JPH08144172A - 吸水性ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

吸水性ポリエステル繊維の製造法

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JPH08144172A
JPH08144172A JP6307070A JP30707094A JPH08144172A JP H08144172 A JPH08144172 A JP H08144172A JP 6307070 A JP6307070 A JP 6307070A JP 30707094 A JP30707094 A JP 30707094A JP H08144172 A JPH08144172 A JP H08144172A
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JP
Japan
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fiber
polyester
thick
hydrophilic agent
water
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Pending
Application number
JP6307070A
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English (en)
Inventor
Hideyasu Terao
秀康 寺尾
Naomi Ito
尚美 伊藤
Hirokazu Nishizawa
洋和 西沢
Yasushi Yamaguchi
泰史 山口
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性のある吸水性を有し、風合いに自由度
のある吸水性ポリエステル繊維を安価に得る。 【構成】 繊維表面に繊維軸方向に対して直角方向にの
びる微細溝であって、長さが繊維外周長の70%以下、
幅が1μm以下、溝数が繊維軸方向10μm当たり2〜
5本の微細溝を有するポリエステル太細繊維を、親水剤
液に浸漬し搾液した後、130〜200℃で熱処理し、
該繊維に親水剤を0.1〜1.0wt%付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた吸水性を有する
ポリエステル繊維の製法法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル繊維に吸水性を
付与する方法として、(1)吸水性や吸汗性を有するポ
リマ−とポリエステルとを複合紡糸する方法、(2)繊
維断面を特殊な形状にして繊維間の毛細管現象を利用し
て吸水性を付与する方法、及び(3)繊維断面を中空断
面にして繊維表面から中空部に到達する微細孔を形成
し、微細孔と中空部を利用して吸水性を付与する方法等
が知られている。
【0003】しかしながら、(1)の方法には、異質の
ポリマ−の組み合わせによる製糸性の悪化や染色工程で
の管理の困難さ等の問題があり、(2)の方法には、構
成繊維間の拘束状態、すなわち構成繊維間に形成される
空隙状態により吸水性能が変動して安定した吸水性能が
発揮されないという問題があり、また(3)の方法に
は、中空部に水や汗が閉じ込められ、放水性の低下、カ
ビや悪臭の発生が生じる、中空繊維の曲げ弾性の高いこ
とによる風合の硬化等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性のある吸水性を有し、風合いに自由度のある吸水性ポ
リエステル繊維を安価に得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維表面に繊
維軸方向に対して直角方向にのびる微細溝であって、長
さが繊維外周長の70%以下、幅が1μm以下、溝数が
繊維軸方向10μm当たり2〜5本の微細溝を有するポ
リエステル太細繊維を、親水剤液に浸漬し搾液した後、
130〜200℃で熱処理し、該繊維に親水剤を0.1
〜1.0wt%付着させることを特徴とする吸水性ポリ
エステル繊維の製造法にある。
【0006】本発明の吸水性ポリエステル繊維の製造法
について、詳しく説明すると、本発明において、吸水性
ポリエステル繊維の製造に用いる繊維軸方向に対して直
角方向にのびる多数の微細溝を有するポリエステル太細
繊維は、微細溝を有しないポリエステル太細繊維を出発
原料として得られるが、かかる出発原料のポリエステル
太細繊維は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステルからなり、繊維軸方向に太部と
細部を有する太細繊維であればよいが、特開平5−23
9714号公報で示される方法により得られる太細繊
維、すなわち、複屈折率が0.025〜0.040のポ
リエステル未延伸糸を下式(1)〜(6)を満たす条件
で2段延伸して得た太細繊維であることが好ましい。
【0007】 (1) 0.45×MDR≦TDR≦0.55×MDR (2) TDR=DR1×DR2 (3) 0.40×MDR≦DR1≦0.50×MDR (4) 1.050≦DR2≦1.300 (5) Tg≦HRT≦Tg+20℃ (6) HPT<Tc 但し、式中TDRは総延伸倍率、MDRは最大延伸倍
率、DR1は第1延伸倍率、DR2は第2延伸倍率、HR
Tは第1段延伸における引取りローラ温度(℃)、Tg
はガラス転移温度(℃)、HPTは第2段延伸域におけ
る熱セット用熱板温度(℃)、Tcは結晶化温度(℃)
を示す。
【0008】本発明において用いる繊維軸方向に対して
直角方向にのびる多数の微細溝を有するかかるポリエス
テル太細繊維は、前記の如き方法によって得たポリエス
テル太細繊維をアルカリ減量することにより得ることが
できる、すなわち、出発原料のポリエステル太細繊維を
アルカリ減量することにより、繊維表面、特に未延伸状
態にある太部の表面には微細溝が形成され易く、太部表
面に多数の微細溝が形成された太細繊維を得ることがで
きる。
【0009】本発明においては、ポリエステル太細繊維
のアルカリ減量減量により、繊維表面、好ましくは太部
表面に、繊維軸方向に対して直角方向にのびる微細溝で
あって、長さが繊維外周長の70%以下、幅が1μm以
下、溝数が繊維軸方向10μm当たり2〜5本である微
細溝を形成させた太細繊維を用いる。微細溝が、その長
さ、幅または溝数が大きくなりすぎると、繊維物性の低
下を生じ衣料用繊維等としての使用に耐えなくなる、ま
た小さくなりすぎると、吸水性能、耐久性が不十分であ
る。
【0010】アルカリ減量には、通常ポリエステル繊維
の減量加工に適用される方法が用いられ、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリを用い、1〜100
g/lのアルカリ水溶液中で浸漬処理する方法が用いら
れ、被処理繊維の形態、処理条件により異なるが、減量
率により微細溝の形成部位及び形成状態を制御するのよ
い。アルカリ減量は、布帛の形態で行うことこともで
き、かつ布帛の形態でのアルカリ減量は、好ましいこと
である。
【0011】本発明において、親水剤の付着処理は、繊
維軸方向に対して直角方向にのびる前記サイズ及び数の
微細溝を有するポリエステル太細繊維を、親水剤を含有
する液に浸漬し、任意のピックアップ率に搾液した後、
温度130〜200℃の加圧下で熱処理することにより
行われる。
【0012】本発明における親水剤としては、特に限定
はないが、ポリアルキレングリコールが好ましく用いら
れる。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドのランダムまたはブロック
コポリマー等が挙げられ、単独で或いは2種以上混合し
て用いる。
【0013】本発明においては、微細溝を有するポリエ
ステル太細繊維への親水剤付着処理により、繊維に親水
剤を0.1〜1.0wt%付着させることが必要であ
り、付着量が0.1wt%未満では、満足すべき吸水性
能が得られず、1.0wt%を超えると、糸間の滑脱抵
抗が小さくなりスリップが発生し易く、風合い低下やコ
ストアップの原因にもなる。
【0014】また、本発明の親水剤付着処理における熱
処理により、親水剤をポリエステル太細繊維の微細溝に
強固に付着させることができ、とりわけ微細溝が太細繊
維の太部表面に形成されておれば、微細溝のみならず太
部内部へ浸透して付着し、親水剤の強固な付着に基づ
き、奏する吸水性に耐久性を与える。
【0015】本発明における親水剤の付着処理は、通常
の染色、仕上加工の際、その前後の工程で独立して行う
こともできるが、パッド染色、或いは染色後の仕上加工
等の工程で、浸漬、搾液の操作が行われる際に、親水剤
を染液或いは仕上加工液に添加することにより、染色或
いは仕上加工等と同時の親水剤付着処理が可能であり、
かつ、かかる同時処理は、工程の合理化上、エネルギー
節約上有利である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中、吸水性、吸水耐久性は次の方法で
測定した。
【0017】吸水性(水滴消失時間):JIS L10
96法に準じて試験片に蒸留水を滴下し、水が試験片に
完全に吸水される迄の時間を測定した。 吸水耐久性:JIS L0217法に準じて試験片を5
0回洗濯した後に前記水滴消失時間を測定した。
【0018】(実施例)溶融紡糸し巻取速度2500m
/分で巻取った複屈折率が0.034、結晶化温度が1
27℃、ガラス転移温度が72℃及び最大延伸倍率が
3.100であるセミダル円形断面のポリエチレンテレ
フタレート未延伸糸を第1段延伸倍率1.326、第1
段延伸における引取りローラ温度85℃、第2段延伸倍
率1.174、第2段延伸域での熱セット温度120℃
の条件で延伸して得た150デニール/48フィラメン
トの太細繊維を用い、下記の平織物を製織した。 生機密度: 経87本/吋 緯63本/吋 仕上密度: 経98本/吋 緯69本/吋
【0019】得られた織物を160℃でプレセットした
後、浴比1:30、水酸化ナトリウム濃度30g/lの
アルカリ水溶液で100℃で30分浸漬処理して減量率
20wt%に減量し、織物を構成する太細繊維の太部表
面に長さが繊維外周長の40〜50%、幅が0.4〜
0.7μm、溝数が繊維軸方向10μm当たり3〜4本
の微細溝が形成された織物を得た。次いで、この織物
を、通常の仕上加工の際、SR1000(高松油脂社製
ポリエチレングルコール、純分濃度10wt%)を添加
した5wt%水溶液に浸漬した後、マングルで織物重量
に対する液付着率(ピックアップ率)が100%となる
ように搾液した。その後、110℃で乾燥した後、18
0℃で熱処理した。得られた織物は、吸水性が0秒、吸
水耐久性が5秒であった。
【0020】(比較例)実施例において、ポリエチレン
テレフタレート太細繊維に代えて150デニール/48
フィラメントの円形断面の通常のポリエチレンテレフタ
レート繊維を用いた以外は、実施例と同様にして織物を
得た。得られた織物は、吸水性が10秒、吸水耐久性が
120秒以上であった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、太細繊維の繊維表面、
特に太部表面の微細溝の存在により親水剤が強固に付着
されていることから、耐久性のある吸水性を有し、太細
繊維に基づくソフトな風合いに加え、親水化付着処理を
仕上加工等で行うことも可能で適宜の風合いを付与する
こともでき、風合いに自由度のある吸水性ポリエステル
繊維を得ることができる。また、本発明によれば、かか
る吸水性ポリエステル繊維を安価に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 101:32 (72)発明者 山口 泰史 大阪府大阪市北区中之島二丁目3番18号 三菱レイヨン株式会社大阪支店内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維表面に繊維軸方向に対して直角方向
    にのびる微細溝であって、長さが繊維外周長の70%以
    下、幅が1μm以下、溝数が繊維軸方向10μm当たり
    2〜5本の微細溝を有するポリエステル太細繊維を、親
    水剤液に浸漬し搾液した後、130〜200℃で熱処理
    し、該繊維に親水剤を0.1〜1.0wt%付着させる
    ことを特徴とする吸水性ポリエステル繊維の製造法。
  2. 【請求項2】 親水剤としてポリアルキレングリコール
    を用いる請求項1記載の吸水性ポリエステル繊維の製造
    法。
JP6307070A 1994-11-17 1994-11-17 吸水性ポリエステル繊維の製造法 Pending JPH08144172A (ja)

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JP6307070A JPH08144172A (ja) 1994-11-17 1994-11-17 吸水性ポリエステル繊維の製造法

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JP (1) JPH08144172A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266812A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Negoro Sangyo Co 機能性異型再生ポリエチレンテレフタレート繊維およびその製造方法
JP2017197880A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 ユニチカ株式会社 機能性ポリエステル長繊維不織布の製造方法

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JP2008266812A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Negoro Sangyo Co 機能性異型再生ポリエチレンテレフタレート繊維およびその製造方法
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