JPH08146734A - 現像剤補給容器 - Google Patents

現像剤補給容器

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JPH08146734A
JPH08146734A JP6283386A JP28338694A JPH08146734A JP H08146734 A JPH08146734 A JP H08146734A JP 6283386 A JP6283386 A JP 6283386A JP 28338694 A JP28338694 A JP 28338694A JP H08146734 A JPH08146734 A JP H08146734A
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JP
Japan
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shutter
developer
less
container
groove
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Withdrawn
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JP6283386A
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English (en)
Inventor
Yutaka Ban
伴  豊
Akinori Murata
昭典 村田
Atsuhiro Wakabayashi
篤弘 若林
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シャッターの開封強度を高くすることなくシ
ール性を向上させる。 【構成】 容器1とシャッター2との間のシール4と摺
動する部分に溝2dを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾式電子写真複写機や
プリンターなどの画像形成装置に粉体現像剤を補給する
ための現像剤補給容器に関する。さらに詳細には弾性体
でなるシール部材を圧縮して用いるスライド式シャッタ
ータイプの現像剤補給容器の密閉性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電式複写機、プリンター等の画
像形成装置には現像剤として粉末のトナーが使用されて
いる。そして、装置本体の現像剤が消費された場合に
は、現像剤補給容器を用いて画像形成装置本体へトナー
を補給することが行われている。この現像剤補給容器
は、一般に合成樹脂等で作られた直方体もしくは円筒状
の容器本体と、該容器本体から粉末トナーを画像形成装
置に供給するために開口している本体の開口部を封止す
るシールとによって構成されていた。
【0003】この中で従来のシールは、大半がイージー
ピールタイプのフィルムであり、一般に、容器本体の開
口部の周囲に接着剤又はヒートシール等の手段で貼着さ
れたフィルムの貼着部を引き剥がして開封していた。し
かしながらこの方式では、トナーを排出した後に容器を
再度密閉することができないため容器内に残ったトナー
が落下、飛散する場合があった。
【0004】また、スライド式シャッターを有する現像
剤補給容器も種々考案されている。この容器は、往復運
動するスライド式シャッターと容器の補給口に取り付け
られシャッターをガイドするシャッター支持部材と、シ
ャッターと容器の間に配置され容器の密閉性を保ための
シール部材とから構成されている。この容器では、スラ
イド式シャッターが移動することにより、容器の開口が
開放されて、容器内のトナーが画像形成装置へ補給され
る。そして画像形成装置へのトナー補給後にシャッター
を閉めることによって容器の密閉性が保たれ、容器内に
たとえトナーが少量残っていてもこのトナーを飛散させ
ることなく容器を画像形成装置から取り外して処分する
ことができる。なおスライド式シャッターのシール部材
としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、各種
ゴム、ゴムスポンジ等の弾性体が使用され、シャッター
とキャップの間で圧縮して容器の密閉性を維持してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例においては、次のような問題点があった。
【0006】シール部材は圧縮永久歪みの小さな弾性体
を使用してはいるが、非常に長期間の後には塑性変形し
てクッション性が少なくなり、低温(ー5℃程度)での
落下のような苛酷な条件下においては微小なトナー漏れ
が発生する場合があった。
【0007】また、これを防止するために、例えばシー
ル部材を厚目にする等してシール部材の圧縮率を高くす
ると、シャッター部材の開封強度が高くなって操作性が
著しく悪くなるという弊害をもたらす。
【0008】あるいはシール部材とシャッター部材とが
圧接している部分の幅を拡げてやればシール性は向上す
るが、摺動面積がひろくなるためやはりシャッター部材
の開封強度が高くなる。
【0009】シャッターはシャッター支持部材と容器本
体とによってシール部材に圧接されるが、設計上トナー
排出開口周縁の全周にわたって押さえ込むのは困難であ
り、どうしても部材の剛性のみにたよっている部分が生
じる。前記低温落下試験においてトナー漏れが発生する
部位はこのような剛性に頼った部分に集中して発生し
た。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】
《発明の目的》本発明は上記従来例の問題点を解決し、
シール性を向上させ苛酷な条件下でも確実にトナーを密
封し、なおかつシャッターの開封強度は上昇しない現像
剤補給容器を提供することを目的とする。
【0011】《発明の構成》前記目的を達成するための
本発明に係る代表的な構成は、画像形成装置の現像装置
に現像剤を補給するための現像剤補給容器において、前
記現像装置に現像剤を補給するための開口部を有してい
て、現像剤を収納可能な容器本体と、前記開口部を閉鎖
するためのシャッターと、前記開口部を閉鎖する閉鎖位
置と、前記閉鎖位置から退避して前記開口部を開放する
開放位置とを取りうるよう前記シャッターを支持するシ
ャッター支持手段と、前記容器本体とシャッターとの間
に挟持されるシール部材とを有し前記シール部材と摺動
する相手部材のシール部材に当接する面に溝を設けたこ
とを特徴とする。
【0012】さらに、前記シール部材が、硬度20度以
上70度以下、圧縮永久歪み4%以下、摩擦係数μ=
0.8以下、セルサイズ60μm以上300μm以下、
比重が0.2以上0.5以下である低発泡ポリウレタン
であって、該シール部材を10%以上40%以下だけ圧
縮して用いることを特徴とする。
【0013】《作用》前記構成にあっては、弾性体でな
るシール部材が摺動する相手部材に設けた溝に入り込
み、かつエッジ状の溝の縁部がシール部材に食い込むこ
とで高いシール性を長期にわたって発揮する作用を行
う。前記溝へ入り込む深さは、最大でも所定の圧縮率に
て圧縮した分と考えられるが、溝の幅が数ミリ程度以下
のため実際にはこれより少なくなり、その結果シャッタ
ーの開封強度には殆ど影響しない。
【0014】
【実施例】
《実施例1》本発明に係る実施例を図面を参照して具体
的に説明する。
【0015】{現像剤補給容器の構成}図1は本発明を
実施した現像剤補給容器の斜視図であり、図2は同現像
剤補給容器の開封状態を示す斜視図、図3は本発明実施
例の現像剤容器の縦断面図である。図1〜3において、
1は容器本体であり、2はシャッター、3はシャッター
支持部材、4はシール部材、5は把手、6はキャップユ
ニットをそれぞれ示す。
【0016】{容器本体の構成}図3を参照して容器本
体1のさらに詳細な構成を説明する。容器本体1にはト
ナーを排出するための開口部が設けられており(1a,
1b,1c)、開口部と開口部との間にはトナーをスム
ーズに排出させるための整流エッジ1dが設けられてい
る。このような構造のため、容器本体1は容器部分1e
と蓋部分1fの二つの部分に分けて製造し、これらは接
合部1iにおいて例えば超音波溶着などの接着手段によ
り接着、一体化されている。容器本体1の蓋部分1fに
は倒立して置く際には脚の役目をし、現像剤補給容器の
着脱交換時には容器をつかむための手掛かりともなる突
起1gが設けられている。蓋部分1fにはまたトナーを
充填するための充填口1hも設けられているが、これは
容器本体1の他の部位に設置しても、あるいはトナーを
排出する開口1a,1b,1cを充填口としても兼用す
ることにして充填口1hは無しにしても良い。なお充填
口1hはトナー充填ごに、例えば低密度ポリエチレンで
なる中栓(不図示)を圧入嵌合するなどして密閉され
る。
【0017】容器本体の開口1a,1b,1cの周縁に
はシール部材4が接着されている。接着手段は両面テー
プまたは粘着剤の塗布によるのが好ましいが、容器本体
1の容器部分1eと一体的に2色成形しても良い。
【0018】{キャップユニットの構成}前記構成でな
る容器本体1は開閉自在なスライド式シャッターを有す
るキャップユニット6によって密閉される。図4はキャ
ップユニット6の上面図である。キャップユニット6は
シャッター2とシャッター支持部材3、把手5とからな
る。把手5はシャッター2の軸2cに回動自在に枢支さ
れて一体となり、これをシャッター支持部材3に挿入し
てキャップユニット6となる。
【0019】{キャップユニットと容器本体の結合}キ
ャップユニット6を容器本体1に組み付けることで現像
剤補給容器は完成する。図5はこの状況を示す横断面図
である。シャッター支持部材3には長手の辺に各2ヶ
所、計4ヶ所の爪部3dが設けられており、この爪部3
dが容器本体1の突出部1jにスナップフィット様に嵌
合することで組み立てられる。このときシャッター2の
図4で斜線で示す部分がシール部材4に圧接され、同時
にシャッター支持部材3もシール部材4に圧接される。
これはシャッター2が開位置に退避してトナーを排出し
ている最中でも密閉状態を維持するためである。なおこ
の組立て工程は特段の工具、装置を必要としない。
【0020】{現像剤補給容器の開閉}前記のように容
器本体1には一定ピッチの小さな開口部がこの場合3つ
設けられ(1a,1b,1c)、シャッター支持部材3
にも前記開口部(1a,1b,1c)に対応する位置に
略同一形状の開口部が3つ設けられている(3a,3
b,3c)。又、シャッター2にも前記開口部に対応し
て2つの孔部(2a,2b)が設けられており、シャッ
ター部材2が閉位置にある場合には容器本体1の開口部
(1a,1b,1c)及びシャッター支持部材3の開口
部(3a,3b,3c)は全て閉じるが、シャッター部
材2を容器本体1の開口部の幅wだけスライドさせて開
くと、容器本体の最初の(最も奥側の)開口部1aに対
してはシャッター2が退避することにより、また容器本
体の他の2つの開口部1b,1cに対しては、該開口部
とシャッター部材の孔部2a,2bとが重なり合うこと
によって、容器本体1の開口部(1a,1b,1c)は
全て開くようになっている。従って、シャッター部材2
の僅かの移動で、容器本体1の3つの開口部(1a,1
b,1c)を開けることができるようになっている。
【0021】{各部材の材質、物性}容器本体1、シャ
ッター2、シャッター支持部材3はともに合成樹脂を射
出成形して製造するのが最も好ましいが、各部材ごとに
最も好ましい材質はそれぞれ若干異なる。
【0022】容器本体1は比較的複雑な形状であるため
成形上ある程度流動性が良いことが求められ、かつシャ
ッター支持部材3の爪部3dが嵌合して力が加わっても
形状を維持できるだけの剛性が必要とされる。こららの
要求を満たすため、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HI−
PS)が最も好適であるが、アクリロニトリル・スチレ
ン・ブタジエン共重合樹脂(ABS)やポリフェニレン
オキサイド樹脂(PPO)等も好ましく利用できる。
【0023】シャッター支持部材3は、スナップフィッ
ト爪部3dを有するためある程度の弾性が必要で、しか
も組立時に爪部が変形に耐えて白化や破損を起こさない
ことが求められる。このためポリプロピレン樹脂(P
P)が最も好適である。前記HI−PSやABSも条件
次第では使用可能である。
【0024】シャッター2は材質選定上最も重要な部材
であり、弾性体でなるシール部材4に圧接させられても
変形しないだけの高い剛性が必要とされる。後述する落
下試験等の苛酷な条件下でもトナー漏れを発生しないた
めには曲げ弾性率として50,000kg/cm2以上
でなければならない。一方、剛性が高すぎると脆くなり
やはり落下試験(特に低温下)においてシャッターが割
れてしまう不都合がある。このため曲げ弾性率は80,
000kg/cm2以下が好適である。このような物性
を有し、かつ成形性も良い材質としては、ガラス繊維を
10〜40%程度添加したABSが最も好適である。こ
のほか同じくガラス繊維を10〜40%添加したPPや
アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)も好ましく利
用できる。
【0025】{シール部材の材質、使用条件}シール部
材4は柔軟な弾性体で、容器本体1とシャッター2の間
の密閉性を保ち、落下衝撃等が加わっても容器本体1内
部に収納されたトナーが容器本体1とシャッター2との
間から漏れでるのを防止することが要求される。しかし
同時に操作性の観点から、シャッター2と低抵抗で摺動
してシャッター2の開封強度を小さくすることも要求さ
れる。このような要求を満足するため、シール部材4の
材質としてはシリコーンゴムスポンジやウレタンゴムス
ポンジ等が好適であり、より好ましくは硬度20度以上
70度以下、圧縮永久歪み4%以下、摩擦係数μ=0.
8以下、セルサイズ60μm以上300μm以下、比重
が0.2以上0.5以下である低発泡ポリウレタンを1
0%以上40%以下だけ圧縮して用いるのが望ましい。
【0026】{物性測定条件}ここでシール部材4の硬
度は、シール材として使われるゴムの硬度を測定する場
合の測定方法(JIS−K−6301)により、スプリ
ング式硬さ試験機(C形)を用いて測定される。この硬
さ試験機は直径0.79mmの針が基準面から2.54
mmだけ突き出すように構成されており、この針はバネ
で5000gfだけ加圧されている。試験片(シール部
材)に基準面を接触させたときの針が押し戻される距離
を測定し、次の式により硬度を算出する。 硬度=(押し戻される距離mm)/(2.54mm)×
100 次に、シール部材4の圧縮永久歪みはJIS−K−64
01に準拠して測定される。即ち、試験片(シール部
材)を50%圧縮した状態で70℃22時間放置後、圧
縮状態を解除して、室温に30分放置してから厚さを測
定し、次の式に従って圧縮永久歪みを算出する。 圧縮永久歪み={(初めの試験片の厚さmm)−(試験
後の試験片の厚さmm)}/(初めの試験片の厚さm
m)×100
【0027】また、シール部材4の摺動する相手部材に
対する摩擦係数μは一般的な妥当な測定方法によって正
しく求められるが、本発明において実際に行った測定条
件は、直径18mm、厚さ3mmの試験片(シール部
材)を、摺動する相手部材(この場合シャッター2)と
同材質でなる平板の上に置き、200gの荷重を試験片
にかけて試験片を水平方向に引き、動き出すときの力を
測定して、次の式に従って摩擦係数μを算出した。 摩擦係数μ=(動き出すときの力g)/(荷重g) セルサイズとは、発泡体を構成している気泡構造の平均
直径のことであり、これはJIS−K−6900に説明
されている。
【0028】本実施例に於いては厚さ2.5mmの低発
泡ポリウレタン(商品名:ポロン、イノアック社)を使
用し、これを粘着材(商品名:#1717、綜研化学
社)を用いて容器本体1に接着固定した。この材料は
度30度、圧縮永久歪み=3.1%、摩擦係数μ=0.
38、セルサイズは約100μm、比重=0.32であ
る。
【0029】{物性値の意味}硬度は20度以上70度
以下が好ましい。相手部材への密着性を良くしシール性
を確保するため硬度70度以下程度の柔かさが必要であ
る。一方、低抵抗で相手部材と摺動しなければならない
ため柔らかすぎても好ましくなく、硬度20度以上は必
要である。
【0030】圧縮永久歪みは4%以下であることが好ま
しい。圧縮永久歪みが4%を超えると、1週間程度の比
較的短期間でシール性が失われ、落下時にトナー漏れが
発生するので不適当である。
【0031】摩擦係数は0.8以下であることが好まし
い。摩擦係数が0.8を超えると、シール部材の圧縮率
が10〜40%の場合に、シャッターの開封強度が高く
なり、操作性が著しく悪くなるので不適当である。
【0032】セルサイズは60μm以上300μm以
下、比重が0.2以上0.5以下が好ましい。例えば従
来一般的に用いられてきた発泡ウレタンは、セルサイズ
が500μm以上、比重が0.2未満であり、気泡構造
は網目状となる。この場合形状を支えている構造体が非
常に少なく、圧縮された時に復元する力が小さくて圧縮
永久歪みは4%を超える。また隣接する気泡(セル)同
士は互いに完全に連通しており(連泡)、トナーのよう
な微粒子はこれを通過して漏れてしまうため、この点で
もシール性が悪い。さらにこのような発泡体の表面は粗
面となり、摩擦係数は高くなる。
【0033】逆にセルサイズが60μm以下と小さい場
合、各気泡が互いに完全に分離独立している様な構造
(単泡)をとり、トナーが発泡体を通り抜けてしまうと
いうことは防止できる。しかし、長期間圧縮応力が加わ
った後での復元においては、一旦つぶれた気泡に空気が
はいりにくいためにむしろ形状が元へ戻りにくく、圧縮
永久歪みは4%を超えて大きくなる。一方、セルサイズ
が小さい場合、表面はかなり平滑になるが、圧縮量に対
する反発力は急激に上昇するため、摺動における垂直抗
力が大きくなり、シャッターの開封力を低くするのは困
難となる。このことはまた、シール部材の厚さの微妙な
バラツキがシャッターの開封力に大きく影響するという
ことであり、量産性が著しく悪くなる。
【0034】セルサイズが60μm以上300μm以
下、比重が0.2以上0.5以下程度の発泡体の構造
は、前記2者の中間であり、適度に構造体が残っていて
復元力が大きいとともに、隣接する気泡同士は極く僅か
に接しているため僅かに連通し、つぶれた気泡に空気が
戻りやすく復元を助ける。またセルサイズはトナーの体
積平均粒径と比較してはるかに大きいが、気泡と気泡と
の連通部分の大きさは20μm以下程度と非常に小さ
く、トナーが発泡体を通過することはできない。表面も
適度に平滑で摩擦係数が小さくなり、さらに弾性が充分
にあるので圧縮量に対する反発力の上昇はゆるやかで、
操作力を安定して低くすることが可能である。
【0035】{圧縮率の設定}シール部材2の圧縮率は
シール部材2の物性に応じて適宜設定されるが、これは
シール性とシヤッター開封強度の両方に大きく影響す
る。極めて重要なファクターである。圧縮率は各部材の
寸法によって決定されるが、この状況を図5を参照して
説明する。まず、シヤッター支持部材3の爪部3dと座
面3eとの間の距離L1が容器本体1、シヤッター2、
シール部材4を収容する幅であり、これから容器本体1
の突出部1jとシール部材貼り付け面1kとの距離L
2、及びシヤッター部材の厚さT1とを差し引いた距離
がシール部材4の圧縮後の厚さとなる。シール部材2の
圧縮前の厚さをT2とすると、この実施例における圧縮
率は次式で示される。 圧縮率%=(L2+T1+T2―L1)/T2×100
【0036】容器本体1、シヤッター2、シヤッター支
持部材3はいずれも合成樹脂を射出成形してなり、比較
的精度が出しやすく前記L1、L2、T1はいずれも±
0.05mm程度の寸法精度は達成可能である。しかし
ながらシール部材4は弾性体であって、一般に、より厚
い原反からスライスして所定の厚さにしているが、精度
良く作るのは困難で±0.1mmがやっとである。本実
施例ではL1=16±0.05mm、L2=11±0.
05mm、T1=3±0.05mm、L1=2.5±
0.1mmであり、寸法公差内でのバラツキによって圧
縮率は10%〜30%まで変動することが有り得る。圧
縮率30%はシャッターの開封強度としては上限に近
く、逆に10%はシール性としてはぎりぎりであって、
例えば3ヶ月程度の長期間にわたる保存の後にー5℃程
度の低温落下を行うと、微小なトナー漏れを発生するこ
とがあった。トナー漏れは、この実施例の場合には爪部
3dが配設してある長手の辺2eでは殆ど発生せず、爪
部の抑えのない短手の辺、特に最も奥側の辺2fに集中
的に発生した。これは図6に示すように最も奥側の辺2
fにおいては、シャッター支持部材3のバックアップが
ないために、高剛性の材料を使用していてもシャッター
が撓んでしまってシール性が甘くなったものと考えられ
る。なおこのような構成となっているのは、シャッター
2を閉め切る際にシャッター2の先端部でかき寄せられ
た少量の残トナーを下方へ排出させて、シャッター2を
閉じやすくするためである。
【0037】{溝の設置}そこで前記トナー漏れ発生部
位2fに本発明の特徴である溝2dを設置した。溝2d
の断面形状は図7に示すように略V字状としたが、これ
は成形時の離型性を考慮した好ましい形状ではあるが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えばU字状
やコ字状等であっても良い。ただしシール部材4に対し
て食い込んでシール性を確保するため、前記溝2dの縁
部2gは丸味の無いエッジ状である必要がある。溝2d
の幅は狭すぎればシール部材4が中へ入り込みにくくな
って効果がなく、このため硬度が20〜70度程度のシ
ール部材に対しては最低でも0.3mm以上の溝の幅が
必要である。一方、溝2dの幅が広すぎると、結果的に
シャッター2がシール部材4に圧接している部分が少な
くなってむしろシール性が悪くなり、最大でも圧接部の
幅の50%を超えないことが望ましい。
【0038】溝2dの深さは、溝2dの幅とシール部材
4の弾性とによって決まるシール部材の食い込み分を充
分に収容できるだけあれば良いが、0.3mm以下では
シール部材4の食い込み量が少なすぎてシール性向上の
効果が無い。逆に過剰に深いのはシャッター部材4の肉
が薄くなって剛性がなくなり、シャッター2が撓んで押
さえが弱くなり、シール性が悪くなる。溝2dの深さは
最大でもシャッター2の肉厚の50%を越えないことが
望ましい。
【0039】本実施例においては、溝の幅を1mm、溝
の深さを1mmとしたが、次に述べるごとく顕著な効果
を発揮した。
【0040】{物流・環境試験}前記溝を設置した現像
剤補給容器が物流過程における落下衝撃や環境変動に耐
えうるかどうか試験した。
【0041】まず落下試験は前記現像剤補給容器に34
5gのトナ−を充填し、所定の個装箱に梱包し、さらに
これを10個外装箱に梱包し、1週間放置したものと3
ヶ月間放置したものとで行った(集合落下)。サンプル
は12時間以上−5℃の環境下に放置してから落下試験
に供した。落下試験の方法はJIS−Z−0202に準
拠した。落下高さは60cmとし、1角3陵6面につい
てこの順で都合10回落下した。その結果、1週間放置
品、3ヶ月放置品ともにシャッターシール部からのトナ
ー洩れ、現像剤補給容器の割れ、シャッター支持部材の
ゆるみ等の不都合は全く発生しなかった。
【0042】次に減圧環境下に放置する試験を行った。
落下試験と同様に現像剤補給容器に345gのトナ−を
充填しキャップをして試験に供し、460mmHg環境
下に30分間放置を2回繰り返し行った。その結果、1
週間放置品、3ヶ月放置品ともにシャッターシール部か
らのトナー洩れ、現像剤補給容器の割れ、シャッター支
持部材3のゆるみ等の不都合は全く発生しなかった。
【0043】さらに高温高湿環境下に放置する試験を行
った。現像剤補給容器に345gのトナ−を充填しキャ
ップをして試験に供し、45℃/85%RH環境下に1
2時間放置した。その結果、1週間放置品、3ヶ月放置
品ともにシャッターシール部からのトナー洩れ、現像剤
補給容器の割れ、シャッター支持部材3のゆるみ等の不
都合は全く発生しなかった。
【0044】また、前記溝2dを設置した現像剤補給容
器のシャッター2の開封強度を測定したが、4.2〜
5.8kgfであり、溝dを設置しない従来品と全く同
等であった。
【0045】《従来例》 {従来例のトナ−ボトルの構成}従来例は図7に示すよ
うな溝2dはないシャッター2を実施例と全く同様に組
み立てたものとした。
【0046】従来例の現像剤補給容器の物流環境試験を
実施した。条件は実施例の現像剤補給容器と全く同様
で、落下試験、減圧放置試験、高温高湿放置試験を1週
間放置品と3ヶ月放置品について行ったが。1週間放置
品では実施例同様に何ら問題が発生しなかったが、3ヶ
月放置品では、落下試験及び減圧放置試験において奥側
端部より微小なトナー漏れが発生した。
【0047】《他の実施例》本発明は前記第一実施例の
態様に限定されるものではない。例えば溝2dは奥側端
部にのみ設置したが、他の短手の辺2hに設けても良
く、長手の辺2eにも設けて開口部を囲むように設置し
ても良い。また溝を2重、3重に設ければより確実なシ
ール性を得ることができる。
【0048】第一実施例ではトナー排出のための開口部
が複数ある場合を挙げたが、開口部が一つだけの現像剤
補給容器にも本発明は全く同様に適用できる。
【0049】実施例では容器本体にシール部材を固定
し、シャッターがシール部材と摺動する構成について述
べたが、逆にシール部材をシャッターに固定し、容器本
体とシール部材とが摺動する構成の場合でも本発明は全
く同様に適用できる。この場合には容器本体のシール部
材との当接面に溝を設置することになる。
【0050】実施例ではシャッターが直線運動して開閉
する所謂スライドシャッタータイプを挙げたが、シャッ
ターが回転運動して開閉する回転シャッタータイプの現
像剤補給容器であっても全く同様である。
【0051】
【発明の効果】本発明により以下の効果がある。 (1)簡単な構成で、苛酷な条件下でもトナー漏れを防
止する優れたシール効果がある。 (2)前記シール性にもかかわらずシャッターの開封強
度は従来と同等であり、操作性を損なうことがない。 (3)溝が肉抜きと同様の作用をし、シャッターの成形
においてヒケの発生を抑止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の現像剤補給容器を示す斜視図。
【図2】本発明実施例の現像剤補給容器の開封状態を示
す詳細斜視図。
【図3】本発明実施例の現像剤容器の縦断面図。
【図4】キャップユニットを示す平面図。
【図5】本発明実施例の現像剤容器の横断面図。
【図6】本発明実施例の現像剤容器の詳細横断面図。
【図7】シール部材の溝部への食い込み状況を示す詳細
図。
【符号の説明】
1 容器本体 1a,1b,1c 容器本体の開口部 1d 整流エッジ 1e 容器本体の容器部分 1f 容器本体の蓋部分 1g 突起 1h 充填口 1j 突出部 1k シール部材貼り付け面 2 シャッター 2a,2b 孔部 2c 軸 2d 溝 2e 長手の辺 2f 最も奥側の短手の辺 2g 溝の縁部 2h 他の短手の辺 3 シャッター支持部材 3a,3b,3c シャッター支持部材の開口部 3d 爪部 3e 座面 4 シール部材 5 把手 6 キャップユニット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置の現像装置に現像剤を補給
    するための現像剤補給容器において、前記現像装置に現
    像剤を補給するための開口部を有していて、現像剤を収
    納可能な容器本体と、前記開口部を閉鎖するためのシャ
    ッターと、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と、前記閉鎖
    位置から退避して前記開口部を開放する開放位置とを取
    りうるよう前記シャッターを支持するシャッター支持部
    材と、前記容器本体とシャッターとの間に挟持されるシ
    ール部材とを有し前記シール部材と摺動する相手部材の
    シール部材に当接する面に溝を設けたことを特徴とする
    現像剤補給容器。
  2. 【請求項2】 前記シール部材が、硬度20度以上70
    度以下、圧縮永久歪み4%以下、摩擦係数μ=0.8以
    下、セルサイズ60μm以上300μm以下、比重が
    0.2以上0.5以下である低発泡ポリウレタンであっ
    て、該シール部材を10%以上40%以下だけ圧縮して
    用いることを特徴とする請求項(1)記載の現像剤補給
    容器。
  3. 【請求項3】 前記溝は縁部がエッジ状であることを特
    徴とする請求項(1)記載の現像剤補給容器。
  4. 【請求項4】 前記溝の幅は0.3mm以上であり、シ
    ャッターのシール部材との当接幅の50%以下であるこ
    とを特徴とする請求項(1)記載の現像剤補給容器。
  5. 【請求項5】 前記溝の深さは0.3mm以上であり、
    シャッターの肉厚の50%以下であることを特徴とする
    請求項(1)記載の現像剤補給容器。
  6. 【請求項6】 前記シャッター部材の曲げ弾性率が5
    0,000kg/cm2以上80,000kg/cm2
    下であることを特徴とする請求項(1)記載の現像剤補
    給容器。
  7. 【請求項7】 前記シャッター部材の材質がガラス繊維
    入りのアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合
    樹脂(ABS)であることを特徴とする請求項(1)記
    載の現像剤補給容器。
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Cited By (7)

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