JPH08158349A - ダムの施工方法 - Google Patents

ダムの施工方法

Info

Publication number
JPH08158349A
JPH08158349A JP30669794A JP30669794A JPH08158349A JP H08158349 A JPH08158349 A JP H08158349A JP 30669794 A JP30669794 A JP 30669794A JP 30669794 A JP30669794 A JP 30669794A JP H08158349 A JPH08158349 A JP H08158349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dam
concrete
leg
self
leg portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30669794A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigemi Sato
成美 佐藤
Yoichi Fukumoto
洋一 福元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP30669794A priority Critical patent/JPH08158349A/ja
Publication of JPH08158349A publication Critical patent/JPH08158349A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • On-Site Construction Work That Accompanies The Preparation And Application Of Concrete (AREA)
  • Revetment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート打設の進捗に伴ってダム堤体の
上面形状に変化が生じ、脚部にダム堤体で支持できない
ものが出てくる場合においても対応することができるダ
ムの施工方法を提供する。 【構成】 同時伸縮可能な複数の第一脚部15と、該第
一脚部15とは個別に同時伸縮可能な複数の第二脚部1
7とを具備する自昇式装置12を用い、コンクリートの
面状打設を順次繰り返してダムを構築する場合に、すで
にコンクリート打設により形成されたダム堤体11のコ
ンクリート壁面20,21に台部37,38を設け、該
台部37,38により、複数の第一脚部15および複数
の第二脚部17のうちの少なくともいずれか一つを支持
することにより、ダム堤体11では支持しきれない脚部
が出てくる場合に、この脚部を台部37,38で支持で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自然環境保全や景観上
の観点から好ましくしかも工期の大幅な短縮を図ること
ができるダムの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ダム建設には、面状に広くコ
ンクリートを打設していくRCD(Roller Compacted D
am-concrete)工法や拡張レヤー打設工法等が採用され
ており、これら工法は、すでにコンクリート打設で形成
されたダム堤体上に一層ずつコンクリート打設層を積み
重ねてダム堤体を上方に構築していくものである。そし
て、上記の場合、すでに形成されたダム堤体上に、新た
な打設を行なうためのコンクリートを搬送する必要があ
り、従来は、コンクリート混練設備等をダム堤頂部近傍
であって該堤頂部よりやや高い位置に設け、これよりさ
らに高い位置にケーブルクレーンを設置し該ケーブルク
レーンを用いてコンクリートを搬送したり、ダムの掘削
面にインクライン設備を設け該インクライン設備を用い
てダム堤体上にコンクリートを降ろしたり、さらにはベ
ルトコンベアでコンクリート打設位置へ搬送する方法等
が採用されている。
【0003】上記したケーブルクレーンを用いる場合に
は、主に以下の問題があった。 (1)コンクリート混練設備およびケーブルクレーンを
設置するための広い用地がダム堤頂部付近に必要となる
ため、該ダム堤頂部付近の山を大きく削り取って用地を
確保する必要があり、自然環境保全や景観上の観点から
好ましくない。 (2)ケーブルクレーンのバケット等が作業者の上方を
移動するため作業者の安全確保に一層の注意を払わなけ
ればならない。
【0004】上記したインクライン設備を用いる場合に
は、主に以下の問題があった。 (1)ケーブルクレーンの場合と同様、コンクリート混
練設備を設置するための広い用地がダム堤頂部付近に必
要となるため、該ダム堤頂部付近の山を大きく削り取っ
て用地を確保する必要があり、自然環境保全や景観上の
観点から好ましくない。 (2)台車を走行させるレール設備を、ダムの掘削面の
ダム頂部から河床に至る間に設置しなければならないた
め、ダムの打設開始に先立ってレール設備下面全体の岩
盤について岩盤検査を受ける必要があり、またレールを
前もって上から下まで全部を敷設しなければ稼働できな
い構造であり、よって、ダムコンクリートの打設開始に
対する工程上の制約がある。
【0005】上記したベルトコンベアで河床部から搬送
する場合には、以下の問題があった。 (1)コンクリート打設面の上昇に伴うベルトコンベア
ラインの盛替が大変であり、また、ベルトコンベアの敷
設に伴う地山の切取りが発生するため、必然的に工期が
長くなってしまう。 (2)コンクリートが数回のベルトコンベアの乗り継ぎ
を経て運ばれることになるため、コンクリートの材料分
離がおきるおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記理由から、本出願
人は、河床部にコンクリート混練設備を設置し、すでに
コンクリート打設されたダム堤体に、同時伸縮可能な複
数の第一脚部と、該第一脚部とは個別に同時伸縮可能な
複数の第二脚部とを具備し、コンクリートの面状打設の
度に第一脚部および第二脚部を交互に伸長させて自昇す
る自昇式装置を載置させ、該自昇式装置に巻上装置を設
けるとともに、該巻上装置で搬送体をコンクリート壁面
に沿って昇降させ、該搬送体によりコンクリートを河床
部からダム堤体の上面に搬送することを考えた。これに
より、自然環境保全や景観上の観点から好ましくしかも
工期の大幅な短縮を図ることができるダム施工を実現で
きる。しかしながら、上記自昇式装置は、コンクリート
打設の進捗に伴ってダム堤体の上面形状に、幅が狭くな
る等の変化が生じた場合には、自昇式装置の脚部にダム
堤体で支持できないものが出てくることが予想された。
このような問題は、ダム堤体上に自昇式装置が載置され
る場合には、自昇式装置の用途にかかわらず生じる問題
である。
【0007】したがって、本発明の目的は、コンクリー
ト打設の進捗に伴ってダム堤体の上面形状に変化が生
じ、脚部にダム堤体で支持できないものが出てくる場合
においても対応することができるダムの施工方法を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のダムの施工方法は、同時伸
縮可能な複数の第一脚部と、該第一脚部とは個別に同時
伸縮可能な複数の第二脚部とを具備する自昇式装置を用
い、コンクリートの面状打設を順次繰り返してダムを構
築する場合に、すでにコンクリート打設により形成され
たダム堤体のコンクリート壁面に台部を設け、該台部に
より、前記複数の第一脚部および複数の第二脚部のうち
の少なくともいずれか一つを支持することを特徴として
いる。
【0009】本発明の請求項2記載のダムの施工方法
は、請求項1記載の方法に関し、前記第一脚部および第
二脚部をすべて前記台部に支持させるとともに、該第一
脚部および第二脚部を交互に伸長させ、その際に、前記
第一脚部および第二脚部のうち伸長されなかったものと
前記台部との間に追加の台部を介在させることにより、
前記自昇式装置を上昇させることを特徴としている。
【0010】本発明の請求項3記載のダムの施工方法
は、請求項1記載の方法に関し、前記第一脚部および第
二脚部の少なくともいずれか一つを、すでにコンクリー
ト打設により形成されたダム堤体上に支持させ、第一脚
部および第二脚部を交互に伸長させかつ一の伸長と次の
伸長と間に、前記第一脚部および第二脚部のうちのダム
堤体上に支持されるものに前記次の伸長で伸長されるも
のがある場合、これと前記ダム堤体との間にコンクリー
トの打設を行なうとともに、前記第一脚部および第二脚
部のうちの前記台部に支持されるものに前記次の伸長で
伸長されるものがある場合、これと前記台部との間に追
加の台部を介在させることにより、前記自昇式装置を上
昇させることを特徴としている。
【0011】本発明の請求項4記載のダムの施工方法
は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法に関
し、前記自昇式装置には、搬送体に連結された線状体を
巻き上げおよび繰り出す巻上装置が設けられていること
を特徴としている。
【0012】本発明の請求項5記載のダムの施工方法
は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法に関
し、前記自昇式装置には、外部に設けられた巻上装置に
より巻き上げおよび繰り出されるとともに搬送体に連結
される線状体をかけるプーリが設けられていることを特
徴としている。
【0013】本発明の請求項6記載のダムの施工方法
は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法に関
し、前記自昇式装置には、搬送体により運搬されたコン
クリートを仮受けする仮受ホッパーが設けられているこ
とを特徴としている。
【0014】本発明の請求項7記載のダムの施工方法
は、請求項1記載の方法に関し、前記自昇式装置に、少
なくとも、運搬されたコンクリートを仮受けする仮受ホ
ッパーが設けられており、前記第一脚部および第二脚部
をすべて前記台部に支持させるとともに、前記仮受ホッ
パーからダム堤体上にコンクリートをポンプにより移送
することを特徴としている。
【0015】
【作用】本発明の請求項1記載のダムの施工方法によれ
ば、コンクリート打設により形成されたダム堤体のコン
クリート壁面に台部を設け、該台部により、自昇式装置
の複数の第一脚部および複数の第二脚部のうちの少なく
ともいずれか一つを支持することになるため、コンクリ
ート打設の進捗に伴ってダム堤体の上面形状に変化が生
じ、ダム堤体では支持しきれない脚部が出てくる場合
に、この脚部を台部で支持することができる。
【0016】本発明の請求項2記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置の第一脚部および第二脚部をすべて
台部に支持させるとともに、第一脚部および第二脚部を
交互に伸長させ、その際に、第一脚部および第二脚部の
うち伸長されなかったものと台部との間に追加の台部を
介在させることにより、自昇式装置を上昇させることに
なる。
【0017】本発明の請求項3記載のダムの施工方法に
よれば、第一脚部および第二脚部の少なくともいずれか
一つを、すでにコンクリート打設により形成されたダム
堤体上に支持させ、第一脚部および第二脚部を交互に伸
長させかつ一の伸長と次の伸長と間に、第一脚部および
第二脚部のうちのダム堤体上に支持されるものに次の伸
長で伸長されるものがある場合、これとダム堤体との間
にコンクリートの打設を行なうとともに、第一脚部およ
び第二脚部のうちの台部に支持されるものに前記次の伸
長で伸長されるものがある場合、これと台部との間に追
加の台部を介在させることにより、自昇式装置を上昇さ
せることになる。
【0018】本発明の請求項4記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置に、搬送体に連結された線状体を巻
き上げおよび繰り出す巻上装置が設けられているため、
コンクリート打設の進捗にともなって上昇することで前
記巻上装置を上昇させることができる。
【0019】本発明の請求項5記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置に、外部に設けられた巻上装置によ
り巻き上げおよび繰り出されるとともに搬送体に連結さ
れる線状体をかけるプーリが設けられているため、コン
クリート打設の進捗にともなって上昇することで前記プ
ーリを上昇させることができる。また、巻上装置は外部
に設けられるため、重量が増大してしまうことがない。
【0020】本発明の請求項6記載のダムの施工方法に
よれば、搬送体により運搬されたコンクリートを仮受け
する仮受ホッパーが設けられているため、コンクリート
打設の進捗にともなって上昇することで仮受ホッパーを
上昇させることができる。
【0021】本発明の請求項7記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置の第一脚部および第二脚部をすべて
台部に支持させるとともに、仮受ホッパーからダム堤体
上にコンクリートをポンプにより移送することになる。
【0022】
【実施例】本発明の第1実施例を図1を参照して説明す
る。なお、第1実施例において、ダム堤体の形成は、面
状に広くコンクリートを打設していくRCD(Roller C
ompacted Dam-concrete)工法や拡張レヤー打設工法等
が採用される。図中符号11は施工の途中段階まですで
に打設されたダム堤体を、符号12は自昇式装置をそれ
ぞれ示している。ここで、第1実施例においてダム堤体
11の最終的な形状は、高さが高くなるにつれて河川の
上下流方向(図1(a)における左右方向)の幅が狭く
なるような形状をなすものである。
【0023】自昇式装置12は、下側支持部14の下面
に平面視長方形の頂点位置に配置される四本の鉛直伸縮
可能な内側脚部15と、下側支持部14の上側に位置す
る上側支持部16の下面に内側脚部15の外側となるよ
う平面視長方形の頂点位置に配置される四本の外側脚部
17とを有しており、内側脚部15と外側脚部17と
は、下側支持部14と上側支持部16の相対移動により
水平一方向に相対移動可能とされている。ここで、この
相対移動可能な方向(以下、相対移動方向と称す)にお
ける内側脚部15同士の間隔と外側脚部17同士の間隔
とは等しくされており、この相対移動可能な方向をダム
堤体11の上下流方向に沿わせて配置される。ここで、
上側支持部16には上方に延出するように塔部18が立
設固定されている。
【0024】自昇式装置12は、下側支持部14および
上側支持部16の相対移動と内側脚部15および外側脚
部17の交互の伸縮作動とにより、ダム堤体11のコン
クリートの面状打設に応じて、上方にステップアップ
し、かつ後述するガイドレール19をコンクリート壁面
20に沿うよう支持するため該コンクリート壁面20の
傾斜に応じて水平方向にステップバックするようになっ
ている。具体的には、例えば、伸長状態の外側脚部17
においてすでにコンクリート打設されたダム堤体11の
上面に立設されかつ内側脚部15が縮長された状態で、
前回打設で伸長状態にあったためコンクリート打設がな
されず形成された内側脚部15用の穴を埋めつつ縮長状
態にある内側脚部15の若干下側までコンクリートの面
状打設を行なう。そして、縮長状態にあった内側脚部1
5を伸長させ新たな打設層の上面に立設させるとともに
外側脚部17を縮長させ、さらに外側脚部16を縮長さ
せかつコンクリート壁面20の傾斜に応じてコンクリー
ト壁面20に対し反対方向に水平移動させて、前回打設
で伸長状態にあったためコンクリート打設がなされず形
成された外側脚部17用の穴を埋めつつ縮長状態にある
外側脚部17の若干下側まで、コンクリートの面状打設
を行なう。次に、外側脚部17を伸長させ新たな打設層
の上面に立設させるとともに、内側脚部15を縮長させ
かつコンクリート壁面20の傾斜に応じて水平移動させ
る。このような工程を、コンクリート打設の進行にした
がって繰り返す。なお、以上のようなコンクリート打設
面上で自昇式装置12をステップアップさせながら(必
要に応じてステップバックもさせる)コンクリートを打
設することを通常のコンクリート打設と以下称す。
【0025】ここで、内側脚部15および外側脚部17
は、前記相対移動方向における間隔を変更するようスラ
イド可能にそれぞれ下側支持部14および上側支持部1
6に支持されている。すなわち、前記相対移動方向にお
ける間隔を狭めた狭位置(図1二点鎖線で示す位置)
と、相対移動方向における間隔を前記より広げた広位置
(図1実線で示す位置)とに、油圧駆動等でスライドす
るようになっている。
【0026】この自昇式装置12には、コンクリート仮
受用の上部ホッパー22と巻上装置23とガイドレール
19とが取り付けられている。ガイドレール19は、ダ
ム堤体11のコンクリート壁面20に沿って延在されて
おり、その上部が塔部18に着脱自在に取り付けられて
いる。巻上装置23は、塔部18のガイドレール19に
対し反対側の下部に設けられており、一方向に回転駆動
されることにより、巻き上げられていたワイヤ24を繰
り出し、あるいは前記と逆方向に回転駆動されることに
より、繰り出されたワイヤ24を巻き上げるもので、該
ワイヤ24は、塔部18の上端に回転自在に支持された
プーリ25にかけられた後に下方に吊り下げられてお
り、該ワイヤ24の先端には、搬送体である容器状のバ
ケット26が取り付けられている。上部ホッパー22
は、塔部18に取り付けられるとともに、その排出口2
8を下側支持部14のさらに下側に延出させており、ま
た上部開口部29にはガイドレール19方向にシュート
30が延出されている。
【0027】バケット26には、ガイドローラ32が回
転自在に取り付けられている。バケット26は、巻上装
置23がワイヤ24を巻き上げ・繰り出すことにより、
ガイドローラ32がガイドレール19に案内されながら
昇降する。ここで、バケット26は、上部開口部33か
ら投入されたコンクリートを内部に収容するようになっ
ていて、さらに、該上部開口部33は、蓋板34で開閉
可能となっている。この蓋板34を取り付けた状態で、
該蓋板34上には種々の機材等が搭載可能であり、この
ように河床部側からコンクリートの他に機材をもダム堤
体11上にバケット26の昇降で運搬することができる
ようになっている。なお、バケット26には、側面にア
ーム部材35が揺動自在に設けられており、該アーム部
材35の先端にワイヤ24が取り付けられている。
【0028】ここで、バケット26は、ガイドレール1
9に案内されて上昇し上部ホッパー22より上側に位置
した時点で、ガイドレール19側に設けられた図示せぬ
排出口を開作動させる。これにより、該排出口からコン
クリートが放出され、シュート30を介して上部ホッパ
ー22内へ落とし込まれることになる。
【0029】そして、図1中符号37で示すものは、す
でにコンクリート打設により形成されたダム堤体11の
上下流方向における両側のコンクリート壁面20,21
にアンカーボルト36で固定される基台部(台部)であ
る。該基台部37は、それぞれコンクリート壁面20,
21に固定された状態でその上面が水平をなすようにな
っている。また、図1中符号38で示すものは直方体形
状をなす追加台部(台部)で、該追加台部38は、基台
部37の上面、あるいは他の追加台部38の下面または
上面に固定可能とされている。上記基台部37および追
加台部38は、一つが内側脚部15および外側脚部17
のいずれか一つを支持可能な大きさとなっており、追加
台部38の高さは、コンクリートの面状打設の一層分の
高さに等しくされている。
【0030】次に、第1実施例のダムの施工方法につい
て説明する。ダム施工の当初から自昇式装置12の内側
脚部15および外側脚部17は、狭位置に位置されてい
る。この自昇式装置12は、すでにコンクリート打設さ
れたダム堤体11上に載置されており、この状態で、ダ
ム堤体11のコンクリート壁面20,21に、該ダム堤
体11の上面より少なくとも一度のコンクリート面状打
設厚さ分高い位置まで鋼板等の図示せぬ型枠を組み、こ
の型枠の内側範囲にコンクリートを打設し、必要に応じ
て自昇式装置12を上記のようにステップアップおよび
ステップバックするという通常の打設工程を繰り返しな
がら、ダム堤体11を構築していくことになる。
【0031】ここで、このようなダム構築にともなうコ
ンクリートの搬送は、巻上装置23のワイヤ24の繰り
出しにより図示せぬ河床部側にバケット26を位置さ
せ、該バケット26に、河床部側に設置された図示せぬ
コンクリート混練設備で製造されたコンクリートを積み
込んだ後、巻上装置23のワイヤ24の巻き上げにより
バケット26を上昇させ、自昇式装置12の上部ホッパ
ー22にコンクリートを排出させるという工程の繰り返
しにより行なわれる。なお、上部ホッパー22から打設
位置へのコンクリートの運搬は、ダム堤体11上のダン
プカー等の運搬車40により行なう。
【0032】そして、第1実施例において、コンクリー
ト打設の進捗に伴ってダム堤体11の上下流方向の幅が
狭くなってくると、自昇式装置12の内側脚部15およ
び外側脚部17の少なくともいずれか一つがダム堤体1
1の上面からはみ出て支持不可となる手前の時点で、ダ
ム堤体11の上下流方向における両側のコンクリート壁
面20,21の上端部に基台部37を固定する。
【0033】ここで、基台部37は、内側脚部15およ
び外側脚部17のすべてに対応して配置されることにな
る。具体的には、内側脚部15および外側脚部17をす
べて広位置にスライドさせたと仮定した場合において、
ガイドレール19が配置される側の二本の内側脚部15
および二本の外側脚部17の略真下であってこれらを直
接または間接的に支持可能となる位置に四つの基台部3
7を固定し、同様にガイドレール19が配置される側に
対し反対側の二本の内側脚部15および二本の外側脚部
17の略真下であってこれらを直接または間接的に支持
可能となる位置に四つの基台部37を固定する。
【0034】次に、自昇式装置12は、図1に二点鎖線
で示すように狭位置に位置されかつ上下流方向の位置が
合わされた内側脚部15および外側脚部17(図1にお
いては外側脚部17のみ表れている)を広位置にスライ
ドさせることになる。すなわち、内側脚部15および外
側脚部17のうち、このとき縮長状態にあるものを、最
初に広位置にスライドさせ、その後、この縮長状態にあ
るものを伸長状態として基台部37に支持させるととも
に、伸長状態にあったものを縮長させて、内側脚部15
および外側脚部17の上下流方向の位置を重ね合わせる
よう、狭位置から広位置にスライドさせる。このように
して、自昇式装置12を基台部37上に支持させる。
【0035】なお、この内側脚部15および外側脚部1
7の位置変更の前に、作業性向上のためガイドレール1
9の一部を自昇式装置12から取り外しておき、位置変
更の後、該変更に合わせてガイドレール19の設置替を
行なう。また、この広位置への位置変更により、自昇式
装置12はコンクリートの面状打設の一層分ステップア
ップもなされることになる。さらに、次のコンクリート
打設を行なう前に、バケット26を用いて運搬車40を
小型のものに変更する。
【0036】次に、ダム堤体11上に次のコンクリート
面状打設を行なうとともに、内側脚部15および外側脚
部17のうち、縮長状態にあるものの下側の基台部37
上に追加台部38を一つ固定しておく。そして、さらに
次の面を打設する際には、上記縮長状態にあるものを基
台部37およびその上に固定された追加台部38で支持
しつつ伸長させるとともに、伸長状態にあったものを縮
長させて、自昇式装置12のステップアップを行ない、
縮長させたものの下側の基台部37上にそれぞれ追加台
部38を高さ方向に二つ固定する。この後、このよう
に、縮長状態となったものと追加台部38との間に、そ
れぞれ二段分の追加台部38を追加しつつ、その上に支
持しながら内側脚部15および外側脚部17を交互に伸
縮させることで、自昇式装置12をステップアップさせ
ることができる。
【0037】このように自昇式装置12をステップアッ
プさせることで、内側脚部15および外側脚部17にダ
ム堤体11で支持できないものが出てくる場合において
も、図1に示すように、自昇式装置12をコンクリート
の打設進捗に伴って上昇させることができ、上部ホッパ
ー22および巻上装置23をダム堤体11の上面より上
側に常時位置させることができて、ダム堤体11の最終
的な頂部打設まで、河床部側から上部ホッパー22にコ
ンクリートの搬送を行なうことができる。なお、基台部
37および追加台部38は必要に応じてバケット26に
より河床部から運搬されることになる。また、追加台部
38が多数積み重ねられるときに、所定の高さ毎にダム
堤体11にアンカーボルトを設置し該アンカーボルトに
固定されたサポートで追加台部38を支持し安定させる
ことも可能である。
【0038】ところで、河床部側に位置するバケット2
6へのコンクリートの供給は、ダンプカー等で運搬した
コンクリートを該ダンプカーから直接移し変えたり、河
床部へ下部ホッパーを設けておきこの下部ホッパーから
供給させたり(この場合下部ホッパーへはダンプカー等
でコンクリートを運搬する)することは勿論、河床部に
あるコンクリート混練設備からダム堤体11までレール
を敷設して、該レール上を走行する台車によりバケット
までコンクリートを搬送することができる。
【0039】さらには、前記台車上にバケット26を着
脱可能に構成し、台車に装着されたバケット26にコン
クリート混練設備からコンクリートを供給し、台車でバ
ケット26をダム堤体11まで移動させ、この位置で、
バケット26にワイヤ24を取り付けるとともに該バケ
ット26を台車から切り離した後、上述したようにバケ
ット26をダム堤体11の上面まで搬送することもでき
る。このように構成すれば、コンクリート混練設備から
ダム堤体11の上面までコンクリートを移し変えること
なく搬送することができる。
【0040】次に、本発明の第2実施例を図2を参照し
て、第1実施例と相違する部分を中心に説明する。な
お、第2実施例においても、ダム堤体の形成は、面状に
広くコンクリートを打設していくRCD(Roller Compa
cted Dam-concrete)工法や拡張レヤー打設工法等が採
用される。第2実施例において、ダム堤体11の最終的
な形状は、高さが高くなるにつれて上下流方向の幅が狭
くなり、所定高さまで達すると前記幅が一定するような
形状をなすものである。
【0041】第2実施例の自昇式装置12は、第1実施
例のものに対して、内側脚部15および外側脚部17が
下側支持部14および上側支持部16にそれぞれ水平方
向にスライドできないよう固定されている点のみが相違
するものである。また、図2中符号42は、ダム堤体1
1のコンクリート壁面20の傾斜部分に埋設される円柱
状のベース材(台部)を示しており、第2実施例では、
第1実施例と同様の追加台部38も使用する。
【0042】次に、第2実施例のダムの施工方法につい
て説明する。第1実施例と同様に、コンクリートの面状
打設と自昇式装置12のステップアップおよびステップ
バックとを繰り返し、また必要に応じてコンクリートを
河床部側から運搬しながらダム堤体11を構築してい
く。
【0043】そして、第2実施例において、コンクリー
ト打設の進捗に伴ってダム堤体11の上下流方向の厚み
が小さくなってくると、自昇式装置12の内側脚部15
および外側脚部17の少なくともいずれか一つがダム堤
体11の上面からはみ出て支持不可となる手前の時点
で、ダム堤体11の上下流方向における傾斜の大きいガ
イドレール19側のコンクリート壁面20にベース材4
2を埋設する。具体的には、ガイドレール19が配置さ
れる側の二本の内側脚部15および二本の外側脚部17
の略真下であってこれらを直接または間接的に支持可能
となる位置に四本のベース材42を埋設する。
【0044】この埋設は、自昇式装置12の内側脚部1
5および外側脚部17がダム堤体11の上面からはみ出
て支持不可となる手前の時点において、下側支持部14
および上側支持部16の相対移動で内側脚部15および
外側脚部17の上下流方向の位置を重ね合わせた状態
で、ガイドレール19側の内側脚部15および外側脚部
17のうち縮長状態にあるものの真下にその若干下側ま
での高さのベース材42を設置した状態でコンクリート
の面状打設を行なう。なお、このとき、ガイドレール1
9に対し反対側にある内側脚部15および外側脚部17
のうち縮長状態にあるものの真下にはその若干下側まで
コンクリートが通常通り打設される。次に、ガイドレー
ル19側にあって縮長状態にあるものをベース材42上
で、ガイドレール19に対し反対側にあって縮長状態に
あるものをコンクリート打設面上で、それぞれ支持しつ
つ伸長状態とし、伸長状態にあったものをすべて縮長状
態として、ガイドレール19側にあって縮長状態にある
ものの真下に、その若干下側までの高さのベース材42
を設置した状態でコンクリートの面状打設を行なう。な
お、このときも、ガイドレール19に対し反対側にあっ
て縮長状態にあるものの真下にはその若干下側までコン
クリートが通常通り打設される。このようにして、ガイ
ドレール19側にある二本の内側脚部15および二本の
外側脚部17のすべての真下にベース材42が埋設され
ることになる。
【0045】続いて、ガイドレール19側にあって縮長
状態にあるものをベース材42上で、ガイドレール19
に対し反対側にあって縮長状態にあるものをコンクリー
ト打設面上で、それぞれ支持しつつ伸長状態とし、伸長
状態にあったものをすべて縮長状態として、ガイドレー
ル19に対し反対側にあって縮長状態にあるものの若干
下側までコンクリートの面状打設を行なうとともに、ガ
イドレール19側にあって縮長状態にあるものの下側の
ベース材42上にそれぞれ追加台部38を高さ方向に二
つ固定する。この後、このように、コンクリートの面状
打設に伴って、ガイドレール19側にあるもので縮長状
態となったものとベース材42あるいは追加台部38と
の間に、それぞれ二段分の追加台部38を追加しつつ、
内側脚部15および外側脚部17を交互に伸縮させるこ
とで、自昇式装置12をステップアップさせることがで
きる。
【0046】このように自昇式装置12をステップアッ
プさせることで、内側脚部15および外側脚部17にダ
ム堤体11で支持できないものが出てくる場合において
も、図2に示すように、自昇式装置12をコンクリート
の打設進捗に伴って上昇させることができ、上部ホッパ
ー22および巻上装置23をダム堤体11の上面よりさ
らに上側に常時位置させることができ、よって、ダム堤
体11の最終的な頂部打設まで、河床部側から上部ホッ
パー22にコンクリートの搬送を行なうことができる。
なお、図2に示すように、追加台部38が多数積み重ね
られるときに、所定の高さ毎にダム堤体11にアンカー
ボルト43を設置し該アンカーボルト43に固定された
サポート44で追加台部38を支持し安定させることも
可能である。
【0047】次に、本発明の第3実施例を図3を参照し
て、第1,第2実施例と相違する部分を中心に説明す
る。なお、第3実施例においても、ダム堤体の形成は、
面状に広くコンクリートを打設していくRCD(Roller
Compacted Dam-concrete)工法や拡張レヤー打設工法
等が採用される。第3実施例において、ダム堤体11の
最終的な形状は、第2実施例と同様に、高さが高くなる
につれて上下流方向の幅が狭くなり、所定高さまで達す
ると前記幅が一定するような形状をなすものである。
【0048】第3実施例の自昇式装置12は、第2実施
例のものと同様のものである。また、図3中符号46
は、ダム堤体11のコンクリート壁面20の傾斜部分に
設置された構台(台部)を示しており、この構台46
は、鉛直方向に沿うとともに下部がダム堤体11に埋設
されて支持される支柱部47と、支柱部47を連結させ
るよう架設される梁部48と、補強用のブレース49と
を有しており、すべての支柱部47は高さを合わせてい
る。そして、支柱部47上に床部50が水平に固定され
ており、該床部50は自昇式装置12全体を搭載可能な
大きさとされている。
【0049】次に、第3実施例のダムの施工方法につい
て説明する。第1,第2実施例と同様に、コンクリート
の面状打設と自昇式装置12のステップアップおよびス
テップバックとを繰り返し、また必要に応じてコンクリ
ートを河床部側から運搬しながらダムを構築していく。
【0050】そして、第3実施例において、コンクリー
ト打設の進捗に伴ってダム堤体11の上下流方向の幅が
小さくなってくると、自昇式装置12の内側脚部15お
よび外側脚部17の少なくとも一つがダム堤体11の上
面からはみ出て支持不可となる所定高さ手前の時点で、
ダム堤体11のガイドレール19側のコンクリート壁面
20に最も外側の支柱部47の下部を埋設しつつコンク
リートを面状に打設する。そして、この後、さらにコン
クリートの面状打設を所定回数行なう毎に順次長さが短
い支柱部47をその下部を埋設させかつ必要に応じて梁
部48,ブレース49を連結させる。
【0051】その後、ダム堤体11の上面が支柱部47
の上面の高さより床部50の厚さ分高い位置までコンク
リートが打設されると、この時点ですべての支柱部47
の上部に床部50を固定して、固定された床部50すな
わち構台46の上面の高さを、ここまで形成されたダム
堤体11の上面の高さに合わせる。なお、この高さ位置
は自昇式装置12の内側脚部15および外側脚部17が
ダム堤体11の上面からはみ出て支持不可となる前の高
さ位置、すなわちこの高さ位置ではダム堤体11の上面
で自昇式装置12が完全に支持可能となっている。ここ
で、この時点まで、自昇式装置12は、上記したコンク
リートの面状打設に伴い通常通りステップアップおよび
ステップバックを行なって上昇してきている。
【0052】そして、上記のように、構台46の上面と
ここまで形成されたダム堤体11の上面の高さを合わせ
た時点で、ガイドレール19の一部を自昇式装置12か
ら取り外し、その後該自昇式装置12を構台46上へ移
動させる。すなわち、まず、内側脚部15および外側脚
部17のうちこのとき縮長状態にあったものを伸長状態
とし伸長状態にあったものを縮長状態として、下側支持
部14および上側支持部16のうち前記縮長されたもの
を支持しているものを構台46方向に移動させ、その
後、内側脚部15および外側脚部17のうち縮長状態に
あったものを伸長状態とし伸長状態にあったものを縮長
状態として、下側支持部14および上側支持部16のう
ち前記縮長されたものを支持しているものを構台46方
向に移動させる。このようにして、自昇式装置12の内
側脚部15および外側脚部17をすべてを構台46によ
り支持させる。
【0053】このようにして自昇式装置12の設置位置
を構台46上に変更した後、該変更に合わせてガイドレ
ール19の設置替を行なう。また、上部ホッパー22の
下側に、該上部ホッパー22で仮受けされたコンクリー
トを移送するためのコンクリートポンプ51を設置す
る。そして、このコンクリートポンプ51で、接続され
たコンクリート輸送管52を介して、コンクリートを打
設位置まで移送する。
【0054】このように自昇式装置12を構台46によ
り支持させ、その後のコンクリート移送をコンクリート
ポンプ51で行なうことで、内側脚部15および外側脚
部17にダム堤体11で支持できないものが出てくる場
合においても、図3に示すように、可能な限り高い位置
に自昇式装置12を位置させ、河床部側からこの位置の
上部ホッパー22までコンクリートを搬送することがで
きて、コンクリートポンプ51による移送を最小限にす
ることができる。そして、このコンクリートポンプ51
によりダム堤体11の最終的な頂部打設までコンクリー
トの搬送を行なうことができる。
【0055】なお、第1,第2実施例の自昇式装置12
には、バケット26を昇降させる巻上装置23、コンク
リートを仮受けする上部ホッパー22の少なくともいず
れか一つを設ければよく、例えば該巻上装置23が巻き
上げおよび繰り出すワイヤ24がかけられるプーリを設
けた場合には巻上装置23を河床部等外部に設置するこ
とも可能である。また、第3実施例の自昇式装置12に
は、前記のうち少なくとも上部ホッパー22を設ければ
よい。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載のダムの施工方法によれば、コンクリート打設によ
り形成されたダム堤体のコンクリート壁面に台部を設
け、該台部により、自昇式装置の複数の第一脚部および
複数の第二脚部のうちの少なくともいずれか一つを支持
することになるため、コンクリート打設の進捗に伴って
ダム堤体の上面形状に変化が生じ、ダム堤体では支持し
きれない脚部が出てくる場合に、この脚部を台部で支持
することができる。したがって、コンクリート打設の進
捗に伴ってダム堤体の上面形状に変化が生じ、脚部にダ
ム堤体で支持できないものが出てくる場合においても対
応することができる。
【0057】本発明の請求項2記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置の第一脚部および第二脚部をすべて
台部に支持させるとともに、第一脚部および第二脚部を
交互に伸長させ、その際に、第一脚部および第二脚部の
うち伸長されなかったものと台部との間に追加の台部を
介在させることにより、自昇式装置を上昇させることに
なる。したがって、脚部にダム堤体で支持できないもの
が出てくる場合においても自昇式装置をコンクリートの
打設進捗に伴って上昇させることができる。
【0058】本発明の請求項3記載のダムの施工方法に
よれば、第一脚部および第二脚部の少なくともいずれか
一つを、すでにコンクリート打設により形成されたダム
堤体上に支持させ、第一脚部および第二脚部を交互に伸
長させかつ一の伸長と次の伸長と間に、第一脚部および
第二脚部のうちのダム堤体上に支持されるものに次の伸
長で伸長されるものがある場合、これとダム堤体との間
にコンクリートの打設を行なうとともに、第一脚部およ
び第二脚部のうちの台部に支持されるものに前記次の伸
長で伸長されるものがある場合、これと台部との間に追
加の台部を介在させることにより、自昇式装置を上昇さ
せることになる。したがって、脚部にダム堤体で支持で
きないものが出てくる場合においても自昇式装置をコン
クリートの打設進捗に伴って上昇させることができる。
【0059】本発明の請求項4記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置に、搬送体に連結された線状体を巻
き上げおよび繰り出す巻上装置が設けられているため、
コンクリート打設の進捗にともなって上昇することで前
記巻上装置を上昇させることができる。したがって、コ
ンクリート打設の進捗に伴ってダム堤体の上面形状に変
化が生じた場合においても搬送体の上昇位置を高くする
ことができる。
【0060】本発明の請求項5記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置に、外部に設けられた巻上装置によ
り巻き上げおよび繰り出されるとともに搬送体に連結さ
れる線状体をかけるプーリが設けられているため、コン
クリート打設の進捗にともなって上昇することで前記プ
ーリを上昇させることができる。したがって、コンクリ
ート打設の進捗に伴ってダム堤体の上面形状に変化が生
じた場合においても搬送体の上昇位置を高くすることが
容易にできる。また、巻上装置は外部に設けられるた
め、重量を低減することができる。
【0061】本発明の請求項6記載のダムの施工方法に
よれば、搬送体により運搬されたコンクリートを仮受け
する仮受ホッパーが設けられているため、コンクリート
打設の進捗にともなってダム堤体の上面形状に変化が生
じた場合においても仮受ホッパーを上昇させることがで
きる。
【0062】本発明の請求項7記載のダムの施工方法に
よれば、自昇式装置の第一脚部および第二脚部をすべて
台部に支持させるとともに、仮受ホッパーからダム堤体
上にコンクリートをポンプにより移送することになる。
したがって、脚部にダム堤体で支持できないものが出て
くる場合においても、自昇式装置を台部で支持して、ダ
ム堤体上にコンクリートを運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダムの施工方法の第1実施例を説明す
る図であって、(a)は側面図(b)は正面図である。
【図2】本発明のダムの施工方法の第2実施例を説明す
る図であって、(a)は側面図(b)は正面図である。
【図3】本発明のダムの施工方法の第3実施例を説明す
る側面図である。
【符号の説明】
11 ダム堤体 12 自昇式装置 15,17 内側脚部,外側脚部(第一脚部,第二脚
部) 37 基台部(台部) 38 追加台部(台部) 42 ベース材(台部) 46 構台(台部) 51 コンクリートポンプ(ポンプ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同時伸縮可能な複数の第一脚部と、該第
    一脚部とは個別に同時伸縮可能な複数の第二脚部とを具
    備する自昇式装置を用い、コンクリートの面状打設を順
    次繰り返してダムを構築する場合に、 すでにコンクリート打設により形成されたダム堤体のコ
    ンクリート壁面に台部を設け、該台部により、前記複数
    の第一脚部および複数の第二脚部のうちの少なくともい
    ずれか一つを支持することを特徴とするダムの施工方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第一脚部および第二脚部をすべて前
    記台部に支持させるとともに、該第一脚部および第二脚
    部を交互に伸長させ、その際に、前記第一脚部および第
    二脚部のうち伸長されなかったものと前記台部との間に
    追加の台部を介在させることにより、前記自昇式装置を
    上昇させることを特徴とする請求項1記載のダムの施工
    方法。
  3. 【請求項3】 前記第一脚部および第二脚部の少なくと
    もいずれか一つを、すでにコンクリート打設により形成
    されたダム堤体上に支持させ、 第一脚部および第二脚部を交互に伸長させかつ一の伸長
    と次の伸長と間に、前記第一脚部および第二脚部のうち
    のダム堤体上に支持されるものに前記次の伸長で伸長さ
    れるものがある場合、これと前記ダム堤体との間にコン
    クリートの打設を行なうとともに、前記第一脚部および
    第二脚部のうちの前記台部に支持されるものに前記次の
    伸長で伸長されるものがある場合、これと前記台部との
    間に追加の台部を介在させることにより、前記自昇式装
    置を上昇させることを特徴とする請求項1記載のダムの
    施工方法。
  4. 【請求項4】 前記自昇式装置には、搬送体に連結され
    た線状体を巻き上げおよび繰り出す巻上装置が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項
    に記載のダムの施工方法。
  5. 【請求項5】 前記自昇式装置には、外部に設けられた
    巻上装置により巻き上げおよび繰り出されるとともに搬
    送体に連結される線状体をかけるプーリが設けられてい
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載のダムの施工方法。
  6. 【請求項6】 前記自昇式装置には、搬送体により運搬
    されたコンクリートを仮受けする仮受ホッパーが設けら
    れていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一
    項に記載のダムの施工方法。
  7. 【請求項7】 前記自昇式装置に、少なくとも、運搬さ
    れたコンクリートを仮受けする仮受ホッパーが設けられ
    ており、 前記第一脚部および第二脚部をすべて前記台部に支持さ
    せるとともに、前記仮受ホッパーからダム堤体上にコン
    クリートをポンプにより移送することを特徴とする請求
    項1記載のダムの施工方法。
JP30669794A 1994-12-09 1994-12-09 ダムの施工方法 Pending JPH08158349A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30669794A JPH08158349A (ja) 1994-12-09 1994-12-09 ダムの施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30669794A JPH08158349A (ja) 1994-12-09 1994-12-09 ダムの施工方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08158349A true JPH08158349A (ja) 1996-06-18

Family

ID=17960225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30669794A Pending JPH08158349A (ja) 1994-12-09 1994-12-09 ダムの施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08158349A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9945113B1 (en) Method of marketing an elevated prefabricated building
CA2391170A1 (en) Methods and apparatus for forming concrete structures
CN105236275A (zh) 一种狭窄区域建筑深基坑施工的提土系统及提土方法
JP5292019B2 (ja) 杭施工装置及び場所打ちコンクリート杭の構築方法
JP3356048B2 (ja) ビルディングガーダーを用いた高架構造物の施工方法
JP2003313813A (ja) 立体交差施工方法、立体交差および橋脚構造
JPH08158349A (ja) ダムの施工方法
JP2000327261A (ja) 門型クレーン及びこれに用いるバケット並びに地下埋設物の敷設工法
JP2001213584A (ja) 大型昇降ステージとこれを用いた揚重方法および逆打工法
JP3381044B2 (ja) ダムの施工方法
JPS6290414A (ja) コンクリ−ト打設工法及び装置
JP3373318B2 (ja) 搬送装置
JP2579420B2 (ja) 急傾斜地掘削方法及び装置
JP3163433B2 (ja) 資機材搬送装置
JPH0959935A (ja) 橋脚の施工方法
JP3637513B2 (ja) コンクリート搬送装置およびダム堤体の施工方法
JPH08158348A (ja) ダム施工用装置およびダム施工方法
JPH0853827A (ja) ダムの施工方法
JP7429381B2 (ja) 建て起こし装置、保護部材及び建て起こし装置の設置構造
JP3851693B2 (ja) コンクリート搬送装置
JP3353171B2 (ja) ホッパー装置及びその盛替方法
JP3491244B2 (ja) ダムの施工装置およびダムの施工方法
JPH08218348A (ja) ダム用搬送装置の解体方法
JPH0853826A (ja) ダムの施工方法
JPH083966A (ja) ダムの施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040601