JPH08144424A - 天井下地用の吊木材 - Google Patents

天井下地用の吊木材

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JPH08144424A
JPH08144424A JP6281762A JP28176294A JPH08144424A JP H08144424 A JPH08144424 A JP H08144424A JP 6281762 A JP6281762 A JP 6281762A JP 28176294 A JP28176294 A JP 28176294A JP H08144424 A JPH08144424 A JP H08144424A
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JP
Japan
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floor
hole
hanging
lumber
ceiling
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JP6281762A
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English (en)
Inventor
Tetsuyuki Hattori
哲幸 服部
Yoshikazu Matsuda
芳和 松田
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 階下に不快な音を発生させる床衝撃音、特に
重量床衝撃音を効果的に遮断することができる天井下地
用の吊木材をを提供する。 【構成】 この吊木材1は、一方に床梁に取り付ける吊
り止め部10を有し、他方に野縁材に取り付ける止め板
部20を有し、吊り止め部10と止め板部20との間
に、少なくとも重量床衝撃による振動幅を許容する範囲
で自由動可能な結合部位を備えており、結合部位は通し
孔31とこれに挿通されて抜け止め状態に連結される挿
通軸22とにより構成され、挿通軸22は通し孔31内
で傾動可能でかつ傾動した状態で挿通方向に移動可能に
遊通されて成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木造建築物の天井板を
取り付ける野縁あるいは野縁受け等の野縁材をつるため
の吊木材に関し、詳しくは、二階あるいは三階等の木造
建築物の上下室間に設けられる天井板の取付施工に使用
され、二階床あるいは三階床で発生する床衝撃音、とく
には重量床衝撃音を効果的に遮断することができる吊木
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、戸建住宅、集合住宅等の木造建築
物の施工では、床梁を一定間隔(900mm、910m
m、1000mm、1800mm等)で架け渡し、その
梁の上に根太を組み、更にその上に構造用合板を張り、
フローリングで階上床を仕上げる一方、床梁に吊木を所
定間隔(900mm内外)に添え付けし、吊木の下部に
野縁受け、野縁を一定間隔(450mm、455mm
等)に配置して取り付け、これに天井打ちをして階下の
天井を仕上げることが行われていた。
【0003】このような木造建築物においては、快適な
生活環境を保つ上から階上床で発生する床衝撃音を階下
に伝えないために遮音性能に優れたものであることが望
まれている。しかしながら、上述のような吊木を床梁に
直付けする施工の場合には、階上床の床衝撃による振動
が床梁から吊木を伝って天井板に直接伝わるため階下に
不快な音を発生させ易いという問題があった。
【0004】これに対して、階上床の床衝撃による振動
を階下の天井に伝えないようにするため、実公平5−2
3693号公報に記載されるように、床梁に釘付けされ
る吊り止めと、長さ調節用のバックルリングと、野縁受
板との組み合せにより構成され、バックルリングと野縁
受板との連結部分に緩衝性を与える弾性リング(具体的
にはスチレン系樹脂エラストマー)がはめ込まれ、弾性
リングの緩衝作用によって振動を吸収させるようにした
防震吊木材が提案されている。
【0005】しかしながら、このような弾性リングを備
えた従来の吊木材を用いた場合にも、床衝撃音のうち例
えば子供が飛び跳ねたり、重量物を移動載置したとき等
に発生する低周波数域の重量床衝撃音に対してはその低
減効果が十分得られないという問題があった。本発明者
らは、その原因について検討した結果、重量床衝撃音に
対しての低減効果が低いのは、弾性リング自体が小さ
い軽量物落下等による比較的局所的で衝撃波の弱い軽量
床衝撃音に対しては振動を吸収しやすいが、床梁全体の
振動をともなう衝撃波の強い重量床衝撃音に対しては振
動吸収が作用しにくく、天井板の振動をおさえることが
できない。弾性リングが部材間にはめ込まれて密着し
た状態にあるために床衝撃の振動による弾性リングの変
形及びが変形後の戻りを逃がす部分が少なく、振動の伝
播を防止できない。又、吊木材を床梁及び野縁材に添
え付けするときに、床梁と野縁材との接合面が垂直に一
致してないことも多く、釘付けしたときに吊木材にねじ
れや屈曲が生じ、弾性リングがあっても弾性変形する自
由度がほとんどない状態に固定化されてしまい、緩衝作
用がはたらかなくなってしまう、ということを知見する
に至った。
【0006】本発明者らは、種々実験して研究した結
果、重量床衝撃音についてはその強い衝撃波を吸収する
よりも、衝撃波の伝播を断ち切るような構造とする方
が、減衰させるのに有効であるという知見を得た。ま
た、軽量床衝撃音については、階上床に使用される直貼
防音床材、カーペット等のクッション性を有する仕上げ
材によって減衰させることができ、床衝撃音レベルに関
する遮音等級(JIS A1418,1419)として
LL65程度の遮音性能が得られることが判った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
知見にもとづいてなされたものであり、その目的とする
ところは、階下に不快な音を発生させる床衝撃音、特に
重量床衝撃音を効果的に遮断することができる天井下地
用の吊木材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明に係る天井下地用の吊木材は、一
方に床梁に取り付ける吊り止め部を有し、他方に野縁材
に取り付ける止め板部を有し、前記吊り止め部と前記止
め板部との間に、少なくとも重量床衝撃による振動幅を
許容する範囲で自由動可能な結合部位を備えたことを特
徴としている。
【0009】前記吊り止め部と前記止め板部とは結合部
位において結合される関係から各々独立した形態で構成
されるものであるが、必ずしも別部材で構成されるもの
に限られるものではなく、吊り止め部と止め板部とが上
記の自由動可能な関係に結合されるものであればよい。
なお、別部材であれば相互に全く影響されないで上記の
自由動可能な結合状態を採れるので好ましい。
【0010】ここで、自由動可能とは、固定された状態
にある吊り止め部に対して止め板部が単独で移動可能な
状態に結合されることを意味している。この自由動可能
な範囲は、少なくとも重量床衝撃による振動幅を許容す
る範囲であればよい。床梁に取り付けられた吊り止め部
が床衝撃によって振れる方向は階上床での衝撃源の位
置、階上床の大きさ、床パネルの形態等の要因がからん
で一定したものではないが、とくに床衝撃が直接的に加
わる鉛直方向(荷重・反荷重方向)の揺れに対して止め
板部が移動可能な状態に結合されることが重要である。
【0011】結合部位の形態としては種々あるが、通し
孔とこれに挿通されて抜け止め状態に連結される挿通軸
とにより構成され、前記挿通軸は前記通し孔内で傾動可
能でかつ傾動した状態で挿通方向に移動可能に遊通され
て成るものが、実施形態として優れている。そのほか、
重量床衝撃による振動幅を許容する範囲の自由動が可能
な環状の部材どうしを結合したものや、V字形あるいは
U字形に曲げ形成された部材どうしを係合させて結合し
たもの等の構造により実施することができる。なお、通
し孔と挿通軸とは、吊り止め部側に通し孔、止め板部側
に挿通軸を設けてもよく、逆に吊り止め部側に挿通軸、
止め板部側に通し孔を設けてもよい。かかる結合部位
は、吊り止め部と止め板部との間に一箇所形成される場
合であっても複数箇所形成されるものであってもよい。
複数箇所形成される場合には、それら全体で重量床衝撃
による振動幅を許容する範囲の自由動が可能な構成を採
るようにしても良い。
【0012】通し孔と挿通軸とにより構成される結合部
位にあっては、通し孔とこれに挿通された挿通軸の先端
との間に弾性部材を介在させてもよい。この場合の弾性
部材は、重量床衝撃が加わった後の反動による通し孔と
挿通軸先端との衝突音の発生を防止し、軽量床衝撃のよ
うに比較的振動幅の小さい振動の伝播を遮断するためで
あり、弾性部材を介することによって自由動可能な形態
に替えるものではない。弾性部材としては、天然ゴム、
シリコンゴム、あるいはポリプロピレン、ポリエチレン
等の各種樹脂エラストマーを使用することができる。
【0013】吊木材は、基本形態として、一方に床梁に
取り付ける吊り止め部を有し、他方に野縁材に取り付け
る止め板部を有したものであればよく、中間に例えば長
さ調節部材を備えたものであってよい。その場合、結合
部位は吊り止め部と長さ調節部材との連結部分に設けて
もよく、あるいは止め板部と長さ調節部材との連結部分
に設けてもよく、さらには長さ調節部材内に設けても良
い。
【0014】又、吊木材を床梁及び野縁材に添え付けす
るときに、床梁と野縁材との接合面が垂直に一致してな
いことも多いことを考慮し、吊木材は、吊り止め部又は
止め板部の少なくとも一方に位置調整するための屈曲部
を備えた構成としても良い。なお、自由動可能な結合部
位において位置調整機能を備えた構成とすることもでき
る。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明に係る吊木材にあっては、
吊り止め部が固定された状態で止め板部が単独で移動可
能な状態に結合され、階上床で生じた床衝撃により吊り
止め部が振動しても、結合部位により、止め板部がこれ
に追従しない構造となっている。すなわち、結合部位が
階上床で生じた床衝撃音の伝播を吊り止め部と止め板部
との間で断ち切るように作用するようになっている。こ
れにより、緩衝材を介在させる等、振動を直に吸収させ
るものに比べて、とくに衝撃波の強い重量床衝撃音を著
しく低減させることができる。
【0016】又、請求項2記載の発明に係る吊木材にあ
っては、結合部位が通し孔とこれに挿通されて抜け止め
状態に連結される挿通軸とにより構成され、挿通軸が通
し孔内で傾動可能でかつ傾動した状態で挿通方向に移動
可能に遊通されていることにより、吊り止め部に対して
止め板部が重量床衝撃による振動幅を許容する範囲の自
由動が可能と構造となっている。又、吊木材は挿通軸が
通し孔内で傾動した状態で挿通方向に移動可能に遊通さ
れていることにより、床梁及び野縁材の接合面が垂直に
一致してない場合であっても、結合部位において位置調
整されて床梁及び野縁材への取り付けが可能となってい
る。
【0017】又、請求項3記載の発明に係る吊木材にあ
っては、床衝撃が加わった後の反動による通し孔と挿通
軸先端との衝突音の発生を防止し、又、比較的振動幅の
小さい振動の伝播を遮断することができるようになって
いる。
【0018】又、請求項4記載の発明に係る吊木材にあ
っては、床梁及び野縁材への取り付けに対する自由度も
加わり、一つの結合部位が止め板部を自由動させ得る機
能を果たさなくても他の結合部位がカバーしたり、複数
の結合部位が総合されてその機能を果たし得るようにし
たりすることができるので、吊り止め部に対して止め板
部が自由動可能な結合状態をより確実に確保することが
できるようになっている。
【0019】又、請求項5記載の発明に係る吊木材にあ
っては、とくに床衝撃が直接的に加わる鉛直方向(荷重
・反荷重方向)の揺れに対して止め板部が移動可能な状
態に結合され、衝撃波の強い重量床衝撃音を低減させる
のに有効に作用するようになっている。
【0020】そして、請求項6記載の発明に係る吊木材
にあっては、吊木材を床梁及び野縁材に添え付けすると
きに、床梁と野縁材との接合面が垂直に一致してない場
合にも、その屈曲部により位置調整して、吊り止め部に
対して止め板部が自由動可能に結合された状態の施工を
容易に行うことができるようになっている。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図4には第1実施例の吊木材1が示されて
いる。この吊木材1はポリエチレン樹脂により作製さ
れ、一方に床梁に取り付ける吊り止め部10を有し、他
方に野縁材に取り付ける止め板部20を有している。吊
り止め部10は略直方体形状に形成され、床梁に釘付け
するための透孔11を有し、下方に雄螺子12が設けら
れて、ナット13が螺合するようになっている。止め板
部20は板状に形成され、野縁材に釘付けするための透
孔11を有している。吊り止め部10と止め板部20と
は長さ調節用の環状部材30によって連結されている。
すなわち、環状部材30の上部には吊り止め部10の雄
螺子12に螺合する螺子孔が形成され、螺着構造により
両者が連結されるようになっている。一方、環状部材3
0の下部には通し孔31が形成され、これに止め板部2
0の上方に設けられた棒状の挿通軸22が挿通され、挿
通軸22先端に抜け止め部材23が取り付けられている
ことにより、環状部材30と止め板部20とが連結され
ている。この例の場合には、環状部材30の螺子孔に対
する雄螺子12の螺合位置を変えることによって、吊木
材1全体の長さを調節することができるようになってい
る。
【0022】図3に示すように、環状部材30の通し孔
31は止め板部20の挿通軸22より径が大きく、挿通
軸22は通し孔31内で傾動可能でかつ傾動した状態で
挿通方向に移動可能に遊通されており、図の矢印に示さ
れるように、止め板部20が上下、左右(前後)及び斜
め等三次元方向に一定の範囲で自由動可能に結合され、
本発明の結合部位を構成している。自由動可能な範囲
は、上下方向(鉛直方向)には0〜10mm、より望ま
しくは1〜8mmであり、左右(前後)方向には0〜6
mm、より望ましくは1〜5mm程度の範囲で形成され
るのが適当である。この例では、上下方向に6mm、左
右方向に4mmの範囲で止め板部20が自由動可能に形
成され、又、止め板部20は左右に10度ずつの傾動が
可能となっている。なお、止め板部20は挿通軸22が
通し孔31に挿通される構造により、軸回りに回動可能
となっている。
【0023】かかる吊木材1は、図4に示すように、吊
止め部10が床梁2に取り付けられて吊り下げられ、止
め板部20に野縁材3が取り付けられて使用されるよう
になっている。このような使用態様をとる吊木材1にあ
っては、重量床衝撃音に対して、とくに床衝撃が直接的
に加わる鉛直方向(荷重・反荷重方向)の揺れに対応す
べく床梁2に取り付けられた吊止め部10に対して止め
板部20が鉛直方向に移動可能な状態に結合されること
が重要である。この例のように、結合部位における挿通
軸22は通し孔31内で傾動可能でかつ傾動した状態で
も挿通方向に移動可能に遊通されているため、床梁2及
び野縁材3の接合面が垂直に一致していない場合であっ
ても、止め板部20を傾動させて吊木材1を設置するこ
とができ、さらに、鉛直方向(荷重・反荷重方向)の揺
れに対して止め板部20が移動可能な結合状態を確保で
きるようになっている。したがって、衝撃波の強い重量
床衝撃音を低減させるのに有効に作用するようになって
いる。
【0024】図5には第2実施例の吊木材1が示されて
いる。この吊木材1は一方に床梁に取り付ける吊り止め
部10を有し、他方に野縁材に取り付ける止め板部20
を有し、吊り止め部10と止め板部20とは長さ調節用
の環状部材30によって連結されており、各連結部分が
自由動可能に形成される結合部位を構成している。すな
わち、環状部材30は上下に通し孔32、33を有し、
吊り止め部10及び止め板部20がそれぞれ自由動可能
で抜け止め状態に連結されている。この例のように、結
合部位が複数設けられているものであれば、一つの結合
部位が止め板部を自由動させ得る機能を果たさなくても
他の結合部位がカバーしたり、複数の結合部位が総合さ
れてその機能を果たし得るようにしたりすることができ
るので、吊り止め部に対して止め板部が自由動可能な結
合状態をより確実に確保することができる。又、床梁及
び野縁材への取り付けに対する自由度も加わり、吊木材
の取り付け施工が容易となる。なお、吊木材1の材質、
吊り止め部10、止め板部20及び環状部材30のその
他の形態は第1実施例と同様である。
【0025】図6には第3実施例の吊木材1が示されて
いる。この吊木材1は、第1実施例のものについて、通
し孔31とこれに挿通された挿通軸22の先端との間に
弾性部材40を介在させたものである。弾性部材40は
自由動可能な形態を制限しない範囲で介在するものであ
って、重量床衝撃が加わった後の反動による通し孔と挿
通軸22先端との衝突音の発生を防止したり、比較的振
動幅の小さい振動の伝播を遮断するのに有効である。
【0026】なお、吊止め部10及び止め板部20の形
状は、上記実施例のものに限られるものでなく、平板
状、棒状、先端を鈎状にしたもの、中空筒状に形成され
たもの等の床梁あるいは野縁材への取り付けが可能なも
のであればよい。又、材質については、ポリエチレン樹
脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂製の他、
木製、金属製であってもよい。
【0027】次に、本発明の吊木材と従来の木製吊木及
び防震吊木材を用いて、床衝撃音遮音性能を比較試験し
た場合の実施例、比較例について説明する。実施例 図6に示す形態の吊木材を用い、図7に示すように、6
畳間の階上床に900mmピッチで架け渡された床梁2
に対して、吊木材1を900mmピッチで設置し、計1
2箇所に釘付けして試験を行った。吊木材の結合部位は
通し孔の口径が18mm、挿通軸の軸径が14mm、挿
通方向に6mm移動可能に設定した。又、弾性部材はス
チレン系樹脂エラストマーを用い、挿通軸の挿通を妨げ
ない口径の大きなものとした。比較例 比較例である木製吊木(比較例1)には30mm×40
mmのべいまつ角材を用い、実施例と同様に6畳間の階
上床に900mmピッチで架け渡された床梁2に対し
て、吊木を900mmピッチで設置し、計12箇所に釘
付けして試験を行った。又、比較例である防震吊木材
(比較例2)には、市販のT−01(城東化学工業社
製)を用い、実施例と同様に6畳間の階上床に900m
mピッチで架け渡された床梁2に対して、吊木を900
mmピッチで設置し、計12箇所に釘付けして試験を行
った。
【0028】階上の床構造は、図7に示すように、床梁
2上に床パネル4を設置し、フローリング5(商品名
「にかいフロアー」)で仕上げ、階下の天井仕様は石膏
ボードを下地材6とし、実施例、比較例とも同じ条件に
設定した。これら実施例、比較例について、床衝撃音レ
ベル測定方法(JIS A 1418)により軽量床衝
撃音遮断性能と重量床衝撃音遮断性能を調べた。その結
果を図8、図9に示す。
【0029】なお、LH65は重量床衝撃に対する床の
音響性能を表す等級数であり、二階の床に自動車用タイ
ヤを約1mの高さから落としたときに、一階の室で約6
5ホンに聞こえる場合の床性能を示し、LL65は軽量
床衝撃に対する床の音響性能を表す等級数であり、二階
の床に500gのハンマーを4cmの高さから連続的に
落としたときに、一階の室で約65ホンに聞こえる場合
の床性能を示し、図の点線は、上記床性能を示すときの
基準曲線を表している。
【0030】測定値より、実施例、比較例の床衝撃音に
対する遮音等級は以下に示す表のようになった。 実施例の吊木材は、比較例と比べて重量床衝撃音遮音等
級(LH)において約10dBの低減効果が得られ、か
なりの遮音性の改善効果が実感された。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、一方
に床梁に取り付ける吊り止め部を有し、他方に野縁材に
取り付ける止め板部を有する吊木材について、吊り止め
部と止め板部との間に、少なくとも重量床衝撃による振
動幅を許容する範囲で自由動可能な結合部位を備えた構
成により、階上床で生じた床衝撃音の伝播を吊り止め部
と止め板部との間で断ち切ることができ、とくに衝撃波
の強い重量床衝撃音を著しく低減させることができると
いう優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る吊木材を示す正面
図である。
【図2】 同じく第1実施例に係る吊木材の側面図であ
る。
【図3】 第1実施例に係る吊木材の要部断面図であ
る。
【図4】 第1実施例に係る吊木材の使用状態を示す一
部切欠側面図である。
【図5】 本発明の第2実施例に係る吊木材を示す一部
切欠側面図である。
【図6】 本発明の第3実施例に係る吊木材を示す要部
断面図である。
【図7】 本発明に係る吊木材の取り付け状態を示す断
面図である。
【図8】 重量床衝撃音遮断性能の試験結果を示すグラ
フである。
【図9】 軽量床衝撃音遮断性能の試験結果を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 吊木材 2 床梁 3 野縁材 10 吊止め部 20 止め板部 22 挿通軸 30 環状部材 31、32、33 通し孔 40 弾性部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方に床梁に取り付ける吊り止め部を有
    し、他方に野縁材に取り付ける止め板部を有し、前記吊
    り止め部と前記止め板部との間に、少なくとも重量床衝
    撃による振動幅を許容する範囲で自由動可能な結合部位
    を備えたことを特徴とする天井下地用の吊木材。
  2. 【請求項2】 結合部位は通し孔とこれに挿通されて抜
    け止め状態に連結される挿通軸とにより構成され、前記
    挿通軸は前記通し孔内で傾動可能でかつ傾動した状態で
    挿通方向に移動可能に遊通されて成ることを特徴とする
    請求項1記載の天井下地用の吊木材。
  3. 【請求項3】 通し孔とこれに挿通された挿通軸の先端
    との間に弾性部材が介在してなることを特徴とする請求
    項2記載の天井下地用の吊木材。
  4. 【請求項4】 結合部位が複数箇所形成されてなること
    を特徴とする請求項1記載の天井下地用の吊木材。
  5. 【請求項5】 結合部位は床梁に取り付けられた吊り止
    め部に対して止め板部が少なくとも鉛直方向に移動可能
    な自由度をもって形成されて成ることを特徴とする請求
    項1記載の天井下地用の吊木材。
  6. 【請求項6】 吊り止め部又は止め板部の少なくとも一
    方に位置調整するための屈曲部を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の天井下地用の吊木材。
JP6281762A 1994-11-16 1994-11-16 天井下地用の吊木材 Pending JPH08144424A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003313987A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Awi Mach:Kk 天井用吊具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003313987A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Awi Mach:Kk 天井用吊具

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