JPH081497Y2 - 内面被覆金属管のピンホール検査装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、金属管の内面にライニングされた絶縁体被
膜のピンホールの有無を検査する装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 金属管と検知電極間に高電圧を印加し、検知電極を金
属管内に挿入した時、電流が流れるか否かを検出するこ
とによって、ライニング絶縁体被膜のピンホールの有無
を検査する手段は既に知られているが、これを自動化し
た装置は未だ提案されていない。

（考案が解決しようとする課題） 従来の検査手段の自動化において、絶縁ケーブルをマ
ンドレルとした場合、設備の大きさが被検出物の倍以上
の長さとなる。またフレキシブルな絶縁ケーブルを用い
た場合は、ケーブルの曲りによって検知電極の位置制御
が困難であり、また第３図（イ）（ロ）に示すように、
検知電極が金属管端からはみ出した状態で電圧を負荷す
ると金属管外面との間で放電し、誤検出を招くという問
題がある。

本考案は、自動化に際して課題となる前記の問題点を
除去するためになされたものであり、金属管端部数ミリ
メートルを除く管全長にわたって自動的にピンホールの
有無を迅速かつ正確に検知することが可能な検査装置を
提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案に係る内面被覆金
属管のピンホール検査装置は、絶縁ケーブルの繰出し・
巻取り操作によって金属管内に挿入され引抜かれる検知
電極と、前記絶縁ケーブルを操作するピンチロール及び
巻取りロールを含む駆動手段と、検知電極と金属管との
間に流れる電流を検出するピンホール計と、絶縁ケーブ
ルの操作開始・終了・減速・加速のタイミング及びピン
ホール計の作動・停止のタイミングを指令すべく絶縁ケ
ーブルの所定位置に設置された金属箔及び該金属箔の検
知センサー並びに制御装置を具備させているのである。

（作用） 本考案においては、検知電極を送引操作する絶縁ケー
ブルの所定の位置に取り付けた金属箔によって、検知セ
ンサーを作動させて検知電極の位置制御を行い、しかも
検知電極引抜時の絶縁ケーブルが伸長した状態で電圧が
印加されるので誤検出が無く、管端直近までの正確な検
査が達成される。

（実施例） 以下本考案の一実施例を第１図及び第２図に基づいて
説明する。

これら第１図及び第２図において、１はブラシ状の検
知電極であり、これはその後端に接合された絶縁ケーブ
ル２を介して被検査物である金属管（Ａ）に対して送引
操作される。そして前記絶縁ケーブル２はピンチロール
３、巻取りロール４から成る駆動手段５によって操作さ
れるもので、ピンチロール３及び巻取りロール４は共に
モータ3a、4aによって駆動される。

前記絶縁ケーブル２の適所には第１の金属箔６と、第
２の金属箔７が取付けられ、これに対応する検出開始セ
ンサー８、検出終了センサー９、引抜き完了センサー10
が配設されている。

また11は送り完了センサー、12はピンホール計、13は
制御装置であり、前記駆動手段５、各センサー８、９、
10を含めて所要の電気的配線が施されている。なお14は
金属管アースである。

ところで検査位置に搬送され定置された金属管Ａに対
し、まずピンチロール３を駆動して絶縁ケーブル２を送
出操作することによって検知電極１を金属管Ａ内に挿入
する。ここで第１の金属箔６が検出開始センサー８によ
り検知されると、絶縁ケーブル２の送りを減速し、更に
検知電極１が送り完了センサー11に検知されるとピンチ
ロール３を開放し、続いて巻取りロール４を回転させる
ことにより、絶縁ケーブル２の引抜きを開始する。そし
て第１の金属箔６が第２図（イ）に示す如く再び検出開
始センサー８により検知されると、制御装置13からピン
ホール計にONの指令が出され、ピンホール計12より検知
電極１とアース14間に高電圧が印加される。次に第２図
（ロ）に示す如く、検出終了センサー９で第２の金属箔
７が検知されると、ピンホール計12にOFFの指令が出さ
れ、ピンホール計12からの電圧が切られ、ここで検査が
終了し、同時に絶縁ケーブル２の引抜き操作を減速す
る。そして第２の金属箔７が引抜き完了センサー10によ
って検知されると、引抜き操作を停止し、金属管Ａはキ
ッカー等によって送りだされるものであって、以上の操
作を順次繰り返すことにより、連続かつ自動的なピンホ
ール検査が達成されるのである。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように、金属管内に検知電極が
完全に挿入された状態でピンホール計より電圧が印加さ
れるため、管端での放電が起こらず、したがって従来の
ような誤検出は生じない。

また絶縁ケーブルが完全に伸びた状態で検出が開始さ
れるので、検知電極と第１の金属箔間の距離が常に一定
であり、第１の金属箔の付設位置を調節しておくことに
より、管端直近までの全域にわたる正確な検出が可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図（イ）
（ロ）は操作説明図、第３図（イ）（ロ）は従来の検出
手段による放電現象を示す説明図である。 １は検知電極、２は絶縁ケーブル、５は駆動手段、６は
第１の金属箔、７は第２の金属箔、８は検出開始センサ
ー、９は検出終了センサー、10は引抜き完了センサー、
11は送り完了センサー、12はピンホール計、13は制御装
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁ケーブルの繰出し・巻取り操作によっ
   て金属管内に挿入され引抜かれる検知電極と、前記絶縁
   ケーブルを操作するピンチロール及び巻取りロールを含
   む駆動手段と、検知電極と金属管との間に流れる電流を
   検出するピンホール計と、絶縁ケーブルの操作開始・終
   了・減速・加速のタイミング及びピンホール計の作動・
   停止のタイミングを指令すべく絶縁ケーブルの所定位置
   に設置された金属箔及び該金属箔の検知センサー並びに
   制御装置を備えたことを特徴とする内面被覆金属管のピ
   ンホール検査装置。