JP2688794B2 - 吸水性ポリエステル繊維布帛及びその製法 - Google Patents
吸水性ポリエステル繊維布帛及びその製法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,優れた吸水性と吸水し
た水の発散性,並びにソフトな風合を呈する吸水性ポリ
エステル繊維布帛及びその製法に関するものである。
た水の発散性,並びにソフトな風合を呈する吸水性ポリ
エステル繊維布帛及びその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,ポリエステル繊維に吸水性や吸汗
性を付与する方法として次のような方法が知られてい
た。すなわち,(1)吸水性や吸汗性を有するポリマ−
とポリエステルとを複合紡糸する方法,(2)繊維断面
を特殊な形状にして繊維間の毛細管現象を利用して吸水
性を付与する方法,及び(3)繊維断面を中空断面にし
て繊維表面から中空部に到達する微細孔を形成し,微細
孔と中空部を利用して吸水性を付与する方法等である。
性を付与する方法として次のような方法が知られてい
た。すなわち,(1)吸水性や吸汗性を有するポリマ−
とポリエステルとを複合紡糸する方法,(2)繊維断面
を特殊な形状にして繊維間の毛細管現象を利用して吸水
性を付与する方法,及び(3)繊維断面を中空断面にし
て繊維表面から中空部に到達する微細孔を形成し,微細
孔と中空部を利用して吸水性を付与する方法等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記
(1)の方法には,異質のポリマ−の組み合わせによる
製糸性の悪化や染色工程での管理の困難さ等の問題があ
り,又(2)の方法には構成繊維間の拘束状態,すなわ
ち構成繊維間に形成される空隙状態により吸水性能が変
動して安定した吸水性能が発揮されないという問題があ
り,更に(3)の方法には中空部に水や汗が閉じこめら
れることによる溌水性の低下やカビ及び異臭の発生,並
びに中空断面繊維の曲げ弾性の高さに基づく風合の硬化
等の問題があった
(1)の方法には,異質のポリマ−の組み合わせによる
製糸性の悪化や染色工程での管理の困難さ等の問題があ
り,又(2)の方法には構成繊維間の拘束状態,すなわ
ち構成繊維間に形成される空隙状態により吸水性能が変
動して安定した吸水性能が発揮されないという問題があ
り,更に(3)の方法には中空部に水や汗が閉じこめら
れることによる溌水性の低下やカビ及び異臭の発生,並
びに中空断面繊維の曲げ弾性の高さに基づく風合の硬化
等の問題があった
【0004】本発明はかかる従来の問題点を解消し,製
糸や染色が容易で,優れた吸水性能と吸水した水の発散
性能,並びにソフトな風合を発揮する吸水性ポリエステ
ル繊維布帛及びその製法を提供するものである。
糸や染色が容易で,優れた吸水性能と吸水した水の発散
性能,並びにソフトな風合を発揮する吸水性ポリエステ
ル繊維布帛及びその製法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,ポリエチレン
テレフタレ−トを95重量%以上含有するポリエステル
(A成分)とアルカリ減量速度がA成分より高い改質ポ
リエステル(B成分)とからなる中空率10〜30%の
サイドバイサイド型複合中空太細繊維糸条であって,該
糸条を構成する各繊維の長手方向及び各繊維間において
太部と細部とがランダムに存在し,更に太部のA成分側
には繊維軸と直角方向にのびると共に繊維の中空部に到
達する横溝が多数存在し,且つ太部のB成分側には繊維
軸方向にのびると共に繊維の中空部に到達する縦溝が存
在するポリエステル複合中空太細繊維糸条を用いて形成
された吸水性ポリエステル繊維布帛,及び ポリエチレ
ンテレフタレ−トを95重量%以上含有するポリエステ
ル(A成分)とアルカリ減量速度がA成分より高い改質
ポリエステル(B成分)とを,サイドバイサイド型複合
中空紡糸口金を用いて中空率が10〜30%となるよう
に紡糸したサイドバイサイド型複合中空繊維糸条の未延
伸糸を該未延伸糸の結晶化温度以下の温度で,且つ延伸
後の残留伸度が70〜90%となる倍率で延伸し,次い
で前記未延伸糸のガラス転移点温度以上結晶化温度以下
の温度で,且つ1.001〜1.040倍の緊張比で熱処
理したポリエステル複合中空太細繊維糸条を用いて布帛
を形成し,しかる後該布帛を減量率15〜40%でアル
カリ減量処理することを特徴とする吸水性ポリエステル
繊維布帛の製法を要旨とするものである。
テレフタレ−トを95重量%以上含有するポリエステル
(A成分)とアルカリ減量速度がA成分より高い改質ポ
リエステル(B成分)とからなる中空率10〜30%の
サイドバイサイド型複合中空太細繊維糸条であって,該
糸条を構成する各繊維の長手方向及び各繊維間において
太部と細部とがランダムに存在し,更に太部のA成分側
には繊維軸と直角方向にのびると共に繊維の中空部に到
達する横溝が多数存在し,且つ太部のB成分側には繊維
軸方向にのびると共に繊維の中空部に到達する縦溝が存
在するポリエステル複合中空太細繊維糸条を用いて形成
された吸水性ポリエステル繊維布帛,及び ポリエチレ
ンテレフタレ−トを95重量%以上含有するポリエステ
ル(A成分)とアルカリ減量速度がA成分より高い改質
ポリエステル(B成分)とを,サイドバイサイド型複合
中空紡糸口金を用いて中空率が10〜30%となるよう
に紡糸したサイドバイサイド型複合中空繊維糸条の未延
伸糸を該未延伸糸の結晶化温度以下の温度で,且つ延伸
後の残留伸度が70〜90%となる倍率で延伸し,次い
で前記未延伸糸のガラス転移点温度以上結晶化温度以下
の温度で,且つ1.001〜1.040倍の緊張比で熱処
理したポリエステル複合中空太細繊維糸条を用いて布帛
を形成し,しかる後該布帛を減量率15〜40%でアル
カリ減量処理することを特徴とする吸水性ポリエステル
繊維布帛の製法を要旨とするものである。
【0006】本発明を図面に従って更に詳細に説明する
と,図1は本発明で用いるポリエステル複合中空太細繊
維糸条の製造のための紡糸口金孔及びそれらから紡糸さ
れた繊維の各種例を示す断面図,図2はアルカリ減量処
理後のポリエステル複合中空太細繊維の太部の拡大斜視
図,図3はアルカリ減量処理後のポリエステル複合中空
太細繊維の細部の拡大斜視図で,図2及び図3において
本発明で用いる繊維には中空部3が存在し,且つ太部の
A成分側には繊維軸と直角方向にのびると共に前記中空
部に到達する横溝1が多数存在し,且つ太部のB成分側
には繊維軸方向にのびると共に前記中空部に到達する縦
溝2が存在しているので,これら中空部3と横溝1と縦
溝2との相乗作用により優れた吸水性と吸水した水の発
散性を発揮する。すなわち,繊維表面に接触した水は主
に多数の横溝1を介して繊維内部の中空部に吸入され,
中空部3に吸入された水は該中空部3を伝わって水蒸気
圧のより低い部分に伝搬され,更に縦溝2を介して繊維
外部に有効に発散されるのである。
と,図1は本発明で用いるポリエステル複合中空太細繊
維糸条の製造のための紡糸口金孔及びそれらから紡糸さ
れた繊維の各種例を示す断面図,図2はアルカリ減量処
理後のポリエステル複合中空太細繊維の太部の拡大斜視
図,図3はアルカリ減量処理後のポリエステル複合中空
太細繊維の細部の拡大斜視図で,図2及び図3において
本発明で用いる繊維には中空部3が存在し,且つ太部の
A成分側には繊維軸と直角方向にのびると共に前記中空
部に到達する横溝1が多数存在し,且つ太部のB成分側
には繊維軸方向にのびると共に前記中空部に到達する縦
溝2が存在しているので,これら中空部3と横溝1と縦
溝2との相乗作用により優れた吸水性と吸水した水の発
散性を発揮する。すなわち,繊維表面に接触した水は主
に多数の横溝1を介して繊維内部の中空部に吸入され,
中空部3に吸入された水は該中空部3を伝わって水蒸気
圧のより低い部分に伝搬され,更に縦溝2を介して繊維
外部に有効に発散されるのである。
【0007】本発明で用いるポリエステル複合中空太細
繊維糸条の中空率は10〜30%にする必要があり,1
0%未満であると横溝が中空部3に到達することができ
ず,又30%を越えると紡糸段階で正常な中空断面が得
られないと共に加工段階での断面変形により中空率が著
しく低下して本発明の目的を達成することができない。
又太部のA成分側に存在する横溝1は,その長さが繊維
外周の70%以下,幅が1μ以下,数が繊維長手方向に
沿って10μ当たり2〜5本であり,これらの範囲を越
えると繊維の強力が低下して衣料用繊維としての機能を
失うことになる。更に太部のB成分側に存在する縦溝2
の長さは100μ以下で,太部の長さによって限定さ
れ,100μを越えるとソフトな風合が失われてしま
う。またその幅は中空部3の直径以下,すなわちサイド
バイサイド型に複合したB成分全てがアルカリ減量によ
りなくなる迄の範囲内であればよいが,繊維強度及び中
空断面維持の観点から中空部の直径の50%以下である
ことが望ましい。
繊維糸条の中空率は10〜30%にする必要があり,1
0%未満であると横溝が中空部3に到達することができ
ず,又30%を越えると紡糸段階で正常な中空断面が得
られないと共に加工段階での断面変形により中空率が著
しく低下して本発明の目的を達成することができない。
又太部のA成分側に存在する横溝1は,その長さが繊維
外周の70%以下,幅が1μ以下,数が繊維長手方向に
沿って10μ当たり2〜5本であり,これらの範囲を越
えると繊維の強力が低下して衣料用繊維としての機能を
失うことになる。更に太部のB成分側に存在する縦溝2
の長さは100μ以下で,太部の長さによって限定さ
れ,100μを越えるとソフトな風合が失われてしま
う。またその幅は中空部3の直径以下,すなわちサイド
バイサイド型に複合したB成分全てがアルカリ減量によ
りなくなる迄の範囲内であればよいが,繊維強度及び中
空断面維持の観点から中空部の直径の50%以下である
ことが望ましい。
【0008】又,本発明で用いる糸条は,該糸条を構成
する各繊維の太部が自発熱伸長性を有し,細部が熱収縮
性を有しているので,後の沸水によるアルカリ減量処理
により横溝と縦溝とが発生する太部が糸条表面上に浮き
上がった構造となり,これによって横溝と縦溝とによる
吸水および発散効果がより有効に発揮されると共に,ド
ライでソフトな風合が得られるのである。
する各繊維の太部が自発熱伸長性を有し,細部が熱収縮
性を有しているので,後の沸水によるアルカリ減量処理
により横溝と縦溝とが発生する太部が糸条表面上に浮き
上がった構造となり,これによって横溝と縦溝とによる
吸水および発散効果がより有効に発揮されると共に,ド
ライでソフトな風合が得られるのである。
【0009】本発明で用いるA成分は,ポリエチレンテ
レフタレ−トを95重量%以上含有する実質的にポリエ
チレンテレフタレ−トからなるポリエステルであり,他
方B成分はアルカリ減量速度がA成分より高い改質ポリ
エステルであって,具体的には,平均分子量5000以
上のポリアルキレングリコ−ルを0.1〜10重量%と
下記一般式[1]で示される有機スルホン酸金属塩を
0.05〜5重量%含有する,主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレ−トである改質ポリエステルが好適に
用いられる。 R−SO3M ───────── [1] (式中,Rは炭素数3〜30のアルキル基,Mはアルカ
リ金属を示す)
レフタレ−トを95重量%以上含有する実質的にポリエ
チレンテレフタレ−トからなるポリエステルであり,他
方B成分はアルカリ減量速度がA成分より高い改質ポリ
エステルであって,具体的には,平均分子量5000以
上のポリアルキレングリコ−ルを0.1〜10重量%と
下記一般式[1]で示される有機スルホン酸金属塩を
0.05〜5重量%含有する,主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレ−トである改質ポリエステルが好適に
用いられる。 R−SO3M ───────── [1] (式中,Rは炭素数3〜30のアルキル基,Mはアルカ
リ金属を示す)
【0010】本発明に係わる布帛は,上記A成分とB成
分とを図1(イ),(ロ),(ハ)に示す如きサイドバ
イサイド型複合中空紡糸口金孔を有する紡糸口金を用い
て,中空率が10〜30%となるように紡糸したサイド
バイサイド型複合中空繊維糸条の未延伸糸を該未延伸糸
の結晶化温度以下の温度で,且つ延伸後の残留伸度が7
0〜90%となる倍率で延伸し,次いで前記未延伸糸の
ガラス転移点温度以上結晶化温度以下の温度で,且つ
1.001〜1.040倍の緊張比で熱処理したポリエス
テル複合中空太細繊維糸条を用いて布帛を形成し,しか
る後該布帛を減量率15〜40%でアルカリ減量処理を
行うことにより製造することができる。
分とを図1(イ),(ロ),(ハ)に示す如きサイドバ
イサイド型複合中空紡糸口金孔を有する紡糸口金を用い
て,中空率が10〜30%となるように紡糸したサイド
バイサイド型複合中空繊維糸条の未延伸糸を該未延伸糸
の結晶化温度以下の温度で,且つ延伸後の残留伸度が7
0〜90%となる倍率で延伸し,次いで前記未延伸糸の
ガラス転移点温度以上結晶化温度以下の温度で,且つ
1.001〜1.040倍の緊張比で熱処理したポリエス
テル複合中空太細繊維糸条を用いて布帛を形成し,しか
る後該布帛を減量率15〜40%でアルカリ減量処理を
行うことにより製造することができる。
【0011】太細繊維は未延伸部と延伸部とが混在する
ため,繊維の長手方向にに沿って高伸度部と低伸度部と
が混在することになる。これは後工程,例えば仮撚加工
を行った場合加工の張力変動を起こす大きな原因とな
り,加工安定性を損なうことになるが,延伸糸の残留伸
度を70〜90%にすることによって後加工の張力変動
を吸収し安定に後加工を行うことができるのである。又
延伸温度が未延伸糸の結晶化温度を越えると,延伸が行
われる以前に未延伸糸に部分的な結晶化が進行し,太部
と細部との高度な分散状態が達成されず,しかも太部の
熱脆化単繊維切れ等の工程不調を引き起こすことになる
のである。
ため,繊維の長手方向にに沿って高伸度部と低伸度部と
が混在することになる。これは後工程,例えば仮撚加工
を行った場合加工の張力変動を起こす大きな原因とな
り,加工安定性を損なうことになるが,延伸糸の残留伸
度を70〜90%にすることによって後加工の張力変動
を吸収し安定に後加工を行うことができるのである。又
延伸温度が未延伸糸の結晶化温度を越えると,延伸が行
われる以前に未延伸糸に部分的な結晶化が進行し,太部
と細部との高度な分散状態が達成されず,しかも太部の
熱脆化単繊維切れ等の工程不調を引き起こすことになる
のである。
【0012】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて更に具体的に
説明するが,実施例及び比較例中における水滴拡散速度
(100秒経過後の水滴拡散面積),乾燥速度(湿潤知
覚限界である水分率20%に達する迄の時間),及び水
滴消失時間(洗濯1回後)はJIS 1096に準拠し
て測定し,面吸水性(ラロ−ズ法)は以下の方法で測定
した。
説明するが,実施例及び比較例中における水滴拡散速度
(100秒経過後の水滴拡散面積),乾燥速度(湿潤知
覚限界である水分率20%に達する迄の時間),及び水
滴消失時間(洗濯1回後)はJIS 1096に準拠し
て測定し,面吸水性(ラロ−ズ法)は以下の方法で測定
した。
【0013】[ラロ−ズ法]東洋紡エンジニアリング
(株)製ラロ−ズ法吸水性測定装置TL−01型を使用
して,抱水した水平のグラスフィルタ−の上に試料原糸
を緯糸に用いた平織物の円形試料をセットし,この試料
の上に480gの荷重をかけて所定時間に試料がグラス
フィルタ−を通して吸い上げる水の量を測定し,5回測
定の平均値から吸水率を算出する。
(株)製ラロ−ズ法吸水性測定装置TL−01型を使用
して,抱水した水平のグラスフィルタ−の上に試料原糸
を緯糸に用いた平織物の円形試料をセットし,この試料
の上に480gの荷重をかけて所定時間に試料がグラス
フィルタ−を通して吸い上げる水の量を測定し,5回測
定の平均値から吸水率を算出する。
【0014】(実施例1)酸化チタンを0.5重量%含
む固有粘度[η]=0.65のポリエチレンテレフタレ
−トをA成分とし,分子量20000のポリエチレング
リコ−ル3モル%とアルキルスルホン酸ナトリウム4モ
ル%を含む易アルカリ溶解性改質ポリエステルをB成分
として図1の(イ)に示す形の外径3mm,スリット幅
0.1mmの紡糸孔を30個有するサイドバイサイド型
複合中空紡糸口金を用いて,紡糸温度290℃,巻取速
度1800m/分で紡糸して中空率20%,繊度160
d/30fの未延伸糸を得た。この未延伸糸のディラト
メトリ−法で測定したガラス転移温度は70℃,走査型
熱量計で測定した結晶化温度は127℃であった。
む固有粘度[η]=0.65のポリエチレンテレフタレ
−トをA成分とし,分子量20000のポリエチレング
リコ−ル3モル%とアルキルスルホン酸ナトリウム4モ
ル%を含む易アルカリ溶解性改質ポリエステルをB成分
として図1の(イ)に示す形の外径3mm,スリット幅
0.1mmの紡糸孔を30個有するサイドバイサイド型
複合中空紡糸口金を用いて,紡糸温度290℃,巻取速
度1800m/分で紡糸して中空率20%,繊度160
d/30fの未延伸糸を得た。この未延伸糸のディラト
メトリ−法で測定したガラス転移温度は70℃,走査型
熱量計で測定した結晶化温度は127℃であった。
【0015】この未延伸糸を延伸倍率1.550倍,温
度110℃で延伸し,引続いて緊張比1.015,温度
120℃で熱処理して複合中空太細繊維糸条を得た。こ
の複合中空太細繊維糸条に1000t/m(z)の撚を
施した糸条を経糸及び緯糸に用いて,75羽/2本/寸
×110本/寸の密度で平織物を織成後,減量率20%
でアルカリ減量処理を施した。得られた織物は,ソフト
感,ドライ感,及びボリュウム感のある優れた風合を有
するものであった。
度110℃で延伸し,引続いて緊張比1.015,温度
120℃で熱処理して複合中空太細繊維糸条を得た。こ
の複合中空太細繊維糸条に1000t/m(z)の撚を
施した糸条を経糸及び緯糸に用いて,75羽/2本/寸
×110本/寸の密度で平織物を織成後,減量率20%
でアルカリ減量処理を施した。得られた織物は,ソフト
感,ドライ感,及びボリュウム感のある優れた風合を有
するものであった。
【0016】尚,織物の構成繊維の横溝,経溝の長さ,
幅,数,及び織物の各種性能等は表1に示した。
幅,数,及び織物の各種性能等は表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】上述の如く構成された本発明に係わる吸
水性ポリエステル繊維布帛は,構成糸条の製糸や布帛の
染色が容易であると共に,優れた吸水性能と吸水した水
の発散性能,並びにソフトな風合を呈する等の格別の効
果を奏するものである。
水性ポリエステル繊維布帛は,構成糸条の製糸や布帛の
染色が容易であると共に,優れた吸水性能と吸水した水
の発散性能,並びにソフトな風合を呈する等の格別の効
果を奏するものである。
【図1】本発明で用いるポリエステル複合中空太細繊維
糸条の製造の為の紡糸口金孔及びそれらから紡糸された
繊維の各種例を示す断面図である。
糸条の製造の為の紡糸口金孔及びそれらから紡糸された
繊維の各種例を示す断面図である。
【図2】本発明の布帛を構成する,アルカリ減量処理後
のポリエステル複合中空太細繊維の太部の拡大斜視図で
ある。
のポリエステル複合中空太細繊維の太部の拡大斜視図で
ある。
【図3】本発明の布帛を構成する,アルカリ減量処理後
のポリエステル複合中空太細繊維の細部の拡大斜視図で
ある。
のポリエステル複合中空太細繊維の細部の拡大斜視図で
ある。
1 横溝 2 縦溝 3 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 306 D01F 6/92 306D 8/14 8/14 B D06M 11/38 D06M 5/02 F // D06M 101:32 (72)発明者 川端 香織 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 福井 寿悦 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 審査官 山崎 豊 (56)参考文献 特開 昭57−101072(JP,A) 特開 平3−213535(JP,A) 特開 昭56−169817(JP,A) 特開 昭55−93812(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレ−トを95重量
%以上含有するポリエステル(A成分)とアルカリ減量
速度がA成分より高い改質ポリエステル(B成分)とか
らなる中空率10〜30%のサイドバイサイド型複合中
空太細繊維糸条であって,該糸条を構成する各繊維の長
手方向及び各繊維間において太部と細部とがランダムに
存在し,更に太部のA成分側には繊維軸と直角方向にの
びると共に繊維の中空部に到達する横溝が多数存在し,
且つ太部のB成分側には繊維軸方向にのびると共に繊維
の中空部に到達する縦溝が存在するポリエステル複合中
空太細繊維糸条を用いて形成された吸水性ポリエステル
繊維布帛。 - 【請求項2】 太部のA成分側に存在する横溝の長さが
繊維外周の70%以下,幅が1μ以下,数が繊維軸方向
10μ当たり2〜5本であり,太部のB成分側に存在す
る縦溝の長さが100μ以下であるポリエステル複合中
空太細繊維糸条を用いる請求項1記載の吸水性ポリエス
テル繊維布帛。 - 【請求項3】 B成分として,平均分子量5000以上
のポリアルキレングリコ−ルを0.1〜10重量%と下
記一般式[1]で示される有機スルホン酸金属塩を0.
05〜5重量%含有する,主たる繰り返し単位がエチレ
ンテレフタレ−トである改質ポリエステルを用いる請求
項1又は請求項2記載の吸水性ポリエステル繊維布帛。 R−SO3M ───────── [1] (式中,Rは炭素数3〜30のアルキル基,Mはアルカ
リ金属を示す) - 【請求項4】 ポリエチレンテレフタレ−トを95重量
%以上含有するポリエステル(A成分)とアルカリ減量
速度がA成分より高い改質ポリエステル(B成分)と
を,サイドバイサイド型複合中空紡糸口金を用いて中空
率が10〜30%となるように紡糸したサイドバイサイ
ド型複合中空繊維糸条の未延伸糸を該未延伸糸の結晶化
温度以下の温度で,且つ延伸後の残留伸度が70〜90
%となる倍率で延伸し,次いで前記未延伸糸のガラス転
移点温度以上結晶化温度以下の温度で,且つ1.001
〜1.040倍の緊張比で熱処理したポリエステル複合
中空太細繊維糸条を用いて布帛を形成し,しかる後減量
率15〜40%でアルカリ減量処理することを特徴とす
る吸水性ポリエステル繊維布帛の製法。 - 【請求項5】 B成分として,平均分子量5000以上
のポリアルキレングリコ−ルを0.1〜10重量%と下
記一般式[1]で示される有機スルホン酸金属塩を0.
05〜5重量%含有する,主たる繰り返し単位がエチレ
ンテレフタレ−トである改質ポリエステルを用いる請求
項4記載の吸水性ポリエステル繊維布帛の製法。 R−SO3M ───────── [1] (式中,Rは炭素数3〜30のアルキル基,Mはアルカ
リ金属を示す)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4098028A JP2688794B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 吸水性ポリエステル繊維布帛及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4098028A JP2688794B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 吸水性ポリエステル繊維布帛及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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