JPH08152894A - エンジン排気音の合成装置 - Google Patents

エンジン排気音の合成装置

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JPH08152894A
JPH08152894A JP6314272A JP31427294A JPH08152894A JP H08152894 A JPH08152894 A JP H08152894A JP 6314272 A JP6314272 A JP 6314272A JP 31427294 A JP31427294 A JP 31427294A JP H08152894 A JPH08152894 A JP H08152894A
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    • A63H17/26Details; Accessories
    • A63H17/34Arrangements for imitating the noise of motors
    • GPHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 アクセルの操作量やエンジン回転数に応じ
た臨場感の高められたエンジン排気音の合成装置を提供
すること。 【構 成】 アクセル操作子の操作量は、非線形回路2
1のテーブルに基づいて、エンジン出力信号に変換され
て、エンジン回転数生成手段30、排気波形記憶手段2
2に供給される。エンジン回転数生成手段30はエンジ
ン出力信号を遅延させてエンジン回転数信号を生成し、
排気波形記憶手段22に供給する。位相情報生成手段4
0により排気波形記憶手段22からエンジン回転数信号
に対応した周期で読み出された排気波形信号が、排気管
をシミュレートする排気管回路に供給されてエンジン排
気音が合成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライブシミュレー
タ、フライトシミュレータ、レーシングゲーム、エアー
バトルゲーム、あるいは車室内環境制御等において用い
られるレシプロエンジン等のエンジン排気音の合成装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のエンジン排気音の合成装置は、
PCM(パルス符号変調)化した単純な繰り返し波形デ
ータを記憶した波形メモリを用いたり、周波数変調(F
M)などによる単純な楽音合成装置を用いてエンジン排
気音をシミュレートする音を合成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
なエンジン排気音の合成装置では、アクセルワークや車
両の速度などに応じて、エンジン排気音の波形等を変化
させるのが困難であり、ドライブシミュレータやゲーム
などにおいて、臨場感が低いという問題点があった。
【0004】そこで、本発明はアクセルの操作量やエン
ジン回転数に応じたエンジン排気音をシミュレートで
き、臨場感の高められたエンジン排気音をシミュレート
することができるエンジン排気音の合成装置を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のエンジン排気音の合成装置は、エンジン出
力をシュミレートする特性を有し、アクセル操作子の操
作量に対応したエンジン出力信号を出力する信号発生手
段と、該信号発生手段より出力される前記エンジン出力
信号を少なくとも遅延処理することによりエンジン回転
数信号を生成するエンジン回転数生成手段と、前記エン
ジン回転数生成手段から出力されるエンジン回転数信号
に対応した周期で、所定の排気波形信号を発生する波形
発生手段と、排気管をシミュレートする少なくとも遅延
ループを有する排気管回路を備え、前記再生された排気
波形信号を前記排気管回路に供給し、前記排気管回路か
らエンジン排気音を出力するようにしたものである。
【0006】また、前記本発明のエンジン排気音の合成
装置において、前記信号発生手段は、アクセル操作子の
操作量を対応したエンジン出力信号に変換する非線形特
性を持つ変換手段を含むようにしたものであり、前記エ
ンジン回転数生成手段は、前記エンジン出力信号をフィ
ルタ処理することにより、前記エンジン回転数信号を得
るようにしたものであり、前記波形発生手段は、所定の
排気波形に対応した波形データを記憶した波形記憶手段
を含み、該波形データを読み出すことによって前記排気
波形を発生するようにしたものである。さらに、前記エ
ンジン回転数信号に基づいて位相信号を発生する位相発
生手段をさらに備え、該位相信号に応じて前記波形記憶
手段から前記波形データを読み出すようにしてもよく、
また、前記排気管回路は、シミュレートする排気管長に
対応した遅延量を持つ遅延ループを含むようにしたもの
である。
【0007】
【作用】本発明によれば、アクセル操作子の操作量に応
じて発生されたエンジン出力信号に対応する排気波形信
号が、エンジン回転数情報に応じた周期で発生され、こ
の排気波形信号が排気管(マフラー)をシミュレートし
た排気管回路に入力されて排気音信号が発生されるた
め、エンジンの排気挙動を十分にシミュレートすること
ができ、臨場感の高められたエンジン排気音を合成する
ことができる。さらに、アクセル操作子の操作により、
実際のエンジンの排気挙動に近い状態で、排気音信号の
周期および波形を変化させることができるため、一層臨
場感の高められたエンジン排気音を合成することができ
る。
【0008】
【実施例】本発明のエンジン排気音の合成装置の概略の
ブロック図を図1に示す。この図において、1はアクセ
ル情報及びエンジン回転数情報(cpm)に基づいてエ
ンジンモデルをシミュレートし、排気波形信号を生成す
る排気波形生成手段、2はマフラーすなわち排気管モデ
ルをシミュレートして排気音信号を生成する排気管回路
である。そして、アクセル情報及びエンジンの回転数情
報が排気波形生成手段1に入力されると、排気波形生成
手段1は入力されたアクセル情報、および、回転数情報
に対応した排気波形信号を発生する。この排気波形信号
は排気管回路2に入力されて、排気管をシミュレートし
た排気管回路2によりエンジン排気音をシミュレートす
る排気音信号に加工されて出力される。
【0009】次に、排気波形生成手段12の詳細な構成
を図2に示す。この図において、21はアクセル情報に
基づいてエンジン出力信号を発生する非線形回路、22
は複数種類の排気波形22−1〜22−4を記憶しエン
ジン出力信号に応じた排気波形が選択されて出力される
排気波形記憶手段、23は排気波形記憶手段22から読
み出された排気波形信号の音色を加工するためのフィル
ター、24はフィルター23から出力された排気波形信
号の振幅の大きさを制御する乗算器、25はフィルター
23の加工量を調整する調整手段、26は乗算器24の
制御量を調整する調整手段、40はエンジンの回転数情
報(cpm)をシステムクロック毎に累算することによ
り、位相情報を生成する位相情報生成手段(P.G)で
あり、加算器41と1システムクロック遅延する遅延手
段42とから構成されている。
【0010】このように構成された排気波形生成手段1
の動作を説明すると、フットペダル等から出力されるデ
ィジタルのアクセル情報に対するエンジン出力信号の特
性は、リニアな特性とならず、一般に非線形特性とされ
ている。この非線形特性を非線形回路21が実現してお
り、アクセル情報が入力されると、非線形回路21は記
憶しているテーブルに基づいてそのアクセル情報量に対
応するエンジン出力信号を発生し、排気波形記憶手段2
2に印加されてエンジン出力信号に適した排気波形が選
択される。また、調整手段25を介してフィルター23
に印加されてエンジン出力信号に適した音色が選択され
ると共に、調整手段26を介して乗算器24に印加され
てエンジン出力信号に適した振幅が選択される。なお、
アクセル情報が「0」であってもエンジンはアイドル状
態とされて回転しており、排気音は若干出力されている
ので、これをシミュレートするために非線形回路21
は、アクセル情報がない場合でもアイドル状態のエンジ
ン出力信号が出力される特性とされている。
【0011】また、ディジタル信号とされた回転数情報
(cpm)は位相情報生成手段40を構成する加算器4
1に入力され、加算器41において遅延手段42の出力
と加算される。加算された信号は遅延手段42において
い1システムクロック時間遅延されて加算器41に戻さ
れる。したがって、1システムクロック毎に回転数情報
が累算されて遅延手段42から出力されるようになる。
この場合、加算器41は限られた演算ビット数とされて
いるため、累算値がオーバフローするとMSBが「0」
となる。累算値のオーバフローは入力信号の大きさに応
じた周期毎に生じるため、位相情報生成手段40から
は、cpmの大きさに応じた繰り返し周期を有する位相
情報信号が出力されることになる。
【0012】そこで、この位相情報生成手段40より出
力される位相情報信号を読出アドレスとして排気波形記
憶手段22に与え、排気波形記憶手段22から排気波形
を読み出すようにすると、読み出された排気波形信号の
周期はcpmに応じた基本周期を有するようになる。と
ころで、前記したように排気波形記憶手段22に印加さ
れたエンジン出力信号の大きさに応じて、複数の排気波
形信号22−1〜22−4のうちの最適の排気波形が選
択されていることにより、エンジン排気波形をよりよく
シミュレートできるようになる。更に、エンジン出力信
号の大きさに応じてフィルター23の係数が制御される
ことにより、エンジン出力信号に応じて排気波形信号の
音色が変化するよう制御されると共に、乗算器24によ
り排気波形信号の振幅が制御され、アクセル情報に応じ
た大きさになるようエンジン排気波形が制御されるよう
になる。
【0013】これにより、一層実際のエンジン排気音波
形に近似した排気波形信号が排気波形生成手段1から出
力されるようになる。なお、排気波形記憶手段22に記
憶される排気波形22−1〜22−4はパルス状あるい
はノイズ状の波形とするのが好適である。さらに、フィ
ルター23及び乗算器24において、非線形回路21か
らの信号に対する感度を手動により調整できるように調
整手段25及び調整手段26が設けられている。
【0014】次に、排気管をシミュレートする排気管回
路2について説明するが、排気管50は一般に図3の実
線で示すように細い管51に太い管52が接続され、更
に細い管53が接続された構造とされている。また、破
線で示す太い管54ないし細い管57を、さらに縦続接
続するようにしても良い。このような排気管50をシミ
ュレートする排気管回路2を図4ないし図6を用いて説
明する。排気管回路2の一例を図4に示すが、シミュレ
ートする際に排気管50の細い管51の左端は、エンジ
ンとの連結部でありその断面は小さいものと仮定して閉
口端とし、また、細い管53あるいは細い管57の右端
は、排気を外気に放出しているので開口端としている。
【0015】図4において、加算器61は反射波が図3
に示す排気管50の左端で再度反射されて進行する現象
をシミュレートするためのものであり、排気波形信号と
遅延手段Db1よりの反射波信号とを加算している。ま
た、遅延手段Da1〜Dan,Db1〜Dbnは空気圧
力波が図3に示す各管51〜57を通過するのに要する
時間をシミュレートしており、その時間は図3に示す管
の長さD1〜Dnに対応している。さらに、ジャンクシ
ョンJ1〜Jn−1は管と管との連結部における空気圧
力波の散乱をシミュレートしており、係数乗算器62は
排気管50の最終開口端において進行波が位相反転して
反射波となる現象をシミュレートしており、遅延手段D
anの出力に「−1」の係数を乗算して遅延手段Dbn
に供給している。
【0016】このようにシミュレートされた排気管回路
2において、図3に示す実線の構造の排気管50をモデ
ルすると、ジャンクションはJ1,J2の2つ、遅延手
段は両端とジャンクション間のDa1〜Da3,Db1
〜Db3の3組、及び加算器61と係数乗算器62とで
構成することができる。また、ジャンクションJ1は加
算器63,64,65及び係数乗算器66で構成されて
おり、加算器63は遅延手段Da1よりの第1進行波信
号から、遅延手段Db2よりの第(n−1)反射波信号
を減算し、係数乗算器66は連結部における散乱特性に
対応した係数Knを加算器63の信号に乗算し、加算器
64は第1進行波信号と係数乗算器66の出力とを加算
して第2進行波信号を生成し、加算器65は第(n−
1)反射波信号と係数乗算器66の出力とを加算して第
n反射波信号を生成している。他のジャンクションJ2
〜Jn−1も同様の構成により構成されている。
【0017】この排気管回路2の動作を説明すると、加
算器61に排気波形生成手段1から排気波形信号が入力
されると、遅延手段Db1から遅延された第n反射波信
号が加算されることにより、第1進行波信号が生成され
て遅延手段Da1に供給される。この遅延手段Da1に
より第1進行波信号が、細い管51の左端から右端に伝
播されるタイムラグに相当する時間だけ遅延されて、細
い管51と太い管52との連結部における散乱をシミュ
レートとしているジャンクションJ1に供給される。
【0018】ジャンクションJ1内において、第1進行
波信号は加算器63及び加算器64に供給される。そし
て、加算器63において第(n−1)反射波信号が減算
されて、係数乗算器66に供給されている。係数乗算器
66はこの信号に係数K1を乗算して、加算器64及び
加算器65に供給している。加算器64は第1進行波信
号と係数乗算器66からの信号とを加算して、太い管5
2をシミュレートしている遅延手段Da2に第2進行波
信号として供給している。また、加算器65は遅延手段
Db2からの第(n−1)反射波信号と係数乗算器66
からの信号とを加算して第n反射波信号を生成し、細い
管51をシミュレートしている遅延部Db1に供給して
いる。
【0019】上記動作は遅延手段Da1、遅延手段Db
1及びジャンクションJ1におけるものであるが、他の
遅延部Da2〜Dan、遅延手段Db2〜Dbn及びジ
ャンクションJ2〜Jn−1においても同様な動作が行
われる。そして、排気管50の最終端である遅延手段D
anは排気管50により生成された排気音信号を外部に
出力すると共に、係数乗算器62に供給する。係数乗算
器62はその信号に「−1」を乗算して第1反射波信号
を生成し、遅延手段Dbnに供給する。遅延手段Dbn
はこの信号を遅延させた後、ジャンクションJn-1に供
給する。そして、この反射波信号は順々に左側に伝播さ
れて加算器61にフィードバックされていく。
【0020】次にジャンクションの他の例を図5を参照
しながら説明する。図5(a)に示すジャンクションの
例においては、左上側から第1進行波信号が係数乗算器
71及び係数乗算器72に供給され、係数乗算器71は
第1進行波信号に係数(1+K)を乗算し、係数乗算器
72は係数Kを乗算する。一方、右下側から供給される
第2反射波信号は係数乗算器73及び係数乗算器74に
供給され、係数乗算器73は第2反射波信号に係数(1
−K)を乗算し、係数乗算器74は係数(−K)を乗算
する。そして、加算器75は係数乗算器71からの信号
と係数乗算器72からの信号を加算することにより、第
2進行波信号を生成して右上側から出力する。一方、加
算器76は係数乗算器72からの信号と係数乗算器73
からの信号を加算することにより、第1反射波信号を生
成して左下側から出力する。この係数Kの値は連結部に
おける散乱特性に合わせて決定される。
【0021】さらに他のジャンクションの例を図5
(b)に示す。このジャンクションにおいては、左上側
から第1進行波信号が係数乗算器81及び加算器82に
供給され、係数乗算器81は第1進行波信号に係数αを
乗算する。一方、右下側から供給される第2反射波信号
は係数乗算器83及び加算器84に供給され、係数乗算
器83は第2反射波信号に係数βを乗算する。そして、
加算器85は係数乗算器81からの信号と係数乗算器8
3からの信号を加算して、加算出力を加算器82,84
に供給する。加算器82は加算器85の出力信号から第
1進行波信号を減算することにより、第1反射波信号を
生成して左下側から出力する。一方、加算器84は加算
器85の出力信号から第2反射波信号を減算することに
より、第2進行波信号を生成して右上側から出力する。
なお、係数α及び係数βの値は連結部における散乱特性
に合わせて決定される。このように、前記図5(a)
(b)に示すジャンクションの例においても、前記図4
に示されているジャンクションと同様に管と管との連結
部における空気圧力波の散乱をシミュレートすることが
できる。
【0022】次に、排気波形生成手段1の他の例を図6
に示すが、この例においてはアクセル情報だけを入力
し、アクセル情報を利用して必要とするエンジン回転数
情報(cpm)を得るようにしたものであり、実際のエ
ンジンに近いものである。この排気波形生成手段1の構
成は、前記図2に示す構成と比較してエンジン回転数生
成手段30が付加されているだけであるので、特にエン
ジン回転数生成手段30に関して説明を行う事とする。
図6に示す排気波形生成手段1において、ドライブシミ
ュレータ、フライトシミュレータ、レーシングゲーム及
びエアーバトルゲームなどに設けられているアクセルペ
ダル、ジョイスティックやエンジン出力レバーなどのア
クセル操作子3の機械的操作量が、図示しないA−D変
換手段によりディジタルのアクセル情報に変換されて、
非線形回路21に供給されている。
【0023】この非線形回路21において前記したよう
に、アクセル操作子3の操作量に基づいてエンジン出力
信号が発生されるが、このエンジン出力信号は分岐され
てエンジン回転数生成手段30に供給されている。一般
に、エンジンの回転数はエンジン出力信号の変化に応じ
て変化するが、その変化はエンジン出力信号より遅延し
て変化している。この様子をシミュレートするのがエン
ジン回転数生成手段30であり、加算器31、遅延手段
32、係数乗算器33、加算器34により構成されてお
り、エンジン回転数生成手段30はローパスフィルター
とされている。
【0024】この加算器31において、エンジン出力信
号と加算器34から出力されるフィードバック信号とが
加算されて遅延手段32に供給される。遅延手段32は
エンジンの出力上昇によりその回転数が上昇するまでの
タイムラグを与えるものである。また、係数乗算器33
は係数Rをエンジン回転数信号(cpm)に乗算して、
車両に加わる空気抵抗やメカ抵抗などの抵抗によるエン
ジン減速信号を発生し、加算器34にエンジン回転数信
号(cpm)を減少させる減算信号として与えられてい
る。これにより、現在のエンジン回転数信号が減少され
て加算器31にフィードバックされている。
【0025】したがって、エンジン回転数信号からエン
ジン減速信号を減算し、その信号にアクセルによる加速
量であるエンジン出力信号を加算して新しいエンジン回
転数信号が発生されることになる。このため、アクセル
操作子3を操作すると、抵抗を考慮しながら、段々とエ
ンジン回転数信号が増大するようになっており、実際の
エンジンの挙動に一致するようになる。そして、エンジ
ン回転数生成手段30より出力されるエンジン回転数信
号(cpm)は、位相情報生成手段40に供給されて前
記したように排気波形記憶手段22より、排気波形を読
み出す位相情報が作成されることになる。以下、前記図
2に示す排気波形生成手段と同様の動作が行われ、排気
波形信号が出力される。
【0026】また、エンジン出力信号に対しエンジン回
転数信号(cpm)は、通常非線形特性とされているの
で、これをシミュレートするため図7に示すように、エ
ンジン回転数生成手段30において遅延手段32に第2
非線形回路35を縦続接続し、この第2非線形回路35
からエンジン回転数信号(cpm)を出力するようにし
ても良い。この第2非線形回路35を設けると、より一
層実際のエンジンの挙動をシミュレートすることができ
るようになり、より臨場感の高められたエンジン排気音
を合成できるようになる。
【0027】以上の説明においては、アクセル操作子1
はアクセルペダル、ジョイスティックやエンジン出力レ
バーなどで構成されるものとしたが、これに限らず鍵盤
のアフタタッチセンサ出力やマウスなどの連続値の得ら
れる各種操作子を用いることができる。なお、エンジン
排気音の合成装置の各部はハードウェアによって構成し
ても良いが、処理プログラムを含めたコンピュータやデ
ィジタルシグナルプロセッサ(DSP)による構成とし
てもよく、さらに、これらを適宜組み合わせたハイブリ
ッドシステムとしても良いことは云うまでもない。ま
た、コンピュータゲーム、ドライブシミュレータなどに
おいては、アクセル情報やエンジン回転数情報を表示画
面における動きや、ゲームの展開に反映させて変化させ
ることも可能である。
【0028】さらに、排気波形記憶手段22の排気波
形、フィルター23のフィルター特性、排気管回路2の
各種係数および特性、非線形回路21の特性、あるいは
エンジン回転数生成手段30の特性などは、ゲームなど
の使用目的に応じて適宜変更可能であり、かつその設定
を可変とすることも可能である。そして、エンジン負荷
に関連する情報、たとえばゲームにおける走行路の状
態、トランスミッションの設定状況、ステアリングの状
態、および、クラッチやブレーキの操作などの情報を、
エンジン回転数信号、排気波形信号のフィルター特性、
あるいは振幅などに反映させるようにすれば、より高度
なシミュレーションを可能とすることができる。また、
フライトシミュレータなどにおける飛行機用エンジンの
シミュレーションでは飛行状態、操縦状態に応じてエン
ジン排気音の合成装置の各構成を制御すればよい。
【0029】さらにまた、排気管回路2の遅延量は、エ
ンジンおよび排気管の温度変化に応じて変化させるよう
にしても良い。この温度変化はエンジン回転数や回転時
間などから算出可能である。これにより、熱による排気
系(排気管)の膨張収縮、音速の変化を考慮してシミュ
レーションすることができる。その際に、温度変化に応
じて排気波形を変化させるようにしても良い。さらに、
ノイズ発生器を設けて、アクセルの操作量やエンジン回
転数に応じて、排気波形信号の周波数特性、振幅を制御
するようにすることも可能である。この場合、エンジン
ノイズは点火時に多く発生するので、点火タイミング時
にノイズが発生するように、ノイズの発生タイミングを
排気波形信号の読み出し位相値に応じて制御するように
しても良い。例えば、排気波形信号の立ち上がり区間に
ノイズを印加したり、あるいはノイズの振幅を大きくし
たりすることができる。
【0030】前記の説明においては、排気波形は波形メ
モリから読み出すことにより発生するものとしたが、本
発明はこれに限らず、所望の波形が発生できるものであ
ればどのような波形発生方式、あるいは波形合成方式の
ものを採用しても良く、例えばFM,PCMパルス波を
フィルタに通す方式等を採用してもよい。そして、排気
音信号は排気管回路2の途中から信号の一部を取り出す
ことなどにより、2本の排気管をシミュレートするステ
レオ化も可能になる。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、アクセル操作子の操作量に応じてエンジン出力信号
を発生することができ、そのエンジン出力信号に対応す
る排気波形信号がエンジン回転数に応じた周期で、排気
管をシミュレートした排気管回路に入力されて排気音信
号が発生することができる。このため、アクセル操作子
の操作により、実際のエンジンの排気挙動に近い状態
で、排気音信号の周期および波形を変化させたエンジン
排気音を合成することができる。したがって、合成され
たエンジン排気音を臨場感の高いエンジン排気音とする
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンジン排気音の合成装置の概略構
成を示す図である。
【図2】 排気波形生成手段の構成の一例を示す図であ
る。
【図3】 排気管モデルの構造を示す図である。
【図4】 排気管回路の構成の一例を示す図である。
【図5】 排気管回路におけるジャンクションの構成の
他の例を示す図である。
【図6】 排気波形生成手段の構成の他の例を示す図で
ある。
【図7】 エンジン回転数生成手段の他の構成例を示す
図である。
【符号の説明】
1 排気波形生成手段、2 排気管回路、3 アクセル
操作子、21 非線形回路、22 排気波形記憶手段、
23 フィルター、24乗算器、30 エンジン回転数
生成手段、40 位相情報生成手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力をシュミレートする特性を
    有し、アクセル操作子の操作量に対応したエンジン出力
    信号を出力する信号発生手段と、 該信号発生手段より出力される前記エンジン出力信号を
    少なくとも遅延処理することによりエンジン回転数信号
    を生成するエンジン回転数生成手段と、 前記エンジン回転数生成手段から出力されるエンジン回
    転数信号に対応した周期で、所定の排気波形信号を発生
    する波形発生手段と、 排気管をシミュレートする少なくとも遅延ループを有す
    る排気管回路を備え、前記再生された排気波形信号を前
    記排気管回路に供給し、前記排気管回路からエンジン排
    気音を出力することを特徴とするエンジン排気音の合成
    装置。
  2. 【請求項2】 前記信号発生手段は、前記アクセル操作
    子の操作量を対応したエンジン出力信号に変換する非線
    形特性を持つ変換手段を含むことを特徴とする請求項1
    記載のエンジン排気音の合成装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジン回転数生成手段は、前記エ
    ンジン出力信号をフィルタ処理することにより、前記エ
    ンジン回転数信号を得ることを特徴とする請求項1記載
    のエンジン排気音の合成装置。
  4. 【請求項4】 前記波形発生手段は、所定の排気波形に
    対応した波形データを記憶した波形記憶手段を含み、該
    波形データを読み出すことによって前記排気波形を発生
    することを特徴とする請求項1記載のエンジン排気音の
    合成装置。
  5. 【請求項5】 前記エンジン回転数信号に基づいて位相
    信号を発生する位相発生手段をさらに備え、該位相信号
    に応じて前記波形記憶手段から前記波形データを読み出
    すことを特徴とする請求項4記載のエンジン排気音の合
    成装置。
  6. 【請求項6】 前記排気管回路は、シミュレートする排
    気管長に対応した遅延量を持つ遅延ループを含むことを
    特徴とする請求項1記載のエンジン排気音の合成装置。
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