JPH0815513B2 - 上下送り本縫ミシンと上下送り本縫ミシンにおけるパッカリング防止方法 - Google Patents

上下送り本縫ミシンと上下送り本縫ミシンにおけるパッカリング防止方法

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JPH0815513B2
JPH0815513B2 JP63304752A JP30475288A JPH0815513B2 JP H0815513 B2 JPH0815513 B2 JP H0815513B2 JP 63304752 A JP63304752 A JP 63304752A JP 30475288 A JP30475288 A JP 30475288A JP H0815513 B2 JPH0815513 B2 JP H0815513B2
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信男 大石
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株式会社ボンニー
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、薄生地の2枚合わせ縫い用に供して有用な
上下送り本縫ミシンと、それによるパッカリング防止方
法に関し、押え金の動きに特徴ある改良を加えたもので
ある。
〔従来の技術〕
代表的な縫い不良にパッカリングがある。その発生原
因の第1に、生地が滑りやすかったり、生地が薄いなど
の生地特性に問題のある場合が挙げられる。第2に糸の
張力が不適切、あるいは押え金の押圧力が強すぎるなど
ミシン側の調整不良が挙げられよう。
とくに、異なる素材からなる2種の薄生地を縫着する
ときにパッカリングが発生しやすい。そこでは、たとえ
ミシン側の調整をいかに入念に行っても、パッカリング
の発生を完全に阻止できないのが現状である。
パッカリング防止の従来技術として、特開昭62−1678
6号公報がある。これは下送り歯の一部に下針を設け、
これを2枚合わせの生地に突き刺して生地送りを行う形
態であり、生地送り時には押え金を上昇させて、生地が
押え金から摩擦抵抗を受けるのを防止している。
因みに、従来の一般的なミシンでは、生地を押え金で
常に押え付けて生地送り時のずれ防止を図っており、押
え金は生地送り時にも生地に対して押圧姿勢を維持して
いた。例外的に、押え金と上送り歯とが交互に上下して
恰も歩行運動を行うように動作する差動上下歩行送りミ
シンがあるが、これは押え金のリフト量が1cm前後と大
きく、厚生地の縫着に対応せんがためのものであり、薄
生地用に適用できない。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように、下針と下送り歯の協同作用で生地送り
を行う前出の従来例では、生地送り時に生地が押え金4
からの摺接抵抗を受けないので、縫いずれ防止に有効で
はある。
しかし、下針の寿命が極端に短い点に最大の難があ
る。業務用の場合、せいぜい1日、良くて2日の寿命で
ある。しかも生地送り速度を速くできない不利がある。
変形あるいは摩滅した下針で生地が損傷を受けやすい。
下針の刺傷が生地に残って商品価値を低下しやすく、と
くに曲線縫いを行うとき刺傷が目立ちやすい、などの不
利があった。
また、上記の従来例では生地送り時に上昇させた押え
金の下降タイミングに問題があった。すなわち、第5図
を参照して説明すると、上糸が引っ張られて縫目に引締
力が作用するG時点からH時点に至る間に、押え金が既
に布地を挟着するよう設定されていた。なぜなら、上送
り歯を備えていない以上、押え金で生地を押さえておか
ない限り、生地の浮き上がりが起きて有効に糸締まり作
用を発揮させることができないからである。そのため、
前記時点(G〜H)中も押え金の押圧作用が働いて、と
くに薄生地を縫着する際に生地が縫い縮められる不利が
あった。従って縫着対象がビニール、レザーなどの滑り
の悪い素材、ベルベット、別珍などの毛足のある素材、
メリヤスなどの伸縮性を有する素材、即ち厚生地に特定
されていた。
これらの生地特性からも判るように、前出の従来例に
みる押え金は、生地送り時における生地との摩擦抵抗を
避けるためだけに上昇操作されており、前述の歩行送り
ミシンに近似していると言える。
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、とく
に薄生地の縫着時に、パッカリングや縫いずれなどの縫
い不良が発生することを確実に防止することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では、上送り歯5と、これに協同して作動する
下送り歯6と、生地Wを針板7上に押圧する押え金4と
をそれぞれ備えた上下送り本縫いミシンにおいて、上下
の送り歯5・6を、これらの挟持面5a・6aが針落点Pよ
り生地送り方向下手側の針落点Pに近接した位置で生地
Wを挟持するよう配置する。両送り歯5・6による生地
送り時には、押え金4をこれが生地Wに対して実質的に
無押圧状態となるよう上昇姿勢に切り換えるリフト手段
45を備えている。リフト手段45は、上送り歯5を送り操
作する上送り駆動機構1に組み込まれている。かつ、リ
フト手段45は、下送り歯6の押し上げ操作力で上送り歯
5を介して押え金4を上昇姿勢に維持するよう構成す
る。かかる構成は構造の簡略化につながる。
具体的には上送り駆動機構1が上送り歯5および押え
金4を下降付勢するプレッシャ手段1Cを備えている。プ
レッシャ手段1Cは、ブッシュ25で上下動自在に支持した
押え棒12と、押え棒12を押し下げ付勢する押え金ばね29
と、押え棒12の内部に配置されて押え棒12で相対昇降自
在に支持したタペット体26およびプッシュロット27と、
プッシュロッド27を介してタペット体26を押し下げ付勢
する板ばね31と、押え棒12の上端内面とタペット26の上
端との間に配置した圧縮コイル形の同調ばね33を有す
る。押え棒12の下端のブラケット13に押え金4を固定
し、タペット体26の下端を操作フォーク15に圧接する。
上下の両送り歯5・6が生地Wを挟持したD時点以後、
両送り歯5・6による生地W送りが終了するH時点まで
の間、上送り歯5が下送り歯6で突き上げられ、かつ押
え金4が生地Wの厚み分だけ上昇できるよう、前記各ば
ね29・31・33のばね圧と両送り歯5・6の動作タイミン
グを調整する。
天びんを経た直後の上糸の張力を、30〜50gに設定す
る。
押え金4に明けた針孔41が、縫目側から縫針3側に向
かって上り傾斜状に傾く上糸ガイド溝42を形成し、かつ
針板7に明けた針通し孔39に、縫目側からカマ側に向か
って下り傾斜状に傾く下糸ガイド溝40を形成する。
本発明のパッカリング防止方法では、上送り歯5と、
これに協同して作動する下送り歯6と、生地Wを針板2
上に押圧する押え金4とを備えた上下送り本縫ミシンに
おいて、上下の両送り歯5・6が、針落点Pより生地送
り方向下手側の針落点Pに近接した位置で生地Wを挟持
するよう調整する。さらに、両送り歯5・6が生地Wを
挟持するのと同時点Dか、これより僅かに遅れた時点E
から、縫糸に引締力が作用し終る時点Hまでの間、押え
金4が生地Wの厚み分だけ上昇できるよう、上送り駆動
機構1のリフト手段45を調整する。以て両送り歯5・6
による生地送り過程の間、押え金4による生地Wの押圧
を解除し、縫糸の引締力による生地Wの上方移動を押え
金4で制限した状態で縫着を行う。
〔作用〕
第5図を参照して説明すると、縫目形成後に縫針3が
下死点に至る直前のD時点で下送り歯6がせり上がって
くるとともに、上送り歯5が下降して来て生地Wを挟着
し,同時に下送り歯6で上送り歯5が持ち上げられるの
に連動してリフト手段45で押え金4が持ち上げられる。
つまり、上下の送り歯5・6の生地送り期間中は押え金
4が上昇姿勢にあって、生地Wを実質的に押圧していな
い。更に天びんが上死点に至る直前のG時点から縫糸に
引締力が作用するが、この引締力が作用する間(G〜H
時点)も、上下の送り歯5・6で生地Wを挟着したうえ
で、押え金4は上昇姿勢を維持し続けており、従って生
地にこれを縮変形させるような引締力が作用しない。
針落点Pより生地送り方向下手側の針落点Pに近接し
た位置に上下の送り歯5・6を配置したのは、縫着後の
生地Wを引っ張る要領で送り、上下の生地に縫いずれが
生じるのを防止し、かつ既に形成された縫目が縫糸の引
締力により引き戻されて生地Wに縫い縮みが生じるのを
防止するためである。この点は両送り歯5・6が針落点
Pより生地送り方向上手側に位置して、生地Wを突き押
し出す方式と比較すれば、より一層明らかとなる筈であ
る。
〔実施例〕
第1図ないし第5図は本発明に係る上下送り本縫ミシ
ンの実施例を示す。
第2図において、1は上送り駆動機構、2は針棒、3
は縫針、4は押え金、5は上送り歯、6は下送り歯、7
は針板である。
上送り駆動機構1は、上送り歯5に上下動作を与える
上下動手段1Aと、上送り歯5に前後動作を与える前後動
手段1Bと、上送り歯5および押え金4を下降付勢するプ
レッシャ手段1Cとを含む。これら各手段1A・1B・1Cの協
同作用で上送り歯5は楕円状の軌跡に沿って駆動され
る。
上下動手段1Aは、上下レバー9と上中間リンク10と、
ベルクランク状のフォークレバー11などを含む。押え棒
12の下端のブラケット13にピン14を介して揺動可動に支
持したフォークレバー11が、上中間リンク10を介して上
下レバー9で上下操作される。フォークレバー11の一端
に操作フォーク15を有する。
前後動手段1Bは、前後動用レバー17と、下中間リンク
18と、上歯ホルダ19と、ブラケット13に揺動可能に支持
した支えレバー20などを含む。下中間リンク18、上歯ホ
ルダ19および支えレバー20は、ピン21を共通軸にして連
結する。上歯ホルダ19の突端上部に一対のブラケットを
立設し、両ブラケット間にローラ22を遊転自在に支持
し、これを前記フォークレバー11の操作フォーク15で相
対移動可能に係合支持する。かくして、上下動手段1Aの
動作は操作フォーク15からローラ22を介して上歯ホルダ
19に伝わり、その下面に固定した上送り歯5の姿勢を前
後動手段1Bの出力動作と協同して制御する。
プレッシャ手段1Cはアーム24の固定壁に支持した縦長
のブッシュ25と、ブッシュ25内に通した前記押え棒12
と、押え棒12の下端内部に昇降自在に支持したタペット
体26と、押え棒12内に挿通されてタペット体26に連接す
るプッシュロッド27と、これらを付勢するばね手段など
で構成する。
押え棒12はブッシュ25に昇降自在に支持されており、
図外の操作レバーを切換え操作することによって、上方
の待機姿勢と下降した作動姿勢とに手動で切換え操作で
きる。この押え棒の下端に押え金4が装着されている。
押え金4の手動切換え手段は図示省略したが公知のそれ
と同じである。
作動姿勢において押え金4を生地を挟んで針板7に圧
着させるために、押え棒12の上端にはフレーム側に上下
摺動自在に支持したばね受腕28を固定し、これを押え金
ばね29で下向きに押し下げ姿勢しておく。このばね29の
ばね圧はアーム24の上壁に装着した調節ねじ30で調節で
きる。押え金4の押圧力は従来一般に5〜6kgfに設定さ
れていたが、ここでは2.2〜3kgfと極端に弱く設定して
おく。
上送り歯5に適切な挟持圧力を付与するために、プュ
ッシュロッド27の上端に、片持ち支持した板ばね31の先
端が接当作用している。この板ばね31のばね圧も調節ね
じ32で調整できる。本発明では上下の送り歯5・6だけ
で生地送りを行う必要上、この板ばね31は通常よりやや
大きなばね力を生じるよう設定しておく。
前記板ばね31とは別に、タペット体26を押し下げ付勢
する同調ばね33を備えている。この同調ばね33は押え棒
12の内部に仕込んであり、タペット体26の上端と、押え
棒12の上端にねじ込み固定したプラグ34の間に介装す
る。この同調ばね33は操作フォーク15をローラ22に圧接
させ、操作フォーク15の上下動作にタペット体26を確実
に追随させる役目を果たす。
下送り歯6はベッド36に内蔵した公知の駆動機構で楕
円軌跡に沿って駆動され、上送り歯5と協同して生地W
を送り操作する。上送り歯5が下送り歯6に生地Wを介
して接当した後、送り操作が終了するまでの間、上送り
歯5は下送り歯6側の楕円軌跡に追従するよう動く。つ
まり、生地送り動作中は下送り歯6に突き上げられた状
態となり、このとき上送り歯5に作用する板ばね31およ
び同調ばね33のばね圧によって生地Wを強固に挟み固定
する。
第3図において、下送り歯6の上面には、生地送り方
向と平行な2個の長い挟持面6b・6bと、これら両挟持面
6b・6bの中央で生地送り方向下手側に位置する短寸の挟
持面6aとが設けられている。
生地Wの挟持および送り動作は、実質的に短寸の挟持
面6aと上送り歯5の挟持面5aとで行う。両者の挟持面5a
・6aは、第4図に示すごとく針落点Pより生地送り方向
下手側に位置しており、しかも針落点Pにできるだけ近
い位置で生地Wを挟持している点が注目されるべきであ
る。これは薄生地を引っ張る要領で確実に送るのに有効
である。
針板7の板面には、下送り歯6の挟持面6a・6bに対応
する送り窓37・37・38を明けてあり、更に中央の送り窓
38と隣接する位置に針通し孔39を明けてある。
この針通し孔39の生地送り方向下手側における上面開
口縁部分には、第4図に示すごとく縫目側からベッド36
の内部のカマ側に向かって下り傾斜状に傾く下糸ガイド
溝40を形成し、生地送り時の下糸の摺接抵抗による糸締
まりを防止している。
押え金4の針孔41にも同趣旨の上糸ガイド溝42を形成
する。具体的には、縫目側から縫針3側に向かって上り
傾斜状に傾くよう上糸ガイド溝42を形成する。第4図に
おいて符号43は押え金4に形成された上送り歯5の遊嵌
用の動作溝である。
縫目に引締力が作用するのを避けるために、押え金4
を上昇操作するリフト手段45を有する。このリフト手段
45は上送り駆動機構1中に組み込まれている。つまり、
上送り歯5が下送り歯6と協同して生地Wを挟持した状
態で、押え金4が上昇するよう上送り駆動機構1を構成
してある。
すなわち、上送り歯5が生地Wを介して下送り歯6に
接当すると、上送り歯5は下送り歯6で押し上げられ、
同時にタペット体26が操作フォーク15で同調ばね33に抗
して押し上げられる。すると、同調ばね33のばね圧が増
加し、このばね圧はプラグ34を介して押え棒12に上向き
に作用する。このとき、押え金4に作用する押え金ばね
29のばね圧は2.5〜3kgfと弱く設定してあるため、同調
ばね33のばね圧が押え金ばね29のばね圧より高くなり、
押え棒12を介して押え金4を上昇移動させるのである。
押え金4は生地送りが終了するまで上昇姿勢に維持さ
れており、この上昇姿勢では押え金4が生地Wを実質的
に押圧作用していない。
このように上下送り歯5・6による生地Wの捕捉と同
時に、押え金4が生地Wから浮き離れるよう上送り駆動
機構1を構成したものである。押え金4の上昇量は、縫
着前の自由状態時の生地Wの厚みと同じか、これより僅
かに小さく設定してあり、第4図に示す生地送り時にお
いて、押え金4は支軸46まわりに上下傾動できる。
第5図は天びん、縫針3、押え金4および上下の送り
歯5・6の関連動作を示す。これは縫針3が下死点にあ
るA時点を出発点にして、前記各部材の生地Wに対する
J時点までのワンサイクルの上下動作を示しており、図
に向かって左向きに時間が進行する。各時点間の時間間
隔は必ずしも同じではない。なお、天びんと縫針との動
作タイミングは従来公知のそれと同じである。
このタイミング表から判るように、天びんが下死点
(縫針3が上死点に至る少し前のD時点)から僅かに上
昇したE時点(このとき縫針3は上死点にある)の間に
おいて、上送り歯5が下送り歯6で押し上げられ、押え
金4は生地Wから浮き離れる。この押え金4が上昇して
いる間に上下の送り歯5・6による生地送りが行われ
る。
次に天びんが上死点(H時点)から僅かに下降したI
時点で、上送り歯5は下送り歯6から離れて、今度は押
え金4が生地Wに押し付けられ、次の縫目形成に備え
る。
縫糸の引締めは、天びんが上死点に達する直前のG時
点から上死点に来たH時点との間で行われる。このH時
点でも押え金4はリフト手段45で上昇操作されたままに
あり、生地Wから浮き離れている。
従って、縫糸に引締力が作用すると、押え金4は支軸
46を中心にして、生地送り方向上手側の先端を上にして
傾動する傾向を生じ、同時に上下の送り歯5・6で挟持
されている生地Wも押え金4の傾動に沿って僅かに浮き
上がり、縫目に過剰な引締力が作用するのを避ける。し
かも、天びんを経た上糸の張力は30〜50g、現実には40g
前後に調整してあり、下糸の張力もそれに合わせてあ
る。その結果、縫糸によって生地Wが引き縮められるこ
とはなく、パッカリング防止に有効となる。このとき、
縫目を形成する縫糸は殆ど張力を生じない状態になって
おり、とくに皺加工が施された薄生地を縫着する場合で
も、これら相まってパッカリングが発生することはな
い。また、既に形成された縫目まわりを上下の両送り歯
5・6で挟持し、針落点Pより送り方向下手側へ生地W
を引っ張って生地送りを行うので、上下の生地間に縫い
ずれが生じるのを防止できるのはもちろんのこと、縫目
が縫糸の引締力で縫針3側に引き戻されるのを防止し
て、縫目で挟まれた生地部分が引き縮められるのもよく
防止する。
上記の上下送り本縫いミシンによって、種々の薄生地
の縫着を行ったが、いずれの場合も高品位の縫製を行う
ことができた。以下に縫着例のひとつを示す。
2枚合わせの使用生地厚み (0.5mm) 生地材質 (絹)(ボリエステル) 押え金押圧力 (2.5kgf) 押え金リフト量(針板表面から0.7mm) 上糸張力 (天びんの下方において40g) 下糸張力 (中ガマ部において35g) 〔発明の効果〕 本発明では、天びんによって少なくとも縫糸が引締め
られている間(G〜H時点)までは押え金4がリフト手
段45で生地面から浮き離れているので、縫目に過剰な引
締力が作用するのを避けて、縫糸によって生地Wが引き
縮められることを確実に阻止できる。
針落点Pより生地送り方向下手側において、上下の送
り歯5・6で縫着後の生地Wを引っ張り操作して生地送
りを行い、かつ押え金4による生地Wへの押圧力が解除
されているので、上下の生地が生地送り方向にずれ動く
ことを防止でき、しかも既に形成された縫目が縫糸の引
締力で引き戻されて、縫目に挟まれた生地部分に縫い縮
みが生じるのを防止できる。
従って本発明によれば、パッカリングや縫いずれなど
の縫い不良を完全に解消して、薄生地の縫製を確実に行
うことができ、しかもその縫製品位を高度化して商品価
値の向上を期し得る。天びんを経た直後の上糸の張力を
30〜50gに設定し、下糸の張力もそれに合うようにして
おけば、かかる効果は更に有効に発揮されよう。
また、本発明によれば、押え金4のリフト手段45は上
送り歯5の上送り駆動機構1中に組み込まれており、か
つ下送り歯6による上送り歯5の突き上げ操作力を利用
して押え金4を上昇させるものとしたので、構成部材の
共用で構造の簡略化と作動の確実性とを図れる利点を有
する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明に係るミシンを例示してお
り、 第1図は要部の概略縦断側面図、 第2図は上送り駆動機構とその周辺構造を示す一部切り
欠き縦断側面図、 第3図は針板まわりの平面図、 第4図は第3図におけるA−A線断面図、 第5図は動作タイミング表である。 1……上送り駆動機構、 3……縫針、 4……押え金、 5……上送り歯、 5a……上送り歯の挟持面、 6……下送り歯、 6a……下送り歯の挟持面、 7……針板、 39……針通し孔、 40……下糸ガイド溝、 41……針孔、 42……上糸ガイド溝、 45……リフト手段、 P……針落点、 W……生地。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上送り歯(5)と、これに協同して作動す
    る下送り歯(6)と、生地(W)を針板(7)上に押圧
    する押え金(4)とをそれぞれ備えており、 上下の送り歯(5・6)は、これらの挟持面(5a・6a)
    が針落点(P)より生地送り方向下手側の針落点(P)
    に近接した位置で生地(W)を挟持するよう配置してあ
    り、 両送り歯(5・6)による生地送り時には、押え金
    (4)をこれが生地(W)に対して実質的に無押圧状態
    となるよう上昇姿勢に切り換えるリフト手段(45)を備
    えており、 リフト手段(45)は、上送り歯(5)を送り操作する上
    送り駆動機構(1)に組み込まれており、 かつ、リフト手段(45)は、下送り歯(6)の押し上げ
    操作力で上送り歯(5)を介して押え金(4)を上昇姿
    勢に維持するよう構成されている上下送り本縫ミシン。
  2. 【請求項2】上送り駆動機構(1)が上送り歯(5)お
    よび押え金(4)を下降付勢するプレッシャ手段(1C)
    を備えており、 プレッシャ手段(1C)は、ブッシュ(25)で上下動自在
    に支持した押え棒(12)と、押え棒(12)を押し下げ付
    勢する押え金ばね(29)と、押え棒(12)の内部に配置
    されて押え棒(12)で相対昇降自在に支持したタペット
    体(26)およびプッシュロッド(27)と、プッシュロッ
    ド(27)を介してタペット体(26)を押し下げ付勢する
    板ばね(31)と、押え棒(12)の上端内面とタペット体
    (26)の上端との間に配置した圧縮コイル形の同調ばね
    (33)を有し、 押え棒(12)の下端のブラケット(13)に押え金(4)
    が固定され、タペット体(26)の下端が操作フォーク
    (15)に圧接されており、 上下の両送り歯(5・6)が生地(W)を挟持した
    (D)時点以後、両送り歯(5・6)による生地(W)
    送りが終了する(H)時点までの間、上送り歯(5)が
    下送り歯(6)が突き上げられ、かつ押え金(4)が生
    地(W)の厚み分だけ上昇できるよう、前記各ばね(29
    ・31・33)のばね圧と両送り歯(5・6)の動作タイミ
    ングが調整してある請求項1記載の上下送り本縫いミシ
    ン。
  3. 【請求項3】天びんを経た直後の上糸の張力が、30〜50
    gに設定されている請求項1又は2記載の上下送り本縫
    ミシン。
  4. 【請求項4】押え金(4)に明けた針孔(41)が、縫目
    側から縫針(3)側に向かって上り傾斜状に傾く上糸ガ
    イド溝(42)を含み、 かつ針板(7)に明けた針通し孔(39)が、縫目側から
    カマ側に向かって下り傾斜状に傾く下糸ガイド溝(40)
    を含む請求項1又は2記載の上下送り本縫ミシン。
  5. 【請求項5】上送り歯(5)と、これに協同して作動す
    る下送り歯(6)と、生地(W)を針板(2)上に押圧
    する押え金(4)を備えた上下送り本縫ミシンにおい
    て、 上下の両送り歯(5・6)が、針落点(P)より生地送
    り方向下手側の針落点(P)に近接した位置で生地
    (W)を挟持するよう調整されており、 両送り歯(5・6)が生地(W)の挟持するのと同時点
    (D)か、これより僅かに遅れた時点(E)から、縫糸
    に引締力が作用し終る時点(H)までの間、押え金
    (4)が生地(W)の厚み分だけ上昇できるよう、上送
    り駆動機構(1)のリフト手段(45)が調整されてお
    り、 両送り歯(5・6)による生地送り過程の間、押え金
    (4)による生地(W)の押圧を解除し、縫糸の引締力
    による生地(W)の上方移動を押え金(4)で制限した
    状態で縫着を行うことを特徴とする、上下送り本縫ミシ
    ンにおけるパッカリング防止方法。
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