JP2725479B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2725479B2
JP2725479B2 JP3153464A JP15346491A JP2725479B2 JP 2725479 B2 JP2725479 B2 JP 2725479B2 JP 3153464 A JP3153464 A JP 3153464A JP 15346491 A JP15346491 A JP 15346491A JP 2725479 B2 JP2725479 B2 JP 2725479B2
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康之 梅山
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】この発明は、自然楽器の動作をシミュレー
トする電子楽器に係り、特に、発生楽音を減衰させる際
のリリース波形を、実際の自然楽器の挙動と同等に制御
することができる電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然楽器の発音メカニズムをシミ
ュレートしたモデルを動作させ、これにより自然楽器の
楽音を合成する電子楽器が各種開発されている。この種
の技術は、例えば、クラリネットなどの管楽器の発音メ
カニズムをシミュレートした電子楽器が特開昭63−4
0199号公報に開示されている。
【0003】また、発生楽音のリリース波形を制御する
技術は、従来より鍵盤楽器における離鍵時の楽音制御と
して多数の技術が提案されている。このような技術の
内、例えば、特開昭61−120199号公報には、離
鍵時のタッチに応じて読み出す楽音波形を選択し、これ
によりリリース波形を制御する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自然楽器に
おいては、周知のように、発音のための機構を備えると
共に、発音された楽音を消音(減衰)させる減衰機構を
備えるものが少なくない。例えば、ピアノなどにおいて
は、押鍵に応じて弦が打弦され、振動状態にある弦上に
上記減衰機構に相当するダンパが当接することによっ
て、その弦振動を減衰させて楽音を消音するようにして
いる。そして、このような減衰機構によりピアノ特有の
楽音が形成される。また、こうした減衰機構に限らず、
例えば、ギターやバイオリンなどの弦楽器にあっては、
弦に与えられた振動が大きい場合、弦が通常の振幅範囲
を越えて指板やフレットに当り、これにより特徴的な楽
音が形成される。このように、実際の自然楽器において
は、発音以降の振る舞い、すなわち、楽音発生から減衰
に至るまでの過程で、その楽器固有の楽音を形成してい
る場合が多い。
【0005】しかしながら、上記特開昭63−4019
9号公報に開示されている技術においては、上述したよ
うな効果を考慮しておらず、このため、必ずしも楽音発
生から減衰に至るまでの全ての動作をシュミレートする
ものではなかった。さらに、この楽音発生から減衰に至
るまでの動作をシュミレートする際において、リリース
波形を制御する場合、上記特開昭61−120199号
公報に開示された技術では、離鍵時のタッチに応じて読
み出す楽音波形が選択されるため、実際のダンパの動作
に対応して大きく変化するリリース波形を実現すること
ができなかった。この発明は上述した事情に鑑みてなさ
れたもので、楽音発生から減衰に至るまでの全ての動作
をシミュレートすることができる電子楽器に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
演奏情報に対応した励振信号を発生する励振手段と、少
なくとも前記励振信号を所定時間遅延させる遅延手段を
閉ループ接続してなる閉ループ手段と、前記閉ループ手
段を循環する信号に基づき抑制信号を発生し、この抑制
信号を前記閉ループ手段に入力する抑制信号発生手段と
を具備することを特徴としている。また、請求項2記載
の発明は、前記閉ループ手段から抽出された信号と前記
励振信号とを所定の割合で混合して楽音波形を形成する
合成手段を具備することを特徴としている。また、請求
項3記載の発明は、前記抑制信号の特性を指示する指示
手段を具備し、前記抑制信号発生手段が、前記閉ループ
手段を循環する信号に基づき、かつ前記指示手段によっ
て指示された抑制信号の特性に応じて、前記抑制信号を
発生し、該抑制信号を前記閉ループ手段に入力する こ
とを特徴としている。
【0007】
【作用】上記構成によれば、抑制信号発生手段によっ
て、閉ループ手段を循環する信号に基づいて抑制信号が
発生されると共に、発生された抑制信号が閉ループ手段
を循環する信号を抑制させる信号として閉ループ手段に
入力される。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 A.実施例の全体構成 図1はこの発明の一実施例である電子ピアノの全体構成
を示すブロック図である。この図において、1は鍵盤で
ある。この鍵盤1は、各鍵毎の押離鍵を検出すると共
に、押鍵の速度及び離鍵の速度を検出する機構を有し、
押離鍵および押離鍵の速度に対応した信号を発生する。
1aは鍵盤インターフェイスであり、鍵盤1から供給さ
れる各種信号に基づき、音高に関する情報、押鍵速度信
号および離鍵速度信号を発生する。2はこの電子ピアノ
各部を制御するCPUであり、その動作については後述
する。
【0009】3はCPU2にロードされる各種制御プロ
グラムや、これらプログラムで用いられる各種データな
どが記憶されるROMである。4はCPU2の各種演算
結果や、レジスタ値が一時記憶されるRAMである。5
はこの電子ピアノに配設されるペダルである。このペダ
ル5は、実際のピアノにおけるダンパペダルと同様に作
用するものであって、操作量に応じて楽音の減衰を制御
する。また、このペダル5は、前記鍵盤1と同じく、そ
の操作速度を検出する機構が備えられており、操作量に
応じた信号や、操作速度を表す信号を発生する。5aは
ペダルインターフェイスであり、ペダル5から供給され
る各種信号をもとに、ペダル離鍵速度信号を出力する。
【0010】6はCPU2よりバスを介して供給される
各種信号に基づき楽音合成を行い、これにより形成され
る楽音信号W5を出力する楽音合成回路であり、その構
成については後述する。7はサウンドシステムである。
このサウンドシステム7は、この楽音信号W5に対して
フィルタリングを施し、不要ノイズの除去、あるいは効
果音処理などを施した後、これを増幅してスピーカSP
に与え、楽音として発音させる。
【0011】B.楽音合成回路6の構成 次に、図2は楽音合成回路6の構成を示すブロック図で
ある。図において、10はインタフェース回路、11は
インタフェース回路10を介して供給される信号に応じ
て励振信号W3を発生する第1楽音形成部である。この
第1楽音形成部11は、周知の波形メモリ読み出し方式
により励振信号W3を発生すると共に、該信号W3の0
位相を検出したタイミングで0位相検出信号PH0を出
力する。12はゲート信号発生回路であり、0位相検出
信号PH0の供給に応じてゲート信号Gを発生する。1
3はこのゲート信号Gに基づき、入力端Aに供給される
励振信号W3を選択して出力する。すなわち、このセレ
クタ13は、励振信号W3の1周期分の波形を切出して
出力する。
【0012】14はピアノの弦振動と、この弦振動を減
衰させる際のダンパ動作とをシミュレートする第2楽音
形成部であり、その詳細な構成については後述する。な
お、この第2楽音形成部14は、CPU2から供給され
る動作パラメータに基づき、上述のシュミレートを行
い、これにより生成される波形信号W4を出力する。1
5はミクサ回路であり、混合比制御回路16から供給さ
れる比率データDrに従って、波形信号W4と励振信号
W3とを所定の割合で混合し、混合した結果を楽音信号
W5として出力する。ここで、ミクサ回路15と混合比
制御回路16とは、主に押鍵から離鍵までの間の楽音を
示す励振信号W3と、離鍵から楽音発生終了までの楽音
を示す波形信号W4とをスムーズにつなぐための、クロ
スフェード処理を行う。
【0013】17はエンベロープ検出回路である。この
エンベロープ検出回路17は、ローパスフィルタ等で構
成され、上述した楽音信号W5のエンベロープ波形(包
絡線形状)を抽出し、各時点での最大振幅レベルを表す
エンベロープ信号ENVを出力する。このエンベロープ
信号ENVは、インターフェイス回路10を介してCP
U2に与えられる。なお、このエンベロープ信号ENV
は、CPU2においてなされる発音チャンネル割り当て
制御に用いられるものであり、この割り当て制御につい
ては後述する。
【0014】C.第1楽音形成部11の構成 次に、図3を参照し、第1楽音形成部11の構成につい
て説明する。この図において、40はアドレス設定回路
であり、前述したインタフェース回路10から供給され
る各種信号に基づいて波形読み出しアドレスを設定す
る。すなわち、このアドレス設定回路40は、インター
フェイス回路10から供給されるキーオン信号KON
P、キーオフ信号KOFP、キーコードKCおよび押鍵
速度情報ITに従って、アタック部読出開始アドレスS
TART.ADおよび、アタック部読出終了アドレスE
ND.ADを発生し、これをアドレス生成回路41に供
給する。なお、このキーオン信号KONP/キーオフ信
号KOFPは、鍵盤1における押離鍵操作に応じて発生
する信号であり、キーコードKCは、押鍵操作に対応し
た音高を表す情報である。また、このアドレス設定回路
40にあっては、波形記憶回路からアタック波形を読み
出させるため、読み出しモードを表す信号MODEを発
生する。ここで、アタック波形を読み出させる場合に
は、該アタック波形は繰り返し読出する必要がないの
で、信号MODEは1回の読み出しを指示する「MOD
E=0」として出力される。
【0015】42は位相発生回路であり、上述したキー
オン信号KONPが与えられると、キーコードKCに応
じた位相情報を発生する。この位相情報は、楽音のピッ
チを与えるものであり、整数部Iと小数部Fとから構成
されている。アドレス生成回路41は、位相発生回路4
2から供給される位相情報の整数部Iと、アドレス設定
回路40から供給されるアタック部読出開始アドレスS
TART.ADとを加算し、実際に読み出しを行う波形
情報の読み出しアドレスADを出力する。また、アドレ
ス生成回路41は、その出力する読み出しアドレスAD
が、アタック部読み出し波形の終了アドレスEND.A
Dと同一になると、上述したアドレス設定回路40に対
して、ループ波形要求信号LOOP.REQを出力す
る。また、この場合には、位相発生回路42に対して、
生成している位相情報をリセットするためのリセット要
求信号RESET.REQを出力する。
【0016】上記ループ波形要求信号LOOP.REQ
が供給されたアドレス設定回路40は、波形記憶回路4
3よりループ部波形読出開始アドレスSTART.AD
と、ループ部波形読出終了アドレスEND.ADとを読
出し、これをアドレス生成回路41に与える。この場
合、ループ部波形は、繰り返し読み出しする必要がある
ので、信号MODEが繰り返し読出を指示する「MOD
E=1」として出力される。このように、読み出し開始
アドレスSTART.ADと位相情報の整数部Iとの加
算によって得られるアドレス信号ADが、波形記憶回路
43に与えられる。これにより、波形記憶回路43に記
憶される波形情報が読み出され、波形信号W1として出
力される。
【0017】44は補間回路である。この補間回路44
は、波形信号W1を上述した位相情報の小数部Fに基づ
いて補間演算を行い、この結果得られる信号W2を出力
する。ここで行われる補間演算は、隣接するサンプル
間、すなわち、2つの波形情報を小数部Fによって一次
直線補間しても良いし、2以上の波形情報を記憶して高
次の補間を行っても良い。
【0018】45は、インターフェイス回路10から供
給されるキーオン信号KONP、キーオフ信号KOF
P、キーコードKCおよび押鍵速度情報ITに対応した
エンベロープ信号ENVを生成し、これを乗算回路46
に出力するエンベロープ生成回路である。このエンベロ
ープ生成回路45にあっては、押鍵速度情報ITに基づ
き、エンベロープ信号ENVにおける最大振幅レベルを
設定し、一方、キーコードKCに応じてエンベロープ信
号ENVの立上がり/立下がりの速度が制御される。キ
ーオン情報KONP及びキーオフ情報KOFPは、この
立上がり/立ち下がりのタイミング制御に用いられる。
【0019】乗算回路46は、補間回路44から出力さ
れる信号W2と、エンベロープ生成回路45から出力さ
れるエンベロープ信号ENVとを乗算し、この乗算結果
を前述した励振信号W3として出力する。この励振信号
W3は、0位相検出回路47に与えられる。0位相検出
回路47は、入力された励振信号W3の0位相を検出
し、その検出タイミングでパルス波形の0位相検出信号
PH0を出力する。
【0020】D.第2楽音形成部14の構成 次に、図4を参照し、第2楽音形成部14の構成につい
て説明する。この図において、20,25は入力された
信号を所定時間遅延して出力するディレイ回路である。
21,26,28は加算器、23,29は乗算器であ
る。22,27はそれぞれ弦の各部分における振動の伝
達周波数特性をシミュレートするフィルタである。2
4,30はそれぞれ弦の各終端における振動反射の周波
数特性をシミュレートするフィルタである。そして、こ
れら構成要素20〜30は、ループ回路を形成してお
り、このループ回路はピアノにおける弦の動作をシミュ
レートする。すなわち、ディレイ回路20,25及び各
フィルタ22,24,27,30によって与えられる遅
延時間が、実現すべき弦の弦長に対応している。ここ
で、各フィルタ22,24,27,30には、その特性
を制御するためのフィルタ係数FCB,FCD,FC
A,FCCがそれぞれに与えられる。
【0021】乗算器23,29は、それぞれ弦の各終端
での全反射を実現するため、入力信号に乗算係数「−
1」を乗算して出力する。加算器28は、前述した第1
楽音形成部11(図2参照)から供給される励振信号W
3を、上記ループ回路へ導入させる。なお、ここで、図
2におけるセレクタ13を、この加算器28と置き換え
て省略することも可能である。加算器31は、ディレイ
20の出力とディレイ25の出力とを加算して出力す
る。ここで、各ディレイ20,25の出力は、打弦によ
って発生する弦振動の各伝搬方向を表している。そこ
で、加算器31では、この両者を加算することにより、
弦の対応する位置での振動の状態を得ている。
【0022】32はダンパエンベロープ発生回路であ
る。このダンパエンベロープ発生回路32は、前述した
ペダル5(図1参照)の操作状態に対応した信号DDを
発生する。33は反射信号形成回路である。この反射信
号形成回路33は、ダンパの減衰動作をシミュレートす
るものであって、ダンパエンベロープ発生回路32の出
力信号に応じて加算器31の出力信号を減衰させ、これ
を反射信号Rとして出力する。なお、これらダンパエン
ベロープ発生回路32および反射信号形成回路33の構
成については後述する。
【0023】34は上記反射信号Rに乗算係数「−0.
5」を乗算して出力する乗算器である。ここで、「−
0.5」を反射信号Rに乗算するのは、次の理由によ
る。すなわち、ダンパによる反射を表すには、「−1」
を乗算しなければならず、かつ、これを各振動伝播方向
にそれぞれ等量与えるため、「1/2」としている。こ
れにより、乗算器34の乗算係数が「−0.5」になる
訳である。そして、乗算結果は、上述したように、各振
動伝播方向に与えるため、加算器21,26に入力され
る。
【0024】ディレイ20とディレイ25との遅延時間
の比率は、実際のピアノにおける弦と対応させて考慮す
ると、弦長の比に相当したものになる。したがって、反
射信号Rが入力される加算器21および加算器26の位
置、すなわち、ループ回路に介挿される位置は、ピアノ
の弦上においてダンパが当接する位置に相当することに
なる。
【0025】ところで、図4の下部に示したインターフ
ェイス回路10は、図2において示したインターフェイ
ス回路10の一部分である。このインタフェース回路1
0からは、上述したように、この第2楽音形成部14に
おいてなされる「弦振動およびダンパ効果のシミュレー
ト」に必要な各種パラメータが供給される。なお、この
第2楽音形成部14を実際のピアノの動作、すなわち、
複数の弦に対応させるためには、時分割動作させる必要
がある。このような場合には、インターフェイス回路1
0内に、上記時分割動作のタイミングに同期するシフト
レジスタを設け、該シフトレジスタに記憶される上記動
作パラメータを時分割で各回路に供給すれば良い。
【0026】E.ダンパエンベロープ発生回路32およ
び反射信号形成回路33の構成 次に、図5を参照し、前述したダンパエンベロープ発生
回路32および反射信号形成回路33の構成について説
明する。この図において、破線より左側の部分がダンパ
エンベロープ発生回路32を示し、右側の部分が反射信
号形成回路33を示している。そして、これら回路3
2,33によって、ダンパペダル5の離鍵速度に応じ
て、ダンパが弦に徐々に近づいて楽音を減衰させる状態
をシミュレートする。
【0027】ダンパエンベロープ発生回路32の構成 50はダウンカウンタであり、弦の振動の中心とダンパ
との離間距離に相当する値を出力する。すなわち、この
ダウンカウンタ50は、インタフェース回路10を介し
て供給されるキーオフ信号KOFPが入力されると、該
カウンタ50の値がリセットされる。これにより、ダン
パと弦とが最も離れた状態をシミュレートする。このダ
ウンカウンタ50のカウント動作は、全加算器51のキ
ャリー信号COによって開始される。
【0028】全加算器51、遅延回路52およびセレク
タ53から構成されるループ回路を巡回するデータは、
一巡する度に全加算器51によって離鍵速度に相当する
値RTが累算される。この累算値が全加算器51の計算
可能な最大値を越えたときに、上記キャリー信号COが
出力される。ここで、離鍵速度に相当する値RTは、離
鍵速度が速い程、大きい値を取る。この結果、離鍵速度
が速い程、キャリー信号COの発生周期が速くなり、ダ
ウンカウンタ50のカウント動作もこれに従って速くな
る。このループ回路中を巡回するデータは、キーオフ信
号KOFPがセレクタ53の入力端SAに与えられた時
点で、その値が「0」となり、リセットされる。
【0029】54は0検出回路である。この0検出回路
54は、ダウンカウンタ50が最後までカウントダウン
を行い、「0」が出力されることを検出し、0検出信号
を発生する。この0検出信号は、NOT回路55にて反
転され、AND回路56の一方の入力端に供給される。
このAND回路56の他方の入力端には、上述したキャ
リー信号COが供給される。すなわち、AND回路56
は、キャリー信号COをゲートすることによって、ダウ
ンカウンタ50が「0」より先にカウントを進めること
を禁止する。
【0030】反射信号形成回路33の構成 57は減算器であり、上述したダウンカウンタ50の出
力から、加算器31(図3参照)の出力を減算する。こ
の減算器57の出力は、ダンパと弦との離間距離に相当
する。58は非線形回路である。この非線形回路58
は、ダンパと弦との距離を示す値に応じて変換テーブル
(後述する)を参照し、ダンパからの反射信号Rを出力
する。
【0031】図6は、上記変換テーブルに基づいて実現
される非線形回路58の入出力特性を示すグラフであ
る。この図から分るように、ダンパと弦との離間距離を
表す値が入力されると、この距離と反射信号Rとを対応
させた変換テーブルを参照し、ダンパから弦に対して与
えられる反射信号Rが出力される。したがって、入力が
「0」以下の場合には出力が「0」となり、入力の増加
に伴って、反射信号Rも増加する。こうした特性におい
て、反射信号Rの変化が直線でなく、曲率を有している
のは、ダンパの素材にフェルトを用いていることによ
る。すなわち、このフェルトの圧縮が小さいところ(ダ
ンパと弦との距離が小)では反射も小さいが、一方、フ
ェルトの圧縮が大きくなると(ダンパと弦との距離が
大)、フェルト自体が剛体と見做されるため、反射量と
入力量とが比例するためである。
【0032】このような非線形回路58は、図6に示し
た変換テーブルを記憶したROMと制御回路とによって
構成しても良いし、上述した変換を演算によって求める
ようにしても良い。また、図6に示す特性曲線を実現す
る場合、ROMなどを利用しないで、リニア関数を実現
する演算回路の出力にLPF(ローパスフィルタ)処理
を施し、これにより同特性曲線を実現することも可能で
ある。
【0033】F.ゲート信号発生回路12の構成 次に、図7を参照し、ゲート信号発生回路12(図2参
照)の構成について説明する。70はSRフリップフロ
ップであり、セット端子Sにキーオフ信号KOFPが供
給された場合にセットされ、リセット端子Rに0位相検
出信号PH0が供給された場合にリセットされる。ディ
レイ回路71と、NOT回路72と、AND回路73と
は、このフリップフロップ70の出力から立ち下がりを
検出すると共に、フリップフロップ74をセットする。
すなわち、キーオフ信号KOFPが与えられてから、最
初に供給される0位相検出信号PH0のタイミングでフ
リップフロップ74がセットされ、これにより、ゲート
信号Gが「1」となる。
【0034】フリップフロップ74がセットされ、次の
0位相検出信号PH0が供給されることによって、AN
D回路75の出力が該フリップフロップ74をリセット
する。このように、ゲート信号発生回路12において
は、キーオフ信号KOFPの供給に応じて、セレクタ1
3(図2参照)に1周期分の励振信号W3を切出させる
ように、ゲート信号Gを発生している。
【0035】G.波形記憶回路43の構成 次に、図8は波形記憶回路43(図4参照)に具備され
る波形メモリの記憶形態の概念を示す図である。この図
に示すように、波形記憶回路43に具備される波形メモ
リには、楽音発生時に用いられるアタック波形部と、発
生した楽音を維持するのに用いられるループ波形部とが
それぞれ独立に記憶されている。楽音のアタック波形
は、楽器固有の音色を決める非常に特徴的な波形である
ため、その情報量を圧縮するのが難しい。一方、これに
対して、定常部となるループ波形は、変化が少なく、同
一波形にエンベロープを付与し、これを繰り返し読み出
しするため、その情報量を圧縮することができる。
【0036】図8においては、それらの内、アタック波
形部の記憶形態の概念を示している。すなわち、この波
形メモリでは、押鍵速度およびその押鍵された鍵域に対
応させてアタック波形部の記憶領域を分割し、これに基
づいて異なった波形が得られるようにしている。なお、
この図に示すWA(M,N)は記憶領域の配列要素を表
している。このようにしてなされる記憶領域の分割は、
各押鍵速度、各音高毎にするのが理想的である。しかし
ながら、このようにすると、メモリ占有領域が増すた
め、それぞれに代表的な波形を具備させる。
【0037】次に、図9は、上述した波形メモリの概念
に基づき、実際のメモリ上で配置された場合の具体例を
示すメモリ配置図である。すなわち、図9(a)は、波
形メモリ全体の構成を示すメモリマップである。同図
(b)は、アタック部テーブルの内容を示すメモリマッ
プである。このメモリマップにおいて、ITレンジおよ
びKCレンジは、図8に示す押鍵速度とキーバンク(音
高)とを幾つに分割するかを示す数値である。これらレ
ンジに続いて、分割された各領域毎の波形情報の読み出
し開始アドレスおよび読み出し終了アドレスが登録され
る。
【0038】次いで、同図(c)は、ループ部テーブル
の内容を示すメモリマップであり、その構成については
上述のアタック部のものと同等である。なお、このルー
プ部テーブルでは、アタック部波形と同様にその記憶領
域が分割されているが、それぞれのITレンジおよびK
Cレンジを異ならせることにより、分割形態を異ならせ
ることもできる。次に、同図(d)は、波形記憶部の内
容を示すメモリマップである。ここでは、上記アタック
部テーブルとループ部テーブルとによって指定されたア
ドレスに、各波形情報が記憶されている。なお、それぞ
れの波形情報は、各波形間の接続を容易にするために、
アタック波形では読み出し終了アドレスにおいて0位相
が補償され、また、ループ波形では読み出し開始アドレ
スと読み出し終了アドレスとの双方において0位相が補
償されているものとする。
【0039】H.実施例の動作 次に、図10〜図15を参照し、上記構成による実施例
の動作について説明する。なお、この動作説明において
は、CPU2において実行される各ルーチン毎に分けて
説明を行う。
【0040】メインルーチンの動作 この実施例である電子ピアノに電源が投入されると、C
PU2は図10に示すメインルーチンを起動し、該ルー
チンのステップSa1に処理を進める。まず、CPU2
の処理がステップSa1に進むと、各種レジスタをゼロ
リセットしたり、周辺回路の初期設定となる各種変数の
初期設定が行われ、次のステップSa2に進む。ステッ
プSa2では、鍵盤1を走査して該鍵盤1の押離鍵状態
を検出し、次のステップSa3に進む。
【0041】ステップSa3では、この検出した状態か
ら鍵イベントの有無を判断する。ここで、例えば、押鍵
等の鍵イベントが検出されると、判断結果が「YES」
となり、次のステップSa4に進む。ステップSa4で
は、このキーイベントを一時記憶するレジスタKEV、
キーコードKCを一時記憶するレジスタKC、押鍵速度
を一時記憶するレジスタITおよび離鍵速度を一時記憶
するレジスタRTに、それぞれ検出状態に対応した値を
設定する。一方、このステップSa3において、鍵イベ
ントが検出されない場合には、ここでの判断結果が「N
O」となり、後述するステップSa8に処理が進む。
【0042】次に、ステップSa5に進むと、レジスタ
KEVの内容がキーオンイベントKONに対応するもの
であるか否かを判断する。ここで、該レジスタKEVの
内容がキーオンイベントKONを表していると、判断結
果が「YES」となり、次のステップSa6に進み、キ
ーオン(発音)処理が行われる。一方、レジスタKEV
の内容がキーオフイベントKOFFである場合には、こ
の判断結果が「NO」となり、ステップSa7のキーオ
フ(消音)処理が行われる。なお、これらキーオン/キ
ーオフ処理の詳細については、後述する。そして、これ
ら発音或いは消音処理が終了すると、ステップSa8に
進む。
【0043】ステップSa8では、ペダル5の操作状態
を検出するための走査がなされる。次いで、ステップS
a9に進むと、この検出された状態に基づき、ペダルイ
ベントの有無を判断する。ここで、ペダル5が操作され
た旨を表すペダルイベントが検出されると、判断結果が
「YES」となり、次のステップSa10に進む。ステ
ップSa10では、このペダルイベントを一時記憶する
レジスタPEV、ペダル離鍵速度を一時記憶するレジス
タPRにそれぞれ検出状態に対応した値を設定する。一
方、ペダルイベントが存在しない場合には、上述した判
断結果が「NO」となり、後述するステップSa14に
進む。
【0044】次に、ステップSa11では、上記レジス
タPEVの内容が、ペダルが操作された旨を表すペダル
オンイベントPONであるか否かを判断する。そして、
この結果、ペダルオンイベントPONであると、判断結
果が「YES」となり、次のステップSa12に進む。
そして、ステップSa12では、現在のペダル5の操作
状態、つまり、ペダルが踏まれている状態を表すよう
に、フラグPFを「1」にセットし、次のステップSa
14に進む。一方、このステップSa11における判断
結果が「NO」の場合、すなわち、レジスタPEVの内
容がペダルオフイベントPOFFであると、ステップS
a13に進み、後述するペダルオフ処理が行われる。
【0045】次に、ステップSa14に進むと、各チャ
ンネル毎の楽音合成の終了を検出し、発音が完了した空
きチャンネル等を設定する終了検出処理が実行され、こ
うした処理完了後に、前述したステップSa2に戻り、
電源が切断されるまでステップSa2〜Sa14の一連
の処理が繰り返し実行される。このように、メインルー
チンにおいては、CPU2が各種イベントに応じた楽音
合成を指示するように動作し、この楽音合成は後述する
各種処理によって実現される。
【0046】キーオン処理ルーチンの動作 CPU2の処理が前述したステップSa6に進むと、図
11に示すキーオン処理ルーチンが起動され、該ルーチ
ンのステップSb1に進む。なお、このキーオン処理ル
ーチンでは、大別すると次の3つの処理がなされる。す
なわち、まず最初に、キーオンされた楽音に対して発音
を割り当てるべきチャンネルを決定し、次に、割り当て
られたチャンネルの状態を設定する。そして最後に、該
チャンネルに各情報を出力して発音を開始する。以下、
これについて順を追って説明する。
【0047】まず、このキーオン処理ルーチンが起動さ
れ、ステップSb1に進むと、第0チャンネルから順次
割当可能であるか否かを判断するため、チャンネル番号
を記憶するレジスタCHに「0」を設定し、次のステッ
プSb2に進む。なお、この電子ピアノでは、発音チャ
ンネル数を16チャンネル分具備するものとする。ステ
ップSb2では、各チャンネル毎の状態が記憶されるレ
ジスタST[CH]が0、すなわち第0チャンネルが現
在空きチャンネルであるかを判断する。ここで、空きチ
ャンネルとは、発音まで待機している状態を指してい
る。
【0048】ところで、このレジスタST[CH]と各
チャンネル状態との対応は、図15に示すように、ST
[CH]=「0」はチャンネル待機状態を表し、「1」
はキーオンによる発音持続状態を表し、「2」はダンパ
による発音持続状態を表し、「3」はリリース波形発音
状態を表している。
【0049】そして、いま、例えば、対応するチャンネ
ルの状態が「0」、すなわち、空きチャンネル状態にあ
ると、上記ステップSb2の判断結果が「YES」とな
り、後述のステップSb7に進む。一方、空きチャンネ
ルでない場合には、判断結果が「NO」となり、次のス
テップSb3に進む。そして、ステップSb3では、次
のチャンネル状態を検索すべく、レジスタCHの内容を
1インクリメントし、次のステップSb4に進む。ステ
ップSb4では、インクリメントされたレジスタCHの
値が「16」、すなわち、全発音チャンネル数分の状態
検索がなされたか否かを判断する。ここで、16チャン
ネル分の検索がなされていない場合には、判断結果が
「NO」となり、上記ステップSb2に戻り、新たなチ
ャンネルの状態が判定される。一方、全チャンネルの状
態判定が行われると、この判断結果が「YES」とな
り、次のステップSb5に進む。
【0050】なお、このステップSb4における判断結
果が「YES」となった時には、全ての発音チャンネル
が何らかの形で発音中であることを示している。ここで
は、いわゆる後着優先の発音割当方式を用い、全ての発
音チャンネルが埋まっていても新たな押鍵があれば何れ
かの発音チャンネルを強制的に消音して、そこに新たな
押鍵音を割り当てる処理を行っている。
【0051】次に、ステップSb5では、エンベロープ
波形の振幅レベルが最も小さい発音チャンネル、すなわ
ち、最も減衰が進んでいるチャンネルを選択し、これを
強制的に発音停止させて「空きチャンネル」とするトラ
ンケート処理が行われる。そして、次のステップSb6
に進むと、このトランケート処理によって空いた発音チ
ャンネルの番号をレジスタCHに設定し、次のステップ
Sb7に進む。
【0052】上述したステップSb2あるいはステップ
Sb6によって、空きチャンネルが検出された場合に
は、このステップSb7が実行される。ステップSb7
では、その空きチャンネルの状態を、発音持続状態とし
て表すため、レジスタST[CH]の値を「1」とす
る。次いで、ステップSb8では、チャンネルに対応し
てキーコードKCが記憶されるレジスタSTKC[C
H]に、発音すべきキーコードKCを設定し、次のステ
ップSb9に進む。ステップSb9では、楽音合成回路
6(以下、これを音源と略す)に対してキーコードK
C、押鍵速度情報IT、キーオン情報KONPを出力
し、このキーオン処理ルーチンを終了する。この結果、
音源はこれら情報に基づいた楽音信号W5を発生する。
【0053】キーオフ処理ルーチンの動作 CPU2の処理が前述したステップSa7(図10参
照)に進むと、図12に示すキーオフ処理ルーチンが起
動され、該ルーチンのステップSc1に進む。このキー
オフ処理の概要は次の通りである。すなわち、この処理
では、まず最初に、キーオフされたキーコードKCが現
在発音中であるかが検索され、次に、ダンパペダルが操
作されているか否かが判断され、ダンパペダルが操作さ
れていない場合のキーオフに従って楽音の発生を停止す
る。
【0054】まず、ステップSc1に進むと、第0チャ
ンネルから割当可能であるかを判断するため、チャンネ
ル番号を記憶するレジスタCHに「0」を設定し、次の
ステップSc2に進む。ステップSc2では、対応する
チャンネルで現在発音されているキーコードKCが今回
キーオフされたキーコードKCと同一であるかが判断さ
れる。ここで、発音されているキーコードとキーオフさ
れたキーコードとが同一であると、判断結果が「YE
S」となり、後述するステップSc5に進む。
【0055】一方、この判断結果が「NO」の場合に
は、ステップSc3に進む。ステップSc3では、次の
発音チャンネルにおけるキーコードを検索すべく、レジ
スタCHの値を1インクリメントし、続いて、ステップ
Sc4では、このインクリメントされたレジスタCHの
値が「16」であるか否かを判断する。そして、レジス
タCHの値が「16」である場合には、対応する楽音が
もう発音されていないことに相当する。これは、例え
ば、押鍵が持続されて発音が完全に減衰してしまった状
態や、トランケート処理により押鍵中にもかかわらず発
音が強制終了させられた場合などに相当するものであ
り、こうした場合には、何もせずにこのキーオフ処理を
終了する。これに対し、レジスタ値が「16」でない場
合には、判断結果が「NO」となり、上述のステップS
c2に戻り、全チャンネル分の検索を繰返す。
【0056】上述したステップSc2において、キーオ
フに対応するキーコードKCが検索された場合には、ス
テップSc5に進む。ステップSc5では、前述したフ
ラグPFが「0」か否か、すなわち、ダンパペダルが踏
み込まれているか否かを判断する。このフラグPFが
「1」である場合、すなわちダンパペダルが踏み込まれ
ている状態では、この判断結果が「NO」となり、ステ
ップSc6に進む。ステップSc6では、前述した各チ
ャンネル毎の状態が記憶されるレジスタST[CH]に
「2」を設定する。ここで、「2」が設定されると、ダ
ンパペダルによって発音が持続されている状態を表す
(図15参照)。そして、このような状態設定がなされ
た後にこのキーオフ処理ルーチンが終了する。
【0057】一方、フラグPFが「0」の場合、すなわ
ちダンパペダルが踏み込まれていない状態にあっては、
ステップSc5の判断結果が「YES」となり、ステッ
プSc7に進む。ステップSc7では、レジスタST
[CH]に「3」をセットし、リリース波形発音状態に
設定する。次いで、ステップSc8に進むと、音源の対
応するチャンネルに対し、離鍵速度情報RT、キーオフ
情報KOFPを出力する。そして、このような状態設定
がなされた後にこのキーオフ処理ルーチンが終了し、C
PU2の処理がメインルーチンに復帰する。
【0058】ペダルオフ処理ルーチンの動作 CPU2の処理が前述したステップSa13(図10参
照)に進むと、図13に示すペダルオフ処理ルーチンが
起動され、該ルーチンのステップSd1に進む。このペ
ダルオフ処理ルーチンでは、現在発音中の全ての発音チ
ャンネルのうち、押鍵されていないものを、ダンパペダ
ルの離鍵速度に応じてダンプさせる。
【0059】まず、ステップSd1では、ダンパペダル
の操作状態を示すフラグPFに、離鍵状態、すなわち、
踏まれていない状態を表す「0」を設定し、次のステッ
プSd2に進む。ステップSd2では、前述と同様に、
全チャンネル状態を検索するため、レジスタCHの値を
「0」に設定する。次いで、ステップSd3に進むと、
対応するチャンネルの状態を表すレジスタST[CH]
の値が「2」、すなわち、ダンパペダルによる発音持続
状態となっているか否を判断する。ここで、対応するチ
ャンネルが発音持続状態にあると、判断結果が「YE
S」になり、次のステップSd4に進み、一方、判断結
果が「NO」の場合には、後述するステップSd6へ進
む。
【0060】ステップSd4では、チャンネルの状態を
表す配列ST[CH]の値を「3」に設定し、リリース
波形発音状態とする。次に、ステップSd5に進むと、
音源の対応するチャンネルCHに対し、キーコードST
KC[CH]、ペダル離鍵速度情報PRおよびキーオフ
情報KOFPを出力する。次いで、ステップSd6に進
むと、次のチャンネルを検索すべく、レジスタCHの値
を1インクリメントし、続いて、ステップSd7では、
このインクリメントされたレジスタCHの値が「16」
であるか否かを判断する。そして、レジスタCHの値が
「16」である場合には、このペダルオフ処理を終了す
る。一方、レジスタCHの値が「16」でない場合に
は、判断結果が「NO」となり、上述のステップSd3
に戻り、上述した動作を全チャンネル分繰返す。
【0061】終了検出処理ルーチンの動作 CPU2の処理が前述したステップSa14(図10参
照)に進むと、図14に示す終了検出処理ルーチンが起
動され、該ルーチンのステップSe1に進む。この終了
検出処理ルーチンにおいては、押鍵中におけるエンベロ
ープ信号ENVに基づき、対応するチャンネルのエンベ
ロープ波形が減衰した時点で、当該チャンネルを空きチ
ャンネルと見做すための処理がなされる。
【0062】まず、ステップSe1に進むと、全てのチ
ャンネルを検索するために、レジスタCHの値を「0」
に設定する。次いで、ステップSe2に進むと、各チャ
ンネル毎の状態を表すレジスタST[CH]が「0」、
すなわち、空きチャンネルであるか否かを判断する。こ
こで、空きチャンネルでない場合には、判断結果が「N
O」となり、次のステップSe3に進み、一方、空きチ
ャンネルである場合には、当該チャンネルが発音待機状
態にあるから、後述するステップSe6に進む。
【0063】ステップSe3では、対応するチャンネル
のエンベロープ信号ENVを音源側から読み出す。この
エンベロープ信号ENVは、例えば、0〜511までの
連続的な値を取る数値であり、ENV=0が振幅レベル
「0」に相当する。次いで、ステップSe4に進むと、
このエンベロープ信号ENVの値が「0」であるか否か
を判断する。そして、例えば、エンベロープ波形の振幅
が「0」であると、この判断結果が「YES」となり、
次のステップSe5に進む。一方、エンベロープ波形の
振幅が「0」でない場合には、ここでの判断結果は「N
O」となり、後述のステップSe6に進む。
【0064】ステップSe5では、レジスタST[C
H]の値を「0」に設定して発音待機状態であることを
示し、さらに、キーコードKCを記憶するレジスタST
KCに「0」を設定する。これにより、該チャンネル
は、いづれのキーコードも割り当てられていないことに
なる。そして、ステップSe6では、レジスタCHの値
を1インクリメントする。続いて、ステップSe7で
は、このインクリメントされたレジスタCHの値が「1
6」であるか否かを判断する。そして、レジスタCHの
値が「16」である場合には、この終了検出処理を終了
する。一方、レジスタCHの値が「16」でない場合に
は、判断結果が「NO」となり、ステップSe2に戻
り、上述した動作を全チャンネル分繰返し、この後メイ
ンルーチンに復帰する。
【0065】このように、この実施例にあっては、ダン
パペダルの離鍵速度に応じてリリース波形を制御してダ
ンピング効果を実現するので、実際の自然楽器と同様
に、楽音発生から減衰に至るまでの全ての動作がシミュ
レートされることになる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
抑制信号発生手段によって、閉ループ手段を循環する信
号に基づいて抑制信号が発生されると共に、発生された
抑制信号が、閉ループ手段を循環する信号を抑制させる
信号として閉ループ手段に入力される。これにより、例
えば本願実施例のように、弦の振動の中心とダンパとの
離間距離に相当する制御信号(ダンパエンベロープ)を
発生するとともに、この制御信号と閉ループ手段を循環
する信号とを合成し、これを抑制信号として閉ループ手
段に入力することで、抑制信号を、振動する弦(閉ルー
プ手段を循環する信号)とダンパとの実際の離間距離に
対応した信号とすることが可能となり、このように本願
発明によれば発音体の状態(弦振動)を加味した抑制信
号の発生ができ、楽音減衰のシミュレートをより忠実に
行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による一実施例の全体構成を示すブ
ロック図。
【図2】 同実施例における楽音合成回路6の構成を示
すブロック図。
【図3】 同実施例における第1楽音形成部11の構成
を示すブロック図。
【図4】 同実施例における第2楽音形成部14の構成
を示すブロック図。
【図5】 同実施例におけるダンパエンベロープ発生回
路32および反射信号形成回路33の構成を示すブロッ
ク図。
【図6】 同実施例における非線形回路58の入出力特
性を示す図。
【図7】 同実施例におけるゲート信号発生回路12の
構成を示すブロック図。
【図8】 同実施例における波形メモリの記憶形態を説
明するための図。
【図9】 同実施例における波形メモリのメモリマップ
を示す図。
【図10】 同実施例におけるメインルーチンの動作を
示すフローチャート。
【図11】 同実施例におけるキーオン処理ルーチンの
動作を示すフローチャート。
【図12】 同実施例におけるキーオフ処理ルーチンの
動作を示すフローチャート。
【図13】 同実施例におけるペダルオフ処理ルーチン
の動作を示すフローチャート。
【図14】 同実施例における終了検出処理ルーチンの
動作を示すフローチャート。
【図15】 同実施例におけるレジスタSTとチャンネ
ル状態との対応を説明するための図。
【符号の説明】
11…第1楽音形成部、12…ゲート信号発生回路、1
3…セレクタ、14…第2楽音形成部、15…ミクサ、
16…混合比制御回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏情報に対応した励振信号を発生する
    励振手段と、 少なくとも前記励振信号を所定時間遅延させる遅延手段
    を閉ループ接続してなる閉ループ手段と 前記閉ループ手段を循環する信号に基づき抑制信号を発
    生し、この抑制信号を前記閉ループ手段に入力する抑制
    信号発生手段 とを具備することを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 前記閉ループ手段から抽出された信号と
    前記励振信号とを所定の割合で混合して楽音波形を形成
    する合成手段を具備することを特徴とする請求項1記載
    の電子楽器。
  3. 【請求項3】 前記抑制信号の特性を指示する指示手段
    を具備し、 前記抑制信号発生手段が、前記閉ループ手段を循環する
    信号に基づき、かつ前記指示手段によって指示された抑
    制信号の特性に応じて、前記抑制信号を発生し、該抑制
    信号を前記閉ループ手段に入力することを特徴とする請
    求項1記載の電子楽器。
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