JPH08155748A - アルミニウム管の製造方法及びこの方法により製造される電子写真感光体ドラム - Google Patents

アルミニウム管の製造方法及びこの方法により製造される電子写真感光体ドラム

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JPH08155748A
JPH08155748A JP6306460A JP30646094A JPH08155748A JP H08155748 A JPH08155748 A JP H08155748A JP 6306460 A JP6306460 A JP 6306460A JP 30646094 A JP30646094 A JP 30646094A JP H08155748 A JPH08155748 A JP H08155748A
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aluminum
aluminum tube
polishing
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tube according
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JP6306460A
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Masao Takemoto
政男 竹本
Ryoji Nagano
良治 長野
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム管表面の最大表面粗さを十分小
さく抑え、しかも、画像欠陥等の要因となるバリを確実
に除去する。 【構成】 アルミニウム素管10の外周面を機械的除去
加工(バイトによる切削加工、センタレス研磨加工、超
仕上げ研磨加工、皮剥き加工、研磨テープによる研磨加
工等)した後、上記アルミニウム素管10を処理液82
中に浸漬してその表面上のバリを溶解、除去する。そし
て、このアルミニウム素管10の外周面にローラバニシ
ング加工を施すことにより、最大表面粗さを向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、純アルミニウムもしく
はアルミニウム合金からなり、複写機やレーザプリンタ
における感光体ドラム、マグネットローラ、ヒートロー
ラ等に用いられるアルミニウム管の製造方法、及びこの
方法により製造される電子写真感光体ドラムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、上記感光体ドラム等の製造に
は、耐食性、加工性、及びコストの面から、JIS 1050
(純度99.5%以上の純Al)、JIS 1100(Cu0.05〜0.
20%を含むAl)、JIS 3003(Cu0.05〜0.20%及びM
n1.0〜1.5%を含むAl)、JIS 6063(Si0.20〜0.6
%及びMg0.45〜0.9%を含むAl)といった純アルミ
ニウム製もしくはアルミニウム合金製の管が用いられて
いる。
【0003】このように感光体ドラム等の基盤とされる
アルミニウム管の外周面には、高い表面精度が要求され
る。従って、このようなアルミニウム管の製造方法とし
ては、まず押出し加工や抽伸加工、引抜き加工したもの
を適当な長さに切断して最大表面粗さが5〜10μmの
素管を成形した後、この素管の外周面を旋盤等で粗切削
及び仕上げ切削することにより、上記外周面の最大表面
粗さを2μm以下まで仕上げるとともに、酸化皮膜や表
面加工層、表面傷を除去するのが一般的とされていた。
【0004】しかしながら、上記切削加工を行うには、
非常に長い時間を要するため、その分生産性が低下し、
コスト高となるおそれがある。また、上記押出し加工や
抽伸加工、引抜き加工等だけで表面粗さを1〜4μmま
で向上させることが可能であるが、そのためには工具形
状や工具表面状態の面倒な管理が必要であり、しかも潤
滑油を低粘度化し、かつ引抜き速度を非常に遅くしなけ
ればならない。
【0005】そこで従来は、上記アルミニウム管の表面
を迅速に加工する方法として、センタレス研磨等による
粗加工によってアルミニウム管外周面上の酸化皮膜や引
抜き時の傷を除去し、かつ表面粗さを向上させた後、そ
の外周面上に、周方向に並ぶ複数本のバニシングロール
を押し当てながら転動させ、これにより円筒物外周面上
の凹凸を押しならして表面精度を高めるローラバニシン
グ法を行うことが提案されている(特開平5−3053
11号公報参照)。このような方法によれば、特に時間
を要する仕上げ切削等を行うことなく、比較的迅速にア
ルミニウム管外周面の最大表面粗さを向上させることが
可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記切削加工やセンタ
レス研磨加工等の機械的除去加工を行うと、これに用い
るバイト、あるいは図14に示すような砥粒94がアル
ミニウム管外周面90上に食い込んでから脱落する等し
て、このアルミニウム管外周面90上に基盤バリ92が
発生する。この状態で、次のローラバニシング工程に移
行することになるが、このローラバニシング加工を行っ
ても細かい基盤バリ92を除去しきれず、残してしまう
場合があり、この場合に、残存した上記バリ92に起因
して塗工後の画像評価時点で黒点等の画像欠陥が発生す
ることが確認されている。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、ローラ
バニシング加工によりアルミニウム管表面の最大表面粗
さを十分小さく抑え、しかも、画像欠陥等の要因となる
バリを確実に除去することができるアルミニウム管の製
造方法及びこの方法により製造される電子写真感光体ド
ラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、アルミニウム素管の外周面を
機械的除去加工した後、このアルミニウム素管を処理液
中に浸漬してアルミニウム素管表面を溶解してからロー
ラバニシング加工するアルミニウム管の製造方法であ
る。
【0009】ここで「アルミニウム管」とは、純アルミ
ニウム製及びアルミニウム合金製の双方を含むものとす
る。また「アルミニウム素管表面の溶解」は、化学的手
段(無電解的手段)であっても電解的手段であってもよ
い。
【0010】上記機械的除去加工としては、バイトによ
る切削加工、センタレス研磨加工、超仕上げ研磨加工、
皮剥き加工、研磨テープによる研磨加工、あるいはこれ
らのうちの任意の2種以上の組み合わせ(例えばセンタ
レス研磨加工後に超仕上げ研磨加工を行う加工)等が好
適である。上記ローラバニシング加工の際のアルミニウ
ム素管の回転数は、200rpm以下に設定すること
が、より好ましい。
【0011】また本発明は、上記方法で製造したアルミ
ニウム管の外周面に感光層を配設した電子写真感光体ド
ラムである。
【0012】
【作用】上記方法によれば、アルミニウム素管の外周面
をまず機械的除去加工(バイトによる切削加工、センタ
レス研磨加工、超仕上げ研磨加工、皮剥き加工、研磨テ
ープによる研磨加工等)することにより、バリが発生す
るが、このバリはその後の処理液への浸漬中に化学的も
しくは電解的に溶解、除去される。この際、アルミニウ
ム素間外周面の表面粗さは多少悪化する場合があるが、
次のローラバニシング加工においてアルミニウム管外周
面の大きな凹凸(バリ以外の凹凸)を潰すことにより、
アルミニウム外周面の表面粗さを十分小さく抑えること
ができる。従って、このアルミニウム管の外周面に感光
層を配設することにより、良質の電子写真感光体ドラム
を得ることができる。また、上記ローラバニシング加工
の際のアルミニウム素管の回転数を200rpm以下に
設定することにより、ローラバニシングの際の押圧に起
因するアルミニウム管表面のうねりが減少し、表面性状
はさらに向上する。
【0013】
【実施例】本発明者等は、種々加工条件を変更してアル
ミニウム管の製造を行い、本発明の条件に該当する実施
例及び該当しない比較例としてのデータを採取した。そ
の手順を以下に説明する。
【0014】1)JIS 6063 (Si0.20〜0.6%及びMg
0.45〜0.9%を含むAl)を原料として中実丸棒のビレ
ット(外径 200mm)を製造する。
【0015】2)上記ビレットを用いて熱間押出しし、
かつ引抜き加工を行った直後、バイトによる切削加工、
センタレス研磨加工、超仕上げ研磨加工、研磨テープ加
工、皮剥き加工のうちから少なくとも一種を選択した機
械的除去加工を行う。各加工の内容は次の通りである。
【0016】バイトによる切削加工:旋盤にアルミニ
ウム素管をセットし、その外周面をバイトにより切削
し、かつ、所定表面粗さが得られるように切削速度を設
定する。
【0017】センタレス研磨加工:図2に示すよう
に、ブレード50上にアルミニウム管10を配置し、送
りロール51及び研磨ロール52をアルミニウム管10
の長手方向に沿って配設する。そして、これらのロール
51,52でアルミニウム管10を挾みつつ、その中心
軸を回転軸として相互に反対方向に回転させる。このと
き、アルミニウム管10は高速回転の研磨ロール52と
同じ回転速度で回転しようとするが、低速回転の送りロ
ール51及びブレード50から受ける摩擦力により制動
されるため、アルミニウム管10は送りロール51と略
同じ速度で回転する。これにより、アルミニウム管10
の外周面を研磨ロール52によって研磨することがで
き、しかも、送りロール51の中心軸が若干傾斜してい
るため、アルミニウム管10をその長手方向に搬送して
順次研磨加工に供することができる。
【0018】超仕上げ研磨加工:この加工では、例と
して図3(a)(b)に示すように、アルミニウム管1
0を支持する円筒物支持装置20と、上記アルミニウム
管10を超仕上げ研磨する研磨装置60とからなる装置
を用いればよい。
【0019】円筒物支持装置20は、左右一対の回転軸
21,22に固定された支持ローラ23,24を備え、
各支持ローラ23,24は、前後両端から中央部に向か
うにつれて径が連続的に減少する鼓状に形成されてい
る。両回転軸21,22は互いに上下方向に所定角度α
だけ傾斜する状態で配されており、両回転軸21,22
にアルミニウム管10を載置した状態で両回転軸21,
22及び支持ローラ23,24をそれぞれ同じ方向に回
転させることにより、上記アルミニウム管10をその中
心軸回りに上記支持ローラ23,24の回転方向と逆方
向(図3(b)の反時計回り方向)に回転しながら軸方
向に移送できるようになっている。
【0020】研磨装置60は、上記円筒物支持装置20
の上方に複数(図例では6個)のブロック状砥石61〜
66が軸方向に並設されたものであり、各砥石61〜6
6の下面は上記アルミニウム管10の外周面に沿う円弧
状とされ、下流側(図3(a)では左側)の砥石ほど目
の細かいものが用いられている。
【0021】このような装置において、上記円筒物支持
装置20によりアルミニウム管10を回転状態で搬送し
ながら、加圧エア等による比較的低い圧力で砥石61〜
66の下面を順次アルミニウム管10の表面に押付け、
かつ砥石61〜66に軸方向の振動を与えることによ
り、アルミニウム管10の外周面を超仕上げ研磨する。
【0022】研磨テープ加工:この加工では、図4〜
図6に示すように、前記図3で示した円筒物支持装置2
0の上方に研磨装置30を設けたもの等を用いればよ
い。
【0023】研磨装置30のハウジング38には共通回
転軸31、共通回転支持軸32、及び共通回転軸33が
支持され、ハウジング38内には、4つの巻取りローラ
34A,34B,34C,34D、4つの加圧ローラ3
5A,35B,35C,36C、及び4つの繰り出しロ
ーラ36A,36B,36C,36Dが収納されてお
り、各軸31〜33のうち、共通回転軸31,33はハ
ウジング38の前後壁に図略の軸受を介して回転可能に
支持され、共通回転支持軸32は、両共通回転軸31,
33よりも下方の位置でかつこれら共通回転軸31,3
3の左右方向中間の位置で上記前後壁に昇降可能に支持
されている。具体的には、上記前後壁に縦方向の長孔3
8aが貫設され、これら長孔38aに共通回転支持軸3
2の前後両端部が挿通されている。
【0024】巻取りローラ34A〜34Dは、共通回転
軸31に一体に固定され、巻取り駆動モータ39により
上記巻取りローラ34A〜34Dと一体に巻取り方向
(図4の時計回り方向)に回転駆動される。同様に繰り
出しローラ36A〜36Dは共通回転軸33に一体に固
定され、図略のブレーキ手段により、後述の繰り出し方
向の回転時(図4時計回り方向の回転時)、これとは逆
方向の制動トルクを受ける。4つの加圧ローラ35A〜
35Dは、上記共通回転支持軸32の周囲に軸受を介し
て相対回転可能に装着され、共通回転支持軸32の両端
は、ハウジング38の側壁側方に設けられた圧縮ばね4
0の弾発力によって下方に加圧されている。
【0025】上記各繰り出しローラ36A,36B,3
6C,36Dには、それぞれ研磨テープ37A,37
B,37C,37Dが巻回されている。これらの研磨テ
ープ37A〜37Dは、ポリエステルフィルム等からな
るテープの表面に微小な研磨粒子を接着剤等で均一にコ
ーティングしたものであり、この研磨粒子の付着面が径
方向外側を向く状態で各繰り出しローラ36A〜36D
に巻回されている。また、これらの研磨テープ37A〜
37Dには研磨テープ37Aから研磨テープ37Dに向
かうにつれて次第に番手が高い(すなわち研磨粒子径が
小さい)ものが用いられている。各繰り出しローラ36
A,36B,36C,36Dから繰り出された研磨テー
プ37A,37B,37C,37Dは、それぞれ加圧ロ
ーラ35A,35B,35C,35Dに下方から掛けら
れ、それぞれ巻取りローラ34A,34B,34C,3
4Dに巻付けられている。
【0026】この装置において、共通回転支持軸32を
圧縮ばね40が下方に加圧することにより、各加圧ロー
ラ35A〜35Dは研磨テープ37A〜37Dを円筒物
支持装置20に支持された円筒物10の外周面に押し当
てる。ここで、巻取りローラ34A〜34Dを共通回転
軸31と一体に巻取り方向に低速(0.1rpm未満)で回転
駆動し、繰り出しローラ36A〜36D及び共通回転軸
33にはその繰り出し方向と逆方向の制動トルクをかけ
て回転抵抗を与えることにより各研磨テープ37A〜3
7Dにその長手方向の張力を付与する。そして、円筒物
支持装置20でアルミニウム管10を回転しながらその
中心軸方向に移送することにより、アルミニウム管10
の外周面を回転状態のまま目の粗い研磨テープ37Aか
ら目の細かい研磨テープ37Dまで順に接触させること
ができ、これにより上記外周面を段階的に研磨し、最終
的に高精度まで表面加工することができる。
【0027】皮剥き加工:引抜き工程直後(押出し工
程後の引抜き工程直前であってもよい。)に、アルミニ
ウム管10を図7に示すようなリング状のダイス68に
通し、このダイス68でアルミニウム管外周面を所定深
さtだけ削りながらアルミニウム管を直径d1から直径
2へ縮径する。
【0028】以上のいずれかの加工を択一的に選択し、
あるいは適宜組み合わせて実行することにより、アルミ
ニウム素管表面の酸化皮膜や傷を除去し、表面粗さの向
上を図る。
【0029】なお、本発明における「機械的除去加工」
は、アルミニウム管外周面を削ることにより酸化皮膜や
傷等を除去できるものであれば良く、上に列挙したもの
の他、ショットワイヤーブラシを適用することも可能で
ある。
【0030】3)上記機械的除去加工終了後、バリを除
去する工程としてアルミニウム素管10表面の溶解処理
を行う。具体的には、図1(a)に示すように、槽80
内に処理液82(例えば60℃まで加熱した6%の苛性
ソーダ(NaOH))を入れておき、治具84により支
持したアルミニウム素管10を上記処理液82内に適当
な時間(上記処理液82では30秒以上)浸漬させるこ
とにより、アルミニウム素管10表面を化学的に(すな
わち無電解的に)溶解してもよいし、同図(b)に示す
ように、アルミニウム素管10自身を陽電極にして処理
液(電解液)82中に浸漬し、その両側に負電極86を
配して、アルミニウム素管表面の局部に電流を集中させ
てバリを電解的に溶解させるようにしてもよい。前者の
化学的処理では、上記処理液82としてNaOH、HC
l、HCl+H22(H22は反応促進剤)等が好適で
ある。後者の電解的処理では、上記処理液82としてN
aOH等が好適であり、負電極86の材質としてはステ
ンレス鋼、カーボン、鉛等が好適である。また、この時
に液撹拌し、液温の均一化を図るようにすれば、なお効
果的である。
【0031】4)上記溶解処理終了後、最終仕上げとし
てローラバニシング加工を行う。その加工装置としては
例えば図8〜図10に示すようなものを用いればよい。
【0032】図示のローラバニシング加工装置70は、
円筒状のハウジング72の内側に円筒状のリテーナ74
が挿入され、このリテーナ74により、複数個のバニシ
ングローラ76が周方向に並んだ状態で回転可能に保持
されたものであり、バニシングローラ76の内接円の半
径はアルミニウム管10の外周面の半径よりも小さく設
定され、両半径の差が、図10に示すバニシング量Dと
なっている。図9に示すように、各バニシングローラ7
6の軸方向はアルミニウム管10の軸方向に対して角度
θだけ傾斜しており、この傾斜により、バニシングロー
ラ76の回転に伴ってアルミニウム管10が図8矢印方
向に自転しながら軸方向に搬送されるようになってい
る。
【0033】このようなバニシングローラ76を用いて
アルミニウム管10の外周面を径方向外側から押圧する
ことにより、図10に示すようにアルミニウム管10の
未加工面10aの凹凸を潰して表面粗さの小さい仕上げ
面10bを生成する。
【0034】以上のような工程を種々の条件で実行して
得られた結果を次の表1に示す。この表では、機械的除
去加工後、上記溶解処理をしてからバニシング加工した
ものを実施例、機械的除去加工後直ちにバニシング加工
したものを比較例としている。また、評価項目として
「バリ発生状況」では、アルミニウム管外周面の全表面
積(245cm2)におけるバリ残存数が0のものを
「○」、1以上20未満のものを「△」、20以上のも
のを「×」とし、「塗工評価」では、アルミニウム管外
周面への感光層塗工後、上記全表面積においていわゆる
「青ブツ」が発生した個数が0のものを「○」、1以上
20未満のものを「△」、20以上のものを「×」とし
ている。また、「塗膜均一性、密着性」では、その程度
が高いものから低いものにかけて「○」「△」「×」の
3ランクに分類している。
【0035】
【表1】
【0036】この表1を参照すれば明らかなように、実
施例1〜13では、機械的除去加工の種類にかかわら
ず、すべて良好な結果が得られている。これは、機械的
除去加工が終了した後、処理液82中での溶解処理によ
って細かい凹凸(バリ)を除去でき、しかも、その後の
ローラバニシングによって比較的大きな凹凸を潰すこと
により、最大表面粗さも小さく抑えることができるため
であると考えられる。
【0037】これに対し、機械的除去加工後直ちにロー
ラバニシング加工を行った比較例13〜26では、機械
的除去加工の種類にかかわらず、バリ除去数が多いため
に塗工評価も悪く、また最終表面粗さRmax も十分に低
減されていないために塗膜均一性及び密着性が低い。こ
れは、ローラバニシング加工だけでは細かい凹凸(バ
リ)を逃がしてしまい、効果的に除去できないためであ
ると思われる。
【0038】なお、本発明は上記実施例に限定されず、
例として次のような態様をとることも可能である。
【0039】(1) 本発明においてバニシング量は適宜設
定すればよいが、図11に示す実験データから明らかな
ように、前加工(機械的除去加工)後の表面粗さの大小
にかかわらず、バニシング量が10μm〜30μmの範
囲で最終表面粗さRmax が最も低くなるので、この範囲
でローラバニシング加工を行うことがより好ましい。
【0040】(2) ローラバニシング時のアルミニウム管
10の回転速度も適宜設定すればよいが、図12,13
に示すように、アルミニウム回転数が高いほどアルミニ
ウム管表面のうねりが大きくなってその分最終表面粗さ
Rmax が悪化するため、できればアルミニウム回転数を
200rpm以下に設定するのがよい。
【0041】(3) 本発明において、機械的除去加工後に
アルミニウム素管を処理液に浸漬させる時間は、処理液
の種類や濃度、温度等に応じて適宜設定すればよい。例
えば次の表2は、上記処理液として60℃、6%のNa
OH水溶液を用いて化学的溶解処理をした場合の浸漬時
間とバリ残存状況との関係を示したものであるが、この
結果を見れば、上記条件下では、少なくとも30秒以上
アルミニウム素管を浸漬させればよいことがわかる。
【0042】
【表2】
【0043】なお、一般に、処理液の温度や濃度が高い
ほど、また浸漬時間が長いほど、溶解量が増える一方で
表面粗さは悪化するので、好適な溶解量が得られるよう
に各因子を設定することが好ましい。
【0044】(4) 本発明方法により製造したアルミニウ
ム管は、その表面に感光層を配設することにより良質の
電子写真感光体ドラムとして用いることができるが、そ
の他、複写機やレーザプリンタにおける給電ローラとし
てのマグネットローラや、定着ローラとしてのヒートロ
ーラ等にも良好に用いることができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明は、アルミニウム素
管の外周面を機械的除去加工した後、このアルミニウム
素管を処理液中に浸漬してその表面を溶解してからロー
ラバニシング加工するものであるので、上記機械的除去
加工によりアルミニウム素管表面の酸化皮膜や傷を除去
した後、上記溶解処理でアルミニウム管外周面の小さな
凹凸であるバリを効果的に除去でき、かつ、その後のロ
ーラバニシング加工でアルミニウム外周面の表面粗さを
十分小さく抑えることができる。従って、このようにし
て製造したアルミニウム管の外周面に感光層を配設する
ことにより良質の電子写真感光体ドラムを得ることがで
き、また、上記ローラバニシング加工の際のアルミニウ
ム素管の回転数を200rpm以下に設定することによ
り、ローラバニシングの際の押圧に起因するアルミニウ
ム管表面のうねりを抑えて、表面性状をさらに向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はアルミニウム素管の表面を化学的に溶
解処理している状態を示す説明図、(b)はアルミニウ
ム素管の表面を電解的に溶解処理している状態を示す説
明図である。
【図2】本発明方法において用いられるセンタレス研磨
装置の一例を示す斜視図である。
【図3】(a)は本発明方法において用いられる超仕上
げ研磨加工装置の一例を示す一部断面側面図、(b)は
上記超仕上げ研磨加工装置の断面正面図である。
【図4】本発明方法において用いられるテープ研磨加工
装置の一例を示す正面図である。
【図5】上記テープ研磨装置の一部断面側面図である。
【図6】上記テープ研磨装置の断面平面図である。
【図7】本発明方法において用いられる皮剥き加工の一
例を示す断面図である。
【図8】本発明方法において用いられるローラバニシン
グ加工装置の一例を示す断面正面図である。
【図9】上記ローラバニシング加工装置におけるバニシ
ングローラとアルミニウム管との傾斜状態を示す側面図
である。
【図10】ローラバニシング加工の加工状況を説明する
ための説明図である。
【図11】バニシング量とローラバニシング加工後の最
大表面粗さとの関係を示すグラフである。
【図12】ローラバニシング加工中のアルミニウム管回
転数とローラバニシング加工後の最大表面粗さとの関係
を示すグラフである。
【図13】上記ローラバニシング加工前及び各アルミニ
ウム回転数でのローラバニシング加工後のアルミニウム
管表面状態を示す図である。
【図14】従来の加工法において機械的除去加工後にア
ルミニウム管外周面に発生するバリを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 アルミニウム管 30 研磨装置 50 センタレス研磨用のブレード 60 研磨装置 68 皮剥き加工用のダイス 70 ローラバニシング加工装置 80 槽 82 処理液

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム素管の外周面を機械的除去
    加工した後、このアルミニウム素管を処理液中に浸漬し
    てアルミニウム素管表面を溶解してからローラバニシン
    グ加工することを特徴とするアルミニウム管の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記機械的除去加工がバイトによる切削
    加工であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウ
    ム管の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記機械的除去加工がセンタレス研磨加
    工であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム
    管の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記機械的除去加工が超仕上げ研磨加工
    であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム管
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記機械的除去加工が皮剥き加工である
    ことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム管の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上記機械的除去加工が研磨テープによる
    研磨加工であることを特徴とする請求項1記載のアルミ
    ニウム管の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記機械的除去加工が、バイトによる切
    削加工、センタレス研磨加工、超仕上げ研磨加工、皮剥
    き加工、研磨テープによる研磨加工のうちの任意の2種
    以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1記
    載のアルミニウム管の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記機械的除去加工がセンタレス研磨加
    工後に超仕上げ研磨加工を行うことであることを特徴と
    する請求項7記載のアルミニウム管の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記処理液中でアルミニウム素管表面を
    化学的に溶解することを特徴とする請求項1〜8のいず
    れかに記載のアルミニウム管の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記処理液中でアルミニウム素管表面
    を電解的に溶解することを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載のアルミニウム管の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記ローラバニシング加工の際のアル
    ミニウム素管の回転数を200rpm以下に設定するこ
    とを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のアル
    ミニウム管の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載のア
    ルミニウム管の製造方法で製造したアルミニウム管の外
    周面に感光層を配設したことを特徴とする電子写真感光
    体ドラム。
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