JPH081502A - アルミニウム管の製造方法及びその製造方法により製造された電子写真感光体ドラム - Google Patents

アルミニウム管の製造方法及びその製造方法により製造された電子写真感光体ドラム

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JPH081502A
JPH081502A JP14449094A JP14449094A JPH081502A JP H081502 A JPH081502 A JP H081502A JP 14449094 A JP14449094 A JP 14449094A JP 14449094 A JP14449094 A JP 14449094A JP H081502 A JPH081502 A JP H081502A
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Japan
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polishing
aluminum tube
outer peripheral
peripheral surface
surface roughness
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JP14449094A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Hara
宣宏 原
Yoshiki Wada
吉樹 和田
Masao Takemoto
政男 竹本
Susumu Saisho
晋 齋所
Ryoji Nagano
良治 長野
Yoshisato Iwai
良吏 岩井
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率の良い加工で、アルミニウム管表面の最
大表面粗さを確実に目標最大表面粗さ以下にする。 【構成】 アルミニウム管10の外周面を前加工(バイ
トによる切削加工、センタレス研磨加工、超仕上げ研磨
加工、皮剥き加工、研磨テープによる研磨加工等)した
後、目標最大表面粗さRmax の20倍以下の平均粒径を
もつ研磨テープ37Aでアルミニウム管10の外周面を
仕上げ加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムもしくは
アルミニウム合金からなり、複写機やレーザプリンタに
おける感光体ドラム、給電用マグネットローラ、定着用
ヒートローラ等に用いられるアルミニウム管の製造方法
及びこの方法により製造される電子写真感光体ドラムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、上記感光体ドラム等に用いられ
るアルミニウム管(すなわちアルミニウムもしくはアル
ミニウム合金からなる円筒物)の外周面には、高い表面
精度が要求される。従来、このようなアルミニウム管の
製造方法としては、まず押出し加工によって素管を成形
し、その後この素管の外周面を旋盤等により表面粗さR
maxが1μm以下となるまで切削加工するのが一般的とさ
れている。しかし、上記切削加工を行うには非常に長い
時間を要し、その分コスト高となるため、近年は、上記
アルミニウム管の表面を迅速に加工する方法として、次
のようなものが考えられている。
【0003】A)上記アルミニウム管の外周面上にバニ
シングローラを押し当てながら転動させ、これにより円
筒物外周面上の凹凸を押しならして表面精度を高める
(ローラバニシング加工法;特開平3−149180号
公報、特開平5−305311号公報参照)。
【0004】B)複数のブロック状研磨砥石を目の粗い
ものから順に並べ、アルミニウム管を回転させながら砥
石の並び方向に移送することにより、このアルミニウム
管の表面に対して目の粗い砥石から順に接触させ、次第
に表面精度を高めるようにする(超仕上げ研磨加工法;
特開平5−237755号公報参照)。
【0005】C)表面に研磨粒子が付着した研磨テープ
を随時送りながら、この研磨テープの研磨粒子と上記ア
ルミニウム管の外周面との接触によりこの外周面を研磨
加工する(特開昭61−209457号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】A)のローラバニシン
グ加工では、かなり大きな圧力でバニシングローラをア
ルミニウム管に押し当てなければならないため、この加
工法を剛性の低いアルミニウム管に適用すると、上記圧
力によってアルミニウム管自体が変形し、却って形状精
度が悪化するおそれがある。また、このような変形を防
ぐためにバニシングローラの押圧力を下げると、前加工
が終了した段階でアルミニウム管外周面に残存している
凹凸(特に凹部)を消滅しきれず、アルミニウム管全体
を均一に加工することが非常に困難となる。従って、こ
のローラバニシング加工のみで仕上げを行うのは容易で
はない。
【0007】B)の超仕上げ研磨加工では、アルミニウ
ム管を次々に移送していくことにより連続加工が可能で
あるが、加工の進行に伴い、砥石の加工面に金属粉が溶
着して研磨力が低下するので、上記砥石を頻繁にドレス
して研削力を回復させる必要があり、これが生産効率向
上の大きな妨げとなっている。また、上記ドレスのタイ
ミングが遅れると、研削砥石から砥粒が脱落してアルミ
ニウム管表面に埋め込まれたり、むしれを生じさせたり
して、表面性状を却って悪化させるおそれもある。
【0008】これに対してC)のテープ研磨加工では、
研磨テープを連続的に送るためにアルミニウム管外周面
に常時新しい研磨面を供給することができ、よって加工
面への研磨粒子の目詰まりがほとんどなく、加工面のむ
しれも生じにくい利点がある。しかし、上記超仕上げ研
磨加工等の砥石加工に比べると、同じ砥粒径であっても
単位時間当たりの除去量が低いため、その砥粒径が小さ
いと、十分な加工を行うのに長大な時間を要し、加工能
率が著しく低下する。また、このような長時間の加工に
より加工面のうねりを助長するおそれがあり、逆に砥粒
径を大きくすると、十分な表面粗さを得ることができな
い。すなわち、このような研磨テープを用いる場合には
その砥粒径の設定が非常に難しく、これがテープ研磨加
工適用の大きな妨げとなっていた。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、十分な
表面加工精度を維持しながら、加工能率の向上を図るこ
とができるアルミニウム管の製造方法及びこの方法によ
り製造される電子写真感光体ドラムを提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、例として
JIS 6063製のアルミニウム管を用い、後の「実施例」の
項で説明する要領でテープ研磨加工についての実験を行
った結果、図4(a)(b)に示すようなデータを得る
ことができた。図4(a)のデータから、研磨テープに
よる加工後の最大表面粗さRmax はテープ粒径の20倍
となることが理解できる。また、図4(b)のデータか
ら、アルミニウム管表面の必要除去量の6倍以上にテー
プ粒径を設定すれば、加工時間20秒以内に上記必要除
去量を除去できることが理解できる。
【0011】本発明は、このような事実に基づきなされ
たものであり、アルミニウム素管の外周面を前加工した
後、この外周面を研磨テープにより仕上げ加工するアル
ミニウム管の製造方法において、上記研磨テープとし
て、上記アルミニウム管外周面の目標最大表面粗さの2
0倍よりも小さい平均粒径をもつものを用いるものであ
る。
【0012】より具体的には、上記研磨テープとして、
上記アルミニウム管外周面の目標最大表面粗さの10倍
以上の平均粒径をもつものを用いるのが、より好ましい
(請求項2)。
【0013】また本発明は、アルミニウム素管の外周面
を前加工した後、この外周面を研磨テープにより加工す
るアルミニウム管の製造方法において、上記研磨テープ
として上記前加工後のアルミニウム管外周面の最大表面
粗さの6倍以上20倍以下の平均粒径をもつものを用い
て粗加工した後、上記研磨テープとして上記アルミニウ
ム管外周面の目標最大表面粗さの20倍よりも小さい平
均粒径をもつものを用いて仕上げ加工するものである
(請求項3)。
【0014】上記前加工は、バイトを用いた切削、ロー
ラバニシング加工の少なくとも一方からなるものでもよ
いし(請求項4)、この前加工がセンタレス研削加工、
砥石を用いた超仕上げ研磨加工の少なくとも一方からな
る場合には、上記粗加工用の研磨テープとして上記前加
工後のアルミニウム管外周面の最大表面粗さの9倍以上
20倍以下の平均粒径をもつものを用いればよい(請求
項5)。
【0015】また本発明は、上記アルミニウム素管を押
出し加工及び引抜き加工により製造した後、その外周面
を研磨テープにより加工するアルミニウム管の製造方法
において、上記研磨テープとして上記アルミニウム素管
外周面の最大表面粗さの9倍以上20倍以下の平均粒径
をもつものを用いて粗加工した後、上記研磨テープとし
て上記アルミニウム管外周面の目標最大表面粗さの20
倍よりも小さい平均粒径をもつものを用いて仕上げ加工
するものである(請求項6)。
【0016】この方法では、上記粗加工を行う前に上記
アルミニウム素管をローラバニシング加工したり(請求
項7)、上記引抜き加工の前もしくは後にアルミニウム
素管外周面を皮剥き加工しておいたり(請求項8)して
もよい。
【0017】また本発明、上記いずれかの方法により製
造されたアルミニウム管の外周面上に感光層を設けた電
子写真感光体ドラムである(請求項9)。
【0018】
【作用】上記方法によれば、アルミニウム素管の外周面
を前加工してその形状精度を高めた後、この外周面を研
磨テープにより仕上げ加工する際に、上記アルミニウム
管外周面の目標最大表面粗さの20倍よりも小さい平均
粒径をもつ研磨テープを用いるようにしているので、前
記図4(a)のデータから明らかなように、上記平均粒
径の研磨テープの使用によって上記目標最大表面粗さ以
下の最大表面粗さを確実に得ることができる。特に、請
求項2記載のように、上記アルミニウム管外周面の目標
最大表面粗さの10倍以上の平均粒径をもつ研磨テープ
を用いることにより、最低限、上記目標最大表面粗さは
確保しながら所要加工時間をより有効に短縮することが
できる。
【0019】さらに、請求項3記載の方法では、上記仕
上げ加工を行う前に研磨テープを用いて粗加工を行うと
ともに、この粗加工の際に、上記研磨テープとして上記
前加工後のアルミニウム管外周面の最大表面粗さの6倍
以上の平均粒径をもつものを用いるようにしているの
で、図4(b)のデータから明らかなように、短時間
(20秒)内にアルミニウム管外周面上の凹凸(傷など
も含む。)を十分に除去できる。しかも、上記研磨テー
プとして上記前加工後のアルミニウム管外周面の最大表
面粗さの20倍以下の平均粒径をもつものを用いている
ので、図4(a)のデータから明らかなように、少なく
とも前加工後の最大表面粗さを維持し、もしくはこれよ
りも向上させることができる。
【0020】ここで、上記前加工が、バイトを用いた切
削やローラバニシング加工である場合には(請求項
4)、この前加工による突発的な傷やバリの発生はほと
んどなく、よって研磨テープの平均粒径を6倍以上に設
定すればよいが、請求項5記載のように、上記前加工が
センタレス研削加工、砥石を用いた超仕上げ研磨加工の
少なくとも一方からなる場合には、これらの加工中に加
工面に脱落した砥粒の埋込やむしれ等によって突発的な
傷やバリの発生が生じやすくなるので、これらの傷やバ
リを除去するための必要除去量としては、余裕を見越し
て前加工後の最大表面粗さの1.5倍に設定しておくの
がより好ましく、よってこの必要除去量を上記短時間
(20秒)内で得るには、上記粗加工用の研磨テープと
して上記前加工後のアルミニウム管外周面の最大表面粗
さの9倍以上20倍以下の平均粒径をもつものを用いる
のが、より確実である。
【0021】一方、上記アルミニウム素管を押出し加工
及び引抜き加工により製造する際、その加工精度を高め
てアルミニウム素管外周面をある程度良好な状態にして
おけば、請求項6記載のように、前加工を行わずにその
まま、アルミニウム素管外周面の最大表面粗さの9倍以
上20倍以下の平均粒径をもつ研磨テープを用いて粗加
工し、その後仕上げ加工することが可能である。
【0022】この場合、請求項7記載のように粗加工前
に上記アルミニウム素管をローラバニシング加工し、あ
るいは請求項8記載のように引抜き加工の前もしくは後
で皮剥き加工を施しておけば、最大表面粗さはより確実
に向上する。
【0023】そして、上記いずれかに記載の方法により
製造されたアルミニウム管の外周面上に感光層を設ける
ことにより、良質の電子写真感光体ドラムを得ることが
できる(請求項9)。
【0024】
【実施例】
実施例1(切削→テープ研磨;目標最大表面粗さ1μm
の場合) JIS 6063 (Si0.20〜0.6%及びMg0.45〜0.9%を含
むAl)を原料としてこれを押出し加工及び引抜き加工
することにより外径φ30.2mm のアルミニウム管を製造
し、長さ260mm に切断する。次に、5Rバイトを用いて
旋盤により切削速度500m/min、送り速度0.1mm/revでア
ルミニウム管外周面を切削し、真円度10μm、表面粗
さ2μmRmax とする。上記バイトの材質は特に問わな
いが、ダイヤモンドであれば寿命が長く、また形状が維
持されるため、より好ましい。
【0025】次に、例えば図1〜図3に示すテープ研磨
装置を用いてテープ研磨加工を行う。
【0026】ここに示すテープ研磨装置は、アルミニウ
ム管10を支持する円筒物支持装置20と、上記アルミ
ニウム管10をテープ研磨する研磨装置30とを備えて
いる。
【0027】円筒物支持装置20は、左右一対の回転軸
21,22に固定された支持ローラ23,24を備え、
各支持ローラ23,24は、前後両端から中央部に向か
うにつれて径が連続的に減少する鼓状に形成されてい
る。両回転軸21,22は互いに上下方向に所定角度α
だけ傾斜する状態で配されており、両回転軸21,22
にアルミニウム管10を載置した状態で両回転軸21,
22及び支持ローラ23,24をそれぞれ同じ方向に回
転させることにより、上記アルミニウム管10をその中
心軸回りに上記支持ローラ23,24の回転方向と逆方
向(図1の反時計回り方向)に回転させながら軸方向に
移送できるようになっている。
【0028】研磨装置30のハウジング38には共通回
転軸31、共通回転支持軸32、及び共通回転軸33が
支持され、ハウジング38内には、4つの巻取りローラ
34A,34B,34C,34D、4つの加圧ローラ3
5A,35B,35C,36C、及び4つの繰り出しロ
ーラ36A,36B,36C,36Dが収納されてお
り、各軸31〜33のうち、共通回転軸31,33はハ
ウジング38の前後壁に図略の軸受を介して回転可能に
支持され、共通回転支持軸32は、両共通回転軸31,
33よりも下方の位置でかつこれら共通回転軸31,3
3の左右方向中間の位置で上記前後壁に昇降可能に支持
されている。具体的には、上記前後壁に縦方向の長孔3
8aが貫設され、これら長孔38aに共通回転支持軸3
2の前後両端部が挿通されている。
【0029】巻取りローラ34A〜34Dは、共通回転
軸31に一体に固定され、巻取り駆動モータ39により
上記巻取りローラ34A〜34Dと一体に巻取り方向
(図1の時計回り方向)に回転駆動される。同様に繰り
出しローラ36A〜36Dは共通回転軸33に一体に固
定され、図略のブレーキ手段により、後述の繰り出し方
向の回転時(図1時計回り方向の回転時)、これとは逆
方向の制動トルクを受ける。4つの加圧ローラ35A〜
35Dは、上記共通回転支持軸32の周囲に軸受を介し
て相対回転可能に装着され、共通回転支持軸32の両端
は、ハウジング38の側壁側方に設けられた圧縮ばね4
0の弾発力によって下方に加圧されている。
【0030】上記各繰り出しローラ36A,36B,3
6C,36Dには、それぞれ研磨テープ37A,37
B,37C,37Dが巻回されている。これらの研磨テ
ープ37A〜37Dは、ポリエステルフィルム等からな
るテープの表面に微小な研磨粒子を接着剤等で均一にコ
ーティングしたものであり、この研磨粒子の付着面が径
方向外側を向く状態で各繰り出しローラ36A〜36D
に巻回されている。また、これらの研磨テープ37A〜
37Dには研磨テープ37Aから研磨テープ37Dに向
かうにつれて次第に番手が高い(すなわち研磨粒子径が
小さい)ものが用いられている。各繰り出しローラ36
A,36B,36C,36Dから繰り出された研磨テー
プ37A,37B,37C,37Dは、それぞれ加圧ロ
ーラ35A,35B,35C,35Dに下方から掛けら
れ、それぞれ巻取りローラ34A,34B,34C,3
4Dに巻付けられている。
【0031】この装置において、共通回転支持軸32を
圧縮ばね40が下方に加圧することにより、各加圧ロー
ラ35A〜35Dは研磨テープ37A〜37Dを円筒物
支持装置20に支持された円筒物10の外周面に押し当
てる。ここで、巻取りローラ34A〜34Dを共通回転
軸31と一体に巻取り方向に低速(0.1rpm未満)で回転
駆動し、繰り出しローラ36A〜36D及び共通回転軸
33にはその繰り出し方向と逆方向の制動トルクをかけ
て回転抵抗が与えることにより各研磨テープ37A〜3
7Dにその長手方向の張力を付与する。そして、円筒物
支持装置20でアルミニウム管10を回転しながらその
中心軸方向に移送することにより、アルミニウム管10
の外周面を回転状態のまま目の粗い研磨テープ37Aか
ら目の細かい研磨テープ37Dまで順に接触させること
ができ、これにより上記外周面を段階的に研磨し、最終
的に高精度まで表面加工することができる。
【0032】この実施例では、上記テープ研磨装置とし
て研磨テープが2段のものを用い、各研磨テープには、
厚さ75μmのポリエチレンテープにSiC砥粒を付着
させたものを使用する。そして、第1段の研磨用(すな
わち粗加工用)としては、平均砥粒径が30μmのもの
を使用し、第2段の研磨用(すなわち仕上げ加工用)と
しては、平均砥粒径が16μmのものを用いる。加工時
間は粗加工も仕上げ加工も20秒とし、アルミニウム管
10の回転数は900rpmとする。
【0033】この実施例1に対し、使用研磨テープの平
均粒径のみを変えて他は同じ条件で加工を実行した(比
較例1-1〜1-3)。また、比較例1-2において、切削面の
影響がなくなるまでテープ研磨を継続したものを比較例
1-4、切削速度500m/min、送り0.02mm/rev で仕上げ切削
したものを比較例1-5としてデータを採取した。その結
果を表1に示す。なお、同表において、「目視外観」で
は、加工後の表面を目視で観察し、傷の有無及び表面の
平滑性を二重丸、一重丸、バツの3段階で評価してお
り、「塗膜密着性」については、アルミニウム管を洗浄
してフタロシアニン系の電荷発生層を塗工した後にカッ
タナイフで基体まで傷をつけ、その上にセロハンテープ
を貼り付けてから瞬時に剥がして剥離性を判断してい
る。また、「画像欠陥」については、上記電荷発生層の
上に電荷輸送層を設けて電子写真感光体ドラムを作成し
てから複写機に装着し、実際の白抜け、画像ムラ等をチ
ェックして評価を行っている。
【0034】
【表1】
【0035】この表1から明らかなように、実施例1で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0036】これに対し、比較例1-1では、仕上げ加工
用の第2段研磨テープの砥粒径が大きすぎる(目標最大
表面粗さRmaxの20倍を超えている)ためにこの目標
最大表面粗さを得ることができず、よって外観及び画像
特性が悪い。比較例1-2では、第1段テープ砥粒径が小
さすぎる(前加工後の最大表面粗さの6倍未満である)
ために所定の合計加工時間40秒内ではテープ研磨によ
る十分な除去量が得られず、切削による周期的な粗さ成
分が残存し、このため最大表面粗さは良いものの干渉縞
が生じている。比較例1-3では、粗加工用の第1段研磨
テープの砥粒径が大きすぎる(前加工後の最大表面粗さ
の20倍を超えている)ために粗加工前よりも最大表面
粗さが悪化してしまい、その後仕上げ加工を行っても粗
加工後の最大表面粗さを向上しきれなくなっている。比
較例1-4,1-5では、高品位のアルミニウム管が得られる
ものの合計加工時間が長すぎるため、加工能率の低下は
免れ得ず、また、このような長時間の加工により却って
うねりを助長するおそれもある。
【0037】実施例2(センタレス研磨→テープ研磨;
目標最大表面粗さ1μmの場合) この実施例では、前記実施例1における切削加工の代わ
りに、図5に示す装置等を用いてセンタレス研磨加工を
行う。詳しくは、同図において、ブレード50上にアル
ミニウム管10を配置し、送りロール51及び研磨ロー
ル52をアルミニウム管10の長手方向に沿って配設す
る。そして、これらのロール51,52でアルミニウム
管10を挾みつつ、その中心軸を回転軸として相互に反
対方向に回転させる。このとき、アルミニウム管10は
高速回転の研磨ロール52と同じ回転速度で回転しよう
とするが、低速回転の送りロール51及びブレード50
から受ける摩擦力により制動されるため、アルミニウム
管10は送りロール51と略同じ速度で回転する。これ
により、アルミニウム管10の外周面を研磨ロール52
によって研磨することができ、しかも、送りロール51
の中心軸が若干傾斜しているため、アルミニウム管10
をその長手方向に搬送して順次研磨加工に供することが
できる。
【0038】この実施例2では、GC♯170砥石を用
いて送りロール周速1800m/min、研磨ロール周速50m/min
で上記センタレス研磨を行って外径φ30mm、真円度5
μm、最大表面粗さ 3.0μmRmax のアルミニウム管を
製作し、その後テープ研磨加工を行った。
【0039】この実施例2に対し、テープ平均粒径のみ
条件を変えてアルミニウム管を製造し、これを比較例2-
1,2-2とした。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】この表2から明らかなように、実施例2で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0042】これに対し、比較例2-1では、第1段の粗
加工用研磨テープの砥粒径が小さすぎる(前加工後の表
面粗さの9倍未満である)ために所定の合計加工時間4
0秒内ではテープ研磨による十分な除去量が得られず、
センタレス研磨で発生した傷が残存し、このため外観に
異常が生じている。比較例2-2では、粗加工用の第1段
研磨テープの砥粒径が大きすぎる(前加工後の最大表面
粗さの20倍を超えている)ために粗加工前よりも最大
表面粗さが悪化してしまい、その後仕上げ加工を行って
も粗加工後の最大表面粗さを向上しきれなくなってい
る。
【0043】実施例3(超仕上げ研磨→テープ研磨;目
標最大表面粗さ 0.8μmの場合) この実施例では、押出し加工及び引抜き加工により外径
φ30.1mmのアルミニウム管を製造した後、前記実施例1
における切削加工の代わりに前加工として超仕上げ研磨
加工を行う。この加工では、例として図6(a)(b)
に示すように、前記図1で示した円筒物支持装置20
と、上記アルミニウム管10を超仕上げ研磨する研磨装
置60とからなる装置を用いればよい。
【0044】研磨装置60は、上記円筒物支持装置20
の上方に複数(図例では6個)のブロック状砥石61〜
66が軸方向に並設されたものであり、各砥石61〜6
6の下面は上記アルミニウム管10の外周面に沿う円弧
状とされ、下流側(図6(a)では左側)の砥石ほど目
の細かいものが用いられている。
【0045】このような装置において、上記円筒物支持
装置20によりアルミニウム管10を回転状態で搬送し
ながら、加圧エア等による比較的低い圧力で砥石61〜
66の下面を順次アルミニウム管10の表面に押付け、
かつ砥石61〜66に軸方向の振動を与えることによ
り、アルミニウム管10の外周面を超仕上げ研磨する。
この実施例3では、計3段のGC砥石(♯400,♯600,
♯1000)を使用した超仕上げ研磨でアルミニウム管表面
の酸化皮膜を除去することにより、外径φ30.06mm、真
円度25μm、表面粗さ 1.3μmRmax のアルミニウム管
を製作し、その後テープ研磨加工を行った。
【0046】この実施例3に対し、各研磨テープの平均
砥粒径のみ条件を変えて加工を行い、これを比較例3-
1,3-2とした。その結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】この表3から明らかなように、実施例3で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0049】これに対し、比較例3-1では、第1段の粗
加工用研磨テープの砥粒径が小さすぎる(前加工後の表
面粗さの9倍未満である)ために所定の合計加工時間4
0秒内ではテープ研磨による十分な除去量が得られず、
超仕上げ研磨において残留した砥粒及びむしれを取りき
れず、このため外観に異常が生じるとともに画像にも白
抜けが多数発生している。比較例3-2では、粗加工用の
第1段研磨テープの砥粒径が大きすぎる(前加工後の最
大表面粗さの20倍を超えている)ために粗加工前より
も最大表面粗さが悪化してしまい、その後仕上げ加工を
行っても粗加工後の最大表面粗さを向上しきれなくなっ
ている。
【0050】実施例4(センタレス研磨→超仕上げ研磨
→テープ研磨;目標最大表面粗さ 0.8μmの場合) この実施例では、前記実施例3と同様に押出し加工及び
引抜き加工により製造したアルミニウム素管に、前記実
施例2と同様のセンタレス研磨を行って外径φ30.1mm、
真円度5μm、最大表面粗さ 3.0μmRmax のアルミニ
ウム管10を製作した後、実施例3と同様の超仕上げ研
磨により外径φ30.06mm、真円度5μm、表面粗さ 1.4
μmRmax のアルミニウム管を製作し、その後前記各実
施例と同様にテープ研磨加工を実行した。
【0051】この実施例4に対し、各研磨テープの平均
砥粒径のみ条件を変えて加工を行い、これを比較例4-
1,4-2とした。その結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】この表4から明らかなように、実施例4で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0054】これに対し、比較例4-1では、第1段の粗
加工用研磨テープの砥粒径が小さすぎる(前加工後の表
面粗さの9倍未満である)ために所定の合計加工時間4
0秒内ではテープ研磨による十分な除去量が得られず、
超仕上げ研磨において残留した砥粒及びむしれを取りき
れず、このため外観に異常が生じるとともに画像にも白
抜けが多数発生している。比較例4-2では、粗加工用の
第1段研磨テープの砥粒径が大きすぎる(前加工後の最
大表面粗さの20倍を超えている)ために粗加工前より
も最大表面粗さが悪化してしまい、その後仕上げ加工を
行っても粗加工後の最大表面粗さを向上しきれなくなっ
ている。
【0055】実施例5(ローラバニシング加工→テープ
研磨;目標最大表面粗さ1.0μmの場合) この実施例では、前記実施例3と同様に押出し加工及び
引抜き加工により製造したアルミニウム素管に、前加工
としてローラバニシング加工を行っている。その加工装
置としては例えば図7〜図9に示すようなものを用いれ
ばよい。
【0056】図示のローラバニシング加工装置70は、
円筒状のハウジング72の内側に円筒状のリテーナ74
が挿入され、このリテーナ74により、複数個のバニシ
ングローラ76が周方向に並んだ状態で回転可能に保持
されたものであり、バニシングローラ76の内接円の半
径はアルミニウム管10の外周面の半径よりも小さく設
定され、両半径の差が、図9に示すバニシング量Dとな
っている。図8に示すように、各バニシングローラ76
の軸方向はアルミニウム管10の軸方向に対して角度θ
だけ傾斜しており、この傾斜により、バニシングローラ
76の回転に伴ってアルミニウム管10が図7矢印方向
に自転しながら軸方向に搬送されるようになっている。
【0057】この実施例5では、上記のようなローラバ
ニシング加工により外径φ30.06mm、真円度15μm、表
面粗さ 2.2μmRmax のアルミニウム管を製作し、その
後前記各実施例と同様にテープ研磨加工を実行した。
【0058】この実施例5に対し、各研磨テープの平均
砥粒径のみ条件を変えて加工を行い、これを比較例5-
1,5-2とした。その結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】この表5から明らかなように、実施例5で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0061】これに対し、比較例5-1では、第1段の粗
加工用研磨テープの砥粒径が小さすぎる(前加工後の表
面粗さの6倍未満である)ために所定の合計加工時間4
0秒内ではテープ研磨による十分な除去量が得られず、
超仕上げ研磨において残留した砥粒及びむしれを取りき
れず、このため外観に異常が生じるとともに画像評価も
悪い。比較例5-2では、粗加工用の第1段研磨テープの
砥粒径が大きすぎる(前加工後の最大表面粗さの20倍
を超えている)ために粗加工前よりも最大表面粗さが悪
化してしまい、その後仕上げ加工を行っても粗加工後の
最大表面粗さを向上しきれなくなっている。
【0062】実施例6(皮剥き加工→ローラバニシング
加工→テープ研磨;目標最大表面粗さ 1.0μmの場合) この実施例では、押出し加工及び引抜き加工したアルミ
ニウム管材に皮剥き加工を施してから切断することによ
り外径φ30.1mm、長さ260mmのアルミニウム素管を製造
した後、これに前記実施例5と同様のローラバニシング
加工を施すことにより外径φ30.06mm、真円度15μm、
表面粗さ 2.0μmRmax のアルミニウム管を製作してか
ら前記各実施例と同様にテープ研磨加工を実行してい
る。なお、上記皮剥き加工は、引抜き工程直後に図10
に示すようにアルミニウム管10をリング状のダイス6
8に通し、このダイス68でアルミニウム管外周面を所
定深さtだけ削りながらアルミニウム管を直径d1から
直径d2へ縮径することにより行う。
【0063】この実施例6に対し、各研磨テープの平均
砥粒径のみ条件を変えて加工を行い、これを比較例6-
1,6-2とした。その結果を表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】この表6から明らかなように、実施例6で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0066】これに対し、比較例6-1では、第1段の粗
加工用研磨テープの砥粒径が小さすぎる(前加工後の表
面粗さの9倍未満である)ために所定の合計加工時間4
0秒内ではテープ研磨による十分な除去量が得られず、
超仕上げ研磨において残留した砥粒及びむしれを取りき
れず、このため外観に異常が生じるとともに画像評価も
悪い。比較例6-2では、粗加工用の第1段研磨テープの
砥粒径が大きすぎる(前加工後の最大表面粗さの20倍
を超えている)ために粗加工前よりも最大表面粗さが悪
化してしまい、その後仕上げ加工を行っても粗加工後の
最大表面粗さを向上しきれなくなっている。
【0067】実施例7(皮剥き加工→ローラバニシング
加工→テープ研磨;目標最大表面粗さ1.0μmの場
合) この実施例7では、押出し加工、皮剥き加工、引抜き加
工の順に実行してから切断を行うことにより外径φ30.1
mm、長さ260mmのアルミニウム素管を製造した後、これ
に前記実施例5と同様のローラバニシング加工を施すこ
とにより外径φ30.06mm、真円度15μm、表面粗さ1.9μ
mRmax のアルミニウム管を製作してから前記各実施例
と同様にテープ研磨加工を実行している。
【0068】この実施例7に対し、各研磨テープの平均
砥粒径のみ条件を変えて加工を行い、これを比較例7-
1,7-2とした。その結果を表7に示す。
【0069】
【表7】
【0070】この表7から明らかなように、実施例7で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0071】これに対し、比較例7-1では、第1段の粗
加工用研磨テープの砥粒径が小さすぎる(前加工後の表
面粗さの9倍未満である)ために所定の合計加工時間4
0秒内ではテープ研磨による十分な除去量が得られず、
超仕上げ研磨において残留した砥粒及びむしれを取りき
れず、このため外観に異常が生じるとともに画像評価も
悪い。比較例7-2では、粗加工用の第1段研磨テープの
砥粒径が大きすぎる(前加工後の最大表面粗さの20倍
を超えている)ために粗加工前よりも最大表面粗さが悪
化してしまい、その後仕上げ加工を行っても粗加工後の
最大表面粗さを向上しきれなくなっている。
【0072】実施例8(テープ研磨;目標最大表面粗さ
2.0μmの場合) この実施例8では、押出し加工、引抜き加工の順に実行
してから切断を行うことにより外径φ30.1mm、長さ260m
m、真円度15μm、表面粗さ5.0μmRmax のアルミニウ
ム管を製作した後、そのままテープ研磨加工を実行して
いる。
【0073】この実施例8に対し、各研磨テープの平均
砥粒径のみ条件を変えて加工を行い、これを比較例8と
した。その結果を表8に示す。
【0074】
【表8】
【0075】この表8から明らかなように、実施例8で
は、合計加工時間(テープ研磨による粗加工及び仕上げ
加工に要した時間)が40秒と短いにもかかわらず、最
大表面粗さ、塗膜密着性、画像欠陥、目視外観のすべて
の項目について良好な結果が得られている。
【0076】これに対し、比較例8では、第1段の粗加
工用研磨テープの砥粒径が小さすぎる(前加工後の表面
粗さの9倍未満である)ために所定の合計加工時間40
秒内ではテープ研磨による十分な除去量が得られず、超
仕上げ研磨において残留した砥粒及びむしれを取りきれ
ず、このため外観に異常が生じるとともに画像評価も悪
い。
【0077】なお、以上の実施例ではテープ研磨加工と
して粗加工と仕上げ加工の2段加工を行うものを示した
が、その間に1以上の中間仕上げ加工を挿入した多段加
工を行うようにしてもよい。一方、前加工終了段階でア
ルミニウム管外周面上に問題となる傷が残存していない
場合には、テープ研磨加工として仕上げ加工のみを行う
ようにしてもよい。この場合にも、使用する研磨テープ
の平均砥粒径は目標最大表面粗さの20倍以下に設定す
ればよい。
【0078】また本発明では、仕上げ用研磨テープとし
て、上記アルミニウム管外周面の目標最大表面粗さの2
0倍よりも小さい平均粒径をもつものを用いれば、目標
最大表面粗さを得ることが可能であるが、上記平均粒径
を10倍以上に設定することにより、最小限、目標最大
表面粗さは確保しながら、所要加工時間をより有効に短
縮することが可能になる。
【0079】また、本発明方法により製造されるアルミ
ニウム管の用途は上記電子写真感光体ドラムに限らず、
複写機やプリンタに設けられる給電用マグネットローラ
や定着用ヒートローラ等にも好適に用いることが可能で
ある。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明は、アルミニウム素
管の外周面を前加工してその形状精度を高めた後、この
外周面を研磨テープにより仕上げ加工する際に、上記ア
ルミニウム管外周面の目標最大表面粗さの20倍よりも
小さい平均粒径をもつ研磨テープを用いるようにしてい
るので、この研磨テープの使用によって上記目標最大表
面粗さ以下の最大表面粗さを確実に得ることができる。
特に、請求項2記載のように、上記アルミニウム管外周
面の目標最大表面粗さの10倍以上の平均粒径をもつ研
磨テープを用いることにより、最低限、上記目標最大表
面粗さは確保しながら所要加工時間をより有効に短縮す
ることができる。
【0081】さらに、請求項3記載の方法では、上記仕
上げ加工を行う前に研磨テープを用いて粗加工を行うと
ともに、この粗加工の際に、上記研磨テープとして上記
前加工後のアルミニウム管外周面の最大表面粗さの6倍
以上20倍以下の平均粒径をもつものを用いるようにし
ているので、前加工後の最大表面粗さを維持し、もしく
はこれよりも向上させながら、短時間(20秒)内にア
ルミニウム管外周面上の凹凸(傷なども含む。)を十分
に除去することができる効果がある。
【0082】ここで、請求項5記載の方法では、上記前
加工としてセンタレス研削加工や砥石を用いた超仕上げ
研磨加工を行う場合に、上記前加工後のアルミニウム管
外周面の最大表面粗さの9倍以上20倍以下の平均粒径
をもつものを用いるようにしているので、上記前加工に
より突発的な傷やバリの発生が生じても、これらの傷や
バリを短時間で除去することができる効果がある。
【0083】また、上記アルミニウム素管を押出し加工
及び引抜き加工により製造する際、その加工精度を高め
てアルミニウム素管外周面をある程度良好な状態にして
おけば、請求項6記載のように、前加工を行わずにその
まま、アルミニウム素管外周面の最大表面粗さの9倍以
上20倍以下の平均粒径をもつ研磨テープを用いて粗加
工し、その後仕上げ加工することにより、加工能率をさ
らに高めることができる。
【0084】この場合、請求項7記載のように粗加工前
に上記アルミニウム素管をローラバニシング加工し、あ
るいは請求項8記載のように引抜き加工の前もしくは後
で皮剥き加工を施しておくことにより、最大表面粗さを
より確実に向上させることができる。
【0085】そして請求項9記載の電子写真感光体ドラ
ムは、上記いずれかに記載の方法により製造されたアル
ミニウム管の外周面上に感光層を設けたものであるの
で、これを用いて欠陥のない良質の画像を形成すること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法において用いられるテープ研磨装置
の一例を示す正面図である。
【図2】上記テープ研磨装置の一部断面側面図である。
【図3】上記テープ研磨装置の断面平面図である。
【図4】(a)は研磨テープの平均粒径とテープ研磨加
工後の最大表面粗さとの関係を示すグラフ、(b)は研
磨テープの平均粒径と所定時間あたりのアルミニウム外
周面除去量との関係を示すグラフである。
【図5】本発明方法において用いられるセンタレス研磨
装置の一例を示す斜視図である。
【図6】(a)は本発明方法において用いられる超仕上
げ研磨加工装置の一例を示す一部断面側面図、(b)は
上記超仕上げ研磨加工装置の断面正面図である。
【図7】本発明方法において用いられるローラバニシン
グ加工装置の一例を示す断面正面図である。
【図8】上記ローラバニシング加工装置におけるバニシ
ングローラとアルミニウム管との傾斜状態を示す側面図
である。
【図9】ローラバニシング加工の加工状況を説明するた
めの説明図である。
【図10】本発明方法において用いられる皮剥き加工の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 アルミニウム管 30 研磨装置 37A〜37D 研磨テープ 50 センタレス研磨用のブレード 60 研磨装置 68 皮剥き加工用のダイス 70 ローラバニシング加工装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋所 晋 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 長野 良治 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 岩井 良吏 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム素管の外周面を前加工した
    後、この外周面を研磨テープにより仕上げ加工するアル
    ミニウム管の製造方法において、上記研磨テープとし
    て、上記アルミニウム管外周面の目標最大表面粗さの2
    0倍よりも小さい平均粒径をもつものを用いることを特
    徴とするアルミニウム管の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記研磨テープとして、上記アルミニウ
    ム管外周面の目標最大表面粗さの10倍以上の平均粒径
    をもつものを用いることを特徴とするアルミニウム管の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム素管の外周面を前加工した
    後、この外周面を研磨テープにより加工するアルミニウ
    ム管の製造方法において、上記研磨テープとして上記前
    加工後のアルミニウム管外周面の最大表面粗さの6倍以
    上20倍以下の平均粒径をもつものを用いて粗加工した
    後、上記研磨テープとして上記アルミニウム管外周面の
    目標最大表面粗さの20倍よりも小さい平均粒径をもつ
    ものを用いて仕上げ加工することを特徴とするアルミニ
    ウム管の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記前加工が、バイトを用いた切削、ロ
    ーラバニシング加工の少なくとも一方からなることを特
    徴とする請求項3記載のアルミニウム管の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記前加工がセンタレス研削加工、砥石
    を用いた超仕上げ研磨加工の少なくとも一方からなり、
    上記粗加工用の研磨テープとして上記前加工後のアルミ
    ニウム管外周面の最大表面粗さの9倍以上20倍以下の
    平均粒径をもつものを用いることを特徴とする請求項3
    記載のアルミニウム管の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記アルミニウム素管を押出し加工及び
    引抜き加工により製造した後、その外周面を研磨テープ
    により加工するアルミニウム管の製造方法において、上
    記研磨テープとして上記アルミニウム素管外周面の最大
    表面粗さの9倍以上20倍以下の平均粒径をもつものを
    用いて粗加工した後、上記研磨テープとして上記アルミ
    ニウム管外周面の目標最大表面粗さの20倍よりも小さ
    い平均粒径をもつものを用いて仕上げ加工することを特
    徴とするアルミニウム管の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記粗加工を行う前に上記アルミニウム
    素管をローラバニシング加工することを特徴とする請求
    項6記載のアルミニウム管の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記引抜き加工の前もしくは後にアルミ
    ニウム素管外周面を皮剥き加工しておくことを特徴とす
    る請求項6または7記載のアルミニウム管の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の方法に
    より製造されたアルミニウム管の外周面上に感光層を設
    けたことを特徴とする電子写真感光体ドラム。
JP14449094A 1994-06-27 1994-06-27 アルミニウム管の製造方法及びその製造方法により製造された電子写真感光体ドラム Pending JPH081502A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000137343A (ja) * 1998-10-29 2000-05-16 Ricoh Co Ltd 感光体ドラム基体及び感光体ドラム基体の製造方法
US8288938B2 (en) 2008-01-18 2012-10-16 Samsung Display Co., Ltd. Organic light emitting display device with an outer circumferentially array of flexible printed circuit board and coupling pads
US10297178B2 (en) 2015-01-29 2019-05-21 Lg Electronics Inc. Transparent display device

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8288938B2 (en) 2008-01-18 2012-10-16 Samsung Display Co., Ltd. Organic light emitting display device with an outer circumferentially array of flexible printed circuit board and coupling pads
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