JPH08150330A - 混練方法および混練装置 - Google Patents

混練方法および混練装置

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JPH08150330A
JPH08150330A JP6326028A JP32602894A JPH08150330A JP H08150330 A JPH08150330 A JP H08150330A JP 6326028 A JP6326028 A JP 6326028A JP 32602894 A JP32602894 A JP 32602894A JP H08150330 A JPH08150330 A JP H08150330A
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screw
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 混練材料を迅速で能率良く、且つ、混練不良
を起こすことなく均質に攪拌混練できる混練方法および
混練装置を提供することにある。 【構成】 内側攪拌手段20と外側攪拌手段30とを備
えた混練容器10に混練材料を投入し、内側攪拌手段2
0と外側攪拌手段30を独立して互いに逆方向に回転駆
動させて混練材料を混練容器10中心部と周辺部で異な
った垂直方向に流動させると共に、内側攪拌手段20と
外側攪拌手段30間で混練材料が高圧状態で衝突する高
圧部を形成させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種材料の攪拌や混
練、たとえば、生コン素材のような異なった材料を効果
的に攪拌、混練する混練方法および混練装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】セメント、骨材、水を混練してコンクリ
ート素材であるセメントペ−ストを製造するコンクリー
トミキサなどの混練装置として以下の3種類がある。
【0003】容器回転型(可傾型ミキサ)は、キュ−ブ
型形状の内部壁面に数枚のブレ−ドを固定し、容器を回
転させ、ブレ−ドで材料を持ち上げて重力による自由落
下の剪断力で混練を行う。重力依存型のため、効率が悪
く最近では、容器固定型のミキサが主流になっている。
【0004】容器固定型(パン型ミキサ)では、皿型容
器の中心部に、材料を混練するための複数本のパドルが
鉛直軸に固定され、軸を回転させることにより混練を行
う。
【0005】もう一つの容器固定型は、水平1軸及び2
軸型ミキサと呼ばれるもので、水平な円筒形容器の中心
軸に水平軸を有し、この水平軸に材料を混練するための
複数本のパドルが固定されており、軸を回転させること
により混練を行う。
【0006】前記容器固定型のミキサは、現在の主流で
あるが、パドルの攪拌による剪断力によって混練する為
にパドル周辺でしか混練が行われず、従って、循環効果
が悪く、混練時間が長くなる。
【0007】上記3種のミキサは、回転数を上げると共
回りや飛散を招き混練力を損なう事になり機構上、混練
力や混練速さに限界があった。
【0008】更に、前記単スクリュタイプのミキサに
は、容器に投入した材料をムラなく混練させるための工
夫を施したものもある。その一つとして、図6に示すよ
うな混練装置の提案がある。この従来装置では、混練材
料を攪拌混練する際に材料が容器内部全体で効果的に対
流するように、混練容器4の内部に垂設させた攪拌用の
螺旋状スクリュ2を同軸状に囲むようにドラフト管6を
固設している。この混練装置では、スクリュ2を回転さ
せると、図中、矢印で示すように、混練容器4に投入し
た混練材料Mは回転するスクリュ2の推進力によっ下方
に流れ、ドラフト管6の下端で外側に移動し、ドラフト
管6の外側を上昇し、ドラフト管6の上端でドラフト管
6の内側に入って対流循環する。
【0009】ところが、粘性の高い混練材料を扱うと、
混練容器4の内面やドラフト管6の外面に接する材料は
接触抵抗のために流れを妨げられる。つまり、図6にお
いて領域T1、T2で混練材料は滞留しやすく、混和不
足になることがある。
【0010】ところが、この不都合より更に問題になる
ことは、ドラフト管6の内部の混練材料が回転するスク
リュ2に膠着して共回りすることである。空回り現象で
あるこの共回りが起こると、混練材料は流動せず、混練
不能状態に陥る。混練対象材料の粘性が高い場合は特に
顕著に発生する。
【0011】上記したような混練材料のスクリュとの共
回りは、複スクリュタイプのミキサでも起こり得る。
【0012】たとえば、2本の螺旋状の攪拌スクリュを
隣り合わせに平行に配設させた複スクリュタイプのミキ
サでも、平行に配置した2本のスクリュの回転方向が同
方向であれ、逆方向であっても、混練容器内壁面に接す
る材料が壁面との摩擦接触によって流動性が失われ滞留
する可能性がある。場合によっては、ここでも混練材料
がスクリュ羽根の間で膠着してスクリュと共に共回りし
て混練不能に陥ることがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の混
練装置は、混練材料を効率よく均質に攪拌混練できない
ばかりでなく、混練材料が混練容器内で滞留したり、回
転スクリュに膠着して共回りを起こすなどの問題があっ
た。
【0014】例えば、軽量コンクリートの素材となるセ
メントペーストをつくる際に混練不良が起こると、ペー
スト内に空気を内圧したセメント粒子の凝集塊ができや
すく、所謂「だま」を発生させる。この「だま」は硬化
したコンクリートの内部でミクロンオーダーの欠陥の発
生源となってコンクリートの強度を低下させる原因をつ
くる。こうした不都合を回避するためにも材料を確実に
混練する必要があるが、生産性との兼ね合いから、でき
るだけ短時間に能率良く混練処理することが望まれてい
た。
【0015】本発明の目的は、混練材料を迅速で能率良
く、且つ、混練不良を起こすことなく均質に攪拌混練で
きる混練方法および混練装置を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、混練時に混練容器内
で混練材料が滞留を起こしたり、あるいは、混練スクリ
ュに膠着して共回りなどの不都合を起こすことなく混練
材料を効果的に攪拌混練する方法および混練装置を提供
することにある。
【0017】本発明のその他の目的は、混練動作中に混
練材料が混練容器中で滞留したり、あるいは、回転する
攪拌手段に膠着して共回りを起こさないように混練容器
の形状および攪拌手段を配置させた混練装置を提供する
ことにある。
【0018】本発明の更にその他の目的は、混練材料を
迅速、且つ、均質に攪拌混練するために混練容器内に同
軸状に設ける内側攪拌手段と外側攪拌手段とを効率的に
回転駆動させる駆動系を備えた混練装置を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明による混練方法は、内側攪拌手段と
外側攪拌手段を備えた混練容器に混練材料を投入し、内
側攪拌手段と外側攪拌手段を駆動させて混練材料を混練
容器中心部と周辺部で異なった方向に流動させると共
に、内側攪拌手段と外側攪拌手段の間に混練材料が高圧
状態で衝突する高圧部を形成させることを特徴とする。
【0020】上記した本発明による混練方法を達成する
混練装置は、混練容器中心に垂設した内側攪拌手段と、
混練容器の内壁に沿って回転する外側攪拌手段と、内側
攪拌手段と外側攪拌手段を独立して回転駆動させる駆動
系よりなる。
【0021】内側攪拌手段を一方向の角度を持って傾斜
したブレードよりなる螺旋状のスクリュで構成し、これ
を回転させることで混練容器内の中心部の混練材料を上
方および外側に推進流動させる。
【0022】外側攪拌手段は、容器の放射方向に対して
角度を有する整流板と、前記スクリュのブレードの角度
と反対方向に傾斜したブレード部を少なくとも一部に有
する攪拌部材を備え、回転させることで整流板で混練容
器内の混練材料を内側に推進流動させ、且つ、攪拌部材
で内壁周辺部の混練材料を下方および内側に流動させ
る。
【0023】内側攪拌手段による上方および外側への材
料推進作用と、外側攪拌手段による下方および内側への
材料推進作用によって、混練容器内で混練材料に中心で
上方に周辺で下方に移動する循環対流を起こさせると同
時に、中心部と周面部との間の中間部で混練材料が高圧
状態で衝突する。
【0024】混練材料が高圧状態で衝突すると、材料粒
子間に剪断摩擦を生じ気泡状粒子を潰すと共に、材料粒
子間に強制的な結合力を作用させるので、材料の混和が
活発に促進されると同時に、その反発力によって内側攪
拌手段であるスクリュのブレード間で膠着しがちな材料
に波動的な衝撃を与えて材料の滞留を防止する。したが
って、高圧部での材料の混和促進作用によって、混練不
良を起こすことなく混練材料を混練する能率が飛躍的に
向上すると共に、スクリュ内の材料の滞留膠着がなくな
るので、回転するスクリュと材料が共回りするような不
都合を防止できる。
【0025】本発明による混練方法は、異種の固体材料
の攪拌から、液体を含む複数種類の材料の攪拌混練に適
用できるが、内側攪拌手段と外側攪拌手段の夫々の駆動
エネルギを制御することで、材料の種類などの条件によ
って最適な混練状態と最良の混練結果を得ることができ
る。
【0026】
【実施例】本発明は、混練材料を効果的に攪拌混練して
良好な混合物を能率よく生産するための混練方法および
混練装置に関するものであって、ここでは便宜的にコン
クリート素材であるセメントペ−スト(生コン)の製造
に必要なセメント、骨材(細骨材、粗骨材)、水などを
混練材料として想定するが、混練対象の材料を限定する
ものではなく、様々な材料の攪拌、混練、分散、練り潰
しなどに適用できることは言うまでもない。
【0027】図1から図3に本発明の一実施例として示
した混練装置は、混練容器10と、混練容器10の中心
部に回転可能に垂設された内側攪拌手段20と、内側攪
拌手段20の外側に回転可能に設けられた外側攪拌手段
30とからなる。
【0028】混練容器10は、上端に開口を有する略円
筒状上半部10aと、逆円錐台形もしくは半紡錘形を呈
する有底筒状の下半部10bとからなる全体に円筒状を
呈しており、上端開口を中央に軸孔12aを有する蓋体
12で閉塞している。
【0029】蓋体12は一部を開口し、開口をホッパ1
2bで囲って材料投入部を形成している。一方、容器1
0の下部乃至底部に任意に開閉できる排出口14を設
け、これを囲うように容器外側に排出ガタ16を備えて
いる。すなわち、蓋体12のホッパ12bから容器内部
に混練材料を投入し、混練処理後に混練された材料を排
出口14から取り出すことで、図示のように立てた状態
で固設された容器10の内部に対する混練材料の出し入
れを行えるが、これら混練材料の投入排出のための構成
は特に限定するものではない。
【0030】内側攪拌手段20は、前記蓋体12の軸孔
12aに透通させた回転軸22aと、回転軸22aの回
りで一方向の角度を持って傾斜した螺旋状のブレード2
2bを備えたスクリュ22よりなる。図示の実施例で
は、ブレード22bの螺旋方向は左巻き上り、つまり、
右ネジ方向であり、右回り(図2において矢印R1方
向)にスクリュ22を回転させると、これに接する流体
(容器10に投入される混練材料M)に上方向の推進力
を与える。これによって、容器中の混練材料Mに図4で
矢印f1で示す軸沿いの上昇流と、矢印f2で示す外側
への放射流が生じる。
【0031】ここでは、右ネジ構造を採っているが、言
うまでもなく螺旋方向を逆にした左ネジ構造でもよい。
【0032】内側攪拌手段20は、回転軸22aの上端
に連結した電動モータなどを含む駆動手段26で回転駆
動される。
【0033】外側攪拌手段30は、容器10の内周面に
沿って旋回する旋回部材32と、前記内側攪拌手段20
の外側を旋回して流体に内側への推進流動圧を与える整
流板34とからなる。
【0034】旋回部材32は、容器10に投入される混
練材料Mを内側攪拌手段20が流動させる方向とは逆方
向に流動させる作用をもたらすように構成されている。
つまり、上述したように内側攪拌手段20は混練材料M
を手段20に沿って上方(f1)と外向きの放射方向
(f2)に推進させるのに対して、旋回部材32は手段
20による推進作用とは逆に下方(図4における矢印f
3方向)と内向きの求心方向(同矢印f4方向)に材料
を押しやる推進作用を生み出す(図4)。
【0035】この実施例における旋回部材32は、前記
スクリュ22の回転軸22aの外側に同軸状に配した筒
状回転軸321と、回転軸321から放射状に延設され
た一対のアーム322と、各アーム322の外端から下
方に垂下した支持部材323と、支持部材323に保持
された攪拌部材324とからなる。
【0036】攪拌部材324は板材よりなり、上部32
4aを旋回方向(図2において矢印R2で示す左回転方
向)に対して前方に向かって湾曲突出させてブレード部
(上部324a)を形成し、中間部324bで支持部材
323に固定され、下部324cの外側を旋回方向に対
して前に出し内側を旋回方向に対して後方になるよう回
転軸心からの法線に対して傾かせている。
【0037】攪拌部材324を構成する要素の傾き方向
は図示の実施例と逆でもよく、少なくとも内側攪拌手段
20による流体推進方向と逆、つまり、流体を下方向お
よび内側に推進する作用を与える構成であればよい。
【0038】整流板34は、内側攪拌手段20と旋回部
材32の間の空間を利用して旋回部材32が生み出す求
心方向(f4)の推進力を補足する同方向の推進力を生
み出す目的で設けられている。したがって、内側および
外側攪拌手段20と旋回部材32の間に余地がなければ
整流板34を省いてもよい。
【0039】外側攪拌手段30は、電動モータなどを含
む駆動手段36の回転動力を動力伝達手段37a、37
bを介して受けることで回転駆動される。
【0040】ここでは内側攪拌手段20の駆動手段26
と外側攪拌手段30の駆動手段36は夫々独立した電動
モータで構成しているが、これら駆動手段を図6の構成
に限定するものではない。すなわち、1台の電動モータ
の回転駆動力を夫々の回転軸22a、321に各動力伝
達手段および減速手段を介して適正に制御された回転動
力を内外攪拌手段20、30に与えるようにすることも
可能である。いずれにしても、内側攪拌手段20と外側
攪拌手段30が互いに逆方向に夫々に定めらる適正回転
数で回転制御できる構成であればどのような駆動システ
ムであってもよい。
【0041】上記した構成の混練装置の作用について説
明すると、内側攪拌手段20の回転によって混練容器1
0に投入された混練材料Mは、内側攪拌手段20のスク
リュ22の周辺でスクリュ22の回転によって生み出さ
れる推進力によって上方(f1)および外向き(f2)
に推進流動し、一方、外側攪拌手段30の旋回部材32
の周辺で旋回部材32の旋回によって生み出される推進
力によって下方(f3)および内向き(f4)に流動す
る。混練材料Mに作用する求心方向(f4)の推進力は
整流板34によって倍加する。
【0042】したがって、混練材料Mは上方f1および
下方f3の推進力によって筒状容器の軸心で上昇し、容
器周辺で下降して再び軸心に還流する循環対流を起こす
と共に、放射方向f2と求心方向f4の推進圧力によっ
てスクリュ22の外側周辺で衝突して混練材料Mが高圧
状態になる(図4における領域Tである高圧部)。この
高圧部Tでは混練材料Mが強い圧縮力を受けながら、そ
の反作用(膨張力)を瞬間的、且つ、反復連続的に生み
出すため、材料粒子が衝突摩擦を繰り返し、混練材料の
素材が異なっている粒子でも強制的に結合せられ、緊密
に混和する。
【0043】更に、高圧部Tでの材料の圧縮−膨張力の
反復が波動的にスクリュ22のブレード22bの間に充
満する混練材料Mに及ぼすため、ブレード22bに材料
が膠着することなく上方への推進流動が促進される。こ
れによって、粘性の高い混練材料でもスクリュ22と共
回りするなどの不都合を起こすことはない。
【0044】また、旋回部材32の攪拌部材324が容
器内周面および底面に近接して旋回するため、容器内周
面で摩擦接触によって滞留しがちな材料を容器周面から
剥離させて容器の内側に押しやるので流動が妨げられる
こともなく、容器内全体で材料が円滑に対流循環し、均
等な混練作用を効果的に受けることになる。
【0045】このように、本発明の混練装置によれば、
混練効率を飛躍的に向上させることができるので、所要
混練時間の短縮と混練製品の品質を高めることができ
る。更に、内側攪拌手段20と外側攪拌手段30の夫々
の回転数を異ならせて回転させることができるので、混
練対象の材料の種類に応じて最適な混練状態を作り出す
ことが可能となる。
【0046】発明者らは、本発明の思想に基づき混練装
置をいくつか試作して、その優れた効果を確認してい
る。その一つに、直径650mm、高さ750mmの混
練容器10と、外径240mm、ブレード22bの幅1
40mm、径/ピッチ比1:1のスクリュ22よりなる
混練装置がある。この混練装置を用いて、従来の混練装
置との比較実験を行った。
【0047】実験に用いた従来の混練装置は、本発明の
装置と同等の容積の混練容器内に2本の攪拌スクリュを
平行に並べた強制2軸タイプのものを用いた。
【0048】各混練容器に表1に示す夫々3種のコンク
リート材料を投入した。すなわち、従来の2軸型ミキサ
には表1に示す配合素材からなる比較試料#CS1〜#
CS3を与え、本発明のミキサには表1に示す試料#E
S41〜#ES3を与えた。使用セメントはいずれも普
通ポルトランドである。
【0049】
【表1】
【0050】実験において、本発明のミキサのスクリュ
22を300rpmで回転させ、同時に、外側攪拌手段
の旋回部材32を30rpmで回転させてコンクリート
素材を混練し、一方、従来ミキサではスクリュを45r
pmで回転させ、夫々のコンクリート素材が目標スラン
プ値になるまで各攪拌手段を作動させた。
【0051】実験は目標スランプ値が得られる最小所要
時間が、従来型ミキサで60秒、本発明のミキサで15
秒であることを繰り返し実験で予め求め、これらの所要
時間だけ混練して得たセメントペ−ストの特性(特定時
間後のコンクリートの圧縮強度)を考察した。この実験
の結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2から明らかなように、夫々の試料素材
を所定時間混練した後に得られた目標スランプ値におお
むね近いセメントペ−ストを比較すると、本発明の混練
装置で僅か15秒混練しただけの製品でも、従来装置で
60秒混練した製品と同等以上の特性を確保できている
ことが判明した。
【0054】更に、本発明の混練装置の効果を裏付ける
データを得るために、セメントなどのコンクリート素材
に起泡剤を加えて混練したところ、混練製品であるセメ
ントペーストに独立した細かい気泡が均質に分散した状
態が短時間で得られた。これを成形養生したところ、独
立気泡が均等に分散した状態を保持しながらも優れた非
透水性を示す軽量で良質の発泡コンクリート構造体を得
ることができた。
【0055】また、起泡剤と共に高性能減水剤を加えた
ところ、独立気泡が更に約十数μmm前後に微細化して
分散がより均等化されて強度が向上した。
【0056】更に他の試みとして、本発明の混練装置を
用いたセメントの混練に際して、補強短繊維(径約14
μmm、約6mm長)を加えたところ、混練されたセメ
ントペーストに補強短繊維が均質に分散した状態が得ら
れた。補強短繊維のアスペクト比が約428であるにも
拘らず1リットル中に1%以上の割合で混合が確認され
た。これを成形養生したところ、補強短繊維が均等に分
散した極めて強度の高い繊維強化高強度コンクリートが
得られた。
【0057】さらに、コンクリート素材に、前述した起
泡剤、高性能減水剤、補強短繊維を全て加えたところ、
前述の優れた強度および特性を維持した高品質のコンク
リートペーストが得られた。このように、従来の混練装
置では混練困難もしくは不可能であった材料の混練も本
発明の混練装置で簡単、且つ、高能率で混練することが
可能となり、上質の混練製品を効果的に生産することが
できる。
【0058】上記した実施例では外側攪拌手段は回転軸
321の両側から反対方向に延設させた一対の旋回部材
32からなっているが、基本的に回転軸321を中心に
して平衡を保つことができる構成であれば、3つ以上の
旋回部材を設けてもよい。たとえば、3つの旋回部材を
適用する場合は、120度の角度間隔で回転軸321の
回りに配設すればよいが、これについても総合的に平衡
を保つことができるのであれば、等角度間隔に配設する
必要はない。
【0059】また、上記実施例では内側攪拌手段のスク
リュ22と外側攪拌手段の旋回部材32との間に整流板
34を設けていたが、図5に示すように整流板に代えて
旋回部材32と略々同じ構成の補助旋回部材432を設
けてもよい。旋回部材32と補助旋回部材432を共に
スクリュ22の回転(R1)と逆に回転(R2)させる
ことで外側攪拌手段がもたらす内側に向かう推進圧力が
強くなり、高圧部での混練材料の剪断摩擦作用が高ま
る。
【0060】ちなみに、本発明の混練装置における混練
容器、スクリュなどの構成要素の材質は混練対象の材質
によって適宜選択でき、金属のみならず、混練対象が化
学薬品などであれば前記構成要素を耐薬品材料、たとえ
ば、セラミックあるいはプラスチック材料などで成形す
ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の混練方法お
よび混練装置によれば、内側攪拌手段と外側攪拌手段を
独立して回転駆動させて混練材料に円滑な対流を起こさ
せると共に、互いに逆回転する両攪拌手段の間に混練材
料を高圧で衝突させることで、混練材料粒子の結合作用
を高め、且つ、ムラなく効果的に攪拌混練できるので、
混練材料の種類に拘らず迅速、且つ、均質に攪拌混練で
き、しかも、混練時に混練容器内で混練材料が滞留を起
こしたり、あるいは、混練スクリュに膠着して共回りを
起こすような不都合を起こすことがない。
【0062】特に本発明によれば、内側攪拌手段による
上方および外側への材料推進作用と、外側攪拌手段によ
る下方および内側への材料推進作用によって、混練容器
内で混練材料に中心で上方に周辺で下方に移動する循環
対流を起こさせると同時に、中心部と周面部との間の中
間部で混練材料が高圧状態で衝突するので、混練材料粒
子間に剪断摩擦を生じ気泡状粒子を潰すと共に、材料粒
子間に強制的な結合力を作用させるので、材料の混和が
活発に促進される。高圧状態の衝突で生じる全段摩擦は
セメントペーストをつくる際に気泡状の粒子をすり潰
し、殊に軽量コンクリートの内部欠陥である所謂「だ
ま」の発生を防止できる。
【0063】また、内側攪拌手段と外側攪拌手段の夫々
異なった回転速度で回転させることができるので、混練
対象の材料の種類に応じて最適な混練状態を作り出すこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混練装置の一部省略概略斜視図であ
る。
【図2】図1の装置の概略を示す側面断面図である。
【図3】図1の装置の概略を示す平面断面図である。
【図4】混練材料の流動状態を示す本発明の混練装置の
概念図である。
【図5】本発明による混練装置の他の実施例を示す概略
側面図である。
【図6】従来の混練装置の概略側面図である。
【符号の説明】
10 混練容器 20 内側攪拌手段 22 スクリュ 30 外側攪拌手段 32 旋回部材 34 整流板 321 回転軸 322 アーム 323 支持部材 324 攪拌部材 324a ブレード部(上部) 324b 中間部 324c 下部 432 補助旋回部材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側攪拌手段と外側攪拌手段を備えた混練
    容器に少なくとも1種の混練材料を投入し、内側攪拌手
    段と外側攪拌手段を独立して互いに逆方向に回転駆動さ
    せて混練材料を混練容器中心部と周辺部で異なった垂直
    方向に流動させると共に、内側攪拌手段と外側攪拌手段
    の間で混練材料が高圧状態で衝突する高圧部を形成させ
    ることを特徴とする混練方法。
  2. 【請求項2】該内側攪拌手段で混練材料を上方および外
    側に推進流動させると同時に、該外側攪拌手段で混練材
    料を下方および内側に推進流動させるようにした請求項
    1記載の混練方法。
  3. 【請求項3】該内側攪拌手段と該外側攪拌手段を異なっ
    た回転速度で回転させて混練材料を攪拌混練させるよう
    にした請求項1記載の混練方法。
  4. 【請求項4】該混練材料が、セメント、水、細骨材乃至
    粗骨材よりなるコンクリート素材である請求項1記載の
    混練方法。
  5. 【請求項5】該混練材料が、セメント、水、細骨材乃至
    粗骨材に起泡剤を混合したコンクリート素材である請求
    項1記載の混練方法。
  6. 【請求項6】該混練材料が、セメント、水、細骨材乃至
    粗骨材に減水剤を混合したコンクリート素材である請求
    項1記載の混練方法。
  7. 【請求項7】該混練材料が、セメント、水、細骨材乃至
    粗骨材に補強短繊維を混合したコンクリート素材である
    請求項1記載の混練方法。
  8. 【請求項8】混練容器と、該混練容器の中心に垂設した
    内側攪拌手段と、該混練容器の内壁に沿って回転する外
    側攪拌手段と、内側攪拌手段と外側攪拌手段を独立して
    互いに逆方向に回転駆動させる駆動系よりなる混練装
    置。
  9. 【請求項9】混練材料を受け入れる混練容器と;該混練
    容器の中心に垂設され、一方向に回転することで該混練
    容器中の材料を上方および外側に推進流動させるスクリ
    ュよりなる内側攪拌手段と;該スクリュの回転方向と逆
    方向に該混練容器の内壁に沿って該スクリュと同軸状に
    回転することで該混練容器中の材料を下方および内側に
    推進流動させる旋回部材よりなる外側攪拌手段と;内側
    攪拌手段と外側攪拌手段を独立して回転駆動させる少な
    くとも1つの駆動系よりなる混練装置。
  10. 【請求項10】該外側攪拌手段に整流板を固定し、該整
    流板を該内側攪拌手段と該外側攪拌手段の間で該外側攪
    拌手段と共に回転して該混練容器内の混練材料を内側に
    推進流動させるようにした請求項9記載の混練装置。
  11. 【請求項11】該旋回部材を、該スクリュと同軸に設け
    られた回転軸と、該回転軸から放射状に延設されたアー
    ムと、該アームの外端から垂下した支持部材と、該支持
    部材に支持された攪拌部材とで構成してなり、該攪拌部
    材が該混練容器の内面に沿って旋回するように該旋回部
    材を回転駆動させるようにした請求項9記載の混練装
    置。
  12. 【請求項12】該旋回部材の攪拌部材の上部を旋回方向
    に対して前方に向かって湾曲突出させてブレード部を形
    成し、中間部で該支持部材に固定され、下部の外側を旋
    回方向に対して前に出し内側を旋回方向に対して後ろに
    なるよう回転軸心からの法線に対して平面的に傾斜させ
    てなる請求項11記載の混練装置。
  13. 【請求項13】該外側攪拌手段に該旋回部材と実質的に
    同じ構成の補助旋回部材を固定し、該補助旋回部材を該
    内側攪拌手段と該外側攪拌手段の間で該外側攪拌手段と
    共に回転して該混練容器内の混練材料を内側に推進流動
    させるようにした請求項9記載の混練装置。
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