JPH08158255A - セルロース系織物の加工法 - Google Patents

セルロース系織物の加工法

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JPH08158255A
JPH08158255A JP6323511A JP32351194A JPH08158255A JP H08158255 A JPH08158255 A JP H08158255A JP 6323511 A JP6323511 A JP 6323511A JP 32351194 A JP32351194 A JP 32351194A JP H08158255 A JPH08158255 A JP H08158255A
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glycol diglycidyl
diglycidyl ether
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五男 倉橋
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博昭 谷邊
Kenichi Okabayashi
健一 岡林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いウオッシュアンドウエア性と実用に耐え
る引裂き強力を具備し、人体に毒性を与えることが無く
安全性に優れたセルロース系織物の形態安定加工法を提
供する。 【構成】 セルロース系織物を、エチレングリコールジ
グリシジルエーテルのエポキシ化合物と 【化1】 で示されるnが4から22の整数のポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルの少なくとも1種以上とのエ
ポキシ化合物混合溶液で処理する。又、エポキシ化合物
の夫々の溶液1リットル当たりの使用量を、そのエポキ
シ当量で除した値で表されるエポキシ比の合計が2.0
〜2.5(g/l)/w.p.e.の範囲にあり、且つ
エチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシ比
が使用されたエポキシ化合物のエポキシ比の合計の45
〜60%の範囲にあるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実用に耐える引裂き強
力を有し、しかも優れた風合いとウオッシュアンドウエ
ア性(以下W&W性という。)を具備したセルロース系
織物のエポキシ化合物を用いた形態安定加工法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、セルロース系繊維材料は、合
成繊維材料に比べて、良好な吸湿性及び風合いを示すの
で、衣料用素材として広く使用されている。しかし、セ
ルロース系繊維材料の織物は、合成繊維材料の織物と較
べて、風合いの良さとか、優れた吸湿性等の長所がある
が、シワになりやすい、又、洗濯すると縮む、更には洗
濯を繰り返すと次第に繊維が堅くなる等欠点も多く、古
くからこれを解消する加工方法が数多く提案されてき
た。
【0003】例えば、特公昭49−18517号公報に
は、架橋剤としてホルムアルデヒド蒸気を、触媒として
水分と二酸化イオウガスを併用し、生成する硫酸を使用
して高温下で反応を進める加工法が開示されている。し
かし、この方法では、生成する硫酸の影響やホルムアル
デヒドによるセルロース分子の架橋固定化により、セル
ロース系繊維織物の引裂強力が極端に低下する欠点があ
るために、合成繊維のポリエステル繊維等をセルロース
系繊維に混繊又は交編織することによって強力の低下を
抑えているのが実状である。更に、(株)繊維社発行
「加工技術」誌(Vol.29,No.6,1994、
p.389〜395)には、液体アンモニアを使用した
マーセライズ加工によりセルロース繊維の断面をほぼ円
形になるよう均一に膨潤させるとともにフィブリル間隔
を平均に狭くすることにより、先にセルロース繊維にソ
フトな風合いを付与し、その後低ホルムアルデヒド樹脂
を付与しアンモニアを除去する方法等が概説されてい
る。しかしながら、これらは何れもホルムアルデヒドガ
スまたは低ホルムアルデヒド樹脂を使用する加工法であ
るため、加工後にホルムアルデヒドが布帛に残留し、衣
料衛生や安全性の面で問題が有る。
【0004】一方、セルロース繊維の非ホルムアルデヒ
ド加工については、繊維学会誌(Vol.25,No.
11,1969,P502〜513,Vol.26,N
o.7,1970,P124〜137)にエポキシ化合
物を用いた研究が、又、染色工業(Vol.24,N
o.2,1976,P76〜83,Vol.24,N
o.3,19769P142〜147)には、ビニルス
ルホン系誘導体を用いた研究が夫々報告されているが、
未だ実用に耐える引裂き強力と高い形態安定性の両方を
兼ね備えたセルロース系織物の加工法は確立されていな
いのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、形態安定性
の指標である高いW&W性と実用に耐える引裂き強力
(650g以上:緯)を具備し、しかもホルムアルデヒ
ドを使用しない、人体に毒性を与えることが無く安全性
に優れたセルロース系織物の形態安定加工法を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達
した。即ち、本発明はセルロース系織物を、エチレング
リコールジグリシジルエーテルのエポキシ化合物とオキ
シエチレン鎖が4〜22個の
【化2】 で示されるポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ルの少なくとも1種以上とのエポキシ化合物の混合溶液
で処理することを特徴とするセルロース系織物の新規な
形態安定加工法である。
【0007】本発明のセルロース系織物とは、綿,レー
ヨン,ポリノジック等のセルロース系繊維を単独又は混
繊して得られたセルロース系繊維から織成された織物を
言う。しかし編物等の布帛にも応用できる。
【0008】本発明では、所望のW&W性と引裂き強力
を得るために、セルロース系織物に架橋剤として、エポ
キシ化合物であるエチレングリコールジグリシジルエー
テルとオキシエチレン鎖長の長いポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテルのエポキシ化合物の混合溶液を
使用し、セルロース分子を架橋する。即ち、所望のW&
W性を得るためにエチレングリコールジグリシジルエー
テルを使用し、又、所望の引裂き強力を確保するためと
風合い改良のために、オキシエチレン鎖が4〜22個の
鎖長の長いポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ルを使用する。そしてこれらの使用比率を一定範囲に制
御することによって、所望のW&W性と引裂き強力のみ
ならず、独特の風合いをも合せ具備させるものである。
【0009】本発明者等は、この観点に立ち、鋭意検討
した結果、エポキシ化合物の夫々の1リットル当たりの
使用量をそのエポキシ当量(以下w.p.e.という)
で除した値(以下エポキシ比と記す)の合計が2.0〜
2.5(g/l)/w.p.e.の範囲が好ましく、且
つエチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシ
比が使用されたエポキシ化合物のエポキシ比の合計の4
5〜60%の範囲に有る場合に、所望のW&W性と実用
に耐える引裂き強力(緯:650g以上)が得られるば
かりでなく、独特の風合いも合せ得られることを見出し
た。架橋剤としてのエポキシ化合物は、安全性の高い点
と通常の含浸,乾燥,キャリングで、乾湿ともにバラン
スの取れた防しわ性と防縮性が得られる点で好適であ
る。ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルのオ
キシエチレン鎖の鎖長の長さは、オキシエチレン鎖が4
〜22個の範囲にあるエポキシ化合物の中から、所望の
防しわ性と防縮性及び風合いに合せて適宜選定すること
ができる。又、これらの処理液濃度は、使用するエポキ
シ化合物のエポキシ比の合計の40〜55%の範囲で適
宜設定できるばかりでなく、鎖長の異なる複数のポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテルを所望の風合い
に応じて、この濃度範囲内で選択し、任意に組合わせる
事も出来る。しかし、3.5級以上のノーアイロンレベ
ルのW&W性を得るためには、エチレングリコールジグ
リシジルエーテルとテトラエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルの組合わせが好ましい。また、シリコン系
柔軟仕上油剤を併用しても良い。
【0010】エポキシ化合物の反応触媒としては、酸又
はアルカリを使用できるが、一般には酸触媒、例えばホ
ウフッ化亜鉛,ホウフッ化マグネシウム等の強酸性金属
塩が使用される。
【0011】しかし、先染品の加工の場合には、アルカ
リ触媒として、0.5〜2.0重量%の苛性ソーダ水溶
液を使用するのが好ましい。架橋処理は、マーセライズ
上がりのセルロース系織物を該架橋処理水溶液に浸漬含
浸させ、ローラーで80%で絞り80〜120℃で乾燥
処理後、100〜130℃でキュアリングを行なう乾熱
処理又は100℃でステイーミングする湿熱処理の何れ
で行なっても良い。又、熱処理時間については、架橋反
応が十分進行するに足りる時間であれば特に限定はな
く、セルロース系織物の目付等により適宜設定すること
が出来る。
【0012】次いで、ソーピング工程以降の水洗及び乾
燥、又、仕上げ油剤処理等の仕上げ加工は、特に限定さ
れるものではなく、一般的に用いられている方法で行え
ば良い。又、織物の白度を更に上げるために蛍光増白剤
を使用することもできるが、この場合は、通常の仕上げ
加工と同様に仕上げ油剤と同浴で所望の白度に応じて蛍
光増白剤を適量添加して処理すれば良い。本発明の方
法、即ち、セルロース系織物をエポキシ化合物であるエ
チレングリコールジグリシジルエーテルとオキシエチレ
ン鎖が4〜22個のポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルとの混合溶液で架橋処理することによって、
従来達成することが出来なかった実用に耐える引裂き強
力を具備すると同時に、乾湿ともにバランスの取れた防
しわ性と防縮性を有し、しかも前処理として樹脂処理を
行わないため、セルロース系繊維の持つ吸湿性と風合い
を保持したW&W性に優れたセルロース系織物が得られ
る。
【0013】
【実施例】以下に実施例を以て本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
又、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い,白度及び
染色堅牢度は以下の方法で試験した。
【0014】1)W&W性 JIS L1096−19
79 6.23 A法 タンブル乾燥 2)引裂き強力 JIS L1096−1979 6.
15.5 D法 3)吸水性試験 試料を幅3cm,長さ15cmに切り
取り、100mlのイオン交換水を入れた200mlの
ビーカーに、その先端5mmを垂直に1分間漬けた後取
りだし、更にガラス板上に1分間放置し充分水を吸上げ
させた後、この吸上げた高さを計測した。 4)風合い及び白度 5人の検査員よって官能検査で調
べ、次の基準で判定した。 5人全員良い;◎ 3人〜
4人良い;○ 良い2人以下;△ 全員悪い;× 5)染色堅牢度 摩擦(乾,湿) JIS−L0849 耐光 JIS−L0842 20時間露光 汗(酸,アルカリ) JIS−0848A法 洗濯 JIS−L0844
【0015】(実施例1)マーセライズ加工した幅50
cm,長さ10mの綿織物(目付:120g/m2 ,8
0番双糸,経緯密度133本×73本/in.)を5枚
準備した。
【0016】触媒として、ホウフッ化亜鉛を4重量%含
む水溶液に、エチレングリコールジグリシジルエーテル
(架橋剤1)として商品名デナコールEX−810(エ
ポキシ当量:112,ナガセ化成工業(株)製)とポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル(架橋剤2)
として商品名デナコールEX821(エポキシ当量:1
95,n:約4,ナガセ化成工業(株)製)を用い、夫
々(100.8g/l、214.5g/l),(13
4.4g/l、156g/l),(134.4g/l、
253.6g/l),(145.6g/l、234g/
l),(168g/l、195g/l)溶解して、各エ
ポキシ化合物のエポキシ比を夫々(1)0.9+1.1
=2.0(g/l)/w.p.e.(2)1.2+0.
8=2.0(g/l)/w.p.e.(3)1.2+
1.3=2.5(g/l)/w.p.e.(4)1.3
+1.2=2.5(g/l)/w.p.e.(5)1.
5+1.0=2.5(g/l)/w.p.e.となるよ
うにして、5水準の架橋処理液を各50リットル調合し
た。
【0017】該架橋処理液に、上述の10m長の綿織物
を、夫々1枚づつ浸漬し各架橋処理液を含浸させた後ロ
ーラーで絞り率80%になるよう絞り120℃で1分間
乾燥処理後ベーキングマシンにかけ115℃で2分間キ
ュアリングを行い、架橋処理を施した。
【0018】次いで、ソーピング剤として商品名アデカ
ノールTS−403A(旭電化工業(株)製)1g/l
水溶液で架橋処理した5枚の綿織物を夫々ソーピングし
水洗後乾燥し、蛍光増白剤として商品名イルミナールB
SN(昭和化工(株)製)を0.3重量%含む水溶液
に、仕上げ油剤の商品名シリコーランAN−980S
(有効成分:25%,一方社油脂工業(株)製)を5重
量%含むよう添加混合して、パッドドライヤーにて仕上
げ加工して、試料1〜5を得た。これら試料のW&W
性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べた結果
を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、エポキシ化合物
のエポキシ比の合計が2.0〜2.5(g/l)/w.
p.e.範囲にあり、且つエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルのエポキシ比がエポキシ比の合計の45〜
60%の濃度範囲に調整し架橋処理した綿織物は、W&
W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好
なものであった。
【0021】(比較例1)実施例1で用いたと同じマー
セライズ加工した幅50cm,長さ10mの綿織物(目
付:120g/m2 ,80番双糸,経緯密度133本×
73本/in.)を6枚準備した。
【0022】触媒として、ホウフッ化亜鉛4重量%を含
む水溶液に、エチレングリコールジグリシジルエーテル
(架橋剤1)として商品名デナコールEX−810(エ
ポキシ当量:112,ナガセ化成工業(株)製)とポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル(架橋剤2)
として商品名デナコールEX821(エポキシ当量:1
95,n:約4,ナガセ化成工業(株)製)を用い、夫
々(100.8g/l、117g/l),(89.6g
/l、239g/l),(156.8g/l、117g
/l),(112g/l、292.5g/l),(19
6g/l、146.25g/l),(151.2g/
l、321.75g/l)溶解して、各エポキシ化合物
のエポキシ比を夫々(6)0.9+0.6=1.5(g
/l)/w.p.e.(7)0.8+1.2=2.0
(g/l)/w.p.e.(8)1.4+0.6=2.
0(g/l)/w.p.e.(9)1.0+1.5=
2.5(g/l)/w.p.e.(10)1.75+
0.75=2.5(g/l)/w.p.e.(11)
1.35+1.65=3.0(g/l)/w.p.e.
となるようにして、6水準の架橋処理液を各50リット
ル調合した。
【0023】該架橋処理液に、上述の10m長の綿織物
を、夫々1枚づつ浸漬し各架橋処理液を含浸させた後ロ
ーラーで絞り率80%になるよう絞り120℃で30秒
間乾燥処理後ベーキングマシンにかけ115℃で2分間
キュアリングを行い、架橋処理を施した。
【0024】次いで、ソーピング剤として商品名アデカ
ノールTS−403A(旭電化工業(株)製)1g/l
水溶液で架橋処理した6枚の綿織物を夫々ソーピングし
水洗後乾燥し、蛍光増白剤として商品名イルミナースB
SN(昭和化工(株)製)を0.3重量%含む水溶液
に、仕上げ油剤の商品名シリコーランAN−980S
(有効成分:25%,一方社油脂工業(株)製)を5重
量%含むよう添加混合して、パッドドライヤーにて仕上
げ加工して、試料6〜11を得た。これら試料のW&W
性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べた結果
を表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】表2から明らかなように、エポキシ化合物
のエポキシ比の合計が2.0(g/l)/w.p.e.
未満だと、エチレングリコールジグリシジルエーテルの
エポキシ比がエポキシ比の合計の45〜60%の濃度範
囲にあってもW&W性が悪く、又エポキシ化合物のエポ
キシ比の合計が2.0〜2.5(g/l)/w.p.
e.の範囲にあっても、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテルのエポキシ比がエポキシ比の合計の45〜6
0%の範囲にないと架橋処理した綿織物は、W&W性,
引裂き強力ともに良好なものは得られない。更に、エポ
キシ比の合計が2.5(g/l)/w.p.e.を越え
るとエチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキ
シ比が合計の45%であっても、実用に耐える引裂き強
力が得られない。
【0027】(実施例2) (1)常法により精練,漂白後マーセライズ加工処理し
た幅50cm×長さ10mの(綿/ポリノジック)混紡
糸製織物(目付:105g/m2 ,混紡率:綿45%/
ポリノジック55%,50番単糸,経緯密度:114本
×80本/in.)を準備した。
【0028】該(綿/ポリノジック)混紡糸製織物を実
施例1の試料3に用いた架橋処理液を用い、又、仕上げ
油剤を商品名ソフミンSN−12(有効成分:20%,
ミヨシ油脂(株)製)の5重量%水溶液に変えた以外
は、全て実施例1と同様に処理して、試料12を得た。
【0029】(2)経糸に綿糸、緯糸にポリノジック糸
を使用し、常法により精練,漂白後マーセライズ加工処
理した幅50cm×長さ10mの交織製織物(目付:1
08g/m2 ,50番単糸,経緯密度:114本×80
本/in.)を準備した。
【0030】これとは別に、触媒に2.0重量%濃度の
苛性ソーダ水溶液を用い、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル(架橋剤1)として商品名デナコールEX
−810(エポキシ当量:112,ナガセ化成工業
(株)製)とポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル(架橋剤3)として商品名デナコールEX832
(エポキシ当量:280,n:約9,ナガセ化成工業
(株)製)を用い、各エポキシ化合物を夫々(134.
4g/l、280g/l)溶解し、エポキシ比を夫々
1.2+1.0=2.2(g/l)/w.p.e.とな
るよう溶解し架橋処理液を含浸させた後、ローラーで絞
り率80%になるよう絞り、100℃で3分間スチーミ
ング処理し架橋反応を行わせた後、水洗し未反応物を除
去し140℃で30秒間乾燥した。仕上げ加工処理は、
実施例1と同様にして、試料13を得た。
【0031】(3)常法により漂白加工した幅50cm
×長さ10mのポリノジック織物(目付:110g/m
2 ,50番単糸,経緯密度:130本×82本/i
n.)を3枚準備した。
【0032】触媒として、ホウフッ化亜鉛4重量%を含
む水溶液に、エチレングリコールジグリシジルエーテル
(架橋剤1)として商品名デナコールEX−810(エ
ポキシ当量:112,ナガセ化成工業(株)製)とポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル(架橋剤2)
として商品名デナコールEX821(エポキシ当量:1
95,n:約4,ナガセ化成工業(株)製)及びポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(架橋剤4)と
して、商品名デナコールEX861(エポキシ当量:5
87,n:約22,ナガセ化成工業(株)製)を用い、
各エポキシ化合物を夫々(112g/l、140g/
l、293.5g/l),(134.4g/l、168
g/l、293.5g/l),(156.8g/l、2
24g/l、176.1g/l)溶解して、エポキシ比
を夫々(14)1.0+0.5+0.5=2.0(g/
l)/w.p.e.(15)1.2+0.6+0.5=
2.3(g/l)/w.p.e.(16)1.4+0.
8+0.3=2.5(g/l)/w.p.e.となるよ
う溶解し3種類の架橋剤混合溶液を各50リットル調整
した。該混合溶液に、上述のポリノジック織物を夫々1
枚づつ浸漬し架橋処理液を含浸させた後、ローラーで絞
り率80%になるよう絞り、130℃で30秒間乾燥し
た後100℃で3分間キュアリングを行い架橋処理を施
した。次いで、ソーピング剤として商品名アデカノール
TS−403A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液
で架橋処理した2枚のポリノジック織物を夫々ソーピン
グし水洗後乾燥し、仕上げ油剤である商品名ファインソ
フトSE−4G(第1工業製薬(株)製,有効成分15
%)の70g/l水溶液でパッドドライヤーにて仕上げ
加工して、試料14,15,16を得た。
【0033】上述の如くして得られた試料12〜16に
ついて、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白
度を調べた結果を表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなように、エポキシ化合物
のエポキシ比の合計が2.0〜2.5(g/l)/w.
p.e.の範囲にあり、且つエチレングリコールジグリ
シジルエーテルのエポキシ比がエポキシ比の合計の45
〜60%の濃度範囲に調整し架橋処理したセルロース系
織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白
度ともに良好なものであった。
【0036】(実施例3)実施例1で用いたと同じ綿ブ
ロード織物50mを、黄色染料(商品名ユニスロン Y
ellow 3GK,住友化学(株)製)7.4g/
l,緑色染料(商品名ユニスロン Ollive7X,
住友化学(株)製)2.9g/l,赤色染料(商品名ユ
ニスロン Red 2BK,住友化学(株)製)1.4
g/l,マイグレーション防止剤アルギン酸ナトリウム
2%溶液25g/l,浸透剤商品名インバジンPBN
(INVADINE PBN,チバガイギー社製)5g
/lよりなる水溶液に浸漬後、絞って120℃で2分間
乾燥し、220℃で1分間キュアリングを行った。次い
で、硫酸ナトリウム30g/l,苛性ソーダ(48%)
45g/l,ハイドロサルファイト30g/lを含む水
溶液で還元処理して絞った後、100℃で40秒間スチ
ーミングを行い、120℃で2分間乾燥し染色綿織物を
得た。該染色した綿織物を各10m長に5等分した後、
実施例1の触媒を1%苛性ソーダ水溶液に変えた以外は
全て実施例1と同じ架橋剤の組合わせで仕上げ処理まで
同様に処理をして、試料17〜21を得た。これら試料
のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び染色堅牢
度を調べた結果を表4に示した。
【0037】
【表4】
【0038】表4から明らかなように、染色した綿織物
でも、触媒を苛性ソーダ水溶液としエポキシ化合物のエ
ポキシ比の合計が2.0〜2.5(g/l)/w.p.
e.の範囲にあり、且つエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルのエポキシ比がエポキシ比の合計の45〜6
0%の濃度範囲に調整し架橋処理した綿織物は、W&W
性,引裂き強力,吸水性,風合い及び染色堅牢度ともに
良好なものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明のセルロース系織物の加工法は前
記構成をとるものであり、セルロース系織物を、架橋剤
としてエチレングリコールジグリシジルエーテルのエポ
キシ化合物とオキシエチレン鎖が4〜22個の鎖長の長
いエポキシ化合物であるポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテルの1種以上のエポキシ化合物との混合溶
液を用いて架橋処理をするものであるため、従来の加工
法により得られたセルロース系織物の形態安定加工品に
比べて、高いW&W性を具備すると同時に、実用に耐え
る十分な引裂き強力と優れた風合いを有している。又、
加工処理を非ホルムアルデヒド系架橋剤であるエポキシ
化合物で行うため、安全性が極めて高い。従って、本発
明の加工法で加工したセルロース系織物は、ワイシャツ
や制服等のユニホーム,病院用ベッドシーツ及び白衣等
の衛生材料,シーツ,フトンカバー等の寝装材料及び一
般衣料等の素材として好適に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系織物を、エチレングリコー
    ルジグリシジルエーテルのエポキシ化合物と 【化1】 で示されるnが4から22の整数のポリエチレングリコ
    ールジグリシジルエーテルの少なくとも1種以上とのエ
    ポキシ化合物混合溶液で処理することを特徴とするセル
    ロース系織物の加工法。
  2. 【請求項2】 エポキシ化合物の夫々の溶液1リットル
    当たりの使用量を、そのエポキシ当量で除した値で表さ
    れるエポキシ比の合計が2.0〜2.5(g/l)/
    w.p.e.の範囲にあり、且つエチレングリコールジ
    グリシジルエーテルのエポキシ比が使用されたエポキシ
    化合物のエポキシ比の合計の45〜60%の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1記載のセルロース系織物の加
    工法。
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