JP3452649B2 - 光学異方体フィルムとその製造方法および位相差板と液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体フィルムとその製造方法および位相差板と液晶表示装置

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JP3452649B2
JP3452649B2 JP17568594A JP17568594A JP3452649B2 JP 3452649 B2 JP3452649 B2 JP 3452649B2 JP 17568594 A JP17568594 A JP 17568594A JP 17568594 A JP17568594 A JP 17568594A JP 3452649 B2 JP3452649 B2 JP 3452649B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子などに用い
られる位相差フィルムの部材として有用な、液晶オリゴ
マー組成物または液晶オリゴマー組成物重合物からなる
光学異方体フィルム、その製造方法、該光学異方体フィ
ルムを用いた位相差フィルム、およびそれらを用いた液
晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは光学的均質性と耐久性
を備え、一軸配向性を有する高分子フィルムであって、
液晶表示素子の表示品質を向上させるための光学補償板
として一般に用いられている。位相差フィルムを用いた
スーパーツイストネマチック(以下STNということが
ある)型液晶表示素子は、軽い、薄い、安価である等の
長所を持つ反面、視野角特性が悪い、白黒のレベルが劣
っているなどの短所を有していた。これらの短所は位相
差フィルムを2枚積層するなどの方法によりかなり改良
されてきたが、視野角特性についてはいまだ満足できる
レベルに達していなかった。
【0003】液晶表示素子の視野角特性は表示用液晶セ
ルの複屈折性の角度依存性のみならず、位相差フィルム
のレターデーションの角度依存性に大きく相関してお
り、従来の位相差フィルムではレターデーションの角度
変化が小さいほど好ましいことが知られている。このた
めには液晶性材料を垂直配向させ、フィルム面の法線方
向の屈折率の高い位相差フィルムを用いることが提案さ
れている。特開平2−73327号公報および特開平2
−105111号公報には、正の屈折率異方性を有する
一軸配向性の複屈折体(表示用液晶セル)の背景色の角
度変化を低減するために、面内の屈折率は等方的である
が、厚み方向の屈折率が面内の屈折率より大きいような
複屈折性層を用いる方法が開示されている。そのような
屈折率異方性を有する材料として、ホメオトロピック
(垂直)配向させた補償用液晶セルが例示されている。
【0004】また、特開平2−256023号公報に
は、フイルム面の法線方向に光学軸を有するフィルムと
正の複屈折値を有する位相差フィルムとを利用すること
により、レターデーションの角度変化が低減でき、視野
角特性が改良された位相差フィルムが得られることが記
載されている。フィルムの法線方向に光学軸を有するフ
ィルムとして、光重合性の化合物と液晶モノマーを混合
し、電場の中で液晶モノマーの配向を維持しつつ、重合
を進行させ、法線方向の配向を固定する方法が挙げられ
ている。
【0005】特開平4−16916号公報には、厚み方
向の屈折率が面内の屈折率より大きい複屈折層を用い、
該複屈折層が垂直配向した高分子液晶からなるものが開
示されている。高分子液晶を垂直配向させる方法につい
ては、液晶温度に加熱したのち、厚み方向に電場または
磁場を印加する方法、およびシラン化合物のような垂直
配向剤で表面を処理した2枚の基材で挟み込み、液晶温
度で垂直配向させる方法が開示され、高分子の延伸によ
って得られる位相差フィルムと組み合わせることにより
視野角特性に優れた位相差フィルムが得られることが示
されている。一方、水酸基を側鎖に有する高分子である
ポリビニルアルコールは液晶表示装置中の液晶の水平配
向膜として用いられ、透明電極の基板上に塗布され、ラ
ビング処理することにより、液晶分子を水平に配向させ
ることが知られている。
【0006】しかしながら、液晶オリゴマーと親水性基
材やハードコート処理した高分子フィルムとを積層した
高分子積層フィルムの光学軸が法線方向とほぼ平行であ
るものは知られていない。また、高分子液晶/高分子積
層フィルムと位相差フィルムとの複合位相差フィルムに
ついて、これまでの方法では、フィルムの法線方向に光
学軸を有するフィルムと位相差フィルムと組み合わせた
場合、フィルムの法線方向に光学軸をもたせるために、
配向緩和の大きな液晶モノマーの配向を維持しつつ、光
重合を行ったり、電場、磁場などの外場を必要とした
り、疎水化した2枚基板に挟み込み、剥離する操作を必
要とした。高分子量の液晶では配向方法が複雑であり、
また、低分子液晶では配向の固定が困難であった。この
ように、従来の方法では、工業的に有利な製造方法が確
立されていないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広視
野角を与える液晶オリゴマー組成物または液晶オリゴマ
ー組成物重合物を含有する光学異方体フィルム、該フィ
ルムの工業的に有利な製造方法、広視野角を与え、白黒
レベルに優れた、該フィルムと位相差フィルムとの積層
体と複合位相差板、およびそれらを用いた、視野角特性
が著しく向上し、白黒レベルに優れた液晶表示装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決するために鋭意検討した結果、正の屈折率異方性
を有しネマチック相またはスメクチック相を示す液晶オ
リゴマー組成物をホメオトロピック配向させて得られる
光学異方体フィルムの光学特性が向上することを見いだ
した。本発明の方法により、親水性の基材やハードコー
トした高分子フィルムの上で基材面の法線方向とほぼ平
行な光学軸を有する、液晶オリゴマー組成物またはその
重合体からなる光学異方体フィルムを得ることができ、
さらに該光学異方体フィルムと一軸配向性を有する位相
差フィルムとを組み合わせることにより、白黒レベルに
優れ、良好な視野角特性を有した液晶表示素子が得られ
ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、次に記す発明からな
る。 〔1〕正の屈折率異方性を有し、ネマチック相またはス
メクチック相を示す液晶オリゴマー(A)、および
(A)以外であって、正の屈折率異方性を有し、ネマチ
ック相を示す液晶オリゴマー(B)からなる組成物を含
有する光学異方体フィルムであり、該フィルムの光学軸
がフィルムの法線方向にほぼ平行であり、該液晶オリゴ
マー(A)は下記反復単位(I)および(II)を主た
る構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー化合
物から選ばれ、該オリゴマー化合物1分子中の反復単位
(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn’とす
るとき、nは0から20までの整数であり、n’は1か
ら20までの整数であり、かつ4≦n+n’≦21であ
り、
【化7】
【化8】
【0010】〔式中Aは下式(III)または(IV)
で表される基であり、式(III)において−Si−O
−は式(I)または(II)の主鎖であり、式(IV)
において−C−CH2 −は式(I)または(II)の主
鎖であり、COO基は側鎖のR 1 またはR2 ではない側
鎖に位置する。式(I)においてAが式(III)のと
き、および式(II)においてAが式(III)のと
き、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜
6のアルキル基またはフェニル基である。式(I)にお
いてAが式(IV)のとき、および式(II)において
Aが式(IV)のとき、R1 、R2 は独立に水素また
は炭素数1〜6のアルキル基である。
【化9】
【化10】 kとk’は独立に2から10までの整数を表し、mと
m’は独立に0または1であり、Ar1 、Ar2 、Ar
3 およびAr4 は独立に1,4−フェニレン基、1,4
−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、
ピリミジン−2、5−ジイル基であり、LとL’は独立
に−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−O
CO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=C
H−または
【化11】 で示される2価の基であり、pとp’は独立に0または
1であり、Rはハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6
〜10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル
基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベン
ゾイルオキシ基であり、R’は水素または炭素数1から
5までのアルキル基である。〕 該液晶オリゴマー(B)は下記反復単位(V)を主たる
構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー化合物
から選ばれ、該液晶オリゴマー化合物1分子中の反復単
位(V)の数をn”とするときn”は4から21までの
整数であることを特徴とする光学異方体フィルム。
【化12】 〔式中A、R1 、k、m、Ar1 、Ar2 、L、pおよ
びRの定義は反復単位(I)における定義と同じであ
る。〕
【0011】〔2〕液晶オリゴマー(A)の反復単位
(II)の末端基が重合していることを特徴とする前記
〔1〕記載の光学異方体フィルム。
【0012】〔3〕前記〔1〕記載の液晶オリゴマー組
成物をフィルムに成膜後、熱処理を行ない光学軸をフィ
ルム法線方向にほぼ平行とすることを特徴とする〔1〕
記載の光学異方体フィルムの製造方法。
【0013】〔4〕前記〔1〕記載の液晶オリゴマー組
成物をフィルムに成膜後、熱処理を行ない光学軸をフィ
ルム法線方向にほぼ平行とした後、反復単位(II)の
末端基を重合することを特徴とする〔2〕記載の光学異
方体フィルムの製造方法。
【0014】〔5〕前記〔1〕または〔2〕記載の光学
異方体フィルムと、透明または半透明であり表面が親水
性である基材とが積層されてなる積層体。
【0015】〔6〕表面が親水性である基材がガラス、
親水性高分子フィルム、親水性高分子と透明もしくは半
透明の高分子フィルムとの積層フィルム、または親水性
の無機化合物と透明もしくは半透明の高分子フィルムと
の積層フィルムから選ばれることを特徴とする〔5〕記
載の積層体。
【0016】〔7〕透明または半透明である高分子フィ
ルム表面をハードコート処理したものと、〔1〕または
〔2〕記載の光学異方体フィルムとが積層されてなる積
層体。
【0017】〔8〕表面が親水性である基材が、フィル
ム面内に光学軸を有し、かつ正の屈折率異方性を有す
る、熱可塑性高分子からなる一軸配向した位相差フィル
ムを含み、光学異方体フィルムと該基材との積層体の屈
折率が下記式(1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ積層体の面内の屈折率の
最大値、最小値を表し、nZ は積層体の厚み方向の屈折
率を表す。)を満たすことを特徴とする〔5〕記載の積
層体。
【0018】
〔9〕高分子フィルムが、フィルム面内に
光学軸を有し、かつ正の屈折率異方性を有する、熱可塑
性高分子からなる一軸配向した位相差フィルムを含み、
光学異方体フィルムと該基材との積層体の屈折率が下記
式(1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ積層体の面内の屈折率の
最大値、最小値を表し、nZ は積層体の厚み方向の屈折
率を表す。)を満たすことを特徴とする〔7〕記載の積
層体。
【0019】〔10〕フィルム面内に光学軸を有し、か
つ正の屈折率異方性を有する、熱可塑性高分子からなる
一軸配向した位相差フィルムと、〔5〕もしくは〔6〕
記載の光学異方体フィルムと親水性基材との積層体とを
積層してなる複合位相差板であり、該複合位相差板の屈
折率が下記式(1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ複合位相差板の面内の屈
折率の最大値、最小値を表し、nZ は複合位相差板の厚
み方向の屈折率を表す。)を満たすことを特徴とする複
合位相差板。
【0020】〔11〕フィルム面内に光学軸を有し、か
つ正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる一
軸配向した位相差フィルムと、〔7〕記載の光学異方体
フィルムと高分子フィルムとの積層体とを積層してなる
複合位相差板であり、該複合位相差板の屈折率が下記式
(1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ複合位相差板の面内の屈
折率の最大値、最小値を表し、nZ は複合位相差板の厚
み方向の屈折率を表す。)を満たすことを特徴とする複
合位相差板。
【0021】〔12〕電極を有する基板に挟持された、
正の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にか
つ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層から
なる液晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムと
の間に、〔1〕もしくは〔2〕記載の光学異方体フィル
ム、または〔5〕もしくは〔6〕記載の光学異方体フィ
ルムと親水性基材との積層体、または〔7〕記載の光学
異方体フィルムと高分子フィルムとの積層体から選ばれ
た少なくとも一つを含むことを特徴とする液晶表示装
置。
【0022】〔13〕電極を有する基板に挟持された、
正の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にか
つ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層から
なる液晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムと
の間に、〔8〕記載の光学異方体フィルムと親水性基材
との積層体、または
〔9〕記載の光学異方体フィルムと
高分子フィルムとの積層体、または〔10〕もしくは
〔11〕記載の複合位相差板から選ばれた少なくとも一
つを含むことを特徴とする液晶表示装置。
【0023】〔14〕前記〔13〕記載の液晶表示装置
において、光学異方体フィルムが、位相差フィルムと偏
光フィルムとの間に設置されていることを特徴とする
〔13〕記載の液晶表示装置。
【0024】〔15〕電極を有する基板に挾持された、
正の誘電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平に配
向した液晶層からなる液晶セルと、その外側に配置され
る偏光フィルムとの間に、〔1〕または〔2〕記載の光
学異方体フィルム、または〔5〕もしくは〔7〕記載の
積層体から選ばれた少なくとも一つを含むことを特徴と
する液晶表示装置。
【0025】次に、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる液晶オリゴマー(A)は、液晶状態で正の屈折率
異方性を有し、ネマチック相またはスメクチック相をと
る側鎖型液晶オリゴマーである。また、本発明に用いる
液晶オリゴマー(B)は、(A)以外であって、液晶状
態で正の屈折率異方性を有し、ネマチック相をとる側鎖
型液晶オリゴマーである。いずれの側鎖型液晶オリゴマ
ーにおいても、骨格鎖はポリ−1−アルキルアクリル酸
エステル、ポリシロキサンなどが例示され、直鎖あるい
は環状のものが利用できるが、液晶オリゴマーの化学的
安定性の観点から、環状の構造が好ましい。ポリ−1−
アルキルアクリル酸エステルではポリメタクリル酸エス
テルまたはポリアクリル酸エステルが好ましく、より好
ましくはポリメタクリル酸エステルである。
【0026】これらの中で、ポリシロキサン系の側鎖型
液晶オリゴマーが好ましい。液晶性を与える基(以下、
メソゲン基ということがある。)は屈曲鎖(以下、スペ
ーサーということがある。)を介して、主鎖と結合した
ものが一般的に使用できる。
【0027】本発明で用いる側鎖型液晶オリゴマーは、
屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要
であるが、その操作の容易さを決める要因としてその反
復単位の数が重要である。反復単位の数が大きいと粘度
が高く、また液晶転移温度が高いために、配向に高温や
長時間が必要になり、また反復単位の数が小さいと配向
が室温状態で緩和するので好ましくない。
【0028】液晶オリゴマー(A)においては、反復単
位の数nは0から20までの整数であり、n’は1から
20までの整数であり、nとn’の合計が4から21と
なるように選ばれる。液晶オリゴマーの配向性と重合後
の配向の固定の観点から、nとn’の比は1:5から
5:1の範囲が好ましく、より好ましくは1:3から
3:1である。nとn’の比の制御は後述のようにこれ
ら液晶オリゴマーを合成するときに行なうことができ
る。
【0029】側鎖型液晶オリゴマー(A)は主鎖とメソ
ゲン基を結ぶスペーサーによっても、液晶転移温度、配
向性が影響される。短いスペーサーではメソゲン基の配
向性が良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基
の配向後の緩和が起こりやすいことから、スペーサーと
して、炭素数2から10までのアルキレン基またはアル
キレンオキシ基が好ましい。特に高配向性の観点から炭
素数2から6までのアルキレン基またはアルキレンオキ
シ基が好ましい。また、合成の容易さから、アルキレン
オキシ基がより好ましい。具体的には好ましい基として
−(CH2 2−、−(CH2 3 −、−(CH2 4
−、−(CH2 5 −、−(CH2 6−、−(C
2 3 −O−、−(CH2 4 −O−、−(CH2
5 −O−、−(CH2 6 −O−が例示される。
【0030】本発明の光学異方体フィルムでは、屈折率
の異方性が大きいことが工業上有利である。このために
は、液晶オリゴマー(A)のメソゲン基は屈折率異方性
の大きな基が好ましい。このようなメソゲン基を与える
構造としては、反復単位(I)または(II)式中のA
1 、Ar2 、Ar3 、Ar4 が、それぞれ独立に1,
4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリ
ジン−2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジ
イル基のものが挙げられる。また、Ar1 とAr2
を、またはAr3 とAr4 とを結合する2価の基Lまた
はL’が−CH2−O−、−O−CH2 −、−COO
−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、
−N=CH−もしくは
【0031】
【化13】 である基、またはAr1 とAr2 が直接結合した基もし
くはAr3 とAr4 が直接結合した基が挙げられる。よ
り好ましくは、Ar1 、Ar2 、Ar3 およびAr4
それぞれ独立に1,4−フェニレン基、ピリジン−2,
5−ジイル基、またはピリミジン−2,5−ジイル基で
あり、さらに好ましくは1,4−フェニレン基である。
また結合基L、L' はそれぞれ独立に−CH2 −CH2
−、−COO−、−OCO−基が好ましく、さらに好ま
しくは−COO−基である。
【0032】反復単位(I)におけるR基は、メソゲン
基の誘電率異方性や配向性に影響するため、屈折率異方
性の高い液晶オリゴマーフィルムを得る観点から、ハロ
ゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール
基、または炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数
1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基が
選ばれる。好ましくは、シアノ基、炭素数1〜10のア
ルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基であり、
より好ましくはシアノ基である。
【0033】反復単位(II)における末端基は、液晶
オリゴマーの配向を重合により固定する基である。重合
基としては−OCO−C(R’)=CH2 (R’は水素
または炭素数1〜5のアルキル基を表す)であり、アク
リレート基、メタアクリレート基が例示される。
【0034】反復単位(I)に示される繰り返し単位を
持つ直鎖状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられる
非重合性のメソゲン基を以下に例示する。ここで、例え
ば、表1におけるスペーサーの欄の番号1は、反復単位
(I)においてAr1 −(L)p −Ar2 がジフェニレ
ン基であり、R基が−CNであり、スペーサーが−(C
2 3 −である反復単位を表す。以下の番号も同様で
ある。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】これらのメソゲン基のなかで、シアノ基を
有する番号1〜6、31〜36、61〜66、181〜
186、211〜216の基が好ましく、より好ましく
は番号31〜36である。これらのメソゲン基はポリシ
ロキサン系主鎖に結合したものが高い配向性を示すこと
から好ましく、より好ましくは環状シロキサンに結合し
たものが好ましい。
【0040】また、反復単位(II)を持つ直鎖状もし
くは環状の液晶オリゴマーに用いられる重合性のメソゲ
ン基を以下に例示する。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】これらの重合性のメソゲン基の中で、メタ
クリレート基を有する番号247〜252、259〜2
64、271〜276、319〜324、331〜33
6の基が好ましく、より好ましくは番号259〜264
の基である。これらのメソゲン基は直鎖、または環状ポ
リシロキサン系主鎖に結合したものが、良好な特性を示
すことから好ましく、より好ましくは環状ポリシロキサ
ンに結合したものが好ましい。
【0045】本発明で用いる液晶オリゴマー組成物は、
屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要
であるが、その操作の容易さを決める要因として液晶オ
リゴマー(B)の反復単位の数が重要である。反復単位
の数n”は好ましくは4≦n”≦21である。反復単位
の数が21より大きいと粘度が高く、また液晶転移温度
が高いために、配向に高温や長時間が必要になり、また
反復単位の数が4より小さいと配向が室温状態で緩和す
るので好ましくない。
【0046】側鎖型液晶オリゴマー(B)は主鎖とメソ
ゲン基を結ぶスペーサーによっても、液晶転移温度、配
向性が影響される。短いスペーサーではメソゲン基の配
向性が良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基
の配向後の緩和が起こりやすいことから、スペーサーと
して、炭素数2から10までのアルキレン基またはアル
キレンオキシ基が好ましい。特に高配向性の観点から炭
素数2から6までのアルキレン基またはアルキレンオキ
シ基が好ましい。また、合成の容易さから、アルキレン
オキシ基がより好ましい。
【0047】具体的には好ましい基として−(CH2
2 −、−(CH2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH
2 5 −、−(CH2 6 −、−(CH2 3 −O−、
−(CH2 4 −O−、−(CH2 5 −O−、−(C
2 6 −O−が例示される。
【0048】本発明の光学異方体フィルムでは、屈折率
の異方性が大きいことが工業上有利である。このために
は、液晶オリゴマー(B)のメソゲン基は屈折率異方性
の大きな基が好ましい。このようなメソゲン基を与える
構造としては、反復単位(III)式中のAr1 、Ar
2 が、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−
シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基また
はピリミジン−2,5−ジイル基のものが挙げられる。
また、Ar1 とAr2 とを、またはAr3 とAr4 とを
結合する2価の基LまたはL’が−CH2 −O−、−O
−CH2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH
2 −、−CH=N−、−N=CH−もしくは
【0049】
【化14】 である基、またはAr1 とAr2 が直接結合した基が挙
げられる。より好ましくは、Ar1 およびAr2 がそれ
ぞれ独立に1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−
ジイル基、またはピリミジン−2,5−ジイル基であ
り、さらに好ましくは1,4−フェニレン基である。ま
た、結合基L、L' はそれぞれ独立に−CH 2 −CH2
−、−COO−、−OCO−基が好ましく、さらに好ま
しくは−COO−基である。
【0050】反復単位(V)におけるR基は、メソゲン
基の誘電率異方性や配向性に影響するため、屈折率異方
性の高い液晶オリゴマーフィルムを得る観点から、ハロ
ゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール
基、または炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数
1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオキシ基が
選ばれる。好ましくは、シアノ基、炭素数1〜10のア
ルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基であり、
より好ましくはシアノ基である。
【0051】反復単位(V)に示される繰り返し単位を
有する直鎖状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられ
る非重合性のメソゲン基としては、前記の表1、2、
3、4に記載のものが挙げられる。
【0052】これらのメソゲン基のなかで、シアノ基を
有する番号1〜6、31〜36、61〜66、181〜
186、211〜216の基が好ましく、より好ましく
は番号31〜36である。これらのメソゲン基はポリシ
ロキサン系主鎖に結合したものが高い配向性を示すこと
から好ましく、より好ましくは環状シロキサンに結合し
たものが好ましい。
【0053】液晶オリゴマー(A)および(B)の合成
方法としては、特公昭63ー41400号公報や特公昭
63ー47759号公報や特開平2ー149544号公
報に記載の方法が採用できる。例えばポリシロキサン鎖
に該側鎖のメソゲン基を付加させる方法やメソゲン基を
屈曲性のスペーサー基を介して有するアクリル酸エステ
ルやメタクリル酸エステルを重合する方法が例示され
る。
【0054】ポリシロキサン鎖にメソゲン基を付加する
場合には、反復単位(I)または(II)または(V)
の側鎖のメソゲン基と同じ構造を有し、スペーサーであ
るアルキレン基またはアルキレンオキシ基を生成する末
端に不飽和2重結合を有するアルケニル基またはアルケ
ニルオキシ基を有する反応原料をポリシロキサンと白金
触媒下に反応させることで得られる。
【0055】液晶オリゴマー(A)の合成においては、
反応時に、非重合性のメソゲン基〔反復単位(I)に対
応〕と重合性のメソゲン基〔反復単位(II)に対応〕
に対応する反応原料の仕込み比率により、2種類のメソ
ゲン基の結合比率を制御することができる。
【0056】同様に、主鎖がアクリル酸エステル系また
はα−アルキルーアクリル酸エステル系では相当するメ
ソゲン基を有する2種類のモノマーを共重合する際にモ
ノマーの仕込み比率を制御することで重合性メソゲン基
と非重合性のメソゲン基の比率を制御できる。
【0057】本発明に用いる液晶オリゴマー組成物にお
ける、これら液晶オリゴマー(A)および(B)の混合
比率は、相溶性に問題がない範囲であれば任意に選ぶこ
とができるが、垂直配向処理の容易さや重合による配向
の固定のしやすさの点から液晶オリゴマー(B)の比率
が液晶オリゴマー組成物全体の2重量%以上80重量%
以下であり、好ましくは5重量%以上60重量%以下で
あり、更に好ましくは5重量%以上50重量%である。
液晶オリゴマー(B)の比率が、2重量%未満であると
得られるフィルムの光学特性の改良効果が十分ではな
く、80重量%を超えると重合基の比率の減少により、
重合による配向の固定が不十分となる。
【0058】またこれらの液晶オリゴマー組成物は、液
晶状態を示す上限の温度について特に制限はないが、基
材上に成膜したときの乾燥や配向処理のために、液晶相
から等方相への転移温度(以下、液晶相/等方相の転移
温度と記すことがある。)が200℃以下になるよう
に、好ましくは170℃以下となるように、さらに好ま
しくは150℃以下となるように用いる液晶オリゴマー
(A)および(B)を選択することが好ましい。液晶オ
リゴマー組成物の結晶相またはガラス相と液晶相との転
移温度については特に制限はなく、室温以下の転移温度
でも使用できる。
【0059】本発明のフィルム法線方向にほぼ平行な光
学軸を有する光学異方体フィルムの作成方法としては、
親水性の基材またはハードコート処理した高分子フィル
ム上に液晶オリゴマー組成物をフィルムに成膜し、配向
処理を行なう。配向処理は液晶オリゴマー組成物フィル
ムを熱処理することにより行なわれ、熱処理温度は、結
晶相またはガラス相から液晶相への転移温度(以下、T
gと記すことがある。)以上で液晶相から等方相への転
移温度(以下、Tiと記すことがある。)以下が好まし
い。
【0060】また、熱処理温度(以下、Ttと記すこと
がある。)については、好ましくはTg+30≦Tt<
Ti(単位℃)であり、Tg+40≦Tt<Ti(単位
℃)の範囲で熱処理することがより好ましい。熱処理時
間は特に制限はないが、あまり短いと垂直配向性が十分
でなく、あまり長いと工業的に好ましくないので、0.
2分以上20時間以下が好ましく、1分以上1時間以下
がさらに好ましい。以上の熱処理により、液晶オリゴマ
ーのメソゲン基はフィルム面にほぼ垂直方向に配向し、
フィルム面の法線方向に光学軸を持つようになる。
【0061】液晶オリゴマー組成物フィルムの作成方法
としては制限はないが、液晶オリゴマー組成物を溶液状
態で塗布する方法、等方相状態で塗布する方法が例示さ
れ、好ましくは溶液状態から塗布する方法である。塗布
方法としては通常のロールコート法、グラビアコート
法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート
法、プリント法、デッピング法が例示される。得られた
液晶オリゴマー組成物フィルムはそのままでも用いられ
るが、基材に積層して用いる方が好ましい。
【0062】液晶オリゴマー組成物フィルムよりなる光
学異方体の厚みとしては、0. 1〜20μmが好まし
く、より好ましくは0. 5〜10μmであり、さらに好
ましくは1〜7μmである。0. 1μmより薄いと光学
的な特性の発現が小さくなり、20μmを超えると配向
しにくいので好ましくない。
【0063】光学異方体フィルムについては、フィルム
面の法線にほぼ平行な光学軸を持つように液晶オリゴマ
ー組成物を配向処理したのち、液晶オリゴマー組成物を
重合する。具体的には、光を照射する、γ線などの放射
線を照射するまたは加熱する方法が挙げられる。光を照
射する又は加熱するときには、公知の重合開始剤を用い
ることができる。これらの方法の中で工程の簡単さか
ら、光を照射する方法と加熱する方法が好ましく、さら
に、配向の保持の良好さから光を照射する方法がより好
ましい。
【0064】表面が親水性である基材としてはガラス板
単独、または液晶セルに使用されるガラス板表面を用い
ることができ、また水酸基、カルボン酸イオン基または
スルホン酸イオン基を含有する親水性高分子や、また親
水性の無機化合物も利用できる。また、親水性高分子層
や親水性の無機化合物を表面に有する高分子基材も使用
できる。
【0065】親水性高分子の内で水酸基を有する高分子
としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニル
アルコール共重合体や、水飴から微生物発酵により得ら
れるプルラン、デキストリンなどの天然多糖類から選ば
れる高分子が例示される。溶解性や、垂直配向の与え易
さの観点から、ポリビニルアルコールが好ましい。ま
た、カルボン酸イオンを有する高分子としてはポリアク
リル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸、ポ
リアルギン酸ソーダ、ポリカルボキシメチルセルロース
ソーダ塩等が例示され、ポリアルギン酸ソーダ、ポリカ
ルボキシメチルセルロースソーダ塩、ポリアクリル酸が
好ましい。
【0066】また、スルホン酸イオンを含有する高分子
としてはポリスチレンスルホン酸が例示される。これら
親水性高分子の中で、ポリビニルアルコール、ポリアル
ギン酸ソーダ、ポリカルボキシメチルセルロースソーダ
塩、ポリアクリル酸、プルラン、ポリスチレンスルホン
酸が好ましく、さらに好ましくはポリビニルアルコール
とポリアルギン酸ソーダである。
【0067】また、親水性の無機化合物としては透明な
Si、Al、Mg、Zrなどの酸化物やフッ化物などの
無機化合物やセラミックスなどが例示される。これらの
無機化合物の高分子フィルムへの成膜方法は、溶媒に分
散した状態から高分子フィルムに塗布する方法や固体状
態から真空中でスパッタ・電子線蒸着などの公知の方法
で蒸着する方法が例示される。基材への塗布に使用する
無機化合物は四塩化ケイ素や有機アルミニウムを有機溶
媒中で加水分解して得られるゾル状のコロイド分散物が
利用できる。
【0068】本発明の光学異方体フィルムと親水性基材
との積層体において、親水性の基材は光学異方体フィル
ムの光学軸を法線方向にほぼ平行に配向させるために有
効なものである。しかし、上記のように、ラビング処理
したポリビニルアルコールは水平配向膜として作用する
ので、親水性高分子層においてはラビング処理は光学軸
の配向に悪影響を与えるので好ましくない。
【0069】本発明に用いる親水性高分子や親水性の無
機化合物を表面に塗布または蒸着する透明または半透明
な高分子フィルムとして、ポリカーボネート、ポリスル
ホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、2酢酸
セルロース、3酢酸セルロース、ポリスチレン、エチレ
ンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートなどが例示され、好ま
しくはポリカーボネート、ポリスルホン、3酢酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンであ
る。
【0070】本発明の光学異方体フィルムと親水性基材
との積層体において、その光学軸をフィルムの法線方向
とほぼ平行にするには、液晶オリゴマー組成物を用いた
光学異方体フィルムの場合と同様な熱処理条件で液晶オ
リゴマー組成物フィルムと親水性基材との積層体の熱処
理を行なう。その際に、温度領域で光学的性質や形状の
変化が起こらない高分子が好ましく、ガラス転移温度が
高い熱可塑性エンジニアリング高分子、または可塑材が
添加されている高分子では流動温度が高い高分子が挙げ
られる。高分子のガラス転移温度として、好ましくは1
00℃以上、より好ましくは110℃以上である。この
条件を満たす高分子として3酢酸セルロース、ポリカー
ボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
エチレンテレフタレートが好ましく、より好ましくは3
酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホンである。次いで、必要に応じて液晶
オリゴマー組成物を用いた光学異方体フィルムと同様に
重合し、配向を固定する。
【0071】本発明の別の形態である光学異方体フィル
ムとハードコート処理した高分子フィルムとの積層体の
場合に用いる高分子フィルムとしてはポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスル
ホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、ポリスチ
レン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが例
示され、好ましくはポリカーボネート、ポリスルホン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンである。具
体的な処理としては、これらの高分子フィルムの表面に
ハードコート剤を塗布し、ハードコート層を形成するこ
とが挙げられる。
【0072】本発明で用いられるハードコート剤とハー
ドコート層の形成方法は公知のものや方法が使用でき、
特に制限はないが、ハードコート層の厚みを0.2μm
以上とすることが好ましく、1μm以上とすることが更
に好ましい。ハードコート剤としては公知のポリウレタ
ン系、アクリルオリゴマー系、アクリル−シリコン系、
オルガノポリシロキサン系、無機化合物などプラスチッ
クのコーティング技術総覧〔(株)産業技術サービスセ
ンター発行、183ページから191ページ〕に記載さ
れているものが例示される。これらの中で成膜性の観点
からアクリルオリゴマー系などの光硬化型樹脂系のハー
ドコート剤や、オリガノポリシロキサン系のハードコー
ト剤が好ましい。
【0073】ハードコート処理した高分子フィルム上に
液晶オリゴマー層を成膜する場合に、成膜の均一性を向
上する観点から、ハードコート層にプラズマ処理、コロ
ナ処理、紫外線照射、ケン化処理など公知の表面改質技
術によりこれら高分子フィルムの表面張力を大きくする
処理を施してもよい。
【0074】つぎに、本発明の光学異方体フィルムと高
分子との積層体の作成方法について、高分子フィルム表
面に親水性高分子を塗布した基材とハードコートした高
分子フィルムを例に挙げて説明する。まず、透明または
半透明な高分子フィルムであるポリカーボネート、ポリ
スルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、2
酢酸セルロース、3酢酸セルロース、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子フ
ィルムを基材として用いて、親水性高分子または親水性
の無機化合物を表面に成膜する。
【0075】親水性高分子の成膜方法として特に制限は
ないが、例えば親水性高分子が溶解可能で、かつ基材の
溶解もしくは膨潤が少ない溶媒に該高分子を溶解した
後、ロールコート法、グラビアコート法、バーコート
法、スピンコート法、スプレーコート法、プリント法、
デッピング法などの公知の方法で塗布する方法や、高分
子を溶融させた後、ロールコート法、グラビアコート
法、バーコート法、スプレーコート法、デッピング法な
ど公知の方法で塗布する方法が例示される。これらの成
膜法の中でも製造が容易である観点から、高分子溶液か
らロールコート法、グラビアコート法、バーコート法、
スピンコート法、スプレーコート法、デッピング法など
により成膜することが好ましい。
【0076】ここでポリカーボネート、ポリスルホン、
ポリアリレート、ポリエーテルスルホンなどの高分子フ
ィルムは、表面張力が小さく親水性高分子溶液がはじか
れることもあるので、プラズマ処理、コロナ処理、紫外
線照射、ケン化処理など公知の表面改質技術によりこれ
ら高分子フィルムの表面張力を大きくしてから、親水性
高分子を成膜してもよい。また親水性の無機化合物の成
膜方法として特に制限はないが、例えば該無機化合物が
安定なコロイド分散系を形成しかつ基材の溶解もしくは
膨潤が少ない溶媒に該無機化合物を分散した後、ロール
コート法、グラビアコート法、バーコート法、スピンコ
ート法、スプレーコート法、プリント法、デッピング法
などの公知の方法で塗布する方法や、該無機化合物を真
空中でスパッタ法、電子線加熱法、抵抗加熱法など公知
の真空蒸着法で蒸着する方法が例示される。
【0077】ハードコートした高分子フィルムを用いる
場合、まず透明または半透明な高分子フィルムであるポ
リカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリ
エーテルスルホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロー
ス、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レートなどの高分子フィルムを基材として用いてハード
コート剤を高分子フィルム表面に成膜する。ハードコー
ト剤の成膜法としては溶剤に溶解もしくは分散させた状
態からのロールコート法、ディッピング法、グラビアコ
ート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコー
ト法、プリント法などの公知の塗布法や、真空中でスパ
ッタリング法、電子線加熱蒸着法、抵抗加熱法などの公
知の蒸着法などの成膜法が例示され、これらの成膜法に
よって成膜した後、使用するハードコート剤の種類に応
じた紫外線照射や、熱処理などをすることにより硬化さ
せる。蒸着法によって成膜する場合蒸着方向に関して注
意が必要であり、斜方蒸着は得られる光学異方体フィル
ムの光学軸の向きに悪影響を与えるので好ましくない。
【0078】用いる透明または半透明な高分子フィルム
の厚みは特に制限はないが、1μm以上500μm以下
が好ましく、より好ましくは10μm以上300μm以
下、さらに好ましくは40μm以上200μm以下であ
る。
【0079】また、得られる親水性高分子または無機化
合物の厚みは特に制限はないが、好ましくは0. lμm
以上500μm以下であり、さらに好ましくは0. 5μ
m以上100μm以下、特に好ましくは1μm以上50
μm以下である。親水性高分子の場合用いる溶剤として
は親水性高分子を溶解させるものであれば特に制限はな
いが、水を用いるのが好ましい。
【0080】また得られるハードコート層の厚みについ
ても特に制限はなく、好ましくは0. 1μm以上500
μm以下であり、さらに好ましくは0. 5μm以上10
0μm以下、特に好ましくは1μm以上50μm以下で
ある。
【0081】ついで、親水性高分子または無機化合物を
成膜した高分子フィルム上またはハードコート処理した
高分子フィルム上に液晶オリゴマーを成膜する。成膜方
法としては特に限定はないが、例えば液晶オリゴマーフ
ィルムと同様に成膜でき、基材や親水性高分子や無機化
合物やハードコート膜の溶解もしくは膨潤が少ない溶媒
に液晶オリゴマーを溶解した後、ロールコート法、グラ
ビアコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレ
ーコート法、プリント法、デッピング法などの塗布する
方法や、液晶オリゴマーを固体相/液晶相の転移温度以
上に加熱し液晶オリゴマーの粘度を低減した後、ロール
コート法、グラビアコート法、バーコート法、スプレー
コート法、デッピング法など公知の方法で塗布する方法
が例示される。これらの塗布法の中でも製造が容易であ
る観点から、液晶オリゴマー溶液からロールコート法、
グラビアコート法、バーコート法、スピンコート法、ス
プレーコート法、デッピング法などにより成膜すること
が好ましい。
【0082】得られる液晶オリゴマー層の厚みとして
は、0. lμm以上20μm以下が好ましく、より好ま
しくは0. 5μm以上10μm以下、さらに好ましくは
1μm以上7μm以下である。0. lμmより薄いと光
学的な特性の発現が小さくなり、また20μmより厚い
と配向しにくいので好ましくない。
【0083】上記のように、液晶オリゴマーの高い垂直
配向度を得るためには、液晶オリゴマー/高分子積層フ
ィルムを前述の液晶オリゴマー組成物フィルムの場合と
温度、処理時間とも同様に熱処理する。しかし、特に用
いる基材のガラス転移温度または添加材が添加されてい
る基材では基材の流動温度以上では基材や親水性高分子
やハードコート膜の変形が生じるなど製法上問題となる
ので、上限温度は基材のガラス転移温度または流動温度
以下が好ましい。この処理により、高分子基材上の液晶
オリゴマーフィルムはほぼ垂直配向する。また、熱処理
における昇温速度、冷却速度については特に制限はな
い。
【0084】本発明の透明または半透明の高分子フィル
ムの製造方法としては、溶剤キャスト法、押出成形法、
プレス成形法などの成形方法を用いればよい。
【0085】基材としてガラス板、親水性高分子フィル
ムを用いた場合でも同様に液晶オリゴマーと基材との積
層体が得られる。
【0086】本発明の光学異方体フィルム、または光学
異方体フィルムと親水性基材やハードコートした高分子
フィルムとの積層体は、光学軸がフィルム法線方向とほ
ぼ平行なので、フィルム面内に光学軸を有し、かつ正の
屈折率異方性を有する、熱可塑性高分子からなる一軸配
向した位相差フィルムを同時に使うことにより、複合位
相差板または複合位相差フィルムとすることができる。
以下、複合位相差板または複合位相差フィルムを複合位
相差板と総称する。複合位相差板のレターデーションの
視角依存性については、複合位相差板の面内の最大屈折
率(nX )や最小屈折率(nY )および複合位相差板面
に垂直方向の屈折率(nZ )の大きさに関連しているこ
とが知られている。特開平3−155522号に述べら
れているように、これら屈折率の異方性は構成する各材
料板やフィルムの屈折率と膜厚から相加平均として求め
ることもできるが、複合位相差板はレターデーションを
示すことから、レターデーションの角度依存性から、屈
折率の異方性を見積もることが実際的である。複合位相
差板に垂直方向のレターデーションR(0)とθ度だけ
傾けた時のレターデーションR(θ)の比R(θ)/R
(0)で屈折率の異方性を評価する場合、1.10>R
(40゜)/R(0)>0.90の範囲でnX >nZ
Y に相当し、良好な視野角特性を示す。
【0087】本発明の複合位相差板に用いる正の屈折率
異方性を有する熱可塑性高分子としては、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルス
ルホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、ポリビ
ニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール共重合
体、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。該
熱可塑性高分子を一軸配向して位相差フィルムとして用
いる。液晶オリゴマー/基材の積層体と一軸配向した位
相差フィルムとは粘着剤等で張り合わせることにより積
層してもよいし、それぞれ分離して用いてもよい。
【0088】これらの熱可塑性高分子からなる位相差フ
ィルムの原料として用いるフィルム(以下、原反フィル
ムということがある。)の製造方法としては、溶剤キャ
スト法、押出成形法、プレス成形法などの成形方法を用
いればよい。該原反フィルムを、フィルム面内に光学軸
を持つ一軸配向した位相差フィルムとする延伸方法とし
ては、テンター延伸法、ロール間延伸法、ロール間圧縮
延伸法などが例示される。均質な位相差フィルムを得る
には、溶剤キャスト法により成膜したフィルムをテンタ
ー延伸法により延伸することが好ましい。
【0089】本発明の液晶表示装置において、光学異方
体フィルム、光学異方体フィルムと基板との積層体を置
く位置は、液晶ディスプレーの2枚の偏光板間であれば
特に制限はない。例えば偏光板と表示用液晶セルの間、
偏光板と偏光板の保護フィルムの間、位相差フィルムと
偏光板の間、位相差フィルムと表示用液晶セルの間など
が例示される。STN型LCDに適用する場合には位相
差フィルムと偏光板の間に配置するほうが、より視野角
の広いLCDが得られるため好ましい。また、光学異方
体フィルムを含む積層複合位相差板を置く位置について
も偏光板と表示用液晶セルの間であればよいが、STN
型LCDに適用する場合には光学異方体フィルムが偏光
板側となるように配置するほうが、より視野角が広いL
CDが得られるため好ましい。
【0090】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。得られた
液晶オリゴマーのガラス転移点や液晶相と等方相との転
移温度は偏光顕微鏡観察と示差走査熱量計(DSC)に
よって評価した。液晶オリゴマーを走査速度10℃/分
で走査し2回目以降のデータから転移温度を評価した。
Tgについては昇温時の吸熱カーブの一次微分のピーク
をTgと見なし、Tiについては液晶相/等方相転移に
よると思われる吸熱ピークをTiと見なした。液晶相の
同定は偏光顕微鏡による目視観察にて行なった。
【0091】得られた光学異方体フィルム/基板積層体
において、ほぼフィルム法線方向の光学軸を有すること
を確認するためには、基板に複屈折がない場合クロスニ
コル下で該積層フィルムを水平に置いたときほぼ完全に
消光することより確認し、次いで任意の軸を中心に傾斜
し傾斜角が大きくなるに従いレターデーションが大きく
なることにより確認した。また面内に複屈折がある場合
は遅相軸を傾斜軸とした。
【0092】本発明の積層複合位相差板またはフィルム
は、特に記載のない場合以外は以下のようにして評価を
行った。傾斜ステージを装備した偏光顕微鏡において、
試料を水平面から傾けたときのレタデーションを、セナ
ルモンコンペンセーターを用いたセナルモンの複屈折測
定法により求め、レターデーションの角度依存性より垂
直配向の有無を判断した。
【0093】フィルムの白濁度の指標であるヘーズの測
定はヘーズメーター(スガ試験機社製直読ヘーズコンピ
ューターHGM―2DP)により測定した。液晶オリゴ
マーフィルムの膜厚はフィルム接針式の膜厚計(テンコ
ール社製アルファーステップAS―200)で測定し
た。
【0094】実施例1 アセトンにて洗浄したガラス基板上に、ポリビニルアル
コール〔クラレ(株)製ポバール117〕の7%水溶液
を塗布し、100℃の熱風中で乾燥した。得られたポリ
ビニルアルコールの厚みは約2μmであった。4−(ア
リル−オキシ)−安息香酸−4’−シアノフェニルエス
テルと4−(アリルオキシ)−安息香酸−(4’−メタ
クロイルオキシ−フェニル)エステルとを1:1の混合
比でペンタメチルシクロペンタシロキサンと、特公昭6
3−41400号公報記載の方法と同様に反応させ、非
重合性メソゲン基と重合性メソゲン基を有する環状ペン
タシロキサン液晶オリゴマー化合物(1)を得た。この
液晶オリゴマー化合物は元素分析、赤外吸収スペクト
ル、H−NMRスペクトルから構造を確認した。
【0095】また、得られた液晶オリゴマーのTgは1
8.7℃であり、Tiは117.5℃であり、スメクチ
ック相を示した。さらに4−(アリル−オキシ)−安息
香酸−4’−シアノフェニルエステルをペンタメチルシ
クロペンタシロキサンと、上述した方法と同様の方法で
反応させ、非重合性メソゲン基のみを有する環状ペンタ
シロキサン液晶オリゴマー化合物(2)を得た。この液
晶オリゴマー化合物は元素分析、赤外吸収スペクトル、
H−NMRスペクトルから構造を確認した。
【0096】また、得られた液晶オリゴマー化合物のT
gは20℃であり、Tiは97℃であり、ネマチック相
を示した。液晶オリゴマー化合物(1)および(2)を
5:5の混合比でトルエンに30wt%になるよう溶解
した。この溶液をポリビニルアルコールを塗布したガラ
ス上にスピンコートし、室温で乾燥させた。得られた液
晶オリゴマー/ポリビニルアルコール/ガラス積層板を
110℃に加熱したホットプレート上で5分間加熱し、
冷却した。得られた積層板はクロスニコル下で消光し、
レターデーションはほぼ0であった。50度傾けたとき
のレターデーションは160nmであった。またこの積
層板のヘーズは3.9%、膜厚は3μmであった。
【0097】比較例1 液晶オリゴマー化合物(1)のみをトルエンに30wt
%になるように溶解した。実施例1と同様の条件でポリ
ビニルアルコール/ガラス上に液晶フィルムを形成し
た。得られた液晶オリゴマー/ポリビニルアルコール/
ガラス積層板を100℃に加熱したホットプレート上で
5分間加熱し、冷却した。得られた積層板はクロスニコ
ル下で消光し、レターデーションはほぼ0であった。5
0度傾けたときのレターデーションは135nmであっ
た。またこの積層品のヘーズは10.1%、膜厚は4μ
mであった。
【0098】比較例2 液晶オリゴマー化合物(2)のみをトルエンに30wt
%になるように溶解した。実施例1と同様の条件でポリ
ビニルアルコール/ガラス上に液晶フィルムを形成し
た。得られた液晶オリゴマー/ポリビニルアルコール/
ガラス積層板を95℃で5分間加熱したが垂直配向しな
かった。
【0099】実施例2 液晶オリゴマー化合物(1)および(2)を7:3の混
合比でトルエンに30wt%になるよう溶解し、さらに
光重合開始材として商品名イルガキュアー907(チバ
ガイギー社製)を液晶オリゴマーに対して6.7wt%
になるよう混合した。この溶液を、ポリビニルアルコー
ルを塗布したガラス上にスピンコーターにて塗布後、室
温で乾燥させた。得られた液晶オリゴマー/ポリビニル
アルコール/ガラス積層板を70℃に加熱したホットプ
レート上で5分間加熱し、冷却した。さらに、高圧水銀
燈により積算光量とし0.2J/cm2 の紫外線を得ら
れた液晶オリゴマー積層板に照射した。
【0100】得られた液晶オリゴマー重合物/ポリビニ
ルアルコール/ガラス積層板はクロスニコル下で消光
し、レターデーションはほぼ0であった。50度傾けた
ときのレターデーションは88nmであった。またこの
積層品のヘーズは4.3%、膜厚は3μmであった。
【0101】比較例3 液晶オリゴマー化合物(1)をトルエンに30wt%に
なるよう溶解し、さらに光重合開始材として商品名イル
ガキュアー907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマ
ーに対して6.7wt%になるよう混合した。この溶液
を、ポリビニルアルコールを塗布したガラス上にスピン
コーターにて塗布後、室温で乾燥させた。得られた液晶
オリゴマー/ポリビニルアルコール/ガラス積層品を6
5℃に加熱したホットプレート上で5分間加熱し、冷却
した。さらに、高圧水銀燈により積算光量とし0.2J
/cm2 の紫外線を得られた液晶オリゴマー積層板に照
射した。
【0102】得られた液晶オリゴマー重合物/ポリビニ
ルアルコール/ガラス積層板はクロスニコル下で消光
し、レターデーションはほぼ0であった。50度傾けた
ときのレターデーションは96nmであった。またこの
積層品のヘーズは6.9%、膜厚は3μmであった。
【0103】
【発明の効果】本発明においては、光学軸が法線方向と
ほぼ平行である液晶オリゴマーフィルムを作製するにあ
たり、特定の構造を有する液晶オリゴマーを混合するこ
とにより、個々の液晶オリゴマーを単独で用いる場合に
比べて、フィルムの透明性や配向しやすさが改善され
た。本発明の液晶オリゴマー組成物フィルムまたは液晶
オリゴマー組成物重合物フィルムを、透明または半透明
な高分子フィルムと積層したり、一軸配向した位相差フ
ィルムと組み合わせたりすることにより、広視野角の複
合位相差板が得られる。また、これらをSTN型液晶表
示装置に適用することにより、液晶表示装置の表示特
性、特に視野角特性を著しく向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 佳代子 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平6−148429(JP,A) 特開 平4−12322(JP,A) 特開 平5−53016(JP,A) 特開 平5−241019(JP,A) 特開 平5−196815(JP,A) 特開 平5−142531(JP,A) 特開 昭63−41400(JP,A) 特開 平4−16916(JP,A) 特開 平2−74924(JP,A) 特開 平8−5839(JP,A) 特開 平8−5838(JP,A) 特開 平7−294737(JP,A) 特開 平7−278326(JP,A) 特開 平7−33885(JP,A) 特開 平6−331826(JP,A) 特開 平7−230086(JP,A) 特開 平8−21999(JP,A) 特開 平8−29618(JP,A) 特開 平8−27066(JP,A) 特開 平8−21915(JP,A) 特開 平7−294735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正の屈折率異方性を有し、ネマチック相ま
    たはスメクチック相を示す液晶オリゴマー(A)、およ
    び(A)以外であって、正の屈折率異方性を有し、ネマ
    チック相を示す液晶オリゴマー(B)からなる組成物を
    含有する光学異方体フィルムであり、該フィルムの光学
    軸がフィルムの法線方向にほぼ平行であり、該液晶オリ
    ゴマー(A)は下記反復単位(I)および(II)を主
    たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー化
    合物から選ばれ、該オリゴマー化合物1分子中の反復単
    位(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn’と
    するとき、nは0から20までの整数であり、n’は1
    から20までの整数であり、かつ4≦n+n’≦21で
    あり、 【化1】 【化2】 〔式中Aは下式(III)または(IV)で表される基
    であり、式(III)において−Si−O−は式(I)
    または(II)の主鎖であり、式(IV)において−C
    −CH2 −は式(I)または(II)の主鎖であり、C
    OO基は側鎖のR 1 またはR2 ではない側鎖に位置す
    る。式(I)においてAが式(III)のとき、および
    式(II)においてAが式(III)のとき、R1 およ
    びR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル
    基またはフェニル基である。式(I)においてAが式
    (IV)のとき、および式(II)においてAが式(I
    V)のとき、R1 、R2 は独立に水素または炭素数1〜
    6のアルキル基である。 【化3】 【化4】 kとk’は独立に2から10までの整数を表し、mと
    m’は独立に0または1であり、Ar1 、Ar2 、Ar
    3 およびAr4 は独立に1,4−フェニレン基、1,4
    −シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、
    ピリミジン−2、5−ジイル基であり、LとL’は独立
    に−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−O
    CO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=C
    H−または 【化5】 で示される2価の基であり、pとp’は独立に0または
    1であり、Rはハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10の
    アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6
    〜10のアリール基、または炭素数1〜10のアルキル
    基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベン
    ゾイルオキシ基であり、R’は水素または炭素数1から
    5までのアルキル基である。〕 該液晶オリゴマー(B)は下記反復単位(V)を主たる
    構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー化合物
    から選ばれ、該オリゴマー化合物1分子中の反復単位
    (V)の数をn”とするときn”は4から21までの整
    数であることを特徴とする光学異方体フィルム。 【化6】 〔式中A、R1 、k、m、Ar1 、Ar2 、L、pおよ
    びRの定義は反復単位(I)における定義と同じであ
    る。〕
  2. 【請求項2】液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)
    の末端基が重合していることを特徴とする請求項1記載
    の光学異方体フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1記載の液晶オリゴマー組成物をフ
    ィルムに成膜後、熱処理を行ない光学軸をフィルム法線
    方向にほぼ平行とすることを特徴とする請求項1記載の
    光学異方体フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の液晶オリゴマー組成物をフ
    ィルムに成膜後、熱処理を行ない光学軸をフィルム法線
    方向にほぼ平行とした後、反復単位(II)の末端基を
    重合することを特徴とする請求項2記載の光学異方体フ
    ィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の光学異方体フィル
    ムと、透明または半透明であり表面が親水性である基材
    とが積層されてなる積層体。
  6. 【請求項6】表面が親水性である基材がガラス、親水性
    高分子フィルム、親水性高分子と透明もしくは半透明の
    高分子フィルムとの積層フィルム、または親水性の無機
    化合物と透明もしくは半透明の高分子フィルムとの積層
    フィルムから選ばれることを特徴とする請求項5記載の
    積層体。
  7. 【請求項7】透明または半透明である高分子フィルム表
    面をハードコート処理したものと、請求項1または2記
    載の光学異方体フィルムとが積層されてなる積層体。
  8. 【請求項8】表面が親水性である基材が、フィルム面内
    に光学軸を有し、かつ正の屈折率異方性を有する、熱可
    塑性高分子からなる一軸配向した位相差フィルムを含
    み、光学異方体フィルムと該基材との積層体の屈折率が
    下記式(1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ積層体の面内の屈折率の
    最大値、最小値を表し、nZ は積層体の厚み方向の屈折
    率を表す。)を満たすことを特徴とする請求項5記載の
    積層体。
  9. 【請求項9】高分子フィルムが、フィルム面内に光学軸
    を有し、かつ正の屈折率異方性を有する、熱可塑性高分
    子からなる一軸配向した位相差フィルムを含み、光学異
    方体フィルムと該基材との積層体の屈折率が下記式
    (1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ積層体の面内の屈折率の
    最大値、最小値を表し、nZ は積層体の厚み方向の屈折
    率を表す。)を満たすことを特徴とする請求項7記載の
    積層体。
  10. 【請求項10】フィルム面内に光学軸を有し、かつ正の
    屈折率異方性を有する、熱可塑性高分子からなる一軸配
    向した位相差フィルムと、請求項5もしくは6記載の光
    学異方体フィルムと親水性基材との積層体とを積層して
    なる複合位相差板であり、該複合位相差板の屈折率が下
    記式(1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ複合位相差板の面内の屈
    折率の最大値、最小値を表し、nZ は複合位相差板の厚
    み方向の屈折率を表す。)を満たすことを特徴とする複
    合位相差板。
  11. 【請求項11】フィルム面内に光学軸を有し、かつ正の
    屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる一軸配向
    した位相差フィルムと、請求項7記載の光学異方体フィ
    ルムと高分子フィルムとの積層体とを積層してなる複合
    位相差板であり、該複合位相差板の屈折率が下記式
    (1) nX >nZ >nY (1) (ここでnX 、nY はそれぞれ複合位相差板の面内の屈
    折率の最大値、最小値を表し、nZ は複合位相差板の厚
    み方向の屈折率を表す。)を満たすことを特徴とする複
    合位相差板。
  12. 【請求項12】電極を有する基板に挟持された、正の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋
    軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液
    晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムとの間
    に、請求項1もしくは2記載の光学異方体フィルム、ま
    たは請求項5もしくは6記載の光学異方体フィルムと親
    水性基材との積層体、または請求項7記載の光学異方体
    フィルムと高分子フィルムとの積層体から選ばれた少な
    くとも一つを含むことを特徴とする液晶表示装置。
  13. 【請求項13】電極を有する基板に挟持された、正の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平にかつ螺旋
    軸を基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液
    晶セルと、その外側に配置される偏光フィルムとの間
    に、請求項8記載の光学異方体フィルムと親水性基材と
    の積層体、または請求項9記載の光学異方体フィルムと
    高分子フィルムとの積層体、または請求項10もしくは
    11記載の複合位相差板から選ばれた少なくとも一つを
    含むことを特徴とする液晶表示装置。
  14. 【請求項14】請求項13記載の液晶表示装置におい
    て、光学異方体フィルムが、位相差フィルムと偏光フィ
    ルムとの間に設置されていることを特徴とする請求項1
    3記載の液晶表示装置。
  15. 【請求項15】電極を有する基板に挾持された、正の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平に配向した
    液晶層からなる液晶セルと、その外側に配置される偏光
    フィルムとの間に、請求項1または2記載の光学異方体
    フィルム、または請求項5もしくは7記載の積層体から
    選ばれた少なくとも一つを含むことを特徴とする液晶表
    示装置。
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