JPH08155773A - Nc工作機械 - Google Patents

Nc工作機械

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Publication number
JPH08155773A
JPH08155773A JP33146894A JP33146894A JPH08155773A JP H08155773 A JPH08155773 A JP H08155773A JP 33146894 A JP33146894 A JP 33146894A JP 33146894 A JP33146894 A JP 33146894A JP H08155773 A JPH08155773 A JP H08155773A
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JP
Japan
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workpiece
chuck
chuck body
machine tool
work
Prior art date
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Application number
JP33146894A
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English (en)
Inventor
Harutake Takiguchi
治剛 滝口
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Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Original Assignee
Seibu Electric and Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 NC工作機械において、リング状工作物の内
径面をチャック爪で把持したときに、該工作物が基準面
に正確に位置設定すると共に、該位置設定状態をチェッ
クする。 【構成】 工作物4の中心孔5内にチャック爪3を挿入
して工作物4をチャック爪3で緩く把持する。次に、基
準金25を工作物4の後側に配置し、押付装置47を作
動させて工作物4を基準金25へ向けて押し付ける。チ
ャック爪3を更に拡開して工作物4をチャック本体1に
固定する。その後、工作物4を低速回転させながら、振
れ検出器18を用いて工作物4の振れを検出する。この
NC工作機械は、工作物4を再チャッキングすることな
く、工作物4の前端面と後端面を連続して切削加工する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、チャック爪によって
薄板状工作物を把持し、該工作物を高精度で切削加工す
るNC工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リング状の薄板工作物、例えば、
多層式ハードディスク装置を構成するハードディスクと
ハードディスクとの間に装着されるスペーサのような薄
板状工作物の加工には、主として立て形二面ラップ盤が
使用されていた。立て形二面ラップ盤は、上ラップ円盤
及びこれと相対して回転する下ラップ円盤を備えてお
り、工作物はこの上下ラップ円盤の間で偏心回転するホ
ルダに保持されて仕上げられる。通常、上下ラップ円盤
はともに鋳鉄製であり、上ラップ円盤は回転せず、ブラ
ケットによって主軸に取り付けられ、その上下位置はラ
ック、小歯車によって主軸を手動で上下して調節されて
いる。ラップ圧力は主軸中に装着されたばねによって上
ラップ円盤を工作物に押し付けて与える。
【0003】立て形二面ラップ盤は、上下のラップ円盤
の間に工作物を挟んでその上下の面を同時にラッピング
するものである。上記ラッピングはラップ円盤に工作物
を適当な軽い圧力で押し付け、細粒の砥粒に石油などの
ラップ液を適量だけ混合したものをその間に介在させて
互いに摺動させ、砥粒のラッピング作用、即ち微小な切
削及び塑性流動あるいは硬ぜい材料では微小破壊によっ
て工作物表面を仕上げる方法である。ラッピングで好結
果を得るためには、砥粒、ラッピング速度及び圧力が、
工作物の加工面に一様に分布されることが重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような立て形二面ラップ盤を使用すれば、工作物の上下
両面の平行度、面粗度の向上は期待できるものの、加工
かえりが発生するという問題がある。また、寸法精度が
前工程での寸法精度に大きく影響されるので、必要寸法
を管理することはかなりの困難を伴うものとなる。更
に、立て形二面ラップ盤による加工では、外側の工作物
ほど、ダレが発生し易く、工作物の加工面に均質の製品
を得ることは困難である。
【0005】また、立て形二面ラップ盤は、砥粒、ラッ
ピング速度及び圧力の違いが寸法精度に微妙に影響する
ので、自動化が困難であった。更に、一度に多数の工作
物をセットしてラッピングするため、加工された工作物
に不良品が発生した場合、その全てが不良となってしま
うという問題もあった。
【0006】そこで、NC工作機械を使用して切削加工
の自動化を図ることが考えられるが、リング状の薄板工
作物をチャック本体に取り付ける際には、薄板状工作物
の前後端面を主軸回転軸と直交する平面、即ちX−Y平
面に正確に一致させなければならない。しかしながら、
工作物をチャック本体に正確に位置設定することは、か
なりの困難を伴う作業である。従って、NC工作機械に
おいては、どのようにして薄板状工作物の前後端面をチ
ャック本体に対してX−Y平面に正確に一致させて位置
設定するかが課題となっていた。
【0007】この発明の目的は、従来のNC工作機械の
上記課題を解決することであり、オートローダに設けた
押付装置によってリング状の薄板状工作物の内径面をチ
ャック爪で把持させる際に、該薄板状工作物を加工基準
面に一致させてチャック本体に把持し、該薄板状工作物
の前後両端面がX−Y平面に一致しているかどうかを検
査することにより、該薄板工作物の前後両端面をX−Y
平面に正確に一致させてチャック本体に固定することが
できるNC工作機械を提供することである。
【0008】
【課題を解決するため手段】この発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、工作物を把持するチャック爪を有し且つ主軸に固
定されたチャック本体、該チャック本体に対して移動可
能に配置され且つ各種バイトをそれぞれ取り付けること
ができる刃物台、該刃物台を取り付け且つ前記チャック
本体に対して相対的に移動可能なベース、該ベースに取
り付けられた位置決め設定装置、前記チャック本体の前
面と前記チャック本体に装着される前記工作物との間に
挿入可能であり且つ前記主軸の回転軸心に直交する平面
を持つ前記位置決め設定装置に取り付けられた基準金、
前記工作物を前記チャック本体に取付け取外しするオー
トローダに設けられ且つ前記チャック爪に把持された前
記工作物を前記基準金の長手方向基準面へ向けて押し付
けるための押付装置、及び前記工作物の回転時に前記工
作物の振れ具合を検出する前記ベースに取り付けられた
振れ検出器、から構成したことを特徴とするNC工作機
械に関する。
【0009】また、このNC工作機械において、前記オ
ートローダは前記工作物を前記チャック本体に受け渡す
ローダと前記工作物を前記チャック本体から受け取るア
ンローダとから構成されている。
【0010】また、このNC工作機械において、前記振
れ検出器は、前記工作物の端面に対向して非接触状態に
設置され、前記工作物の低速回転時に前記工作物の端面
に噴き出されたエア圧を検出して前記工作物の振れ具合
を検出するものである。
【0011】また、このNC工作機械において、前記刃
物台にはX軸方向に延びる一対のバイトが対向して並設
され、前記両バイトの刃先はX軸方向にオフセットし、
前記両バイトの刃先のZ軸方向の間隔は前記工作物の板
厚よりも大きく形成されている。
【0012】
【作用】この発明によるNC工作機械は、上記のように
構成されているので、次のように作用する。即ち、この
NC工作機械によれば、最初に、位置決め設定装置に取
り付けられた基準金を工作物の背面側に挿入し、次に工
作物の孔内にチャック爪を挿入し、工作物をチャック爪
で緩く把持する。前記位置決め設定装置については、各
種の刃物台を設置した同一の前記ベース上に設置されて
いるので、前記工作物を切削加工するNC装置に組み込
まれた一連のプログラムで全て制御されることとなり、
前記位置決め設定装置を単独に動作制御する装置を必要
としない。次に、押付装置を作動させて工作物を長手方
向基準面へ向けて押し付け、この状態で、チャック爪を
更に拡径して工作物をチャック本体に固定する。続い
て、押付装置を設けたオートローダを加工エリアから退
避させ、次に振れ検出器を工作物の表面端面に近接させ
ると共に前記基準金を退避させ、次いで工作物を主軸に
よって低速回転させながら、振れ検出器を用いて、工作
物が長手方向基準面に正しく設置されているかどうかを
見るために、工作物の振れ具合を検出する。即ち、工作
物の端面の長手方向基準面に対して、薄板状工作物の平
行度や寸法公差を計測する。
【0013】また、このNC工作機械は、特に薄板状工
作物の切削加工に有効であるが、薄板状工作物に限ら
ず、孔即ち内径を持つ工作物であれば、任意の板厚の工
作物に適用可能であることはいうまでもない。工作物の
振れが検出されない状態に位置設定された場合には、該
工作物をチャック爪で固定して工作物の切削加工を行
う。工作物の振れが検出された場合には、特に薄板状工
作物の場合には、それ自体が変形している可能性がある
ので、その工作物はチャック爪から排出される。
【0014】このNC工作機械において、前記工作物を
前記チャック本体に受け渡すためのローダを設け、該ロ
ーダに前記押付装置を組み込んでおり、工作物をローダ
からチャック本体に受け渡すと同時に工作物を長手方向
基準面に押し付けることができるので、工作物の取付作
業の効率化を図ることができる。
【0015】また、前記刃物台にはX軸方向に延びる一
対のバイトが対向して並設され、前記両バイトの刃先は
X軸方向にオフセットしており、前記両バイトの刃先の
Z軸方向の間隔は前記工作物の板厚よりも大きくしたも
のであるから、工作物は最初に1回チャッキングするだ
けで再度チャッキングを行うことなく、工作物の前後両
端面を一挙に切削加工することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら、この発明による
NC工作機械の一実施例について説明する。図1はこの
発明によるNC工作機械の主軸台及びベースの一実施例
を示す平面図、図2は図1に示す刃物台の左側面図、図
3は図1に示す位置決め設定装置の右側面図、及び図4
は図1に示す位置決め設定装置のA−A矢視図である。
【0017】チャック本体1は主軸台に回転可能に取り
付けられた主軸2に装着されている。チャック本体1
は、主軸2の回転に伴って一緒に回転する。チャック本
体1は前面に3個のチャック爪3を有しており、該チャ
ック爪3によって工作物4は把持される。図示の例で
は、工作物4はリング状の薄板工作物であって、中心部
に貫通した中心孔5を有するものである。工作物4に切
削加工を施すことによって、例えば、ハードディスク用
スペーサが製作される。該スペーサは両端面について高
精度の平行度が要求されるものである。切削加工の際に
は、チャック爪3を工作物4の中心孔5に挿入し、3個
のチャック爪3を半径方向外向き開くこと即ち拡径する
ことによって、工作物4はチャック本体1に把持され
る。
【0018】チャック本体1の向かい側にはベース6が
対向して配置されている。ベース6は、NC制御によっ
て、水平面上を主軸の回転軸C方向(Z軸方向)及び該
回転軸Cに直交する方向(X軸方向)に移動可能であ
る。ベース6には上面に2本の断面T字状の長溝7が形
成されている。刃物台8は、スライドホルダ9を有して
いる。スライドホルダ9は、長溝7に対して摺動可能に
構成され且つT字ナット11と穴付きボルト12を締め
付けることによってベース6上の適宜位置に固定するこ
とができる。スライドホルダ9には一対のバイトホルダ
13a,13bが押さえ板14を介してボルト15で締
め付け固定される。また、一方のバイトホルダ13aに
はサブホルダ16が取り付けられ、サブホルダ16の先
端には一対のバイト17a,17bが固定される。な
お、一対のバイト17a,17bと工作物4の関係につ
いては後述する。
【0019】刃物台8には振れ検出器18も取り付けら
れる。他方のバイトホルダ13bにはセンサーホルダ1
9が取り付けられ、センサーホルダ19の先端にセンサ
ーヘッド20が取り付けられている。振れ検出器18
は、ベース6を平行移動させ、センサーヘッド20を工
作物4に接近させることによって、工作物4の前端面側
に非接触状態にセットされる。振れ検出器18は、工作
物4をゆっくりと回転させながら、センサーヘッド20
の先端から工作物4の前端面21にエアを吹き出し、そ
の時のエア圧を検出して、工作物4の振れを検出するこ
とができる。このように、振れ検出器18は、後述の長
手方向基準金25の長手方向基準面27に対する工作物
4の端面の平行度を検出することができ、しかも寸法公
差を検出することもできる。
【0020】ベース6には、位置決め設定装置22が取
り付けられる。位置決め設定装置22は、ベース6の上
面に形成された長溝7に対して摺動可能に構成された基
準ベース23を有しており、該基準ベース23はT字ナ
ット11と穴付きボルト12を締め付けることによって
ベース6上の適宜位置に固定される。基準ベース23に
は基準アーム24が取り付けられ、更に基準アーム24
の先端には基準金25が取り付けられる。基準金25
は、その前面27を主軸の回転軸Cに直交する平面(X
軸−Y軸平面)に一致させて、基準アーム24の先端に
穴付きボルト26で固定される。基準金25の前面27
が長手方向基準面27となる。即ち、長手方向基準面2
7と主軸の回転軸CとでNC制御の座標、即ちX−Y−
Z座標が設定される。基準金25は矩形板の一辺をU字
状に切除して二股状腕28を形成したものである。長手
基準金25の背面にはU字状部分に傾斜面29が形成さ
れている。
【0021】長手方向基準金25は、ベース6をX軸方
向及びZ軸方向に移動させることにより、即ち水平面上
を移動させることにより、チャック本体1の前面と工作
物4との間、即ち工作物4の後側に挿入され、二股状腕
28でチャック爪3を挟むように配置されるものであ
る。U字状部分の傾斜面29は、チャック爪3の基部に
形成された傾斜面30との干渉を避けるために形成され
たものである。
【0022】位置決め設定装置22とバイト17a,1
7bはベース6に固定されており、水平面上を両者が一
体となって移動できるように構成されているので、基準
金25がチャック本体1の前面と工作物4との間に配置
された状態では、バイト17a,17bで工作物4を切
削することはできない。工作物4を切削するためには、
ベース6を移動させて基準金25を工作物4から完全に
退避させた後で、バイト17a,17bを工作物4に近
づけるようにしなければならない。したがって、バイト
17a,17bと基準金25とが干渉して、バイト17
a,17bまたは基準金25が損傷するような事態を避
けることができる。
【0023】次に、図5及び図6を参照して、オートロ
ーダ31について説明する。図5はオートローダの側面
図、及び図6はオートローダの正面図である。オートロ
ーダ31は、工作物4をチャック本体1に受け渡すロー
ダ32と工作物4をチャック本体1から引き取るアンロ
ーダ33とからなる。図5及び図6において、上側がロ
ーダ32、下側がアンローダ33であるが、ローダ32
もアンローダ33も構造的には同じであり、単に機能的
な観点からこのように区別して呼んでいるにすぎない。
【0024】オートローダ31は、ベース6及びチャッ
ク本体1に対して相対的に移動可能に構成されている。
オートローダ31は、支持体34にローダ32とアンロ
ーダ33が上下に取り付けられたものである。ローダ3
2とアンローダ33はどちらも、円周上に等間隔に配置
された3個のチャック爪35,36と、各チャック爪3
5,36の間に等間隔に配置されたプッシャー37,3
8を有している。チャック爪35,36は半径方向に移
動可能であり、各チャック爪35,36が半径方向に離
間することによって拡径し、半径方向に接近することに
よって縮径する。チャック爪35,36は先端の内側に
形成された円弧面39を有しており、環状の薄板工作物
4の外径面を把持するのに適した形状になっている。
【0025】3個のプッシャー37,38はプッシャプ
レート40,41に固定されており、プッシャプレート
40,41の中心にプッシャシャフト42,43が固定
されている。プッシャシャフト42,43は、支持体3
4に対して軸方向に摺動可能に支持されており、スプリ
ング45,46によってプッシャー37,38を押し出
す方向に付勢されている。支持体34にはローダ32の
プレッシャシャフト42の軸方向位置を検出するリミッ
トスイッチAと、アンローダ33のプレッシャシャフト
43の軸方向位置を検出するリミットスイッチBが設け
られている。リミットスイッチAは主軸台2のチャック
本体1に工作物4を受け渡したことを検出するためのス
イッチである。リミットスイッチBは主軸台2のチャッ
ク本体1から工作物4を引き取ったことを検出するため
のスイッチである。これらのリミットスイッチA,Bは
支持体34の裏面側に配置され、カバー44で覆われて
いる。なお、プッシャー37、プッシャプレート40、
プッシャシャフト42、スプリング45などによって押
付装置47が構成される。
【0026】ローダ32を作動させて工作物4をローダ
32から主軸台2のチャック本体1に引き渡すときに
は、ローダ32の中心軸CL (この中心軸はプレッシャ
シャフト42の中心軸でもある)と主軸回転軸Cとを一
致させて、チャック本体1のチャック爪3を工作物4の
中心孔5に挿入する一方、ローダ32のチャック爪35
を拡径する。このとき、スプリング45の作用でプッシ
ャー37が長手方向基準面27に向けて工作物4を押し
出すことになる。そして、工作物4の後端面は長手方向
基準面27に押し付けられるので、工作物4は正しくセ
ットされる。このとき、リミットスイッチAが工作物4
の受け渡しを検出する。
【0027】逆に、アンローダ33がチャック本体1か
ら工作物4を引き取るときには、アンローダ33の中心
軸CA (この中心軸はプレッシャシャフト43の中心軸
でもある)と主軸回転軸Cとを一致させ、アンローダ3
3のチャック爪36を拡径し、アンローダ33をチャッ
ク本体1に接近させる。そのとき、チャック本体1に把
持されていた工作物4がスプリング46の力に抗してプ
ッシャー38を押し込む。このとき、スプリング46の
緩衝作用で工作物4に無理な力が作用しないようになっ
ている。プッシャー38が押し込まれると、リミットス
イッチBが工作物4の引き取りを検出する。そして、ア
ンローダ33のチャック爪36が縮径して工作物4の外
径面を把持する。
【0028】次に、図7を参照して、バイト17a,1
7bと工作物4の関係について説明する。図7は一対の
バイト17a,17bと工作物4の関係を示す説明図で
ある。X軸方向に延びる一対のバイト17a,17b
は、刃先を対向させて並設され、X軸方向及びZ軸方向
にオフセットしている(X軸方向のオフセット量=m、
Z軸方向のオフセット量=n)。即ち、両バイト17
a,17bの刃先のZ軸方向の間隔Lは工作物4の厚さ
tよりも大きく、また、両刃先はX軸方向にずれてい
る。
【0029】次に、このNC工作機械の作動について説
明する。リング状の薄板工作物4をNC工作機械で切削
加工する場合には、まず、チャック本体1への工作物4
の取付けを行う。その取付動作について以下に説明す
る。即ち、チャック本体1には加工し終えたばかりの工
作物4が把持されており、これから、その加工済みの工
作物4を取り外して、別の未加工の工作物4をチャック
本体1に把持させ、該工作物4の加工を行おうとすると
きの一連の取付動作について、以下に説明する。
【0030】ここで、ローダ32は未加工のリング状の
薄板工作物4を把持しており、アンローダ33は工作物
を把持していないものとする。まず、アンローダ33の
中心軸CA と主軸の回転軸Cを平行に保った状態で、ア
ンローダ33を該主軸回転軸Cの真上に移動する。次い
で、アンローダ33は下降し、アンローダ33の中心軸
A と主軸回転軸Cとが略合致する位置まで下降したと
ころで停止する。そこで、アンローダ33がチャック本
体1のチャック爪36側のZ軸方向に前進すると、プッ
シャー38はチャック本体1に把持された加工済みの工
作物4によってスプリング46を圧縮しながら後退す
る。そこで、アンローダ33はチャック爪36を縮径
し、工作物4の外径面を把持する。
【0031】一方、チャック本体1のチャック爪3は縮
径して、該工作物4を解放する。そこで、アンローダ3
3は工作物4を把持したままチャック本体1からZ軸方
向に後退する。次いで、アンローダ33は下降し、ロー
ダ32の中心軸CL が主軸回転軸Cに一致したところで
下降が停止する。
【0032】次いで、未加工の工作物4を把持したロー
ダ32はチャック本体1に接近し、工作物4の中心孔5
にチャック本体1のチャック爪3を挿入して該チャック
爪3を少し拡径することにより、工作物4はチャック本
体1に緩く仮把持される。次に、ローダ32のチャック
爪35を拡径すると、ローダ32に設けられた押付装置
47のプッシャー37がスプリング45の働きでチャッ
ク爪3側のZ軸方向に前進し、工作物4は基準金25の
長手位置基準面27に向かって押し付けられる。ここ
で、チャック本体1は、工作物4を緩く把持していたチ
ャック爪3を更に拡径して、工作物4をしっかりと把持
する。
【0033】次に、押付装置47を設けたオートローダ
31を加工エリアから退避させ、次に振れ検出器18を
工作物4の表面端面に近接させて工作物4の前方に非接
触状態で設置すると共に基準金25を退避させ、次いで
工作物4を把持したチャック本体1を主軸2によって低
速回転させながら、振れ検出器18から工作物4に向け
てエアを吹き付けて工作物4が長手方向基準面に正しく
設置されているか否かの工作物4の振れ具合即ち平行度
を検出する。工作物4の振れが検出された場合には、そ
の工作物4は上記の工程によってアンローダ33によっ
て排除される。工作物4の振れが検出されない場合に
は、工作物4はチャック爪3に正確に位置設定されてい
るので、工作物4に対して切削加工が行う。
【0034】また、基準金25をチャック本体1の前面
とチャック本体1に装着される工作物4との間に挿入し
て設置するには、以下のようにして行われる。最初に、
位置決め設定装置22を取り付けたベース6がチャック
本体1に向かってZ軸方向に前進し、続いてX軸方向に
前進することによって、基準金25がチャック本体1の
前面と工作物4との間に差し込まれる。即ち、基準金2
5の二股状腕28がチャック爪3を跨ぐように配置され
る。次に、基準金25がZ軸方向にわずかに後退して停
止する。この位置で、基準金25の前面27が長手方向
基準面27となる。
【0035】以上のようにして工作物4のチャック本体
1への取付けが完了すると、次に、工作物4に対する切
削加工が開始される。図7には、バイト17a,17b
の移動軌跡が符号Pで示されている。工作物4を切削加
工する場合には、一方のバイト17bを符号Pで示すよ
うな軌跡に沿って移動させると、一方のバイト17bが
工作物4の前端面21を切削加工する工程と、他方のバ
イト17aが工作物4の後端面49を切削加工する工程
とが連続的に行われることになるから、工作物4を最初
に1回チャッキングするだけで、工作物4の面取り48
加工も含め、工作物4の前後両端面21,49を一挙に
切削加工することができる。しかも、バイト17a,1
7bの無駄な動きを極力無くすことができるうえ、工作
物4の前端面21と後端面49の平行度は非常に精度の
高いものとなる。工作物4に対する切削加工が終了する
と、工作物4はチャック本体1から取り外される。その
取外動作は、上記で説明したようにアンローダ33によ
って行われる。加工済みの工作物4を取り外した後で、
ローダ32が未加工の工作物4をチャック本体1に取り
付ける。取り外した加工済みの工作物4はアンローダ3
3によって運ばれて回収される。
【0036】
【発明の効果】この発明によるNC工作機械は、上記の
ように構成されているので、次のような効果を有する。
即ち、このNC工作機械によれば、主軸と一体的に回転
し得るチャック本体で工作物を把持し、前記チャック本
体に対向して配置され刃物台にバイトを取り付け、オー
トローダに設けた押付装置を使用して前記工作物をベー
スに取り付けた基準金の長手方向基準面へ向けて押し付
けるようにしたので、薄板状の工作物であっても該工作
物を加工基準位置に正確に位置決めすることができる。
また、振れ検出器で前記工作物の端面の前記長手方向基
準面に対する平行度を検出するようにしたので、たと
え、位置決めがうまくいかなかった場合でも、適切に対
処することができる。
【0037】また、刃物台には、X軸方向に延びる一対
のバイトが対向して並設され、前記両バイトの刃先はX
軸方向にオフセットしており、前記両バイトの刃先のZ
軸方向の間隔は前記工作物の板厚よりも大きくしたもの
であるから、工作物は最初に1回チャッキングするだけ
で、一対のバイトで前記工作物の前端面と後端面を連続
して工作物を再チャッキングすることなく切削加工する
ことができるうえ、バイトの無駄な動きを極力無くすこ
とができる。従って、工作物に対する加工精度を向上さ
せることができると共に、工作物の切削加工の効率を大
幅に向上させることができる。
【0038】このNC工作機械は、オートローダにおけ
るローダに押付装置を設けたので、未加工の工作物をチ
ャック本体に把持させる際に、ローダのチャック爪を拡
径すると、それと同時に押付装置によって工作物を長手
基準金の長手方向基準面に押し付けることができる。ま
た、アンローダに押付装置を設けたので、アンローダの
チャック爪が拡径したときに、それと同時に押付装置が
該工作物を押し出すので、加工済みの工作物を次工程へ
受け渡す動作を円滑に行うことができる。
【0039】また、位置決め設定装置とバイトを固定し
た刃物台とは、同一のベースの上に取り付けられている
ので、基準金とバイトの位置関係は変化しないから、工
作物の加工精度を大幅に向上させることができる。更
に、位置決め設定装置とバイトとは、同一のベースに固
定されており、水平面上を両者が一体となって移動でき
るように構成されているので、基準金がチャック本体の
前面と工作物との間に配置された状態では、バイトで工
作物を切削することはできない。工作物を切削するため
には、ベースを移動させて基準金を完全に工作物から退
避させた後で、バイトを工作物に近づけるようにしなけ
ればならない。従って、バイトと基準金とが干渉して基
準金が損傷するような事態を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるNC工作機械の主軸台及びベー
スの一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示す刃物台の左側面図である。
【図3】図1に示す位置決め設定装置の右側面図であ
る。
【図4】図1に示す位置決め設定装置のA−A矢視図で
ある。
【図5】オートローダの側面図である。
【図6】図5に示すオートローダの正面図である。
【図7】一対のバイトと工作物の関係を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 チャック本体 2 主軸 3 チャック爪 4 工作物 6 ベース 8 刃物台 17a,17b バイト 18 振れ検出器 21 前端面 22 位置決め設定装置 25 基準金 27 長手方向基準面 31 オートローダ 32 ローダ 33 アンローダ 47 押付装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物を把持するチャック爪を有し且つ
    主軸に固定されたチャック本体、該チャック本体に対し
    て移動可能に配置され且つ各種バイトをそれぞれ取り付
    けることができる刃物台、該刃物台を取り付け且つ前記
    チャック本体に対して相対的に移動可能なベース、該ベ
    ースに取り付けられた位置決め設定装置、前記チャック
    本体の前面と前記チャック本体に装着される前記工作物
    との間に挿入可能であり且つ前記主軸の回転軸心に直交
    する平面を持つ前記位置決め設定装置に取り付けられた
    基準金、前記工作物を前記チャック本体に取付け取外し
    するオートローダに設けられ且つ前記チャック爪に把持
    された前記工作物を前記基準金の長手方向基準面へ向け
    て押し付けるための押付装置、及び前記工作物の回転時
    に前記工作物の振れ具合を検出する前記ベースに取り付
    けられた振れ検出器、から構成したことを特徴とするN
    C工作機械。
  2. 【請求項2】 前記オートローダは前記工作物を前記チ
    ャック本体に受け渡すローダと前記工作物を前記チャッ
    ク本体から受け取るアンローダとから構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のNC工作機械。
  3. 【請求項3】 前記振れ検出器は、前記工作物の端面に
    対向して非接触状態に設置され、前記工作物の回転時に
    前記工作物の端面に噴き出されたエア圧を検出して前記
    工作物の振れ具合を検出するものであることを特徴とす
    る請求項1に記載のNC工作機械。
  4. 【請求項4】 前記刃物台にはX軸方向に延びる一対の
    バイトが対向して並設され、前記両バイトの刃先はX軸
    方向にオフセットし、前記両バイトの刃先のZ軸方向の
    間隔は前記工作物の板厚よりも大きく形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のNC工作機械。
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