタル信号として出力していることになる。両回転
角演算回路105、106で積算されている角度信号は
角度信号インターフェイス107に伝えられ、これらの
角度信号は角度信号インターフェイス107でバス回路
によって中央演算制御回路111に伝えられており、中
央演算制御回路111では常時出力軸62、68が回転
した角度位置を把握している。このようにして、中央演
算制御回路111では角度信号インターフェイス107
から伝えられた角度信号により、旋回台14と回動基台
30がそれぞれ『零位置』から現在どの角度まで回転し
たかを判別し、メモリー112に予め記憶させてある回
転角度のプログラム(回転の手順)と比較してどのよう
な制御を行わせるかを自己判別している。こうして、回
転角演算回路105、106からの角度の検知信号によ
り、中央演算制御回路111はメモリー112に記憶さ
せてあるプログラムをそのまま実行し、中央演算制御回
路111に各電磁コイル95、96、97、98をそれ
ぞれ適切なタイミングで制御信号を出力して、旋回台1
4と回動基台30の旋回角度とその回転方向を制御する
ことができる。
【0082】<自動旋回の開始>
【0083】前述にように設定切換スイッチ101をオ
ンすることにより、自動旋回の設定をすることができる
が、旋回台14と回動基台30の回転を開始させるには
旋回始動スイッチ104を投入して回転の開始を指示し
なければならない。この旋回始動スイッチ104による
自動旋回の指示では、旋回始動スイッチ104には『前
側』と『後側』の何れかを切り換えて投入することがで
きる。この旋回始動スイッチ104を『前側』から『後
側』に投入すると、車体10の前方を向いていた旋回台
14は180度旋回させ、車体10の後方に旋回台14
の前側を向けて停止させる。また、旋回始動スイッチ1
04を『後側』から『前側』に投入すると、車体10の
後方に向いていた旋回台14は180度旋回させ、車体
10の前方に旋回台14の前側を向けて停止させる。つ
まり、旋回始動スイッチ104を切換える毎に、旋回台
14は車体10に対して水平方向に180度づつ回転し
てその位置で停止することになる。
【0084】<旋回台14を前側から後側に自動旋回さ
せる>
【0085】この実施例では、図8で示すように旋回始
動スイッチ104は『前側』に倒してあり、旋回台14
の前側は車体10の前方に向けられて図9で示す状態で
停止している。この状態より旋回始動スイッチ104を
『後側』に倒すことにより自動旋回を開始させ、図9よ
り図12、図13、図14、図15、図16の順に旋回
台14を車体10の前方から後方に180度旋回させる
動作を説明する。この旋回始動スイッチ104からの始
動の信号は中央演算制御回路111に伝えられ、中央演
算制御回路111はこの信号によりメモリー112に記
憶させてあるプログラムの手順に沿って旋回台14と回
動基台30の回転を開始させる。
【0086】まず、中央演算制御回路111は電磁コイ
ル95に制御信号を伝えて、制御弁93を正転側に切換
え、同時に電磁コイル98に制御信号を伝えて、制御弁
94を逆転側に接続する。このため、油圧ポンプ91か
らの圧力油は油圧モーター61に流れてこの油圧モータ
ー61を正転させ、同時に、油圧ポンプ91からの圧力
油は油圧モーター67に流れてこの油圧モーター67を
逆転させる。各油圧モーター61、67に動作の開始に
より、図12で示すように、旋回台14は車体10に対
して回転中心Xを回転軸としてD方向に回転を始め、回
動基台30は旋回台14に対して回転中心Zを回転軸と
してE方向に回転を始め、旋回台14と回動基台30の
回転方向はそれぞれ逆方向に回転することになる。
【0087】これらの旋回台14と回動基台30の回転
において、中央演算制御回路111には常時角度センサ
ー64、69からの回転角度信号が入力しており、中央
演算制御回路111は常時旋回台14と回動基台30が
どの角度位置にあるかを把握している。これらの回転角
度信号により、中央演算制御回路111は制御弁93、
94に制御信号を出力してオン、オフさせ、回動基台3
0が旋回台14に対してE方向に回転する速度を旋回台
14が車体10に対してD方向に回転する速度の約2倍
で回転するように制御する。この旋回台14と回動基台
30の回転では、旋回台14は常時定速度で回転させて
いるが、回動基台30は旋回台14の回転速度の約2倍
以上の速度で回転させており、角度センサー64、69
により回動基台30の回転角が旋回台14の回転角が2
倍となるように監視している。そして、両角度センサー
64、69で回動基台30の回転角が旋回台14の回転
角よりも2倍以上に回転した場合には、中央演算制御回
路111は電磁コイル98への制御信号を一時中断して
制御弁94を中立に戻す。このため、一時的に油圧モー
ター67の回転が停止し、この動作の停止は回動基台3
0の回転角が旋回台14の回転角よりも2倍となるまで
継続する。つまり、回動基台30は予想される回転角速
度(旋回台14の2倍)よりも早い速度で回転させられ
ており、規定の回転角よりも早く回転したならばその運
動を停止し、旋回台14の回転角が追いつくまで待つこ
とになる。このような制御により、旋回台14と回動基
台30の回転速度が常時2倍となるように補正してい
る。図12は旋回台14が車体10の正面位置から水平
に約45度旋回し、回動基台30は旋回台14の正面位
置から水平に約90度旋回した状態を示すものである。
【0088】このように回動基台30を旋回台14に対
してE方向に回転させると、回動基台30に載置した掘
削機構51は序々に旋回台14の中心に向かって移動す
が、この掘削機構51は先端にあるバケット50はクロ
ーラー13の側面から突出せずに回転する。この回動基
台30の回転により、スプロケットホイール74はチェ
ーン84を引回してスプロケットホイール80を同期し
て回転させるため、スプロケットホイール80上に載置
したターンテーブル17は図12中F方向に回転させら
れる。このF方向とD方向の回転の方向は一致してお
り、しかも両スプロケットホイール74、80の回転角
度が同一であるため、回動基台30に載置した掘削機構
51の長さ方向とターンテーブル17に載置した運転席
18は同一の方向に常時向けられている。このため、運
転席18に搭乗した作業員の視線の方向は常に掘削機構
51の先端方向に向けられており、作業員がその姿勢を
変えることなく座ったままの姿勢でバケット50等を監
視することができる。
【0089】<掘削機構51が車幅内に位置した状態>
【0090】このように、回動基台30を旋回台14の
回転速度の約2倍で回転させる操作を続けると、図9か
ら図12の状態に移行し、掘削機構51はカバー15の
上方に接近して移動することになる。そして、両者の回
転をさらに継続させると、ついには掘削機構51はカバ
ー15の上部にまで位置することになる。図13は旋回
台14を車体10に対して約90度旋回させ、回動基台
30を旋回台14に対して約180度旋回させた状態を
示すものである。この図13で示すように、掘削機構5
1はカバー15の上部に位置し、しかも、掘削機構51
の全体は旋回台14の円形の範囲(平面に投影した旋回
台14の外形の範囲)に収納され、旋回台14の外周に
はその機構が何ら突出しない。すなわち、掘削機構51
の機構全体は左右のクローラー13の間隔の範囲内に収
納されたことになる。こような位置になると、掘削機5
の各機構は掘削機5の左右には何ら突出しておらず、旋
回台14が回転していても掘削機構51の各機構は車幅
の範囲以内から突出しないで掘削機構51が回転するこ
とになる。このようにして、掘削機構51が旋回台14
の床面積の範囲内で回転すると、掘削機5の左右に接近
して建造物や障害物があっても、これらの建造物や障害
物と接触することなく掘削機構51は旋回台14と共に
回転することができる。
【0091】<旋回台14の旋回の継続>
【0092】この図13で示したように、旋回台14が
約90度回転し、回動基台30が180度回転すると、
その角度位置は角度センサー64、69から中央演算制
御回路111に入力しており、中央演算制御回路111
はメモリー112に記憶させてあるプログラムと比較し
て次の動作に移行する。すると、中央演算制御回路11
1は電磁コイル98への制御信号を停止し、制御弁94
を中立状態に復帰させることで油圧モーター67の回転
を停止させる。このため、掘削機構51はカバー15の
上方に位置したままでその回転を停止し、図13で示す
ように旋回台14と回動基台30との相対的位置は固定
される。
【0093】しかし、中央演算制御回路111は制御弁
93の電磁コイル95にはなおも制御信号を伝えてお
り、油圧モーター61の正転側に圧力油を供給してお
り、旋回台14のみはその回転中心Xを回転軸として図
13中でD方向への回転をなおも継続している。
【0094】<旋回台14の回転の停止>
【0095】このようにして、油圧モーター67の回転
を停止させ、油圧モーター61の回転を継続させること
により、旋回台14は車体10に対してなおも水平方向
に回転を続ける。この旋回台14を回転させる制御は、
図9で示した『零位置』よりも180度回転してもなお
も継続させ、ついには、図14で示すように旋回台14
を車体10に対して『零位置』から約270度に回転し
た位置まで続ける。このようにして、旋回台14が『零
位置』から約270度に回転したことは、角度センサー
64で検知され、その信号は回転角演算回路105、角
度信号インターフェイス107を介して中央演算制御回
路111に伝えられる。すると、中央演算制御回路11
1はメモリー112に記憶させてあるプログラムと比較
して旋回台14の停止の操作を行う。すなわち、旋回台
14が約270度回転すると、中央演算制御回路111
は電磁コイル95への制御信号を停止し、制御弁93を
中立に復帰させることで油圧モーター61への圧力油の
供給を停止させ、油圧モーター61の回転を停止させ
る。この図14で示す状態で旋回台14は一時停止す
る。
【0096】<旋回台14と回動基台30の反転>
【0097】前述のように、角度センサー64から検出
された回転角度の信号により、旋回台14はその回転を
一時停止するが、中央演算制御回路111はメモリー1
12に記憶させてあるプログラムの動作パターンに従
い、旋回台14と回動基台30を従前とは反対方向に回
転させ、旋回台14の前側を車体10の後方に向け、同
時に掘削機構51を車体10の後方に向ける動作を行
う。
【0098】この反転の動作では、中央演算制御回路1
11は制御弁93の電磁コイル96に制御信号を伝え、
制御弁93を逆転側に切換える。同時に、中央演算制御
回路111は制御弁94の電磁コイル97に制御信号を
伝え、制御弁94を正転側に切換える。このため、制御
弁93から供給された圧力油により油圧モーター61は
逆方向に回転を始め、制御弁94から供給された圧力油
により油圧モーター67を正方向に回転を始める。する
と、油圧モーター61の逆転により、旋回台14は図1
5で示すように回転中心Xを中心軸としてG方向に回転
を始め、油圧モーター67の逆転により、回動基台30
は図15で示すように回転中心Zを中心軸としてJ方向
に回転を始める。この回転方向JとGは反対方向とな
る。
【0099】これらの旋回台14と回動基台30の反転
において、中央演算制御回路111には常時角度センサ
ー64、69からの回転角度信号が入力しており、中央
演算制御回路111は常時旋回台14と回動基台30が
どの角度位置にあるかを把握している。これらの回転角
度信号により、中央演算制御回路111は制御弁93、
94に制御信号を出力してオン、オフさせ、回動基台3
0が旋回台14に対してJ方向に回転する速度を旋回台
14が車体10に対してG方向に回転する速度の約2倍
で回転するように制御する。図15は旋回台14が『零
位置』から約270度回転した後で、反対方向のG方向
に約45度反転し、回動基台30が『零位置』から約1
80度回転した後で、反対方向のJ方向に約90度反転
した状態を示すものである。
【0100】このように、旋回台14と回動基台30が
それぞれ逆方向に回転を始め、回動基台30の回転速度
が旋回台14の回転速度の約2倍で運動すると、回動基
台30に載置してある掘削機構51全体は順次カバー1
5の上方の位置から旋回台14の前方に戻されるよう旋
回する。すると、旋回台14と回動基台30のそれぞれ
反対方向に旋回する動作により、掘削機構51は車体1
0の後方(図15において上方)に向けて旋回台14側
から序々に引き出されるように回転することになる。な
お、回動基台30がJ方向に回転するため、この回転運
動と連動してターンテーブル17および運転席18は図
15中において同方向のK方向に旋回を始め、運転席1
8に搭乗した作業員の視線は掘削機構51の前方に向け
られたままで車体10の後方に順次向けられる。
【0101】<自動旋回の終了による旋回台14と回動
基台30の回転の停止>
【0102】前述のように、油圧モーター61が逆転
し、油圧モーター67が正転することによって、回転中
心X、Zを回転の中心軸として二重の旋回運動を行なう
ことになる。このため、図13、図14で示すように掘
削機構51全体がカバー15の上方に位置していた状態
から、掘削機構51は序々に車体10の後方に引き出さ
れ、掘削機構51の先端にあるバケット50は車体10
の後方中央に向けられる。この反転の運動では、図14
の状態から旋回台14が約90度反転し、回動基台30
が旋回台14に対して約180度反転し、図16で示す
状態まで継続する。この図16で示す状態になると、旋
回台14と回動基台30の回転角度位置はそれぞれ角度
センサー64、69により検出されており、両角度セン
サー64、69で検出された信号は回転角演算回路10
5、106、角度信号インターフェイス107を介して
中央演算制御回路111に伝えられる。
【0103】この図16で示す状態が反転の終了位置で
あり、中央演算制御回路111は角度センサー64、6
9からの角度位置信号と、メモリー112に記憶させて
ある旋回パターンのプログラムと比較し、両者が一致し
たならば自動旋回の動作を停止させる。すなわち、旋回
台14の前側が車体10の後側と一致し、回動基台30
の前側が旋回台14の前側に一致していると角度センサ
ー64、69からの信号が中央演算制御回路111に入
力すると、メモリー112からプログラムと比較照合し
てこの位置が旋回の終了であると自己判断する。そし
て、中央演算制御回路111は各電磁コイル96、97
への制御信号を停止し、油圧モーター61、67への圧
力油の供給を停止することで回転を停止する。両油圧モ
ーター61、67の回転が停止して、旋回台14と回動
基台30が停止した位置が図16で示される状態であ
る。
【0104】この停止した状態では、旋回台14の前側
は車体10の後方と一致しており、回動基台30の前側
は旋回台14の前側と一致し、回動基台30に載置した
掘削機構51の長さ方向は車体10の後方に真っ直ぐ向
けられている。この図16で示す旋回台14と回動基台
30の位置関係では、図9で示した各機構の位置とは対
称形に配置されていて、車体10は停止したままで旋回
台14と回動基台30が180度反対向きに回転したこ
とと同じことになる。
【0105】このような旋回台14と回動基台30がそ
れぞれ独自に回転する二重旋回の一連の動作により、掘
削機構51の機構が車体10の左右にあるクローラー1
3の側面から突出せず、車体10の車幅の範囲以内で旋
回することができる。なお、旋回台14と回動基台30
が二重旋回せずに、旋回台14のみが車体10上で回転
したとすれば、掘削機構51は図9で示すように旋回台
14の前側に突出したままで回転することになり、掘削
機構51の一部は車体10の側面より突出することにな
る。このような回転では、掘削機構51の一部が車体1
0の左右に接近している建造物などに接触し、危険なこ
とになる。
【0106】このように旋回始動スイッチ104を『後
側』から『前側』に倒して自動旋回させることによる動
作の手順は図17から図21のフローチャートに示され
ている。このフローチャートでは、旋回始動スイッチ1
04を『後側』から『前側』に倒して、旋回台14を車
体10の前側から後側に回転させる動作と、旋回台14
と回動基台30を単独で回転させる動作について説明
し、旋回台14を車体10の後側から前側に回転させる
動作は省略してある。
【0107】<逆方向への自動旋回>
【0108】前述のような一連の動作により、掘削機5
を図9の位置より図16の位置に旋回台14を反転させ
ることができ、この図16の状態でバケット50より掘
り取った土砂をトラックの車体等に積み換えることがで
きる。
【0109】次に、図16の状態でバケット50にある
土砂を放出したならば、掘削機構51を掘削の作業方向
である車体10の前側(図16で下方)に戻し、図9で
示す位置に復帰させなければならない。この復帰の動作
も中央演算制御回路111によって自動的に行うことが
でき、この操作は前述の旋回始動スイッチ104を『後
側』から『前側』に倒すことで開始される。この旋回始
動スイッチ104を『前側』に倒した信号は中央演算制
御回路111に伝えられ、中央演算制御回路111では
車体10の後方に向いている旋回台14と回動基台30
を約180度回転させ、旋回台14と回動基台30を車
体10の前方に向ける一連の動作を行わせる。この自動
反転の動作は、前述とは逆の順序により、図16、図1
5、図14、図13、図12の順で作動し、各旋回台1
4と回動基台30の回転のパターンはメモリー112に
記憶させてあるプログラムと角度センサー64、69に
より中央演算制御回路111が制御弁93、94を制御
することで行うことができる。この反転の動作において
も、旋回台14と回動基台30は車体10に対して二重
旋回の動作を行ない、回転の途中において掘削機構51
全体を車体10の側面より突出させることがない。
【0110】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、回
動基台が旋回台の前側であって一側に偏位した位置で水
平方向に回転できるように載置してあり、この回動基台
上に掘削機構が固定してあり、ターンテーブルが旋回台
の前側であって他側に偏位した位置で水平方向に回転で
きるように載置してあり、このターンテーブルの上面に
作業員が座ることができる操縦席を設けてある。このた
め、旋回台と回動基台をそれぞれ自由に回転させること
ができ、掘削機構を車体上に移動させて外部に突出させ
ない位置に制御することができる。また、ターンテーブ
ルを回動基台と同調させて同じ回転角速度で回転させる
ことができるので、操縦席に座った作業員の視線は常に
掘削機構の方向を向いており、回動基台の回転に伴って
作業員の姿勢を無理な方向に変えることなく掘削の作業
位置を確認することができる。
【0111】また、本発明では、これらの旋回台と回動
基台を回転させるために、それぞれ独立した第一と第二
の駆動手段を設けてあり、各駆動手段により旋回台と回
動基台を回転させることができ、その回転は回転制御手
段により定められた手順により自動的に行うことができ
る。この手順に従って第一と第二の駆動手段が適当なタ
イミングと速度で回転するため、掘削機構は旋回台の上
部に位置して回転することができ、旋回台が車体の前側
から後側に回転する間に回動基台は掘削機構が車幅より
突出しない位置に逃がすことができる。この制御は記憶
させてある手順により、最良の回転タイミングで行うこ
とができるので、作業員に熟練を必要とせず、作業員の
疲れも少なくなる。
【0112】そして、旋回台の回転角度を検知する第一
の回転角検出手段と、回動基台の回転角度を検知する第
二の回転角検出手段とを設けてあり、第一と第二の回転
角検出手段からの信号は回転制御手段に出力されてい
る。このため、回転制御手段は旋回台と回動基台の角度
位置を常時把握することができ、記憶させてある動作の
手順とその位置を比較することができ、正確に旋回台と
回動基台を回転させることができる。この回転角の位置
は零位置を基準にすれば、どのような場合であっても同
じ軌跡の回転制御を行うことができ、経年による回転角
度位置のずれを防止し、確実な制御を行うことができ
る。
【0113】そして、旋回台と回動基台の回転の順序と
して、旋回台が最初に90度回転する際には回動基台は
2倍の速度で逆方向に回転する。このため、旋回台が車
体に対して真横の90度回転した状態で掘削機構は18
0度回転して旋回台の上方に位置し、旋回台の外部に突
出していない。この後、旋回台が続けて180度回転し
て一時停止するが、この間は回動基台は回転せずに掘削
機構が旋回台の上方に位置したままの姿勢を保持する。
この状態で回転するので、掘削機構は車体の側面に位置
する建造物や人員と衝突することが無くなり、安全に回
転することができる。そして、最初に位置から270度
回転した位置から、旋回台は逆方向に回転を始め、同時
に回動基台は旋回台とは逆方向に2倍の速度で回転を始
める。すると、回動基台の回転により掘削機構は車体の
後方に引き出され、しかも、車体の側面に突出すること
なく回動させられる。次いで、旋回台が90度回転し、
旋回台が回転の最初の位置から180度の位置まで逆転
したならば旋回台は停止するが、この時には回動基台は
車体の後方を向いており、掘削機構は車体の後方に延長
するようにその長さ方向が伸びている。この一連の動作
を行うことにより、掘削機構は車体上で二重に旋回し、
車体の側面より突出することなく車幅の範囲内でその向
きを180度変更することができる。
【0114】このような旋回台と回動基台の同期した決
められた手順による回転により、掘削機構はその向きを
反転することができるが、この運動の際に、ターンテー
ブルは回動基台と同期して同じ角速度で回転することが
できる。このターンテーブル上の操縦席に座った作業員
は、操縦席と共に回動基台と同じ方向で同じ角速度で同
期して回転するため、作業員の視線の方向は常に掘削機
構の前方を向くことができ、作業の安全を確認すること
ができる。
【0115】さらに、本発明では、第一と第二の駆動手
段は油圧モーターにより構成されているので、旋回台と
回動基台を強力に回転させることができる。
【0116】また、回動基台とターンテーブルを同期さ
せるための同期連動手段は、スプロケットホイールとチ
ェーンにより構成されているので、構成が簡易で、その
動作が確実に行なうことができる。
【0117】そして、前記第一と第二の回転角検出手段
は角度センサーであるため、車体に対して回転している
旋回台の角度位置と、旋回台に対して回転している回動
基台の角度位置を正確に検出することができる。この検
出した角度位置の信号は回転制御手段に常時伝えられて
いるので、設定してある手順と比較し易いものであり、
制御のずれや誤差を自己判別して正確な制御を行うよう
に修正することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における掘削機の外観を示す
斜視図である。
【図2】本発明の一実施例における掘削機を上方から見
た平面図である。
【図3】本発明の一実施例における掘削機を側面から見
た側面図である。
【図4】本発明の一実施例における掘削機を正面から見
た正面図である。
【図5】本発明の一実施例における掘削機の駆動手段を
示すため、旋回台と回動基台を上下に分離して示した分
解斜視図である。
【図6】本発明の一実施例における掘削機の回動基台と
ターンテーブルを同期して連動させる機構を示す分解斜
視図である。
【図7】本発明の一実施例における掘削機に用いて最適
の油圧回路図である。
【図8】本発明の一実施例における掘削機に用いて最適
の制御を行う電気回路図である。
【図9】本発明の一実施例における掘削機により、掘削
機構を伸縮させて動作させた状態を示す平面図である。
【図10】本発明の一実施例における掘削機により、旋
回台のみを回転させて掘削機構を車体と斜めに偏位させ
た状態を示す平面図である。
【図11】本発明の一実施例における掘削機により、回
動基台のみを回転させて掘削機構を車体と斜めに偏位さ
せた状態を示す平面図である。
【図12】本発明の一実施例における掘削機の動作を説
明するもので、旋回台を45度回転させた状態を示す平
面図である。
【図13】本発明の一実施例における掘削機の動作を説
明するもので、旋回台を90度回転させた状態を示す平
面図である。
【図14】本発明の一実施例における掘削機の動作を説
明するもので、旋回台を270度回転させた状態を示す
平面図である。
【図15】本発明の一実施例における掘削機の動作を説
明するもので、旋回台を270度回転させた後に45度
逆転させた状態を示す平面図である。
【図16】本発明の一実施例における掘削機の動作を説
明するもので、旋回台を270度回転させた後に90度
逆転させた状態を示す平面図である。
【図17】本発明の一実施例における掘削機の動作を示
すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施例における掘削機の動作を示
すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施例における掘削機の動作を示
すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施例における掘削機の動作を示
すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施例における掘削機の動作を示
すフローチャートである。 5 掘削機 10 車体 13 クローラー 14 旋回台 17 ターンテーブル 18 運転席 23 保護レール 30 回動基台 37 ブーム 42 アーム 50 バケット 51 掘削機構 61 油圧モーター 64 角度センサー 67 油圧モーター 69 角度センサー 74 スプロケットホイール 80 スプロケットホイール 84 チェーン 91 油圧ポンプ 101 切換設定スイッチ 104 旋回始動スイッチ 111 中央演算制御回路 112 メモリー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動可能な車体と、この車体上で水平方
    向に回転できるように載置された旋回台と、この旋回台
    の前側であって一側に偏位した位置で水平方向に回転で
    きるように載置された回動基台と、この回動基台により
    その下部を支持され、先端にバケットを連結して上下に
    屈曲できるアームとブームを有する掘削機構と、旋回台
    の前側であって他側に偏位した位置で水平方向に回転で
    きるように載置されたターンテーブルと、このターンテ
    ーブルの上面に載置されて作業員が座ることができる操
    縦席と、車体に対して旋回台を回転させる第一の駆動手
    段と、旋回台に対して回動基台を回転させる第二の駆動
    手段と、回動基台とターンテーブルを同期して同じ方向
    に回転させる同期連動手段とから成り、第二の駆動手段
    により回動基台を回転させるとターンテーブルも同一の
    角速度で回転し、ターンテーブル上の操縦席に座った作
    業者の視線の前方に回動基台上の掘削機構が常時位置す
    るように制御することを特徴とする掘削機。
  2. 【請求項2】 移動可能な車体と、この車体上で水平方
    向に回転できるように載置された旋回台と、この旋回台
    の前側であって一側に偏位した位置で水平方向に回転で
    きるように載置された回動基台と、この回動基台により
    その下部を支持され、先端にバケットを連結して上下に
    屈曲できるアームとブームを有する掘削機構と、車体に
    対して旋回台を回転させる第一の駆動手段と、旋回台に
    対して回動基台を回転させる第二の駆動手段と、第一と
    第二の駆動手段を予め定められた手順により制御する回
    転制御手段とから成り、第一の駆動手段により旋回台を
    回転させながら第二の駆動手段により回動基台を回転さ
    せ、両者の回転を定められた手順により制御すること
    で、掘削機構を車体の側面より突出させずに車体の前側
    から後側に移動させることを特徴とする掘削機。
  3. 【請求項3】 移動可能な車体と、この車体上で水平方
    向に回転できるように載置された旋回台と、この旋回台
    の前側であって一側に偏位した位置で水平方向に回転で
    きるように載置された回動基台と、この回動基台により
    その下部を支持され、先端にバケットを連結して上下に
    屈曲できるアームとブームを有する掘削機構と、車体に
    対して旋回台を回転させる第一の駆動手段と、旋回台に
    対して回動基台を回転させる第二の駆動手段と、第一と
    第二の駆動手段の回転運動を制御する回転制御手段と、
    旋回台の回転角度を検知して回転制御手段に信号を出力
    する第一の回転角検出手段と、回動基台の回転角度を検
    知する回転制御手段に信号を出力する第二の回転角検出
    手段と、回転制御手段に予め記憶してある制御手順を出
    力する制御記憶手段とから成り、回転制御手段は第一と
    第二の回転角検出手段からの信号により旋回台と回動基
    台の角度位置を判別しながら第一と第二の駆動手段を作
    動させることを特徴とする掘削機。
  4. 【請求項4】 移動可能な車体と、この車体上で水平方
    向に回転できるように載置された旋回台と、この旋回台
    の前側であって一側に偏位した位置で水平方向に回転で
    きるように載置された回動基台と、この回動基台により
    その下部を支持され、先端にバケットを連結して上下に
    屈曲できるアームとブームを有する掘削機構と、車体に
    対して旋回台を回転させる第一の駆動手段と、旋回台に
    対して回動基台を回転させる第二の駆動手段と、第一と
    第二の駆動手段の回転運動を制御する回転制御手段と、
    旋回台の回転角度を検知して回転制御手段に信号を出力
    する第一の回転角検出手段と、回動基台の回転角度を検
    知する回転制御手段に信号を出力する第二の回転角検出
    手段と、回転制御手段に予め記憶してある制御手順を出
    力する制御記憶手段とから成り、回転制御手段は第一と
    第二の回転角検出手段からの信号により旋回台と回動基
    台の角度位置を判別しながら第一と第二の駆動手段を作
    動させ、その制御手順は、 旋回台の前側が車体の前側から最初の90度を回転する
    際には、回動基台は旋回台の回転方向とは逆方向に約2
    倍の速度で回転し、 旋回台が次の180度を回転する際には回動基台はその
    位置で停止し、 旋回台が最初の位置から270度回転したならば、その
    位置から逆方向に90度回転し、回動基台は旋回台の回
    転方向とは逆方向に約倍の速度で回転し、 旋回台が逆方向に90度回転した時に、旋回台と回動基
    台の回転を停止させることを特徴とする掘削機。
  5. 【請求項5】 移動可能な車体と、この車体上で水平方
    向に回転できるように載置された旋回台と、この旋回台
    の前側であって一側に偏位した位置で水平方向に回転で
    きるように載置された回動基台と、この回動基台により
    その下部を支持され、先端にバケットを連結して上下に
    屈曲できるアームとブームを有する掘削機構と、旋回台
    の前側であって他側に偏位した位置で水平方向に回転で
    きるように載置されたターンテーブルと、このターンテ
    ーブルの上面に載置されて作業員が座ることができる操
    縦席と、車体に対して旋回台を回転させる第一の駆動手
    段と、旋回台に対して回動基台を回転させる第二の駆動
    手段と、回動基台とターンテーブルを同期して同じ方向
    に回転させる同期連動手段と、第一と第二の駆動手段の
    回転運動を制御する回転制御手段と、旋回台の回転角度
    を検知して回転制御手段に信号を出力する第一の回転角
    検出手段と、回動基台の回転角度を検知する回転制御手
    段に信号を出力する第二の回転角検出手段と、回転制御
    手段に予め記憶してある制御手順を出力する制御記憶手
    段とから成り、回転制御手段は第一と第二の回転角検出
    手段からの信号により旋回台と回動基台の角度位置を判
    別しながら第一と第二の駆動手段を作動させ、その制御
    手順は、 旋回台の前側が車体の前側から最初の90度を回転する
    際には、回動基台は旋回台の回転方向とは逆方向に約2
    倍の速度で回転し、 旋回台が次の180度を回転する際には回動基台はその
    位置で停止し、 旋回台が最初の位置から270度回転したならば、その
    位置から逆方向に90度回転し、回動基台は旋回台の回
    転方向とは逆方向に約倍の速度で回転し、 旋回台が逆方向に90度回転した時に、旋回台と回動基
    台の回転を停止させ、 この回動基台が旋回台に対して回転する際に、同期連動
    手段によってターンテーブルも回動基台と同一方向に同
    一の角速度で回転させ、ターンテーブル上の操縦席に座
    った作業者の視線の前方に回動基台上の掘削機構が常時
    位置するように制御することを特徴とする掘削機。
  6. 【請求項6】 前記第一と第二の駆動手段は、油圧モー
    ターであることを特徴とする請求項1、2、3、4およ
    び5記載の掘削機。
  7. 【請求項7】 前記同期連動手段は、回動基台に同軸に
    固着したスプロケットホイールと、ターンテーブルに同
    軸に固着したスプロケットホイールと、両スプロケット
    ホイールを巻き廻したチェーンから成ることを特徴とす
    る請求項1および5記載の掘削機。
  8. 【請求項8】 前記第一と第二の回転角検出手段は、角
    度センサーであることを特徴とする請求項3、4および
    5記載の掘削機。
JP33113594A 1994-12-08 1994-12-08 掘削機 Pending JPH08158405A (ja)

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JP33113594A JPH08158405A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 掘削機

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JP33113594A Pending JPH08158405A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 掘削機

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220006865A (ko) * 2020-07-09 2022-01-18 주식회사 이스쿠스 모듈형 소형 건설 장비

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220006865A (ko) * 2020-07-09 2022-01-18 주식회사 이스쿠스 모듈형 소형 건설 장비

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