JPS6348597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、線条体をドラムに整列巻取する巻取
装置に関するものである。

電線やケーブル等の線条体を、両端に鍔を有す
るドラムに巻取る線条体の巻取装置において、巻
付け点に対してトラバーサの位置を多少遅れさ
せ、この遅れを検出して補正するようにトラバー
サを移動させるものが、従来から一般に用いられ
ている。このような巻取装置では、線条体よりト
ラバーサが遅れていることから、線条体がドラム
の鍔部に到達したとき、鍔にそつて何重にも乗り
上げてしまう状態が生じ、これをなくすため、何
重にも乗り上げる前にトラバーサを逆方向に移動
すると、トラバーサが線条体より先行しているた
め、巻取つた線条体間に隙間ができてしまう等整
列巻取をすることが困難で、鍔部に到達した前後
で巻き乱れが生じやすい欠点があつた。そのた
め、これまで鍔部での整列巻取には人出に頼つて
いた。

本考案の目的は、前記した従来技術の欠点を解
消し、人出に頼らない線条体の整列巻取装置を提
供することにある。

即ち、本考案は、巻取装置のドラム回転に応じ
てトラバーサを移動させ、該トラバーサにより供
給される線条体をドラムに巻き取るようにした巻
取装置において、該トラバーサ上に、更に横方向
に移動可能なエアシリンダによつて駆動する副ト
ラバーサを設け、該副トラバーサ上に線条体を囲
むように上下左右に４本の円柱状のガイドロール
を設け、更に上側のガイドロールの上方に感圧リ
ミツトスイツチを設置し、該リミツトスイツチ
と、該リミツトスイツチに連動するドラム回転検
出スイツチとの作動により副トラバーサを移動さ
せることを特徴とするものである。

上記の構成によれば、主トラバーサ上に設置し
た副トラバーサをエアシリンダによつて駆動させ
たことにより、副トラバーサを瞬時にして左右へ
反復させることができ、その結果、巻取ドラム鍔
部での線条体の乗り上げを完全に防ぐことができ
るようになつた。更に、上側のガイドロールの上
方に感圧リミツトスイツチを設置したことによつ
て、線条体がドラムの鍔部に到着し、線条体に乗
り上げが起こると同時に上側のガイドロールが押
し上げられ、その上部に位置する感圧リミツトス
イツチが該ガイドロールによつて押され、線条体
のドラム鍔部到着時点を確実にかつ簡単に検出す
ることができ、その結果、ドラム回転検出スイツ
チと連動して的確に副トラバーサを動作させるこ
とが可能となつた。

以下、本考案を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図は本考案の巻取装置の例の全体を示す説
明図で、図中１は線条体、２は巻線ドラム、３は
主トラバーサ、４は主トラバーサ用モーター、５
は副トラバーサ、６は副トラバーサ用エアシリン
ダ、７はガイドロール、８はリミツトスイツチ、
９は回転検出スイツチである。第２図は主トラバ
ーサ３上に設けた副トラバーサ５の細部の例を示
す部分説明図である。

先ず、副トラバーサ５に設けたガイドロール７
を通して供給される線条体１を巻取機の巻取ドラ
ム２に取り付け、巻取ドラム２を回転させ、その
１回転毎に主トラバーサ３を線径だけ横方向にモ
ータ４の駆動により移動させる。そして、線条体
１が巻き進んでドラム２の鍔部に到達したとき、
線条体１はそれ以上移動せず、ドラム２の鍔にそ
つて乗り上げるので、この変化を乗り上げる直前
に副トラバーサ５に設けたガイドロール７の１本
である上側のガイドロールの上方に設置された感
圧リミツトスイツチ８で検出する。該スイツチ８
は線条体１の上方への動きをガイドロール７を介
して検出できるように配送され、同時に該リミツ
トスイツチ８の信号でドラム回転検出スイツチ９
が作動し、１回転分だけ測定する。そして、ドラ
ム２の１回転分を検出した時点で、副トラバーサ
５のエアシリンダ６の駆動により、左右に移動可
能な副トラバーサ５が瞬時に逆方向に移動して、
線条体１の乗り上げを防止し、その後直ちに正方
向に移動して副トラバーサ５の位置が遅れるよう
にする。このような動作の後、主トラバーサ３が
逆方向に正常移動して線条体はドラム２に整列状
態で自動的に巻取られる。例えば、線条体径13mm
（断面積100mm²）の撚線巻取を行う場合、主トラバ
ーサピツチ13mm、副トラバーサ移動距離25mm、副
トラバーサ往復時間0.5秒、回転検出スイツチ角
度380゜の条件で支障なく実施することができた。

本考案は、以上詳記した如く、線条体を案内す
るガイドロールの１本である上側のガイドロール
の上方に感圧リミツトスイツチを設置した巻取装
置を構成したことにより、正確に線条体のドラム
鍔部到達時点を検出し、そして副トラバーサを的
確に作動できる。更に、該副トラバーサをエアシ
リンダによつて駆動させたことにより、瞬時に副
トラバーサを左右に反復動作させることができ
る。これにより、巻取ドラム鍔部での線条体の乗
り上げや巻き乱れが全くなくなり、人力に頼らな
いで線条体の整列巻取をすることが可能となつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概略図、第２図は
第１図の実施例における副トラバーサの詳細図で
ある。 １：線条体、２：巻取ドラム、３：主トラバー
サ、４：主トラバーサ用モーター、５：副トラバ
ーサ、６：副トラバーサ用エアシリンダ、７：ガ
イドロール、８：リミツトスイツチ、９：回転検
出スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻取機のドラム回転に応じてトラバーサを移動
   させ、該トラバーサにより供給される線条体をド
   ラムに巻取るようにした巻取装置において、該ト
   ラバーサ上に、更に横方向に移動可能なエアシリ
   ンダによつて駆動する副トラバーサを設け、該副
   トラバーサ上に線条体を囲むように上下左右に４
   本の円柱状のガイドロールを設け、更に上側のガ
   イドロールの上方に感圧リミツトスイツチを設置
   し、該リミツトスイツチと、該リミツトスイツチ
   に連動するドラム回転検出スイツチとの作動によ
   り副トラバーサを移動させることを特徴とする線
   条体の整列巻取装置。