JP2019119779A - ポリイミドフィルムの製造方法及びガラス−ポリイミド積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂層が接するガラス基板の表面形状や表面性質に影響を受けずに、光学特性に優れ、不純物量の少ないポリイミドフィルム及び機能層付きポリイミドフィルムを製造する方法を提供する。【解決手段】ガラス基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布し、熱処理を行って、平均膜厚が5〜50μmのポリイミド層を形成したのち、ガラス基板側からレーザーを照射して、ガラス基板を剥離してポリイミドフィルムを製造する方法において、前記ポリイミド層の平均膜厚αと前記ポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)を10nm〜500nmとすることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミドフィルム又は機能層付きポリイミドフィルムの製造方法、及びガラス−ポリイミド積層体に関する。
近年、軽くてフレキシブル性を有する樹脂基板が電子デバイス基板として用いられるようになっている。このようなフレキシブル基板は、有機エレクトロルミネッセンス素子用基板、回路基板、ディスプレイ用基板、タッチパネル等のフレキシブルデバイス用の基板として好ましく使われ始めている。
フレキシブルデバイスの製造において、ガラス基板上に樹脂基板となる樹脂層を形成し、さらにその上に透明電極、薄膜トランジスタ、カラーフィルタ等の機能層を形成し、ガラス基板を剥離してフレキシブルデバイスを得る工程を含むことが一般的である。この工程において、ガラス基板を剥離する方法の一つに、ガラス基板と樹脂層の界面にレーザーを照射させてガラス基板を剥離する方法、いわゆるレーザーリフトオフ(LLO)プロセスがある。LLOプロセスは、剥離時に機械的応力をかけないため、樹脂基板や機能層が破損しにくいという特長がある。そのため、フレキシブルデバイスの製造工程にLLOプロセスを適用する検討が、複数開示されている。
例えば、特許文献1においては、第一のガラス基板上に樹脂膜と表示素子をこの順に形成し、第二のガラス基板上に樹脂膜とカラーフィルタをこの順に形成し、二つのガラス基板を貼り合わせた後に、それぞれのガラス基板にレーザーを照射して樹脂膜からガラス基板を剥離する表示装置の製造方法が提案されている。
また、特許文献2においては、EL材料を用いた発光装置等の電子機器の製造方法において、ガラス基板と樹脂基板とを接着層で貼り合わせ、樹脂基板の上に、下地絶縁膜、半導体層、ゲート絶縁膜、導電層等の機能層を形成し、さらにこれらの機能層を、樹脂基板に貼り合わせた絶縁膜で覆い、ガラス基板側からレーザー光を照射して前記接着層の全部または一部を気化させてガラス基板を剥離して、発光装置を得る方法が開示されている。
しかしながら、LLOプロセスによって得られる樹脂基板の表面形状や汚染状態は、樹脂基板に接するガラス基板や接着層の表面形状や表面性質に影響を受ける恐れがあり、特に、ボトムエミッション構造の有機EL表示装置やタッチパネル等の樹脂基板に高度の光学特性が要求されるフレキシブルデバイスに適用するためにはLLOプロセスの改善の余地があると考えられる。
特開2014−74757号公報 特開2016−131162号公報
上記課題に鑑み、本発明の目的は、樹脂基板となる樹脂層が接する材料の表面形状や表面性質に影響を受けずに、光学特性に優れ、不純物量の少ないポリイミドフィルム及び機能層付きポリイミドフィルムを製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、ガラス基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布し、熱処理を行って、平均膜厚が5〜50μmのポリイミド層を形成したのち、ガラス基板側からレーザーを照射して、ガラス基板を剥離してポリイミドフィルムを製造する方法において、前記ポリイミド層の平均膜厚αと前記ポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)を10nm〜500nmとすることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法である。
また、本発明は、ガラス基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布し、熱処理を行って、平均膜厚が5〜50μmのポリイミド層を形成し、次いでこのポリイミド層上に機能層を形成したのち、ガラス基板側からレーザーを照射して、ガラス基板を剥離して機能層付きポリイミドフィルムを製造する方法において、前記ポリイミド層の平均膜厚αと前記機能層付きポリイミドフィルムにおけるポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)を10nm〜500nmとすることを特徴とする機能層付きポリイミドフィルムの製造方法である。
更に、本発明は、ガラス基板上に平均膜厚が10nm〜500nmのポリイミド層が積層されていることを特徴とするガラス−ポリイミド積層体である。
本発明の製造方法によれば、使用するガラス基板や接着層によらず、表面粗化度が小さく、不純物濃度が少なく、透明性に優れるポリイミドフィルム又は機能層付きポリイミドフィルムを得ることができる。そのため、このポリイミドフィルム又は機能層付きポリイミドフィルムは、特に高度の光学特性が要求される液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル等のフレキシブルデバイス用基板として、好適に使用することができる。
また、上記製造方法により得られる本発明のガラス−ポリイミド積層体は、ガラス基板上にポリイミドの極薄膜が形成されているため、ガラス基板の特性を損なうことなく、積層するポリイミドの種類により、その表面状態や接着特性を制御することができる。そのため、このガラス−ポリイミド積層体は、フレキシブルデバイスの製造用支持体等の様々な用途に好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ガラス基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布し、熱処理を行って、平均膜厚が5〜50μmのポリイミド層を形成する工程と、ガラス基板側からレーザーを照射して、ガラス基板を剥離してポリイミドフィルムを得る工程を有する。そして、上記ポリイミドフィルムを得る工程において、ポリイミド層の平均膜厚αとポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)を、10nm〜500nmの範囲に制御する。
本発明の機能層付きポリイミドフィルムの製造方法は、ガラス基板側からレーザーを照射する前に、ポリイミド層上に機能層を形成する他は、上記ポリイミドフィルムの製造方法と同じである。なお、機能層付きポリイミドフィルムにおけるポリイミドフィルムの平均膜厚βは、剥離後の機能層付きポリイミドフィルムの厚みから機能層の厚みを差し引いた厚みである。
以下、ガラス基板、ポリイミド層、機能層等について説明する。
ガラス基板は、例えば、フレキシブルデバイスの製造において一般的に使用されるものを利用することができる。ガラス基板は、ポリイミドフィルムを形成する際に台座の投割をするものであって、ポリイミドフィルムの取り扱い性や寸法安定性等を担保することはあっても、最終的には除去されてポリイミドフィルムを構成するものではない。なお、ガラス基板は処理工程中のポリイミド層の剥離を防ぐために、例えば、ポリイミドと親和性のある官能基の付与、または表面粗度を高くする表面処理などを行なってもよい。また、使用する前に、ガラスの洗浄を行ってもよい。洗浄方法として、UV照射、水または有機溶剤の吹付による有機物の汚れの除去、高圧エアによる付着ごみの除去などが挙げられる。
このガラス基板については、ポリイミド層や機能層を形成する製造過程での熱履歴や雰囲気等に耐え得るような化学的強度や機械的強度を備えたものであれば特に制限されず、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、リン酸系ガラス、石英などが挙げられる。また、ポリイミド前駆体溶液を硬化させるための加熱処理時にガラス基板が膨張すると均一な樹脂層が得られない場合も考えられることから、ガラス基板の熱膨張係数は10ppm/℃以下、好ましくは5ppm/℃以下であるのがよく、このような観点からガラス基板としては無アルカリガラスがより好ましく用いられる。なお、ガラス基板の表面は接着性を向上させる等の目的で、例えば−OH、−NH、−Siなどのポリイミドと親和性のある官能基をガラスの表面に導入するような化学的な表面処理、又は薬液によるエッチングでガラス表面に凹凸面を形成するような物理的な表面処理が施されていてもよい。
ガラス基板はレーザー光が透過する必要がある。そのため使用するレーザー光の波長の透過率が高いものが適する。詳しくは、使用するレーザー光の波長の透過率が30%以上であることが好ましい。例えば、エキシマレーザーが出力する308nmの波長での光透過率が30%以上のガラス基板が適する。しかし、本発明で使用できるレーザーの種類はエキシマレーザーに限らず、他のレーザーでもよく、この場合はその波長に合わせた光透過率を有するものとすることがよい。
ガラスの厚みに特に制限はない。よく使われる厚みとしては、0.5mmと0.7mmである。厚みが薄いほうが、レーザー光の透明率が高く、ガラス/ポリイミド層の界面に到着するレーザー光の強度が比較的に高い。一方、100μmや200μmのガラスは、柔らかく、割れやすい。好ましい厚みとしては、0.5〜1.0mmである。
ポリイミド層については、LLOプロセスにおけるガラス基板からの剥離性、及びポリイミド層上に機能層を形成する際の熱履歴や雰囲気に耐え得るような化学的強度や機械的強度を備えたものであれば特に制限されない。ここで、ガラス基板からの剥離性に優れるとは、ポリイミド層の平均膜厚αとポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)が、10nm〜500nmであることを意味する。
そして、ポリイミド層とは、ガラス基板上に形成された平均膜厚が5〜50μmのポリイミド層を意味し、ポリイミドフィルムとはこれからガラス基板を剥がして得られたポリイミドフィルムを意味する。膜厚の差に相当する部分は、ガラス基板に残存積層したポリイミド層と、LLOプロセスにより気化したポリイミドであり、結果として剥離したガラス基板は極薄のポリイミド層を有するガラス−ポリイミド積層体となる。
ポリイミド層を形成するにあたっては、ポリイミド前駆体が溶剤中に溶解又は分散されたポリイミド前駆体溶液をガラス基板上に塗布後、熱処理することによって得られるが、詳しくは、原料としてのジアミンとテトラカルボン酸二無水物及び/又はトリカルボン酸無水物(以下、併せて酸無水物ともいう。)から得られるポリアミック酸を用いることができる。上記ジアミンと酸無水物は、それぞれ単一種からなってもよく、複数種からなってもよい。
一般に、ポリイミドは、原料モノマーである酸無水物とジアミンとを重合して得られ、下記一般式(1)で表すことができる。なお、ポリイミド前駆体は一般式(2)で表すことができ、これを熱処理することによりポリイミドとすることができる。したがって、ポリイミドの説明からポリイミド前駆体が理解できるので、ポリイミドの説明で代表する。
Figure 2019119779

式中、Arは酸無水物残基である4価の有機基を表し、Arはジアミン残基である2価の有機基であり、耐熱性の観点から、Ar、Arの少なくとも一方は、芳香族残基を有することが望ましい。
本発明において用いられるポリイミドは、特に制限しないが好ましい例として、含フッ素ポリイミドが挙げられる。ここで、含フッ素ポリイミドとは、ポリイミド構造中にフッ素原子を有するものを指し、ポリイミド原料である酸無水物、及びジアミンの少なくとも一方の成分にフッ素を有するものである。このような含フッ素ポリイミドとしては、例えば、上記一般式(1)において、Arが4価の有機基であり、Arが下記一般式(3)又は(4)で表される2価の有機基で表されるものが例示される。
Figure 2019119779
上記一般式(3)又は一般式(4)において、R〜Rは置換基であり、互いに独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素置換炭化水素基であり、一般式(3)にあっては、R〜R4のうち少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基であり、一般式(4)にあっては、R〜Rのうち少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基である。これらR〜Rの好適な具体的としては、−H、−CH、−OCH、−F、−CFなどが挙げられるが、式(3)又は式(4)において少なくとも一つの置換基が、−F又は−CFの何れかであるのが好ましい。
含フッ素ポリイミドである場合の一般式(1)中のArの具体例としては、LLOプロセスにおけるガラス基板からの剥離性、耐熱性及び透明性のバランスから、例えば以下のような4価の酸無水物残基が挙げられる。
Figure 2019119779
上記に加えて、以下のような酸無水物から生じる残基が挙げられる。
Figure 2019119779
上記の酸無水物残基を有するポリイミド層は、透明性と耐熱性を兼ね備える。例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置をはじめ、透明性と耐熱性が要求されるフレキシブル基板として好適である。
LLOプロセスにおけるガラス基板からの剥離性、耐熱性及び透明性をより優れたものとすることを考慮すれば、一般式(1)におけるArとなるジアミン残基の好ましい例は以下に示される。
Figure 2019119779
上記に加えて、以下のようなジアミンから生じる残基が挙げられる。
Figure 2019119779

ここで、nは2〜16の整数である。
なお、前記含フッ素ポリイミドは、これらの好ましいジアミン残基及び酸無水物残基の他に、公知のジアミン由来のジアミン残基や酸無水物由来の酸無水物残基を所望の特性が発現し得るように1種若しくは2種以上適宜組み合わせ得られたものであってもよい。
また、このような含フッ素ポリイミドにおいて、次に挙げる一般式(5)、(6)、(7)、又は(8)で表される構造単位のいずれかを50モル%以上の割合で有する場合には、透明性が優れる他、熱膨張性が低く寸法安定性に優れ、LLOプロセスにおけるガラス基板からの剥離性に優れることからより好ましい。より好ましくは70%以上である。すなわち、下記一般式(5)、(6)、(7)、又は(8)で表される構造単位を有するポリイミドであれば、440nmから780nmの波長領域での光線透過率が70%以上、好適には80%以上を示すことから、表示装置等のように透明性が要求される積層部材におけるポリイミド層を形成するものとしてより有利である。また、250℃以上、好ましくは300℃以上のガラス転移温度を有するようになると共に、熱膨張係数は80ppm/K以下、好適には50ppm/K以下にすることができる。そのため、このようなポリイミドを使用することで、プロセス中に温度変化を受けても両者の熱膨係数が近いため、反ったり皺が寄ったりすることを防止できる。
Figure 2019119779

剥離性、耐熱性、製膜性などを調整するために、上記一般式(5)〜(8)の構造単位を複数有しても良い。
また、更に、下記一般式(9)、(10)のジアミンから生じる構造単位を有しても良い。式(9)のジアミンは、10モル%以下、または式(10)のジアミンは、20wt%以下添加することがより好ましい。
Figure 2019119779
上記のような含フッ素ポリイミドはLLOプロセスにおけるガラス基板からの剥離性に優れる。そのため、これらの含フッ素ポリイミドをポリイミド層とすることで、表面粗度や表面性質の影響を受けることなく、平滑で光学特性に優れるポリイミドフィルム、又は機能層付きポリイミドフィルムを得ることができる。
ガラス基板上にポリイミド層が形成された積層体のガラス基板側からレーザー光を照射すると、ポリイミド層はレーザー光を吸収してガラス基板から剥離する。ポリイミド層上に機能層が設けられている場合は、レーザー等の光が機能層に到達すると機能層が動作しない等の悪影響を及ぼす可能性がある。そのためレーザー光の遮光性も必要となる。また、レーザー光を吸収して、発熱して一部が気化することも必要である。したがって、レーザー光に近い波長の透過率は20%以下であり、10%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。詳しくは、ガラス基板上に形成するポリイミド層は、355nmの波長での光透過率が20%以下であり、好ましくは10%以下であり、より好ましくは1%以下であることがよい。308nmの光透過率がこの範囲以下であれば308nmの波長を有するレーザーによって剥離することができる。355nmの光透過率がこの範囲以下であれば355nmの波長を有するYAGレーザーによっても剥離することができる。
ポリイミド層は、可視光領域の透過率を高く、短波長領域の透過率を低く調整するために、ポリイミド層中のフッ素原子濃度を制御することが好ましい。好ましくは、ポリイミド層を構成するポリイミドの分子構造中にフッ素を5wt%〜40wt%含むのがよく、15wt%〜30wt%含むことがさらに好ましい。なお、このフッ素濃度は、前記ポリイミドを構成する上記一般式(1)で表される繰り返し単位に含まれる、フッ素原子の重量濃度である。
また、可視光領域の透過率を高く、短波長領域の光を吸収するためには前記ポリイミドの分子構造中の芳香環濃度を制御する必要がある。ポリイミドの分子構造中に芳香環を5wt%〜63wt%含むのが好ましく、35wt%〜50wt%含むことがさらに好ましい。なお、この芳香環濃度は、前記ポリイミドを構成する上記一般式(1)で表される繰り返し単位に含まれるベンゼン環等の芳香環の重量濃度である。
ポリイミド前駆体溶液は、原料であるジアミンと酸無水物とを実質的に等モル使用し、有機溶媒中で反応させることによって得るのがよい。また、分子量を調整するために、酸無水物とジアミンを0.980から1.03の間で少々ずらしても良い。具体的には、窒素気流下にN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機極性溶媒にジアミンを溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物及び/又はトリカルボン酸無水物を加えて、室温で20時間程度反応させることにより得ることができる。溶剤へ溶解性を高めるために、モノマーを溶剤に加える際に、30〜50℃の温度で10min〜2hr加熱しても良い。塗工時の膜厚均一化と得られるポリイミドフィルムの機械強度の観点から、得られたポリアミック酸の重量平均分子量は1万から30万が好ましい。なお、得られるポリイミド層の好ましい分子量範囲もこのポリアミック酸と同じ分子量範囲である。
ガラス基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法は、特に限定されず、所定の厚み精度が得られるのであれば、公知の方法、例えば、スピンコーター、スプレーコーター、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、スリットダイコーターや、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スリット状ノズルから押し出す方法が適用できる。また、ポリイミド前駆体溶液の塗布面となるガラス基板の表面に対して適宜表面処理を施した後に、塗布を行ってもよい。
熱処理は、500℃以下、好ましくは450℃以下で行うことで、ポリイミド前駆体をイミド化し、ポリイミドに変換する。熱処理時間は通常1分〜20時間、好ましくは2分〜10時間で適宜選択され、段階的に温度を上げて熱処理しても構わない。また、イミド化のための熱処理は大気中であっても窒素中であっても構わない。必要に応じて、2回以上の熱処理を行っても良い。
機能層は、液晶表示装置や有機EL表示装置、電子ペーパー、タッチパネル等の表示装置、照明装置、検出装置、又はその構成部品を構成する層や各種機能性材料層を構成するものであって、具体的には、電極層、発光層、ガスバリア層、接着層、粘着層、薄膜トランジスタ、配線層、透明導電層等の1種又は2種以上を組み合わせたようなものを意味する。
機能層付きポリイミドフィルムは、例えば、有機EL照明装置で用いたり、ITO等が積層された導電性フィルム、水分や酸素等の浸透を防止するガスバリアフィルム、フレキシブル回路基板の構成部品などの各種機能を有した機能性材料であるフレキシブル基板として用いられる。
レーザーとしては各種気体レーザー、固体レーザー(半導体レーザー)等が挙げられ、エキシマレーザー、Nd−YAGレーザー、Arレーザー、COレーザー、He−Neレーザー等を用いることができる。これらのレーザーは、波長に応じて、UV領域用レーザー(410nm以下)、緑、可視光領域対レーザー(500〜700nm)、近赤外領域の大レーザー(700〜2000nm)、赤外線領域対レーザー(2000nm以上)などに大別できる。
本発明においては、UVレーザーとして410nm以下の波長領域のレーザー光を使用し、詳しくは、300nm〜410nmの波長領域におけるいずれかの波長を有するレーザー光をガラス基板側から照射することがよい。好ましいレーザー光としては360nm以下の波長のNd−YAGレーザーの第3高調波(355nm)を挙げることができ、更に好ましくは310nm以下の波長のXe−Clエキシマレーザー(308nm)が挙げられる。
レーザー照射は樹脂層を形成した面とは反対側のガラス基板の裏面全面を照射することが好ましい。全面を照射する方法としては、レーザーノズルを固定してステージをXY方向に移動しながら照射してもよく、レーザーノズルをXY方向に移動しながら照射してもよい。レーザーのノズル形状は任意に選定することができ、例えば、点レーザー、ラインレーザーが有る。本発明においては、できるだけ照射幅の広いラインレーザーでの照射が好ましい。
好適には、レーザー照射はノズルを移動させながらパルスで照射する。レーザー強度はその照射範囲内で分布があり、一般的には中心部分の強度が強く、周辺部分の強度は低い。したがって、レーザー照射する際は、レーザー強度ができるだけ均一なレーザー、もしくはそのレーザー照射域の一部をオーバーラップさせながら照射することがよい。そのオーバーラップは少ない方が、照射速度が速くなり好ましい。
また、レーザー照射域の一部をオーバーラップさせながら照射する場合、オーバーラップする箇所には強いエネルギーがかかるため、樹脂層を変質させる恐れがある。そのため、レーザー光の重なり幅がビームサイズ幅の50%以下の長さで重なるようにし、好ましくは30%以下の長さで重なるようにして、レーザー光を複数回照射するのがよい。
レーザーの照射エネルギーは、前記ポリイミド層の平均膜厚αとポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)に強く依存する。照射エネルギーが大き過ぎるとα−βの値が小さくなり、LLOプロセスによりガラス基板からポリイミド層を剥離した際に、剥離されたポリイミドフィルム表面がガラス基板の表面形状の影響を受けたり、ガラス基板表面の汚染物質やイオン性不純物がポリイミド層に付着または混入したりする恐れがある。また、その強いエネルギーによってポリイミド層が変質する恐れがある。一方、照射エネルギーが小さすぎると、α−βの値が大きくなる。つまり、所望の厚みのポリイミドフィルムを得るために、必要なポリイミド前駆体の量が多く必要になるので、製造コストが上昇する。また、ガラス基板からポリイミド層が剥離しない恐れがある。これらのバランスをとるためには、α−βの値は10〜500nm、好ましくは10〜300nm、より好ましくは10〜200nmとすることが重要である。この範囲の値とするためには、照射エネルギー密度を制御することが有効であり、この密度(mJ/cm)を10〜500とすることが好ましく、より好ましくは50〜500であり、さらに好ましくは80〜500である。
なお、LLOプロセスによるガラス基板の剥離を容易にするために、ポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布する前に離型剤や犠牲層をガラス基板に塗布しておいてもよい。係る離型剤としては、植物油系、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、芳香族高分子系、アルコキシシラン系等が挙げられ、また、犠牲層としては、金属膜、酸化物膜、アモルファスシリコン膜等が挙げられる。
次に、本発明の機能層付きポリイミドフィルムの製造方法について、より具体的に例示する。
一例として、ポリイミドフィルムの上に機能層として無機膜およびTFTを備えたTFT基板について説明する。
上記TFT基板は少なくとも以下の工程を経て製造することができる。
(1)ポリイミド前駆体溶液をガラス基板上に塗布する工程
(2)塗布されたポリイミド前駆体溶液から溶剤を除去する工程
(3)ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミド層を得る工程
(4)ポリイミド層上に無機膜(機能層)を形成する工程
(5)更にTFT(機能層)を形成する工程、及び
(6)ガラス基板を剥離する工程。
ここでの無機膜としては、ポリイミド層に、水蒸気や酸素などのガスの透過を抑制するためにガスバリア層を形成することが好ましい。好ましいガスバリア層としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、イットリウム、およびタンタルからなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物、ケイ素、アルミニウム、ホウ素の金属窒化物またはこれらの混合物を挙げることができる。中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点からケイ素の酸化物、窒化物、または酸窒化物を主成分とすることが好ましい。これら無機のガスバリア層は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜を形成する気相堆積法により作製することができる。中でも、優れたガスバリア性が得られるという観点から、スパッタリング法が好ましい。また、無機ガスバリア層の膜厚は10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがさらに好ましい。
TFTを形成するための半導体層としては、アモルファスシリコン半導体、多結晶シリコン半導体、IGZOに代表される酸化物半導体、ペンタセンやポリチオフェンに代表される有機物半導体が挙げられる。例えば、ポリイミド層を基材として、ガスバリア膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、IGZO半導体層、エッチングストッパ膜、ソース・ドレイン電極を公知の方法によって順次形成してボトムゲート型TFTを作製する。上記の工程を経てポリイミド層を利用したTFT基板を製造することができる。このようなTFT基板は、液晶デバイスや有機EL素子の駆動基板として用いることができる。
また、ポリイミド層のうち、可視光領域で高透過率を有するものは、カラーフィルタ基材に好適に使用することができる。すなわち、本発明のポリイミドフィルム上にブラックマトリックスおよび着色画素を備えたカラーフィルタを得ることができる。
また、ポリイミドフィルムには、その表面に機能層として透明導電層を形成することができ、タッチパネル基材として好適に用いることができる。透明導電層としては、公知の金属膜、金属酸化物膜等を適用できるが、中でも透明性、導電性および機械特性の観点から、金属酸化物膜を適用することが好ましい。金属酸化物膜としては、例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素、亜鉛、ゲルマニウム等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウムおよび酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。中でも酸化スズまたは酸化亜鉛を2〜15質量%含有した酸化インジウムの薄膜は、透明性および導電性が優れているため好ましく用いられる。
また、ポリイミドフィルムが非透明である場合、樹脂基板の透明性が要求されないボトムエミッション構造の有機EL表示装置に好ましく用いられる。
上記透明導電層の成膜方法は、目的の薄膜を形成できる方法であれば、いかなる方法でもよいが、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜を形成する気相堆積法などが適している。中でも、特に優れた導電性・透明性が得られるという観点から、スパッタリング法を用いて成膜することが好ましい。また、透明導電層の膜厚は5〜500nmであることが好ましく、10〜300nmであることがさらに好ましい。
また、本発明の製造方法で得られたポリイミドフィルム及び機能層付きポリイミドフィルムは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーといった表示デバイス、カラーフィルタ、タッチパネル、太陽電池、CMOSなどの受光デバイス等の基材として使用することができる。特にこれらの表示デバイスや受光デバイスを、折り曲げ可能なフレキシブルデバイスとして好ましく用いられる。
本発明のポリイミドフィルム及び機能層付きポリイミドフィルムの製造方法において、その製造工程において、ガラス基板上に平均膜厚が10nm〜500nmのポリイミド層(残存ポリイミド層)が積層されたガラス−ポリイミド積層体が得られる。このガラス−ポリイミド積層体を構成する残存ポリイミド層の平均膜厚は、ほぼ前記α−βの値に相当する。
このガラス−ポリイミド積層体は、ガラス基板上にポリイミドの極薄膜が形成されている。そのため、ガラス基板の特性を損なうことなく、積層するポリイミドの種類により、その表面状態や接着特性を制御することができる。例えば、残存ポリイミド層が透明である場合、ガラス基板の光学特性を保持したまま、表面に撥水、傷防止、飛散防止、断熱等の機能を付与することができる。そのため、例えば、窓、フレキシブルデバイスの製造用支持体等、様々な用途に好適に使用することができる。
なお、このガラス−ポリイミド積層体から残存ポリイミド層を除去し、ガラス基板として再使用してもよい。再使用前には、支持体の洗浄、熱処理、表面処理を行ってもよい。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例の内容に限定されるものではない。
実施例中の略語及び各種物性の測定方法とその条件について以下に示す。
TFMB:2,2‘-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル
AI:5−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾイミダゾール
PDA: p−フェニレンジアミン
6FDA:4,4'−(2,2'−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
CBDA:シクロブタン−1,2, 3,4−テトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
ガラス基板A:AN−100(旭硝子社製無アルカリガラス、厚み0.7mm、308nm波長での光透過率が36%)
ガラス基板B:イーグルXG(コーニング社製無アルカリガラス、厚み0.7mm、308nm波長での光透過率が72%)
光透過率及びYI;
製造例で得られたポリイミドフィルム(50mm×50mm)をSHIMADZU UV−3600分光光度計を用いて、430nmにおける光透過率(T430)を求めた。
また、下式(5)で表される計算式に基づいてYI(黄色度)を算出した。
YI=100×(1.2879X−1.0592Z)/Y (5)
ここで、X,Y,ZはJIS Z 8722に規定する試験片の三刺激値。
表面粗さ;
実施例1〜6及び比較例1において、剥離後のポリイミド層及びガラス基板の表面粗さを、高精度微細形状測定機 SUFCORDER ET4000(小坂研究所製)を用いて、JIS B0601−1982規格に準じて測定した。測定長さを0.25mm、送り速さを0.005mm/secとした。なお、ポリイミド層については、ガラス基板と接触していた側の面(ガラス面)及びガラス面と反対側の面(非ガラス面)を測定し、ガラス基板については、ポリイミド層と接触していた面、言い換えれば、残存ポリイミド層が存在し得る面を測定した。
レーザーリフトオフ(LLO)プロセスの条件は次のとおりとした。
ポリイミド層とガラス基板との積層体に、産業用エキシマレーザー(LightMachinery社製IPEX―840)を用いて、波長308nm、周波数30Hz、パルス幅50ns、ビームサイズ14mm×1.2mm、移動速度6mm/sオーバーラップ80%の条件で、レーザー光をガラス基板側から照射した。具体的には積層体のガラス基板側の面に対して均一なエネルギー分布となるように、レーザー光の重なり幅を2mmとし、5往復かけて照射した。カッターで剥離範囲を決め、切り口を1周入れてからポリイミドフィルムがガラスから自然剥離した。
メカニカルリフトオフ(MLO)プロセスの条件は次のとおりとした。
比較例で得られたポリイミド層とガラス基板との積層体のポリイミド層について、その剥離対象領域の周囲を、カッターで切りこみを入れて、その端部をピンセットでつまみ、積層体のガラス基板から、ポリイミド層を剥離した。
製造例1
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコにTFMB8.521gを溶媒NMPgのNMPに溶解させた。次いで、この溶液に6FDA 1.4614g、PMDA5.0176gを加え、固形分が15wt%になるように15gのNMPを加えて、室温で10時間攪拌して重合反応を行った。反応後、粘稠な無色透明のポリイミド前駆体溶液Aを得た。
製造例2〜3
表1に示す原料モノマーとした他は、製造例1と同様の方法で、ポリイミド前駆体溶液B及びCを得た。表1において、使用量の単位はgである。
Figure 2019119779
ポリイミド前駆体溶液を塗布した後の熱処理条件は次のとおりとした。
ポリイミド前駆体溶液Aの場合は、100℃で15分間加熱を行い、そして、窒素雰囲気中で、一定の昇温速度(3℃/min)で室温から360℃まで昇温させ、途中130℃、160℃、200℃でそれぞれ30min保持した。
ポリイミド前駆体溶液Bの場合は、昇温速度を4℃/minとして最高到達温度を300℃とした他は、ポリイミド前駆体溶液Aと同様な条件とした。ポリイミド前駆体溶液Cの場合は、昇温速度を2℃/minとして最高到達温度を400℃とした他は、ポリイミド前駆体溶液Aと同様な条件とした.
製造例4
ポリイミド前駆体溶液Aに、NMPを加えて、粘度が3000cPになるように希釈した上で、75μmのポリイミドフィルム(Upilex−S)基材の上に塗工した。続いて、上記の条件で熱処理を行い、ポリイミド積層フィルムを得た。その後、基材を剥離し、ポリイミド前駆体溶液Aをイミド化してなる単体としてのポリイミドフィルムを得た。上記剥離は、形成されたポリイミド層だけを、カッターで切り口を1周作って剥離する範囲を決めてから、ピンセットで基材から剥離することによって行った。なお、ポリイミドフィルムの厚みは、厚みの項に示した。剥離したフィルムを使って、光透過率を測定した。結果を表2に示した。
製造例5
ポリイミド前駆体溶液Aに代えてポリイミド前駆体溶液Bを使用し、上記の条件で熱処理を行った他は、製造例4と同様の方法で、ポリイミドフィルムを得た。
製造例6
ポリイミド前駆体溶液Aに代えてポリイミド前駆体溶液Cを使用し、上記の条件で熱処理を行った他は、製造例4と同様の方法で、ポリイミドフィルムを得た。
各製造例で得られたポリイミドフィルムについて、光透過率等を測定した結果を表2に示した。
Figure 2019119779
実施例1
ポリイミド前駆体溶液Bに、NMPを加えて、粘度が3000cPになるように希釈した上で、ガラス基板Aの上に塗工した。続いて、上記の条件で熱処理を行い、厚みが15μmのポリイミド層を形成した。その後、上記LLOプロセスによりガラス基板を剥離し、ポリイミドフィルムを得た。
実施例2〜6、比較例1〜3
表3に示した条件とした他は、実施例1と同様の方法で、ポリイミドフィルムを得た。
各ポリイミド層の厚み、剥離後のガラス基板に残存するポリイミド層(残存ポリイミド層)の厚み及び表面粗さ等の測定結果を表3及び表4に示した。なお、ポリイミドフィルムの厚みは、ほぼポリイミド層の厚みから残存ポリイミド層の厚みを差し引いた値となるので、残存ポリイミド層厚は(α-β)と解することができる。また、表4中の剥離後ガラス基板の表面粗さ(Ra)は、残存ポリイミド層の表面粗さと解することができる。
Figure 2019119779

※1;測定限界以下
Figure 2019119779

Claims (3)

  1. ガラス基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布し、熱処理を行って、平均膜厚が5〜50μmのポリイミド層を形成したのち、ガラス基板側からレーザーを照射して、ガラス基板を剥離してポリイミドフィルムを製造する方法において、前記ポリイミド層の平均膜厚αと前記ポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)を10nm〜500nmとすることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  2. ガラス基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布し、熱処理を行って、平均膜厚が5〜50μmのポリイミド層を形成し、次いでこのポリイミド層上に機能層を形成したのち、ガラス基板側からレーザーを照射して、ガラス基板を剥離して機能層付きポリイミドフィルムを製造する方法において、前記ポリイミド層の平均膜厚αと前記機能層付きポリイミドフィルムにおけるポリイミドフィルムの平均膜厚βとの差(α−β)を10nm〜500nmとすることを特徴とする機能層付きポリイミドフィルムの製造方法。
  3. ガラス基板上に平均膜厚が10nm〜500nmのポリイミド層が積層されていることを特徴とするガラス−ポリイミド積層体。
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