JP2021066875A - 重合性組成物および液晶調光素子 - Google Patents

重合性組成物および液晶調光素子 Download PDF

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真裕美 田辺
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Abstract

【課題】ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、大きな光学異方性、正に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を含有する重合性組成物、該重合性組成物から得られる液晶調光素子を提供する。【解決手段】第一成分として特定の化合物(1)、特定の化合物(2)、および特定の化合物(3)を含む液晶組成物、第二成分として重合性化合物、および第三成分として光重合開始剤を含有する重合性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、主として、液晶組成物を含有する重合性組成物及び該重合性組成物から得られる液晶調光素子に関する。
液晶組成物は、印加する電圧を調節することによって、液晶分子の配列が変わる。この液晶組成物の特性を利用することにより、光の透過を制御できる。液晶調光素子は、この液晶組成物の特性を利用した素子であり、通常、基板(例えばガラス基板のような硬質基板、プラスチック基板のような軟質基板)と基板に挟持された液晶組成物とで構成されている。液晶調光素子は、ディスプレイ、光シャッター、調光窓(特許文献1)、スマートウィンドウ(特許文献2)などとして、建築材料、車載部品など種々の用途に幅広く使用されている。
液晶調光素子の一例は、光散乱モードの高分子分散型液晶調光素子である。この液晶調光素子では、液晶組成物は、重合体中に分散している液晶複合体である。高分子分散型液晶調光素子は、(1)素子の作製が容易である、(2)広い面積に渡って膜厚制御が容易であるので、大きな画面の素子を作製することが可能である、(3)偏光板を必要としないので、明るい表示が可能である、(4)光散乱を利用するので視野角が広い、といった特徴を有している。高分子分散型液晶調光素子は、このような特徴を有しているので、調光ガラス、投射型ディスプレイ、大面積ディスプレイなどの用途が期待されている。
液晶調光素子の別の例は、ポリマーネットワーク型液晶調光素子である。この型の素子では、重合体の三次元ネットワーク中に液晶組成物が存在する液晶複合体である。ポリマーネットワーク型液晶調光素子では、液晶組成物が連続した構造を有している点で、高分子分散型とは異なる。ポリマーネットワーク型液晶調光素子も、高分子分散型液晶調光素子と同様な特徴を有している。また、ポリマーネットワーク型と高分子分散型とが混在した液晶調光素子も存在する。
液晶調光素子には適切な特性を有する液晶組成物が用いられる。この液晶組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有する液晶調光素子が得られる。2つの特性の関係を下記表1にまとめる。この表1の内容に基づいてさらに説明する。液晶組成物のネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約90℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約−20℃以下である。液晶組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。光の透過率を制御するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、液晶組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はさらに好ましい。液晶組成物の弾性定数は素子の応答時間に関連する。素子において短い応答時間を達成するためには、組成物における大きな弾性定数がより好ましい。
液晶組成物の光学異方性は、素子のヘイズに関連する。ヘイズは全透過光に対する拡散光の割合である。光を遮断するときは大きなヘイズが好ましい。大きなヘイズには大きな光学異方性が好ましい。液晶組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧や小さな消費電力に寄与する。したがって、大きな誘電率異方性が好ましい。液晶組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率に寄与する。したがって、初期段階において大きな比抵抗を有する液晶組成物が好ましい。長時間使用したあと、大きな比抵抗を有する液晶組成物が好ましい。光や熱に対する液晶組成物の安定性や耐候性は、素子の寿命に関連する。この安定性や耐候性が良好であるとき、寿命が長い。素子にはこれらの特性が望まれている。
Figure 2021066875
液晶調光素子には、ノーマルモードとリバースモードがある。ノーマルモードでは電圧無印加時に不透明であり、電圧印加時に透明になる。リバースモードでは電圧無印加時に透明であり、電圧印加時に不透明になる。ノーマルモードを有する素子には正の誘電率異方性を有する液晶組成物が用いられる。リバースモードを有する素子には負の誘電率異方性を有する液晶組成物が用いられる場合と正の誘電率異方性を有する液晶組成物が用いられる場合がある。ノーマルモードの素子が広く用いられている。この素子は、安価であり、作製が容易であるという長所がある。
特開平06−273725号公報 国際公開2011/96386号 特開昭63−278035号公報 特開平01−198725号公報 特開平07−104262号公報 特開平07−175045号公報
本発明の1つの目的は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、大きな光学異方性、正に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を含有する重合性組成物、該重合性組成物から得られる液晶調光素子を提供することである。別の目的は、液晶組成物のこれら特性の2つ以上を兼ね備えた液晶組成物を含有する重合性組成物、該重合性組成物から得られる液晶調光素子を提供することである。別の目的は、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなヘイズ、長い寿命のような特性の少なくとも1つを有する液晶調光素子を提供することである。別の目的は、大きなヘイズ、および光に対する高い安定性を有する液晶調光素子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、特定の化合物を含有する液晶組成物を含む重合性組成物および該重合性組成物から得られる液晶調光素子により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記[1]−[26]を含む事項を提供する。
[1]第一成分として式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、および式(3)で表される化合物を含む液晶組成物、
第二成分として重合性化合物、および第三成分として光重合開始剤を含有する重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(1)において、R1は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり、L1およびL2は、その一方が水素であり、他方がフッ素である。)
Figure 2021066875
(式(2)において、R2は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;aは1、2、または3である。)
Figure 2021066875
(式(3)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり、R4は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、またはシアノであり;環Bは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;bは1、2、または3である。)
[2]第一成分および第二成分の全重量に基づいて、第一成分の割合が40重量%以上95重量%以下の範囲である、[1]に記載の重合性組成物。
[3]第一成分として、式(2−1)で表される化合物および式(2−2)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、[1]に記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(2−1)および(2−2)において、R2は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。)
[4]第一成分として、式(3−1)で表される化合物、式(3−2)で表される化合物、および式(3−3)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、[1]に記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(3−1)、(3−2)および(3−3)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり、R4は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、またはシアノである。)
[5]液晶組成物の重量に基づいて、式(1)で表される化合物の割合が5重量%以上40重量%以下の範囲である、[1]に記載の重合性組成物。
[6]液晶組成物の重量に基づいて、式(2)で表される化合物の割合が5重量%以上60重量%以下の範囲である、[1]に記載の重合性組成物。
[7]液晶組成物の重量に基づいて、式(3)で表される化合物の割合が10重量%以上90重量%以下の範囲である、[1]に記載の重合性組成物。
[8]第一成分として、式(3−1−1)で表される化合物、式(3−2−1)で表される化合物、式(3−3−1)で表される化合物、式(3−1−2)で表される化合物、式(3−2−2)で表される化合物、および式(3−3−2)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、[1]に記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)、式(3−1−2)、式(3−2−2)、および式(3−3−2)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり、R5は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。)
[9]第一成分として、式(3−2−3)で表される化合物、および式(3−3−3)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、[1]に記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(3−2−3)、および(3−3−3)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。)
[10]第一成分として、式(2−3)で表される化合物および式(2−4)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、[1]に記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(2−3)において、R2は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Cは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または1,4−フェニレンであり;cは1、または2である。)
Figure 2021066875
(式(2−4)において、R2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Dは独立して、1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;dは1、または2である。)
[11]第一成分としてさらに式(4)で表される化合物を含む、[1]に記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(4)において、R6は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり;環Eは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、4,6−ジオキサン−2,5−ジイルまたはテトラヒドロピラン−2,5−ジイル)であり;Z1は単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり、ただし少なくとも1つのZ1はジフルオロメチレンオキシであり;eは1、2または3である。)
[12]第二成分として、式(5)で表される重合性化合物を含む[1]から[11]のいずれかに記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(5)において、M1は水素、またはメチルであり;Z2は単結合;または炭素数1から50のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの水素は、炭素数1から12のアルキル、フッ素、または塩素で置き換えられていてもよく、また少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−N(P12−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、ここでP1は水素または炭素数1から12のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく;
6は、水素、または、炭素環式もしくは複素環式の飽和脂肪族化合物、炭素環式もしくは複素環式の不飽和脂肪族化合物、または炭素環式もしくは複素環式の芳香族化合物から1つの水素を除くことによって生成した炭素数5から35の一価基であり、この一価基において、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。)
[13]第二成分として、式(6)で表される重合性化合物を含む[1]から[12]のいずれかに記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(6)において、M2及びM3は独立して、水素またはメチルであり;Z3は炭素数1から50のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキル、フッ素または塩素で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−COO−または−OCO−NH−、で置き換えられてもよく、またはその少なくとも1つの−CH2−は、炭素環式の飽和脂肪族化合物、複素環式の飽和脂肪族化合物、炭素環式の不飽和脂肪族化合物、複素環式の不飽和脂肪族化合物、炭素環式の芳香族化合物、または複素環式の芳香族化合物から2つの水素を除くことによって生成した炭素数5から35の二価基で置き換えられてもよく、この二価基において、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。)
[14]第二成分として、2以上の(メタ)アクリロイルオキシを有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む[1]から[11]のいずれかに記載の重合性組成物。
[15]第二成分として、式(15)で表される重合性化合物を含む[1]から[11]のいずれかに記載の重合性組成物。
Figure 2021066875
(式(15)において、M100は、水素、または炭素数1から5のアルキルであり;R100およびR101は独立して、水素、または炭素数1から12の、アルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、これらのアルキルもしくはヒドロキシアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−N(R102)−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、R102は、水素、または炭素数1から12のアルキルである。)
[16]さらに添加物としてスペーサーを含有する、[1]から[15]のいずれかに記載の重合性組成物。
[17][1]から[16]のいずれかに記載の重合性組成物を用いた、透明および散乱状態をスイッチングする液晶調光素子。
[18][1]から[16]のいずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体を調光層として有し、該調光層が一対の透明基板により挟持され、透明基板が透明電極を有する、液晶調光素子。
[19]透明基板がガラス板またはプラスチック板である、[18]に記載の液晶調光素子。
[20]透明基板がプラスチックフィルムである、[18]に記載の液晶調光素子。
[21][18]から[20]のいずれかに記載の液晶調光素子を使用する調光窓。
[22][18]から[20]のいずれかに記載の液晶調光素子を使用するスマートウィンドウ。
[23][1]から[16]のいずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体の、液晶調光素子への使用。
[24][1]から[16]のいずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体の、透明基板としてプラスチック板を有する液晶調光素子への使用。
[25][1]から[16]のいずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体の、調光窓への使用。
[26][1]から[16]のいずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体の、スマートウィンドウへの使用。
本発明の重合性組成物の1つの長所は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、大きな光学異方性、正に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を含有することである。
本発明の液晶調光素子の1つの長所は、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなヘイズ、長い寿命のような特性の少なくとも1つを有する液晶調光素子を提供することである。本発明の液晶調光素子の他の1つの長所は、大きなヘイズ、および光に対する高い安定性を有する液晶調光素子を提供することである。
本発明の液晶調光素子の構造の一例を示す断面図である。 本発明の液晶調光素子の構造の一例を示す断面図である。
この明細書では、「液晶性化合物」、「重合性化合物」、「液晶組成物」、「重合性組成物」、「液晶複合体」、「液晶調光素子」などの用語を用いる。「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが、ネマチック相の温度範囲、粘度、誘電率異方性のような特性を調節する目的で液晶組成物に添加される化合物の総称である。この化合物は、例えば1,4−シクロヘキシレンや1,4−フェニレンのような六員環を有し、その分子構造は棒状(rod like)である。「重合性化合物」は、液晶複合体中に重合体を形成させる目的で添加される化合物である。アルケニルを有する液晶性化合物は、その意味では重合性ではない。
「液晶組成物」は、複数の液晶性化合物を混合することによって調製される。この液晶組成物に、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、極性化合物のような添加物が必要に応じて添加される。液晶性化合物の割合は、添加物を添加した場合であっても、添加物を含まない液晶組成物(すなわち、液晶組成物に含まれる全液晶性化合物)に基づいた重量百分率(重量%)で表される。添加物の割合は、添加物を含まない液晶組成物に基づいた重量百分率(重量%)で表される。すなわち、液晶性化合物や添加物の割合は、液晶性化合物の全重量に基づいて算出される。
「重合性組成物」は、液晶組成物に重合性化合物を混合することによって調製される。すなわち、重合性組成物は、少なくとも1つの重合性化合物と液晶組成物との混合物である。重合性化合物には、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物のような添加物が必要に応じて添加される。重合性化合物や液晶組成物の割合は、添加物を添加した場合であっても、添加物を含まない重合性組成物(すなわち、重合性組成物に含まれる全液晶性化合物および重合性化合物)に基づいた重量百分率(重量%)で表される。重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物のような添加物の割合は、液晶性化合物と重合性化合物の総和に基づいた重量百分率(重量%)で表される。「液晶複合体」は、液晶組成物と重合体とを含有する。液晶複合体は、重合性組成物の重合によって生成する。このとき、液晶組成物は重合に関与しない。「液晶調光素子」は、液晶複合体を有し、調光に用いられる液晶パネルおよび液晶モジュールの総称である。
液晶組成物の「ネマチック相の上限温度」を「上限温度」と略すことがある。「ネマチック相の下限温度」を「下限温度」と略すことがある。「比抵抗が大きい」は、液晶組成物が初期段階において大きな比抵抗を有し、そして長時間使用したあと、大きな比抵抗を有することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、液晶調光素子が初期段階において室温だけでなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用したあと室温だけでなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有することを意味する。液晶組成物や液晶調光素子の特性が経時変化試験によって検討されることがある。「誘電率異方性を上げる」の表現は、誘電率異方性が正である液晶組成物のときは、その値が正に増加することを意味し、誘電率異方性が負である液晶組成物のときは、その値が負に増加することを意味する。
式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と略すことがある。式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を「化合物(1)」と略すことがある。「化合物(1)」は、式(1)で表される1つの化合物、2つの化合物の混合物、または3つ以上の化合物の混合物を意味する。他の式で表される化合物についても同様である。「少なくとも1つの'A'」の表現は、'A'の数は任意であることを意味する。「少なくとも1つの'A'は、'B'で置き換えられてもよい」の表現は、'A'の数が1つのとき、'A'の位置は任意であり、'A'の数が2つ以上のときも、それらの位置は制限なく選択できる。このルールは、「少なくとも1つの'A'が、'B'で置き換えられた」の表現にも適用される。
「少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよい」のような表現がこの明細書で使われることがある。この場合、−CH2−CH2−CH2−は、隣接しない−CH2−が−O−で置き換えられることによって−O−CH2−O−に変換されてもよい。しかしながら、隣接した−CH2−が−O−で置き換えられることはない。この置き換えでは−O−O−CH2−(ペルオキシド)が生成するからである。すなわち、この表現は、「1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよい」と「少なくとも2つの隣接しない−CH2−は−O−で置き換えられてもよい」の両方とを意味する。このルールは、−O−への置き換えだけでなく、−CH=CH−や−COO−のような二価基への置き換えにも適用される。
第一成分に含まれる式(1)で表される化合物(化合物(1))の化学式において、末端基R1の記号を複数の化合物に用いる場合がある。これら複数の化合物において、任意の2つのR1が表す2つの基は同一であってもよく、または異なってもよい。例えば、化合物(1−1)のR1がエチルであり、化合物(1−2)のR1がエチルである場合がある。化合物(1−1)のR1がエチルであり、化合物(1−2)のR1がプロピルである場合もある。このルールは、化合物(1)または化合物(1)以外の化学式に含まれる基R1以外の基を表す他の記号にも適用される。第一成分に含まれる式(2)で表される化合物(化合物(2))の化学式において、添え字'a'が2のとき、2つの環Aが存在する。この化合物において、2つの環Aが表す2つの基は、同一であってもよく、または異なってもよい。このルールは、添え字'a'が2より大きいとき、任意の2つの環Aにも適用される。このルールは、化合物(2)または化合物(2)以外の化学式に含まれる添え字にも適用される。また、このルールは、化合物が同一の記号で表される置換基を有する場合にも適用される。
六角形で囲んだA、B、C、Dなどの記号はそれぞれ環A、環B、環C、環Dなどの環に対応し、六員環、縮合環などの環を表す。「環Aおよび環Bは独立して、X、Y、またはZである」の表現では、主語が複数であるから、「独立して」を用いる。主語が「環A」であるときは、主語が単数であるから「独立して」を用いない。「環A」が複数の式で使われる場合には、「同一であってもよく、または異なってもよい」のルールが「環A」に適用される。他の基についても同様である。
2−フルオロ−1,4−フェニレンは、下記の2つの二価基を意味する。化学式において、フッ素は左向き(L)であってもよいし、右向き(R)であってもよい。このルールは、テトラヒドロピラン−2,5−ジイルのような、環から2つの水素を除くことによって生成した、左右非対称な二価基にも適用される。また、このルールは、カルボニルオキシ(−COO−または−OCO−)のような二価の結合基にも適用される。
Figure 2021066875
液晶性化合物のアルキルは、直鎖状または分岐状であり、環状アルキルを含まない。液晶性化合物において、直鎖アルキルは、分岐アルキルよりも好ましい。これらのことは、アルコキシ、アルケニルなどの末端基についても同様である。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、上限温度を上げるためにシスよりもトランスが好ましい。
本発明の重合性組成物、液晶複合体、および液晶調光素子を次の順で説明する。第一に、液晶複合体の構成を説明する。第二に、液晶組成物の構成を説明する。第三に、液晶組成物である第一成分に含まれる各化合物の主要な特性、およびこれら化合物が液晶組成物に及ぼす主要な効果を説明する。第四に、液晶組成物に含まれる各化合物の好ましい形態について説明する。第五に、液晶組成物における各化合物の好ましい割合および各化合物の好ましい組み合わせを説明する。第六に、重合性組成物に含まれる第二成分である重合性化合物およびその好ましい形態を説明する。第七に、第二成分における各重合性化合物の好ましい割合および各重合性化合物の好ましい組み合わせを説明する。第八に、第一成分である液晶組成物と第二成分である重合性化合物の好ましい割合について説明する。第九に、重合性組成物に含まれる各化合物の入手方法を説明する。第十に重合性組成物に添加される第三成分である光重合開始剤について説明する。第十一に、重合性組成物に添加されてもよい添加物を説明する。第十二に、液晶複合体の調製方法について説明する。最後に、液晶複合体の用途、および液晶調光素子を説明する。
第一に、液晶複合体の構成を説明する。液晶複合体は重合性組成物の重合によって得ることができる。重合性組成物は、液晶組成物、重合性化合物、および光重合開始剤の混合物であり、重合性組成物は必要に応じてさらに光重合開始剤以外の重合開始剤を含んでいる。重合性組成物には添加物を添加してもよい。添加物は、極性化合物などである。重合性組成物を重合することにより、重合によって生成した重合体を含む相と液晶組成物を含む相とが相分離をするので液晶複合体が得られる。すなわち、重合体と液晶組成物とを組み合わせた液晶複合体が生成する。この液晶複合体は、電圧無印加時に不透明であり、電圧印加時に透明となるノーマルモードの素子に適している。液晶組成物の光学異方性と重合体の屈折率は、液晶調光素子の透明性に関連する。液晶組成物の光学異方性(Δn)は一般に高い方が好ましい。光学異方性は0.16以上が好ましく、0.18以上がより好ましい。
高分子分散型液晶調光素子として用いられる液晶複合体では、重合体を含むマトリックス相中に液晶組成物を含む相が液滴のように分散している。液滴の各々は独立しており、連続していない。一方、ポリマーネットワーク型液晶調光素子として用いられる液晶複合体では、重合体を含む相は三次元の網目構造を形成し、液晶組成物を含む相はこの網目に囲まれてはいるが、連続した相を形成している。これらの液晶調光素子において、液晶複合体に基づいた液晶組成物の割合は、効率的に光散乱させるために、大きい方が好ましい。また、液晶調光素子において、液晶複合体に基づいた重合体の割合は、マトリクス相を大きくし、液滴を小さくすることによって熱に対する耐久性が上がるので、大きい方が好ましい。
液晶組成物の好ましい割合は、液晶複合体の重量に基づいて、50重量%から95重量%の範囲である。さらに好ましい割合は、55重量%から90重量%の範囲である。特に好ましい割合は、70重量%から80重量%の範囲である。重合体の好ましい割合は、液晶複合体の重量に基づいて、5重量%から50重量%である。さらに好ましい割合は、5重量%から45重量%の範囲である。特に好ましい割合は、5重量%から40重量%の範囲である。
第二に、液晶組成物の構成を説明する。この液晶組成物は、化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)を含有する。液晶組成物は、複数の液晶性化合物を含有してもよい。この組成物は、添加物を含有してもよい。添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。この液晶組成物は、液晶性化合物の観点から組成物Aと組成物Bに分類される。組成物Aは、化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)の他に、その他の液晶性化合物、添加物などをさらに含有してもよい。「その他の液晶性化合物」は、化合物(1)、化合物(2)、および化合物(3)とは異なる液晶性化合物である。このような化合物は、特性をさらに調整する目的で組成物に混合される。
組成物Bは、実質的に化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)のみからなる。「実質的に」は、組成物Bが添加物を含有してもよいが、その他の液晶性化合物を含有しないことを意味する。組成物Bは組成物Aに比較して成分の数が少ない。コストを下げるという観点から、組成物Bは組成物Aよりも好ましい。その他の液晶性化合物を混合することによって特性をさらに調整できるという観点から、組成物Aは好ましい。
第三に、液晶組成物である第一成分に含まれる各化合物(1)、(2)および(3)の主要な特性、ならびにこれら化合物が液晶組成物に及ぼす主要な効果を説明する。化合物(1)、(2)および(3)の主要な特性を表2にまとめる。表2の記号において、Lは大きいまたは高い、Mは中程度の、Sは小さいまたは低い、を意味する。記号L、M、Sは、成分化合物のあいだの定性的な比較に基づいた分類であり、記号0(ゼロ)は、極めて小さいことを意味する。なお、液晶組成物の誘電率異方性は好ましくは正である。
Figure 2021066875
化合物(1)〜(3)が液晶組成物の特性に及ぼす主要な効果は次のとおりである。化合物(1)は、光学異方性を上げる。化合物(2)は、耐光性を上げる。上限温度を上げる、または下限温度を下げる。化合物(3)は、上限温度を上げる、または下限温度を下げる。
液晶組成物が上記組成物Aである場合、その液晶組成物にさらに含まれる好ましい化合物の例は、化合物(4)である。化合物(4)は、誘電率異方性を大きくする。
第四に、液晶組成物に含まれる各化合物の好ましい態様について説明する。化合物(1)において、R1は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。好ましいR1は、光や熱に対する安定性を上げるために、炭素数1から12のアルキルである。
化合物(2)において、R2は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。好ましいR2は、光や熱に対する安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルである。なお、化合物(2)の好ましい例である化合物(化合物(2−1)〜(2−4)など)においても、R2の定義、好適態様などは同様である。
化合物(3)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。好ましいR3は、光や熱に対する安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルである。なお、化合物(3)の好ましい例である化合物(化合物(3−1)〜(3−3)、(3−1−1)〜(3−3−3)など)においても、R3の定義、好適態様などは同様である。
化合物(3)において、R4は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、またはシアノである。好ましいR4は、上限温度を上げるために、シアノであり、下限温度を下げるために、炭素数1から6のアルコキシまたは炭素数1から6のアルキルである。
化合物(3)の好ましい一例である、化合物(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)、(3−1−2)、(3−2−2)および(3−3−2)において、R5は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。好ましいR5は、下限温度を下げるために、炭素数1から6のアルコキシである。
化合物(4)において、R6は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。好ましいR6は、光や熱に対する安定性を上げるために、炭素数1から12のアルキルである。
アルキルの好ましい例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。アルキルのより好ましい例は、下限温度を下げるためにメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルである。
アルコキシの好ましい例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシである。アルコキシのより好ましい例は、下限温度を下げるためにメトキシまたはエトキシである。
アルケニルの好ましい例は、炭素数2〜5のアルケニルである。アルケニルのより好ましい例は、下限温度を下げるために、炭素数2のアルケニルである。
少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたアルキルの好ましい例は、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシル、7−フルオロヘプチル、または8−フルオロオクチルである。前記フッ素置換アルキルのより好ましい例は、誘電率異方性を上げるために2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、または5−フルオロペンチルである。
少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルの好ましい例は、アルケニル基の末端炭素に結合した2つの水素が2つのフッ素で置き換えられた基である。前記フッ素置換アルケニルのより好ましい例は、重合性化合物との溶解性を高めるために末端炭素に結合した2つの水素が2つのフッ素で置き換えられた2,2−ジフルオロエテニルである。
化合物(2)において、環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンである。環Aの好ましい例は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、または3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。環Aのより好ましい例は、耐熱性や耐光性を上げるためには、1,4−フェニレンまたは3−フルオロ−1,4−フェニレンである。誘電率異方性を上げるためには3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンが好ましい。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、上限温度を上げるためにシスよりもトランスが好ましい。
化合物(3)において、環Bは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンである。環Bの好ましい例は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンである。環Bのより好ましい例は、光学異方性を上げるために、1,4−フェニレンまたは3−フルオロ−1,4−フェニレンである。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、上限温度を上げるためにシスよりもトランスが好ましい。
化合物(2)の好ましい一例である化合物(2−3)および(2−4)において、環Cおよび環Dは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または1,4−フェニレンである。環Cおよび環Dの好ましい例は、上限温度を上げるためには、1,4−フェニレンであり、下限温度を下げるためには1,4-シクロヘキシレンである。
化合物(4)において、環Eは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、4,6−ジオキサン−2,5−ジイルまたはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルである。環Eの好ましい例は、誘電率異方性を上げるためには、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、または3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。
化合物(4)において、Z1は単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり、ただし少なくとも1つのZ1はジフルオロメチレンオキシである。Z1として、ジフルオロメチレンオキシが含まれると、誘電率異方性を上げることができる。化合物(4)においてeが2以上の場合、Z1としてジフルオロメチレンオキシに加えて、単結合が含まれると、光や熱に対する安定性を上げることができる。
化合物(2)において、aは、1、2、または3である。好ましいaの例は、下限温度を下げるために1または2であり、光学異方性を上げるために2または3である。
化合物(3)において、bは、1、2、または3である。好ましいbの例は、下限温度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2または3である。
化合物(2)の好ましい一例である化合物(2−3)において、cは1、または2であ
る。好ましいcの例は、下限温度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2で
ある。
化合物(2)の好ましい一例である化合物(2−4)において、dは1、または2である。好ましいdの例は、下限温度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2である。
化合物(4)において、eは1、2または3である。好ましいeの例は、下限温度を下げるために1であり、誘電率異方性を上げるためには2である。
化合物(1)において、L1およびL2は、その一方が水素であり、他方がフッ素である。好ましいL1およびL2の組み合わせは、下限温度を下げるためにはL1がフッ素およびL2が水素であり、かかる化合物は式(1−1)で表される。誘電率異方性を上げるためにはL1が水素およびL2がフッ素であり、かかる化合物は式(1−2)で表される。
Figure 2021066875
化合物(2)として、化合物(2−1)および化合物(2−2)よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物が重合性組成物に含まれる場合、液晶相の上限温度を高くすることができる。化合物(2)として、化合物(2−3)および化合物(2−4)よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物が重合性組成物に含まれる場合、液晶組成物の誘電率異方性を高くすることができる。
好ましい化合物(2)の例は、耐光性を上げたり、液晶相の上限温度を上げるためには化合物(2−1)であり、屈折率異方性を上げるためには化合物(2−2)である。
好ましい化合物(2−3)の例は、耐光性を上げたり、液晶相の上限温度を上げるためには下記式(2−3−1)で表される化合物であり、誘電率異方性を上げたり、液晶相の下限温度を下げるためには下記式(2−3−2)で表される化合物である。
Figure 2021066875
好ましい化合物(2−4)の例は、誘電率異方性を上げるためには下記式(2−4−1)で表される化合物であり、液晶相の上限温度を上げるためには下記式(2−4−2)で表される化合物である。
Figure 2021066875
好ましい化合物(3)の例は、重合性化合物との溶解性の向上や液晶相下限温度を下げるためには化合物(3−1)であり、耐光性の向上や液晶相上限温度を上げるためには化合物(3−2)であり、屈折率異方性を上げるためには化合物(3−3)である。
化合物(3)として、化合物(3−1)、化合物(3−2)、および化合物(3−3)よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物が重合性組成物に含まれる場合、重合性組成物から得られる液晶複合体を液晶調光素子として用いた場合、駆動温度領域を広げることが可能となる。
好ましい化合物(3−1)の例は、重合性化合物との溶解性の向上や液晶相下限温度を下げるためには化合物(3−1−1)であり、重合性化合物との溶解性の向上や誘電率異方性を上げるためには化合物(3−1−2)である。
好ましい化合物(3−2)の例は、耐光性を上げるためには化合物(3−2−1)であり、誘電率異方性を上げるためには化合物(3−2−2)であり、液晶相下限温度を下げ、誘電率異方性を大きくするためには化合物(3−2−3)である。
好ましい化合物(3−3)の例は、屈折率異方性を上げるためは化合物(3−3−1)であり、液晶相の上限温度を上げ、屈折率異方性を上げるためには化合物(3−3−2)であり、屈折率異方性と誘電率異方性を上げるためには化合物(3−3−3)である。
化合物(3)として、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)、化合物(3−3−1)、化合物(3−1−2)、化合物(3−2−2)、および化合物(3−3−2)よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物が重合性組成物に含まれる場合、液晶相の上限温度、下限温度が調整でき、液晶組成物や重合性化合物との溶解性が向上する。
化合物(3)として、化合物(3−2−3)、および化合物(3−3−3)よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物が重合性組成物に含まれる場合、液晶相の上限温度が上がり、液晶組成物の低温域(例えば−10℃〜−30℃)での保存安定性が高まる。
化合物(4)として、下記式(4−1)で表される化合物、下記式(4−2)で表される化合物および下記式(4−3)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物が重合性組成物に含まれる場合、誘電率異方性や屈折率異方性が上がり、特に誘電率異方性が効果的に上がる。好ましい化合物(4)の例は、重合性化合物との溶解性を上げるために、化合物(4−1)であり、誘電率異方性および屈折率異方性を上げるために、化合物(4−2)であり、誘電率異方性および屈折率異方性を上げてさらに重合性化合物との溶解性を高めるために化合物(4−3)である。
Figure 2021066875
第五に、液晶組成物における各化合物の好ましい割合および各化合物の好ましい組み合わせを説明する。
液晶組成物の重量(液晶組成物中に含まれる液晶性化合物の全重量)に基づいて、化合物(1)の好ましい割合は、光学異方性を上げるために約5重量%以上であり、下限温度を下げるために約40重量%以下である。さらに好ましい割合は約5重量%以上約30重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約5重量%以上約20重量%以下の範囲である。
液晶組成物の重量(液晶組成物中に含まれる液晶性化合物の全重量)に基づいて、化合物(2)の好ましい割合は耐光性を上げるために約5重量%以上であり、光学異方性を上げるために約60重量%以下である。さらに好ましい割合は約10重量%以上約40重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約15重量%以上約30重量%以下の範囲である。
液晶組成物の重量(液晶組成物中に含まれる液晶性化合物の全重量)に基づいて、化合物(3)の好ましい割合は、上限温度を上げるまたは下限温度を下げるために約10重量%以上であり、光学異方性を上げるためには約90重量%以下である。さらに好ましい割合は約20重量%以上約80重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約30重量%以上約60重量%以下の範囲である。
化合物(1)、(2)、および(3)の組み合わせの好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)および化合物(3−2−1)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、低温域(例えば−10から−30℃)でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−2)および化合物(3−2−1)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−2)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、低温域(例えば−10〜−30℃)でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−3−1)の組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−3−2)の組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−3−3)の組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体から高温域(例えば80〜110℃)でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−2)および化合物(3−3−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、散乱特性に優れた液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−3−1)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)の組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、広い温度範囲で駆動可能な液晶調光素子の作製が可能となる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−2)および化合物(3−3−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−2)および化合物(3−3−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、散乱特性の良好な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)の組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)、化合物(3−3−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、高い温度域で散乱特性の良好な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)および化合物(3−2−1)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)の組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、広い温度範囲で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−3−1)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、高い温度域で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−3−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、広い温度範囲で散乱特性の良好な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−3−1)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−3−1)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、広い温度範囲でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、高い温度域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−1−1)および化合物(3−2−1)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−1−2)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−1−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、低温域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、高温域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−3−2)と、化合物(3−1−1)および化合物(3−2−1)との組み合わせ、
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−3−2)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ、
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−3−2)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−3−2)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、高温域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−4−1)と、化合物(3−1−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−4−1)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、低温域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、高温域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−4−1)と、化合物(3−1−1)および化合物(3−2−1)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−4−1)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−4−1)と、化合物(3−1−2)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−4−1)と、化合物(3−1−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、低温域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−1)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、高温域でも駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−4−2)と、化合物(3−1−1)および化合物(3−2−1)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−4−2)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、広い温度範囲で駆動可能な液晶調光素子の作製が可能となる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−4−2)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、広い温度範囲で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−4−2)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−4−2)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、広い温度範囲で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
化合物(1)、(2)、(3)、および(4)の組み合わせの好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)の組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−2)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−1)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、広い温度範囲において低電圧で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−1)、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、高い温度範囲において低電圧で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)と、化合物(4−1)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−2)からなる群より選択された少なくとも1種の化合物と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、散乱特性に優れ、広い温度範囲において駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−3−1)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)と、化合物(4−1)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは広い温度範囲において低電圧で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−3−1)と、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−1)、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
この組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、低電圧で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−3−2)と、化合物(3−1−1)、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−3−2)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物は、重合性化合物との溶解性に優れ、重合性組成物の調製が容易となり、かかる重合性組成物から得られる液晶複合体は耐光性に優れ、かかる液晶複合体からは、低い温度範囲において低電圧で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)と、化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)と、化合物(4−1)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)と、化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、低い温度範囲において低電圧で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−2)と、化合物(2−1)および化合物(2−4−1)と、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−1)および化合物(4−3)との組み合わせ。
この組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、高い温度領域において低電圧で駆動可能な液晶調光素子が作製できる。
また、他の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−4−2)と、化合物(3−2−1)および化合物(3−2−2)と、化合物(4−1)および化合物(4−3)との組み合わせ。
化合物(1−1)および化合物(1−2)と、化合物(2−4−2)と、化合物(3−2−2)および化合物(3−2−3)と、化合物(4−2)および化合物(4−3)との組み合わせ。
これら組み合わせの液晶組成物を含む重合性組成物からは、耐光性に優れた液晶複合体が得られ、かかる液晶複合体からは、広い温度範囲において低電圧で駆動可能な散乱特性の良い液晶調光素子が作製できる。
第六に、重合性組成物に含まれる第二成分である重合性化合物およびその好ましい形態を説明する。
液晶複合体に含まれる重合体は、重合性組成物に含有される第二成分の重合性化合物を重合することにより得られる。重合性化合物は、単独であってもよいし、複数の化合物の混合物であってもよい。
重合性化合物としては、室温または加温下で光重合開始剤を用い紫外線照射により重合体を製造するために、ラジカル反応により重合体を生成するものが好ましい。ラジカル反応により重合体を生成できる重合性化合物に含まれる好ましい重合基の例は、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、アクリルアミド基である。
熱重合開始剤を用い加熱により重合する重合性化合物、または光酸発生開始剤、光塩基発生開始剤、酸触媒もしくは塩基性触媒を用い、活性種がカチオンである重合性化合物もしくは活性種がアニオンである重合性化合物を用いる場合もある。これら反応により重合体を生成する重合性化合物に含まれる好ましい重合基の例は、オキシラニル、ビニルエーテル基、アリルエーテル基である。
第二成分として用いられる好ましい重合性化合物の例は、非液晶性モノマーであり、非液晶性モノマーは、非液晶性単官能モノマーと非液晶性多官能モノマーに大別される。なお、上記モノマーには、その構造中に構造単位の繰り返し数が2以上であるオリゴマーも含まれる。非液晶性単官能モノマーの主な役割は、第一成分である液晶組成物に対して、第二成分の溶解性を上げることである。重合性組成物の均一性を保つことで重合後の液晶複合体(例えば液晶調光素子の調光層)に均一な散乱特性を持たせることができる。また単官能モノマーは得られる重合体のガラス転移温度を制御することができる。直鎖アルキル、分岐アルキルなどの線状構造の基を有する非液晶性単官能モノマーは得られる重合体のガラス転移温度が低くなる傾向にあり、環状構造の基を有する非液晶性単官能モノマーは得られる重合体のガラス転移温度が高くなる傾向にある。重合体のガラス転移温度が低いと液晶複合体に含まれる液晶組成物の駆動温度範囲を下げることが可能となる。また、重合体の側鎖の鎖長が長くなると、重合体表面と液晶との相互作用が低下し、液晶複合体に含まれる液晶組成物の駆動電圧が低くなる傾向にある。重合体の側鎖にエーテル構造が含まれると、得られる液晶複合体に含まれる液晶組成物の駆動電圧が低くなる傾向にある。
環状構造の基を有する非液晶性単官能モノマーから得られる重合体を含む液晶複合体は、直鎖アルキル、分岐アルキルなどの線状構造の基を有する非液晶性単官能モノマーから得られる重合体を含む液晶複合体に比べ、他の材料との密着性(例えば、液晶複合体を液晶調光素子の調光層として用いる場合には、その調光層と電極(例えばITO(酸化インジウムスズ)フィルム)界面での密着性)が高くなる傾向にある。なお、密着性は剥がし試験で評価され得る。剥がし試験における剥離は、層内で起こる凝集剥離と界面で起こる界面剥離がある。
環状構造の基を有する非液晶性単官能モノマーから得られる重合体を含む液晶複合体では、その重合体の弾性率が上がり、凝集剥離強度が高まり、他の材料との密着性が向上する傾向にある。また、液晶複合体の界面剥離強度を高めるためには、他の材料(例えば電極基板材料となるITO)の界面との相互作用の高い、極性基または極性結合を有する非液晶性単官能モノマーが用いられる。好ましい極性基または極性結合の例は、電極基板材料の一例であるITO表面に存在する水酸基と水素結合を誘発するような、水酸基、カルボニル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミド結合(−(C=O)−N−)、ウレタン結合(−NH(C=O)O−)、イソシアヌレート結合がある。また窒素や酸素元素を含む複素環構造を有する単官能モノマー、シラン誘導体である単官能モノマー、イソシアネート誘導体である単官能モノマー(いわゆるカップリング剤)を用いることで、液晶複合体と他の材料(例えば液晶調光素子の調光層と基板界面)の密着性を上げることが可能である。
好ましい非液晶性単官能モノマーの例は、下記式(5)で表される化合物である。
Figure 2021066875
式(5)において、M1は水素、またはメチルであり;
2は単結合;または炭素数1から50のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの水素は、炭素数1から12のアルキル、フッ素、または塩素で置き換えられていてもよく、また少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−N(P12−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、ここでP1は水素または炭素数1から12のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく;
6は、水素、または、炭素環式もしくは複素環式の飽和脂肪族化合物、炭素環式もしくは複素環式の不飽和脂肪族化合物、または炭素環式もしくは複素環式の芳香族化合物から1つの水素を除くことによって生成した炭素数5から35の一価基であり、この一価基において、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。
好ましい式(5)で表される化合物の例は、下記式(5−1)〜(5〜15)、(5〜16)〜(5−22)で表される化合物である。下記式中M1は水素またはメチルである。なお、下記式(5−1)で表される化合物がヘキシルアクリレートであり、下記式(5−3)で表される化合物がドデシルアクリレートである。
Figure 2021066875
Figure 2021066875
Figure 2021066875
密着性を付与し得る非液晶性単官能モノマーの例は、下記一般式(15)で表される化合物である。
Figure 2021066875
式(15)において、M100は、水素、または炭素数1から5のアルキルであり;R100およびR101は独立して、水素、または炭素数1から12の、アルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、これらのアルキルもしくはヒドロキシアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−N(R102)−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、R102は、水素、または炭素数1から12のアルキルである。
密着性を付与し得る非液晶性単官能モノマーの例は、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドンである。
非液晶性多官能モノマーの主な役割は、得られる重合体の架橋度を上げることである。架橋密度が上がると強固なネットワーク構造が築け、耐湿、耐熱、耐光性などの信頼性の向上につながる。一方、非液晶性多官能モノマーを重合性化合物として用いると架橋度は高くなるため、(メタ)アクリル基などの重合基では、硬化収縮を生じ、密着性低下の一因になる。また架橋度が高まることで重合体のガラス転移温度が高くなると、液晶組成物との相互作用も高まり、調光層の駆動電圧の上昇につながる場合もある。信頼性を維持しながら低電圧駆動させるためには、得られる架橋度を低減することが望ましい。この観点からは、比較的分子量の大きな非液晶性多官能モノマー、重合後のガラス転移温度の低い非液晶性多官能モノマー、エーテル結合を多く含有する非液晶性多官能モノマーが好ましい。
好ましい非液晶性多官能モノマーの例は、下記一般式(6)で表される化合物である。
Figure 2021066875
式(6)において、M2及びM3は独立して、水素またはメチルであり;Z3は炭素数1から50のアルキレン、典型的には炭素数1から40のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキル、フッ素または塩素で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−COO−または−OCO−NH−、で置き換えられてもよく、またはその少なくとも1つの−CH2−は、炭素環式の飽和脂肪族化合物、複素環式の飽和脂肪族化合物、炭素環式の不飽和脂肪族化合物、複素環式の不飽和脂肪族化合物、炭素環式の芳香族化合物、または複素環式の芳香族化合物から2つの水素を除くことによって生成した炭素数5から35の二価基で置き換えられてもよく、この二価基において、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。
重合性組成物に含まれ得る化合物(6)の役割、好適態様等を説明する。化合物(6)において、重合性基が多い場合は、架橋によって液滴を囲む重合体が固くなるか、または網目が密になる。好ましい重合性化合物は、少なくとも1つのアクリロイルオキシ(−OCO−CH=CH2)またはメタクリロイルオキシ(−OCO−(CH3)C=CH2)を有する。化合物(6)は重合によって対応する重合体を与える。化合物(6)が揮発性である場合は、そのオリゴマーを用いてもよい。好ましい重合体は無色透明であり、液晶組成物には不溶である。好ましい重合体は、素子の基板との密着性に優れ、駆動電圧を下げる。この効果を向上させるために、化合物(6)とは異なる重合性化合物を併用してもよい。
化合物(6)はジアクリレートまたはジメタクリレートである。Z3はアルキレンなどであるので、重合体は網目構造を形成しやすい。Z3の分子鎖が短いとき、重合体の架橋部位が近接するので、網目が小さくなる。Z3の分子鎖が長いとき、重合体の架橋部位が離れ、分子運動の自由度が向上するので、駆動電圧が下がる。Z3が分岐状であるとき、自由度がさらに向上するので、駆動電圧がさらに下がる。この効果を向上させるために、化合物(6)とは異なる重合性化合物を併用してもよい。
式(6)において、M2またはM3の好ましい例は、反応性を上げるために水素であり、耐熱性を上げるためにメチルである。
3としては、低電圧駆動のために、炭素数9から35のアルキレンが好ましく、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキルで置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。
好ましいZ3の例は、液晶との溶解性を高めるため、あるいは低電圧駆動のために、直鎖アルキレンに含まれる少なくとも1つの水素がアルキルで置き換えられた分岐アルキレンである。また、直鎖アルキレンの2つの水素がアルキルで置き換えられた分岐アルキレンの場合、立体障害を防ぐことが好ましい。その分岐アルキレンの立体障害を防ぐためには、例えば、2つのアルキルが直鎖アルキレンに結合する炭素原子間の距離を充分に離す、または、一方のアルキルの炭素数は1から15とし、他方のアルキルの炭素数は1〜5とする。直鎖アルキレンの少なくとも3つの水素がアルキルで置き換えられた分岐アルキレンの場合も同様である。
好ましい非液晶性多官能モノマーの例は、下記式(6−1)〜(6−19)で表される化合物である。なお、下記式(6−3)で表される化合物がテトラエチレングリコールジアクリレートであり、下記式(6−17)で表される化合物がジペンタエリスリトールモノプロピネートペンタアクリレートである。また、好ましい式(6)で表される化合物としては、トリエチレングリコールジアクリレートが挙げられる。
Figure 2021066875
Figure 2021066875
Figure 2021066875
Figure 2021066875
好ましい非液晶性多官能モノマーの他の例は、2以上のアクリロイルオキシ(−OCO−CH=CH2)またはメタクリロイルオキシ(−OCO−(CH3)C=CH2)(メタクリロイルオキシ、アクリロイルオキシを総称して(メタ)アクリロイルオキシと称する。)を有するウレタンアクリレートオリゴマーまたはウレタンメタクリレートオリゴマー(アクリレート、メタクリレートを総称して(メタ)アクリレートと称する。)である。
ここでウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとは、(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物を主骨格として有する化合物であり、その主骨格中にはイソシアネート結合(−OCO−NH−)が含まれている化合物である。
2以上の(メタ)アクリロイルオキシを有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが非液晶性多官能モノマーとして含まれることにより、例えば液晶調光素子として用いた場合、液晶複合体中のウレタン結合部とITO電極との界面や配向膜との界面での水素結合により透明基板との界面で剥離強度が高くなる。さらに粘弾性が付与されるので、得られる液晶複合体の凝集剥離強度も高くなる。これにより透明基板と重合性組成物を重合して得られる液晶複合体の密着性が高まり、塗工時や他のプロセスでの剥がれを抑制でき生産性を高めることができる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、好ましくは、(i−1)脂肪族ポリイソシアネート化合物及び/又は脂環族ポリイソシアネート化合物、及び(i―2)芳香族ポリイソシアネート化合物からなる群より選ばれる1種以上のイソシアネート化合物(i)と、(ii−1)ポリエーテル系ポリオール、(ii−2)ポリエステル系ポリオール、(ii−3)ポリカーボネート系ポリオール、及び(ii−4)その他ポリオールからなる群より選ばれる1種以上のポリオール化合物(ii)と、(iii)水酸基を有する(メタ)アクリレートとを反応させてなる化合物である。
上記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。上記脂環族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンイソシアネート、水添化キシレンシジイソシアネートなどが挙げられる。上記芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネートおよびその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシブチレン)グリコールなどが挙げられる。当該ポリエーテルジオールの具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、プロピレン変性ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、ジオール類とジカルボン酸とを反応させてなるエステル化合物が挙げられる。上記ジオール類としては、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどが挙げられる。ジカルボン酸としては、セバチン酸、アジピン酸、ダイマー酸、琥珀酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シトラコン酸などが挙げられ、それらの無水物であってもよい。
上記ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、カーボネート誘導体とジオール類との反応生成物が挙げられる。当該カーボネート誘導体の例としては、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアリルカーボネートが挙げられる。又、当該ジオール類としては、上述の化合物が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、上記ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、水酸基を有する(メタ)アクリレートを一括仕込みにより反応させることができる。あるいは、水酸基を有する(メタ)アクリレートとポリイソシアネート化合物とを反応させ、一旦、イソシアネート基過剰のプレポリマーを製造し、次いで、残存イソシアネート基とポリオール化合物と反応させることもできる。
あるいは、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させ、一旦、イソシアネート基過剰のプレポリマーを製造し、次いで、残存イソシアネート基と水酸基を有する(メタ)アクリレートと反応させることができる。
本発明ではその原料ポリオール化合物としてポリエーテル系ポリオールを用いた、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は好ましくは5,000〜50,000、より好ましくは9,000〜40,000の範囲である。この範囲のMwのウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用すると取り扱い性に優れ、重合性組成物の硬化性に優れる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては市販品を使用することもできる。かかる市販品としては、例えばウレタンアクリレートオリゴマー UN−6202(根上工業株式会社製;ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、Mw 約11,000)、ウレタンアクリレートオリゴマー UN−6207(根上工業株式会社製;ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、Mw 約27,000))、ウレタンアクリレートオリゴマー UN−6200(根上工業株式会社製;ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、Mw 約 15,000〜40,000)ウレタンアクリレートオリゴマー;EBECRYL230(ダイセルオルネクス社製;ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマーMw 約5,000)、ウレタンアクリレートオリゴマー SUA-008(亜細亜工業株式会社製;ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、 Mw 約16,000)、ウレタンアクリレートオリゴマー SUA-023(亜細亜工業株式会社製;ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、Mw 約1,200)、ウレタンアクリレートオリゴマー SUA-017(亜細亜工業株式会社製;ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、Mw 約6,300)などが挙げられる。
また、第二成分として用いられる好ましい重合性化合物の例は、液晶性モノマーであり、液晶性モノマーは、液晶性単官能モノマーと液晶性多官能モノマーに大別される。なお、上記モノマーには、その構造中に構造単位の繰り返し数が2以上であるオリゴマーも含まれる。液晶性単官能モノマーの主な役割は、第一成分である液晶組成物に対して、第二成分の溶解性を上げることである。
重合性組成物が液晶相を呈する場合、重合性化合物の溶解性が低いと結晶析出の原因となる。重合性組成物中に結晶が析出した場合、重合後の液晶複合体に光が入射した際に生じる光の散乱特性が悪化する恐れ、重合性組成物を重合して得られる液晶複合体を液晶調光素子として用いた場合その駆動特性の品質が悪化する恐れがある。液晶性多官能モノマーは液晶性単官能モノマーと比較して溶解性が低下する傾向にある。品質維持のために比較的液晶との溶解性の高い構造を有する液晶性多官能モノマーを用いることが好ましい。好ましい液晶性多官能モノマーの例は、スペーサーの鎖長が3以上である液晶性多官能モノマー、重合基とメソゲン構造を連結するスペーサーを有する、対称性が低い(例えば、環構造部分に側鎖として置換基を有する)液晶性多官能モノマーである。
重合性組成物中の液晶性単官能モノマーの含有量が多いと、得られる液晶複合体に含まれる重合体のガラス転移点が低い傾向にある。また、その重合体自体が液晶相を呈する場合がある。このような場合、液晶複合体を液晶調光素子として用いた場合、その調光層の駆動電圧と下限温度の低下や、電圧印加と散乱特性におけるヒステリシスの低減が確認される。
液晶複合体を液晶調光素子として用いる場合、耐熱性や耐光性を改善するために、調光層内の架橋度を高くする必要がある。好ましい重合性化合物の例は、液晶複合体に含まれる重合体の架橋度を高くすることができる、液晶性多官能モノマーである。
好ましい液晶性単官能モノマーの例は、下記一般式(7)で表される化合物である。また、好ましい液晶性多官能モノマーの例は、液晶性二官能モノマーである下記一般式(8)で表される化合物、液晶性三官能モノマーである下記一般式(9)で表される化合物である。
Figure 2021066875
式(7)、式(8)、および式(9)において、環F、環G、環I、環J、環K、環L、および環Mは独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、1,4−シクロへキセニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはフルオレン−2,7−ジイルであり、これらの二価基において、少なくとも1つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数2から5のアルコキシカルボニル、または炭素数2から5のアルカノイルで置き換えられてもよい。好ましい環F、環G、環I、環J、環K、環L、または環Mは、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,4−フェニレン、または2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンである。より好ましい環F、環G、環I、環J、環K、環L、または環Mは、1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンである。
4、Z6、Z8、Z9、Z12、およびZ14は独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−である。Z5、Z7、Z10およびZ13は独立して、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH3)−、−C(CH3)=N−、−N=N−、または−C≡C−である。Z11は単結合、−O−、または−COO−である。好ましいZ4、Z6、Z8、Z9、Z12、またはZ14は単結合または−O−である。好ましいZ5、Z7、Z10またはZ13は、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2-、−CH2CH2COO−、または−OCOCH2CH2−である。
1は水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭素数1から20のアルキル、炭素数2から20のアルケニル、炭素数1から20のアルコキシ、または炭素数2から20のアルコキシカルボニルである。好ましいY1はシアノ、アルキル、またはアルコキシである。
gおよびiは独立して、1から4の整数であり;mおよびpは独立して、0から3の整数であり、nは0から2の整数であり;f、h、j、k、o、およびqは独立して、0から20の整数である。
4〜M9は独立して、水素またはメチルである。
重合性組成物に含まれ得る液晶性モノマーである化合物(7)、(8)、(9)の役割、好適態様等を説明する。化合物(7)、化合物(8)、および化合物(9)は、少なくとも1つのアクリロイルオキシ(−OCO−CH=CH2)またはメタクリロイルオキシ(−OCO−(CH3)C=CH2)を有する。液晶性化合物は、メソゲン(液晶性を発現するような剛直な部位)を有するが、これらの化合物もメソゲンを有する。そのため、これらの化合物は、液晶性化合物と共に配向層の作用によって同一方向に配向する。この配向は、重合後も維持される。このような液晶複合体は、高い透明性を有する。その他の特性を向上させるために、化合物(7)、化合物(8)、および化合物(9)とは異なる重合性化合物を併用してもよい。
化合物(7)の好ましい例は、下記式(7−1)〜(7−24)で表される化合物である。
Figure 2021066875
Figure 2021066875
式(7−1)から式(7−24)において、M4は水素またはメチルであり、f1は1から20の整数である。
化合物(8)の好ましい例は、下記式(8−1)〜(8−31)で表される化合物である。
Figure 2021066875
Figure 2021066875
Figure 2021066875
式(8−1)から式(8−31)において、M5およびM6は独立して、水素またはメチルであり、h1およびj1は独立して、1から20の整数である。
化合物(9)の好ましい例は、下記式(9−1)〜(9−11)で表される化合物である。
Figure 2021066875
Figure 2021066875
式(9−1)から式(9−11)において、M7、M8、およびM9は独立して、水素またはメチルであり、k1、o1、およびq1は独立して、1から20の整数である。
第七に、第二成分における各重合性化合物の好ましい割合および各重合性化合物の好ましい組み合わせを説明する。
重合性組成物に含まれる重合性化合物の全重量に基づいて、非液晶性単官能モノマーの好ましい割合は、密着性の維持、低駆動電圧、液晶組成物との溶解性を上げるため、約10重量%以上であり、塗工に必要な粘性の維持、密着性の維持、耐熱性の維持のため、約80重量%以下である。さらに好ましい割合は、約20重量%以上約75重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約30重量%以上約50重量%以下の範囲である。
重合性組成物に含まれる重合性化合物の全重量に基づいて、非液晶性多官能モノマーの好ましい割合は、塗工に必要な粘性の維持、密着性の維持、耐熱性の維持のため、約20重量%以上であり、密着性の維持、低駆動電圧、液晶組成物との溶解性を上げるため、約80重量%以下である。さらに好ましい割合は、約20重量%以上約75重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約25重量%以上約70重量%以下の範囲である。
重合性組成物に含まれる重合性化合物の全重量に基づいて、液晶性単官能モノマーの好ましい割合は、散乱特性を出現させるため、約3重量%以上であり、液晶組成物との溶解性を維持するため、約50重量%以下である。さらに好ましい割合は、約5重量%以上約30重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約5重量%以上約20重量%以下の範囲である。
重合性組成物に含まれる重合性化合物の全重量に基づいて、液晶性多官能モノマーの好ましい割合は、散乱特性を出現させるため、約3重量%以上であり、液晶組成物との溶解性を維持するため、約40重量%以下である。さらに好ましい割合は、約5重量%以上約30重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約5重量%以上約20重量%以下の範囲である。
第八に、第一成分である液晶組成物と第二成分である重合性化合物の好ましい割合について説明する。重合性組成物に含まれる第一成分および第二成分の全重量に基づいて、第一成分である液晶組成物の好ましい割合は、散乱特性の出現や低駆動電圧のため、約40重量%以上であり、散乱特性や耐久性を持たせるため、約95重量%以下である。さらに好ましい割合は、約40重量%以上約70重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約45重量%以上約65重量%以下の範囲である。
重合性組成物に含まれる第一成分および第二成分の全重量に基づいて、第二成分である重合性化合物の好ましい割合は、散乱特性の出現のため、約3重量%以上であり、液晶組成物との溶解性のため、約60重量%以下である。さらに好ましい割合は、約5重量%以上約60重量%以下の範囲である。特に好ましい割合は約30重量%以上約55重量%以下の範囲である。
第九に、重合性組成物に含まれる各化合物の入手方法を説明する。重合性組成物に含まれる化合物は市販品として入手可能、あるいは、既知の方法に基づいて合成できる。既知の方法は、例えば、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。重合性組成物は、このようにして得た化合物から公知の方法によって調製される。例えば、成分化合物を混合し、そして加熱によって互いに溶解させる。
第十に重合性組成物に添加される第三成分である光重合開始剤について説明する。重合性組成物に含まれる重合性化合物は、典型的には紫外線照射によって重合する。そのため、本発明の重合性組成物には、第三成分として光重合開始剤が含有される。重合のための適切な条件や、開始剤の適切なタイプおよび量は、当業者には既知であり、文献に記載されている。例えば光重合開始剤であるIrgacure651(登録商標;BASF)、Irgacure184(登録商標;BASF)、またはDarocur1173(登録商標;BASF)がラジカル重合に対して適切である。なお、本発明の重合性組成物には、光重合開始剤以外の重合開始剤が含まれていてもよい。
第十一に、重合性組成物に添加してもよい添加物を説明する。このような添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、光重合開始剤以外の重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。重合性組成物に含まれる液晶分子のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性化合物が重合性組成物に添加される。このような化合物の例は、化合物(13−1)から化合物(13−5)である。光学活性化合物の好ましい割合は、液晶組成物(液晶組成物に含まれる全液晶性化合物)に基づいて、約5重量%以下である。さらに好ましい割合は約0.01重量%から約2重量%の範囲である。
Figure 2021066875
大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するために、または素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するために、酸化防止剤が重合性組成物に添加される。酸化防止剤の好ましい例は、nが1から9の整数である化合物(14)などである。
Figure 2021066875
化合物(14)において、好ましいnは、1、3、5、7、または9である。さらに好ましいnは7である。nが7である化合物(14)は、揮発性が小さいので、素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するのに有効である。酸化防止剤の好ましい割合は、その効果を得るために、液晶組成物(液晶組成物に含まれる全液晶性化合物)に基づいて、約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように約600ppm以下である。さらに好ましい割合は、約100ppmから約300ppmの範囲である。
紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。立体障害のあるアミンのような光安定剤もまた好ましい。これらの紫外線吸収剤や光安定剤における好ましい割合は、その効果を得るために、液晶組成物(液晶組成物に含まれる全液晶性化合物)に基づいて、約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないために、液晶組成物(液晶組成物に含まれる全液晶性化合物)に基づいて、約10000ppm以下である。さらに好ましい割合は液晶組成物(液晶組成物に含まれる全液晶性化合物)に基づいて、約100ppmから約10000ppmの範囲である。
液晶複合体を液晶調光素子として用いる場合、GH(guest host)モードの素子に適合させるために、アゾ系色素、アントラキノン系色素などのような二色性色素(dichroic dye)が液晶組成物に添加される。色素の好ましい割合は、液晶組成物(液晶組成物に含まれる全液晶性化合物)中、約0.01重量%から約10重量%の範囲である。泡立ちを防ぐために、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどの消泡剤が重合性組成物に添加される。消泡剤の好ましい割合は、その効果を得るために、重合性組成物(重合性組成物に含まれる全液晶性化合物および全重合性化合物)に基づいて、約1ppm以上であり、表示不良を防ぐために、重合性組成物(重合性組成物に含まれる全液晶性化合物および全重合性化合物)に基づいて、約1000ppm以下である。さらに好ましい割合は、約1ppmから約500ppmの範囲である。
重合性組成物を保管するとき、重合を防止するために重合禁止剤を添加してもよい。工業的に入手可能な重合性化合物には、通常重合禁止剤が添加されている。重合性化合物は、通常は重合禁止剤を除去しないまま組成物に添加される。重合禁止剤の例は、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンのようなヒドロキノン誘導体、4−t−ブチルカテコール、4-メトキシフェノール、フェノチアジンなどである。
液晶組成物には、極性化合物が添加されていてもよい。極性化合物は、極性をもつ有機化合物である。ここで、この極性化合物には、イオン結合を有する化合物は含まれない。酸素、硫黄、および窒素のような原子は、より電気的に陰性であり、部分的な負電荷をもつ傾向にある。炭素および水素は中性であるか、または部分的な正電荷をもつ傾向がある。極性は、化合物中の別種の原子間で部分電荷が均等に分布しないことから生じる。例えば、極性化合物は、−OH、−COOH、−SH、−NH2、>NH、>N−のような極性基の少なくとも1つを有する。この化合物の極性基は、ガラス、金属酸化物(例えば、ガラス基板、金属酸化物膜)などの表面と非共有結合的な相互作用を有する。本発明で得られる液晶複合体を液晶調光素子として用いる場合、この化合物は、極性基の作用によって基板表面に吸着し、液晶分子の配向を制御する。極性化合物は、液晶分子だけでなく、重合性化合物の配向をも制御することがある。
第十二に、液晶複合体の調製方法について説明する。液晶複合体は本発明の重合性組成物を重合することによって得られる。重合性組成物から液晶複合体を調製する方法は、重合性組成物に含まれる重合性化合物が重合できる限り特に制限はない。重合性化合物は、通常、熱または光によって重合できる。重合は光照射、典型的には紫外線照射によって行うことが好ましい。紫外線照射に用いる紫外線照射ランプの例は、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプやLEDである。光重合開始剤を含む重合性組成物を紫外線照射により重合する際には、紫外線の波長は、光重合開始剤の吸収波長域であることが好ましい。また、使用する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域を避けることが望ましい。好ましい紫外線波長は330nm以上である。さらに好ましい紫外線波長は、350nm以上である。反応は室温付近で行ってもよいし、または加熱して行ってもよい。
このような重合により、重合性組成物から重合体が相分離して、液晶複合体が得られる
液晶複合体を液晶調光素子の液晶調光層として用いる場合、重合性組成物を用いて、例えば以下のようにして、液晶調光素子を調製できる。まず、一対の基板の間に重合性組成物を挟持する。この際、重合性組成物を室温付近あるいは上限温度より高い温度で真空注入法または液晶滴下法によって挟持させる。次に、熱または光によって重合性化合物を重合させる。その際、上述のとおり重合には紫外線照射によって行うことが好ましい。重合によって重合性組成物から重合体が相分離する。これによって基板の間に調光機能を有する液晶組成物からなる層と重合体からなる層とを有する調光層が形成される。この調光層は、高分子分散型、ポリマーネットワーク型、両者の混在型に分類される。ネットワーク構造における網目は小さい方が好ましい。好ましい網目は、0.2μmから10μmであり、さらに好ましくは0.5μmから2μmであり、特に好ましくは0.5μmから1.5μmである。
最後に、液晶複合体の用途、および液晶調光素子を説明する。上述のようにして得られる液晶複合体の好ましい用途の例は、液晶調光素子である。液晶調光素子は、液晶複合体からなる調光層と一対の基板とを有し、その調光層は一対の基板により挟持されている。基板は電極を有しており、その電極は、通常、調光層側(内側)を向くように配置されている。液晶調光素子に含まれる基板としては透明基板が好ましく、液晶調光素子には調光層が挟持されるように一対の透明基板が含まれていることが好ましい。また、基板が有する電極としては透明電極であることが好ましい。
液晶調光素子に含まれる透明基板の一例は、ガラス板、石英板、アクリル板に代表されるプラスチック板(典型的には透明性プラスチック板)のような変形しにくい材質でできた板である。好ましい透明基板の一例は、ガラス板およびプラスチック板(典型的には透明性プラスチック板)である。
好ましい透明基板の他の例は、PETフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルムのような、プラスチックフィルム(典型的には、可撓性の透明性プラスチックフィルムである。用途に応じて基板の一方はシリコン樹脂などの不透明な材料でもよい。この基板は、その上に電極、典型的には透明電極を有する。透明電極の上に配向膜などを有してもよい。透明電極の例は、酸化インジウムスズ(tin-doped indium oxide、ITO)や導電性ポリマーである。
基板上に設けられ得る配向層は、ポリイミドやポリビニルアルコールのような薄膜が適している。例えば、ポリイミド配向膜は、ポリイミド樹脂組成物を透明基板上に塗布し、180℃以上の温度で熱硬化させ、必要に応じて綿布やレーヨン布でラビング処理することによって得ることができる。
一対の基板は、典型的には、透明電極層が内側(調光層側)となるように対向させる。基板間の厚さを均一にするためにスペーサーを入れてもよい。スペーサーの例は、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトスペーサーなどである。このスペーサーは本発明の重合性組成物中に含ませて、これを上述した液晶調光素子の原料として用いてもよい。調光層の好ましい厚さは2μmから50μmであり、さらに好ましくは5μmから30μmである。一対の基板を張り合わせるには、汎用のシール剤を用いることができる。シール剤の例は、エポキシ系熱硬化性組成物である。
このような素子は、必要に応じて、素子の裏面に光吸収層、拡散反射板などを配置することができる。鏡面反射、拡散反射、再帰性反射、ホログラム反射等の機能を付加することもできる。
本発明の液晶調光素子は、透明および散乱状態をスイッチングする素子として使用できる。例えば、電圧無印加時に不透明(光散乱状態)、電圧印加時に透明という状態でスイッチングすることにより、液晶調光素子を、スイッチング素子として使用することができる。
本発明によれば、外光に対する耐久性が高く、駆動電圧の低い液晶調光素子が得られる。液晶調光素子について、以下図面を参照しながら説明する。図1および図2はノーマルモードで駆動する液晶調光素子の一例である。ノーマルモードでは、図2に示されているように基板間への電圧が無印加の場合は、液晶分子(液晶性化合物の分子)が無配向で存在する。調光層に光が入射した際、透明物質である重合体と液晶組成物の屈折率の違いにより界面で入射光の強い散乱が生じる。そのため光の透過が妨げられる。図1に示されているように基板間に電界が印加されている場合は、液晶分子が配向する。その際透明物質である重合体と液晶組成物の屈折率の差が小さくなり、入射した光の散乱は少なく、調光層を光が透過する。
リバースモードでは、電極界面に配向膜を装備し電圧無印加時には液晶分子が配向した状態を示す。(ノーマルモードの電圧印加時の状態)その際透明物質である重合体と液晶組成物との屈折率の差が小さくなり、調光層に入射した光の散乱は少なく、調光層を光が通過する。リバースモードは、基板間に電圧を印加すると、液晶分子の配向が乱れ、重合体との屈折率の差が生じ、入射光を散乱させ、光の透過を妨げる。
このような素子は、調光フィルムや調光ガラスとしての機能を有する。素子がフィルム状である場合は、既存の窓へ張り付けるか、または、一対のガラス板で挟み、合わせガラスにすることができる。このような素子は、外壁に設置された窓や会議室と廊下との仕切りに使われる。すなわち、電子ブラインド、調光窓、スマートウィンドウなどの用途がある。さらに、光スイッチとしての機能を液晶シャッターなどに利用できる。
実施例によって本発明の具体例をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。本発明は、実施例の重合性組成物の少なくとも2つを混合した混合物をも含む。合成した重合性化合物は、NMR分析などによって同定した。重合性化合物、重合性組成物および液晶調光素子の特性は、下記の方法によって測定した。
液晶組成物の物性の測定方法:物性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association;JEITAという)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。
(1)液晶相から等方液体相への転移温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部が液晶相(ネマチック相)から等方液体相に変化したときの温度を測定した。なお、この液晶相から等方液体相への転移温度は、ネマチック相の上限温度と同義である。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
(2)ネマチック相の下限温度(TC;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TCを<−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
(3)等方液体相から液晶と重合性化合物の相分離状態への転移温度(℃):偏光顕微鏡を備えたジャパンハイテック社製の顕微鏡用冷却加熱ステージに試料(液晶と重合性化合物を含む重合性組成物)を置き、1℃/分の速度で冷却した。試料の一部が等方液体相から液晶と重合性化合物の相分離状態に変化したときの温度を測定した。
(4)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定には東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。
(5)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文中の40頁記載の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
(6)屈折率および光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計によって行った。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
(7)誘電率および誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
液晶調光素子の物性の測定方法:物性の測定は下記の方法で行った。
(1)セルのヘイズの測定
NIPPON DENSHOKU INDUSTRIES Co.,LTD 製 HAZE METER NDH5000に、光源光がセル面に対して垂直となるようにセル(液晶調光素子)を設置し、室温でヘイズ(%)を計測した。
(2)ヘイズの変化率
各実施例および比較例で得られたセルを、後述する条件でキセノンウエザーメーターにいれてUVAを照射し、このセルについて、室温でヘイズを計測した。
UVA照射前のセルのヘイズおよびUVA照射後のヘイズから、ヘイズの変化率(%)を以下に示すように算出した。
へーズの変化率(%)=(((UVA照射前のヘイズ(%))−(UVA照射後のヘイズ(%))/(UVA照射前のヘイズ(%))×100
(3)色差変化率
(3−1)セルの色差の確認
日本分光(株)製のJASCO V−650型分光光度計を用い、380〜780nmの波長を照射し各波長において、セルの透過率を測定した。その後、JIS Z8729−2004に記載されている計算式にそった色彩計算プログラムソフト(JASCO V−600 for windows)を用いたスペクトル解析によりL*a*b*表色系によるb*の計算を行った。なお、後述するセルの色差変化率の算出に用いる色差の値は、室温でセルに60Vの電場を印加した時の値である。
(3−2)セルの色差変化率の算出方法
各実施例および比較例で得られたセルを、後述する条件でキセノンウエザーメーターにいれてUVAを照射し、このセルについて、セルの色差を測定した(室温、60V 電場印加)。
色差の変化率(%)は以下に示すように算出した。
色差の変化率(%)=(((UVA照射前の色差)−(UVA照射後の色差))/(UVA照射前の色差))×100
(4)駆動の確認
室温で電圧が無印加の状態から電圧を印加し100V以下でヘイズ(%)が10%以下になった場合を駆動できたと評価した。
(実施例1)
<液晶組成物(1)の調製>
表3に記載の各化合物を表3の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(1)を調製した。なお、液晶組成物(1)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、特公昭63−007169号公報、特開昭58−121248号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、欧州特許0062470号明細書、Huadong Ligong Daxue Xuebao(1996) Pages217-220、欧州特許119756号明細書、特開昭54−016457号公報等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(1)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表4に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(1−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(1)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(1−1)を調製した。なおイルガキュア(商標)651は、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンである。
<重合性組成物>
組成物(1−1)、トリエチレングルコールジアクリレート、およびドデシルアクリレート(本願明細書記載の化合物(5−3))を、それぞれの重量比でw/w/w=60/35/5となるように混合し、重合性組成物MLC−1を調製した。
<セルPDLC−1−1の作製>
セルPDLC−1−1は、以下の手順で作製した。
(1)配向処理を施していない2枚の透明導電膜(インジウムスズ酸化物(ITO)膜)の電極(大きさ:10mm×10mm)が形成されたガラス基板を、ガラス基板の間の距離が10μmであり、かつ、電極が内側になるように配置し、該ガラス基板間に重合性組成物MLC−1を挿入し、セルを作製した。
(2)該セルを液晶組成物(1)のNI点以上の温度である100℃のホットプレート上で2分間、加熱した。
(3)光源の光を、該ガラス基板に垂直になるように、かつ、該ガラス基板の表面は、ウシオ電機社製のUVD−S365で計測すると照度が15mW/cm2になるように設定した後、1分間照射し、セル内の重合性組成物MLC−1を重合させた。
(4)室温で放置した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置を用いて、室温で観察したところ、得られたセルPDLC−1−1中のガラス基板の間に形成された液晶複合体は、室温で液晶相を維持していた。また、ガラス基板の電極間に電場を印加することで、ガラス基板間の液晶複合体に含まれる液晶組成物に電場をかけることができた。得られたセルPDLC−1−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表15に記載する。
<セルPDLC−1−2の作製>(耐候性試験)
スガ試験機株式会社製のキセノンウエザーメーターSX75を用い、ブラックパネル温度63±2℃、槽内温度35℃、槽内相対湿度40%RHの条件で、セルPDLC−1−1を専用のサンプルホルダに設置し、照度180W/m2のUVAを300時間照射した。UVA照射により得られたセルPDLC−1−2とした。得られたセルPDLC−1−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定した。セルPDLC−1−1とセルPDLC−1−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表15に記載する。
(実施例2)
<液晶組成物(2)の調製>
表5に記載の各化合物を、表5の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(2)を調製した。なお、液晶組成物(2)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、特公昭63−007169号公報、特開昭58−121248号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、欧州特許0062470号明細書、Huadong Ligong Daxue Xuebao(1996) Pages217-220、欧州特許119756号明細書、特開昭54−016457号公報、特開H04−257535号公報等に記載されている方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(2)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表6に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(2−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(2)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(2−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(2−1)、テトラエチレングルコールジアクリレート、およびヘキシルアクリレート(本願明細書記載の化合物(5−1))を、それぞれの重量比でw/w/w=60/35/5となるように混合し、重合性組成物MLC−2を調製した。
<セルPDLC−2−1の作製>
重合性組成物MLC−1を重合性組成物MLC−2に変えたこと以外はセルPDLC−1−1と同様の方法によりセルPDLC−2−1を作製した。得られたセルPDLC−2−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表15に記載する。
<セルPDLC−2−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−2−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−2−2を作製した。得られたセルPDLC−2−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定した。セルPDLC−2−1とセルPDLC−2−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表15に記載する。
(実施例3)
<液晶組成物(3)の調製>
表7に記載の各化合物を、表7の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(3)を調製した。なお、液晶組成物(3)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、特公昭63−007169号公報、特開昭58−121248号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、欧州特許0062470号明細書、Huadong Ligong Daxue Xuebao(1996) Pages217-220、欧州特許119756号明細書、特開昭54−016457号公報、特公昭64−4496号公報等に記載されている方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(3)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表8に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(3−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(3)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(3−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(3−1)、ジペンタエリスリトール モノプロピネート ペンタアクリレート(CAS Registry Number 83045-04-9)、およびドデシルアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=60/24/16となるように混合し、重合性組成物MLC−3を調製した。
<セルPDLC−3−1の作製>
重合性組成物MLC−1を重合性組成物MLC−3に変えたこと以外はセルPDLC−1−1と同様の方法によりセルPDLC−3−1を作製した。得られたセルPDLC−3−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表15に記載する。
<セルPDLC−3−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−3−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−3−2を作製した。得られたセルPDLC−3−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定した。セルPDLC−3−1とセルPDLC−3−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表15に記載する。
(比較例1)
<液晶組成物(A)の調製>
表9に記載の各化合物を、表9の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(A)を調製した。なお、液晶組成物(A)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、特許2649339号、Zhurnal Organicheskoi Khimii (1976) Pages1054-7、Huadong Ligong Daxue Xuebao(1996) Pages217-220等に記載されている方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(A)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表10に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(A−1)の調製>
液晶組成物(A)およびイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(A−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(A−1)、トリエチレングルコールジアクリレート、およびドデシルアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=60/35/5となるように混合し、重合性組成物MLC−A1を調製した。
<セルPDLC−A1の作製>
重合性組成物MLC−1を重合性組成物MLC−A1に変えたこと以外はセルPDLC−1−1と同様の方法によりセルPDLC−A1を作製した。得られたセルPDLC−A1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表15に記載する。
<セルPDLC−A2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−A1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−A2を作製した。得られたセルPDLC−A2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定した。セルPDLC−A1とセルPDLC−A2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表15に記載する。
(比較例2)
<液晶組成物(B)の調製>
表11に記載の各化合物を、表11の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(B)を調製した。なお、液晶組成物(B)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、特許2649339号、Zhurnal Organicheskoi Khimii (1976) Pages1054-7、Molecular Crystals and Liquid Crystals (1980)Pages157-61等に記載されている方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(B)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表12に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(B−1)の調製>
液晶組成物(B)およびイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(B−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(B−1)、トリエチレングルコールジアクリレート、およびドデシルアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=60/35/5となるように混合し、重合性組成物MLC−B1を調製した。
<セルPDLC−B1の作製>
重合性組成物MLC−1を重合性組成物MLC−B1に変えたこと以外はセルPDLC−1−1と同様な操作でセルPDLC−B1を作製した。得られたセルPDLC−B1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表15に記載する。
<セルPDLC−B2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−B1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−B2を作製した。得られたセルPDLC−B2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定した。セルPDLC−B1とセルPDLC−B2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表15に記載する。
(比較例3)
<液晶組成物(C)の調製>
表13に記載の各化合物を、表13の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(C)を調製した。なお、液晶組成物(C)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、Journal of the Chemical Society, Chemical Communications(1974),Pages431-2、Zhurnal Organicheskoi Khimii (1976), Pages1054-7、特公昭53−44153号公報、特公昭58−33224号公報等に記載されている方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(C)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表14に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(C−1)の調製>
液晶組成物(C)およびイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(C−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(C−1)、トリエチレングルコールジアクリレート、およびドデシルアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=60/35/5となるように混合し、重合性組成物MLC−C1を調製した。
<セルPDLC−C1の作製>
重合性組成物MLC−1をMLC−C1に変えたこと以外はセルPDLC−1−1と同様の方法によりセルPDLC−C1を作製した。得られたセルPDLC−C1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表15に記載する。
<セルPDLC−C2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−C1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−C2を作製した。得られたセルPDLC−C2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定した。セルPDLC−C1とセルPDLC−C2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表15に記載する。
Figure 2021066875
(実施例4)
<液晶組成物(4)の調製>
表16に記載の各化合物を表16の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(4)を調製した。なお、液晶組成物(4)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、特公昭63−007169号公報、特開昭58−121248号公報、Yingyong Huaxue(2007) Pages489-473、特開昭54−016457号公報、CN102399117A、国際公開2015/141811号、特許6213553号公報、特許2582031号公報、特公平04−257535号公報等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(4)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表17に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(4−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(4)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(4−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(4−1)、ドデシルアクリレート、およびトリプロピレングルコールジアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=60/36/4となるように混合し、重合性組成物MLC−4を調製した。
<セルPDLC−4−1の作製>
セルPDLC−4−1は、以下の手順で作製した。
(1)配向処理を施していない2枚の透明導電膜(インジウムスズ酸化物(ITO)膜)の電極(大きさ:10mm×10mm)が形成されたガラス基板を、ガラス基板の間の距離が10μmであり、かつ、電極が内側になるように配置し、該ガラス基板間に重合性組成物MLC−4を挿入し、セルを作製した。
(2)該セルを液晶組成物(4)の等方液体相への転移点以上の温度である40℃のホットプレート上で2分間、加熱した。
(3)光源の光を、該ガラス基板に垂直になるように、かつ、該ガラス基板の表面は、ウシオ電機社製のUVD−S365で計測すると照度が15mW/cm2になるように設定した後、40℃のホットプレート上で1分間照射し、セル内の重合性組成物MLC−4を重合させた。
(4)室温で放置した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置を用いて、室温で観察したところ、得られたセルPDLC−4−1中のガラス基板の間に形成された液晶複合体は、室温で液晶相を維持していた。また、ガラス基板の電極間に電場を印加することで、ガラス基板間の液晶複合体に含まれる液晶組成物に電場をかけることができた。得られたセルPDLC−4−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−4−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−4−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−4−2を作製した。得られたセルPDLC−4−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−4−1とセルPDLC−4−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例5)
<液晶組成物(5)の調製>
表18に記載の各化合物を表18の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(5)を調製した。なお、液晶組成物(5)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、CN104744208A、CN107021883A、Yingyong Huaxue (2007) Pages489-473、国際公開2015/141811号、特許6213553号公報、国際公開2016/70708号、特許5633150号公報、特開昭56−68636号公報等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(5)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表19に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(5−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(5)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(5−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(5−1)、ドデシルアクリレート、およびトリプロピレングルコールジアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=60/36/4となるように混合し、重合性組成物MLC−5を調製した。
<セルPDLC−5−1の作製>
重合性組成物MLC−4を重合性組成物MLC−5に変えたこと以外はセルPDLC−4−1と同様の方法によりセルPDLC−5−1を作製した。得られたセルPDLC−5−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−5−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−5−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−5−2を作製した。得られたセルPDLC−5−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−5−1とセルPDLC−5−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例6)
<液晶組成物(6)の調製>
表20に記載の各化合物を表20の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(6)を調製した。なお、液晶組成物(6)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、Yingyong Huaxue (2007) Pages489-473、特公平04−257535号、欧州特許119756号明細書、CN106316881A、CN102399117A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(6)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表21に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(6−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(6)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(6−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(6−1)、ドデシルアクリレート、およびトリプロピレングルコールジアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=60/36/4となるように混合し、重合性組成物MLC−6を調製した。
<セルPDLC−6−1の作製>
セルPDLC−6−1は、以下の手順で作製した。
(1)配向処理を施していない2枚の透明導電膜(インジウムスズ酸化物(ITO)膜)の電極(大きさ:10mm×10mm)が形成されたガラス基板を、ガラス基板の間の距離が10μmであり、かつ、電極が内側になるように配置し、該ガラス基板間に重合性組成物MLC−6を挿入し、セルを作製した。
(2)該セルを液晶組成物(6)の等方液体相への転移点以上の温度である50℃のホットプレート上で2分間、加熱した。
(3)光源の光を、該ガラス基板に垂直になるように、かつ、該ガラス基板の表面は、ウシオ電機社製のUVD−S365で計測すると照度が15mW/cm2になるように設定した後、50℃のホットプレート上で1分間照射し、セル内の重合性組成物MLC−6を重合させた。
(4)室温で放置した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置を用いて、室温で観察したところ、得られたセルPDLC−6−1中のガラス基板の間に形成された液晶複合体は、室温で液晶相を維持していた。また、ガラス基板の電極間に電場を印加することで、ガラス基板間の液晶複合体に含まれる液晶組成物に電場をかけることができた。得られたセルPDLC−6−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−6−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−6−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−6−2を作製した。得られたセルPDLC−6−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−6−1とセルPDLC−6−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例7)
<液晶組成物(7)の調製>
表22に記載の各化合物を表22の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(7)を調製した。なお、液晶組成物(7)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号、特公昭63−007169号公報、特開昭54−16457号公報、欧州特許119756号明細書、CN106316881A、CN102399117A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(7)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表23に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(7−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(7)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(7−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(7−1)、ドデシルアクリレート、およびトリプロピレングルコールジアクリレートを、それぞれの重量比でw/w/w=65/31.5/3.5となるように混合し、重合性組成物MLC−7を調製した。
<セルPDLC−7−1の作製>
セルPDLC−7−1は、以下の手順で作製した。
(1)配向処理を施していない2枚の透明導電膜(インジウムスズ酸化物(ITO)膜)の電極(大きさ:10mm×10mm)が形成されたガラス基板を、ガラス基板の間の距離が5μmであり、かつ、電極が内側になるように配置し、該ガラス基板間に重合性組成物MLC−7を挿入し、セルを作製した。
(2)該セルを液晶組成物(7)の等方液体相への転移点以上の温度である30℃のホットプレート上で2分間、加熱した。
(3)光源の光を、該ガラス基板に垂直になるように、かつ、該ガラス基板の表面は、ウシオ電機社製のUVD−S365で計測すると照度が15mW/cm2になるように設定した後、室温で1分間照射し、セル内の重合性組成物MLC−7を重合させた。
(4)室温で放置した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置を用いて、室温で観察したところ、得られたセルPDLC−7−1中のガラス基板の間に形成された液晶複合体は、室温で液晶相を維持していた。また、ガラス基板の電極間に電場を印加することで、ガラス基板間の液晶複合体に含まれる液晶組成物に電場をかけることができた。得られたセルPDLC−7−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−7−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−7−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−7−2を作製した。得られたセルPDLC−7−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−7−1とセルPDLC−7−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例8)
<液晶組成物(8)の調製>
表24に記載の各化合物を表24の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(8)を調製した。なお、液晶組成物(8)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、特許1004496号公報、特開昭54−16457号公報、欧州特許119756号明細書、CN106316881A、CN102399117A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(8)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表25に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(8−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(8)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(8−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(8−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−21)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/10/10/20となるように混合し、重合性組成物MLC−8を調製した。
<セルPDLC−8−1の作製>
セルPDLC−8−1は、以下の手順で作製した。
(1)配向処理を施していない2枚の透明導電膜(インジウムスズ酸化物(ITO)膜)の電極(大きさ:10mm×10mm)が形成されたガラス基板を、ガラス基板の間の距離が15μmであり、かつ、電極が内側になるように配置し、該ガラス基板間に重合性組成物MLC−8を挿入し、セルを作製した。
(2)該セルを液晶組成物(8)の等方液体相への転移点以上の温度である室温で2分間静置した。
(3)光源の光を、該ガラス基板に垂直になるように、かつ、該ガラス基板の表面は、ウシオ電機社製のUVD−S365で計測すると照度が15mW/cm2になるように設定した後、室温で1分間照射し、セル内の重合性組成物MLC−8を重合させた。
(4)室温で放置した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置を用いて、室温で観察したところ、得られたセルPDLC−8−1中のガラス基板の間に形成された液晶複合体は、室温で液晶相を維持していた。また、ガラス基板の電極間に電場を印加することで、ガラス基板間の液晶複合体に含まれる液晶組成物に電場をかけることができた。得られたセルPDLC−8−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−8−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−8−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−8−2を作製した。得られたセルPDLC−8−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−8−1とセルPDLC−8−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例9)
<液晶組成物(9)の調製>
表26に記載の各化合物を表26の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(9)を調製した。なお、液晶組成物(9)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、特公昭63−7169号公報、特開昭58−121248号公報、特開昭54−16457号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、欧州特許62470号明細書、欧州特許119756号明細書、特許3203739号公報、CN106316881A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(9)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表27に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(9−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(9)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(9−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(9−1)、N,N−ジエチルアクリルアミドと、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−8)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/10/5/25となるように混合し、重合性組成物MLC−9を調製した。
<セルPDLC−9−1の作製>
重合性組成物MLC−4を重合性組成物MLC−9に変えたこと以外はセルPDLC−4−1と同様の方法によりセルPDLC−9−1を作製した。得られたセルPDLC−9−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−9−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−9−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−9−2を作製した。得られたセルPDLC−9−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−9−1とセルPDLC−9−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例10)
<液晶組成物(10)の調製>
表28に記載の各化合物を表28の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(10)を調製した。なお、液晶組成物(10)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、特公昭63−7169号公報、特開昭58−121248号公報、特開昭54−16457号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、欧州特許62470号明細書、欧州特許119756号明細書、特許3203739号公報、CN102399117A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(10)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表29に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(10−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(10)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(10−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(10−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、本願明細書記載の化合物(5−8)およびM1が水素である化合物(5−16)を、それぞれの重量比でw/w/w/w/w=60/5/10/23/2となるように混合し、重合性組成物MLC−10を調製した。
<セルPDLC−10−1の作製>
セルPDLC−10−1は、以下の手順で作製した。
(1)配向処理を施していない2枚の透明導電膜(インジウムスズ酸化物(ITO)膜)の電極(大きさ:10mm×10mm)が形成されたガラス基板を、ガラス基板の間の距離が15μmであり、かつ、電極が内側になるように配置し、該ガラス基板間に重合性組成物MLC−10を挿入し、セルを作製した。
(2)該セルを液晶組成物(1)の等方液体相への転移点以上の温度である30℃のホットプレート上で2分間、加熱した。
(3)光源の光を、該ガラス基板に垂直になるように、かつ、該ガラス基板の表面は、ウシオ電機社製のUVD−S365で計測すると照度が15mW/cm2になるように設定した後、30℃のホットプレート上で1分間照射し、セル内の重合性組成物MLC−10を重合させた。
(4)室温で放置した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置を用いて、室温で観察したところ、得られたセルPDLC−10−1中のガラス基板の間に形成された液晶複合体は、室温で液晶相を維持していた。また、ガラス基板の電極間に電場を印加することで、ガラス基板間の液晶複合体に含まれる液晶組成物に電場をかけることができた。得られたセルPDLC−10−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−10−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−10−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−10−2を作製した。得られたセルPDLC−10−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−10−1とセルPDLC−10−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例11)
<液晶組成物(11)の調製>
表30に記載の各化合物を表30の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(11)を調製した。なお、液晶組成物(11)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、欧州特許119756号明細書、特開昭54−16457号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、特許3203739号公報、欧州特許119756号明細書、CN102399117A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(11)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表31に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(11−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(11)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(11−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(11−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−8)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/10/5/25となるように混合し、重合性組成物MLC−11を調製した。
<セルPDLC−11−1の作製>
重合性組成物MLC−10を重合性組成物MLC−11に変えたこと以外はセルPDLC−10−1と同様の方法によりセルPDLC−11−1を作製した。得られたセルPDLC−11−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−11−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−11−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−11−2を作製した。得られたセルPDLC−11−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−11−1とセルPDLC−11−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例12)
<液晶組成物(12)の調製>
表32に記載の各化合物を表32の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(12)を調製した。なお、液晶組成物(12)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、特公昭63−7169号公報、特開昭58−121248号公報、特開昭54−16457号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、特許3203739号公報、欧州特許119756号明細書、CN106316881A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(12)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表33に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(12−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(12)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(12−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(12−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−8)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/10/5/25となるように混合し、重合性組成物MLC−12を調製した。
<セルPDLC−12−1の作製>
重合性組成物MLC−10を重合性組成物MLC−12に変えたこと以外はセルPDLC−10−1と同様の方法によりセルPDLC−12−1を作製した。得られたセルPDLC−12−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−12−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−12−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−12−2を作製した。得られたセルPDLC−12−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−12−1とセルPDLC−12−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例13)
<液晶組成物(13)の調製>
表34に記載の各化合物を表34の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(13)を調製した。なお、液晶組成物(13)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、特公昭63−7169号公報、特開昭58−121248号公報、特開昭54−16457号公報、特開昭56−68636号公報、特許2582031号公報、特許3203739号公報、欧州特許119756号明細書、CN102399117A 、CN106316881A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(13)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表35に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(13−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(13)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(13−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(13−1)、N,N−ジエチルアクリルアミドと、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−8)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/10/5/25となるように混合し、重合性組成物MLC−13を調製した。
<セルPDLC−13−1の作製>
重合性組成物MLC−10を重合性組成物MLC−13に変えたこと以外はセルPDLC−10−1と同様の方法によりセルPDLC−13−1を作製した。得られたセルPDLC−13−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−13−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−13−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−13−2を作製した。得られたセルPDLC−13−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−13−1とセルPDLC−13−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例14)
<液晶組成物(14)の調製>
表36に記載の各化合物を表36の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(14)を調製した。なお、液晶組成物(14)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、欧州特許119756号明細書、特公平01−4496号公報、特開昭54−16457号公報、CN102399117A、CN106316881A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(14)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表37に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(14−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(14)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(14−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(14−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−8)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/4/11/25となるように混合し、重合性組成物MLC−14を調製した。
<セルPDLC−14−1の作製>
セルPDLC−14−1は、以下の手順で作製した。
(1)配向処理を施していない2枚の透明導電膜(インジウムスズ酸化物(ITO)膜)の電極(大きさ:10mm×10mm)が形成されたガラス基板を、ガラス基板の間の距離が15μmであり、かつ、電極が内側になるように配置し、該ガラス基板間に重合性組成物MLC−14を挿入し、セルを作製した。
(2)該セルを液晶組成物(14)の等方液体相への転移点点以上の温度である室温で2分間静置した。
(3)光源の光を、該ガラス基板に垂直になるように、かつ、該ガラス基板の表面は、ウシオ電機社製のUVD−S365で計測すると照度が15mW/cm2になるように設定した後、室温で1分間照射し、セル内の重合性組成物MLC−14を重合させた。
(4)室温で放置した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置を用いて、室温で観察したところ、得られたセルPDLC−14−1中のガラス基板の間に形成された液晶複合体は、室温で液晶相を維持していた。また、ガラス基板の電極間に電場を印加することで、ガラス基板間の液晶複合体に含まれる液晶組成物に電場をかけることができた。得られたセルPDLC−14−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−14−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−14−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−14−2を作製した。得られたセルPDLC−14−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−14−1とセルPDLC−14−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例15)
<液晶組成物(15)の調製>
表38に記載の各化合物を表38の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(15)を調製した。なお、液晶組成物(15)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、欧州特許119756号明細書、特公平01−4496号公報、特開昭54−16457号公報、CN102399117A、CN106316881A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(15)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表39に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(15−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(15)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(15−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(15−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−8)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/5/10/25となるように混合し、重合性組成物MLC−15を調製した。
<セルPDLC−15−1の作製>
重合性組成物MLC−10を重合性組成物MLC−15に変えたこと以外はセルPDLC−10−1と同様の方法によりセルPDLC−15−1を作製した。得られたセルPDLC−15−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−15−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−15−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−15−2を作製した。得られたセルPDLC−15−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−15−1とセルPDLC−15−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例16)
<液晶組成物(16)の調製>
表40に記載の各化合物を表40の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(16)を調製した。なお、液晶組成物(16)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、特公平01−4496号公報、CN102399117A、特開昭54−16457号公報、CN106316881A、欧州特許119756号明細書等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(16)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表41に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(16−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(16)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(16−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(16−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6202、および本願明細書記載の化合物(5−8)を、それぞれの重量比でw/w/w/w=60/5/10/25となるように混合し、重合性組成物MLC−16を調製した。
<セルPDLC−16−1の作製>
重合性組成物MLC−14を重合性組成物MLC−16に変えたこと以外はセルPDLC−14−1と同様の方法によりセルPDLC−16−1を作製した。得られたセルPDLC−16−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−16−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−16−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−16−2を作製した。得られたセルPDLC−16−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−16−1とセルPDLC−16−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例17)
<液晶組成物(17)の調製>
表42に記載の各化合物を表42の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(17)を調製した。なお、液晶組成物(17)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、特公平01−4496号公報、特開昭54−16457号公報、欧州特許119756号明細書、CN106316881A、CN102399117A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(17)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表43に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(17−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(17)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(17−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(17−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6207、本願明細書記載の化合物(5−8)、4−ヒドロキシブチルアクリレート、および本願明細書記載の化合物(5−5)を、それぞれの重量比でw/w/w/w/w/w=60/5/10/15/2/8となるように混合し、重合性組成物MLC−17を調製した。
<セルPDLC−17−1の作製>
重合性組成物MLC−14を重合性組成物MLC−17に変えたこと以外はセルPDLC−14−1と同様の方法によりセルPDLC−17−1を作製した。得られたセルPDLC−17−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−17−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−17−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−17−2を作製した。得られたセルPDLC−17−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−17−1とセルPDLC−17−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
(実施例18)
<液晶組成物(18)の調製>
表44に記載の各化合物を表44の組成比となるように混合し、液晶性化合物のみからなる液晶組成物(18)を調製した。なお、液晶組成物(18)に含まれる各化合物は、国際公開89/12621号公報、欧州特許119756号明細書、特公平01−4496号公報、特開昭54−16457号公報、CN106316881A、CN102399117A等に記載の方法を参考とすることで、合成できる。
Figure 2021066875
液晶組成物(18)の物性を上記方法に従って測定した。測定結果を表45に記載した。
Figure 2021066875
<組成物(18−1)の調製>
第一成分である液晶組成物(18)および第三成分であるイルガキュア(商標)651を、重量比100/1.0で混合して、組成物(18−1)を調製した。
<重合性組成物>
組成物(18−1)、N,N−ジエチルアクリルアミド、ウレタンアクリレートオリゴマーUN6207、本願明細書記載の化合物(5−8)、4−ヒドロキシブチルアクリレート、および本願明細書に記載のM1が水素である化合物(5−20)を、それぞれの重量比でw/w/w/w/w/w=60/5/10/19/3/3となるように混合し、重合性組成物MLC−18を調製した。
<セルPDLC−18−1の作製>
重合性組成物MLC−14を重合性組成物MLC−18に変えたこと以外はセルPDLC−14−1と同様の方法によりセルPDLC−18−1を作製した。得られたセルPDLC−18−1について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、60V電場印加)を測定し、駆動の確認を行った。ヘイズおよび駆動の確認結果を表46に記載する。
<セルPDLC−18−2の作製>(耐候性試験)
セルPDLC−1−1をセルPDLC−18−1に変えたこと以外はセルPDLC−1−2と同様な操作でセルPDLC−18−2を作製した。得られたセルPDLC−18−2について、上述した方法にしたがって、ヘイズおよび色差(室温、80V電場印加)を測定した。セルPDLC−18−1とセルPDLC−18−2での測定で得られた値から、上述した方法にしたがって、ヘイズ変化率(%)、色差変化率(%)を算出した。これらの値を表46に記載する。
Figure 2021066875
上述の評価では、ヘイズ変化率<2%のものを〇、また色差変化率<3%のものを〇と評価した。
以上の結果から、本発明の重合性組成物を用いることにより、大きなヘイズ、および光に対する高い安定性を有する液晶調光素子が得られることができると結論する。
本発明の重合性組成物を用いて作製した液晶調光素子は、ヘイズが大きい。また、該液晶調光素子は耐候性試験後のヘイズ変化率、色差変化率が小さく、耐候性に優れる。このため、調光窓、スマートウィンドウなどの用途向け材料として、実用的に用いることができる。
1 電極層を有する基板
2 液晶組成物
3 透明物質(重合体)

Claims (26)

  1. 第一成分として、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、および式(3)で表される化合物を含む液晶組成物、
    第二成分として重合性化合物、および第三成分として光重合開始剤を含有する重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(1)において、R1は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり、L1およびL2は、その一方が水素であり、他方がフッ素である。)
    Figure 2021066875
    (式(2)において、R2は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;aは1、2、または3である。)
    Figure 2021066875
    (式(3)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり、R4は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、またはシアノであり;環Bは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;bは1、2、または3である。)
  2. 第一成分および第二成分の全重量に基づいて、第一成分の割合が40重量%以上95重量%以下の範囲である、請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 第一成分として、式(2−1)で表される化合物および式(2−2)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、請求項1に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(2−1)および(2−2)において、R2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。)
  4. 第一成分として、式(3−1)で表される化合物、式(3−2)で表される化合物、および式(3−3)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、請求項1に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(3−1)、(3−2)および(3−3)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり、R4は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、またはシアノである。)
  5. 液晶組成物の重量に基づいて、式(1)で表される化合物の割合が5重量%以上40重量%以下の範囲である、請求項1に記載の重合性組成物。
  6. 液晶組成物の重量に基づいて、式(2)で表される化合物の割合が5重量%以上60重量%以下の範囲である、請求項1に記載の重合性組成物。
  7. 液晶組成物の重量に基づいて、式(3)で表される化合物の割合が10重量%以上90重量%以下の範囲である、請求項1に記載の重合性組成物。
  8. 第一成分として、式(3−1−1)で表される化合物、式(3−2−1)で表される化合物、式(3−3−1)で表される化合物、式(3−1−2)で表される化合物、式(3−2−2)で表される化合物、および式(3−3−2)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、請求項1に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)、式(3−1−2)、式(3−2−2)、および式(3−3−2)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり、R5は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。)
  9. 第一成分として、式(3−2−3)で表される化合物、および式(3−3−3)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、請求項1に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(3−2−3)、および(3−3−3)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。)
  10. 第一成分として、式(2−3)で表される化合物および式(2−4)で表される化合物よりなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む、請求項1に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(2−3)において、R2は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Cは独立して、1,4−シクロヘキシレン、または1,4−フェニレンであり;cは1、または2である。)
    Figure 2021066875
    (式(2−4)において、R2は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Dは独立して、1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;dは1、または2である。)
  11. 第一成分としてさらに式(4)で表される化合物を含む、請求項1に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(4)において、R6は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり;環Eは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、4,6−ジオキサン−2,5−ジイルまたはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Z1は単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり、ただし少なくとも1つのZ1はジフルオロメチレンオキシであり;eは1、2または3である。)
  12. 第二成分として、式(5)で表される重合性化合物を含む請求項1から11のいずれか1項に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(5)において、M1は水素、またはメチルであり;Z2は単結合;または炭素数1から50のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの水素は、炭素数1から12のアルキル、フッ素、または塩素で置き換えられていてもよく、また少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−N(P12−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、ここでP1は水素または炭素数1から12のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく;
    6は、水素、または、炭素環式もしくは複素環式の飽和脂肪族化合物、炭素環式もしくは複素環式の不飽和脂肪族化合物、または炭素環式もしくは複素環式の芳香族化合物から1つの水素を除くことによって生成した炭素数5から35の一価基であり、この一価基において、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。)
  13. 第二成分として、式(6)で表される重合性化合物を含む請求項1から12のいずれか1項に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(6)において、M2及びM3は独立して、水素またはメチルであり;Z3は炭素数1から50のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキル、フッ素または塩素で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−COO−または−OCO−NH−、で置き換えられてもよく、またはその少なくとも1つの−CH2−は、炭素環式の飽和脂肪族化合物、複素環式の飽和脂肪族化合物、炭素環式の不飽和脂肪族化合物、複素環式の不飽和脂肪族化合物、炭素環式の芳香族化合物、または複素環式の芳香族化合物から2つの水素を除くことによって生成した炭素数5から35の二価基で置き換えられてもよく、この二価基において、少なくとも1つの水素は、炭素数1から20のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。)
  14. 第二成分として、2以上の(メタ)アクリロイルオキシを有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む請求項1から11のいずれか1項に記載の重合性組成物。
  15. 第二成分として、式(15)で表される重合性化合物を含む請求項1から11のいずれか1項に記載の重合性組成物。
    Figure 2021066875
    (式(15)において、M100は、水素、または炭素数1から5のアルキルであり;R100およびR101は独立して、水素、または炭素数1から12の、アルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、これらのアルキルもしくはヒドロキシアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−N(R102)−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、R102は、水素、または炭素数1から12のアルキルである。)
  16. さらに添加物としてスペーサーを含有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の重合性組成物。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載の重合性組成物を用いた、透明および散乱状態をスイッチングする液晶調光素子。
  18. 請求項1から16のいずれか1項に記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体を調光層として有し、該調光層が一対の透明基板により挟持され、透明基板が透明電極を有する、請求項17に記載の液晶調光素子。
  19. 透明基板がガラス板またはプラスチック板である、請求項18に記載の液晶調光素子。
  20. 透明基板がプラスチックフィルムである、請求項18に記載の液晶調光素子。
  21. 請求項18から20のいずれか1項に記載の液晶調光素子を使用する調光窓。
  22. 請求項18から20のいずれか1項に記載の液晶調光素子を使用するスマートウィンドウ。
  23. 請求項1から16のいずれか1項に記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体
    の、液晶調光素子への使用。
  24. 請求項1から16のいずれか1項に記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体
    の、透明基板としてプラスチック板を有する液晶調光素子への使用。
  25. 請求項1から16のいずれか1項に記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体の、調光窓への使用。
  26. 請求項1から16のいずれか1項に記載の重合性組成物を重合して得られる液晶複合体の、スマートウィンドウへの使用。
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