JPH08157163A - 工事用エレベータにおける外部給電機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベータ内外を走行する電動式台車に長い
電源ケーブルを接続してもケーブルが邪魔にならないよ
うにする。 【構成】 エレベータケージ１の高い位置に給電盤３を
配設し、給電盤３に充分に長い電源ケーブル７の一端を
接続し、給電盤３の下方に上下に長いガイド筒４を配設
するとともに当該ガイド筒４内にこれに沿って上下動す
る重い動滑車５を設け、電源ケーブル７をガイド筒４内
に上端から通して動滑車５でＵターンさせてガイド筒４
の上端から外部に引き出し、エレベータケージ１の高い
位置に配設した首振り式の固定滑車６を設け、ガイド筒
４から引き出した電源ケーブル７を固定滑車６を介して
引き伸ばす。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばビル建設現場
において各種の建設資材を各階のフロアに搬入する場合
などに使用される工事用エレベータに関し、特に、エレ
ベータ内外に荷物を移載するための電動式台車に給電す
る外部給電機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】工事用エレベータ内外に荷物を移載する
ための電動式台車としては、特開平６−１７１８６５号
公報に記載のものが代表的である。この従来技術では、
エレベータの床に出入口方向に軌道を配設し、この軌道
に沿ってフォークリフト形式の電動式台車を搭載してい
る。この台車はエレベータ内部のレールのある範囲だけ
直線的に往復移動するもので、エレベータ内部と出入口
に至近の外部とのごく限られた範囲で荷物の積み込み積
み降ろしを行うものである。

【０００３】また、軽量化と小型化を考慮してこの種の
電動式台車には駆動用のバッテリーを搭載しておらず、
エレベータ内の給電盤から延びるケーブルを電動台車に
接続し、外部から電力の供給を受けて動作する。したが
って電源ケーブルの延びる範囲内で使用可能である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術では、
エレベータの出入口に至近の場所にしか荷物を降ろせな
いし、その場所にある荷物しかエレベータ内に積み込め
ない。そのためエレベータの外部には別の荷物搬送手段
が不可欠であり、エレベータから降ろされた荷物を所要
に場所に運んだり、エレベータに積み込む荷物をエレベ
ータ出入口の至近場所まで運ぶ人手も別に必要であっ
た。各フロアが広大な現場ではこのような方法でもあま
り問題はないが、小規模な現場ではエレベータ内外の荷
物移載手段と各フロアの荷物運搬手段および作業員を別
々に準備するのは経費がかかりすぎるし、スペース的に
も問題がある。

【０００５】そこで本発明者らは、電動式台車の走行範
囲を規定している軌道を廃止し、電源ケーブルが延びる
範囲内で自由に走行できる電動式台車を開発した。そし
て走行範囲を広げるために、エレベータ内に充分に長い
電源ケーブルを用意しておき、これを電動式台車に接続
した。しかし、このように長い電源ケーブルを使用する
と、そのケーブルがエレベータ内外の床上に不規則にの
たうってしまい、その床上のケーブルを踏みつけないよ
うに片付けるのが非常に面倒であった。床上のケーブル
を電動式台車で踏みつけてしまうと、ケーブルの絶縁被
覆を破損したり、極端な場合にはケーブルを切断してし
まい、危険である。ケーブルを片付けないままでは電動
式台車の走行が著しく制限されてしまい、荷物の移載作
業を自由に行えない。

【０００６】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、エレベータ内外を走行する
電動式台車に長い電源ケーブルを接続してもケーブルが
邪魔にならないようにした工事用エレベータにおける外
部給電機構を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明では、エレベー
タケージ内に給電盤を配設し、その給電盤に充分に長い
電源ケーブルの一端を接続し、上下に長いガイド筒を配
設するとともに当該ガイド筒内にこれに沿って上下動す
る重い動滑車を設け、前記電源ケーブルを前記ガイド筒
内に上端から通して前記動滑車でＵターンさせて前記ガ
イド筒の上端から外部に引き出し、前記エレベータケー
ジの高い位置に配設した首振り式の固定滑車を設け、前
記ガイド筒から引き出した前記電源ケーブルを前記固定
滑車を介して引き伸ばすように構成した。

【０００８】

【作用】前記固定滑車から引き出した電源ケーブルの先
端を電動式台車に接続する。この台車がエレベータの外
部に離れていくと、前記電源ケーブルが引っ張られ、前
記動滑車が上昇して電源ケーブルを繰り出す。台車がエ
レベータに戻ってくると、前記動滑車が自重により下方
にさがり、余分な電源ケーブルを前記ガイド筒内に引き
込んで収納する。

【０００９】

【実施例】この発明の一実施例の構成を図１、図２、図
３に示している。全体的な概略構成を示す図１のよう
に、工事用エレベータケージ１の床１ａの上にフォーク
リフト形式の電動式台車２が搭載されており、そのフォ
ーク２ａの上に荷物２０が載っている。エレベータケー
ジ１の天井１ｂの部分に給電盤３が配設されており、そ
の下方にケージ１の側面に沿った長いガイド筒４が配設
されている。また、ガイド筒４の上端開口部付近のケー
ジ天井１ｂには、後述する構成で首振り式になっている
固定滑車６が取り付けられている。さらに、ガイド筒４
内には重い動滑車５がセットされている。この動滑車５
はガイド筒４を構成する一対のフレーム４ａ間にガイド
されて自重により下方にさがるし、以下のようにして上
昇する。

【００１０】給電盤３には充分に長い電源ケーブル７の
基端が接続されている。この電源ケーブル７をガイド筒
４内に上端から通して動滑車５でＵターンさせてガイド
筒４の上端から外部に引き出し、引き出した電源ケーブ
ル７を固定滑車６を介して引き伸ばして、ケーブル先端
を電動式台車２のプラグに接続している。ガイド筒４内
の動滑車５は錘の役割もしており、ガイド筒４内でＵタ
ーンさせた電源ケーブル７は動滑車５の自重により適当
な張力がかかった状態で垂れ下がっている。

【００１１】電動式台車２が走行してエレベータケージ
１の外部に離れていくと、電源ケーブル７が引っ張ら
れ、ガイド筒４内で動滑車５が上昇して電源ケーブル７
を繰り出す。電動式台車２がエレベータケージ１に戻っ
てくると、ガイド筒４内で動滑車５が自重により下方に
さがり、余分な電源ケーブル７をガイド筒５内に引き込
んで収納する。

【００１２】ここで固定滑車６の首振り機構について説
明する。図３に示すように、滑車６を回転自在に支持す
るブラケット８には軸９が一体に設けられている。一
方、滑車６をエレベータケージ１に設置する手段は軸受
１０であり、前記ブラケット８の軸９を垂直に配して、
所定範囲内で左右に回動自在に支持している。これで固
定滑車６が左右に首振り自在となっており、電動式台車
２の走行方向に従って滑車６が首を振り、電源ケーブル
７に無用な抵抗を加えないようになっている。

【００１３】

【発明の効果】この発明によれば、前記の電源ケーブル
を接続した電動式台車がエレベータの外部に離れていく
と、電源ケーブルが引っ張られ、前記動滑車が上昇して
電源ケーブルを繰り出す。台車がエレベータに戻ってく
ると、前記動滑車が自重により下方にさがり、余分な電
源ケーブルを前記ガイド筒内に収納する。したがって、
電動式台車に充分に長い電源ケーブルを接続してもケー
ブルが邪魔にならず、ケーブル内外の広い範囲にわたっ
て電動式台車で荷物の移載作業を円滑に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例による工事用エレベータに
おける外部給電機構の全体的な概略構成図である。

【図２】同上実施例におけるガイド筒と動滑車の関係を
示す詳細図である。

【図３】同上実施例における固定滑車の首振り機構の詳
細図である。

【符号の説明】

１ エレベータケージ １ａ 床 １ｂ 天井 ２ 電動式台車 ３ 給電盤 ４ ガイド筒 ５ 動滑車 ６ 固定滑車 ７ 電源ケーブル ８ ブラケット ９ 軸 １０ 軸受 ２０ 荷物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータケージ内に給電盤を配設し、
   その給電盤に充分に長い電源ケーブルの一端を接続し、
   上下に長いガイド筒を配設するとともに当該ガイド筒内
   にこれに沿って上下動する重い動滑車を設け、前記電源
   ケーブルを前記ガイド筒内に上端から通して前記動滑車
   でＵターンさせて前記ガイド筒の上端から外部に引き出
   し、前記エレベータケージの高い位置に配設した首振り
   式の固定滑車を設け、前記ガイド筒から引き出した前記
   電源ケーブルを前記固定滑車を介して引き伸ばすように
   構成したことを特徴とする工事用エレベータにおける外
   部給電機構。