JPH08152518A - 光学異方体フィルムとその製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体フィルムとその製造方法および液晶表示装置

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JPH08152518A
JPH08152518A JP648695A JP648695A JPH08152518A JP H08152518 A JPH08152518 A JP H08152518A JP 648695 A JP648695 A JP 648695A JP 648695 A JP648695 A JP 648695A JP H08152518 A JPH08152518 A JP H08152518A
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敏博 大西
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佳代子 上田
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眞人 桑原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】液晶セルの屈折率異方性に起因するコントラス
トや表示色の角度依存性を広い温度範囲で補償するため
に有効な、負の屈折率異方性を有する光学異方体フィル
ムおよびそれらの工業的な製造方法、並びに液晶表示装
置を提供する。 【構成】ねじれネマチック配向した液晶組成物を含む光
学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の螺旋
軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フィルムの厚
みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋ピッチをP
(μm)とするとき、d≧3×Pであり、かつP≦0.
3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶組成物はコ
レステリック相を示し、かつ特定のコレステロール基を
有するビニルモノマーとペンタメチルシクロペンタシロ
キサンとを反応させて得られるような直鎖または環状の
液晶オリゴマー(A)から選ばれる液晶オリゴマーを1
種類以上含有する光学異方体フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子などに用い
られる位相差フィルムの部材として有用な、液晶組成物
を含む光学異方体フィルム、その製造方法、該光学異方
体フィルムを用いた位相差フィルム、およびそれらを用
いた液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶デイスプレイは、低電圧駆動、軽量
などの優れた特徴を有しており、パーソナルコンピュー
ターやワードプロセッサーなどに広く用いられている。
液晶ディスプレイのほとんどは、ネマチック液晶を用い
ており、複屈折モードと旋光モードの2つの方式に大別
される。複屈折モードを用いる液晶ディスプレイのほと
んどは、ねじれ角が90°以上の超ねじれネマチック液
晶を用いた方式(以下STN方式と略することがあ
る。)であり、低コストで大画面表示が可能である。し
かしながら、STN方式は複屈折効果により表示を行な
うため、黄色や青の着色が起こり、白黒表示ができない
という欠点がある。
【0003】該STN方式において白黒表示を実現する
ために、超ねじれネマチック(以下STNと略すること
がある。)液晶セルの上にセルギャップが同じで、ねじ
れ向きが逆の補償用液晶セルを重ねて色補償を行なう2
層セル方式(特公昭63―53528号公報)が一部実
用化されている。しかしながら、2層セル方式では液晶
セルの法線方向からずれた斜め方向の色補償ができな
い。また、STN方式以外の複屈折モードの表示方式と
して、負の誘電率異方性を有する液晶分子を基板に対し
て垂直方向に配向させたセルを用いる方式がある。この
方式も電圧印加時に液晶分子が傾くことによるリターデ
ーションの変化により表示を行う方式であるが、リター
デーションの角度依存性が大きく、見る方向によって表
示画面の色が変化するという問題点がある。
【0004】旋光モードの液晶ディスプレイの例として
は90°ねじれた分子配向を有する方式(以下TN方式
と略することがある。)があり、代表的なものとして薄
膜トランジスタやダイオードで各画素を駆動するパネル
が実用化されている。しかし、TN方式においても、複
屈折モードの場合と同じく見る方向によってコントラス
トや色が変化するという問題点がある。
【0005】以上の問題点は、液晶分子がその長軸方向
と短軸方向で異なる屈折率を有する(屈折率異方性)こ
とに起因するものであり、液晶分子の屈折率異方性によ
る液晶ディスプレイのコントラストや表示色の角度依存
性を小さくするために、TNセルの上に負の屈折率異方
性を有するコレステリック液晶セルを重ねる方法(特開
平4―346312号公報)やコレステリック相を示す
高分子液晶を配向させた後、ガラス転移温度以下に急冷
し配向を固定したフィルムを用いる方法(特開平6―1
66534号公報)が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、補償用のコレ
ステリック液晶セルを用いる方法では、パネル全体が重
く、厚くなると同時に製造コストも高くなり、好ましく
ない。また、コレステリック相を有する高分子化合物を
用いる方法では、ガラス転移点以下に急冷することでコ
レステリック相構造の固定を行うことから、ガラス転移
温度が室温より十分に高いものを使用する必要があるた
め、配向処理にかなりの高温を要し、製造上好ましくな
いという問題点がある。さらに、高分子化合物を用いた
場合、屈折率異方性の温度依存性が、液晶セルに比べて
小さいために、パネルを使用する温度が変化すると、補
償用フィルムの屈折率異方性と、液晶セルの屈折率異方
性のずれが生じ、視野角の改善効果が小さくなるという
問題が生じる。
【0007】本発明の目的は、液晶セルの屈折率異方性
に起因するコントラストや表示色の角度依存性を広い温
度範囲で補償するために有効な、負の屈折率異方性を有
する光学異方体フィルムおよびそれらの工業的な製造方
法、並びに該光学異方体フィルムもしくは該光学異方体
フィルムを含む位相差板およびこれらを用いたコントラ
ストや表示色の角度依存性が少ない液晶表示装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決するために鋭意検討した結果、ある特定の構造を
有する重合性の液晶オリゴマーを含む、コレステリック
相を示す液晶組成物を配向させた後、重合によりねじれ
ネマチック構造を固定して得られるフィルムが、広い温
度範囲で液晶セルのコントラストや表示色の角度依存性
の低減に有効であることを見いだした。本発明の製造方
法により、水平配向処理をおこなった基材上でねじれネ
マチック配向を有する、液晶オリゴマー重合体を含む光
学異方体フィルムを得ることができ、広い温度範囲でコ
ントラストや表示色の角度依存性の少ない液晶表示素子
が得られることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、次に記す発明からな
る。 〔1〕ねじれネマチック配向した液晶組成物を含む光学
異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の螺旋軸
がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フィルムの厚み
をd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋ピッチをP
(μm)とするとき、d≧3×Pであり、かつP≦0.
3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶組成物はコ
レステリック相を示し、かつ下記反復単位(I)および
(II)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶
オリゴマー(A)から選ばれる液晶オリゴマーを1種類
以上含有し、該液晶オリゴマー(A)の1分子中の反復
単位(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn’
とするとき、nおよびn’は1から20までの整数であ
り、かつ4≦n+n’≦21であり、n:n’の比は2
0:1〜1:20であり、液晶オリゴマー(A)の反復
単位(II)の末端基が重合していることを特徴とする
光学異方体フィルム。
【化12】
【化13】
【0010】〔式中、Aは下式(III)または(I
V)で表される基であり、式(III)において−Si
−O−は式(I)または(II)の主鎖であり、式(I
V)において−C−CH2 −は式(I)または(II)
の主鎖であり、COO基は側鎖のR1 またはR2 ではな
い側鎖に位置する。式(I)においてAが式(III)
のとき、および式(II)においてAが式(III)の
とき、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜6のアルキル基またはフェニル基である。式(I)に
おいてAが式(IV)のとき、および式(II)におい
てAが式(IV)のとき、R1 、R2 は独立に水素また
は炭素数1〜6のアルキル基である。
【0011】
【化14】
【化15】
【0012】kとk’は独立に2から10までの整数を
表し、mとm’とは独立に0または1であり、Ar1
Ar2 およびAr3 は独立に1,4−フェニレン基、
1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイ
ル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L’は−
CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO
−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−
または
【化16】 で示される2価の基であり、p’は独立に0または1で
あり、Rは光学活性基を示し、R’は水素または炭素数
1から5までのアルキル基である。〕
【0013】〔2〕ねじれネマチック配向した液晶組成
物を含む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック
配向の螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フ
ィルムの厚みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋
ピッチをP(μm)とするとき、d≧3×Pであり、か
つP≦0.3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶
組成物はコレステリック相を示し、かつ〔1〕記載の液
晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリ
ゴマーおよび重合性基を有する低分子化合物を1種類以
上含有し、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の
末端基および/または重合性基を有する低分子化合物が
重合していることを特徴とする光学異方体フィルム。
【0014】〔3〕ねじれネマチック配向した液晶組成
物を含む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック
配向の螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フ
ィルムの厚みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋
ピッチをP(μm)とするとき、d≧3×Pであり、か
つP≦0.3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶
組成物はコレステリック相を示し、かつ〔1〕記載の液
晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリ
ゴマーおよび(A)以外の液晶オリゴマー(B)から選
ばれる1種類以上の液晶オリゴマーを含有し、該液晶オ
リゴマー(B)は下記反復単位(V)および(VI)を
主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー
から選ばれ、該液晶オリゴマー(B)は下記反復単位
(V)および(VI)を主たる構成単位とする直鎖また
は環状の液晶オリゴマーから選ばれ、該液晶オリゴマー
(B)の1分子中の反復単位(V)および(VI)の数
をそれぞれn''およびn''' とするとき、n''および
n''' は独立に0から20までの整数であり、かつ4≦
n''+n''' ≦21であり、液晶オリゴマー(A)の反
復単位(II)の末端基および/または液晶オリゴマー
(B)の反復単位(VI)の末端基が重合していること
を特徴とする光学異方体フィルム。
【0015】
【化17】
【化18】
【0016】(式中A、R1 、R2 、k’、m’、
p’、L’、Ar2 、Ar3 およびR’は前記と同じ意
味を示す。k''は2から10までの整数を表し、m''は
0または1であり、Ar4 およびAr5 は1,4−フェ
ニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−
2,5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であ
り、L''は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO
−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、
−N=CH−または
【化19】 で示される2価の基であり、p''は独立に0または1で
あり、R''はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜
10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル基
もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾ
イルオキシ基を示す。)
【0017】〔4〕ねじれネマチック配向した液晶組成
物を含む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック
配向の螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フ
ィルムの厚みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋
ピッチをP(μm)とするとき、d≧3×Pであり、か
つP≦0.3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶
組成物はコレステリック相を示し、かつ〔1〕記載の液
晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリ
ゴマーおよび〔3〕記載の液晶オリゴマー(B)から選
ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび重合性基を有
する低分子化合物を1種類以上含有し、液晶オリゴマー
(A)の反復単位(II)の末端基および/または液晶
オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基および/
または重合性基を有する低分子化合物が重合しているこ
とを特徴とする光学異方体フィルム。
【0018】〔5〕〔1〕、〔2〕、〔3〕または
〔4〕記載の光学異方体フィルムにおいて、Rが下式
(VII)または(VIII)で表される液晶オリゴマ
ーを含むことを特徴とする光学異方体フィルム。
【化20】
【化21】 (ここでR3 は−Hまたは下式(IX)を示し、
【化22】 4 は−Hまたはメチル基を示し、R5 は−HまたはR
6 を示し、R6 は直鎖または分岐を有する炭素数1〜2
0のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数1
〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐している
場合は不斉炭素を有していてもよい。)
【0019】〔6〕前記の〔1〕、〔2〕、〔3〕、
〔4〕または〔5〕記載の液晶組成物をフィルムに成膜
後、熱処理を行ないねじれネマチック配向の螺旋軸をフ
ィルム法線方向にほぼ平行とした後、重合性基を重合す
ることを特徴とする光学異方体フィルムの製造方法。 〔7〕前記の〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または
〔5〕記載の光学異方体フィルムと、表面に配向膜を有
する透明または半透明である基材とが積層されてなる光
学異方体フィルムと基材との積層体。
【0020】〔8〕基材がガラス板または高分子フィル
ムであることを特徴とする〔7〕記載の光学異方体フィ
ルムと基材との積層体。
〔9〕光学異方体フィルムと基材との積層体のみかけの
屈折率が下記式(1)
【数2】nX ≧nY >nZ (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ積層体の面内の屈折率の
最大値、最小値を表し、nZ は積層体の厚み方向の屈折
率を表す。)を満たすことを特徴とする〔7〕記載の光
学異方体フィルムと基材との積層体。
【0021】〔10〕電極を有する基板に挟持された、
正の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にか
つ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層から
なる液晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムと
の間に、〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または〔5〕
記載の光学異方体フィルム、または〔7〕もしくは
〔8〕記載の光学異方体フィルムと基材との積層体から
選ばれた少なくとも一つを含むことを特徴とする液晶表
示装置。 〔11〕電極を有する基板に挾持された、正の誘電率異
方性を有し、電圧無印加時に基板に対してほぼ水平に配
向した液晶層からなる液晶セルとその外側に配置される
偏光フィルムとの間に、〔1〕、〔2〕、〔3〕、
〔4〕または〔5〕記載の光学異方体フィルム、または
〔7〕もしくは〔8〕記載の積層体から選ばれた少なく
とも一つを含むことを特徴とする液晶表示装置。
【0022】〔12〕電極を有する基板に挾持された、
負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対して
ほぼ垂直に配向した液晶層からなる液晶セルとその外側
に配置される偏光フィルムとの間に、〔1〕、〔2〕、
〔3〕、〔4〕または〔5〕記載の光学異方体フィル
ム、または〔7〕もしくは〔8〕記載の積層体から選ば
れた少なくとも一つを含むことを特徴とする液晶表示装
置。
【0023】次に本発明を詳細に説明する。本発明に用
いる液晶オリゴマー(A)は反復単位(I)および(I
I)からなる側鎖型液晶オリゴマーである。側鎖型液晶
オリゴマーの、骨格鎖はポリ−1−アルキルアクリル酸
エステル、ポリシロキサンなどが例示され、直鎖あるい
は環状のものが利用できるが、液晶オリゴマーの化学的
安定性の観点から、環状の構造が好ましい。ポリ−1−
アルキルアクリル酸エステルではポリメタクリル酸エス
テルまたはポリアクリル酸エステルが好ましく、より好
ましくはポリメタクリル酸エステルである。これらの中
で、ポリシロキサン系の側鎖型液晶オリゴマーが好まし
い。液晶性を与える基(以下、メソゲン基ということが
ある。)は屈曲鎖(以下、スペーサーということがあ
る。)を介して、主鎖と結合したものが一般的に使用で
きる。
【0024】側鎖型液晶オリゴマー(A)は、液晶状態
を示す上限の温度について特に制限はないが、基材との
積層時の乾燥や配向処理のために、液晶相から等方相へ
の転移温度(以下、液晶相/等方相の転移温度と記すこ
とがある。)が好ましくは200℃以下になるように、
さらに好ましくは170℃以下となるように、特に好ま
しくは150℃以下となるようにスペーサーの長さやメ
ソゲン基の種類、重合度を選択することが好ましい。こ
れら液晶オリゴマーの結晶相またはガラス相と液晶相と
の転移温度については特に制限はなく、室温以下の転移
温度でも使用できる。
【0025】本発明で用いる側鎖型液晶オリゴマーは、
屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要
であるが、その操作の容易さを決める要因として液晶オ
リゴマー(A)反復単位の数が重要である。反復単位の
数が大きいと粘度が高く、また液晶転移温度が高いため
に、配向に高温や長時間が必要になり、また反復単位の
数が小さいと配向が室温状態で緩和するので好ましくな
い。反復単位の数nとn’はそれぞれ独立に1から20
までの整数であり、nとn’の合計が4から21となる
ように選ばれる。液晶オリゴマーの配向性と重合後の配
向の固定の観点から、nとn’の比は20:1から1:
20の範囲であり、より好ましくは5:1から1:10
である。nとn’の比の制御は後述のようにこれら液晶
オリゴマーを合成するときに行なうことができる。
【0026】側鎖型液晶オリゴマーは主鎖とメソゲン基
を結ぶスペーサーによっても、液晶転移温度、配向性が
影響される。短いスペーサーではメソゲン基の配向性が
良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基の配向
後の緩和が起こりやすいことから、スペーサーとして、
炭素数2から10までのアルキレン基またはアルキレン
オキシ基が好ましい。特に高配向性の観点から炭素数2
から6までのアルキレン基またはアルキレンオキシ基が
好ましい。また、合成の容易さから、アルキレンオキシ
基がより好ましい。具体的には好ましい基として−(C
2 2 −、−(CH2 3 −、−(CH2 4 −、−
(CH2 5 −、−(CH2 6 −、−(CH2 3
O−、−(CH2 4 −O−、−(CH2 5 −O−、
−(CH 2 6 −O−が例示される。
【0027】本発明の光学異方体フィルムでは、屈折率
の異方性が大きいことが工業上有利である。このために
は、メソゲン基は屈折率異方性の大きな基が好ましい。
このようなメソゲン基を与える構造としては、反復単位
(I)または(II)式中のAr1 、Ar2 、Ar
3 が、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−
シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基また
はピリミジン−2,5−ジイル基のものが挙げられる。
より好ましくは、Ar1 、Ar2 およびAr3 がそれぞ
れ独立に1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジ
イル基、ピリミジン−2,5−ジイル基であり、さらに
好ましくは1,4−フェニレン基である。
【0028】反復単位(I)におけるR基は液晶オリゴ
マーのコレステリック相の発現に寄与することから、光
学活性基であることが必須であり、コレステリック相の
安定化の観点から、下記構造を有する基が好ましい。
【化23】 または
【化24】
【0029】(ここでR3 は−Hまたは下式を示し、
【化25】 4 は−Hまたはメチル基を示し、R5 は−HまたはR
6 を示し、R6 は直鎖または分岐を有する炭素数1〜2
0のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数1
〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐している
場合は不斉炭素を有していてもよい。)
【0030】反復単位(I)を持つ直鎖状もしくは環状
の液晶オリゴマーに用いられるメソゲン基を表1および
表2に例示する。ここで、例えば、表1におけるスペー
サーの欄の番号1は反復単位(I)において、―Ar1
―Rが
【化26】 であり、R3 基が
【化27】 であり、スペーサーの―(CH2 k ―(O)m −が―
(CH2 3 ―である反復単位(k=3、m=0の場
合)を表す。以下の番号も同様の意味であり、表2以下
においても同様の意味である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】このうち、より好ましい構造としては番号
1〜6および番号31〜36の反復単位が挙げられる。
【0034】反復単位(II)におけるAr2 とAr3
を結合する2価の基L’としては、−CH2 −O−、−
O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −C
2−、−CH=N−、−N=CH−もしくは
【化28】 である基、またはAr2 とAr3 が直接結合した基が挙
げられる。さらに結合基L' は−CH2 −CH2 −、−
COO−、−OCO−基が好ましく、さらに好ましくは
−COO−基である。
【0035】反復単位(II)における末端基は、液晶
オリゴマーの配向を重合により固定する基である。重合
基としては−OCO−C(R’)=CH2 (R’は水素
あるいは炭素数1〜5のアルキル基を表す)であり、ア
クリレート基、メタアクリレート基が例示される。これ
らの基の重合方法には特に制限はないが、ラジカル開始
剤による光重合や熱重合が例示され、操作の簡便さや配
向の固定の効率の観点から、光重合が好ましい。光重合
の開始剤としては公知のものが利用できる。
【0036】反復単位(II)を持つ直鎖状もしくは環
状の液晶オリゴマーに用いられる重合性のメソゲン基を
表3および表4に例示する。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】これらの重合性のメソゲン基の中で、メタ
クリレート基を有する番号67〜72、79〜84、9
1〜96、139〜144、151〜156の基が好ま
しく、より好ましくは番号79〜84の基である。これ
らのメソゲン基は直鎖、または環状ポリシロキサン系主
鎖に結合したものが、良好な特性を示すことから好まし
く、より好ましくは環状ポリシロキサンに結合したもの
が好ましい。
【0040】本発明の光学異方体フィルムにおいては、
可視光の選択反射によるフィルムの着色を避けるため
に、用いる液晶組成物のコレステリック相螺旋ピッチ長
を0.3μm以下または0.8μm以上に調整する必要
がある。液晶組成物のコレステリック相螺旋ピッチ長
は、液晶オリゴマー(A)のメソゲンの構造によって
も、反複単位(I)および(II)の比率を変化するこ
とによっても制御できる。
【0041】液晶オリゴマー(A)の合成方法としては
特公昭63―41400号公報や特公昭63―4775
9号公報や特開平2―149544号公報に記載の方法
が採用できる。例えばポリシロキサン鎖に該側鎖のメソ
ゲン基を付加させる方法やメソゲン基を屈曲性のスペー
サー基を介して有するアクリル酸エステルやメタクリル
酸エステルを重合する方法が例示される。
【0042】ポリシロキサン鎖にメソゲン基を付加する
場合には、反復単位(I)または(II)の側鎖のメソ
ゲン基と同じ構造を有し、スペーサーであるアルキレン
オキシ基を生成する末端に不飽和2重結合を有するω−
アルケニルオキシ基を有する反応原料をポリシロキサン
と白金触媒下に反応させることで得られる。この反応時
に、非重合性のメソゲン基と重合性のメソゲン基に対応
する反応原料仕込み比率で2種類のメソゲン基の結合比
率を制御することができる。同様に、主鎖がアクリル酸
エステル系またはα−アルキルーアクリル酸エステル系
では相当するメソゲン基を有する2種類のモノマーを共
重合する際にモノマーの仕込み比率を制御することで重
合性メソゲン基と非重合性のメソゲン基の比率を制御で
きる。このようにして得られた液晶オリゴマーは、コレ
ステリック相を示すものが好ましく用いられる。
【0043】液晶組成物の螺旋ピッチ長を制御する別の
方法としては、液晶オリゴマー(A)に他の液晶オリゴ
マーや低分子化合物を混合する方法が挙げられる。オリ
ゴマー(A)に他の液晶オリゴマーを混合する場合、混
合する液晶オリゴマーとしては、液晶オリゴマー(A)
から選ばれる液晶オリゴマーの他に、反復単位(V)お
よび(VI)を主成分とする液晶オリゴマー(B)が挙
げられる。
【0044】本発明で用いる側鎖型液晶オリゴマーは、
屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要
であるが、その操作の容易さを決める要因として液晶オ
リゴマー(B)の反復単位の数が重要である。反復単位
の数が大きいと粘度が高く、また液晶転移温度が高いた
めに、配向に高温や長時間が必要になり、また反復単位
の数が小さいと配向が室温状態で緩和するので好ましく
ない。反復単位の数n''とn''' はそれぞれ独立に0か
ら20までの整数であり、n''とn''' の合計が4から
21となるように選ばれる。n''とn''' の比は任意に
選ぶことができ、n''とn''' の比の制御はこれら液晶
オリゴマーを合成するときに行なうことができる。
【0045】側鎖型液晶オリゴマーは主鎖とメソゲン基
を結ぶスペーサーによっても、液晶転移温度、配向性が
影響される。短いスペーサーではメソゲン基の配向性が
良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基の配向
後の緩和が起こりやすいことから、スペーサーとして、
炭素数2から10までのアルキレン基またはアルキレン
オキシ基が好ましい。特に高配向性の観点から炭素数2
から6までのアルキレン基またはアルキレンオキシ基が
好ましい。また、合成の容易さから、アルキレンオキシ
基がより好ましい。具体的には好ましい基として−(C
2 2 −、−(CH2 3 −、−(CH2 4 −、−
(CH2 5 −、−(CH2 6 −、−(CH2 3
O−、−(CH2 4 −O−、−(CH2 5 −O−、
−(CH 2 6 −O−が例示される。
【0046】得られる光学異方体フィルムの屈折率異方
性が大きくするために、液晶オリゴマー(B)において
も、メソゲン基は屈折率異方性の大きな基が好ましい。
このようなメソゲン基を与える構造としては、反復単位
(V)および(VI)式中のAr2 、Ar3 、Ar4
よびAr5 が、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、
1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイ
ル基またはピリミジン−2,5−ジイル基のものが挙げ
られる。より好ましくは、Ar2 、Ar3 、Ar4 およ
びAr5 がそれぞれ独立に1,4−フェニレン基、ピリ
ジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル
基であり、さらに好ましくは1,4−フェニレン基であ
る。反復単位(V)および(VI)式中のAr2 および
Ar3 、Ar4 およびAr 5 を結合する2価の基L' 、
L''としては、−CH2 −O−、−O−CH2 −、−C
OO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N
−、−N=CH−もしくは
【化29】 である基、またはAr2 とAr3 またはAr4 とAr5
が直接結合した基が挙げられる。さらに結合基L' およ
びL''は、それぞれ独立に−CH2 −CH2 −、−CO
O−または−OCO−基が好ましく、さらに好ましくは
−COO−基である。
【0047】反復単位(V)におけるR''基は、メソゲ
ン基の誘電率異方性や配向性に影響するため、屈折率異
方性の高い液晶オリゴマーフィルムを得る観点から、ハ
ロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール
基、または炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数
1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基が
選ばれる。好ましくは、シアノ基、炭素数1〜10のア
ルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基であり、
より好ましくはシアノ基である。
【0048】反復単位(V)に示される繰り返し単位を
有する直鎖状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられ
るメソゲン基を表5、表6、表7および表8に例示す
る。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】これらのメソゲン基のなかで、シアノ基を
有する番号159〜162、187〜192、217〜
222、337〜342および367〜372の基が好
ましく、より好ましくは番号187〜192である。こ
れらのメソゲン基はポリシロキサン系主鎖に結合したも
のが高い配向性を示すことから好ましく、より好ましく
は環状シロキサンに結合したものが好ましい。
【0054】反復単位(VI)における末端基は、液晶
オリゴマーの配向を重合により固定する基である。重合
基としては−OCO−C(R’)=CH2 (R’は水素
または炭素数1〜5のアルキル基を表す)であり、アク
リレート基、メタクリレート基が例示される。これらの
基の重合方法には特に制限はないが、ラジカル開始剤に
よる光重合や熱重合が例示され、操作の簡便さや配向の
固定の効率の観点から、光重合が好ましい。光重合の開
始剤としては公知のものが利用できる。
【0055】反復単位(VI)を持つ直鎖状もしくは環
状の液晶オリゴマーに用いられる重合性のメソゲン基と
しては表3および表4と同じものが例示される。表3お
よび表4記載の重合性のメソゲン基の中で、メタクリレ
ート基を有する番号67〜72、79〜84、91〜9
6、139〜144、151〜156の基が好ましく、
より好ましくは番号79〜84の基である。これらのメ
ソゲン基は直鎖、または環状ポリシロキサン系主鎖に結
合したものが、良好な特性を示すことから好ましく、よ
り好ましくは環状ポリシロキサンに結合したものが好ま
しい。
【0056】液晶オリゴマー(B)の合成方法としては
液晶オリゴマー(A)と同様の方法が採用できる。この
ようにして得られる液晶オリゴマー(B)はネマチック
相を示すのものが好ましい。また、液晶オリゴマー
(A)、または液晶オリゴマー(A)と(B)の混合物
に低分子化合物を混合してコレステリック相螺旋ピッチ
長を制御する場合、光学異方体フィルムの製造において
液晶組成物を配向後重合させるため、重合後の相溶性が
重要である。このため、用いる低分子化合物は重合性基
を有しているものが好ましい。
【0057】また、液晶オリゴマーに添加する重合性の
低分子化合物の構造としては、均一に混合するために、
液晶相を示すものが好ましい。重合性低分子化合物とし
ては、以下のような化合物が例示されるが、これらは本
発明に用いることができる低分子化合物を限定するもの
ではない。
【化30】 (上記具体例において、aは1〜10の整数を表し、b
は0〜10の整数を表し、Rは炭素数1〜10の直鎖ま
たは分岐のアルキル基またはアルコキシ基を示す。Rが
分岐している場合は光学活性であってもよい。) また、低分子化合物の添加量は液晶組成物の0〜50w
t%が好ましく、より好ましくは0〜40%である。低
分子化合物の添加量が50%を超えると、成膜性や配向
の安定性が損なわれる可能性がある。
【0058】本発明の光学異方体フィルムの製造法は液
晶組成物を成膜した後、熱処理を行い、ねじれネマチッ
ク配向の螺旋軸をフィルム法線方向にほぼ平行とした
後、重合性基を重合する方法である。液晶組成物を成膜
する方法としては特に制限はないが、平滑な基材上に成
膜することが一般的である。基材上に成膜した光学異方
体フィルムは基材からはがして使用することもできる
し、基材とともに使用することもできるが成膜に用いた
基材とともに使用するのが一般的である。用いる基材と
しては透明または半透明の基材が好ましく、具体的には
ガラスなどの無機質基板や、高分子フィルムなどが挙げ
られる。無機質基板としては透明もしくは半透明のガラ
ス板、または液晶セルに使用されるガラス板の外側や、
Si、Al、Mg、Zrなどの酸化物やフッ化物などの
無機化合物やセラミックスが例示される。
【0059】高分子フィルムとしてはポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスル
ホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、ポリスチ
レン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが例
示され、より好ましくはポリカーボネート、ポリスルホ
ン、3酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリスチレンが例示される。
【0060】用いる高分子フィルムの厚みは特に制限は
ないが、0.8μm以上500μm以下が好ましく、よ
り好ましくは10μm以上300μm以下、さらに好ま
しくは40μm以上200μm以下である。これらの高
分子フィルムの製造方法としては、溶剤キャスト法、押
出成形法、プレス成形法などの成形方法を用いればよ
い。また、基材が高分子フィルムの場合は、後述するよ
うに液晶オリゴマーの熱処理を行うに際し、用いる基材
のガラス転移温度、または添加材が添加されている基材
では基材の流動温度以上では基材の変形が生じるなどの
製法上の問題を避けるために、熱処理温度に応じた基材
を選択することが好ましい。
【0061】本発明の光学異方体フィルムにおいては、
液晶組成物をねじれネマチック配向の螺旋軸がフィルム
法線方向と平行になるように配向させるが、このような
ねじれネマチック配向を実現するには、基板表面に水平
配向処理を行うのが一般的である。水平配向処理法とし
てはラビング法や斜方蒸着法など公知の方法を用いるこ
とができるが、工業化の点からラビング法がより好まし
い。ラビング法を用いる場合、液晶オリゴマーを成膜す
る前の基材を直接ラビングするか、基材上に配向膜を形
成した後ラビング処理を行なうが、配向の安定性の点か
ら配向膜を形成後ラビング処理を行う方法が好ましい。
【0062】配向膜としては液晶分子を水平配向させる
ものであれば公知のものが使用可能である。例えばポリ
イミド、ポリアミド、ポリビニルアルコールなどが例示
される。配向膜の塗布法としてはロールコート法、グラ
ビアコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレ
ーコート法、プリント法、ディッピング法などが例示さ
れる。配向膜の膜厚については、一般的に0.01μm
以上であれば配向性能を発揮するが、配向膜が厚すぎる
と作業性が悪くなることから、0.01〜5.0μmが
好ましく、さらに好ましくは0.02〜3.0μmであ
る。
【0063】次いで、塗布した配向膜の種類に応じて、
乾燥、硬化などの後処理を行ったのち、配向膜のラビン
グを行う。ラビング方法としては特に制限はなく、公知
の方法を用いることができる。例えば、ラビングローラ
ーを用いる場合は、ラビングローラーの材質や、ラビン
グローラーの配向膜への押し込み量、基材に対するロー
ラーの移動速度、ラビング回数などに特に制限はなく、
配向膜の種類や、液晶オリゴマーの種類などに応じて、
最適な条件を選択すればよい。
【0064】斜方蒸着法としては、無機物の斜法蒸着膜
を使う方法が例示され、無機物としては蒸着時に柱状成
長することが好ましく、SiO、SiO2 、SiO
x (ここで1<x<2)、MgO、MgOy (ここで0
<y<1)、MgF2 、Pt、ZnO、MoO3 、WO
3 、Ta2 5 、SnO2 、CeO2 、LiNbO3
LiTaO3 、ZrO2 、Bi2 3 、TiZrO4
HfO2 などが例示され、この中でもSiO、Si
2 、SiOx (ここで1<x<2)、MgO、MgO
y (ここで0<y<1)、MgF2 、Pt、ZnOが好
ましく用いられ、更に好ましくはSiO、SiO2 、S
iOx (ここで1<x<2)が用いられる。斜方蒸着法
については、抵抗加熱による蒸着や電子線加熱による蒸
着方法やスパッタリング法が例示されるq 高融点の無機
物を蒸着するため電子線加熱による蒸着法やスパッタリ
ング法が好ましい。蒸着の際の真空度は特に制限はない
が、蒸着膜の均一性の観点から圧力の上限が決まり、生
産性の観点から圧力の下限が決まる。具体的には1×1
-3〜1×10-7Torrが例示され、好ましくは5×
10-4〜5×10-6Torrである。無機物の蒸着速度
については、蒸着速度が小さいと生産性が悪くなり、蒸
着速度が大きいと蒸着膜の均一性が悪くなることから、
蒸着速度は0.01〜10nm/秒が好ましく、更に好
ましくは0.1〜5nm/秒である。蒸着した無機物の
膜厚については、膜厚が薄いと配向が悪くなり、膜厚が
厚いと生産性が悪くなることから0.01μm〜100
0μmが例示され、好ましくは0.05〜100μm、
更に好ましくは0.1〜5μmである。
【0065】次いで水平配向処理を施した基材上に液晶
組成物を成膜する。該液晶組成物の成膜方法としては、
液晶組成物を溶液状態で塗布する方法、等方相状態で塗
布する方法が例示され、溶液状態から塗布する方法が好
ましい。塗布方法としては通常のロールコート法、グラ
ビアコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレ
ーコート法、プリント法、デッピング法などが例示され
る。
【0066】得られるフィルムの厚みとしては0. 1〜
20μmが好ましく、さらに好ましくは0. 5〜10μ
mであり、特に好ましくは1〜7μmである。0. 1μ
mより薄いと光学的な特性の発現が小さくなり、20μ
mを超えると経済的に好ましくない。また、フィルムの
厚みは、用いる液晶組成物の螺旋ピッチ長も考慮して設
定する必要がある。すなわち、得られるフィルムの厚み
は用いる液晶組成物のコレステリック相螺旋ピッチ長の
好ましくは3倍以上、さらに好ましくは5倍以上、特に
好ましくは10倍以上の厚みが望ましい。フィルムの厚
みが小さいと、コレステリック相の旋光性により偏光板
を直交させた状態でも光の漏れが生じ、液晶セルに搭載
した場合、コントラストの低下につながり好ましくな
い。
【0067】次いで、液晶組成物の熱処理を行う。熱処
理温度をTt (℃)、液晶組成物の結晶相またはガラス
相から液晶相への転移温度をTg (℃)、基材や配向膜
の変形が生じる温度をTk (℃)と書くことにすると、
熱処理温度は(Tg +30)≦Tt ≦(Tk −30)が
好ましく、(Tg +40)≦Tt ≦(Tk −40)の範
囲で熱処理することがより好ましく、製造の容易さを考
えると60〜200℃の範囲で行うことが好ましい。熱
処理時間はあまり短いとねじれネマチック配向が実現せ
ず、あまり長いと工業的に好ましくないので、0.2分
以上20時間以下が好ましく、1分以上1時間以下がさ
らに好ましい。以上の熱処理により、液晶組成物は、フ
ィルム法線方向に平行な螺旋軸を有するねじれネマチッ
ク配向をするようになる。熱処理における加熱速度、冷
却速度については特に制限はない。
【0068】次いで、ねじれネマチック配向を固定化す
るために、液晶組成物を重合する。重合方法としては配
向を保持したままで重合することが必要であるから、光
重合、γ線などの放射線重合や熱重合が例示される。光
重合や熱重合では公知の重合開始剤を用いることができ
る。これらの重合方法の中で工程の簡単さから、光重合
と熱重合が好ましく、さらに、配向の保持の良好さから
光重合がより好ましい。光重合を行う場合の照射光強度
は、フィルムの厚みや用いる液晶オリゴマーの種類に応
じて最適値を選択すればよいが、好ましくは0.01〜
5.0J/cm 2 の範囲であり、より好ましくは0.1
〜3.0J/cm2 である。照射光量が0.01J/c
2 より少ない場合は重合基の反応が不十分となる可能
性があり、5.0J/cm2 より多いと製造コスト上問
題である。
【0069】本発明の液晶表示装置は、電極を有する基
板に挟持された、正の誘電率異方性を有し、電圧無印加
時にほぼ水平にかつ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配
向した液晶層からなる液晶セルと、その外側に配置され
る偏光フィルムとの間に、本発明の光学異方体フィル
ム、または光学異方体フィルムと基材との積層体から選
ばれた少なくとも一つを含むものである。本発明の液晶
表示装置における電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸
を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液晶
セルの具体例としては、ねじれ角が約90度のTN型液
晶セルやねじれ角が180度から300度のSTN型液
晶セルが挙げられる。本発明の液晶表示装置においては
偏光板および本発明の光学異方体フィルムの配置方法は
特に限定されず、要求特性に応じて適当な配置を選ぶこ
とができる。また、該液晶表示装置において、光学異方
体フィルムは偏光板と液晶セルの間であれば、液晶セル
の片側のみに配置されていてもよいし、両側に配置され
ていてもよい。
【0070】また、本発明の液晶表示装置は、電極を有
する基板に挾持された、正の誘電率異方性を有し、電圧
無印加時に基板に対してほぼ水平に配向した液晶層から
なる液晶セルとその外側に配置される偏光フィルムとの
間に、本発明の光学異方体フィルム、または光学異方体
フィルムと基材との積層体から選ばれた少なくとも一つ
を含むものである。本発明の液晶表示装置における正の
誘電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対してほぼ
水平に配向した液晶層からなる液晶セルの具体例として
は前記のTN型液晶セルまたはSTN型液晶セルにおい
て、ねじれ角をほぼ0度としたものが挙げられる。液晶
セルにおけるねじれ角は、液晶材料に添加するねじれ剤
の量や、上下基板の配向処理によって調節することがで
きる。本発明の液晶表示装置においては偏光板および本
発明の光学異方体フィルムの配置方法は特に限定され
ず、要求特性に応じて適当な配置を選ぶことができる。
また、該液晶表示装置において、光学異方体フィルムは
偏光板と液晶セルの間であれば、液晶セルの片側のみに
配置されていてもよいし、両側に配置されていてもよ
い。
【0071】また、本発明の液晶表示装置は、電極を有
する基板に挾持された、負の誘電率異方性を有し、電圧
無印加時に基板に対してほぼ垂直に配向した液晶層から
なる液晶セルとその外側に配置される偏光フィルムとの
間に、本発明の光学異方体フィルム、または光学異方体
フィルムと基材との積層体から選ばれた少なくとも一つ
を含むものである。本発明の液晶表示装置における電極
を有する基板に挾持された、負の誘電率異方性を有し、
電圧無印加時に基板に対してほぼ垂直に配向した液晶層
からなる液晶セルは、例えば垂直配向処理を施した基板
に液晶材料を挟持して作製することができる。本発明の
液晶表示装置においては偏光板および本発明の光学異方
体フィルムの配置方法は特に限定されず、要求特性に応
じて適当な配置を選ぶことができる。また該液晶表示装
置において、光学異方体フィルムは偏光板と液晶セルの
間であれば、液晶セルの片側のみに配置されていてもよ
いし、両側に配置されていてもよい。
【0072】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。液晶オリ
ゴマーの相転移温度は走査型示査熱量計(DSC)およ
び偏光顕微鏡によるテクスチャー観察により決定した。
また、得られた光学異方体フィルムが負の屈折率異方性
を有することは、光学異方体フィルム法線に垂直な面内
のリターデーションが0であること、および水平面から
フィルムを傾けるとレターデーションが増加することに
より確認した。なお、レターデーションの測定は偏光顕
微鏡で546nmの光でセナルモン法を用いて行った。
【0073】実施例1 洗浄したガラス基板にポリイミド配向膜をスピンコート
法により成膜し、200℃で3時間熱処理した。得られ
た配向膜の膜厚は約0.02μmであった。次いで配向
膜をラビングマシーンを用いてラビングした。特公昭6
3−41400号公報記載の方法と同様にして、下記の
ビニルモノマー(1)と(2)を7:3の混合比でペン
タメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペンタ
シロキサン液晶オリゴマーを得た。
【化31】
【0074】この液晶オリゴマーのガラス転移温度は1
4℃、等方相への転移温度は114℃であり、14℃〜
114℃でコレステリック相を示した。また、この液晶
オリゴマーとネマチック液晶との組成物の選択反射波長
の測定値より外挿した結果、液晶オリゴマー単独の選択
反射波長は280nmであった。この波長よりこの液晶
オリゴマーのコレステリック相螺旋ピッチは0.2μm
と計算される。得られた液晶オリゴマーをトルエンに4
0%になるよう溶解し、さらに光重合開始剤としてイル
ガキュア―907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマ
ーに対して2.0wt%になるように混合した。この溶
液をポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコートし
た。得られた液晶オリゴマーフィルムは白濁しており、
偏光顕微鏡で観察したところ、全く配向していなかっ
た。次いで、この液晶オリゴマーフィルムを80℃で5
分加熱した後、高圧水銀ランプを用いて積算光量が0.
2J/cm2 になるように紫外線を照射した。得られた
液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は6μmでコレス
テリック相螺旋ピッチの30倍であり、可視光の選択反
射による着色は認められなかった。この液晶オリゴマー
重合物フィルムはクロスニコル下で消光し、光学異方体
フィルムであり、レターデーションはほぼ0であった。
また50°傾けたときのレターデーションは46nmで
あった。
【0075】実施例2 洗浄したガラス基板にポリビニルアルコール配向膜をス
ピンコート法により成膜し、100℃で1時間熱処理し
た。得られた配向膜の膜厚は約0. 05μmであった。
次いで配向膜をラビングマシーンを用いてラビングし
た。特公昭63−41400号公報記載の方法と同様に
して、下記のビニルモノマー(3)をペンタメチルシク
ロペンタシロキサンと反応させて環状ペンタシロキサン
液晶オリゴマーを得た。
【化32】
【0076】この液晶オリゴマーのガラス転移温度は2
0℃、等方相への転移温度は97℃であり、20℃〜9
7℃でネマチック相を示した。得られた液晶オリゴマー
と実施例1で用いた液晶オリゴマーを5:95(重量
比)で混合し、トルエンに固形分が30wt%になるよ
う溶解し、さらに光重合開始剤としてイルガキュア―9
07(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに対して
2.0wt%になるように混合した。この溶液をポリビ
ニルアルコール配向膜付きガラス基板にスピンコートし
た。得られた液晶オリゴマーフィルムは偏光顕微鏡で観
察した結果、コレステリック相を示していることが確認
された。また、この液晶オリゴマーは白濁しており、偏
光顕微鏡で観察したところ、全く配向していなかった。
次いで、この液晶オリゴマーフィルムを等方相となる温
度から徐冷し、配向させた後、高圧水銀ランプを用いて
積算光量が0.2J/cm2 になるように紫外線を照射
した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は
3μmで可視光の選択反射による着色は認められなかっ
た。この液晶オリゴマー重合物フィルムはクロスニコル
下で消光し、光学異方体フィルムであり、レターデーシ
ョンはほぼ0であった。また50°傾けたときのレター
デーションは21nmであった。
【0077】実施例3 洗浄したガラス基板にポリビニルアルコール配向膜をス
ピンコート法により成膜し、100℃で1時間熱処理し
た。得られた配向膜の膜厚は約0. 05μmであった。
次いで配向膜をラビングマシーンを用いてラビングし
た。特公昭63−41400号公報記載の方法と同様に
して、実施例1で用いたビニルモノマー(2)および実
施例2で用いたビニルモノマー(3)を1:1の比でペ
ンタメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペン
タシロキサン液晶オリゴマーを得た。この液晶オリゴマ
ーのガラス転移温度は19℃、等方相への転移温度は1
18℃であり、19℃〜118℃でスメクチック相を示
した。得られた液晶オリゴマーと実施例1で用いた液晶
オリゴマーを10:90(重量比)で混合し、トルエン
に固形分が30wt%になるよう溶解し、さらに光重合
開始剤としてイルガキュア―907(チバガイギー社
製)を液晶オリゴマーに対して2.0wt%になるよう
に混合した。この溶液をポリビニルアルコール配向膜付
きガラス基板にスピンコートした。
【0078】得られた液晶オリゴマーフィルムは偏光顕
微鏡で観察した結果、コレステリック相を示しているこ
とが確認された。またこの液晶オリゴマーは白濁してお
り、偏光顕微鏡で観察したところ、全く配向していなか
った。次いで、この液晶オリゴマーフィルムを等方相と
なる温度から徐冷し、配向させた後、高圧水銀ランプを
用いて積算光量が0.2J/cm2 になるように紫外線
を照射した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの
膜厚は4μmで可視光の選択反射による着色は認められ
なかった。この液晶オリゴマー重合物フィルムはクロス
ニコル下で消光し、光学異方体フィルムであり、レター
デーションはほぼ0であった。また50°傾けたときの
レターデーションは15nmであった。実施例1〜3で
得られた光学異方体フィルムをTN液晶セルと偏光板の
間に挿入すると、コントラストの視野角依存性の少ない
TN液晶パネルが得られる。
【0079】
【発明の効果】本発明の、負の屈折率異方性を有する光
学異方体フィルムを用いることで広視野角の位相差板が
得られる。また、これらをTNやSTN型液晶表示装置
に適用することにより、液晶表示装置の表示特性、特に
視野角特性を著しく向上させることができる。さらに、
本発明の光学異方体フィルムは、屈折率異方性の温度依
存性が液晶パネルに近いことから、広い温度範囲におい
て液晶セルの視野角特性を改善することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ねじれネマチック配向した液晶組成物を含
    む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の
    螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フィルム
    の厚みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋ピッチ
    をP(μm)とするとき、d≧3×Pであり、かつP≦
    0.3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶組成物
    はコレステリック相を示し、かつ下記反復単位(I)お
    よび(II)を主たる構成単位とする直鎖または環状の
    液晶オリゴマー(A)から選ばれる液晶オリゴマーを1
    種類以上含有し、該液晶オリゴマー(A)の1分子中の
    反復単位(I)および(II)の数をそれぞれnおよび
    n’とするとき、nおよびn’は1から20までの整数
    であり、かつ4≦n+n’≦21であり、n:n’の比
    は20:1〜1:20であり、液晶オリゴマー(A)の
    反復単位(II)の末端基が重合していることを特徴と
    する光学異方体フィルム。 【化1】 【化2】 〔式中、Aは下式(III)または(IV)で表される
    基であり、式(III)において−Si−O−は式
    (I)または(II)の主鎖であり、式(IV)におい
    て−C−CH2 −は式(I)または(II)の主鎖であ
    り、COO基は側鎖のR1 またはR2 ではない側鎖に位
    置する。式(I)においてAが式(III)のとき、お
    よび式(II)においてAが式(III)のとき、R1
    およびR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアル
    キル基またはフェニル基である。式(I)においてAが
    式(IV)のとき、および式(II)においてAが式
    (IV)のとき、R1 、R2 は独立に水素または炭素数
    1〜6のアルキル基である。 【化3】 【化4】 kとk’は独立に2から10までの整数を表し、mと
    m’とは独立に0または1であり、Ar1 、Ar2 およ
    びAr3 は独立に1,4−フェニレン基、1,4−シク
    ロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミ
    ジン−2、5−ジイル基であり、L’は−CH2 −O
    −、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH
    2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または 【化5】 で示される2価の基であり、p’は独立に0または1で
    あり、Rは光学活性基を示し、R’は水素または炭素数
    1から5までのアルキル基である。〕
  2. 【請求項2】ねじれネマチック配向した液晶組成物を含
    む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の
    螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フィルム
    の厚みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋ピッチ
    をP(μm)とするとき、d≧3×Pであり、かつP≦
    0.3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶組成物
    はコレステリック相を示し、かつ請求項1記載の液晶オ
    リゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマ
    ーおよび重合性基を有する低分子化合物を1種類以上含
    有し、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端
    基および/または重合性基を有する低分子化合物が重合
    していることを特徴とする光学異方体フィルム。
  3. 【請求項3】ねじれネマチック配向した液晶組成物を含
    む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の
    螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フィルム
    の厚みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋ピッチ
    をP(μm)とするとき、d≧3×Pであり、かつP≦
    0.3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶組成物
    はコレステリック相を示し、かつ請求項1記載の液晶オ
    リゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマ
    ーおよび(A)以外の液晶オリゴマー(B)から選ばれ
    る1種類以上の液晶オリゴマーを含有し、該液晶オリゴ
    マー(B)は下記反復単位(V)および(VI)を主た
    る構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマーから
    選ばれ、該液晶オリゴマー(B)の1分子中の反復単位
    (V)および(VI)の数をそれぞれn''およびn'''
    とするとき、n''およびn''' は独立に0から20まで
    の整数であり、かつ4≦n''+n''' ≦21であり、液
    晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および
    /または液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末
    端基が重合していることを特徴とする光学異方体フィル
    ム。 【化6】 【化7】 (式中、A、R1 、R2 、k’、m’、p’、L’、A
    2 、Ar3 およびR’は前記と同じ意味を示す。k''
    は2から10までの整数を表し、m''は0または1であ
    り、Ar4 およびAr5 は1,4−フェニレン基、1,
    4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル
    基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L''は−C
    2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO
    −、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−
    または 【化8】 で示される2価の基であり、p''は独立に0または1で
    あり、R''はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のア
    ルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜
    10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル基
    もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾ
    イルオキシ基を示す。)
  4. 【請求項4】ねじれネマチック配向した液晶組成物を含
    む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の
    螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、フィルム
    の厚みをd(μm)、ねじれネマチック相の螺旋ピッチ
    をP(μm)とするとき、d≧3×Pであり、かつP≦
    0.3μmまたはP≧0.8μmであり、該液晶組成物
    はコレステリック相を示し、かつ請求項1記載の液晶オ
    リゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマ
    ーおよび請求項3記載の液晶オリゴマー(B)から選ば
    れる1種類以上の液晶オリゴマーおよび重合性基を有す
    る低分子化合物を1種類以上含有し、液晶オリゴマー
    (A)の反復単位(II)の末端基および/または液晶
    オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基および/
    または重合性基を有する低分子化合物が重合しているこ
    とを特徴とする光学異方体フィルム。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の光学異方
    体フィルムにおいて、Rが下式(VII)または(VI
    II)で表される液晶オリゴマーを含むことを特徴とす
    る光学異方体フィルム。 【化9】 【化10】 (ここでR3 は−Hまたは下式(IX)を示し、 【化11】 4 は−Hまたはメチル基を示し、R5 は−HまたはR
    6 を示し、R6 は直鎖または分岐を有する炭素数1〜2
    0のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数1
    〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐している
    場合は不斉炭素を有していてもよい。)
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5記載の液晶
    組成物をフィルムに成膜後、熱処理を行ないねじれネマ
    チック配向の螺旋軸をフィルム法線方向にほぼ平行とし
    た後、重合性基を重合することを特徴とする光学異方体
    フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4または5記載の光学
    異方体フィルムと、表面に配向膜を有する透明または半
    透明である基材とが積層されてなる光学異方体フィルム
    と基材との積層体。
  8. 【請求項8】基材がガラス板または高分子フィルムであ
    ることを特徴とする請求項7記載の光学異方体フィルム
    と基材との積層体。
  9. 【請求項9】光学異方体フィルムと基材との積層体のみ
    かけの屈折率が下記式(1) 【数1】nX ≧nY >nZ (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ積層体の面内の屈折率の
    最大値、最小値を表し、nZ は積層体の厚み方向の屈折
    率を表す。)を満たすことを特徴とする請求項7記載の
    光学異方体フィルムと基材との積層体。
  10. 【請求項10】電極を有する基板に挟持された、正の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋
    軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液
    晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムとの間
    に、請求項1、2、3、4または5記載の光学異方体フ
    ィルム、または請求項7もしくは8記載の光学異方体フ
    ィルムと基材との積層体から選ばれた少なくとも一つを
    含むことを特徴とする液晶表示装置。
  11. 【請求項11】電極を有する基板に挾持された、正の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対してほぼ水
    平に配向した液晶層からなる液晶セルとその外側に配置
    される偏光フィルムとの間に、請求項1、2、3、4ま
    たは5記載の光学異方体フィルム、または請求項7もし
    くは8記載の積層体から選ばれた少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  12. 【請求項12】電極を有する基板に挾持された、負の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対してほぼ垂
    直に配向した液晶層からなる液晶セルとその外側に配置
    される偏光フィルムとの間に、請求項1、2、3、4ま
    たは5記載の光学異方体フィルム、または請求項7もし
    くは8記載の積層体から選ばれた少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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JP2007131824A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Fujifilm Corp 液晶化合物、液晶組成物、薄膜、及び光学要素
JP2011207964A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Fujifilm Corp セルロースアシレートフィルム、位相差板、偏光板、及び液晶表示装置
JP2019119779A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 ポリイミドフィルムの製造方法及びガラス−ポリイミド積層体

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