JPH0813835B2 - ピログルタミン酸残基を有するトリペプチド誘導体 - Google Patents

ピログルタミン酸残基を有するトリペプチド誘導体

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JPH0813835B2
JPH0813835B2 JP2235109A JP23510990A JPH0813835B2 JP H0813835 B2 JPH0813835 B2 JP H0813835B2 JP 2235109 A JP2235109 A JP 2235109A JP 23510990 A JP23510990 A JP 23510990A JP H0813835 B2 JPH0813835 B2 JP H0813835B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なピログルタミン酸残基を有するトリペ
プチド誘導体に関し、更に詳しくは蛋白分解酵素阻害能
を有するピログルタミン酸残基を有するトリペプチド誘
導体又はその薬学的に許容し得る塩及びそれらを有効成
分とする蛋白分解酵素阻害剤に関する。
〔従来の技術〕
生体内には種々の蛋白分解酵素が存在していることは
周知の通りであり、例えばプラスミン,トリプシン,カ
リクレイン,トロンビン,ウロキナーゼなどのトリプシ
ン様酵素や、あるいはキモトリプシン様酵素,ペプシン
様酵素などが知られている。これらの蛋白分解酵素は何
らかの理由により異常に活性化されると種々の疾患をひ
きおこすことが知られている。
従って、これらの蛋白分解酵素に対して阻害活性を示
す物質は何らかの臨床治療薬として有用である。例えば
抗プラスミン剤は止血剤,抗炎症剤,抗アレルギー剤と
して有用であり、抗トロンビン剤は血栓の治療に有用で
あり、抗トリプシン剤は膵炎の治療に有用であり、抗カ
リクレイン剤は炎症,潰瘍の治療剤として有用であり、
抗ウロキナーゼ剤はウロキナーゼによる血栓溶解療法の
際の出血症状を抑制するのに有用である。
従来からこのような作用を有する蛋白分解酵素阻害剤
の開発が進められているが、それらの蛋白分解酵素阻害
活性は低く、医薬品として実用に供するには十分ではな
い。また、複数のいくつかの蛋白分解酵素に対して十分
な阻害活性を有する蛋白分解酵素阻害剤の開発もいまだ
なされていない。
例えば、ある種のアルギニナールを含むトリペプチド
誘導体が、蛋白分解酵素阻害剤として広く知られてい
る。即ち、アセチル−L−ロイシル−L−ロイシル−ア
ルギニナール(ロイペプチン)は、ある種の微生物が産
生するアルギニナールを含むトリペプチド誘導体の1つ
である(例えば、J.Antibiotics(Tokyo)1969年22巻28
3頁参照)が、その阻害活性は低い(例えば、代謝1977
年14巻6号1087頁参照)。D−フェニルアラニル−L−
プロリル−L−アルギニナールは、トロンビン阻害剤と
して知られている(例えば、Symposia Biologica Hunga
rica 1984年25巻277頁)が、他の類似のトリプシン様酵
素への阻害能力は弱い。梅沢らは、ロイペプチンの誘導
体を数多く合成しているが、そのいずれもトリプシン様
酵素に対する阻害活性は小さい(J.Antibiotics(Toky
o),1988年41巻2号,220頁参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はかかる従来技術の問題点を解決して実用上十
分な阻害活性を有し、しかも複数のいくつかの蛋白分解
酵素に対しても十分な阻害活性を有する化合物及びそれ
を有効成分とする蛋白分解酵素阻害剤を開発することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、従来の蛋白分解酵素阻害剤より強力かつ
広範な阻害活性を有する化合物の探索に鋭意努力を重ね
た。その結果L−、もしくはD−ピログルタミン酸また
はそのN末端にある種の官能基が結合したL−もしくは
D−ピログルタミン酸、次いでグリシン,L−アラニン,L
−バリン,L−ロイシン(ただしL−ピログルタミン酸残
基に続く場合を除く),L−イソロイシン,L−セリン,L−
スレオニン,L−リシン,L−プロリン,L−ピペコリンもし
くはL−フェニルアラニン、次いでL−、D−もしくは
DL−アルギニンというアミノ酸配列を有するトリペプチ
ド誘導体及びその酸付加塩がすぐれた蛋白分解酵素阻害
能を有することを見い出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の一般式(I) X−A1−A2−A3−H (I) 〔式中、Xは、A1の第2級アミノ基に結合する水素原
子、アレーンスルホニル基(アルキル基、又はアルキル
オキシ基を置換基として有するものも含む)、アルカン
スルホニル基(アリール基を置換基として有するものも
含む)、アロイル基(アルキル基,ハロゲン原子,アミ
ン誘導体基,アルキルオキシ基を置換基として有するも
のも含む)、アシル基(アリール基を置換基として有す
るものも含む)、またはアルキルオキシカルボニル基
(アリール基を置換基として有するものも含む)を表わ
し、A1は、A2の第1級アミノ基に結合するL−またはD
−ピログルタミン酸残基を表わし、A2は、A3の第1級ア
ミノ基に結合するグリシン残基,L−アラニン残基,L−バ
リン残基,L−ロイシン残基(ただし、A1がL−ピログル
タミン酸残基の場合を除く,、L−イソロイシン残基,L
−セリン残基,L−スレオニン残基,L−リシン残基,L−プ
ロリン残基,L−ピペコリン酸残基またはL−フェニルア
ラニン残基を表わし、A3はL−、D−またはDL−アルギ
ニン残基を表わす〕で表わされるトリペプチド誘導体ま
たは薬学的に許容し得るその酸付加塩、並びにそのトリ
ペプチド誘導体またはその酸付加塩を有効成分とする蛋
白分解酵素阻害剤を要旨とするものである。上記の本発
明の化合物は、種々の蛋白分解酵素を強力に阻害する。
式(I)におけるXは、A1のL−またはD−ピログルタ
ミン酸残基中の第2級アミノ基に置換する置換基であ
る。Xのアレーンスルホニル基としては、ベンゼンスル
ホニル,ナフタレンスルホニル;あるいはp−トルエン
スルホニル,メシチレンスルホニルなどのC1-6アルキル
置換ベンゼンスルホニルもしくはC1-6アルキル置換ナフ
タレンスルホニル基;p−メトキシベンゼンスルホニルな
どのC1-6アルコキシ置換ベンゼンスルホニルもしくはC
1-6アルコキシ置換ナフタレンスルホニル基が好まし
い。
アルカンスルホニル基としては、例えばメタンスルホ
ニル,エタンスルホニル,ブタンスルホニルなどのC1-6
アルカンスルホニル基;あるいはフェニルメタンスルホ
ニルなどのフェニル置換C1-6アルカンスルホニル基が好
ましい。
アロイル基としては、例えば、ベンゾイル,ナフトイ
ル;あるいはトルオイル,p−エチルベンゾイルなどのC
1-6アルキル置換ベンゾイルもしくはC1-6アルキル置換
ナフトイル基;p−クロロベンゾイルなどのハロゲン置換
ベンゾイルもしくはハロゲン置換ナフトイル基;p−アミ
ノメチルベンゾイルなどのアミノC1-6アルキル置換ベン
ゾイルもしくはアミノC1-6アルキル置換ナフトイル基;p
−メトキシベンゾイル,p−エトキシベンゾイルなどのC
1-6アルキルオキシ置換ベンゾイルもしくはC1-6アルキ
ルオキシ置換ナフトイルが好ましい。
アシル基としては、アセチル,プロピオニル,オクタ
ノイルなどのC2-10アシル基;あるいはフェニルアセチ
ルなどのフェニル置換C2-10アシル基が好ましい。
アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メト
キシカルボニル,エトキシカルボニル,イソブトキシカ
ルボニル,ペントキシカルボニル,ヘキソキシカルボニ
ルなどのC1-6アルキルオキシカルボニル基;あるいはベ
ンジルオキシカルボニルなどのフェニル置換C1-6アルキ
ルオキシカルボニル基が好ましい。
Xとしては、水素原子およびフェニル置換C1-6アルキ
ルオキシカルボニル基が好ましく、特に水素原子および
ベンジルオキシカルボニル基が好ましい。
式(I)におけるA1としてはL−ピログルタミン酸残
基、A2としてはL−プロリン残基,L−アラニン残基,L−
フェニルアラニン残基およびL−ロイシン残基、A3とし
てはL−アルギニン残基が特に好ましい。
本発明の化合物並びに医薬として許容されるそれらの
酸付加塩は、種々の方法によって製造することができ
る。以下に、一般式(I)中の置換基Xがベンジルオキ
シカルボニル基であり、酸付加酸が塩酸あるいは硫酸で
ある場合を例にしてそれらの方法を説明するが、本発明
のトリペプチド誘導体及びそれらの酸付加塩の合成法
は、この記載の方法のみに限定されるものではない。
式(I)においてXが水素原子またはベンジルオキシ
カルボニル(Z)基であるトリペプチド誘導体の塩酸塩
および硫酸塩は、以下に示す反応スキーム1)〜5)の
方法によって合成することができる。
以下に上記の反応スキームに基いて合成法を説明す
る。
1)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−A2−L−アルギニナール塩酸塩(I′)は、対応す
るN−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−A2−L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩
(II)を希塩酸水溶液−アセトニトリル中、加水分解す
る事により得られる。
化合物(II)はL−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(III)(特開平1−8963参照)を出発原料と
して、通常のペプチド合成法(例えば、泉屋信夫ら著、
「ペプチド合成の基礎と実験」、丸善株式会社を参照)
により調製できる。例えば化合物(II)は化合物(II
I)とN−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタ
ミル−A2−OHの活性エステル(例えば、N−ヒドロキシ
スクシンイミドエステル)との適当な溶媒(例えば、塩
化メチレン)中での縮合反応によって得られる。
2)化合物(II)は次のようにして合成することもでき
る。化合物(III)とZ−A2−OHの活性エステル(例え
ば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)を適当な
溶媒(例えば、塩化メチレン)中で縮合反応させること
によってN−ベンジルオキシカルボニル−A2−L−アル
ギニナールジブチルアセタール塩酸塩(IV)を得、化合
物(IV)を触媒(例えば、パラジウム黒)存在下、適当
な溶媒(例えば、メタノール)中、接触還元し、H−A2
−L−アルギニナールジブチルアセタール(V)を得、
化合物(V)とベンジルオキシカルボニル−L−ピログ
ルタミン酸の活性エステル(例えば、N−ヒドロキシス
クシンイミドエステル)を適当な溶媒(例えば、塩化メ
チレン)中、縮合反応して、目的の化合物(II)を得
る。
3)L−ピログルタミル−A2−L−アルギニナール塩酸
塩(II″)は、適当な触媒(例えば、パラジウム黒)存
在下、適当な溶媒(例えば、メタノール)中、対応する
N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−
A2−L−アルギニナール塩酸塩(I′)を接触還元して
得られる。
4)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−A2−L−アルギニナール1/2硫酸塩(I)は、N
−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−A2
−L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(II)
をクロロホルムに溶解し、5%硫酸を含む飽和硫酸ナト
リウム水溶液で洗浄する事により、N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−ピログルタミル−A2−L−アルギニナ
ールジブチルアセタール硫酸塩(VI)を得、化合物(V
I)希硫酸−アセトニトリルの混合溶媒で加水分解する
事により、得られる。
5)L−ピログルタミル−A2−L−アルギニナール1/2
硫酸塩(I)は対応するN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−ピログルタミル−A2−L−アルギニナール1/2
硫酸塩(I)を触媒(例えば、パラジウム黒)存在
下、適当な溶媒(例えば、水含有メタノール中、接触還
元する事により得られる。
置換基Xがベンジルオキシカルボニル基でなく、アレ
ーンスルホニル基(アルキル基又はアルキルオキシ基を
置換基として有するものも含む)、アルカンスルホニル
基(アリール基を置換基として有するものも含む)、ア
ロイル基(アルキル基,ハロゲン原子,アミン誘導体
基,アルキルオキシ基を置換基として有するものも含
む)、アシル基(アリール基を置換基として有するもの
も含む)又はアルキルオキシカルボニル基(アリール基
を置換基として有するものも含む)の場合も、以上に示
した1)、2)または4)と同様の方法でトリペプチド
誘導体及びその酸付加塩を合成できる。
なお、A1のピログルタミン酸残基がD型の場合、ある
いはA3のアルギニン残基がD−またはDL−の場合も上記
の合成法を同様に用いて本発明の化合物が得られる。
上記方法においてL−アルギニン残基を有する化合物を
用いて合成を行った場合に得られるトリペプチド誘導体
の生成物は、D配置を有するアルギニン残基を含むある
程度の量の生成物を含有することもあるが、しかしなが
らこのこれはそれらの治療的適用に影響を与えない。
一般式(I)のトリペプチド誘導体の酸付加塩は、ト
リペプチド誘導体と同様に医薬品として治療目的に用い
ることができ、薬理的及び医薬的に好ましく許容でき
る。しかしながら、その活性の根拠は塩基部分であるト
リペプチド誘導体自体に存し、酸は余り重要でない。た
だし、酸の違いは、化合物の単離のしやすさ安定性及び
溶解性の違いをもたらす。一般式(I)のトリペプチド
誘導体の適当な酸付加塩には、塩酸塩,臭化水素酸塩,
硫酸塩などの無機酸塩;酢酸塩,蓚酸塩,コハク酸塩,
リンゴ酸塩、クエン酸塩,乳酸塩などの有機カルボン酸
塩;ベンゼンスルホン酸塩,パラトルエンスルホン酸
塩,メタンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩等が含
まれる。薬学的に許容しがたい塩(たとえばフッ化水素
酸及び過塩素酸)及び薬学的に許容できない塩も、薬学
的に許容できる塩の単離や塩基の精製に利用することが
でき、あるいは当業者に周知な方法により薬学的に許容
できる塩を製造するに当って有用であり価値を有する。
複数の遊離アミノ基を有するトリペプチド誘導体の場合
には、モノ−もしくはポリ酸付加塩の形態で、又は複数
種類の酸の混合酸付加塩の形態で用いることができる。
本発明のトリペプチド誘導体及びその酸付加塩をプラ
スミン,トロンビン,トリプシン,カリクレイン,ファ
クターXa,ウロキナーゼ等のトリプシン様セリンプロテ
アーゼと共存させて、それら蛋白分解酵素の活性を測定
すると、本発明の化合物はいずれも、それぞれの酵素に
対して高い阻害能を有することが確認された。
従って、一般式(I)で表わされるトリペプチド誘導
体または薬学的に許容し得るその酸付加塩を有効成分と
する蛋白分解酵素阻害剤は、トリプシン様セリンプロテ
アーゼが関連する疾患、例えば、炎症,出血,アレルギ
ー,膵炎,潰瘍の治療に有効である。
本発明の化合物を医薬として用いる場合その投与方法
については必ずしも制限はなく、薬学上慣用の製剤方法
によって適当な製剤とし、静脈注射,筋肉内注射,静脈
内点滴,経口投与等の方法で使用される。その投与用量
は1日、1人当り、1mg〜1000mgが適当である。但し、
必要に応じて適宜増減し得ることは言うまでもない。
〔実施例〕
以下に本発明を具体的な実施例を用いて説明する。な
お、次に示すような慣用略号を用いるものとする。
M=モル濃度、N=規定濃度、g=グラム、mg=ミリ
グラム、ml=ミリリットル、mmol=ミリモル量、mp=融
点、dec=分解、mM=ミリモル濃度、Rf=薄層クロマト
グラフィーにおける相対的移動度、DMF=ジメチルホル
ムアミド、CHA=3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニ
リド、PNA=パラニトロアニリド、MS=質量分析、m/z=
質量/電荷数、MH+=(分子量+1)の値、pH=ピーエ
イチ。
TLCはシリカゲルF254(メルク社製)プレートを使用
し、溶媒は以下に示したものを用いた。
Rf1=クロロホルム:メタノール:酢酸:水(40:10:1:
1) Rf2=1−ブタノール:酢酸:水(4:1:1) Rf3=1−ブタノール:酢酸n−ブチル:酢酸:水(2:
1:1:1) Rf4=クロロホルム:メタノール:酢酸(40:10:5) Rf5=酢酸エチル:ピリジン:酢酸:水(30:20:6:11) 実施例1 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−α−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログル
タミル−L−プロリル−L−アルギニナールジブチルア
セタール塩酸塩 L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(0.65
g、2.0ml、特開平1−8963参照)の塩化メチレン(20m
l)懸濁液に、トリエチルアミン(0.28ml、2.0mmol)、
次いで、N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログル
タミル−L−プロリン−N−ヒドロキシスクシンイミド
エステル(1.07g、2.4mmol)を、室温にて加える。反応
混合物を室温にて一夜、攪拌する。反応終了後、反応混
合液を飽和食塩水にて洗浄し、濃縮する。残渣(1.32
g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ク
ロロホルム:メタノール:酢酸(90:10:5、次いで50:1
0:5)で溶出することにより、0.91g(68%)のN−ベン
ジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−プロ
リル−L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩
を、オイルとして得る。
TLC:Rf1=0.27−0.36 b)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−プロリル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.40g、0.60mmol)のアセトニトリル(60m
l)溶液に、1N塩酸水溶液(30ml)を加え、36℃で1時
間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、1N
水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減圧
下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分を
ろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロロ
ホルム−ヘキサンで再結晶し、0.26g(80%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−プ
ロリル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
mp=85℃(dec.)。 Rf2=0.13−0.33。
▲〔α〕20 0▼=−48°(C=0.1,DMF)。
C24H33N6O6Cl・H2Oに対する元素分析値 理論値:C51.94%,H6.36%,N15.14% 実測値:C51.54%,H6.16%,N14.98% 実施例2 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−アラニル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−L−アラニル−L
−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ルの代わりに、ベンジルオキシカルボニル−L−アラニ
ン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.49g、
1.5mmol)を用い、これに、N−アルギニナールジブチ
ルアセタール塩酸塩(0.49g、1.50mmol)の塩化メチレ
ン(15ml)懸濁液、トリエチルアミン(0.21ml、1.50mm
ol)を実施例1aに従い反応させ、0.48g(80%)のN−
ベンジルオキシカルボニル−L−アラニン−L−アルギ
ニナールジブチルアセタール塩酸塩をオイルとして得
る。
TLC:Rf1=0.34−0.41 b)L−アラニル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−アラニル−L−
アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(0.45g、0.8
5mmol)をメタノール(25ml)に溶解し、パラジウム黒
(1g)を加え、水素気流中にて、2時間、室温で攪拌す
る。反応終了後、触媒をろ去し、ろ液を濃縮し、0.33g
(97%)のL−アラニル−L−アルギニナールジブチル
アセタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC=Rf3=0.43−0.54 c)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−アラニル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール塩酸塩 L−アラニル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.32g、0.80mmol)の塩化メチレン(8ml)溶
液に、トリエチルアミン(0.11ml、0.80mmol)、次い
で、ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミン酸
−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.32g、0.8
8mmol)を室温にて加える。反応混合物を室温にて一夜
攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和食塩水にて洗
浄し、濃縮する。残渣(0.47g)をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール:
酢酸(70:10:5)で溶出し、0.24g(47%)のN−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−アラニ
ル−L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩をオ
イルとして得る。
TLC:Rf1=0.28−0.38 d)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−アラニル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−アラニル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.22g、0.35mmol)のアセトニトリル(35m
l)溶液に、1N塩酸水溶液(17.5ml)を加え、36℃で1.5
時間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、
1N水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減
圧下に留去し、残渣をクロロホルム−メタノール(20:
1)を加え、不溶な部分をろ過して取り除く。液を濃
縮した後、残渣を、クロロホルム−ヘキサンで再結晶
し、0.10g(57%)のN−ベンジルオキシカルボニル−
L−ピログルタミル−L−アラニル−L−アルギニナー
ル塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.36−0.55 mp=105℃(dec.) ▲〔α〕20 D▼=−20°(C=0.5,DMF) C22H31N6O6Cl・2H2Oに対する元素分析値 理論値:C48.31%,H6.45%,N15.36%, 実測値:C48.70%,H6.14%,N14.95%。
実施例3 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−フェニルアラニル−L−アルギニナール塩酸塩の
合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラ
ニル−L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ルの代わりに、N−ベンジルオキシカルボニル−L−フ
ェニルアラニル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル(1.31g、3.3mmol)を用い、これに、L−アルギニナ
ールジブチルアセタール塩酸塩(0.98g、3.0mmol)の塩
化メチレン(30ml)懸濁液、トリエチルアミン(0.42m
l、3.0mmol)を実施例1aに従い反応させ、1.31g(72
%)のN−ベンジルオキシカルボニル−L−アラニル−
L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩をオイル
として得る。
TLC:Rf1=0.47−0.55 b)L−フェニルアラニル−L−アルギニナールジブチ
ルアセタール塩酸塩 ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル−
L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(1.24
g、2.05mmol)をメタノール(100ml)に溶解し、パラジ
ウム黒(1g)を加え、水素気流中にて、2時間、室温で
攪拌する。反応終了後、触媒をろ去し、ろ液を濃縮し、
0.93g(96%)のL−フェニルアラニル−L−アルギニ
ナールジブチルアセタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC:Rf3=0.52−0.58 c)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−フェニルアラニル−L−アルギニナールジブチ
ルアセタール塩酸塩 L−フェニルアラニル−L−アルギニナールジブチル
アセタール塩酸塩(0.45g、0.95mmol)の塩化メチレン
(9.5ml)溶液に、トリエチルアミン(0.13ml、0.95mmo
l)、次いで、N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピ
ログルタミン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル(0.38g、1.05mmol)を室温にて加える。反応混合物
を室温にて一夜攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽
和食塩水にて洗浄し、濃縮する。残渣(0.64g)をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホル
ム:メタノール:酢酸(100:10:、5次いで70:10:5)で
溶出し、0.37g(55%)のN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−ピログルタミル−L−アラニル−L−アルギニ
ナールジブチルアセタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC:Rf1=0.27−0.31 d)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−フェニルアラニル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−フェニルアラニル−L−アルギニナールジブチル
アセタール塩酸塩(72mg、0.10mmol)のアセトニトリル
(10ml)溶液に、1N塩酸水溶液(5ml)を加え、36℃で
1.5時間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液
を、1N水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒
を減圧下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な
部分をろ過して取り除く。液を濃縮した後、クロロホ
ルム−ヘキサンで再結晶し、36mg(61%)のN−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−フェニ
ルアラニル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.31−0.45 mp=90℃(dec.) MS:m/z 553(MH+) 実施例4 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−グリシル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−L−グリシル−L
−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ルの代わりに、N−ベンジルオキシカルボニル−グリシ
ン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(1.29g、
4.20mmol)を用い、これに、L−アルギニナールジブチ
ルアセタール塩酸塩(1.14g、3.50mmol)の塩化メチレ
ン(35ml)懸濁液、トリエチルアミン(0.49ml、3.50
l)を実施例1aに従い反応させ、1.69g(93%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−グリシル−L−アルギニナー
ルジブチルアセタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC:Rf4=0.37−0.48 b)グリシル−L−アルギニナールジブチルアセタール
塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−グリシル−L−アル
ギニナールジブチルアセタール塩酸塩(1.60g、3.10mmo
l)をメタノール(250ml)に溶解し、パラジウム黒(1
g)を加え、水素気流中にて、2時間、室温で攪拌す
る。反応終了後、触媒をろ去し、ろ液を濃縮し、1.20g
(100%)のグリシル−L−アルギニナールジブチルア
セタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC:Rf3=0.24−0.41 c)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−グリシル−L−アルギニナールジブチルアセタール
塩酸塩 グリシル−L−アルギニナールジブチルアセタール塩
酸塩(0.12g、0.30mmol)の塩化メチレン(3ml)溶液
に、トリエチルアミン(0.042ml、0.30mmol)、次い
で、N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.11
g、0.36mmol)を室温にて加える。反応混合物を室温に
て一夜攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和食塩水
にて洗浄し、濃縮する。残渣(0.15g)を遠心液々分配
クロマトグラフィー(三鬼エンジニアリング社、ブタノ
ール−水、下降法)で精製し、0.03g(16%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−グリシ
ル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf1=0.17−0.22 d)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−グリシル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−グリシル−L−アルギニナールジブチルアセタール塩
酸塩(30mg、0.048mmol)のアセトニトリル(4.8ml)溶
液に、1N塩酸水溶液(2.4ml)を加え、36℃で1時間、
攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、1N水酸
化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減圧下に
留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分をろ過
して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロロホル
ム−ヘキサンで再結晶し、15.7mg(66%)のN−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−グリシル−
L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.21−0.34 mp=85℃(dec.) MS:m/z 461(MH+) 実施例5 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−ピペコリル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−ピペコリル−L−アルギニナールジブチルアセ
タール塩酸塩 L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(0.16
g、0.50mmol)の塩化メチレン(5ml)懸濁液に、トリエ
チルアミン(0.07ml、0.5mmol)、次いで、N−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−ピペコ
リル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.26
g、0.55mmol)を、室温にて加える。反応混合物を室温
にて一夜、攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和食
塩水にて洗浄し、濃縮する。残渣(0.24g)をシリカゲ
ル(12g)カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホ
ルム:メタノール:酢酸:(90:10:5、次いで70:10:5)
で溶出することにより、0.15g(43%)のN−ベンジル
オキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−ピペコリ
ル−L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩を、
オイルとして得る。
TLC:Rf1=0.30−0.36 b)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−ピペコリル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−
L−ピペコリル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(35mg、0.05mmol)のアセトニトリル(5ml)
溶液に、1N塩酸水溶液(2.5ml)を加え、36℃で1.5時
間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、1N
水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減圧
下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分を
ろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロロ
ホルム−ヘキサンで再結晶し、21mg(76%)のN−ベン
ジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−ピペ
コリル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.36−0.53 MS:m/z 515(MH+) 実施例6 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−プロリル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール塩酸塩 L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(0.65
g、2.0mmol)の塩化メチレン(20ml)懸濁液に、トリエ
チルアミン(0.28ml、2.0mmol)、次いで、N−ベンジ
ルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−プロリ
ル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(1.07g、
2.4mmol)を、室温にて加える。反応混合物を室温にて
一夜、攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和食塩水
にて洗浄し、濃縮する。残渣(1.32g)をシリカゲル(6
6g)カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:
メタノール:酢酸(90:10:5、次いで50:10:5)で溶出す
ることにより、0.81g(61%)のN−ベンジルオキシカ
ルボニル−D−ピログルタミル−L−プロリル−L−ア
ルギニナールジブチルアセタール塩酸塩を、オイルとし
て得る。
TLC:Rf1=0.31−0.37 b)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−プロリル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.40g、0.60mmol)のアセトニトリル(60m
l)溶液に、1N塩酸水溶液(30ml)を加え、36℃で1.5時
間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、1N
水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減圧
下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分を
ろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロロ
ホルム−ヘキサンで再結晶し、0.33g(100%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−プ
ロリル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
Rf2=0.19−0.32 mp=85℃(dec.) ▲〔α〕20 D▼=−40°(C=0.5,DMF) C24H33N6O6Cl・3/2H2O・2/5NaCl対する元素分析値 理論値:C49.07%,H6.18%,N14.30%, 計算値:C49.50%,H6.08%,N13.74%。
実施例7 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−ロイシル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ロイシル−L
−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ルの代わりに、ベンジルオキシカルボニル−L−ロイシ
ル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.32g、
2.3mmol)を用い、また、N−アルギニナールジブチル
アセタール塩酸塩(0.75g、2.3mmol)の塩化メチレン
(23ml)懸濁液、トリエチルアミン(0.32ml、2.3mmo
l)を実施例1aに従がい反応させ、0.99g(75%)のN−
ベンジルオキシカルボニル−L−ロイシル−L−アルギ
ニナールジブチルアセタール塩酸塩をオイルとして得
る。
TLC:Rf1=0.42−0.52 b)L−ロイシル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ロイシル−L−
アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(0.92g、1.6
0mmol)をメタノール(100ml)に溶解し、パラジウム黒
(1g)を加え、水蒸気流中にて、2時間、室温で攪拌す
る。反応終了後、触媒をろ去し、ろ液を濃縮し、0.56g
(80%)のL−ロイシル−L−アルギニナールジブチル
アセタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC:Rf3=0.43−0.54 c)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−ロイシル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール塩酸塩 L−ロイシル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.25g、0.57mmol)の塩化メチレン(5.7ml)
溶液に、トリエチルアミン(0.08ml、0.57mmol)、次い
で、N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.@23
g、0.63mmol)を室温にて加える。反応混合物を室温に
て一夜攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和食塩水
にて洗浄し、濃縮する。残渣(0.37g)をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノ
ール:酢酸(90:10:5)で溶出し、0.23g(59%)のN−
ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−
ロイシル−L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸
塩を、オイルとして得る。
TLC:Rf1=0.34−0.41 d)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−ロイシル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−ロイシル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.21g、0.30mmol)のアセトニトリル(30m
l)溶液に、1N塩酸水溶液(15ml)を加え、36℃で2時
間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、1N
水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減圧
下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分を
ろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロロ
ホルム−ヘキサンで再結晶し、0.14g(83%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−ロ
イシル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.55−0.69。 mp=118℃(dec.) ▲〔α〕20 D▼=−13°(C=0.1,DMF), C25H37N6O6Cl・2H2Oに対する元素分析値 理論値:C50.97%,H7.02%,N14.27%, 実測値:C51.34%,H6.65%,N14.00%。
実施例8 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−アラニル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−アラニル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール塩酸塩 L−アラニル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.36g、0.90mmol)の塩化メチレン(9ml)溶
液に、トリエチルアミン(0.13ml、0.90mmol)、次い
で、N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.36
g、0.99mmol)を室温にて加える。反応混合物を室温に
て一夜攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和食塩水
にて洗浄し、濃縮する。残渣(0.55g)をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノ
ール:酢酸(90:10:5、次いで70:10:5)で溶出し、0.29
g(50%)のN−ベンジルオキシカルボニル−D−ピロ
グルタミル−L−アラニル−L−アルギニナールジブチ
ルアセタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC:Rf1=0.29−0.35 b)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−アラニル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−アラニル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.28g、0.44mmol)のアセトニトリル(44m
l)溶液に、1N塩酸水溶液(22ml)を加え、36℃で1.5時
間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、1N
水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減圧
下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分を
ろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロロ
ホルム−ヘキサンで再結晶し、0.19g(86%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−ア
ラニル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.55−0.61 mp=85℃(dec.) ▲〔α〕20 D▼=−16°(C=0.2,DMF) C22H31N6O6Cl・3/2H2O・1/5HNaclに対する元素分析値 理論値:C48.07%,H6.23%,N15.28%, 実測値:C48.03%,H5.92%,N15.20%。
実施例9 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−フェニルアラニル−L−アルギニナール塩酸塩の
合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−フェニルアラニル−L−アルギニナールジブチ
ルアセタール塩酸塩 L−フェニルアラニル−L−アルギニナールジブチル
アセタール塩酸塩(0.45g、0.95mmol)の塩化メチレン
(9.5ml)溶液に、トリエチルアミン(0.13ml、0.95mmo
l)、次いで、ベンジルオキシカルボニル−D−ピログ
ルタミン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル
(0.38g、1.05mmol)を室温にて加える。反応混合物を
室温にて一夜攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和
食塩水にて洗浄し、濃縮する。残渣(0.50g)をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:
メタノール:酢酸(110:10:5、次いで80:10:5)で溶出
し、0.26g(39%)のN−ベンジルオキシカルボニル−
ピログルタミル−L−アラニル−L−アルギニナールジ
ブチルアセタール塩酸塩をオイルとして得る。
TLC:Rf1=0.35−0.47 b)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−フェニルアラニル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−フェニルアラニル−L−アルギニナールジブチル
アセタール塩酸塩(72mg、0.10mmol)のアセトニトリル
(10ml)溶液に、1N塩酸水溶液(5ml)を加え、36℃で
1.5時間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液
を、1N水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒
を減圧下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な
部分をろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、
クロロホルム−ヘキサンで再結晶し、44mg(75%)のベ
ンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−フ
ェニルアラニル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.40−0.53 mp=130℃(dec.) 〔α〕D=−46°(C=0.5,DMF) C28H35N6O6Cl・3/2H2O・1/3Naclに対する元素分析値 理論値:C53.08%,H6.05%,N13.26%, 実測値:C53.18%,H6.00%,N12.87%。
実施例10 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−ピペコリル−L−アルギニナール塩酸塩の合成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−ピペコリル−L−アルギニナールジブチルアセ
タール塩酸塩 L−アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩(0.16
g、0.50mmol)の塩化メチレン(5ml)懸濁液に、トリエ
チルアミン(0.07ml、0.5mmol)、次いで、N−ベンジ
ルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−ピペコ
リン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(026
g、0.55mmol)を室温にて加える。反応混合物を室温に
て一夜、攪拌する。反応終了後、反応混合液を飽和食塩
水にて洗浄し、濃縮する。残渣(0.28g)をシリカゲル
(14g)カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホル
ム:メタノール:酢酸(80:10:5、次いで50:10:5)で溶
出することにより、0.097g(28%)のベンジルオキシカ
ルボニル−D−ピログルタミル−L−ピペコリル−L−
アルギニナールジブチルアセタール塩酸塩をオイルとし
て得る。
TLC:Rf1=0.30−0.36 b)N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミ
ル−L−ピペコリル−L−アルギニナール塩酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル
−L−ピペコリル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール塩酸塩(49mg、0.072mmol)のアセトニトリル(7m
l)溶液に、1N塩酸水溶液(3.6ml)を加え、36℃で1.5
時間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、
1N水酸化ナトリウム水溶液で、pH4.8にする。溶媒を減
圧下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分
をろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロ
ロホルム−ヘキサンで再結晶し、27mg(68%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−D−ピログルタミル−L−ピ
ペコリル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf2=0.36−0.53 MS:m/z 515(MH+) 実施例11 L−ピログルタミル−L−プロリル−L−アルギニナ
ール塩酸塩の合成 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナール塩酸塩(0.081g、
0.15mmol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、
その溶液にパラジウム黒(1g)を加え、水素気流下に、
室温で30分間、触媒還元する。反応終了後、触媒をろ過
して取り除き、エーテルを加える。、析出する結晶をろ
取し、0.028g(46%)のL−ピログルタミル−L−プロ
リル−L−アルギニナール塩酸塩を得る。
TLC:Rf5=0.34−0.41 C16H27N6O4Cl・2H2Oに対する元素分析値 理論値:C43.78%,H7.12%,N19.15%, 実測値:C43.81%,H7.26%,N19.22%。
実施例12 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナール・1/2硫酸塩の合
成 a)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−プロリル−L−アルギニナールジブチルアセタ
ール・1/2硫酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル塩酸塩(0.3g,0.45mmol)をクロロホルムに溶解し、
5%硫酸を含む飽和硫酸ナトリウム水溶液20mlで3回、
飽和硫酸ナトリウム20mlで2回、洗浄する。硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、濃縮し、減圧乾燥する事により、
オイルとして、N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピ
ログルタミル−L−プロリル−L−アルギニナールジブ
チルアセタール1/2硫酸塩を得る。
TLC:Rf1=0.27−0.36 IR(ν)cm-1:610,1120 b)N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミ
ル−L−プロリル−L−アルギニナール・1/2硫酸塩 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナールジブチルアセター
ル1/2硫酸塩(0.61g、0.90ml)のアセトニトリル(90m
l)溶液に、1N硫酸水溶液(45ml)を加え、36℃で4時
間、攪拌下に反応する。反応終了後、反応混合液を、1N
水酸化ナトリウム水溶液で、pH5.6にする。溶媒を減圧
下に留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶な部分を
ろ過して取り除く。液を濃縮した後、残渣を、クロロ
ホルム−ヘキサンで再結晶し、0.43g(87%)のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル−L−プ
ロリル−L−アルギニナール1/2硫酸塩を得る。
TLC:Rf1=0.13−0.24 mp=90℃(dec.) 〔α〕D=−46°(C=0.5,DMF) IR(ν)cm-1:610,1110 C24H33N6O8S0.5・6/5H2Oに対する元素分析値 理論値:C50.47%,H6.25%,N14.71%, 実測値:C50.44%,H6.00%,N14.56%。
実施例13 L−ピログルタミル−L−プロリル−L−アルギニナ
ール1/2硫酸塩の合成 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ピログルタミル
−L−プロリル−L−アルギニナール・1/2硫酸塩(0.0
55g、0.10mmol)を85%メタノール(25ml)に溶解し、
その溶液に少量のパラジウム黒(1g)を加え、水素気流
下に、室温で1時間、接触還元する。反応終了後、触媒
を別し、液を濃縮する。残渣を少量のメタノールに
溶かし、過剰の乾燥エーテルにあける。析出する結晶を
取し、0.032g(77%)のL−ピログルタミル−L−プ
ロリル−L−アルギニナール1/2硫酸塩を得る。
TLC:Rf5=0.20−0.32 mp180℃(dec.) 〔α〕D=−75°〔C=0.25,DMF/H2O(1:1)〕 IR(ν)cm-1:610,1120 C16H27N6O6S0.5・2H2Oに対する元素分析値 理論値:C42.56%,H6.92%,N18.61%, 実測値:C42.61%,H6.46%,N18.27%。
実施例14 次に、いくつかのセリンプロテアーゼの阻害活性につ
いて代表的な試験例を示し、具体的に説明する。試験結
果は、本発明の化合物については前記実施例の番号にて
表3に示す。比較として既知の蛋白分解酵素阻害剤につ
いては、表1に化合物の構造を示し、試験結果を表2に
示す。
阻害剤が酵素の基質分解を抑制する作用を試験するた
めに用いる合成基質は、プラスミンにPS−994(H−D
−Lys(Tos)−Phe−Lys−CHA・2HCl、(日東紡績社
製)、トロンピン、トリプシンにPS−915(H−D−Phe
−Pro−Arg−CHA・2HCl、日東紡績社製)、ファクタ−X
aにPS−2000(Z−D−Lys(HCO)−Gly−Arg−CHA・HC
l、日東紡績社製)、カリクレインにS−2302(H−D
−−Pro−Phe−Arg−pNA、カビ社製)、ウロキナーゼに 日東紡績社製)を用いる プラスミンは、三共カラーテストα2−PI測定用キッ
トの標準品を0.3CU/ml、トロンピンは、三共カラーテス
トAT−III測定用キットのものを1.2NIHU/ml、トリプシ
ンはワーシンクストーン社コード3703のものを2μg/m
l、ヒトファクターXaはペーリンガー・マンハイム社の
ものを0.25U/ml、ヒト血しょうカリクレインはカビ社の
ものを0.12U/ml、ウロキナーゼは、持田製薬ウロキナー
ゼ6万(60,000U/vial)を1000U/mlを用いた。停止(呈
色)液は、CHA系基質の場合、三共カラーテスト用のキ
ットのものを用いた。
プラスミンに対する阻害活性 0.4mlの緩衝液(100mMトリスを含む150mM食塩水、pH
7.8)に種々の濃度の阻害剤の水溶液(0.1ml)を加え、
5分間加温する。0.2mlのプラスミン溶液を加え、5分
間反応し、0.1mlのPS−994溶液(10mM)を加え、5分間
反応させる。反応終了後、2.0mlの停止呈色液を加え、1
0分間放置後700nmで吸光度を測定し、阻害剤なしの場合
の1/2の吸光度を示す反応系の阻害剤濃度をIC50として
求める。
トロンビンに対する阻害活性 0.4mlの緩衝液(150mMトリスを含む150mM食塩水、pH
8.5)に種々の濃度の阻害剤の水溶液(0.1ml)を加え、
5分間加温後、0.2mlのトロンビン溶液を加え、5分間
反応させる。さらに、0.1mlのPS−915溶液(10mM)を加
え、5分間反応後、2mlの停止呈色液を加える。10分間
放置後、700nmで吸光度を測定し、上記の方法でIC50
求める。
トリプシンに対する阻害活性 0.5mlの緩衝液(150mMトリスを含む150mM食塩水、pH
8.0)に阻害剤の水溶液0.1mlを加え、5分間、加温した
後、0.1mlのトリプシン溶液を加え、5分間反応させ
る。さらに、0.1mlのPS−915溶液(10mM)を加え、5分
間反応後、2mlの停止呈色液〔2.5mg/mlのソイビーント
リプシンインヒビター(シグマ社製No.T−9003)を含
む〕を加え、10分間放置後、700nmで吸光度を測定し、
上記の方法でIC50を求める。
ファクターXaに対する阻害活性 0.3mlの緩衝液(50mMトリスを含む150mM食塩水、pH8.
5)に0.1mlの種々の濃度の阻害剤の水溶液を加え、5分
間、加温した後、0.1mlのファクターXa溶液(50mMトリ
ス、20mM塩化カルシウムを含む150mM食塩水、pH8.5)を
加え、5分間、反応させる。さらに、10mMのPS−2000を
含む5%ポリビニルピロリドン溶液(0.1ml)を加え5
分間反応させ、反応終了後、2mlの停止呈色液を加え、1
0分間放置後、700nmで吸光度を測定し、上記の方法でIC
50を求める。
カリクレインに対する阻害活性 0.4mlの緩衝液(50mMトリスを含む150mM食塩水、pH8.
0)に0.1mlの阻害剤の水溶液を加え、5分間加温した
後、0.1mlのカリクレイン溶解液(0.5%牛血清アルブミ
ン、シグマ社No.A−8022を含む)を加え、5分間反応す
る。さらに、10mMのS−2302水溶液(0.1ml)を加え5
分間反応させた後、5mlの20%酢酸水溶液を加え、反応
を中止し、405nmで吸光度を測定し、上記の方法でIC50
を求める。
ウロキナーゼに対する阻害活性 0.3mlの緩衝液(50mMトリス150ml食塩水、pH8.20)に
0.1mlの阻害剤の水溶液(0.1ml)を加え、5分間加温し
た後、0.1mlのウロキナーゼ溶液(50mMトリス、150mM食
塩水、0.1%BSAを含む、pH8.20)を加え、5分間反応す
る。さらに、10mMのMUK−34水溶液(0.1ml)を加え、5
分間反応させた後、10%酢酸水溶液(2.0ml)を加え、
反応を中止し、405nmで吸光度を測定し、上記の方法でI
C50を求める。
〔発明の効果〕 本発明の化合物と類似している構造をもつロイペプチ
ン(アセチル−L−ロイシル−L−ロイシル−アルギニ
ナール)はトリプシンを、fPA(D−フェニルアラニル
−L−プロリル−L−アルギニナール)は、トリプシン
及びトロンビンを阻害するが、他のプラスミン,カリク
レイン,ファクターXa,ウロキナーゼを強く阻害しな
い。一方、本発明の化合物は、前述の如く、プラスミ
ン,トロンビン,トリプシン,カリクレイン,ファクタ
ーXa及びウロキナーゼのような多くのトリプシン様セリ
ンプロテアーゼを強く阻害するという特徴を有する。し
たがって、本発明の化合物は、生体内の種々のトリプシ
ン様セリンプロテアーゼを阻害する事が可能で、新規な
蛋白分解酵素阻害剤としてめざましい薬効を期待し得る
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/55 ACA ACJ ACL A61K 37/64 ACA ACJ ACL

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) X−A1−A2−A3−H (I) 〔式中、Xは、A1の第2級アミノ基に結合する水素原
    子、アレーンスルホニル基(アルキル基、またはアルキ
    ルオキシ基を置換基として有するものも含む)、アルカ
    ンスルホニル基(アリール基を置換基として有するもの
    も含む)、アロイル基(アルキル基,ハロゲン原子,ア
    ミン誘導体基,アルキルオキシ基を置換基として有する
    ものも含む)、アシル基(アリール基を置換基として有
    するものも含む)、またはアルキルオキシカルボニル基
    (アリール基を置換基として有するものも含む)を表わ
    し、A1は、A2の第1級アミノ基に結合するL−またはD
    −ピログルタミン酸残基を表わし、A2は、A3の第1級ア
    ミノ基に結合するグリシン残基,L−アラニン残基,L−バ
    リン残基,L−ロイシン残基(ただし、A1がL−ピログル
    タミン酸残基の場合を除く)、L−イソロイシン残基,L
    −セリン残基,L−スレオニン残基,L−リシン残基,L−プ
    ロリン残基,L−ピペコリン酸残基,またはL−フェニル
    アラニン残基を表わし、A3はL−、D−またはDL−アル
    ギニン残基を表わす〕で表わされるトリペプチド誘導体
    または薬学的に許容し得るその酸付加塩。
  2. 【請求項2】請求項(1)項記載のトリペプチド誘導体
    または薬学的に許容し得るその酸付加塩を有効成分とす
    る蛋白分解酵素阻害剤。
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