JP2004143876A - 建設機械の操作方式切換装置 - Google Patents
建設機械の操作方式切換装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004143876A JP2004143876A JP2002312335A JP2002312335A JP2004143876A JP 2004143876 A JP2004143876 A JP 2004143876A JP 2002312335 A JP2002312335 A JP 2002312335A JP 2002312335 A JP2002312335 A JP 2002312335A JP 2004143876 A JP2004143876 A JP 2004143876A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- operation mode
- construction machine
- operation lever
- lever device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Operation Control Of Excavators (AREA)
- Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
- Fluid-Pressure Circuits (AREA)
Abstract
【課題】第三者による操作方式の変更を不能とすることができる建設機械の操作方式切換装置を提供する。
【解決手段】操作レバー装置32L,32Rの操作方向と、油圧アクチュエータ19〜22及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、予め設定された操作方式を複数通り格納した記憶部54と、挿入した特定のキーにより操作方式の設定変更を可能とするキースイッチ41と、このキースイッチ41により設定された操作方式を記憶部54に格納された複数の操作方式の中から読み込み、読み込んだ操作方式に従って、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号を、対応するコントロールバルブ47〜50に出力する演算部55とを備える。
【選択図】 図5
【解決手段】操作レバー装置32L,32Rの操作方向と、油圧アクチュエータ19〜22及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、予め設定された操作方式を複数通り格納した記憶部54と、挿入した特定のキーにより操作方式の設定変更を可能とするキースイッチ41と、このキースイッチ41により設定された操作方式を記憶部54に格納された複数の操作方式の中から読み込み、読み込んだ操作方式に従って、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号を、対応するコントロールバルブ47〜50に出力する演算部55とを備える。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に備えられた操作レバー装置の操作方式を切換える操作方式切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の建設機械において、操作レバー装置の操作方式は製造業者によってまちまちであり、操作方式の相違により操作レバー装置の操作に対応する油圧アクチュエータ及びその動作方向が異なってくる。よって、様々なオペレータが操作する機会のある建設機械にあっては、各操作者が慣れた操作方式を選択できるようにするために、操作方式を切換えられるようにしておくのが好ましく、そのための操作方式切換装置が備えられる場合がある。
【0003】
こうした操作方式切換装置として、例えば特許文献1に記載の「操作レバーとアクチュエータの組合せ選択装置」等がある。この従来技術においては、複数の操作レバー及び油圧アクチュエータの対応関係(操作方式)を制御部内の記憶部に予め複数通り記憶しておき、選定スイッチにより選定された操作方式に従って、各操作レバーからの操作信号を、対応付けられた油圧アクチュエータのコントロールバルブに出力するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−312431号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、単に選定スイッチにより操作方式が選定可能な構成となっているため、操作者が運転席を離れている間、その建設機械の操作方式は、その操作者以外の誰にでも容易に変更可能である。従って、例えば操作者の休憩中等に第三者が選定スイッチを触ってしまった場合、それを知らずに戻った操作者が作業を再開したとき、操作者の思い込みも重なると、機械が予期せぬ動作をしてしまう等といったことが起こり得る。また、各操作者によって慣れた操作方式が異なる場合もあるため、操作者が交代した場合等においても同様のことが起こり得る。このように上記従来技術では、誰でも容易に操作方式を変更可能な構成となっていることから、操作者の意図しない誤操作が生じてしまう可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、第三者による操作方式の変更を不能とすることができる建設機械の操作方式切換装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の油圧アクチュエータと、操作者が搭乗する運転席の側方位置に設けられその操作方向及び操作量に応じた操作信号を出力する少なくとも1つの操作レバー装置と、この操作レバー装置からの操作信号に応じそれぞれ対応する前記油圧アクチュエータに供給する圧油の方向及び流量を制御する複数のコントロールバルブとを有する建設機械に設けられ、前記操作レバー装置の操作方向と前記油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、予め設定された前記操作方式を複数通り格納した記憶部と、挿入した特定のキーにより前記操作方式の設定変更を可能とする操作方式設定手段と、この操作方式設定手段により設定された操作方式を前記記憶部に格納された複数の操作方式の中から読み込み、読み込んだ操作方式に従って、前記操作レバー装置からの操作信号を基に指令信号を演算し、対応するコントロールバルブに出力する演算部とを備える。
【0008】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、複数の油圧アクチュエータと、操作者が搭乗する運転席の側方位置に設けられその操作方向及び操作量に応じた操作信号を出力する少なくとも1つの操作レバー装置と、この操作レバー装置からの操作信号に応じそれぞれ対応する前記油圧アクチュエータに供給する圧油の方向及び流量を制御する複数のコントロールバルブとを有する建設機械に設けられ、前記操作レバー装置の操作方向と前記油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、挿入した特定のキーにより前記操作方式の設定変更を可能とする操作方式設定手段と、この操作方式設定手段からの設定信号に応じて前記操作レバー装置から前記コントロールバルブへの操作信号の出力経路を切換える切換手段とを備える。
【0009】
上記(1)及び(2)のように、本発明においては、操作方式の設定変更は、操作方式設定手段において、挿入した特定のキーにより可能な構成としている。つまり、特定のキーを所有しない第三者は、操作方式設定手段を操作することができないため、操作方式を変更することができない。これにより、第三者による操作方式の変更を不能とすることができ、操作者の意図しない誤操作の発生を防止することができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記複数の操作方式のうち、いずれが選択されているかを表示する表示部を更に設ける。
【0011】
(4)上記(3)において、また好ましくは、前記表示部を、前記運転席近傍位置に設ける。
【0012】
これにより、操作者が運転席に座った状態でいずれの操作方式が設定されているかを確認することができる。
【0013】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記キーは、エンジンの起動停止を指示するキーと共用である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態による建設機械の操作方式切換装置の適用対象である油圧ショベルの全体構造を表す側面図、図2はその上面図である。なお、以下において、運転席に着座した操作者から見た前側(図2中左側)、後側(図2中右側)、左側(図2中下側)、右側(図1中上側)を、それぞれ油圧ショベルの前後左右と扱う。
【0015】
図1及び図2において、この油圧ショベルは、自力走行をするための下部走行体1と、この下部走行体1上に設けた上部旋回体2と、この上部旋回体2の前方側に設けた多関節型の作業装置3とで概略構成されている。上部旋回体2は、下部走行体1に対して旋回輪(旋回台軸受)4を介して旋回可能に接続されている。繁雑防止のため特に図示していないが、この旋回輪4は、外輪及び内輪からなり、内輪の内側に設けた内歯車に対し上部旋回体2側に設けた旋回用油圧モータ19(後述の図5参照)のピニオンギアが噛合している。また、作業装置3は、後述するスイングポスト5を介し、上部旋回体2に対して俯仰揺動可能に設けられている。以下に、各部の概略構成について順次説明していく。
【0016】
下部走行体1は、上側から見た形状がほぼH字型の前述のトラックフレーム6と、このトラックフレーム6の左・右両側においてそれぞれ前後両端に回転自在に設けた従動輪(アイドラ)7及び駆動輪8と、従動輪7及び駆動輪8間に巻回した無限軌道履帯(クローラ)9と、各駆動輪8にそれぞれ直結した左・右の走行用油圧モータ10とを備えている。また、トラックフレーム6の前方側には、排土用のブレード11及びこれを上下動させるブレード用油圧シリンダ12が設けられている。
【0017】
上部旋回体2は、その基礎下部構造をなす旋回フレーム13と、この旋回フレーム13上の前方側に区画された操作者の搭乗する運転室14と、この運転室14の後方側に設けたパワーユニット15とを備えている。このパワーユニット15には、後の図5に示す動力源となるエンジン45や、このエンジン45に駆動される油圧ポンプ46、油圧ポンプ46から吐出される圧油の流れを制御する複数のコントロールバルブ47〜50、図示しない燃料タンク及び作動油タンク等の機器が収納されている。なお、運転室14の構成については、後に図3も併せて説明する。
【0018】
作業装置3は、基端側からブーム16、ブーム16に回動可能に連結したアーム17、アーム17に回動可能に連結したバケット18を備えている。また、ブーム16の基端部は、垂直ピン(図示せず)を介して上記旋回フレーム13前端にほぼ水平方向に回動可能に設けたスイングポスト5に対し、上下方向に回動可能に接続している。これにより、作業装置3は、上部旋回体2に対して俯仰揺動可能に接続されている。そして、ブーム16、アーム17、及びバケット18は、それぞれブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、及びバケット用油圧シリンダ22により上下に駆動する。またスイングポスト5は、旋回フレーム13との間に介設したスイング用油圧シリンダ16の伸縮によりほぼ水平に回動し、これによって、作業装置3が左・右に駆動(スイング)するようになっている。
【0019】
ここで、図3に示した図1中矢印A方向から見た運転室14内の矢視俯瞰図も併せて上記の運転室14の構造を説明していく。
図1〜図3に示すように、上記の運転室14は、本実施の形態ではいわゆるキャノピータイプのもので、操作者が着座する座席(運転席)23の上方にルーフ24を設けてある。ルーフ24は、パワーユニット15上に支柱25を介して支持されている。運転室14内において、先の座席23より前方には、手足いずれでも操作可能な左・右の各走行用油圧モータ10の操作用の走行用操作レバー26L,26Rが設けられている。これら左・右走行用操作レバー26L,26Rの更に左・右外側には、操作者の足元に位置するよう、オプション用油圧アクチュエータ(例えばブレーカ用油圧モータ)、上記スイング用油圧シリンダ16をそれぞれ操作するためのオプション用操作ペダル27L、スイング用操作ペダル27Rが設けられている。また、運転室14の前端及び左端には、操作者の転落防止のための前ステー28及びサイドステー29が設けられている。
【0020】
座席23に隣接した左・右の側方位置には、左・右コンソール30L,30Rが設けられている。これら左・右コンソール30L,30Rには、それぞれ前部に十字操作式の左・右操作レバー31L,31Rを備えた左・右操作レバー装置32L,32Rが設けられ、更にこれら十字操作式の操作レバー31L,31Rの外側側部に操作系へのパイロットポンプ(図示せず)からの元圧を遮断することで誤操作を防止する左・右ロックレバー33L,33Rが設けられている。また、右コンソール30Rには、キースイッチ34を始めとする各種スイッチ類及びモニター等が備えられており、右コンソール30Rの更に右側には、前後に操作することでブレード用油圧シリンダ12を駆動しブレード11を上下動させるためのブレードレバー35と、燃料タンクからの燃料供給を制御するための燃料レバー36とが設けられている。なお、座席23の下側には、後述するコントローラ37(図5参照)が収納されている。
【0021】
上記した左・右操作レバー装置32L,32Rは、操作対象となる上記旋回用油圧モータ19、ブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、バケット用油圧シリンダ22に作動指令するものであり、それぞれの操作方向(前後方向又は左右方向)と操作対照となる油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係は、運転席23近傍(この例では左コンソール31)に設けた操作方式設定表示ユニット38(後述)により複数(この例では4つ、後述)の態様に変更可能となっている。
【0022】
図4は操作方式設定表示ユニット38の概略構成を表した模式図である。この図4に示すように、操作方式設定表示ユニット38は、操作方式を切換操作するキースイッチ41と、このキースイッチ41によっていずれの操作方式が選択されているかを表示する表示部42とを備えている。
上記キースイッチ41は、キー穴40aに挿入された特定のキー39(エンジン起動停止用のものと共用でも良いし、専用のものでも良い)がつまみとなって始めて切換ノブ40の切換位置の操作が可能となり、キー39を抜くと操作方式がその時点で設定されているものにロックされるようになっている。
上記表示部42は、表示ランプ43a〜43dを備えており、これらの中から選択された操作方式に対応するものを点灯させることにより、操作者にいずれの操作方式が選択されているかを視覚的に報知するようになっている(つまり、図4においては表示ランプ43aが点灯し操作方式1が選択された状態を示している)。なお、本実施の形態において、キースイッチ41は、キー39により切換ノブ40を回転させることにより、操作方式を切換えるようになっており、その際、図4に示すようにキー穴40が設定の操作方式(ここでは操作方式1)を指し示すようになっており、これも操作方式の表示の役割を果たす。
【0023】
図5は図1の油圧ショベルに備えられた油圧駆動制御装置の回路図、図6は予めコントローラ37内に格納された複数の操作方式の操作テーブルの一例を表す表である。まず、図5に示す油圧駆動制御装置は、前述の左・右操作レバー装置32L,32Rと、コントローラ37と、キースイッチ41と、エンジン45と、油圧ポンプ46と、コントロールバルブ47〜50と、及び各油圧アクチュエータ19〜22をと備えている。
【0024】
左操作レバー装置32Lは、前後左右に操作可能な上記左操作レバー31Lに加え、この左操作レバー31Lの前後操作及び左右操作をそれぞれ検出し、その操作量に応じた操作信号(電圧)L1,L2を出力するポテンショメータ51L,52Lを備えている。右操作レバー装置32Rも同様に、右操作レバー31Rに加え、この右操作レバー31Rの前後操作及び左右操作をそれぞれ検出し、その操作量に応じた操作信号(電圧)R1,R2を出力するポテンショメータ51R,52Rを備えている。
【0025】
コントローラ37は、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号L1,L2,R1,R2及びキースイッチ41からの設定信号を入力しディジタル信号に変換する入力部53と、図6に示す4つの操作方式1〜4の操作テーブルを予め格納した記憶部54と、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号L1,L2,R1,R2に所定の演算処理を施して指令信号を演算する演算部55と、この演算部55で演算した指令信号をアナログ信号に変換し出力する出力部56とを備えている。
【0026】
旋回用コントロールバルブ47は、比例電磁式のソレノイド駆動部47a,47bを備えた3位置切換型の比例電磁弁で、出力部56から指令信号Sw1(又はSw2、以下対応関係同様)がソレノイド駆動部47a(又は47b)に入力されると、油圧ポンプ46からの吐出管路46aを供給管路19a(又は19b)に連通させ、旋回用油圧モータ19を正転(又は逆転)させる。以下同様に、ブーム、アーム、バケット用の各コントロールバルブ48〜50も3位置切換型の比例電磁弁で、それぞれ出力部56から指令信号Bo1,Ar1,Ba1(又はBo2,Ar2,Ba2)がソレノイド駆動部48a〜50a(又は48b〜50b)に入力されると、吐出管路46aと供給管路20a〜22a(又は20b〜22b)とを連通させ、それぞれブーム、アーム、バケット用の油圧シリンダ20〜22を伸長(又は縮短)させる。なお、本実施の形態においては、以上のコントロールバルブ47〜50は、1つの制御弁装置57を構成している。
【0027】
以上のような構成により、例えばキースイッチ41により操作方式1が設定されコントローラ37に入力されると、演算部55は、キースイッチ41からの設定信号に基づき記憶部54から操作方式1の操作テーブルを読み込み、読み込んだ操作テーブルに基づいて指令信号を演算し出力する。即ち、左操作レバー31Lの前後方向操作により操作信号L1が入力されると、演算部55は、その操作信号L1(電圧)の大きさに応じ、アーム用コントロールバルブ49に対する指令信号Ar1(又はAr2)を演算し出力部56を介し出力する。一方、左操作レバー31Lの左右方向の操作により操作信号L2が入力されると、演算部55は、その操作信号L2(電圧)の大きさに応じ、旋回用コントロールバルブ47に対する指令信号Sw1(又はSw2)を演算し出力部56を介し出力する。勿論、この場合、演算部55は、右操作レバー31Rに関しては、その前後の操作による操作信号R1を基にブーム用コントロールバルブ48に対する指令信号Bo1(又はBo2)を演算し、左右の操作による操作信号R2を基にバケット用コントロールバルブ50に対する指令信号Ba1(又はBa2)を演算し、それぞれ出力部56を介して出力する。
【0028】
同様に、キースイッチ41によって、その他の操作方式2〜4が選択された場合においては、演算部55は、左・右操作レバー装置32L,32Rからの各操作信号を基に、それぞれ読み込んだ操作方式2〜4の操作テーブルに従って、対応する各油圧アクチュエータ19〜22への指令信号を演算し出力部56を介し出力する。なお、操作方式1〜4の各操作テーブルにおける操作信号(言いかえれば各操作レバーの操作方向)と指令信号(言いかえれば油圧アクチュエータ、即ち作動機器の動作方向)との対応関係は以下の通りである。
【0029】
▲1▼操作方式1
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Sw2(旋回右)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
▲2▼操作方式2
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Sw2(旋回右)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
▲3▼操作方式3
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Sw2(旋回右)
▲4▼操作方式4
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Sw2(旋回右)
以上の構成の本実施の形態において、旋回用油圧モータ19、ブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、バケット用油圧シリンダ22が、特許請求の範囲に記載の複数の油圧アクチュエータを構成し、旋回用コントロールバルブ47、ブーム用コントロールバルブ48、アーム用コントロールバルブ49、バケット用コントロールバルブ50が、複数のコントロールバルブを構成し、またキースイッチ41が操作方式設定手段を構成する。
【0030】
次に、本実施形態の動作及び作用効果を以下に説明する。
操作者が、自分の慣れた操作方式に設定する場合、キースイッチ41にキー39を差し込み、このキー39をつまみとして切換ノブ40を回転させ所望の操作方式に設定しキー39を抜き取る。キー39をエンジン始動用のキーと共用している場合、操作方式の設定後、抜き取ったキー39をエンジン始動用のキースイッチ34に差し込んでエンジン45を始動する。
【0031】
上記操作により、演算部55は、入力された設定信号に基づき記憶部54から対応する操作方式の操作テーブルを読み込み、読み込んだ操作テーブルに従い、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号L1,L2,R1,R2を基に、各油圧アクチュエータ19〜22のコントロールバルブ47〜50への指令信号を演算し出力部56を介して出力する。例えば、操作者がキースイッチ41にて操作方式1を選択した場合、操作方式1を指定する設定信号がコントローラ37の入力部53を介して演算部55に入力された結果、アーム17は、左操作レバー31Lを前に操作することによりダンプ、後に操作することによりクラウドし、上部旋回体2は、左操作レバー31Lを左に操作することにより左に、右に操作することにより右に旋回する。そして、ブーム16は、右操作レバー31Rを前に操作することにより下向きに、後に操作することにより上向きに駆動し、バケット18は、右操作レバー31Rを左に操作することによりクラウド、右に操作することによりダンプする。
【0032】
以下同様に、操作方式2を選択した場合、左操作レバー31Lを前後に操作することにより上部旋回体2がそれぞれ右左に旋回、左右に操作することによりアーム17がそれぞれダンプ・クラウドし、右操作レバー31Rを前後に操作することによりブーム16がそれぞれ下向き・上向きに駆動、左右に操作することによりバケット18がそれぞれクラウド・ダンプする。
操作方式3を選択した場合、左操作レバー31Lを前後に操作することによりブーム16がそれぞれ下向き・上向きに駆動、左右に操作することによりバケット18がそれぞれダンプ・クラウドし、右操作レバー31Rを前後に操作することによりアーム17がそれぞれクラウド・ダンプ、左右に操作することにより上部旋回体2がそれぞれ左右に旋回する。
操作方式4を選択した場合、左操作レバー31Lを前後に操作することによりブーム16がそれぞれ下向き・上向きに駆動、左右に操作することによりバケット18がそれぞれダンプ・クラウドし、右操作レバー31Rを前後に操作することによりアーム17がそれぞれダンプ・クラウド、左右に操作することにより上部旋回体2がそれぞれ左右に旋回する。
【0033】
本実施の形態によれば、操作方式は、上記のようにキースイッチ41において、挿入した特定のキー39により設定変更可能な構成としたため、キー39を所有しない第三者は、キースイッチ41を操作することができず、操作方式を変更することができない。これにより、第三者による操作方式の変更を不能とすることができ、操作者の意図しない誤操作の発生を防止することができるので、これにより安全性を向上させることができる。
【0034】
また、操作方式がいずれに設定されているかを表示する表示部42が、運転席23近傍の左コンソール30Lに設けられている。従って、操作者は運転席に座った状態でいずれの操作方式が設定されているかを容易に確認することができ、仮に操作者の意図しない操作方式に設定されていたとしても操作者がこれに事前に気付き易くすることができる。これによっても、誤操作防止の効果が得られる。
【0035】
続いて本発明の操作方式切換装置の他の実施の形態を図7を用いて説明する。図7は操作レバー装置32Lからの操作信号の入力系統を模式的に表す回路図である。本実施の形態は、記憶部54に格納した操作方式のテーブルを読み込んで指令信号を演算出力する構成とせず、単に操作信号の伝送経路を切換えて操作方式を切換える実施の形態である。
【0036】
即ち、図7において、例えば先の図5におけるポテンショメータ51L,51Rには信号伝送系統60,61が、コントローラ37(入力部53)には入力系統64,65が、それぞれ接続しているものとする。信号伝送系統60,61は、それぞれリレースイッチ62,63を介することにより、入力系統64,65に対して接続が切換わるようになっている。これらリレースイッチ62,63は、ON/OFF式のキースイッチ41Aにより切換えられるものである。なお、ポテンショメータ51L,51Rからの操作信号は、後段のコントローラ37において、設定されたしきい値に対する大小によって、対応するコントロールバルブにその作動方向及び作動量を指令する指令信号に変換される。本実施の形態において、先に図6に示した操作テーブルとの整合性を考慮し、入力系統65に伝送する操作信号の上記しきい値に対する正負を、キースイッチ41AからのON/OF信号によって反転させる信号反転回路66を設けてある。但し、この信号反転回路66は、図6の操作テーブルとの整合性を必要としない場合には特に必要ない。
【0037】
上記構成により、例えばキースイッチ41AがOFFのとき(このとき例として図6における操作方式1が設定されるとする)、伝送系統60,61は、それぞれリレースイッチ62,63を介して入力系統64,65に接続し、信号反転回路66は操作信号の反転を行わない。その結果、ポテンショメータ51L,51Rからの操作信号は、それぞれ入力部53(図5参照)に対し操作信号L1,L2として入力される。そして、演算部55は、予め格納された演算回路に従って、入力された操作信号L1,L2の大きさに応じて、それぞれ指令信号Ar1(又はAr2)及び指令信号Sw1(又はSw2)を演算し、出力部56を介してコントロールバルブ49,47に出力する。この結果、左操作レバー31Lの前後操作がアームダンプ及びアームクラウドの動作に対応付けられ、左右操作が左旋回及び右旋回の動作に対応付けられる。
【0038】
一方、キースイッチ41AがONのとき(このとき例として図6における操作方式2が設定されるとする)となると、リレー62a,63aが励磁されてリレースイッチ62,63がそれぞれ切換わり、伝送系統60,61が、それぞれ入力系統65,64に接続し、ポテンショメータ51L,51Rからの操作信号は、それぞれ入力部53(図5参照)に対し操作信号L2,L1として入力される。またこのとき、ケーブル67を介してキースイッチ41Aから入力されるON信号によって、信号反転回路66は、操作信号L1の上記しきい値に対する大小関係を反転させる。そして、演算部55は、予め格納された演算回路に従って、入力された操作信号L2,L1の大きさに応じて、それぞれ指令信号Sw1(又はSw2)及び指令信号Ar1(又はAr2)を演算し、出力部56を介してコントロールバルブ47,49に出力する。この結果、左操作レバー31Lの前後操作が右旋回及び左旋回の動作に対応付けられ、左右操作がアームダンプ及びアームクラウドの動作に対応付けられる。
【0039】
但し、図7においては、操作方式1と操作方式2とを切換える例を挙げたため、左操作レバー装置32L側の信号入力系統のみの切換えで足りたが、右操作レバー装置32L,32Rについても同じように構成すれば、操作方式3と操作方式4との切換えも可能となる。勿論、更に多数のリレースイッチを適宜組合せることにより、操作方式1〜4を任意に切換え可能な構成とすることもできる。また、例えば各コントロールバルブ47〜50を片側ソレノイド方式のものに代え、指令信号の大きさにより3位置切換え可能な構成とすれば、コントローラ37を介さず、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号により、直接動作するようにしても良い。この場合も、リレースイッチ62,63により伝送経路を適宜切換えることにより、操作方式を切換えることができる。
【0040】
こうした本実施の形態においても、キースイッチ41Aにより操作方式を設定する構成とすることで、第三者による操作方式の変更を不能とすることができ、前述の一実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
本実施の形態において、リレースイッチ62,63が、特許請求の範囲に記載した切換手段を構成する。但し、この切換手段としては、操作信号の伝送経路を切換えられれば足りるため、リレーを用いたものに限らず、キースイッチと連動して機械的に配線を組替えるものであっても良いし、ON/OFF式のものに限らず、3つ以上の接点に対し選択的に接続可能なものとしても良い。
【0042】
なお、以上において、特定のキー39を用いたキースイッチ41を備えた例を説明したが、第三者による不用意な操作方式の切換を不能とするためには、例えばキー39に限られず、例えばIDカードやパスワードの入力等による特定の照合の下に操作方式の切換を可能とする構成としても上記と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、以上において、表示部42を左コンソール30Lに設ける構成としたが、表示部42は必ずしもこの位置に限られず、例えば右コンソール30Rや前ステー28等、運転席23近傍の操作者が着座した状態で見易い位置に設ければ良い。また、表示部42として操作方式に対応したランプ表示するものを例示したが、例えば多色発光型のランプによる各操作方式に対応した色の点灯表示や、液晶による文字や形状による表示に代えても構わない。この場合も同様の効果を得ることができる。しかしながら、本発明の本質的効果は、第三者による不用意な操作方式の変更を不能とすることであり、この観点において表示部42は必ずしも必要ではない。
【0044】
また、以上において、図1に示すように比較的小型のいわゆるミニショベルに本発明を適用した例を説明したが、これに限られず、勿論中型、大型の油圧ショベルにも本発明は適用可能である。また作業装置3が、その基端部分で上部旋回体2に対して俯仰揺動可能なタイプの油圧ショベルに本発明を適用した場合を例示したが、これにも限られない。作業装置の基端部分が上部旋回体に対して単に俯仰動(上下に回動)するタイプのものであっても、ブーム自体が多関節構造でブームが左右に首振り可能ないわゆるオフセット型のものであっても本発明は適用可能である。また、作業具として掘削用のバケット18を備えたものを例示したが、オプションとしてブレーカやグラップル等を用いる場合であっても適用可能であることは言うまでもない。作業装置を運転室前側に設けたものに限らず、運転室側方に設けたものにも適用可能である。勿論、運転室14に関してもいわゆるキャノピー型のものに限られない。これらの場合も同様の効果を得ることができる。
【0045】
更に、以上においては、本発明を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて説明したが、これに限られず、例えばクレーン等、複数の方向に操作可能な操作レバー装置と、この操作方向に応じて駆動する複数の油圧アクチュエータを備えた建設機械であれば適用可能である。また、無限軌道履帯9を備えたいわゆるクローラ式の建設機械を例示したが、ホイール式の走行装置を備えた建設機械にも本発明は適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のキーにより操作方式の変更を可能としたため、第三者による不用意な操作方式の変更を防止することができ、操作者の意図しない誤操作の発生を防止することができる。これにより安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による建設機械の操作方式切換装置の適用対象である油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
【図2】本実施形態による建設機械の操作方式切換装置の適用対象である油圧ショベルの全体構造を表す上面図である。
【図3】図1中矢印A方向から見た運転室14内の矢視俯瞰図である。
【図4】図1の油圧ショベルに設けた操作方式設定表示ユニットの概略構成を表した模式図である。
【図5】図1の油圧ショベルに備えられた油圧駆動制御装置の回路図である。
【図6】予め記憶部内に格納された複数の操作方式の一例を表す表である。
【図7】本実施形態による建設機械の操作方式切換装置における操作レバー装置からの操作信号の入力系統を模式的に表す回路図である。
【符号の説明】
19 旋回用油圧モータ(油圧アクチュエータ)
20 ブーム用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
21 アーム用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
22 バケット用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
23 座席(運転席)
32L,R 操作レバー装置
39 キー
41 キースイッチ(操作方式設定手段)
42 表示部
47 旋回用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
48 ブーム用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
49 アーム用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
50 バケット用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
54 記憶部
55 演算部
62,63 リレースイッチ(切換手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に備えられた操作レバー装置の操作方式を切換える操作方式切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の建設機械において、操作レバー装置の操作方式は製造業者によってまちまちであり、操作方式の相違により操作レバー装置の操作に対応する油圧アクチュエータ及びその動作方向が異なってくる。よって、様々なオペレータが操作する機会のある建設機械にあっては、各操作者が慣れた操作方式を選択できるようにするために、操作方式を切換えられるようにしておくのが好ましく、そのための操作方式切換装置が備えられる場合がある。
【0003】
こうした操作方式切換装置として、例えば特許文献1に記載の「操作レバーとアクチュエータの組合せ選択装置」等がある。この従来技術においては、複数の操作レバー及び油圧アクチュエータの対応関係(操作方式)を制御部内の記憶部に予め複数通り記憶しておき、選定スイッチにより選定された操作方式に従って、各操作レバーからの操作信号を、対応付けられた油圧アクチュエータのコントロールバルブに出力するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−312431号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、単に選定スイッチにより操作方式が選定可能な構成となっているため、操作者が運転席を離れている間、その建設機械の操作方式は、その操作者以外の誰にでも容易に変更可能である。従って、例えば操作者の休憩中等に第三者が選定スイッチを触ってしまった場合、それを知らずに戻った操作者が作業を再開したとき、操作者の思い込みも重なると、機械が予期せぬ動作をしてしまう等といったことが起こり得る。また、各操作者によって慣れた操作方式が異なる場合もあるため、操作者が交代した場合等においても同様のことが起こり得る。このように上記従来技術では、誰でも容易に操作方式を変更可能な構成となっていることから、操作者の意図しない誤操作が生じてしまう可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、第三者による操作方式の変更を不能とすることができる建設機械の操作方式切換装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の油圧アクチュエータと、操作者が搭乗する運転席の側方位置に設けられその操作方向及び操作量に応じた操作信号を出力する少なくとも1つの操作レバー装置と、この操作レバー装置からの操作信号に応じそれぞれ対応する前記油圧アクチュエータに供給する圧油の方向及び流量を制御する複数のコントロールバルブとを有する建設機械に設けられ、前記操作レバー装置の操作方向と前記油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、予め設定された前記操作方式を複数通り格納した記憶部と、挿入した特定のキーにより前記操作方式の設定変更を可能とする操作方式設定手段と、この操作方式設定手段により設定された操作方式を前記記憶部に格納された複数の操作方式の中から読み込み、読み込んだ操作方式に従って、前記操作レバー装置からの操作信号を基に指令信号を演算し、対応するコントロールバルブに出力する演算部とを備える。
【0008】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、複数の油圧アクチュエータと、操作者が搭乗する運転席の側方位置に設けられその操作方向及び操作量に応じた操作信号を出力する少なくとも1つの操作レバー装置と、この操作レバー装置からの操作信号に応じそれぞれ対応する前記油圧アクチュエータに供給する圧油の方向及び流量を制御する複数のコントロールバルブとを有する建設機械に設けられ、前記操作レバー装置の操作方向と前記油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、挿入した特定のキーにより前記操作方式の設定変更を可能とする操作方式設定手段と、この操作方式設定手段からの設定信号に応じて前記操作レバー装置から前記コントロールバルブへの操作信号の出力経路を切換える切換手段とを備える。
【0009】
上記(1)及び(2)のように、本発明においては、操作方式の設定変更は、操作方式設定手段において、挿入した特定のキーにより可能な構成としている。つまり、特定のキーを所有しない第三者は、操作方式設定手段を操作することができないため、操作方式を変更することができない。これにより、第三者による操作方式の変更を不能とすることができ、操作者の意図しない誤操作の発生を防止することができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記複数の操作方式のうち、いずれが選択されているかを表示する表示部を更に設ける。
【0011】
(4)上記(3)において、また好ましくは、前記表示部を、前記運転席近傍位置に設ける。
【0012】
これにより、操作者が運転席に座った状態でいずれの操作方式が設定されているかを確認することができる。
【0013】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記キーは、エンジンの起動停止を指示するキーと共用である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態による建設機械の操作方式切換装置の適用対象である油圧ショベルの全体構造を表す側面図、図2はその上面図である。なお、以下において、運転席に着座した操作者から見た前側(図2中左側)、後側(図2中右側)、左側(図2中下側)、右側(図1中上側)を、それぞれ油圧ショベルの前後左右と扱う。
【0015】
図1及び図2において、この油圧ショベルは、自力走行をするための下部走行体1と、この下部走行体1上に設けた上部旋回体2と、この上部旋回体2の前方側に設けた多関節型の作業装置3とで概略構成されている。上部旋回体2は、下部走行体1に対して旋回輪(旋回台軸受)4を介して旋回可能に接続されている。繁雑防止のため特に図示していないが、この旋回輪4は、外輪及び内輪からなり、内輪の内側に設けた内歯車に対し上部旋回体2側に設けた旋回用油圧モータ19(後述の図5参照)のピニオンギアが噛合している。また、作業装置3は、後述するスイングポスト5を介し、上部旋回体2に対して俯仰揺動可能に設けられている。以下に、各部の概略構成について順次説明していく。
【0016】
下部走行体1は、上側から見た形状がほぼH字型の前述のトラックフレーム6と、このトラックフレーム6の左・右両側においてそれぞれ前後両端に回転自在に設けた従動輪(アイドラ)7及び駆動輪8と、従動輪7及び駆動輪8間に巻回した無限軌道履帯(クローラ)9と、各駆動輪8にそれぞれ直結した左・右の走行用油圧モータ10とを備えている。また、トラックフレーム6の前方側には、排土用のブレード11及びこれを上下動させるブレード用油圧シリンダ12が設けられている。
【0017】
上部旋回体2は、その基礎下部構造をなす旋回フレーム13と、この旋回フレーム13上の前方側に区画された操作者の搭乗する運転室14と、この運転室14の後方側に設けたパワーユニット15とを備えている。このパワーユニット15には、後の図5に示す動力源となるエンジン45や、このエンジン45に駆動される油圧ポンプ46、油圧ポンプ46から吐出される圧油の流れを制御する複数のコントロールバルブ47〜50、図示しない燃料タンク及び作動油タンク等の機器が収納されている。なお、運転室14の構成については、後に図3も併せて説明する。
【0018】
作業装置3は、基端側からブーム16、ブーム16に回動可能に連結したアーム17、アーム17に回動可能に連結したバケット18を備えている。また、ブーム16の基端部は、垂直ピン(図示せず)を介して上記旋回フレーム13前端にほぼ水平方向に回動可能に設けたスイングポスト5に対し、上下方向に回動可能に接続している。これにより、作業装置3は、上部旋回体2に対して俯仰揺動可能に接続されている。そして、ブーム16、アーム17、及びバケット18は、それぞれブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、及びバケット用油圧シリンダ22により上下に駆動する。またスイングポスト5は、旋回フレーム13との間に介設したスイング用油圧シリンダ16の伸縮によりほぼ水平に回動し、これによって、作業装置3が左・右に駆動(スイング)するようになっている。
【0019】
ここで、図3に示した図1中矢印A方向から見た運転室14内の矢視俯瞰図も併せて上記の運転室14の構造を説明していく。
図1〜図3に示すように、上記の運転室14は、本実施の形態ではいわゆるキャノピータイプのもので、操作者が着座する座席(運転席)23の上方にルーフ24を設けてある。ルーフ24は、パワーユニット15上に支柱25を介して支持されている。運転室14内において、先の座席23より前方には、手足いずれでも操作可能な左・右の各走行用油圧モータ10の操作用の走行用操作レバー26L,26Rが設けられている。これら左・右走行用操作レバー26L,26Rの更に左・右外側には、操作者の足元に位置するよう、オプション用油圧アクチュエータ(例えばブレーカ用油圧モータ)、上記スイング用油圧シリンダ16をそれぞれ操作するためのオプション用操作ペダル27L、スイング用操作ペダル27Rが設けられている。また、運転室14の前端及び左端には、操作者の転落防止のための前ステー28及びサイドステー29が設けられている。
【0020】
座席23に隣接した左・右の側方位置には、左・右コンソール30L,30Rが設けられている。これら左・右コンソール30L,30Rには、それぞれ前部に十字操作式の左・右操作レバー31L,31Rを備えた左・右操作レバー装置32L,32Rが設けられ、更にこれら十字操作式の操作レバー31L,31Rの外側側部に操作系へのパイロットポンプ(図示せず)からの元圧を遮断することで誤操作を防止する左・右ロックレバー33L,33Rが設けられている。また、右コンソール30Rには、キースイッチ34を始めとする各種スイッチ類及びモニター等が備えられており、右コンソール30Rの更に右側には、前後に操作することでブレード用油圧シリンダ12を駆動しブレード11を上下動させるためのブレードレバー35と、燃料タンクからの燃料供給を制御するための燃料レバー36とが設けられている。なお、座席23の下側には、後述するコントローラ37(図5参照)が収納されている。
【0021】
上記した左・右操作レバー装置32L,32Rは、操作対象となる上記旋回用油圧モータ19、ブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、バケット用油圧シリンダ22に作動指令するものであり、それぞれの操作方向(前後方向又は左右方向)と操作対照となる油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係は、運転席23近傍(この例では左コンソール31)に設けた操作方式設定表示ユニット38(後述)により複数(この例では4つ、後述)の態様に変更可能となっている。
【0022】
図4は操作方式設定表示ユニット38の概略構成を表した模式図である。この図4に示すように、操作方式設定表示ユニット38は、操作方式を切換操作するキースイッチ41と、このキースイッチ41によっていずれの操作方式が選択されているかを表示する表示部42とを備えている。
上記キースイッチ41は、キー穴40aに挿入された特定のキー39(エンジン起動停止用のものと共用でも良いし、専用のものでも良い)がつまみとなって始めて切換ノブ40の切換位置の操作が可能となり、キー39を抜くと操作方式がその時点で設定されているものにロックされるようになっている。
上記表示部42は、表示ランプ43a〜43dを備えており、これらの中から選択された操作方式に対応するものを点灯させることにより、操作者にいずれの操作方式が選択されているかを視覚的に報知するようになっている(つまり、図4においては表示ランプ43aが点灯し操作方式1が選択された状態を示している)。なお、本実施の形態において、キースイッチ41は、キー39により切換ノブ40を回転させることにより、操作方式を切換えるようになっており、その際、図4に示すようにキー穴40が設定の操作方式(ここでは操作方式1)を指し示すようになっており、これも操作方式の表示の役割を果たす。
【0023】
図5は図1の油圧ショベルに備えられた油圧駆動制御装置の回路図、図6は予めコントローラ37内に格納された複数の操作方式の操作テーブルの一例を表す表である。まず、図5に示す油圧駆動制御装置は、前述の左・右操作レバー装置32L,32Rと、コントローラ37と、キースイッチ41と、エンジン45と、油圧ポンプ46と、コントロールバルブ47〜50と、及び各油圧アクチュエータ19〜22をと備えている。
【0024】
左操作レバー装置32Lは、前後左右に操作可能な上記左操作レバー31Lに加え、この左操作レバー31Lの前後操作及び左右操作をそれぞれ検出し、その操作量に応じた操作信号(電圧)L1,L2を出力するポテンショメータ51L,52Lを備えている。右操作レバー装置32Rも同様に、右操作レバー31Rに加え、この右操作レバー31Rの前後操作及び左右操作をそれぞれ検出し、その操作量に応じた操作信号(電圧)R1,R2を出力するポテンショメータ51R,52Rを備えている。
【0025】
コントローラ37は、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号L1,L2,R1,R2及びキースイッチ41からの設定信号を入力しディジタル信号に変換する入力部53と、図6に示す4つの操作方式1〜4の操作テーブルを予め格納した記憶部54と、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号L1,L2,R1,R2に所定の演算処理を施して指令信号を演算する演算部55と、この演算部55で演算した指令信号をアナログ信号に変換し出力する出力部56とを備えている。
【0026】
旋回用コントロールバルブ47は、比例電磁式のソレノイド駆動部47a,47bを備えた3位置切換型の比例電磁弁で、出力部56から指令信号Sw1(又はSw2、以下対応関係同様)がソレノイド駆動部47a(又は47b)に入力されると、油圧ポンプ46からの吐出管路46aを供給管路19a(又は19b)に連通させ、旋回用油圧モータ19を正転(又は逆転)させる。以下同様に、ブーム、アーム、バケット用の各コントロールバルブ48〜50も3位置切換型の比例電磁弁で、それぞれ出力部56から指令信号Bo1,Ar1,Ba1(又はBo2,Ar2,Ba2)がソレノイド駆動部48a〜50a(又は48b〜50b)に入力されると、吐出管路46aと供給管路20a〜22a(又は20b〜22b)とを連通させ、それぞれブーム、アーム、バケット用の油圧シリンダ20〜22を伸長(又は縮短)させる。なお、本実施の形態においては、以上のコントロールバルブ47〜50は、1つの制御弁装置57を構成している。
【0027】
以上のような構成により、例えばキースイッチ41により操作方式1が設定されコントローラ37に入力されると、演算部55は、キースイッチ41からの設定信号に基づき記憶部54から操作方式1の操作テーブルを読み込み、読み込んだ操作テーブルに基づいて指令信号を演算し出力する。即ち、左操作レバー31Lの前後方向操作により操作信号L1が入力されると、演算部55は、その操作信号L1(電圧)の大きさに応じ、アーム用コントロールバルブ49に対する指令信号Ar1(又はAr2)を演算し出力部56を介し出力する。一方、左操作レバー31Lの左右方向の操作により操作信号L2が入力されると、演算部55は、その操作信号L2(電圧)の大きさに応じ、旋回用コントロールバルブ47に対する指令信号Sw1(又はSw2)を演算し出力部56を介し出力する。勿論、この場合、演算部55は、右操作レバー31Rに関しては、その前後の操作による操作信号R1を基にブーム用コントロールバルブ48に対する指令信号Bo1(又はBo2)を演算し、左右の操作による操作信号R2を基にバケット用コントロールバルブ50に対する指令信号Ba1(又はBa2)を演算し、それぞれ出力部56を介して出力する。
【0028】
同様に、キースイッチ41によって、その他の操作方式2〜4が選択された場合においては、演算部55は、左・右操作レバー装置32L,32Rからの各操作信号を基に、それぞれ読み込んだ操作方式2〜4の操作テーブルに従って、対応する各油圧アクチュエータ19〜22への指令信号を演算し出力部56を介し出力する。なお、操作方式1〜4の各操作テーブルにおける操作信号(言いかえれば各操作レバーの操作方向)と指令信号(言いかえれば油圧アクチュエータ、即ち作動機器の動作方向)との対応関係は以下の通りである。
【0029】
▲1▼操作方式1
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Sw2(旋回右)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
▲2▼操作方式2
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Sw2(旋回右)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
▲3▼操作方式3
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Sw2(旋回右)
▲4▼操作方式4
操作信号L1(左操作レバー31L前)→指令信号Bo2(フ゛ーム下げ)
操作信号L1(左操作レバー31L後)→指令信号Bo1(フ゛ーム上げ)
操作信号L2(左操作レバー31L左)→指令信号Ba1(ハ゛ケットタ゛ンフ゜)
操作信号L2(左操作レバー31L右)→指令信号Ba2(ハ゛ケットクラウト゛)
操作信号R1(右操作レバー31R前)→指令信号Ar1(アームタ゛ンフ゜)
操作信号R1(右操作レバー31R後)→指令信号Ar2(アームクラウト゛)
操作信号R2(右操作レバー31R左)→指令信号Sw1(旋回左)
操作信号R2(右操作レバー31R右)→指令信号Sw2(旋回右)
以上の構成の本実施の形態において、旋回用油圧モータ19、ブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ21、バケット用油圧シリンダ22が、特許請求の範囲に記載の複数の油圧アクチュエータを構成し、旋回用コントロールバルブ47、ブーム用コントロールバルブ48、アーム用コントロールバルブ49、バケット用コントロールバルブ50が、複数のコントロールバルブを構成し、またキースイッチ41が操作方式設定手段を構成する。
【0030】
次に、本実施形態の動作及び作用効果を以下に説明する。
操作者が、自分の慣れた操作方式に設定する場合、キースイッチ41にキー39を差し込み、このキー39をつまみとして切換ノブ40を回転させ所望の操作方式に設定しキー39を抜き取る。キー39をエンジン始動用のキーと共用している場合、操作方式の設定後、抜き取ったキー39をエンジン始動用のキースイッチ34に差し込んでエンジン45を始動する。
【0031】
上記操作により、演算部55は、入力された設定信号に基づき記憶部54から対応する操作方式の操作テーブルを読み込み、読み込んだ操作テーブルに従い、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号L1,L2,R1,R2を基に、各油圧アクチュエータ19〜22のコントロールバルブ47〜50への指令信号を演算し出力部56を介して出力する。例えば、操作者がキースイッチ41にて操作方式1を選択した場合、操作方式1を指定する設定信号がコントローラ37の入力部53を介して演算部55に入力された結果、アーム17は、左操作レバー31Lを前に操作することによりダンプ、後に操作することによりクラウドし、上部旋回体2は、左操作レバー31Lを左に操作することにより左に、右に操作することにより右に旋回する。そして、ブーム16は、右操作レバー31Rを前に操作することにより下向きに、後に操作することにより上向きに駆動し、バケット18は、右操作レバー31Rを左に操作することによりクラウド、右に操作することによりダンプする。
【0032】
以下同様に、操作方式2を選択した場合、左操作レバー31Lを前後に操作することにより上部旋回体2がそれぞれ右左に旋回、左右に操作することによりアーム17がそれぞれダンプ・クラウドし、右操作レバー31Rを前後に操作することによりブーム16がそれぞれ下向き・上向きに駆動、左右に操作することによりバケット18がそれぞれクラウド・ダンプする。
操作方式3を選択した場合、左操作レバー31Lを前後に操作することによりブーム16がそれぞれ下向き・上向きに駆動、左右に操作することによりバケット18がそれぞれダンプ・クラウドし、右操作レバー31Rを前後に操作することによりアーム17がそれぞれクラウド・ダンプ、左右に操作することにより上部旋回体2がそれぞれ左右に旋回する。
操作方式4を選択した場合、左操作レバー31Lを前後に操作することによりブーム16がそれぞれ下向き・上向きに駆動、左右に操作することによりバケット18がそれぞれダンプ・クラウドし、右操作レバー31Rを前後に操作することによりアーム17がそれぞれダンプ・クラウド、左右に操作することにより上部旋回体2がそれぞれ左右に旋回する。
【0033】
本実施の形態によれば、操作方式は、上記のようにキースイッチ41において、挿入した特定のキー39により設定変更可能な構成としたため、キー39を所有しない第三者は、キースイッチ41を操作することができず、操作方式を変更することができない。これにより、第三者による操作方式の変更を不能とすることができ、操作者の意図しない誤操作の発生を防止することができるので、これにより安全性を向上させることができる。
【0034】
また、操作方式がいずれに設定されているかを表示する表示部42が、運転席23近傍の左コンソール30Lに設けられている。従って、操作者は運転席に座った状態でいずれの操作方式が設定されているかを容易に確認することができ、仮に操作者の意図しない操作方式に設定されていたとしても操作者がこれに事前に気付き易くすることができる。これによっても、誤操作防止の効果が得られる。
【0035】
続いて本発明の操作方式切換装置の他の実施の形態を図7を用いて説明する。図7は操作レバー装置32Lからの操作信号の入力系統を模式的に表す回路図である。本実施の形態は、記憶部54に格納した操作方式のテーブルを読み込んで指令信号を演算出力する構成とせず、単に操作信号の伝送経路を切換えて操作方式を切換える実施の形態である。
【0036】
即ち、図7において、例えば先の図5におけるポテンショメータ51L,51Rには信号伝送系統60,61が、コントローラ37(入力部53)には入力系統64,65が、それぞれ接続しているものとする。信号伝送系統60,61は、それぞれリレースイッチ62,63を介することにより、入力系統64,65に対して接続が切換わるようになっている。これらリレースイッチ62,63は、ON/OFF式のキースイッチ41Aにより切換えられるものである。なお、ポテンショメータ51L,51Rからの操作信号は、後段のコントローラ37において、設定されたしきい値に対する大小によって、対応するコントロールバルブにその作動方向及び作動量を指令する指令信号に変換される。本実施の形態において、先に図6に示した操作テーブルとの整合性を考慮し、入力系統65に伝送する操作信号の上記しきい値に対する正負を、キースイッチ41AからのON/OF信号によって反転させる信号反転回路66を設けてある。但し、この信号反転回路66は、図6の操作テーブルとの整合性を必要としない場合には特に必要ない。
【0037】
上記構成により、例えばキースイッチ41AがOFFのとき(このとき例として図6における操作方式1が設定されるとする)、伝送系統60,61は、それぞれリレースイッチ62,63を介して入力系統64,65に接続し、信号反転回路66は操作信号の反転を行わない。その結果、ポテンショメータ51L,51Rからの操作信号は、それぞれ入力部53(図5参照)に対し操作信号L1,L2として入力される。そして、演算部55は、予め格納された演算回路に従って、入力された操作信号L1,L2の大きさに応じて、それぞれ指令信号Ar1(又はAr2)及び指令信号Sw1(又はSw2)を演算し、出力部56を介してコントロールバルブ49,47に出力する。この結果、左操作レバー31Lの前後操作がアームダンプ及びアームクラウドの動作に対応付けられ、左右操作が左旋回及び右旋回の動作に対応付けられる。
【0038】
一方、キースイッチ41AがONのとき(このとき例として図6における操作方式2が設定されるとする)となると、リレー62a,63aが励磁されてリレースイッチ62,63がそれぞれ切換わり、伝送系統60,61が、それぞれ入力系統65,64に接続し、ポテンショメータ51L,51Rからの操作信号は、それぞれ入力部53(図5参照)に対し操作信号L2,L1として入力される。またこのとき、ケーブル67を介してキースイッチ41Aから入力されるON信号によって、信号反転回路66は、操作信号L1の上記しきい値に対する大小関係を反転させる。そして、演算部55は、予め格納された演算回路に従って、入力された操作信号L2,L1の大きさに応じて、それぞれ指令信号Sw1(又はSw2)及び指令信号Ar1(又はAr2)を演算し、出力部56を介してコントロールバルブ47,49に出力する。この結果、左操作レバー31Lの前後操作が右旋回及び左旋回の動作に対応付けられ、左右操作がアームダンプ及びアームクラウドの動作に対応付けられる。
【0039】
但し、図7においては、操作方式1と操作方式2とを切換える例を挙げたため、左操作レバー装置32L側の信号入力系統のみの切換えで足りたが、右操作レバー装置32L,32Rについても同じように構成すれば、操作方式3と操作方式4との切換えも可能となる。勿論、更に多数のリレースイッチを適宜組合せることにより、操作方式1〜4を任意に切換え可能な構成とすることもできる。また、例えば各コントロールバルブ47〜50を片側ソレノイド方式のものに代え、指令信号の大きさにより3位置切換え可能な構成とすれば、コントローラ37を介さず、操作レバー装置32L,32Rからの操作信号により、直接動作するようにしても良い。この場合も、リレースイッチ62,63により伝送経路を適宜切換えることにより、操作方式を切換えることができる。
【0040】
こうした本実施の形態においても、キースイッチ41Aにより操作方式を設定する構成とすることで、第三者による操作方式の変更を不能とすることができ、前述の一実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
本実施の形態において、リレースイッチ62,63が、特許請求の範囲に記載した切換手段を構成する。但し、この切換手段としては、操作信号の伝送経路を切換えられれば足りるため、リレーを用いたものに限らず、キースイッチと連動して機械的に配線を組替えるものであっても良いし、ON/OFF式のものに限らず、3つ以上の接点に対し選択的に接続可能なものとしても良い。
【0042】
なお、以上において、特定のキー39を用いたキースイッチ41を備えた例を説明したが、第三者による不用意な操作方式の切換を不能とするためには、例えばキー39に限られず、例えばIDカードやパスワードの入力等による特定の照合の下に操作方式の切換を可能とする構成としても上記と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、以上において、表示部42を左コンソール30Lに設ける構成としたが、表示部42は必ずしもこの位置に限られず、例えば右コンソール30Rや前ステー28等、運転席23近傍の操作者が着座した状態で見易い位置に設ければ良い。また、表示部42として操作方式に対応したランプ表示するものを例示したが、例えば多色発光型のランプによる各操作方式に対応した色の点灯表示や、液晶による文字や形状による表示に代えても構わない。この場合も同様の効果を得ることができる。しかしながら、本発明の本質的効果は、第三者による不用意な操作方式の変更を不能とすることであり、この観点において表示部42は必ずしも必要ではない。
【0044】
また、以上において、図1に示すように比較的小型のいわゆるミニショベルに本発明を適用した例を説明したが、これに限られず、勿論中型、大型の油圧ショベルにも本発明は適用可能である。また作業装置3が、その基端部分で上部旋回体2に対して俯仰揺動可能なタイプの油圧ショベルに本発明を適用した場合を例示したが、これにも限られない。作業装置の基端部分が上部旋回体に対して単に俯仰動(上下に回動)するタイプのものであっても、ブーム自体が多関節構造でブームが左右に首振り可能ないわゆるオフセット型のものであっても本発明は適用可能である。また、作業具として掘削用のバケット18を備えたものを例示したが、オプションとしてブレーカやグラップル等を用いる場合であっても適用可能であることは言うまでもない。作業装置を運転室前側に設けたものに限らず、運転室側方に設けたものにも適用可能である。勿論、運転室14に関してもいわゆるキャノピー型のものに限られない。これらの場合も同様の効果を得ることができる。
【0045】
更に、以上においては、本発明を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて説明したが、これに限られず、例えばクレーン等、複数の方向に操作可能な操作レバー装置と、この操作方向に応じて駆動する複数の油圧アクチュエータを備えた建設機械であれば適用可能である。また、無限軌道履帯9を備えたいわゆるクローラ式の建設機械を例示したが、ホイール式の走行装置を備えた建設機械にも本発明は適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のキーにより操作方式の変更を可能としたため、第三者による不用意な操作方式の変更を防止することができ、操作者の意図しない誤操作の発生を防止することができる。これにより安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による建設機械の操作方式切換装置の適用対象である油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
【図2】本実施形態による建設機械の操作方式切換装置の適用対象である油圧ショベルの全体構造を表す上面図である。
【図3】図1中矢印A方向から見た運転室14内の矢視俯瞰図である。
【図4】図1の油圧ショベルに設けた操作方式設定表示ユニットの概略構成を表した模式図である。
【図5】図1の油圧ショベルに備えられた油圧駆動制御装置の回路図である。
【図6】予め記憶部内に格納された複数の操作方式の一例を表す表である。
【図7】本実施形態による建設機械の操作方式切換装置における操作レバー装置からの操作信号の入力系統を模式的に表す回路図である。
【符号の説明】
19 旋回用油圧モータ(油圧アクチュエータ)
20 ブーム用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
21 アーム用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
22 バケット用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
23 座席(運転席)
32L,R 操作レバー装置
39 キー
41 キースイッチ(操作方式設定手段)
42 表示部
47 旋回用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
48 ブーム用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
49 アーム用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
50 バケット用コントロールバルブ(コントロールバルブ)
54 記憶部
55 演算部
62,63 リレースイッチ(切換手段)
Claims (5)
- 複数の油圧アクチュエータと、操作者が搭乗する運転席の側方位置に設けられその操作方向及び操作量に応じた操作信号を出力する少なくとも1つの操作レバー装置と、この操作レバー装置からの操作信号に応じそれぞれ対応する前記油圧アクチュエータに供給する圧油の方向及び流量を制御する複数のコントロールバルブとを有する建設機械に設けられ、前記操作レバー装置の操作方向と前記油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、
予め設定された前記操作方式を複数通り格納した記憶部と、
挿入した特定のキーにより前記操作方式の設定変更を可能とする操作方式設定手段と、
この操作方式設定手段により設定された操作方式を前記記憶部に格納された複数の操作方式の中から読み込み、読み込んだ操作方式に従って、前記操作レバー装置からの操作信号を基に指令信号を演算し、対応するコントロールバルブに出力する演算部と
を備えたことを特徴とする建設機械の操作方式切換装置。 - 複数の油圧アクチュエータと、操作者が搭乗する運転席の側方位置に設けられその操作方向及び操作量に応じた操作信号を出力する少なくとも1つの操作レバー装置と、この操作レバー装置からの操作信号に応じそれぞれ対応する前記油圧アクチュエータに供給する圧油の方向及び流量を制御する複数のコントロールバルブとを有する建設機械に設けられ、前記操作レバー装置の操作方向と前記油圧アクチュエータ及びその動作方向との対応関係により確定する操作方式を切換える操作方式切換装置において、
挿入した特定のキーにより前記操作方式の設定変更を可能とする操作方式設定手段と、
この操作方式設定手段からの設定信号に応じて前記操作レバー装置から前記コントロールバルブへの操作信号の出力経路を切換える切換手段と
を備えたことを特徴とする建設機械の操作方式切換装置。 - 請求項1又は2記載の建設機械の操作方式切換装置において、前記複数の操作方式のうち、いずれが選択されているかを表示する表示部を更に設けたことを特徴とする建設機械の操作方式切換装置。
- 請求項3記載の建設機械の操作方式切換装置において、前記表示部を、前記運転席近傍位置に設けたことを特徴とする建設機械の操作方式切換装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の建設機械の操作方式切換装置において、前記キーは、エンジンの起動停止を指示するキーと共用であることを特徴とする建設機械の操作方式切換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002312335A JP2004143876A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 建設機械の操作方式切換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002312335A JP2004143876A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 建設機械の操作方式切換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004143876A true JP2004143876A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32457268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002312335A Pending JP2004143876A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 建設機械の操作方式切換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004143876A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009243167A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Komatsu Ltd | 建設機械の表示制御装置 |
CN106592677A (zh) * | 2016-12-15 | 2017-04-26 | 电子科技大学 | 一种地下铲运机遥控与机控的切换方法 |
WO2020162404A1 (ja) * | 2019-02-04 | 2020-08-13 | 株式会社三共製作所 | 板材供給装置 |
-
2002
- 2002-10-28 JP JP2002312335A patent/JP2004143876A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009243167A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Komatsu Ltd | 建設機械の表示制御装置 |
CN106592677A (zh) * | 2016-12-15 | 2017-04-26 | 电子科技大学 | 一种地下铲运机遥控与机控的切换方法 |
CN106592677B (zh) * | 2016-12-15 | 2019-02-19 | 电子科技大学 | 一种地下铲运机遥控与机控的切换方法 |
WO2020162404A1 (ja) * | 2019-02-04 | 2020-08-13 | 株式会社三共製作所 | 板材供給装置 |
CN113316492A (zh) * | 2019-02-04 | 2021-08-27 | 株式会社三共制作所 | 板材供给装置 |
JPWO2020162404A1 (ja) * | 2019-02-04 | 2021-12-16 | 株式会社三共製作所 | 板材供給装置 |
CN113316492B (zh) * | 2019-02-04 | 2024-01-02 | 株式会社三共制作所 | 板材供给装置 |
JP7529576B2 (ja) | 2019-02-04 | 2024-08-06 | 株式会社三共製作所 | 板材供給装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4699869B2 (ja) | 建設機械 | |
KR20140009279A (ko) | 전동식 건설 기계 | |
JP2007092763A (ja) | 作業機 | |
JP2004143876A (ja) | 建設機械の操作方式切換装置 | |
JP4227607B2 (ja) | 建設機械の操作回路装置 | |
JP2007092285A (ja) | 作業機 | |
JP4494305B2 (ja) | 建設機械の盗難防止装置 | |
JP2004124377A (ja) | 建設機械の制御装置及び建設機械並びに建設機械無線制御システム | |
JP3854216B2 (ja) | 建設機械の操作方式切換装置 | |
JP2003176553A (ja) | 建設機械の操作装置 | |
JP2007132094A (ja) | 電動作業機械 | |
JPH0765601B2 (ja) | 建設機械 | |
JP2004270363A (ja) | 建設機械の操作パターン切換装置 | |
JPH09144061A (ja) | 建設機械 | |
JP3902098B2 (ja) | 建設機械の操作装置 | |
JP2004270368A (ja) | 建設機械の操作パターン切換装置 | |
JP2004249757A (ja) | 軌道用作業機 | |
JP3974866B2 (ja) | 建設機械の操作パターン切換装置 | |
JP3934072B2 (ja) | 建設機械の操作パターン切換装置 | |
JPH0971263A (ja) | クローラ式走行車の走行操作装置 | |
JPH05112975A (ja) | 旋回式建設機械 | |
JP2002242226A (ja) | 上部旋回体傾動式作業車両 | |
JPH11131530A (ja) | 建設機械の走行制御装置 | |
JP2723116B2 (ja) | ハンドリング装置 | |
JP2005112022A (ja) | 建設機械の制御装置 |