JP2004009227A - アルミニウム管の製造方法及び電子写真感光ドラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】素管に対し、合成繊維の不織布を基材とし表面に平均粒径40μm以下の研磨材を使用した研磨ロールと、ゴム硬度30〜100Hsのゴム製の調整ロールとを有するセンタレス研磨装置を使用して外径で20μm以下の研磨量でバフ加工し、次いで当該素管をバニシング加工することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、純アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、複写機やレーザプリンタの感光ドラム、マグネットローラやヒートローラ等に用いられるアルミニウム管の製造方法、及び電子写真感光ドラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のアルミニウム管の製造方法では、機器の一層の高性能化と低コスト化の要請により、高い表面品質を有するものを製造し得る方法が求められ、このような要請に応えるものとして、アルミニウム素管の外周面を削り加工した後バニシング加工することが提案(特開平5−305311号公報、特開平8−1510号公報)されている。
例えば前記特開平8−1510号公報には、熱間押出や冷間引抜きされたアルミニウム素管の外周面を、バイト研削加工、センタレス研磨加工、超仕上げ研磨加工、皮剥き加工、研磨テープによる研磨加工等により除去加工してその最大表面粗さを1.5〜4μmとした後、素管回転数200rpm以下でバニシング加工することによりその最大表面粗さを0.3〜0.6μmとなるように仕上げる方法が提案されている。
すなわち、前記除去加工によりアルミニウム素管外周面の酸化皮膜や押出加工又は引抜き加工時の傷を除去した後、バニシング加工により管外周面の凹凸を潰すとともに除去加工時のバリを除去するのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今のカラー印刷化においては高画質化が要求され、電子写真感光用アルミニウム管において、バイト研削は工程上芯管理が必要なためにコストがかかり生産性に限界がある。砥石によるセンタレス研磨加工では、表面粗度を抑えつつ均一な表面性状を得ることは難しく、また少ない加工数で表面粗度を小さくしながらより均一な表面性状に加工することも非常に難しい。超仕上げ研磨加工、皮剥ぎ加工、研磨テープ加工は研磨量が少ないと研磨残りが発生する等の問題がある。
また、除去加工後の最大表面粗さ1.5〜4μmの表面を持つ素管をバニシングにより最大表面粗さ0.3〜0.6μmとなるように加工すると、バニシング加工の前後の表面粗さの差が大きいため、ロールによる押圧力を大きくする必要がある。
そして、この大きな押圧力によりアルミニウム管表面のうねりや振れが大きくなるとともに、管の真円度も低下し、感光ドラムとして使用した場合、印刷時の画像に濃淡ムラが発生する等の不具合が生じ易い。また、管のうねりや振れを抑制するためバニシング加工時の管の回転数を落とすと製造コストの増大を招く。
【0004】
本発明の目的は、素管に少ない加工数のバフ加工を施すことにより表面粗度が小さく表面がより均一に加工された素管とし、バニシング加工時の管のうねりや振れ及び真円度等の表面品質の改善を図り、より低コストで量産することができるアルミニウム管の製造方法と、当該製造方法により製造された支持体をもつ電子写真感光ドラムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアルミニウム管の製造方法は前述の課題を解決するため、以下のように構成したものである。
すなわち、請求項1に記載のアルミニウム管の製造方法は、アルミニウム素管の外周面をバフ加工した後バニシング加工するアルミニウム管の製造方法であって、前記バフ加工には、合成繊維の不織布を基材とした研磨ロールとゴム硬度30〜100Hsのゴムロールからなる調整ロールを有するセンタレス研磨装置を使用するとともに、研磨ロール表面には平均粒径40μm以下の研磨材を使用し、研磨量を外径で20μm以下とすることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載のアルミニウム管の製造方法は、請求項1の製造方法において、前記バフ加工によりアルニウム素管の外周面を表面粗度Rmax0.5〜1.3μm,Rz0.4〜1.0μm,Ra0.1〜0.3μmとなるように加工し、次いで、前記バニシング加工によりアルミニウム素管の外周面を表面粗度Rmax0.4〜1.1μm,Rz0.3〜0.9μm,Ra0.05〜0.2μmとなるように加工することを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に記載の電子写真感光ドラムは、請求項1又は2に記載のアルミニウム管の製造方法により製造されたアルミニウム管を支持体としたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係るアルミニウム管の製造方法の好ましい実施形態を説明する。
素管には熱間押出管や熱間押出後に抽伸加工した引抜管が使用される。感光ドラムの材質は、耐食性,加工性及び強度の面からJIS1050,1100,3003,5000系,6063等の純アルミニウム又はアルミニウム合金が選ばれる。
【0009】
前述のようなアルミニウム素管を、例えば図1で示すようなセンタレス研磨装置によりバフ加工する。
ブレード4上に供給されるアルミニウム素管1は、研磨ロール2と調整ロール3で挟まれた状態である。研磨ロール2と調整ロール3はともに時計方向に回転しているので、アルミニウム素管1は反時計方向に回転する。研磨ロール2の周速は調整ロール3の周速よりも大きく、ブレード4上にあるアルミニウム素管1は、低速の送りロール3及びブレード4に制動されるので周速の大きい研磨ロール2により研磨される。また、調整ロール3の回転軸心はアルミニウム素管1に対して当該素管の送り方向へ若干先下がりするように傾斜しているため、アルミニウム素管1は研磨されながら図の左手前側から右後方に送られる。
【0010】
研磨ロール2は合成繊維の不織布をバフ基材としており、その周面には平均粒径40μm以下の酸化アルミニウムやシリコンカーバイド等からなる研磨材を分散付着させている。一方、調整ロール3はゴム硬度30〜100Hsのゴムロールにより構成されている。調整ロールに砥粉を入れると調整ロールが素管1を持ち上げるために加工暴れが発生するので入れない方が好ましい。
以上のようなセンタレス研磨装置を用い、研磨量を外径で20μm以下とすることにより、アルミニウム素管1の外周面を表面粗度Rmax0.5〜1.3μm,Rz0.4〜1.0μm,Ra0.1〜0.3μmとなるようにバフ研磨する。
従来のセンタレス砥石研磨によれば、素管の外周面を一皮剥ぐことにより外面傷を除去するとともに振れや真円度を改善するが、素管の表面粗度は大きくなり易い。また、砥粒による研削傷が形成され易いとともに、研磨量が少ないと研磨残りが発生し易い。
これに対しバフ加工では、素管に合わせてバフが変形しながら加工するため、研磨量が少なくても全面がより均一に加工され、研磨残りは発生せず、しかも表面粗度を小さく抑えることができる。
例えば特開平8−1510号公報に記載されている除去加工は、バニシング加工前に素管表面の酸化皮膜や傷を除去することを目的としているが、本発明の製造方法において、バフ加工はその後のバニシング加工により管の表面に所望の表面粗度(Rmax0.4〜1.1μm,Rz0.3〜0.9μm,Ra0.05〜0.2μm)と表面粗度波形(平坦部と凹み部から構成される波形)が得られ易いようにすることを目的としている。
【0011】
前述のバフ加工後、アルミニウム素管1に対し図2のようなバニシング加工装置によりバニシング加工を施す。
バニシング加工装置は、円筒状のヘッド5の内側にフレーム6を装着し、それぞれヘッド5へ接触するようにフレーム6へ等角度間隔に多数のバニシングロール7を回転自在に保持させたものである。各バニシングロール7は小径な円筒状であるが、素管の移送方向に向かって徐々に小径となっているテーパロールであり、各ロール7の内側にアルミニウム素管1を挿入し、フレーム6を例えば反時計方向へ回転させ、各ロール7を当該素管1の回りに接触させて公転させつつ自転させることにより、当該素管1をバニシング加工する。
各バニシングロール7はアルミニウム素管1の軸方向に対して一定角度傾斜しており、かつ、各ロール7の内接円の径はアルミニウム素管1の外径よりも所定量小さく設定されている。したがって、アルミニウム素管1は各ロール7の公転及び自転に伴い、自転しつつその軸方向に沿って移送され、この移送の過程で表面の凸部が潰されるようにバニシング加工される。
前述の各ロール7の内接円の径とアルミニウム素管1の直径との差が、圧下量(バニシング量)である。
【0012】
バニシングロール7の設置数はアルミニウム素管の外径に関係なく5〜15本であるのが好ましいとされている(特許第2770870号)。しかしながら、発明者の知見によれば、アルミニウム素管の外径とバニシングロールの配置数は、この種のアルミニウム管の表面品質に少なからず影響を与えるものである。
この実施形態では、外径をmm単位で表したときの素管外径の50〜70%の数のバニシングロールを素管1の周方向へ均等に配置している。例えば素管外径が約30mmであるときは、バニシングロール7の配置数を30×0.5〜30×0.7、すなわち15〜21とするのが好ましい。以下この明細書では、素管外径(mm)に対するバニシングロールの配置の割合を「ロール配置率」と呼ぶこととする。
以上のように構成されたバニシング加工装置を使用して、前記バフ加工後のアルミニウム素管1に対し、圧下量(バニシング量)10〜40μmの範囲で、その表面粗度Rmax0.4〜1.1μm,Rz0.3〜0.9μm,Ra0.05〜0.2μmとなるようにバニシング加工を施して仕上げる。
【0013】
前記実施形態のアルミニウム管の製造方法によれば、第1の工程において、アルミニウム素管の外周面を、砥石等の硬い工具で研削するのではなく、柔らかいバフに研磨材を併用して研磨するので、一回の加工でより小さくかつより均一な表面粗度(Rmax0.5〜1.3μm,Rz0.4〜1.0μm,Ra0.1〜0.3μm)を得ることができる。
このような表面品質のアルミニウム素管の外周面を、次の工程において前述のようにバニシング加工することにより、素管表面の凸部が効率的に潰される。
したがって、第1に、好ましくかつより均一な表面粗度(Rmax0.4〜1.1μm,Rz0.3〜0.9μm,Ra0.05〜0.2μm)を有し、表面に所望の波形状(平坦部と凹み部から構成される波形状)を有するアルミニウム管を製造することができる。
第2に、バニシング加工前後の表面粗度の差が小さく、バニシングロールの素管に対する押圧力をあまり大きくする必要がないので、アルミニウム管表面のうねりや振れを防止することができ、管の真円度も向上し、感光ドラムとして使用した場合、印刷時の画像に濃淡ムラ等の発生が防止される。
第3に、バニシング加工時のロール配置数を素管外径に対して適切な割合とすることにより、真円度の向上と均一でうねりの少ない表面性状のアルミニウム管を製造することができる。
【0014】
バフ研磨の際の研磨ロール2には、前述のように耐摩耗性がある合成繊維の不織布をバフ基材として用いるのが好ましく、このようなバフ基材と併用される研磨材は平均粒径40μm以下のシリコンカーバイド等であるのが好ましい。
研磨材の平均粒径が40μmを超えると、バフ加工により素管1の表面粗度をそれぞれRmax1.3μm以下,Rz1.0μm以下,Ra0.3μm以下とするのが困難になり、ひいてはバニシング加工により所望の表面粗度を得るのが難しくなる。したがって、バフとともに用いる研磨材は平均粒径40μm以下であるのが好ましい。
バフ加工に使用される調整ロール3は、ゴム硬度30〜100Hsのゴムロールであるのが好ましい。材質のゴム硬度が100Hsを超えると、加工時に素管1が暴れて均一な表面加工が困難(表面ムラの発生)になり、表面粗度が粗くなるおそれがある。材質のゴム硬度が30Hsを下回ると、アルミニウム素管1の保持性が良すぎ、過剰研磨のため表面粗度が粗くなるおそれがある。
バフ研磨による研磨量は素管の外径で20μmを超えると、バニシング加工前の素管の表面粗度が粗くなり易く、バニシング加工によって所望の表面粗度を達成できないおそれがある。したがってバフ研磨の研磨量は素管外径で20μm以下であるのが好ましい。また、さらに好ましくは研磨量を2μm以上20μm以下とすることが望ましい。これは、前加工である押出,引抜や矯正などの工程における外表面の表面粗度波形を、バフ研磨によって小さな凹凸形状に変えるためである。
前述のバフ加工により、アルミニウム素管1の外周面を表面粗度Rmax0.5〜1.3μm,Rz0.4〜1.0μm,Ra0.1〜0.3μmとなるように加工するのが好ましい。バニシング加工前の素管の表面粗度が前記範囲を外れると、バニシング加工により所望の表面粗度を有するアルミニウム管を製造できないおそれがあるからである。
この実施形態におけるバフ加工はあくまでもセンタレスバフ研磨であり、センタレス砥石研磨とは全く異なるものである。
【0015】
前記実施形態の製造方法において、バニシング加工装置のロール配置率はmm単位で表した素管外径の50〜70%であり、圧下量は10〜40μmである。ロール配置率が素管外径(mm)の50%未満である場合には、ロール一本当たりの押圧量が大きくなり、真円度の向上と表面粗度の改善ができないおそれが生じる。他方、ロール配置率が70%を超えると、ロール一本当たりの押圧量が小さくなりロールによる転圧効果が激減して表面改善が図れないおそれがあるほか、ロールの転圧加工を受けない部分が発生して表面ムラが生じ易くなる。
バニシング加工の圧下量が40μmを超えると、振れ及び真円度の悪化と表面性状のうねりが大きくなり、感光ドラムを構成した場合印刷時の画像に濃淡ムラが発生し易くなる。他方、圧下量が10μm未満では凸部の潰しの力が小さくなり、安定的に表面粗度を制御することができなくなるおそれがある。
そして、バニシング加工によりアルミニウム管の表面粗度をRmax0.4〜1.1μm,Rz0.3〜0.9μm,Ra0.05〜0.2μmとすることにより、その外周面に感光層を形成して感光ドラムを構成したときに、光を適度に乱反射させ印刷時の画像に濃淡ムラや黒点等のない良好な品質の感光ドラムを提供することができる。
感光ドラムを構成するアルミニウム管の表面粗度が、それぞれ前述の下限値未満であると、当該感光ドラムは光の干渉による縞状の印刷不良が発生し、上限値を超えると当該感光ドラムは印刷不良を起こす。
【0016】
試験例
実施例No.1〜6
JIS3003合金からなり、表1のように外径のそれぞれ異なるアルミニウム素管を、熱間押出により又は熱間押出後に冷間引抜きにより製造した後必要に応じ寸法矯正加工を行い、これらをそれぞれ長さ260.5mmに切断して実施例No.1〜6の素管を得た。これらの素管の外周面を、平均粒径40μm、24μm、16μm、8μmの研磨材を表面に有するバフ基材をそれぞれ使用した外径305mm,長さ100mmの研磨ロールと、表1のようにそれぞれゴム硬度(NBR硬度)の異なるゴム製の調整ロールとを有するセンタレス研磨装置を使用し、研磨ロールの回転数を2000rpmに設定してそれぞれバフ研磨した。バフ研磨の際の研磨材(シリコンカーバイド)の平均粒径、研磨量は表1で示すようにそれぞれ異なるものであった。これらバフ研磨後の素管の真円度、振れ、表面粗度を測定して表1に表示するとともに、それらの素管の研磨残り状況を表1に示した。ここに研磨残り状況とは、前工程の加工の影響を受けた外表面が完全に除去されている(すなわち、円周方向で測定したRmaxが1μm以下の場合)か否かを言い、完全に除去されている場合には○印を付し、完全に除去されていない場合には×印を付した。尚、真円度の測定は東京精密製ロンコム50Aを用い、最小二乗中心法で測定した。振れは管を周方向に1回転させた時の管長手方向中央部の振れ幅をダイヤルゲージで測定した。表面粗度の測定には小坂研究所製サーフコーダSE−30Kを使用した。
次いで、これらバフ研磨後の素管を、ロール数(ロール配置率)と圧下量とを表2の条件でバニシング加工し、それぞれについて、真円度、振れ及び表面粗度を測定し、それらの測定値を表2に表示した。
バニシング加工後の各実施例のアルミニウム管を支持体として、それらの外周面に厚み20μmの下地層を形成した感光体を試作し、それらの各感光体について成分現像クリーニング方式のレーザビームプリンタにより、黒点及び濃淡ムラの有無の確認により画像品質評価を行い、その結果を表2に示した。
【0017】
従来例No.7〜11
JIS3003合金からなり、外径30.20mmのアルミニウム素管を、熱間押出により又は熱間押出後に冷間引抜きにより製造した後必要に応じ寸法矯正加工を行い、それぞれ長さ260.5mmに切断して従来例No.7〜11の素管を得た。従来例No.7〜10の素管の外周面を、表1記載の平均粒径からなる研磨材を有し、外径610mm,長さ405mmの砥石からなる研磨ロールと、表1記載の平均粒径からなる研磨材を有し、外径330mm,長さ405mmの砥石からなる調整ロールとを有するセンタレス研磨装置を使用し、研磨ロールの回転数を940rpmに設定してそれぞれ研磨した。研磨ロールと調整ロールにはそれぞれ表1のように研磨材の平均粒径の異なるものを使用した。これらの研磨後のNo.7〜10の管の真円度、振れ、表面粗度、研磨残り状況を実施例と同様に測定し、それらを表1に示した。
従来例No.11の素管の外周面は、4Rバイトを使用し、回転数1000rpm,送り速度0.05mm/revで切削しながら、エアーの吹きつけにより切削粉を除去する要領で切削加工した。切削量(研磨量)等の他の条件は表1に示したとおりである。切削加工後のNo.11の真円度、振れ、表面粗度、研磨残り状況を実施例と同様に測定・評価し、表1に示した。
次いで、No.7、9の素管を、表2に示したロール数(ロール配置率)と圧下量の条件でバニシング加工し、それぞれについて、真円度、振れ及び表面粗度を測定し、それらの測定値を表2に表示した。
なお、No.8は素管の暴れのため均一なセンタレス加工ができず、No.10はセンタレス加工で研磨残りが発生したためバニシング加工が出来なかったので、表2の該当欄に「−」を表示した。
バニシング加工後の従来例No.7,9のアルミニウム管を支持体として、それらの外周面に厚み20μmの下地層を形成した感光体を試作し、それらの各感光体について成分現像クリーニング方式のレーザビームプリンタにより、黒点及び濃淡ムラの有無の確認により画像品質評価を行い、その結果を表2に示した。なお、表2の画像品質評価欄において、前述した理由からバニシング加工ができずに感光体を試作することができなかったNo.8,10については、評価不能なため、該当欄に「−」を表示した。
【0018】
比較例No.12〜15
JIS3003合金からなり、外径30.20mmのアルミニウム素管を、熱間押出により又は熱間押出後に冷間引抜きにより製造した後必要に応じ寸法矯正加工を行い、これらをそれぞれ長さ260.5mmに切断して比較例No.12〜15の素管を得た。これらの素管の外周面を、平均粒径57μm及び平均粒径24μmの研磨材を表面に有するバフ基材を使用した外径305mm,長さ100mmの研磨ロールと、表1のようにそれぞれゴム硬度(NBR硬度)の異なるゴム製の調整ロールとを有するセンタレス研磨装置を使用し、研磨ロールの回転数を2000rpmに設定してそれぞれバフ研磨した。バフ研磨の際の研磨材(シリコンカーバイド)粒径、研磨量は表1で示すようにそれぞれ異なるものであった。これらバフ研磨後の素管の真円度、振れ、表面粗度、研磨残り状況を実施例と同様に測定・評価し、表1に示した。
次いで、これらバフ研磨後の素管を、表2に示したロール数(ロール配置率)と圧下量の条件でバニシング加工し、それぞれについて、真円度、振れ及び表面粗度を測定し、それらの測定値を表2に表示した。
バニシング加工後の各比較例のアルミニウム管を支持体として、それらの外周面に厚み20μmの下地層を形成した感光体を試作し、それらの各感光体について成分現像クリーニング方式のレーザビームプリンタにより、黒点及び濃淡ムラの有無の確認により画像品質評価を行い、その結果を表2に示した。
【0019】
表1
【0020】
表2
【0021】
表1及び表2で示されているように、実施例の方法で製造されたNo.1〜6のアルミニウム管は、いずれも表面品質(真円度、振れ、表面粗度)が優れていて、それを使用した感光体の画像品質はいずれも問題がなかった。
これに対し、本発明方法とは加工条件が異なる従来例のNo.8は素管の暴れのためセンタレス加工ができず、No.10はセンタレス加工で研磨残りが発生したために、いずれもバニシング加工以降については評価することができなかった。また、同じく本発明方法とは加工条件が異なる従来例のNo.7,No.9,No.11は、表面品質と感光体の画像品質のいずれか一方か又は双方において劣っていた。
特に従来例9、11について、従来例9では表面粗度が本発明で規定する下限値を下回ったため、従来例11では、Rzが本発明で規定する下限値を下回ったために干渉縞による印刷不良が発生した。
比較例No.12〜15は、バフ加工における研磨材平均粒径(No.12,No.17),調整ロールのゴム硬度(No.13,No.14),研磨量(No.15),のいずれかが本発明で規定するバフ加工条件から外れているため、表面粗度が適正範囲外にあり、また、それらの管を使用した感光体は黒点及び濃淡ムラのいずれかが認められた。
【0022】
【発明の効果】
請求項1の発明に係るアルミニウム管の製造方法によれば、バフ加工には、合成繊維の不織布を基材とした研磨ロールとゴム硬度30〜100Hsのゴムロールからなる調整ロールを有するセンタレス研磨装置を使用するとともに、研磨ロール表面には平均粒径40μm以下の研磨材を使用し、研磨量を外径で20μm以下としたので、バニシング加工前後の表面粗度の差が小さくなる。したがって、バニシングロールの素管に対する押圧力をあまり大きくする必要がないので、アルミニウム管表面のうねりや振れを防止することができ、管の真円度も向上し、このように製造された管を感光ドラムとして使用した場合、印刷時の画像に濃淡ムラ等の発生が防止される。
【0023】
請求項2の発明に係るアルミニウム管の製造方法によれば、バフ加工によりアルミニウム素管の外周面を表面粗度Rmax0.5〜1.3μm,Rz0.4〜1.0μm,Ra0.1〜0.3μmとなるように加工し、次いで、前記バニシング加工によりアルミニウム素管の外周面を表面粗度Rmax0.4〜1.1μm,Rz0.3〜0.9μm,Ra0.05〜0.2μmとなるように加工するので、バニシング加工後の管の表面品質(真円度、振れ、表面粗度)がさらに向上し、写真感光層の支持体として一層好適なアルミニウム管を提供することができる。
【0024】
請求項3の発明に係る電子写真感光ドラムは、請求項1又は2に記載のアルミニウム管の製造方法により製造されたアルミニウム管を支持体としたので、光を適度に乱反射させ印刷時の画像に濃淡ムラや黒点等のない良好な品質の感光ドラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム管の製造方法に使用されるバフ加工装置(センタレス研磨装置)の一形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係るアルミニウム管の製造方法に使用されるバニシング加工装置の一形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム素管
2 研磨ロール
3 調整ロール
4 ブレード
5 ヘッド
6 フレーム
7 バニシングロール
Claims (3)
- アルミニウム素管の外周面をバフ加工した後バニシング加工するアルミニウム管の製造方法であって、前記バフ加工には、合成繊維の不織布を基材とした研磨ロールとゴム硬度30〜100Hsのゴムロールからなる調整ロールを有するセンタレス研磨装置を使用するとともに、研磨ロール表面には平均粒径40μm以下の研磨材を使用し、研磨量を外径で20μm以下とすることを特徴とする、アルミニウム管の製造方法。
- 前記バフ加工によりアルミニウム素管の外周面を表面粗度Rmax0.5〜1.3μm,Rz0.4〜1.0μm,Ra0.1〜0.3μmとなるように加工し、次いで、前記バニシング加工によりアルミニウム素管の外周面を表面粗度Rmax0.4〜1.1μm,Rz0.3〜0.9μm,Ra0.05〜0.2μmとなるように加工することを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム管の製造方法。
- 請求項1又は2に記載のアルミニウム管の製造方法により製造されたアルミニウム管を支持体としたことを特徴とする、電子写真感光ドラム。
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JP2013205580A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Konica Minolta Inc | 電子写真有機感光体および画像形成装置 |
CN105538120A (zh) * | 2016-03-03 | 2016-05-04 | 浙江乔兴建设集团湖州智能科技有限公司 | 一种用于对smt激光模板进行抛光的装置 |
CN112445089A (zh) * | 2019-09-02 | 2021-03-05 | 株式会社理光 | 感光鼓、图像形成装置及感光鼓再生方法 |
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2002
- 2002-06-07 JP JP2002167599A patent/JP2004009227A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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