JPH09325212A - 光学異方体フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体フィルムおよび液晶表示装置

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JPH09325212A
JPH09325212A JP8138523A JP13852396A JPH09325212A JP H09325212 A JPH09325212 A JP H09325212A JP 8138523 A JP8138523 A JP 8138523A JP 13852396 A JP13852396 A JP 13852396A JP H09325212 A JPH09325212 A JP H09325212A
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JP
Japan
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liquid crystal
group
optically anisotropic
crystal oligomer
anisotropic film
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Application number
JP8138523A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Onishi
敏博 大西
Michitaka Morikawa
通孝 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2413/00Indexing scheme related to G02F1/13363, i.e. to birefringent elements, e.g. for optical compensation, characterised by the number, position, orientation or value of the compensation plates
    • G02F2413/15Indexing scheme related to G02F1/13363, i.e. to birefringent elements, e.g. for optical compensation, characterised by the number, position, orientation or value of the compensation plates with twisted orientation, e.g. comprising helically oriented LC-molecules or a plurality of twisted birefringent sublayers

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】液晶の傾斜配向成分を補償して、コントラスト
や表示色の角度依存性を補償できる光学異方体フィルム
および該光学異方体フィルムを用いたコントラストや表
示色の角度依存性が少ない液晶表示装置の提供。 【解決手段】反復単位(I)及び(II)を主な構成単
位とする直鎖又は環状の液晶オリゴマー(A)から選ば
れるコレステリック相を示す液晶オリゴマーを1種類以
上含有する。 式(I)及び式(II)でAが式(III)の時、R
及びRは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基
であり、更にAが式(IV)の時、R、Rは炭素数
1〜6のアルキル基である。 kとk′は2〜10の整数を、mとm′は0又は1を表
し、Ar、Ar、Arは1,4−フェニレン基、
1,4−シクロヘキシレン基、であり、L′は−CH
−O−、−O−CH−等の2価の基であり、p′は0
又は1であり、Rは光学活性基を、R′は炭素数1〜5
のアルキル基を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置など
に用いられる位相差フィルムの部材として有用な光学異
方体フィルムおよび該光学異方体フィルムを用いた液晶
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、低電圧駆動、軽量など
の優れた特徴を有しており、パーソナルコンピューター
やワードプロセッサーなどに広く用いられている。液晶
表示装置のほとんどは、ネマチック液晶を用いており、
複屈折モードと旋光モードの2つの方式に大別される。
複屈折モード液晶表示装置の例としては、200°程度
ねじれた分子配向を有する方式(以下、超ねじれネマチ
ック方式、STN方式または単にSTNと略して記すこ
とがある。)、および液晶分子が液晶セル面の法線方向
に配向したホメオトロピック配向を用いた液晶セルが例
示される。これらの問題点は、液晶分子がその長軸方向
と短軸方向で異なる屈折率を有する(屈折率異方性)た
め、見る方向によってコントラストや色が変化するとい
うものであった。旋光モードの液晶表示装置の例として
は、90°ねじれた分子配向を有する方式(以下、ねじ
れネマチック方式、TN方式または単にTNと略して記
すことがある。)があり、代表的なものとして薄膜トラ
ンジスタやダイオードで各画素を駆動するパネルが実用
化されている。このなかでも、薄膜トランジスタにより
旋光モードを制御して表示を行う薄膜トランジスタ方式
(以下、TFT方式または単にTFTと略して記すこと
がある。)を用いた方式のものは、高速かつ鮮明なカラ
ーの大画面表示が可能である。しかし、このTFT方式
においても、複屈折モードの場合と同じく見る方向によ
ってコントラストや色が変化するという問題点があっ
た。
【0003】このため、液晶分子の屈折率異方性による
液晶表示装置のコントラストや表示色の角度依存性を小
さくするために、TNまたはTFTセルの上に負の屈折
率異方性を有するコレステリック液晶セルを重ねる方法
(特開平4―346312号公報)、コレステリック相
を示す高分子液晶を配向させた後、ガラス転移温度以下
に急冷し、配向を固定したフィルムを用いる方法(特開
平6―300920号公報)、ねじれネマチック液晶を
透明電極を有する基板間で電場配向させた後、ガラス転
移温度以下に冷却することによりねじれネマチックの螺
旋軸が傾斜状態で配向を固定した光学素子(特開平6−
250166号公報)を用いる方法などが検討されてい
る。
【0004】また、TNまたはTFT液晶表示装置のコ
ントラストや表示色の角度依存性を小さくするために、
負の屈折率異方性を有するディスコチック液晶を傾斜配
向させた補償フィルム(特開平6−214116号公
報)、および負の屈折率異方性を有するディスコチック
液晶を傾斜配向させた後、重合した補償フィルム(特開
平8−27284号公報)を用いて検討されている。
【0005】しかし、補償用のコレステリック液晶セル
を用いる方法では、パネル全体が重く、厚くなると同時
に製造コストも高くなり、好ましくない。また、コレス
テリック相を有する高分子化合物を用いる方法では、ガ
ラス転移点以下に急冷することでコレステリック相構造
の固定を行なうことから、ガラス転移温度が室温より十
分に高いものを使用する必要があるため、配向処理にか
なりの高温を要し、製造上好ましくないという問題点が
あった。さらに、高分子化合物を用いた場合、屈折率異
方性の温度依存性が、液晶セルに比べて小さいために、
パネルを使用する温度が変化すると、補償用フィルムの
屈折率異方性と、液晶セルの屈折率異方性とのずれが生
じ、視野角の改善効果が小さくなるという問題が生じ
た。また、コレステリック液晶オリゴマーをその分子の
螺旋軸が基板法線に対してほぼ並行に配向させた後に重
合し、配向を固定した補償フィルムを用いる方法によ
り、液晶パネルの温度変化で視野角の改善効果が低下す
る問題は解決できたが、まだ視野角は狭いと言う問題は
残っていた。
【0006】これは、駆動状態の液晶セル内の液晶分子
は完全に垂直に配向した状態でないだけではなく、傾斜
配向した成分を有することが知られているため、基板法
線に対して平行に螺旋軸を持った補償フィルムでは、斜
め方向から見た場合に関して液晶の屈折率異方性を完全
に補償できないためである。このため、傾斜配向成分に
関しても補償できる補償フィルムが求められている。ね
じれネマチック液晶を透明電極を有する基板間で電場配
向させた後、ガラス転移温度以下に冷却することにより
ねじれネマチック液晶の螺旋軸が傾斜状態で配向を固定
した光学素子を用いる方法は、配向膜および透明電極を
有した透明性基板間に液晶を挟持する構造のため、前述
の補償用コレステリック液晶セル同様、厚み、コスト、
生産性の面で問題があった。傾斜したディスコチック液
晶を用いる方法では、ディスコチック液晶の中心核に結
晶性の高い部分を持っているため液晶相が結晶相に転移
しやすいといった問題があった。また、本発明で用いた
コレステリック相をとる液晶オリゴマーとディスコチッ
ク液晶では、負の光学異方性を示すという点では同じで
あるが、分子形状および配向形態が異なるものである。
また、これまで液晶セル内の傾斜配向成分に関しても補
償できる、コレステリック液晶がその分子の螺旋軸を基
板法線に対して傾けて配向したフィルム状の光学異方体
は知られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶
表示装置に用いる液晶の傾斜配向成分を補償して、コン
トラストや表示色の角度依存性を補償できる光学異方体
フィルムおよび該光学異方体フィルムを用いたコントラ
ストや表示色の角度依存性が少ない液晶表示装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討した結果、側鎖型の重合性
の液晶オリゴマーからなるコレステリック相を示す光学
異方体を、2枚の電極のない基材間に挟持された状態
で、または1枚の配向基板上で、その螺旋軸が基材に対
して傾いた状態で配向させた後、重合によりその配向構
造を固定して得られる光学異方体フィルムが、薄くて軽
く液晶セルのコントラストや表示色の角度依存性の低減
に有効であり、得られた光学異方体フィルムを用いる
と、コントラストや表示色の角度依存性の少ない液晶表
示装置が得られることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち本発明は、〔1〕下記反復単位
(I)および(II)を主たる構成単位とする直鎖また
は環状の液晶オリゴマー(A)から選ばれるコレステリ
ック相を示す液晶オリゴマーを1種類以上含有し、該液
晶オリゴマー(A)の1分子中の反復単位(I)および
(II)の数をそれぞれnおよびn’とするとき、nお
よびn’はそれぞれ独立に1〜20の整数であり、かつ
4≦(n+n’)≦21であり、n:n’の比は20:
1〜1:20であり、液晶オリゴマー(A)の反復単位
(II)の末端基が重合してなるコレステリック配向し
た光学異方体において、コレステリック配向の螺旋軸
が、光学異方体フィルム面の法線方向に対して5゜以上
85゜以下の範囲で傾斜しており、厚みをd(μm)、
コレステリック相の螺旋ピッチをP(μm)とすると
き、d≧Pであり、かつP≦0.3μmまたはP≧0.
5μmである光学異方体フィルムに係るものである。
【化11】
【化12】 〔式中、Aは下式(III)または(IV)で表される
基であり、式(III)において−Si−O−は式
(I)または(II)の主鎖であり、式(IV)におい
て−C−CH2 −は式(I)または(II)の主鎖であ
り、COO基は側鎖のR1 またはR2 ではない側鎖に位
置する。式(I)において、Aが式(III)のとき、
および式(II)においてAが式(III)のとき、R
1 およびR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜6のア
ルキル基またはフェニル基である。式(I)において、
Aが式(IV)のとき、および式(II)においてAが
式(IV)のとき、R1 、R2 は独立に水素または炭素
数1〜6のアルキル基である。
【化13】
【化14】 kとk’はそれぞれ独立に2〜10の整数を表し、mと
m’はそれぞれ独立に0または1であり、Ar1 、Ar
2 およびAr3 はそれぞれ独立に1,4−フェニレン
基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−
ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L’
は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−O
CO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=C
H−、−C≡C−または
【化15】 で示される2価の基であり、p’は他と独立に0または
1であり、Rは光学活性基を示し、R’は水素または炭
素数1〜5のアルキル基である。〕
【0010】また、本発明は、〔2〕前記〔1〕記載の
反復単位(I)および(II)を主たる構成単位とする
直鎖または環状の液晶オリゴマー(A)から選ばれるコ
レステリック相を示す液晶オリゴマーを1種類以上含有
し、該液晶オリゴマー(A)の1分子中の反復単位
(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn’とす
るとき、nおよびn’は1〜20の整数であり、かつ4
≦(n+n’)≦21であり、n:n’の比は20:1
〜1:20であり、液晶オリゴマー(A)の反復単位
(II)の末端基が重合してなる、ねじれネマチック配
向した光学異方体において、ねじれネマチック配向の螺
旋軸の方向が、光学異方体フィルムの一方の面上と他方
の面上では傾き角が異なっており、螺旋軸の傾き角と光
学異方体フィルム面とのなす角が小さい面をA面、他方
の面をB面としたとき、A面上の螺旋軸の傾きが0゜以
上90゜未満であり、B面では0゜を超え90゜以下で
あり、A、B面での傾き角は同一ではなく、A面からB
面にわたって連続的に傾き角が変化しており、A面から
B面までを平均した傾き角は0゜でも90゜でもなく、
厚みをd(μm)、ねじれネマチック配向の螺旋ピッチ
をP(μm)とするとき、d≧Pであり、かつP≦0.
3μmまたはP≧0.5μmである光学異方体フィルム
に係るものである。更に、本発明は、〔3〕前記〔1〕
記載の液晶オリゴマー(A)の他に、重合性基を有する
低分子化合物を1種類以上含有し、該液晶オリゴマー
(A)の反復単位(II)の末端基および/または該重
合性基を有する低分子化合物が重合してなる前記〔1〕
または〔2〕記載の光学異方体フィルムに係るものであ
る。更に、本発明は、〔4〕前記〔1〕記載の液晶オリ
ゴマー(A)の他に、該液晶オリゴマー(A)以外の液
晶オリゴマー(B)を1種類以上含有し、該液晶オリゴ
マー(B)は下記反復単位(VI)および前記〔1〕記
載の(II)を主たる構成単位とし、該液晶オリゴマー
(B)の1分子中の反復単位(VI)および(II)の
数をそれぞれn’’およびn’’’とするとき、n’’
およびn’’’はそれぞれ独立に0〜20の整数であ
り、かつ4≦n’’+n’’’≦21であり、液晶オリ
ゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および/また
は液晶オリゴマー(B)の反復単位(II)の末端基が
重合してなる前記〔1〕または〔2〕記載の光学異方体
フィルム。
【化16】 (式中、A、R1 は、前記と同じ定義である。k’’は
2〜10の整数を表し、m’’は0または1であり、A
4 、Ar5 はそれぞれ独立に1,4−フェニレン基、
1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイ
ル基またはピリミジン−2、5−ジイル基であり、
L’’は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO
−、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、
−N=CH−、−C≡C−または
【化17】 で示される2価の基であり、p’’は他と独立に0また
は1であり、R’’はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜
10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ
基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数1〜1
0のアルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基
を有するベンゾイルオキシ基を示す。〕 また、本発明は、〔5〕前記〔1〕記載の液晶オリゴマ
ー(A)の他に、前記〔4〕記載の液晶オリゴマー
(B)から選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび
重合性基を有する低分子化合物を1種類以上含有し、液
晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基および
液晶オリゴマー(B)の反復単位(II)の末端基およ
び重合性基を有する低分子化合物の中の少なくとも1つ
が重合してなる前記〔1〕または〔2〕記載の光学異方
体フィルムに係るものである。
【0011】更に、本発明は、〔6〕前記〔4〕記載の
液晶オリゴマー(B)から選ばれる1種類以上の液晶オ
リゴマー、および不斉炭素と重合性基を有する1種類以
上の低分子化合物を含有し、液晶オリゴマー(B)の反
復単位(II)の末端基および不斉炭素と重合性基を有
する低分子化合物の少なくとも1つが重合してなるコレ
ステリック配向した光学異方体であり、コレステリック
配向の螺旋軸が、光学異方体フィルム面の法線方向に対
して5゜以上85゜以下の範囲で傾斜しており、厚みを
d(μm)、コレステリック相の螺旋ピッチをP(μ
m)とするとき、d≧Pであり、かつP≦0.3μmま
たはP≧0.5μmである状態で配向が固定されてなる
光学異方体フィルムに係るものである。また、本発明
は、〔7〕前記〔4〕記載の液晶オリゴマー(B)から
選ばれる1種類以上の液晶オリゴマー、および不斉炭素
と重合性基を有する1種類以上の低分子化合物を含有
し、液晶オリゴマー(B)の反復単位(II)の末端基
および不斉炭素と重合性基を有する低分子化合物の少な
くとも1つが重合してなるコレステリック配向した光学
異方体であり、ねじれネマチック配向の螺旋軸の方向
が、光学異方体フィルムの一方の面上と他方の面上では
傾き角が異なっており、螺旋軸の傾き角と光学異方体フ
ィルム面とのなす角が小さい面をA面、他方の面をB面
としたとき、A面上の螺旋軸の傾きが0゜以上90゜未
満であり、B面では0゜を超え90゜以下であり、A、
B面での傾き角は同一ではなく、A面からB面にわたっ
て連続的に傾き角変化しており、A面からB面までを平
均した傾き角は0゜でも90゜でもなく、厚みをd(μ
m)、ねじれネマチック配向の螺旋ピッチをP(μm)
とするとき、d≧Pであり、かつP≦0.3μmまたは
P≧0.5μmである光学異方体フィルムに係るもので
ある。
【0012】更に、本発明は、〔8〕前記〔4〕記載の
液晶オリゴマー(B)から選ばれる1種類以上の液晶オ
リゴマーおよび不斉炭素を有する1種類以上の低分子化
合物および重合性基を有する1種類以上の低分子化合物
を含有し、かつ液晶オリゴマー(B)の反復単位(I
I)の末端基および重合性基を有する低分子化合物の少
なくとも1つが重合してなるコレステリック配向した光
学異方体であり、コレステリック配向の螺旋軸が、光学
異方体フィルム面の法線方向に対して5゜以上85゜以
下の範囲で傾斜しており、厚みをd(μm)、コレステ
リック相の螺旋ピッチをP(μm)とするとき、d≧P
であり、かつP≦0.3μmまたはP≧0.5μmであ
る光学異方体フィルムに係るものである。また、本発明
は、
〔9〕前記〔4〕記載の液晶オリゴマー(B)から
選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび不斉炭素を
有する1種類以上の低分子化合物および重合性基を有す
る1種類以上の低分子化合物を含有し、かつ液晶オリゴ
マー(B)の反復単位(II)の末端基および重合性基
を有する低分子化合物の少なくとも1つが重合してなる
コレステリック配向した光学異方体であり、ねじれネマ
チック配向の螺旋軸の方向が、光学異方体フィルムの一
方の面上と他方の面上では傾き角が異なっており、螺旋
軸の傾き角と光学異方体フィルム面とのなす角が小さい
面をA面、他方の面をB面としたとき、A面上の螺旋軸
の傾きが0゜以上90゜未満であり、B面では0゜を超
え90゜以下であり、A、B面での傾き角は同一ではな
く、A面からB面にわたって連続的に傾き角変化してお
り、A面からB面までを平均した傾き角は0゜でも90
゜でもなく、厚みをd(μm)、ねじれネマチック配向
の螺旋ピッチをP(μm)とするとき、d≧Pであり、
かつP≦0.3μmまたはP≧0.5μmである光学異
方体フィルムに係るものである。更に、本発明は、〔1
0〕前記〔1〕〜
〔9〕のいずれかに記載の光学異方体
が、基板平面の法線方向と蒸着方向のなす角が50゜以
上85゜以下の角度で無機化合物を斜方蒸着した基材上
で配向してなる光学異方体フィルムに係るものである。
また、本発明は、〔11〕前記〔1〕〜
〔9〕のいずれ
かに記載の光学異方体が、基材上に形成された配向膜上
で配向してなる光学異方体フィルムに係るものである。
【0013】更に、本発明は、〔12〕電極を有する基
板に挾持された、正の誘電率異方性を有し、電圧無印加
時に基板に対してほぼ水平に配向しかつ螺旋軸を基板に
垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液晶セルとそ
の外側に配置される偏光フィルムとの間に、前記〔1〕
〜〔11〕のいずれかに記載の光学異方体フィルムを少
なくとも一つ含む液晶表示装置に係るものである。ま
た、本発明は、〔13〕電極を有する基板に挾持され
た、負の誘電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対
してほぼ垂直に配向した液晶層からなる液晶セルとその
外側に配置される偏光フィルムとの間に、前記〔1〕〜
〔11〕のいずれかに記載の光学異方体フィルムを少な
くとも一つ含む液晶表示装置に係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明に用いる液晶オリゴマー(A)は、前記の反復単位
(I)および(II)を主たる構成単位とする側鎖型液
晶オリゴマーである。該側鎖型液晶オリゴマーの、骨格
鎖はポリ−1−アルキルアクリル酸エステル、ポリシロ
キサンなどが例示され、直鎖または環状のものが利用で
きるが、液晶オリゴマーの化学的安定性の観点から、環
状の構造が好ましい。具体的には、ポリ−1−アルキル
アクリル酸エステルでは、ポリメタクリル酸エステルま
たはポリアクリル酸エステルが好ましく、更に好ましく
はポリメタクリル酸エステルである。これらの中で、ポ
リシロキサン系の側鎖型液晶オリゴマーが好ましい。液
晶性を与える基(以下、メソゲン基ということがあ
る。)は屈曲鎖(以下、スペーサーということがあ
る。)を介して、主鎖と結合したものが一般的に使用で
きる。
【0015】該側鎖型液晶オリゴマー(A)は、液晶状
態を示す上限の温度について特に制限はないが、基材と
の積層時の乾燥や配向処理のために、液晶相から等方相
への転移温度(以下、液晶相/等方相の転移温度と記す
ことがある。)が好ましくは200℃以下になるよう
に、更に好ましくは170℃以下となるように、特に好
ましくは150℃以下となるようにスペーサーの長さや
メソゲン基の種類、重合度を選択することが好ましい。
これら液晶オリゴマーの結晶相またはガラス相と液晶相
との転移温度については、特に制限はなく、室温以下の
転移温度でも使用できる。
【0016】本発明で用いる側鎖型液晶オリゴマーは、
屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要
であるが、その操作の容易さを決める要因として液晶オ
リゴマー(A)反復単位の数が重要である。反復単位の
数が大きいと粘度が高く、また液晶転移温度が高いため
に、配向に高温や長時間が必要になり、また反復単位の
数が小さいと配向が室温状態で緩和するので好ましくな
い。該液晶オリゴマー(A)の1分子中の反復単位
(I)および(II)の数をそれぞれnおよびn’とす
るとき、nおよびn’は、それぞれ独立に1〜20の整
数であり、nとn’の合計が4〜21となるように選ば
れる。該液晶オリゴマーの配向性と重合後の配向の固定
の観点から、nとn’の比は20:1〜1:20の範囲
であり、好ましくは5:1〜1:10である。nとn’
の比の制御は後述のように、これら液晶オリゴマーを合
成するときに行なうことができる。
【0017】該側鎖型液晶オリゴマーは、主鎖とメソゲ
ン基を結ぶスペーサーによっても、液晶転移温度、配向
性が影響される。短いスペーサーでは、メソゲン基の配
向性が良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基
の配向後の緩和が起こりやすいことから、kとk’はそ
れぞれ独立に2〜10の整数であり、mとm’はそれぞ
れ独立に0または1である。すなわち、スペーサーとし
て、炭素数2〜10のアルキレン基またはアルキレンオ
キシ基が挙げられる。特に、高配向性の観点から、炭素
数2〜6のアルキレン基またはアルキレンオキシ基が好
ましい。合成の容易さから、アルキレンオキシ基が更に
好ましい。具体的には、スペーサーとして好ましい基と
して、−(CH2 2 −、−(CH2 3 −、−(CH
2 4 −、−(CH2 5 −、−(CH2 6 −、−
(CH2 3 −O−、−(CH2 4 −O−、−(CH
2 5 −O−、−(CH2 6 −O−が例示される。
【0018】本発明の光学異方体フィルムでは、屈折率
の異方性が大きいことが工業上有利である。このために
は、メソゲン基は屈折率異方性の大きな基が好ましい。
このようなメソゲン基を与える構造としては、反復単位
(I)または(II)式中のAr1 、Ar2 、Ar
3 が、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−
シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基また
はピリミジン−2,5−ジイル基であり、好ましくは
1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、
ピリミジン−2,5−ジイル基であり、更に好ましくは
1,4−フェニレン基である。
【0019】次に、反復単位(I)におけるR基は、液
晶オリゴマーのコレステリック相の発現に寄与すること
から、光学活性基であることが必須であり、コレステリ
ック相の安定化の観点から、下記構造を有する基が好ま
しい。
【化18】 または
【化19】 (式中、R3 は、−Hまたは下式を示し、
【化20】 4 は、−Hまたはメチル基を示し、R5 は−Hまたは
6 を示し、R6 は直鎖または分岐を有する炭素数1〜
20のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数
1〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐してい
る場合は不斉炭素を有していてもよい。)
【0020】具体的に、反復単位(I)を持つ直鎖状も
しくは環状の液晶オリゴマーに用いられるメソゲン基を
表1および表2に例示する。ここで、例えば、表1にお
けるスペーサーの欄の番号1は反復単位(I)におい
て、−Ar1 −Rが
【化21】 であり、R3 基が
【化22】 であり、スペーサーの−(CH2 k −が、−(C
2 3 −である反復単位を表す。以下の番号も同様の
意味であり、表2以下においても同様の意味である。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】 このうち、更に好ましい構造としては、番号1〜6およ
び番号31〜36が挙げられる。
【0023】反復単位(II)におけるAr2 とAr3
を結合する2価の基L’は、−CH 2 −O−、−O−C
2 −、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH
2 −、−CH=N−、−N=CH−、−C≡C−もしく
【化23】 である基、またはAr2 とAr3 が直接結合した基
(p’が0のとき)である。これらの中で該結合基L'
としては、−CH2 −CH2 −、−COO−、−OCO
−基が好ましく、さらに好ましくは−COO−基であ
る。次に、反復単位(II)における末端基は、液晶オ
リゴマーの配向を重合により固定する基である。重合基
としては、−OCO−C(R’)=CH2 (式中、R’
は水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)であ
り、アクリレート基、メタアクリレート基が例示され
る。これらの基の重合方法には特に制限はないが、ラジ
カル開始剤による光重合や熱重合が例示され、操作の簡
便さや配向の固定の効率の観点から、光重合が好まし
い。光重合の開始剤としては公知のものが利用できる。
【0024】具体的に、反復単位(II)を有する直鎖
状もしくは環状の液晶オリゴマーに用いられる重合性の
メソゲン基を表3および表4に例示する。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】 これらの重合性のメソゲン基の中で、メタクリレート基
を有する番号67〜72、79〜84、91〜96、1
39〜144、151〜156の基が好ましく、更に好
ましくは番号79〜84の基である。これらのメソゲン
基は、直鎖または環状ポリシロキサン系主鎖に結合した
ものが、良好な特性を示すことから好ましく、更に好ま
しくは環状ポリシロキサンに結合したものが好ましい。
【0027】本発明の光学異方体フィルム(発明
〔1〕)においては、液晶オリゴマー(A)から選ばれ
るコレステリック相を示す液晶オリゴマーを1種類以上
含有する組成物(以下、単に液晶組成物と記すことがあ
る。)のコレステリック配向の螺旋軸が光学異方体フィ
ルムの法線方向に対して傾斜した状態で配向される。該
液晶組成物のコレステリック配向の螺旋軸が光学異方体
フィルムの法線方向に対してなす角は、5゜〜85゜で
あり、好ましくは10゜〜80゜であり、更に好ましく
は20゜〜50゜である。
【0028】また、本発明の光学異方体フィルム(発明
〔2〕)においては、後述のように例えば、異なる角度
の傾斜配向を有する2枚の基板のそれぞれに、該液晶組
成物を塗布し、該2枚の基板を液晶組成物が塗布された
側を内側にして貼り合わせ、熱処理などによる配向処理
を行うことなどの方法により、光学異方体フィルムのコ
レステリック配向の螺旋軸の傾き角が一方の面上と他方
の面上では傾き角が異なっている配向にする。これは一
般にハイブリッド配向と呼ばれる。このときの螺旋軸の
傾きは、具体的には、傾き角が小さい面をA面、他方の
面をB面としたとき、A面上の螺旋軸の傾き角が0゜以
上90゜未満であり、B面上の螺旋軸の傾き角が0゜を
超え90゜以下であり、A、B面での傾き角は同一では
なく、A面からB面にわたって連続的に傾き角が変化し
ており、全層を平均した傾き角は0゜でも90゜でもな
いものである。更に好ましくは、A面上の螺旋軸の傾き
が0゜を超え70゜以下であり、B面面上の螺旋軸の傾
きが20゜以上90゜以下であり、A、B面での傾き角
は同一ではなく、A面からB面にわたって連続的に傾き
角が変化しており、全層を平均した傾き角は0゜でも9
0゜でもないものである。
【0029】前記発明〔1〕および〔2〕のいずれにお
いても、光学異方体フィルムの厚みをd(μm)、コレ
ステリック相の螺旋ピッチをP(μm)とするとき、d
≧Pであり、更に、可視光の選択反射による着色を避け
るために、用いる液晶組成物のコレステリック相の螺旋
ピッチ(P)を0.3μm以下または0.5μm以上、
好ましくは0.6μm以上、更に好ましくは0.7μm
以上に調整する必要がある。液晶組成物のコレステリッ
ク相の螺旋ピッチ(P)は、液晶オリゴマー(A)のメ
ソゲンの構造によっても、反複単位(I)および(I
I)の比率を変化することによっても制御できる。
【0030】液晶オリゴマー(A)の合成方法として
は、特公昭63−41400公報や特公昭63−477
59号公報や特開平2−149544号公報に記載の方
法が採用できる。例えば、ポリシロキサン鎖に該側鎖の
メソゲン基を付加させる方法やメソゲン基を屈曲性のス
ペーサー基を介して有するアクリル酸エステルやメタク
リル酸エステルを重合する方法が例示される。ポリシロ
キサン鎖にメソゲン基を付加する場合には、反復単位
(I)または(II)の側鎖のメソゲン基と同じ構造を
有し、スペーサーであるアルキレンオキシ基を生成する
末端に不飽和2重結合を有するω−アルケニルオキシ基
を有する反応原料をポリシロキサンと白金触媒下に反応
させることで得られる。この反応時に、非重合性のメソ
ゲン基と重合性のメソゲン基に対応する反応原料仕込み
比率で2種類のメソゲン基の結合比率を制御することが
できる。同様に、主鎖がアクリル酸エステル系またはα
−アルキルーアクリル酸エステル系では相当するメソゲ
ン基を有する2種類のモノマーを共重合する際にモノマ
ーの仕込み比率を制御することで重合性メソゲン基と非
重合性のメソゲン基の比率を制御できる。このようにし
て得られた液晶オリゴマーは、コレステリック相を示す
ものが用いられる。
【0031】本発明において、螺旋ピッチを制御する方
法としては、液晶オリゴマー(A)に重合性基を有する
低分子化合物を混合して制御する方法(発明〔3〕に相
当)、液晶オリゴマー(A)と(B)の混合によって制
御する方法(発明〔4〕に相当)、液晶オリゴマー
(A)と(B)の混合物に、低分子化合物を混合して制
御する方法(発明〔5〕に相当)が挙げられる。光学異
方体フィルムの製造において液晶組成物を配向後重合さ
せるため、重合後の相溶性が重要である。このため、低
分子化合物を用いる場合、脱離防止の観点から重合性基
を有しているものが好ましい。本発明において、該低分
子化合物は、液晶の配向性を乱さなければどのようなも
のでもかまわないが、熱または光硬化性を有する低分子
化合物もしくはそのオリゴマーまたは重合性低分子液晶
が好ましく用いられる。該熱または光硬化性を有する低
分子化合物またはそのオリゴマーとしては、ポリウレタ
ン系、アクリルオリゴマー系、アクリル−シリコン系も
しくはオルガノポリシロキサン系の低分子化合物などま
たはそのオリゴマーが例示される。また、本発明におけ
るこれらの低分子化合物の添加量は、液晶組成物の0〜
50wt%が好ましく、更に好ましくは0〜40wt%
である。低分子化合物の添加量が50wt%を超える
と、成膜性や配向の安定性が損なわれる可能性があるの
で好ましくない。
【0032】本発明で用いる側鎖型液晶オリゴマーは、
屈折率の異方性を持たせるために配向させることが必要
であるが、その操作の容易さを決める要因として液晶オ
リゴマー(B)の反復単位の数が重要である。反復単位
の数が大きいと粘度が高く、また液晶転移温度が高いた
めに、配向に高温や長時間が必要になり、また反復単位
の数が小さいと配向が室温状態で緩和するので好ましく
ない。該液晶オリゴマー(B)の1分子中の反復単位
(VI)および(II)の数をそれぞれn’’および
n’’’とするとき、n’’とn’’’はそれぞれ独立
に0〜20の整数であり、n’’とn’’’の合計が4
〜21となるように選ばれる。n’’とn’’’の比は
任意に選ぶことができ、n’’とn’’’の比の制御は
これら液晶オリゴマーを合成するときに行なうことがで
きる。
【0033】該側鎖型液晶オリゴマー(B)は、液晶オ
リゴマー(A)と同様に、主鎖とメソゲン基を結ぶスペ
ーサーによっても、液晶転移温度、配向性が影響され
る。この場合も短いスペーサーではメソゲン基の配向性
が良好でなく、また長いスペーサーではメソゲン基の配
向後の緩和が起こりやすいことから、k’’は2〜10
の整数であり、m’’は0または1である。すなわち、
該スペーサーとして、炭素数2〜10のアルキレン基ま
たはアルキレンオキシ基が挙げられる。特に高配向性の
観点から該スペーサーとして、炭素数2〜6のアルキレ
ン基またはアルキレンオキシ基が好ましい。また、合成
の容易さから、アルキレンオキシ基が更に好ましい。具
体的には、好ましい基として−(CH2 2 −、−(C
2 3 −、−(CH2 4 −、−(CH2 5 −、−
(CH2 6 −、−(CH2 3 −O−、−(CH2
4 −O−、−(CH2 5 −O−、−(CH2 6 −O
−が例示される。
【0034】得られる光学異方体フィルムの屈折率異方
性を大きくするために、液晶オリゴマー(B)において
も、メソゲン基は屈折率異方性の大きな基が好ましい。
このようなメソゲン基を与える構造としては、反復単位
(VI)および前記の(II)式中のAr2 、Ar3
Ar4 およびAr5 が、それぞれ独立に1,4−フェニ
レン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,
5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジイル基のも
のが挙げられる。好ましくは、Ar2 、Ar3、Ar4
およびAr5 がそれぞれ独立に1,4−フェニレン基、
ピリジン−2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5
−ジイル基であり、さらに好ましくは1,4−フェニレ
ン基である。反復単位(VI)および(II)式中のA
2 およびAr3 、Ar4 およびAr5 を結合する2価
の基L’、L’’としては、−CH2 −O−、−O−C
2−、−COO−、−OCO−、−CH2 −CH
2 −、−CH=N−、−N=CH−、−C≡C−もしく
【化24】 である基、またはAr2 とAr3 またはAr4 とAr5
が直接結合した基が挙げられる。さらに、結合基L'
は、−CH2 −CH2 −、−COO−、−OCO−基が
好ましく、さらに好ましくは−COO−基である。反復
単位(VI)におけるR’’基は、メソゲン基の誘電率
異方性や配向性に影響するため、屈折率異方性の高い液
晶オリゴマーよりなる光学異方体フィルムを得る観点か
ら、ハロゲン、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10の
アリール基、または炭素数1〜10のアルキル基もしく
は炭素数1〜10のアルコキシ基を有するベンゾイルオ
キシ基が選ばれる。好ましくは、シアノ基、炭素数1〜
10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基
であり、更に好ましくはシアノ基である。反復単位(V
I)に示される繰り返し単位を有する直鎖状もしくは環
状の液晶オリゴマーに用いられるメソゲン基を表5、表
6、表7および表8に例示する。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】 これらのメソゲン基のなかで、シアノ基またはメトキシ
基を有する番号157〜168、187〜198、21
7〜228、337〜348および367〜378の基
が好ましく、更に好ましくは番号187〜198であ
る。これらのメソゲン基はポリシロキサン系主鎖に結合
したものが高い配向性を示すことから好ましく、更に好
ましくは環状シロキサンに結合したものが好ましい。こ
こで、反復単位(II)における末端基の例示やその重
合方法、また重合性のメソゲン基などについては、前記
と同様であり、表3および表4中の好ましい基も前記と
同様である。
【0039】液晶オリゴマー(B)の合成方法として
は、液晶オリゴマー(A)と同様の方法が採用できる。
このようにして得られる液晶オリゴマー(B)はネマチ
ック相を示すものが好ましい。
【0040】更に、螺旋ピッチ長を制御する方法として
は、液晶オリゴマー(B)のように液晶自身が螺旋を巻
いて配向しないタイプのみを使う場合、コレステリック
構造で配向させるため、不斉炭素を含む光学活性物質を
添加する必要がある。すなわち、液晶オリゴマー(B)
に不斉炭素と重合性基を有する低分子化合物を混合する
方法(発明〔6〕と〔7〕に相当)、液晶オリゴマー
(B)に不斉炭素を有する低分子化合物と重合性基を有
する低分子化合物を混合する方法(発明〔8〕と
〔9〕
に相当)が挙げられる。また、本発明におけるこれらの
低分子化合物の添加量は、液晶組成物の0〜50wt%
が好ましく、更に好ましくは0〜40wt%である。低
分子化合物の添加量が50wt%を超えると、成膜性や
配向の安定性が損なわれる可能性があるので好ましくな
い。
【0041】不斉炭素を含む光学活性物質は、相溶性、
配向性維持などの観点から低分子化合物であることが好
ましい。さらに好ましくは、低分子化合物であり、かつ
重合性基を含むものである。具体的には、不斉炭素を含
む光学活性物質として、液晶用のカイラル剤などが挙げ
られる。カイラル剤は、液晶の均一配向性を乱さず、ね
じれ配向性を付与できれば、純粋状態では結晶性のもの
であってもかまわないが、重合性基を持つものが好まし
い。カイラル剤の混合比率は、ねじれ角付与性によって
異なるが、多すぎると配向性の低下や選択反射による可
視光の反射による着色などの問題点があるため、液晶組
成物全体の20wt%以下が好ましい。更に好ましくは
15wt%以下、特に好ましくは10wt%以下であ
る。また、配向固定の観点から液晶組成物は、1分子平
均1個以上の重合基を有するものが好ましく、1分子平
均1.5個以上重合基を有するものが更に好ましい。
【0042】本発明の光学異方体フィルムの製造方法と
しては、液晶組成物を成膜した後、熱処理を行い、コレ
ステリック配向の螺旋軸を法線方向に傾斜配向させた
後、重合性基を重合する方法が挙げられる。液晶組成物
を成膜する方法としては、特に制限はないが、平滑な基
材上に成膜することが一般的である。基材上に成膜した
光学異方体フィルムは、基材からはがして使用すること
もできるし、基材とともに使用することもできるが、成
膜に用いた基材とともに使用することが一般的である。
用いる基材としては、透明または半透明の基材が好まし
く、具体的にはガラスなどの無機質基板や、高分子フィ
ルムなどが挙げられる。
【0043】該無機質基板としては、透明もしくは半透
明のガラス板、または液晶セルに使用されるガラス板の
外側や、Si、Al、Mg、Zrなどの酸化物やフッ化
物などの無機化合物やセラミックスが例示される。高分
子フィルムとしては、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、2酢酸セ
ルロース、3酢酸セルロース、ポリスチレン、エチレン
ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどが例示され、好まし
くはポリカーボネート、ポリスルホン、3酢酸セルロー
ス、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンが例示
される。用いる高分子フィルムの厚みは、特に制限はな
いが、0.8μm以上500μm以下が好ましく、更に
好ましくは10μm以上300μm以下、特に好ましく
は40μm以上200μm以下である。これらの高分子
フィルムの製造方法としては、溶剤キャスト法、押出成
形法、プレス成形法などの成形方法を用いればよい。
【0044】また、基材が高分子フィルムの場合は、後
述するように液晶オリゴマーの熱処理を行うに際し、用
いる基材のガラス転移温度未満で行うことが好ましい。
また、可塑剤などが添加されている基材では、基材の流
動温度以上では基材の変形が生じたりするので、熱処理
温度に応じた基材を適宜選択することが好ましい。
【0045】本発明の光学異方体フィルムにおいては、
液晶組成物のコレステリック配向の螺旋軸が光学異方体
フィルムの法線方向に対して傾斜した状態で配向させ
る。このようなコレステリック配向を実現するには、基
板表面に傾斜配向処理を行うのが一般的である。傾斜配
向処理法としては、ラビングした傾斜配向性を示す配向
膜を用いる方法、無機物を斜方蒸着する方法、無機物を
斜方蒸着したのち界面活性剤等で表面処理を行う方法、
または無機物を斜方蒸着したのち配向膜をつける方法な
ど公知の方法を用いることができる。この中でも、無機
物を斜方蒸着する方法または無機物を斜方蒸着したのち
配向膜をつける方法が好ましい。
【0046】また、ハイブリッド配向の場合には、例え
ば、異なる角度の傾斜配向を有する2枚の基板のそれぞ
れに、液晶組成物を塗布し、該2枚の基板を液晶組成物
が塗布された側を内側にして貼り合わせる、または、異
なる角度の傾斜配向を有する2枚の基板のそれぞれに、
液晶組成物を塗布し、熱処理を加えて、該液晶組成物を
配向させ、該2枚の基板を液晶組成物が塗布された側を
内側にして貼り合わせる。一方の基板上の液晶組成物の
螺旋軸が、基板法線方向と平行であるものでもよい。前
記のように、2枚の基板で挟まれた液晶組成物に、熱処
理などによる配向処理を行うことなどの方法により、光
学異方体フィルムのコレステリック配向の螺旋軸の傾き
角が一方の面上と他方の面上では傾き角が異なっている
配向(ハイブリッド配向)にすることが可能である。
【0047】傾斜配向性を示す配向膜を用いる場合、安
定に配向させるために基材上に配向膜を形成した後、ラ
ビング処理を行なうことが好ましい。該配向膜として
は、液晶分子をプレチルト配向させるものであれば公知
のものが使用可能である。例えば、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリビニルアルコールなどが例示される。配向膜
の塗布法としては、ロールコート法、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、バーコート法、スピン
コート法、スプレーコート法、プリント法、ディッピン
グ法などが例示される。配向膜の膜厚については、一般
的に0.01μm以上であれば配向性能を発揮するが、
配向膜が厚すぎると作業性が悪くなることから、0.0
1〜5.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.02
〜3.0μmである。次いで、塗布した配向膜の種類に
応じて、乾燥、硬化などの後処理を行ったのち、配向膜
のラビングを行う。ラビング方法としては、特に制限は
なく、公知の方法を用いることができる。例えば、ラビ
ングローラーを用いる場合は、ラビングローラーの材質
や、ラビングローラーの配向膜への押し込み量、基材に
対するローラーの移動速度、ラビング回数などに特に制
限はなく、配向膜の種類や、液晶オリゴマーの種類など
に応じて、最適な条件を選択すればよい。
【0048】斜方蒸着法としては、無機物の斜法蒸着膜
を使う方法が例示される。該無機物としては、蒸着時に
基板法線に対して傾斜しながら柱状成長させることが好
ましい。該無機物として、具体的には、SiO、SiO
2 、SiOx (ここで1<x<2)、MgO、MgOy
(ここで0<y<1)、MgF2 、ZnO、MoO3
WO3 、Ta2 5 、SnO2 、CeO2 、LiNbO
3 、LiTaO3 、ZrO2 、Bi2 3 、TiZrO
4 、HfO2 などが例示され、これらの中でもSiO、
SiO2 、SiOx (ここで1<x<2)、MgO、M
gOy (ここで0<y<1)、MgF2 、ZnOが好ま
しく用いられ、更に好ましくはSiO、SiO2 、Si
x (ここで1<x<2)が用いられる。斜方蒸着法に
ついては、抵抗加熱または電子線加熱による蒸着方法や
スパッタリング法が例示されるが、高融点の無機物を蒸
着するため電子線加熱による蒸着法やスパッタリング法
が好ましい。蒸着の際の真空度は、特に制限はないが、
蒸着膜の均一性の観点から圧力の上限が決まり、生産性
の観点から圧力の下限が決まる。具体的には、1×10
-3〜1×10-7Torrが例示され、好ましくは5×1
-4〜5×10-6Torrである。また、無機物を基板
法線に対して傾斜させながら柱状成長させるための基板
平面の法線方向に対する蒸着角は、蒸着される物質、お
よび目的のコレステリック配向の螺旋軸の法線方向に対
してなす角によって異なるが、50゜〜85゜が好まし
く、更に好ましくは60゜〜80゜である。無機物の蒸
着速度については、蒸着速度が小さいと生産性が悪くな
り、蒸着速度が大きいと蒸着膜の均一性が悪くなること
から、蒸着速度は0.01〜10nm/秒が好ましく、
更に好ましくは0.1〜5nm/秒である。蒸着した無
機物の膜厚については、膜厚が小さいと配向が悪くな
り、膜厚が大きいと生産性が悪くなることから0.01
μm〜10μmが例示され、好ましくは0.03〜2μ
m、更に好ましくは0.05〜1μmである。
【0049】また、目的のコレステリック配向の螺旋軸
の法線方向に対してなす角をコントロールするために、
斜方蒸着基板を界面活性剤で処理してもよい。該界面活
性剤は、液晶の配向を乱さず、塗布された光学異方体フ
ィルムに、はじきを生じなければ、どのようなものでも
よい。具体的には、レシチンなどの界面活性剤やシラン
カップリング剤やチタンカップリング剤などの界面活性
剤が例示される。配向膜の塗布法としては、マイクログ
ラビアコート法、バーコート法、スピンコート法、スプ
レーコート法、プリント法またはディッピング法などが
例示される。配向膜の膜厚については、一般的に単分子
膜以上の膜厚であれば性能を発揮するが、配向膜が厚す
ぎると下地の斜方蒸着膜の凹凸を覆い隠し傾斜配向性の
制御性が低下することから、0.5μm以下が好まし
く、更に好ましくは0.2μm以下、特に好ましくは
0.1μm以下である。
【0050】また、コレステリック配向の螺旋軸の法線
方向に対してなす角をコントロールするため、および接
着性向上のために、斜方蒸着基板上に配向膜をごく薄く
塗布してもよい。該配向膜としては、液晶分子を配向さ
せるものであれば公知のものが使用可能である。例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポ
リエチレンビニルアルコール共重合体、プルラン、デキ
ストリンなどの水溶性の高分子を塗布する方法;ポリイ
ミド系、ポリアミド系、ポリウレタン系、アクリルオリ
ゴマー系、アクリル−シリコン系もしくはオルガノポリ
シロキサン系樹脂などのオリゴマーまたはモノマーを塗
布した後、熱重合や光重合でオリゴマーまたはモノマー
間を三次元的に架橋する方法などが例示される。該配向
膜の塗布法としては、ロールコート法、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、マイヤーバーコート
法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート
法、プリント法、ディッピング法などが例示される。塗
布した配向膜の種類に応じて、乾燥、硬化などの後処理
を行ったのち、必要に応じて配向膜のラビングを行う。
該配向膜の膜厚については、一般的に単分子膜以上であ
れば配向性能を発揮するが、配向膜が厚すぎると下地の
斜方蒸着膜の凹凸を覆い隠し傾斜配向性の制御性が低下
することから、0.01〜0.5μmが好ましく、更に
好ましくは0.01〜0.2μm、特に好ましくは0.
01〜0.1μmである。
【0051】次いで、傾斜配向処理を施した基材上に液
晶組成物を成膜する。該液晶組成物の成膜方法として
は、液晶組成物を溶液状態で塗布する方法、等方相状態
で塗布する方法が例示され、溶液状態から塗布する方法
が好ましい。該塗布方法としては、通常のロールコート
法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、マ
イヤーバーコート法、バーコート法、スピンコート法、
スプレーコート法、プリント法、デッピング法などが例
示される。得られる液晶組成物の厚みとしては、0. 1
〜20μmが好ましく、さらに好ましくは0. 5〜10
μmであり、特に好ましくは1〜7μmである。0. 1
μmより薄いと光学的な特性の発現が弱くなり、20μ
mを超えると経済的に好ましくない。
【0052】また、液晶組成物の厚みは、用いる液晶組
成物の螺旋ピッチも考慮して設定する必要がある。すな
わち、得られる液晶組成物の厚みは、用いる液晶組成物
のコレステリック相螺旋ピッチ長の1倍以上、好ましく
は2倍以上の厚みが必要である。液晶組成物の厚みがピ
ッチ長の1倍未満であると、コレステリック相の旋光性
により偏光板を直交させた状態でも光の漏れが生じ、液
晶セルに搭載した場合、コントラストの低下につながり
好ましくない。
【0053】次いで、液晶組成物の熱処理を行う。熱処
理温度(単位℃)をTt、液晶組成物の結晶相またはガ
ラス相から液晶相への転移温度(単位℃)をTg、基材
や配向膜の変形が生じる温度(単位℃)をTkと書くこ
とにすると、熱処理温度は、Tg+30≦Tt≦Tk−
10が好ましく、Tg+40℃≦Tt≦Tk−20℃の
範囲で熱処理することが更に好ましく、製造の容易さを
考えると60〜200℃の範囲で行うことが好ましい。
熱処理時間は、あまり短いとコレステリック配向が実現
せず、あまり長いと工業的に好ましくないので、10秒
以上1時間以下が好ましく、15秒以上10分以下がさ
らに好ましい。以上の熱処理により、液晶組成物は、法
線方向に対して傾斜した螺旋軸を有するコレステリック
配向をするようになる。熱処理における加熱速度、冷却
速度については特に制限はない。
【0054】次いで、傾斜したコレステリック配向を固
定化するために、液晶組成物を重合する。重合方法とし
ては、配向を保持したままで重合することが必要である
から、光重合、γ線などの放射線重合や熱重合が例示さ
れる。光重合や熱重合では公知の重合開始剤を用いるこ
とができる。これらの重合方法の中で工程の簡単さか
ら、光重合と熱重合が好ましく、さらに、配向の保持の
良好さから光重合がより好ましい。光重合を行う場合の
照射光強度は、液晶組成物の厚みや用いる液晶オリゴマ
ーの種類に応じて最適値を選択すればよいが、好ましく
は0.01〜5.0J/cm2 の範囲であり、更に好ま
しくは0.1〜3.0J/cm2 である。照射光量が
0.01J/cm2 より少ない場合は、重合基の反応が
不十分となる可能性があり、5.0J/cm2 より多い
と製造コスト上問題である。
【0055】また、光学異方性物質には、層の厚みの保
持などの目的のために、高分子またはシリカなどの無機
物質からなるフィラーを添加してもよい。フィラーの形
状、材質、大きさや量については、本発明の目的を損な
わない程度の範囲であれば特に限定はない。また、配向
層保護および配向状態制御のため、この上にオーバーコ
ートを施しても構わない。該オーバーコートの材質は、
特に制限はないが、好ましくは光硬化性または熱硬化性
樹脂の、ポリウレタン系、アクリルオリゴマー系、アク
リル−シリコン系もしくはオルガノポリシロキサン系樹
脂などのオリゴマーまたはモノマーが好ましく用いられ
る。
【0056】次に、本発明の液晶表示装置は、電極を有
する基板に挾持された、正の誘電率異方性を有し、電圧
無印加時に基板に対してほぼ水平に配向しかつ螺旋軸を
基板に垂直方向にねじれ配向した液晶層からなる液晶セ
ルとその外側に配置される偏光フィルムとの間に、本発
明の光学異方体フィルムを少なくとも一つ含むことを特
徴とする液晶表示装置(発明〔12〕)である。また、
本発明は、電極を有する基板に挾持された、負の誘電率
異方性を有し、電圧無印加時に基板に対してほぼ垂直に
配向した液晶層からなる液晶セルとその外側に配置され
る偏光フィルムとの間に、本発明の光学異方体フィルム
を少なくとも一つ含むことを特徴とする液晶表示装置
(発明〔13〕)である。即ち、本発明の液晶表示装置
は、電極を有するガラスや透明プラスチック基板に挾持
されたTNまたはTFTまたはホメオトロピック配向液
晶セルとその外側に配置された偏光フィルムとの間に、
液晶オリゴマーからなる光学異方体フィルムを配置した
ものである。これらの液晶オリゴマーからなる光学異方
体フィルムまたはシートや複合光学異方体フィルムまた
はシートを配置する位置、配置の順序や方向や枚数につ
いて特に限定はなく、液晶パネルとしたときに要求され
る特性に応じて適宜選択すればよい。具体的な配置とし
てはTNセルまたはTFTセルまたはホメオトロピック
配向セルの、片側または両側において、セルと偏光板の
間にそれぞれ1枚以上配置することが例示される。ま
た、使用に際してあらかじめ偏光フィルムと本光学異方
体フィルムを貼合して用いてもよい。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。液晶
オリゴマーの相転移温度は、示差熱走査分析(DSC)
および偏光顕微鏡によるテクスチャー観察により決定し
た。また、得られた光学異方体フィルムが負の屈折率異
方性を有することおよび傾斜配向していることは、水平
面から光学異方体フィルムをそのラビング方向または斜
方蒸着方向に対してなす角が、0゜、90゜、180
゜、270゜として傾けた場合に、その中のすくなくと
も3方向でレターデーションが増加する方向があること
および光学異方体フィルムの法線に垂直な面内のレター
デーションが最小でないことより確認した。なお、レタ
ーデーションの測定は、546nmの光でセナルモン法
を用いて偏光顕微鏡で行った。
【0058】参考例1 (CLC−Aの合成)特公昭63−41400号公報記
載の方法と同様にして、下記式(X)と(XI)で表さ
れるビニルモノマーを、7:3の混合比でペンタメチル
シクロペンタシロキサンと反応させ、環状ペンタシロキ
サン液晶オリゴマー(以下、CLC−Aと記すことがあ
る。)を得た。
【化25】
【化26】 この液晶オリゴマーのガラス転移温度は、14℃であ
り、等方相への転移温度は114℃であり、14℃〜1
14℃でコレステリック相を示した。また、この液晶オ
リゴマーとネマチック液晶との組成物の選択反射波長の
測定値より外挿した結果、液晶オリゴマー単独の選択反
射波長は280nmであった。この波長からこの液晶オ
リゴマーのコレステリック相螺旋ピッチは、0.2μm
と計算される。
【0059】参考例2 (CLC−Bの製造)下記式(XII)、(XIII)
で表されるビニルモノマーがほぼ等量であり、これら
と、(XII)で表されるビニルモノマーの1.5倍量
の(XI)で表されるビニルモノマーとを、環状シロキ
サノールに重合した環状シロキサンオリゴマーに、Tg
が18℃となり、Tiが125℃となるように(XI
V)で表されるビニルモノマーを添加したシロキサンオ
リゴマー組成物を得た。該組成物をCLC−Bと記すこ
とがある。
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【0060】実施例1 CLC−Aを1重量部とCLC−Bを3重量部の割合
で、トルエンに固形分濃度が30wt%になるように溶
解し、さらに光重合開始剤として、商品名イルガキュア
―907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに対し
て2.0wt%になるように混合し、液晶オリゴマー液
(1)とした。この溶液を、基板法線方向に対して80
゜の角度からSiO2 を300nm蒸着したガラス基板
上にスピンコートした。得られた液晶オリゴマーフィル
ムは、白濁しており、偏光顕微鏡で観察したところ、全
く配向していなかった。次いで、この液晶オリゴマーフ
ィルムを80℃で5分加熱した後、高圧水銀ランプを用
いて積算光量が0.5J/cm2 になるように紫外線を
照射した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜
厚は、2μmであり、コレステリック相螺旋ピッチの
2.5倍であり、可視光の選択反射による着色は認めら
れなかった。斜方蒸着方向と垂直でかつ基板面を含む方
向を回転軸として、レターデーションを測定した結果、
図1に示すレターデーション特性を示し、コレステリッ
ク相螺旋軸は、基板法線に対して約20゜傾斜してい
た。
【0061】実施例2 実施例1で得られた液晶オリゴマー重合体フィルムから
なる光学異方体フィルムを、白黒のストライプ表示をし
たTFT液晶セルと偏光板の間に挿入し、斜め方向から
見た場合に関して、白と黒の表示が反転する領域および
表示の着色に関して観察した。その結果、比較例1の光
学異方体フィルムを挿入しない場合と比べて、向かって
下側から見た場合の反転表示領域は65゜以上と狭くな
り、かつ上下方向から見た場合の白表示の黄色化も抑制
されるため目視による視認性も向上した。
【0062】実施例3 CLC−Aをトルエンに固形分濃度が30%になるよう
に溶解し、さらに光重合開始剤として、商品名イルガキ
ュア―907(チバガイギー社製)を液晶オリゴマーに
対して2.0wt%になるように混合し、液晶オリゴマ
ー液(2)とした。この溶液を、基板法線方向に対して
80゜の角度よりSiO2 を300nm蒸着したガラス
基板上にスピンコートした。得られた液晶オリゴマーフ
ィルムは白濁しており、偏光顕微鏡で観察したところ、
全く配向していなかった。次いでこの液晶オリゴマーフ
ィルムを80℃で5分加熱した後、高圧水銀ランプを用
いて積算光量が0.5J/cm2 になるように紫外線を
照射した。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜
厚は1.3μmでコレステリック相螺旋ピッチの7.5
倍であり、可視光の選択反射による着色は認められなか
った。斜方蒸着方向と垂直でかつ基板面を含む方向を回
転軸として、レターデーションを測定した結果、図2に
示すレターデーション特性を示し、コレステリック相螺
旋軸は基板法線に対して約20゜傾斜していた。
【0063】実施例4 実施例3で得られた液晶オリゴマー重合体フィルムから
なる光学異方体フィルムを螺旋軸が平行になるように2
枚重ねて、白黒のストライプ表示をしたTFT液晶セル
と偏光板の間に挿入し、斜め方向から見た場合に関し
て、白と黒の表示が反転する領域および表示の着色に関
して観察した。その結果、比較例1の光学異方体フィル
ムを挿入しない場合と比べて、向かって下側から見た場
合の反転表示領域は65゜以上と狭くなり、かつ上下方
向から見た場合の白表示の黄色化も抑制されるため目視
による視認性も向上した。
【0064】比較例1 TFT液晶セルを偏光板で挟んだ構造の液晶表示装置
(実施例2における液晶オリゴマー重合体フィルムから
なる光学異方体フィルムを、用いない液晶表示装置)に
白黒のストライプ表示をさせ、斜め方向から見た場合に
関して、白と黒の表示が反転する領域および表示の着色
に関して観察した。その結果、向かって下側60゜以上
の角度から見た場合に反転表示が観察され、かつ向かっ
て上方向または下方向から見た場合に白表示が黄色く着
色して見えた。
【0065】比較例2 実施例1で用いた液晶オリゴマー液(1)を、ラビング
したポリビニルアルコールを積層したガラス基板上にス
ピンコートした。得られた液晶オリゴマーフィルムは白
濁しており、偏光顕微鏡で観察したところ、全く配向し
ていなかった。次いで、この液晶オリゴマーフィルムを
80℃で5分加熱した後、高圧水銀ランプを用いて積算
光量が0.5J/cm2 になるように紫外線を照射し
た。得られた液晶オリゴマー重合物フィルムの膜厚は2
μmであり、コレステリック相螺旋ピッチの2.5倍で
あり、可視光の選択反射による着色は認められなかっ
た。 ラビング方向と垂直でかつ基板面を含む方向を回
転軸として、レターデーションを測定した結果、図3に
示すレターデーション特性を示し、コレステリック相螺
旋軸は基板法線とほぼ平行な配向をしていた。
【0066】比較例3 比較例2で得られた液晶オリゴマー重合体フィルムから
なる光学異方体フィルムを、白黒のストライプ表示をし
たTFT液晶セルと偏光板の間に挿入し、斜め方向から
見た場合に関して、白と黒の表示が反転する領域および
表示の着色に関して観察した。その結果、向かって下側
60゜以上の角度から見た場合に反転表示が観察され、
かつ向かって上方向または下方向から見た場合に白表示
が黄色く着色して見え、何も装着しない場合に比べてあ
まり表示特性の改善は見られなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明の、傾斜した負の屈折率異方性を
有する光学異方体フィルムを用いることで広視野角の位
相差板が得られる。また、これらをTNやSTN型液晶
表示装置に適用することにより、液晶表示装置の表示特
性、特に視野角特性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の液晶オリゴマー重合物フィルムを、
斜方蒸着方向と垂直でかつ基板面を含む方向を回転軸と
して回転してセナルモン法により測定したときの傾斜角
−レターデーション特性を示す図。
【図2】実施例3の液晶オリゴマー重合物フィルムを、
斜方蒸着方向と垂直でかつ基板面を含む方向を回転軸と
して回転してセナルモン法により測定したときの傾斜角
−レターデーション特性を示す図。
【図3】比較例2の液晶オリゴマー重合物フィルムを、
ラビング方向と垂直でかつ基板面を含む方向を回転軸と
して回転してセナルモン法により測定したときの傾斜角
−レターデーション特性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 77/14 NUG C08G 77/14 NUG

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記反復単位(I)および(II)を主た
    る構成単位とする直鎖または環状の液晶オリゴマー
    (A)から選ばれるコレステリック相を示す液晶オリゴ
    マーを1種類以上含有し、該液晶オリゴマー(A)の1
    分子中の反復単位(I)および(II)の数をそれぞれ
    nおよびn’とするとき、nおよびn’はそれぞれ独立
    に1〜20の整数であり、かつ4≦(n+n’)≦21
    であり、n:n’の比は20:1〜1:20であり、液
    晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端基が重合
    してなるコレステリック配向した光学異方体において、
    コレステリック配向の螺旋軸が、光学異方体フィルム面
    の法線方向に対して5゜以上85゜以下の範囲で傾斜し
    ており、厚みをd(μm)、コレステリック相の螺旋ピ
    ッチをP(μm)とするとき、d≧Pであり、かつP≦
    0.3μmまたはP≧0.5μmであることを特徴とす
    る光学異方体フィルム。 【化1】 【化2】 〔式中、Aは下式(III)または(IV)で表される
    基であり、式(III)において−Si−O−は式
    (I)または(II)の主鎖であり、式(IV)におい
    て−C−CH2 −は式(I)または(II)の主鎖であ
    り、COO基は側鎖のR1 またはR2 ではない側鎖に位
    置する。式(I)において、Aが式(III)のとき、
    および式(II)においてAが式(III)のとき、R
    1 およびR2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜6のア
    ルキル基またはフェニル基である。式(I)において、
    Aが式(IV)のとき、および式(II)においてAが
    式(IV)のとき、R1 、R2 は独立に水素または炭素
    数1〜6のアルキル基である。 【化3】 【化4】 kとk’はそれぞれ独立に2〜10の整数を表し、mと
    m’はそれぞれ独立に0または1であり、Ar1 、Ar
    2 およびAr3 はそれぞれ独立に1,4−フェニレン
    基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−
    ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基であり、L’
    は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO−、−O
    CO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、−N=C
    H−、−C≡C−または 【化5】 で示される2価の基であり、p’は他と独立に0または
    1であり、Rは光学活性基を示し、R’は水素または炭
    素数1〜5のアルキル基である。〕
  2. 【請求項2】請求項1記載の反復単位(I)および(I
    I)を主たる構成単位とする直鎖または環状の液晶オリ
    ゴマー(A)から選ばれるコレステリック相を示す液晶
    オリゴマーを1種類以上含有し、該液晶オリゴマー
    (A)の1分子中の反復単位(I)および(II)の数
    をそれぞれnおよびn’とするとき、nおよびn’は1
    〜20の整数であり、かつ4≦(n+n’)≦21であ
    り、n:n’の比は20:1〜1:20であり、液晶オ
    リゴマー(A)の反復単位(II)の末端基が重合して
    なる、ねじれネマチック配向した光学異方体において、
    ねじれネマチック配向の螺旋軸の方向が、光学異方体フ
    ィルムの一方の面上と他方の面上では傾き角が異なって
    おり、螺旋軸の傾き角と光学異方体フィルム面とのなす
    角が小さい面をA面、他方の面をB面としたとき、A面
    上の螺旋軸の傾きが0゜以上90゜未満であり、B面で
    は0゜を超え90゜以下であり、A、B面での傾き角は
    同一ではなく、A面からB面にわたって連続的に傾き角
    が変化しており、A面からB面までを平均した傾き角は
    0゜でも90゜でもなく、厚みをd(μm)、ねじれネ
    マチック配向の螺旋ピッチをP(μm)とするとき、d
    ≧Pであり、かつP≦0.3μmまたはP≧0.5μm
    であることを特徴とする光学異方体フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1記載の液晶オリゴマー(A)の他
    に、重合性基を有する低分子化合物を1種類以上含有
    し、該液晶オリゴマー(A)の反復単位(II)の末端
    基および/または該重合性基を有する低分子化合物が重
    合してなることを特徴とする請求項1または2記載の光
    学異方体フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1記載の液晶オリゴマー(A)の他
    に、該液晶オリゴマー(A)以外の液晶オリゴマー
    (B)を1種類以上含有し、該液晶オリゴマー(B)は
    下記反復単位(VI)および請求項1記載の(II)を
    主たる構成単位とし、該液晶オリゴマー(B)の1分子
    中の反復単位(VI)および(II)の数をそれぞれ
    n’’およびn’’’とするとき、n’’および
    n’’’はそれぞれ独立に0〜20の整数であり、かつ
    4≦(n’’+n’’’)≦21であり、液晶オリゴマ
    ー(A)の反復単位(II)の末端基および/または液
    晶オリゴマー(B)の反復単位(II)の末端基が重合
    してなることを特徴とする請求項1または2記載の光学
    異方体フィルム。 【化6】 (式中、A、R1 は、前記と同じ定義である。k’’は
    2〜10の整数を表し、m’’は0または1であり、A
    4 、Ar5 はそれぞれ独立に1,4−フェニレン基、
    1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイ
    ル基またはピリミジン−2、5−ジイル基であり、
    L’’は−CH2 −O−、−O−CH2 −、−COO
    −、−OCO−、−CH2 −CH2 −、−CH=N−、
    −N=CH−、−C≡C−または 【化7】 で示される2価の基であり、p’’は他と独立に0また
    は1であり、R’’はハロゲン、シアノ基、炭素数1〜
    10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭
    素数6〜10のアリール基、または炭素数1〜10のア
    ルキル基もしくは炭素数1〜10のアルコキシ基を有す
    るベンゾイルオキシ基を示す。〕
  5. 【請求項5】請求項1記載の液晶オリゴマー(A)の他
    に、請求項4記載の液晶オリゴマー(B)から選ばれる
    1種類以上の液晶オリゴマーおよび重合性基を有する低
    分子化合物を1種類以上含有し、液晶オリゴマー(A)
    の反復単位(II)の末端基および液晶オリゴマー
    (B)の反復単位(II)の末端基および重合性基を有
    する低分子化合物の中の少なくとも1つが重合してなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の光学異方体フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】Rが下式(VII)または(VIII)で
    表される基であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4または5記載の光学異方体フィルム。 【化8】 【化9】 (式中、R3 は−Hまたは下式(IX)を示す。 【化10】 4 は−Hまたはメチル基を示し、R5 は−HまたはR
    6 を示し、R6 は直鎖もしくは分岐を有する炭素数1〜
    20のアルキル基または直鎖または分岐を有する炭素数
    1〜20のアルコキシカルボニル基を示し、分岐してい
    る場合は不斉炭素を有していてもよい。)
  7. 【請求項7】請求項4記載の液晶オリゴマー(B)から
    選ばれる1種類以上の液晶オリゴマー、および不斉炭素
    と重合性基を有する1種類以上の低分子化合物を含有
    し、液晶オリゴマー(B)の反復単位(II)の末端基
    および不斉炭素と重合性基を有する低分子化合物の少な
    くとも1つが重合してなるコレステリック配向した光学
    異方体であり、コレステリック配向の螺旋軸が、光学異
    方体フィルム面の法線方向に対して5゜以上85゜以下
    の範囲で傾斜しており、厚みをd(μm)、コレステリ
    ック相の螺旋ピッチをP(μm)とするとき、d≧Pで
    あり、かつP≦0.3μmまたはP≧0.5μmである
    状態で配向が固定されてなることを特徴とする光学異方
    体フィルム。
  8. 【請求項8】請求項4記載の液晶オリゴマー(B)から
    選ばれる1種類以上の液晶オリゴマー、および不斉炭素
    と重合性基を有する1種類以上の低分子化合物を含有
    し、液晶オリゴマー(B)の反復単位(II)の末端基
    および不斉炭素と重合性基を有する低分子化合物の少な
    くとも1つが重合してなるコレステリック配向した光学
    異方体であり、ねじれネマチック配向の螺旋軸の方向
    が、光学異方体フィルムの一方の面上と他方の面上では
    傾き角が異なっており、螺旋軸の傾き角と光学異方体フ
    ィルム面とのなす角が小さい面をA面、他方の面をB面
    としたとき、A面上の螺旋軸の傾きが0゜以上90゜未
    満であり、B面では0゜を超え90゜以下であり、A、
    B面での傾き角は同一ではなく、A面からB面にわたっ
    て連続的に傾き角変化しており、A面からB面までを平
    均した傾き角は0゜でも90゜でもなく、厚みをd(μ
    m)、ねじれネマチック配向の螺旋ピッチをP(μm)
    とするとき、d≧Pであり、かつP≦0.3μmまたは
    P≧0.5μmであることを特徴とする光学異方体フィ
    ルム。
  9. 【請求項9】請求項4記載の液晶オリゴマー(B)から
    選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび不斉炭素を
    有する1種類以上の低分子化合物および重合性基を有す
    る1種類以上の低分子化合物を含有し、かつ液晶オリゴ
    マー(B)の反復単位(II)の末端基および重合性基
    を有する低分子化合物の少なくとも1つが重合してなる
    コレステリック配向した光学異方体であり、コレステリ
    ック配向の螺旋軸が、光学異方体フィルム面の法線方向
    に対して5゜以上85゜以下の範囲で傾斜しており、厚
    みをd(μm)、コレステリック相の螺旋ピッチをP
    (μm)とするとき、d≧Pであり、かつP≦0.3μ
    mまたはP≧0.5μmであることを特徴とする光学異
    方体フィルム。
  10. 【請求項10】請求項4記載の液晶オリゴマー(B)か
    ら選ばれる1種類以上の液晶オリゴマーおよび不斉炭素
    を有する1種類以上の低分子化合物および重合性基を有
    する1種類以上の低分子化合物を含有し、かつ液晶オリ
    ゴマー(B)の反復単位(II)の末端基および重合性
    基を有する低分子化合物の少なくとも1つが重合してな
    るコレステリック配向した光学異方体であり、ねじれネ
    マチック配向の螺旋軸の方向が、光学異方体フィルムの
    一方の面上と他方の面上では傾き角が異なっており、螺
    旋軸の傾き角と光学異方体フィルム面とのなす角が小さ
    い面をA面、他方の面をB面としたとき、A面上の螺旋
    軸の傾きが0゜以上90゜未満であり、B面では0゜を
    超え90゜以下であり、A、B面での傾き角は同一では
    なく、A面からB面にわたって連続的に傾き角変化して
    おり、A面からB面までを平均した傾き角は0゜でも9
    0゜でもなく、厚みをd(μm)、ねじれネマチック配
    向の螺旋ピッチをP(μm)とするとき、d≧Pであ
    り、かつP≦0.3μmまたはP≧0.5μmであるこ
    とを特徴とする光学異方体フィルム。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の光学
    異方体が、基板平面の法線方向と蒸着方向のなす角が5
    0゜以上85゜以下の角度で無機化合物を斜方蒸着した
    基材上で配向してなることを特徴とする光学異方体フィ
    ルム。
  12. 【請求項12】請求項1〜10のいずれかに記載の光学
    異方体が、基材上に形成された配向膜上で配向してなる
    ことを特徴とする光学異方体フィルム。
  13. 【請求項13】電極を有する基板に挾持された、正の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対してほぼ水
    平に配向しかつ螺旋軸を基板に垂直方向にねじれ配向し
    た液晶層からなる液晶セルとその外側に配置される偏光
    フィルムとの間に、請求項1〜12のいずれかに記載の
    光学異方体フィルムを少なくとも一つ含むことを特徴と
    する液晶表示装置。
  14. 【請求項14】電極を有する基板に挾持された、負の誘
    電率異方性を有し、電圧無印加時に基板に対してほぼ垂
    直に配向した液晶層からなる液晶セルとその外側に配置
    される偏光フィルムとの間に、請求項1〜12のいずれ
    かに記載の光学異方体フィルムを少なくとも一つ含むこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
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