JP3934691B2 - 光学異方体フィルムとその製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体フィルムとその製造方法および液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液晶表示素子などに用いられる位相差フィルムの部材として有用な、液晶組成物を含む光学異方体フィルム、その製造方法、該光学異方体フィルムを用いた位相差フィルム、およびそれらを用いた液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶デイスプレイは、低電圧駆動、軽量などの特徴を有する。なかでも、単純マトリックス駆動方式のスーパーツイストネマチック(以下STNと略することがある。)型液晶デイスプレイは大画面表示が可能であり、かつ安価であるなどの理由からパーソナルコンピューターやワードプロセッサーなどに広く用いられている。しかしながら、STN方式は複屈折効果により表示を行なうため、黄色や青色の着色が起こり、白黒表示ができないという欠点があった。
STN方式において白黒表示を実現するために、STNセルの上にセルギャップが同じで、ねじれ向きが逆の補償用液晶セルを重ねて色補償を行なう2層セル方式や、ポリカーボネートなどの延伸フィルム(位相差フィルム)を重ねて位相差を補償する方法が一部実用化されている。しかしながら、2層セル方式はコストが高くなるうえに、パネルが重く、厚くなるという欠点を有する。また位相差フィルム補償方式はフィルムがねじれ構造をもたない一軸延伸フィルムであるため、STNセルのねじれによる旋光分散が十分に補償できないため、完全な白黒表示ができずコントラストも2層セル方式に比べ、良くない。
【0003】
また、アクティブマトリックス方式の薄膜トランジスタ使用液晶ディスプレイにおいても、応答速度や視野角特性の向上のためにセルギャップをより薄くしようとすると、着色が生じると同時に旋光分散によりコントラストが低下するという問題がある。
液晶セルのねじれに起因するこれらの問題を解決するために、ねじれネマチック配向を有する高分子フィルムを補償フィルムとして用いることが検討されている。ねじれネマチック配向を有する高分子フィルムを製造する方法としては、コレステリック相を有するモノマーを配向後重合する方法(特開平01―222220号公報、特開平03―140921号公報)やコレステリック相を有する高分子化合物を配向後、ガラス転移点以下に急冷し配向を固定する方法(特開平03―877720号公報)などが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、モノマーを重合する方法では、モノマーの配向状態の温度依存性が高分子化合物に比べて大きいため、配向処理温度ですぐに重合を行なう必要があり、製造条件が限られてしまうという問題がある。また、コレステリック相を有する高分子化合物を用いる方法では、ガラス転移点以下に急冷することでねじれネマチック構造の固定を行うことから、ガラス転移温度が室温より十分に高いものを使用する必要があるため、配向処理にかなりの高温を要し、製造上好ましくないという問題点がある。さらに、高分子化合物を用いた場合、屈折率異方性の温度依存性が、液晶セルに比べて小さいために、パネルを使用する温度が変化すると、補償用フィルムの屈折率異方性と、液晶セルの屈折率異方性のずれが生じ、コントラストや視野角の改善効果が小さくなるという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、広い温度範囲で、液晶セルのねじれ構造に由来する旋光分散を補償しコントラストを向上するために有効な、固定化されたねじれネマチック配向を有する光学異方体フィルムおよびそれらの工業的な製造方法、並びに該光学異方体フィルムもしくは該光学異方体フィルムを含む位相差板およびこれらを用いた高コントラストの液晶表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する重合性の液晶オリゴマーを含む、コレステリック相を示す液晶組成物を配向させた後、重合によりねじれネマチック構造を固定したフィルムが液晶セルのコントラスト向上に有効であることを見いだした。
本発明の方法により、水平配向処理をおこなった基材上でねじれネマチック配向を有する、液晶オリゴマー重合体を含む光学異方体フィルムを得ることができ、広い温度範囲で、白黒レベルに優れ、コントラストの高い液晶表示素子が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次に記す発明からなる。
〔1〕ねじれネマチック配向した液晶組成物を含む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の螺旋軸がフィルム法線方向にほぼ平行であり、かつねじれ角が70°以上300°以下の範囲にあり、該液晶組成物は螺旋ピッチ0.2μm以上50μm以下のコレステリック相を示し、かつ下記反復単位(I)および(II)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーを含み、該液晶オリゴマー(A)の1分子中の反復単位(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn’とするとき、nおよびn’は1から20までの整数であり、かつ4≦n+n’≦21であり、n:n’の比は20:1〜1:20であり、反復単位(II)の末端基が重合していることを特徴とする光学異方体フィルム。
【化12】
Figure 0003934691
【化13】
Figure 0003934691
【0008】
〔式中、Aは下式(III)または(IV)で表される基であり、式(III)において−Si−O−は式(I)または(II)の主鎖であり、式(IV)において−C−CH2 −は式(I)または(II)の主鎖であり、COO基は側鎖のR1 またはR2 ではない側鎖に位置する。式(I)においてAが式(III)のとき、および式(II)においてAが式(III)のとき、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基である。式(I)においてAが式(IV)のとき、および式(II)においてAが式(IV)のとき、R1 、R2 は独立に水素または炭素数1〜6のアルキル基である。
【化14】
Figure 0003934691
【化15】
Figure 0003934691
【0009】
kとk’は独立に2から10までの整数を表し、mとm’とは独立に0または1であり、Ar1 、Ar2 およびAr3 は独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L’は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または
【化16】
Figure 0003934691
で示される2価の基であり、p’は0または1であり、Rは光学活性基を示し、R’は水素または炭素数1から5までのアルキル基である。〕
【0010】
〔2〕ねじれネマチック配向した液晶組成物を含む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、かつねじれ角が70°以上300°以下での範囲にあり、該液晶組成物は螺旋ピッチが0.2μm以上50μm以下のコレステリック相を示し、かつ〔1〕記載の液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび重合性基を有する低分子化合物を1種類以上含有し、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または重合性基を有する低分子化合物が重合していることを特徴とする光学異方体フィルム。
【0011】
〔3〕ねじれネマチック配向した液晶組成物を含む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、かつねじれ角が70°以上300°以下での範囲にあり、該液晶組成物は螺旋ピッチが0.2μm以上50μm以下のコレステリック相を示し、かつ請求項1記載の液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび(A)以外の液晶オリゴマー(B)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーを含有し、該液晶オリゴマー(B)は下記反復単位(V)および(VI)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマーから選ばれ、該液晶オリゴマー(B)の1分子中の反復単位(V)および(VI)の数をそれぞれn''およびn''' とするとき、n''およびn''' は独立に0から20までの整数であり、かつ4≦n''+n''' ≦21であり、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基が重合していることを特徴とする光学異方体フィルム。
【0012】
【化17】
Figure 0003934691
【化18】
Figure 0003934691
【0013】
(式中、A、R1 、R2 、k’、m’、p’、L’、Ar2 、Ar3 およびR’は前記と同じ意味を示す。k''は2から10までの整数を表し、m''は0または1であり、Ar4 およびAr5 は1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L''は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−または
【化19】
Figure 0003934691
で示される2価の基であり、p''は0または1であり、R''はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基を示す。)
【0014】
〔4〕ねじれネマチック配向した液晶組成物を含む光学異方体フィルムであり、ねじれネマチック配向の螺旋軸がフィルム法線方向とほぼ平行であり、かつねじれ角が70°以上300°以下での範囲にあり、該液晶組成物は螺旋ピッチが0.2μm以上50μm以下のコレステリック相を示し、かつ請求項1記載の液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび(A)以外の液晶オリゴマー(B)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび重合性基を有する低分子化合物1種類以上を含有し、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基および/または重合性基を有する低分子化合物が重合していることを特徴とする光学異方体フィルム。
【0015】
〔5〕前記〔1〕、〔2〕、〔3〕または〔4〕記載の光学異方体フィルムにおいて、Rが下式(VII)または(VIII)で表される液晶オリゴマーを含むことを特徴とする光学異方体フィルム。
【化20】
Figure 0003934691
【化21】
Figure 0003934691
【0016】
〔ここでR3 は−Hまたは下式(IX)を示し、
【化22】
Figure 0003934691
4 は−Hまたはメチル基を示し、R5 は−HまたはR6 を示し、R6 は直鎖もしくは分岐を有する炭素数1〜20のアルキル基または直鎖もしくは分岐を有する炭素数1〜20のアルカノイル基を示し、分岐している場合は不斉炭素を有していてもよい。〕
【0017】
〔6〕前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または〔5〕記載の液晶組成物をフィルムに成膜後、熱処理を行ない、ねじれネマチック配向の螺旋軸をフィルム法線方向にほぼ平行とした後、重合性基を重合することを特徴とする光学異方体フィルムの製造方法。
〔7〕前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または〔5〕記載の光学異方体フィルムと、表面に配向膜を有する透明または半透明である基材とが積層されてなる光学異方体フィルムと基材との積層体。
【0018】
〔8〕基材がガラス板または高分子フィルムであることを特徴とする〔7〕記載の光学異方体フィルムと基材との積層体。
〔9〕電極を有する基板に挟持された、正の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムとの間に、〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または〔5〕記載の光学異方体フィルム、または〔7〕もしくは〔8〕記載の光学異方体フィルムと基材との積層体から選ばれた少なくとも一つを含むことを特徴とする液晶表示装置。
【0019】
次に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる液晶オリゴマー(A)は反復単位(I)および(II)からなる側鎖型液晶オリゴマーである。側鎖型液晶オリゴマーの、骨格鎖はポリ−1−アルキルアクリル酸エステル、ポリシロキサンなどが例示され、直鎖または環状のものが利用できるが、液晶オリゴマーの化学的安定性の観点から、環状の構造が好ましい。ポリ−1−アルキルアクリル酸エステルでは、ポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルが好ましく、より好ましくはポリメタクリル酸エステルである。
これらの中で、ポリシロキサン系の側鎖型液晶オリゴマーが好ましい。液晶性を与える基(以下、メソゲン基ということがある。)は屈曲鎖(以下、スペーサーということがある。)を介して、主鎖と結合したものが一般的に使用できる。
【0020】
側鎖型液晶オリゴマー(A)は、液晶状態を示す上限の温度について特に制限はないが、基材との積層時の乾燥や配向処理のために、液晶相から等方相への転移温度(以下、液晶相/等方相の転移温度と記すことがある。)が200℃以下になるように、好ましくは170℃以下となるように、さらに好ましくは150℃以下となるようにスペーサーの長さやメソゲン基の種類、重合度を選択することが好ましい。これら液晶オリゴマーの結晶相またはガラス相と液晶相との転移温度については特に制限はなく、室温以下の転移温度でも使用できる。
【0021】
本発明で用いる側鎖型液晶オリゴマーは、屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要であるが、その操作の容易さを決める要因としてその反復単位の数が重要である。反復単位の数が大きいと粘度が高く、また液晶転移温度が高いために、配向に高温や長時間が必要になり、また反復単位の数が小さいと配向が室温状態で緩和するので好ましくない。反復単位の数nとn’はそれぞれ独立に1から20までの整数であり、nとn’の合計が4から21となるように選ばれる。液晶オリゴマーの配向性と重合後の配向の固定の観点から、nとn’の比は20:1から1:20の範囲であり、より好ましくは5:1から1:10である。nとn’の比の制御は後述のようにこれら液晶オリゴマーを合成するときに行なうことができる。
【0022】
側鎖型液晶オリゴマーは主鎖とメソゲン基を結ぶスペーサーによっても、液晶相転移温度、配向性が影響される。短いスペーサーではメソゲン基の配向性が良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基の配向後の緩和が起こりやすいことから、スペーサーとして、炭素数2から10までのアルキレン基またはアルキレンオキシ基が好ましい。特に高配向性の観点から炭素数2から6までのアルキレン基またはアルキレンオキシ基が好ましい。また、合成の容易さから、アルキレンオキシ基がより好ましい。具体的には好ましい基として−(CH2 2 −、−(CH2 3 −、−(CH2 4 −、−(CH2 5 −、−(CH2 6 −、−(CH2 3 −O−、−(CH2 4 −O−、−(CH2 5 −O−、−(CH2 6 −O−が例示される。
【0023】
本発明の光学異方体フィルムでは、屈折率の異方性が大きいことが工業上有利である。このためには、メソゲン基は屈折率異方性の大きな基が好ましい。このようなメソゲン基を与える構造としては、反復単位(I)または(II)式中のAr1 、Ar2 、Ar3 が、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジイル基のものが挙げられる。より好ましくは、Ar1 、Ar2 およびAr3 がそれぞれ独立に1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基であり、さらに好ましくは1,4−フェニレン基である。
反復単位(I)におけるR基は液晶オリゴマーのコレステリック相の発現に寄与することから、光学活性基であることが必須であり、コレステリック相の安定化の観点から、下記構造を有する基が好ましい。
【0024】
【化23】
Figure 0003934691
または
【化24】
Figure 0003934691
(ここでR3 は−Hまたは下式を示し、
【化25】
Figure 0003934691
4 は−Hまたはメチル基を示し、R5 は−HまたはR6 を示し、R6 は直鎖または分岐を有する炭素数1〜20のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐している場合は不斉炭素を有していてもよい。)
【0025】
反復単位(I)を持つ直鎖状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられるメソゲン基を表1および表2に例示する。
ここで、例えば、表1におけるスペーサーの欄の番号1は反復単位(I)において、―Ar1 ―Rが
【化26】
Figure 0003934691
であり、R3 基が
【化27】
Figure 0003934691
であり、スペーサーの―(CH2 k ―(O)m −が―(CH2 3 ―である反復単位(k=3、m=0の場合)を表す。以下の番号も同様の意味であり、表2以下においても同様の意味である。
【0026】
【表1】
Figure 0003934691
【0027】
【表2】
Figure 0003934691
【0028】
このうち、より好ましい構造としては番号1〜6および31〜36が挙げられる。
反復単位(II)におけるAr2 とAr3 を結合する2価の基L’としては、−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−もしくは
【化28】
Figure 0003934691
である基、またはAr2 とAr3 が直接結合した基が挙げられる。さらに結合基L' は−CH2 −CH2 −、−COO−、−OCO−基が好ましく、さらに好ましくは−COO−基である。
【0029】
反復単位(II)における末端基は、液晶オリゴマーの配向を重合により固定する基である。重合基としては−OCO−C(R’)=CH2 (R’は水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す)であり、アクリレート基、メタクリレート基が例示される。これらの基の重合方法には特に制限はないが、ラジカル開始剤による光重合や熱重合が例示され、操作の簡便さや配向の固定の効率の観点から、光重合が好ましい。光重合の開始剤としては公知のものが利用できる。
【0030】
反復単位(II)を持つ直鎖状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられる重合性のメソゲン基を表3および表4に例示する。
【表3】
Figure 0003934691
【0031】
【表4】
Figure 0003934691
【0032】
これらの重合性のメソゲン基の中で、メタクリレート基を有する番号67〜72、79〜84、91〜96、139〜144、151〜156の基が好ましく、より好ましくは番号79〜84の基である。これらのメソゲン基は直鎖、または環状ポリシロキサン系主鎖に結合したものが、良好な特性を示すことから好ましく、より好ましくは環状ポリシロキサンに結合したものである
【0033】
本発明の光学異方体フィルムにおいては、目的とする光学特性を達成するために、フィルムのねじれネマチック配向のねじれ角が70°以上300°以下の範囲にあることが必要である。このようなねじれ角を有するフィルムを得るために、用いる液晶組成物のコレステリック相螺旋ピッチ長を好ましくは0.2μm以上50μm以下、さらに好ましくは1μm以上35μm以下、特に好ましくは2μm以上20μm以下に調整することが望ましい。コレステリック相螺旋ピッチ長が小さいとき、得られるフィルムのねじれネマチック配向のねじれ角を70°以上300°以下の範囲に調整するためには、膜厚を薄くする必要があり、十分なリターデーションを得ることが難しい。また、ピッチ長が大きいときは、必要なねじれ角を実現するためにはフィルムの膜厚を厚くしなくてはならず、経済性に問題がある。
液晶組成物のコレステリック相螺旋ピッチ長は、液晶オリゴマー(A)のメソゲンの構造によっても、反複単位(I)および(II)の比率を変化することによっても制御できる。
【0034】
液晶オリゴマー(A)の合成方法としては、特公昭63−41400号公報や特公昭63−47759号公報や特開平2−149544号公報に記載の方法が採用できる。例えば、ポリシロキサン鎖に該側鎖のメソゲン基を付加させる方法やメソゲン基屈曲性のスペーサー基を有するアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを重合する方法が例示される。
ポリシロキサン鎖にメソゲン基を付加する場合には、反復単位(I)または(II)の側鎖のメソゲン基と同じ構造を有し、スペーサーであるアルキレンオキシ基を生成する末端に不飽和2重結合を有するω−アルケニルオキシ基を有する反応原料をポリシロキサンと白金触媒下に反応させることで得られる。この反応時に、非重合性のメソゲン基と重合性のメソゲン基に対応する反応原料仕込み比率で2種類のメソゲン基の結合比率を制御することができる。同様に、主鎖がアクリル酸エステル系またはα−アルキル−アクリル酸エステル系では相当するメソゲン基を有する2種類のモノマーを共重合する際にモノマーの仕込み比率を制御することで重合性メソゲン基と非重合性のメソゲン基の比率を制御できる。
このようにして得られた液晶オリゴマーは、コレステリック相を示すものが好ましく用いられる。
【0035】
液晶組成物の螺旋ピッチ長を制御する別の方法としては、液晶オリゴマー(A)に他の液晶オリゴマーや低分子化合物を混合する方法が挙げられる。
オリゴマー(A)に他の液晶オリゴマーを混合する場合、混合する液晶オリゴマーとしては、液晶オリゴマー(A)から選ばれる液晶オリゴマーの他に、反復単位(V)および/または(VI)を主成分とする液晶オリゴマー(B)が挙げられる。
【0036】
本発明で用いる側鎖型液晶オリゴマーは、屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要であるが、その操作の容易さを決める要因として液晶オリゴマー(B)反復単位の数が重要である。反復単位の数が大きいと粘度が高く、また液晶転移温度が高いために、配向に高温や長時間が必要になり、また反復単位の数が小さいと配向が室温状態で緩和するので好ましくない。反復単位の数n''とn''' はそれぞれ独立に0から20までの整数であり、n''とn''' の合計が4から21までの整数となるように選ばれる。n''とn''' の比は任意に選ぶことができ、n''とn''' の比の制御はこれら液晶オリゴマーを合成するときに行なうことができる。
【0037】
側鎖型液晶オリゴマーは主鎖とメソゲン基を結ぶスペーサーによっても、液晶相転移温度、配向性が影響される。短いスペーサーではメソゲン基の配向性が良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基の配向後の緩和が起こりやすいことから、スペーサーとして、炭素数2から10までのアルキレン基またはアルキレンオキシ基が好ましい。特に、高配向性の観点から炭素数2から6までのアルキレン基またはアルキレンオキシ基が好ましい。また、合成の容易さから、アルキレンオキシ基がより好ましい。具体的には好ましい基として−(CH2 2 −、−(CH2 3 −、−(CH2 4 −、−(CH2 5 −、−(CH2 6 −、−(CH2 3 −O−、−(CH2 4 −O−、−(CH2 5 −O−、−(CH2 6 −O−が例示される。
【0038】
得られる光学異方体フィルムの屈折率異方性大きくするために、液晶オリゴマー(B)においても、メソゲン基は屈折率異方性の大きな基が好ましい。このようなメソゲン基を与える構造としては、反復単位(V)および(VI)式中のAr2、Ar3、Ar4 およびAr5 が、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジイル基のものが挙げられる。より好ましくは、Ar2、Ar3、Ar4 およびAr5 が、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基であり、さらに好ましくは1,4−フェニレン基である。
【0039】
反復単位(V)および(VI)式中のAr2 およびAr3 、Ar4 およびAr5 を結合する2価の基L’、L''としては、−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=CH−もしくは
【化29】
Figure 0003934691
である基、またはAr2 とAr3 またはAr4 とAr5 が直接結合した基が挙げられる。さらに結合基L' およびL''はそれぞれ独立に−CH2 −CH2 −、−COO−または−OCO−基が好ましく、さらに好ましくは−COO−基である。
【0040】
反復単位(V)におけるR”基は、メソゲン基の誘電率異方性や配向性に影響するため、屈折率異方性の高い液晶オリゴマーフィルムを得る観点から、ハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基が選ばれる。好ましくは、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基であり、より好ましくはシアノ基である。
反復単位(V)に示される繰り返し単位を有する直鎖状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられるメソゲン基を表5、表6、表7および表8に例示する。
【0041】
【表5】
Figure 0003934691
【0042】
【表6】
Figure 0003934691
【0043】
【表7】
Figure 0003934691
【0044】
【表8】
Figure 0003934691
【0045】
これらのメソゲン基のなかで、シアノ基を有する番号157〜162、187〜192、217〜222、337〜342および367〜372の基が好ましく、より好ましくは番号187〜192である。これらのメソゲン基はポリシロキサン系主鎖に結合したものが高い配向性を示すことから好ましく、より好ましくは環状シロキサンに結合したものが好ましい。
【0046】
反復単位(VI)における末端基は、液晶オリゴマーの配向を重合により固定する基である。重合基としては−OCO−C(R’)=CH2 (R’は水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基を表す)であり、アクリレート基、メタアクリレート基が例示される。これらの基の重合方法には特に制限はないが、ラジカル開始剤による光重合や熱重合が例示され、操作の簡便さや配向の固定の効率の観点から、光重合が好ましい。光重合の開始剤としては公知のものが利用できる。
【0047】
反復単位(VI)を持つ直鎖状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられる重合性のメソゲン基としては表3および表4と同じものが例示される。
表3および表4記載の重合性のメソゲン基の中で、メタクリレート基を有する番号67〜72、79〜84、91〜96、139〜144、151〜156の基が好ましく、より好ましくは番号79〜84の基である。これらのメソゲン基は直鎖、または環状ポリシロキサン系主鎖に結合したものが、良好な特性を示すことから好ましく、より好ましくは環状ポリシロキサンに結合したものである
液晶オリゴマー(B)の合成方法としては液晶オリゴマー(A)と同様の方法が採用できる。
【0048】
このようにして得られる液晶オリゴマー(B)はネマチック相を示すものが好ましい。また、液晶オリゴマー(A)または液晶オリゴマー(A)と(B)の混合物に低分子化合物を混合してコレステリック相螺旋ピッチ長を制御する場合、光学異方体フィルムの製造において液晶組成物を配向後重合させるため、重合後の相溶性が重要である。このため、用いる低分子化合物は重合性基を有しているものが好ましい。
また、液晶オリゴマーに添加する重合性の低分子化合物の構造としては、均一に混合するために、液晶相を示すものが好ましい。
重合性低分子化合物としては、以下のような化合物が例示されるが、これらは本発明に用いることができる低分子化合物を限定するものではない。
【化30】
Figure 0003934691
(上記具体例において、aは1〜10の整数を表し、bは0〜10の整数を表し、Rは炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基またはアルコキシ基を示す。Rが分岐している場合は光学活性であってもよい。)
また、低分子化合物の添加量は液晶組成物の0〜50wt%が好ましく、より好ましくは0〜40%である。低分子化合物の添加量が50%を超えると、成膜性や配向の安定性が損なわれる可能性がある。
【0049】
本発明の光学異方体フィルムの製造法は、液晶組成物を成膜した後、熱処理を行い、ねじれネマチック配向の螺旋軸をフィルム法線方向にほぼ平行とした後、重合性基を重合する方法である。液晶組成物を成膜する方法としては特に制限はないが、平滑な基材上に成膜することが一般的である。基材上に成膜した光学異方体フィルムは基材からはがして使用することもできるし、基材とともに使用することもできる。成膜に用いた基材とともに使用する場合、用いる基材としては透明または半透明の基材が好ましく、具体的にはガラスなどの無機質基板や、高分子フィルムなどが挙げられる。
無機質基板としては透明もしくは半透明のガラス板、または液晶セルに使用されるガラス板の外側や、Si、Al、Mg、Zrなどの酸化物やフッ化物などの無機化合物やセラミックスが例示される。
高分子フィルムとしてはポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが例示され、より好ましくはポリカーボネート、ポリスルホン、3酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンが例示される。
用いる高分子フィルムの厚みは特に制限はないが、1μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上300μm以下、さらに好ましくは40μm以上200μm以下である。
これらの高分子フィルムの製造方法としては、溶剤キャスト法、押出成形法、プレス成形法などの成形方法を用いればよい。
【0050】
また、基材が高分子フィルムの場合は、後述するように液晶オリゴマーの熱処理を行うに際し、用いる基材のガラス転移温度、または添加材が添加されている基材では基材の流動温度以上では基材の変形が生じるなどの製法上の問題を避けるために、熱処理温度に応じた基材を選択することが好ましい。
【0051】
本発明の光学異方体フィルムにおいては、液晶組成物をねじれネマチック配向の螺旋軸がフィルム法線方向と平行になるように配向させるが、このようなねじれネマチック配向を実現するには、基板表面に水平配向処理を行うのが一般的である。
水平配向処理法としてはラビング法や斜方蒸着法など公知の方法を用いることができるが、工業化の点からラビング法がより好ましい。
ラビング法を用いる場合、液晶オリゴマーを成膜する前の基材を直接ラビングするか、基材上に配向膜を形成した後ラビング処理を行なうが、配向の安定性の点から配向膜を形成後ラビング処理を行う方法が好ましい。
配向膜としては液晶分子を水平配向させるものであれば公知のものが使用可能である。例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコールなどが例示される。
配向膜の塗布法としては、ロールコート法、グラビアコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、プリント法、ディッピング法などが例示される。
【0052】
配向膜の膜厚については、一般的に0.01μm以上であれば配向性能を発揮するが、配向膜が厚すぎると作業性が悪くなることから、0.01〜5.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜3.0μmである。
次いで、塗布した配向膜の種類に応じて、乾燥、硬化などの後処理を行ったのち、配向膜のラビングを行う。ラビング方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えばラビングローラーを用いる場合は、ラビングローラーの材質や、ラビングローラーの配向膜への押し込み量、基材に対するローラーの移動速度、ラビング回数などに特に制限はなく、配向膜の種類や、液晶オリゴマーの種類などに応じて、最適な条件を選択すればよい。
【0053】
斜方蒸着法としては無機物の斜蒸着膜を使う方法が例示され、無機物としては蒸着時に柱状成長するものが好ましく、SiO、SiO2 、SiOx (ここで1<x<2)、MgO、MgOy (ここで0<y<1)、MgF2 、Pt、ZnO、MoO3 、WO3 、Ta25、SnO2 、CeO2 、LiNbO3 、LiTaO3 、ZrO2 、Bi23 、TiZrO4 、HfO2 などが例示され、この中でもSiO、SiO2 、SiOx (ここで1<x<2)、MgO、MgOy (ここで0<y<1)、MgF2 、Pt、ZnOが好ましく用いられ、更に好ましくはSiO、SiO2 、SiOx (ここで1<x<2)が用いられる。
斜方蒸着法については、抵抗加熱による蒸着や電子線加熱による蒸着方法やスパッタリング法が例示される高融点の無機物を蒸着するため電子線加熱による蒸着法やスパッタリング法が好ましい。蒸着の際の真空度は特に制限はないが、蒸着膜の均一性の観点から圧力の上限が決まり、生産性の観点から圧力の下限が決まる。具体的には1×10-3〜1×10-7Torrが例示され、好ましくは5×10-4〜5×10-6Torrである。
無機物の蒸着速度については、蒸着速度が小さいと生産性が悪くなり、蒸着速度が大きいと蒸着膜の均一性が悪くなることから、蒸着速度は0.01〜10nm/秒が好ましく、更に好ましくは0.1〜5nm/秒である。
蒸着した無機物の膜厚については、膜厚が薄いと配向が悪くなり、膜厚が厚いと生産性が悪くなることから0.01μm〜1000μmが例示され、好ましくは0.05〜100μm、更に好ましくは0.1〜5μmである。
【0054】
次いで水平配向処理を施した基材上に液晶組成物を成膜する。該液晶組成物の成膜方法としては、液晶組成物を溶液状態で塗布する方法、等方相状態で塗布する方法が例示され、溶液状態から塗布する方法が好ましい。塗布方法としては通常のロールコート法、グラビアコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、プリント法、デッピング法などが例示される。
得られるフィルムの厚みとしては0. 1〜20μmが好ましく、さらに好ましくは0. 5〜10μmであり、特に好ましくは1〜7μmである。0. 1μmより薄いと光学的な特性の発現が小さくなり、20μmを超えると経済的に好ましくない。
【0055】
次いで液晶組成物の熱処理を行う。熱処理温度をTt (℃)、液晶組成物の結晶相またはガラス相から液晶相への転移温度をTg (℃)、基材や配向膜の変形が生じる温度をTk (℃)と書くことにすると、熱処理温度は(Tg +30)≦Tt ≦(Tk −30)が好ましく、(Tg +40)≦Tt ≦(Tk −40)の範囲で熱処理することがより好ましく、製造の容易さを考えると60〜200℃の範囲で行うことが好ましい。
熱処理時間はあまり短いとねじれネマチック配向が実現せず、あまり長いと工業的に好ましくないので、0.2分以上20時間以下が好ましく、1分以上1時間以下がさらに好ましい。
以上の熱処理により、液晶組成物は、フィルム法線方向に平行な螺旋軸を有するねじれネマチック配向をするようになる。熱処理における加熱速度、冷却速度については特に制限はない。
次いでねじれネマチック配向を固定化するために、液晶組成物を重合する。重合方法としては配向を保持したままで重合することが必要であるから、光重合、γ線などの放射線重合や熱重合が例示される。光重合や熱重合では公知の重合開始剤を用いることができる。これらの重合方法の中で工程の簡単さから、光重合と熱重合が好ましく、さらに、配向の保持の良好さから光重合がより好ましい。
【0056】
光重合を行う場合の照射光強度は、フィルムの厚みや用いる液晶組成物の種類に応じて最適値を選択すればよいが、好ましくは0.01〜5.0J/cm2 の範囲であり、より好ましくは0.1〜3.0J/cm2 である。照射光量が0.01J/cm2 より少ない場合は重合基の反応が不十分となる可能性があり、5.0J/cm2 より多いと製造コスト上問題である。
【0057】
本発明の液晶表示装置は、電極を有する基板に挟持された、正の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムとの間に、本発明の光学異方体フィルム、または光学異方体フィルムと基材との積層体から選ばれた少なくとも一つを含むものである。電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液晶セルの具体例としては、ねじれ角が約90度のTN型液晶セルやねじれ角が180度から300度のSTN型液晶セルが挙げられる。本発明の液晶表示装置においては偏光板および本発明の光学異方体フィルムの配置方法は特に限定はなく、要求特性に応じて適当な配置を選ぶことができる。また該液晶表示装置において、光学異方体フィルムは偏光板と液晶セルの間であれば、液晶セルの片側のみに配置されていてもよいし、両側に配置されていてもよい。
【0058】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
液晶オリゴマーの相転移温度は走査型示差熱量計(DSC)および偏光顕微鏡によるテクスチャー観察により決定した。
また、得られた光学異方体フィルムのねじれ角は、光学異方体フィルムに直線偏光を入射し、出射する直線偏光の振動方向を測定(MCPD−1000、大塚電子社製を使用)することで求めた。光学異方体フィルムの位相差〔Δn・d(Δnはフィルムのみかけの屈折率異方性、dは膜厚を示す。〕はセルギャップ測定装置(TFM−120AFT、オーク製作所製)を用い、得られる透過光スペクトルを解析して求めた。
【0059】
実施例1
洗浄したガラス基板にポリビニルアルコール配向膜をスピンコート法により成膜し、100℃で1時間熱処理した。得られた配向膜の膜厚は約0.05μmであった。次いで配向膜をラビングマシーンを用いてラビングした。
特公昭63−41400号公報記載の方法と同様にして、下記のビニルモノマー(1)と(2)を7:3の混合比でペンタメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペンタシロキサン液晶オリゴマー(A)を得た。
【0060】
【化31】
Figure 0003934691
【0061】
この液晶オリゴマーのガラス転移温度は14℃、等方相への転移温度は114℃であり、14℃〜114℃でコレステリック相を示した。また、この液晶オリゴマーとネマチック液晶との組成物の選択反射波長の測定値より外挿した結果、液晶オリゴマー単独の選択反射波長は280nmであった。この波長よりこの液晶オリゴマーのコレステリック相螺旋ピッチは0.2μmと計算される。
次いで上述の方法と同様にビニルモノマー(3)をペンタメチルシクロペンタシロキサンと反応させ環状ペンタシロキサン液晶オリゴマー(B)を得た。
【化32】
Figure 0003934691
【0062】
この液晶オリゴマーのガラス転移温度は20℃、等方相への転移温度は97℃であり、20℃〜97℃でネマチック相を示した。
得られた液晶オリゴマー(A)および(B)を3:97(重量比)で混合し、トルエンに固形分が30wt%になるように溶解し、さらに光重合開始剤としてイルガキュア―907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに対して2.0wt%になるように混合した。この溶液をポリビニルアルコール配向膜付きガラス基板にスピンコートした。
【0063】
得られた液晶オリゴマーフィルムは偏光顕微鏡で観察した結果、コレステリック相を示していることが確認された。また、この液晶オリゴマーは白濁しており、偏光顕微鏡で観察したところ、全く配向していなかった。
次いでこの液晶オリゴマーフィルムを等方相になる温度まで加熱した後、徐冷することにより配向させた。その後、高圧水銀ランプを用いて積算光量が0.2J/cm2 になるように紫外線を照射した。
得られた液晶オリゴマー重合物フィルムは光学異方体フィルムであり、この膜厚は3.0μmであり、ねじれ角は243°、室温におけるΔn・dは0.748μmであった。
また、得られた光学異方体フィルムの55℃におけるΔn・dを測定したところ、0.646μmであり、室温におけるΔn・dの86%であった。
【0064】
実施例2
実施例1における液晶オリゴマー(A)および(B)の比率を4:96(重量比)で混合した以外は、実施例1と同様にして液晶オリゴマーフィルムを作製した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムは光学異方体フィルムであり、この膜厚は3.4μmであり、ねじれ角は220°、室温におけるΔn・dは0.980μmであった。
また、得られた光学異方体フィルムの55℃におけるΔn・dを測定したところ、0.906μmであり、室温におけるΔn・dの92%であった。
【0065】
比較例1
フィルム面内に光学軸を有し、かつ正の屈折率異方性を有する、熱可塑性高分子からなる一軸配向した位相差フィルムとしてポリカーボネート製の位相差フィルム〔商品名スミカライト(SEF―400426)住友化学工業(株)製、Δn・d=380nm、視野角39°〕のΔn・dの温度依存性を測定したところ、室温と55℃でほとんど変化がなかった。
【0066】
実施例3
実施例1における液晶オリゴマー(A)および(B)の比率を5:95(重量比)で混合した以外は、実施例1と同様にして液晶オリゴマーフィルムを作製した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は2.8μmであり、ねじれ角は213°、室温におけるΔn・dは0.925μmであった。
得られた液晶オリゴマー重合体フィルムは光学異方体フィルムであり、これをSTN液晶セルと偏光板の間に挿入すると、視野角特性やコントラストに優れたSTN液晶パネルが得られる。
また、該光学異方体フィルムは、Δn・dの温度依存性がSTN液晶セルに近いことから、高温での視野角特性やコントラストが改善できる。
【0067】
【発明の効果】
本発明のねじれネマチック配向を有する光学異方体フィルムを用いることで広視野角の位相差板が得られる。
また、これらをTN型やSTN型液晶表示装置に適用することにより、液晶表示装置の表示特性、特に視野角特性を著しく向上させることができる。
さらに、本発明の光学異方体フィルムは、屈折率異方性の温度依存性が液晶パネルに近いことから、広い温度範囲において液晶セルの視野角特性を改善することができる。

Claims (8)

  1. ねじれネマチック配向した液晶組成物を含む光学異方体フィルムであって
    ねじれネマチック配向の螺旋軸がフィルム法線方向にほぼ平行であり、かつねじれ角が70°以上300°以下の範囲にあり、
    該液晶組成物は螺旋ピッチ0.2μm以上50μm以下のコレステリック相を示し、かつ下記反復単位(I)および(II)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーを含み、
    該液晶オリゴマー(A)の1分子中の反復単位(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn’とするとき、nおよびn’は1から20までの整数であり、かつ4≦n+n’≦21であり、n:n’の比は20:1〜1:20であり、
    反復単位(II)の末端基が重合していることを特徴とする光学異方体フィルム。
    Figure 0003934691
    Figure 0003934691
    〔式中、Aは下式(III
    Figure 0003934691
    表される基であり、式(III)において−Si−O−は式(I)または(II)の主鎖であり
    1 およびR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基であり;
    kおよびk’はそれぞれ独立に2から10までの整数を表し
    およびm’はそれぞれ独立に0または1であり
    Ar1、Ar2およびAr3それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジイル基であり
    L’は−CH2−O−、−O−CH2−、−COO−、−OCO−、−CH2−CH2−、−CH=N−、−N=CH−または
    Figure 0003934691
    で示される2価の基であり
    p’は0または1であり
    Rは下式(VII)または(VIII)
    Figure 0003934691
    で表される光学活性基を示し、ここでR 3 は−Hまたは下式(IX)
    Figure 0003934691
    を示し、ここにR 4 は−Hまたはメチル基を示し、R 5 は−HまたはR 6 を示し、R 6 は直鎖もしくは分岐を有する炭素数1〜20のアルキル基または直鎖もしくは分岐を有する炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐している場合は不斉炭素を有していてもよく;
    R’は水素または炭素数1から5までのアルキル基である。〕
  2. 液晶組成物は液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーに加えて、重合性基を有する低分子化合物を1種類以上含有し、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または重合性基を有する低分子化合物が重合していることを特徴とする請求項1記載の光学異方体フィルム。
  3. 液晶組成物は液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーに加えて、(A)以外の液晶オリゴマー(B)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーを含有し、該液晶オリゴマー(B)は下記反復単位(V)および(VI)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマーから選ばれ、該液晶オリゴマー(B)の1分子中の反復単位(V)および(VI)の数をそれぞれn''およびn''' とするとき、n''およびn''' は独立に0から20までの整数であり、かつ4≦n''+n''' ≦21であり、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基が重合していることを特徴とする請求項1記載の光学異方体フィルム。
    Figure 0003934691
    Figure 0003934691
    (式中、A、R1、R2、k’、m’、p’、L’、Ar2、Ar3およびR’は前記と同じ意味を示し;
    k''は2から10までの整数を表し
    m''は0または1であり
    Ar4およびAr5それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジイル基であり
    L''は−CH2−O−、−O−CH2−、−COO−、−OCO−、−CH2−CH2−、−CH=N−、−N=CH−または
    Figure 0003934691
    で示される2価の基であり
    p''は0または1であり
    R''はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基を示す。)
  4. 液晶組成物は液晶オリゴマー(A)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーに加えて、(A)以外の液晶オリゴマー(B)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび重合性基を有する低分子化合物1種類以上を含有し、該液晶オリゴマー(B)は下記反復単位(V)および(VI)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマーから選ばれ、該液晶オリゴマー(B)の1分子中の反復単位(V)および(VI)の数をそれぞれn '' およびn ''' とするとき、n '' およびn ''' は独立に0から20までの整数であり、かつ4≦n '' +n ''' ≦21であり、液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/または液晶オリゴマー(B)の反復単位(VI)の末端基および/または重合性基を有する低分子化合物が重合していることを特徴とする請求項1記載の光学異方体フィルム。
    Figure 0003934691
    Figure 0003934691
    (式中、A、R 1 、R 2 、k’、m’、p’、L’、Ar 2 、Ar 3 およびR’は前記と同じ意味を示し;
    '' は2から10までの整数を表し;
    '' は0または1であり;
    Ar 4 およびAr 5 はそれぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジイル基であり;
    '' は−CH 2 −O−、−O−CH 2 −、−COO−、−OCO−、−CH 2 −CH 2 −、−CH=N−、−N=CH−または
    Figure 0003934691
    で示される2価の基であり;
    '' は0または1であり;
    '' はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基を示す。)
  5. 請求項1、2、3または4記載の液晶組成物をフィルムに成膜後、熱処理を行ない、ねじれネマチック配向の螺旋軸をフィルム法線方向にほぼ平行とした後、重合性基を重合することを特徴とする光学異方体フィルムの製造方法
  6. 請求項1、2、3または4記載の光学異方体フィルムと、表面に配向膜を有する透明または半透明である基材とが積層されてなる光学異方体フィルムと基材との積層体
  7. 基材がガラス板または高分子フィルムであることを特徴とする請求項6記載の光学異方体フィルムと基材との積層体。
  8. 電極を有する基板に挟持された、正の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムとの間に、請求項1、2、3もしくは4記載の光学異方体フィルム 、または請求項6もしくは7記載の光学異方体フィルムと基材との積層体から選ばれた少なくとも一つを含むことを特徴とする液晶表示装置
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