JP2004502759A - アミノイソキノリン基を有するトロンビン阻害剤 - Google Patents
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Abstract
本発明はR1がシクロペンチル、シクロヘキシルまたは分枝鎖(3−4C)アルキルであり;R2はシクロヘキシルまたはフェニルであり;R3はHまたはメチルであり;およびAは未置換の飽和4、5または6員環である式(I)の化合物;または製薬上許容しうるその塩に関する。本発明の化合物は抗凝固活性を有し、トロンビン媒介性およびトロンビン関連性の疾患の治療または予防において使用することができる。
【化1】
【化1】
Description
【0001】
本発明はアミノイソキノリン基を有するトロンビン阻害剤、これを含有する医薬組成物、並びにトロンビン関連疾患の治療および予防のための医薬の製造のための該阻害剤の使用に関する。
【0002】
文献において多くのペプチド様トロンビン阻害剤が開示されている。これらのトロンビン阻害剤の殆どは、塩基性アミノ酸であるアルギニンおよびリジンのみならずベンズアミジン等、塩基性の基をいわゆるP1位に有している。このような塩基性の部分は抗トロンビン活性に必須であると考えられている。一方、化合物の塩基性は経口投与により供給された場合には腸内での化合物の取りこみを損なう場合がある。WO98/47876において、改善された経上皮輸送特性を示す塩基性基としてアミノイソキノリン部分を有する、あるクラスのトロンビン阻害剤が開示されている。後者のクラスの化合物のうち、更に改善された薬理学的特性を有する新しく選択された化合物が今回同定された。
【0003】
今回、下記式(I):
【0004】
【化2】
[式中、
R1はシクロペンチル、シクロヘキシルまたは分枝鎖(3−4C)アルキルであり;
R2はシクロヘキシルまたはフェニルであり;
R3はHまたはメチルであり;そして、
Aは未置換の飽和4、5または6員環である]の化合物または製薬上許容しうるその塩が有意に延長された血漿中半減期を有する強力なトロンビン阻害剤であることがわかった。抗トロンビン薬が必要とされる臨床状況の大半において、より長い半減期が求められることが一般的である(Sixma, J.J.等、Thromb. Res. 67;305−311(esp307), 1992参照)。即ち本発明の化合物は当該分野において重要な進歩である。
【0005】
本発明の化合物はトロンビン媒介およびトロンビン関連の疾患の治療および予防のために有用である。これには、深静脈血栓、肺塞栓、血栓性静脈炎、血栓または塞栓に起因する動脈閉塞、血管形成術または血栓溶解の間またはその後の動脈の再狭窄、動脈傷害または侵襲性の心臓処置後の再狭窄、術後の静脈血栓または塞栓、急性または慢性のアテローム性動脈硬化症、卒中、心筋梗塞、癌および転移、および、神経変性性疾患を含むがこれらに限定されない凝固カスケードが活性化される多くのトロンビンおよびプロトロンビン状態が包含される。本発明の化合物はまた透析や外科処置で必要とされるように、体外血液循環において抗凝固剤として使用してよい。本発明の化合物はまたin vitroの抗凝固剤として使用してよい。
【0006】
本発明の好ましいトロンビン阻害剤はAが5員環である化合物である。好ましくはR2はシクロヘキシルである。他の好ましい化合物はR3がHであるものである。より好ましい化合物はR1がシクロヘキシルである者である。本発明のもっとも好ましいトロンビン阻害剤はR1がシクロヘキシルであり、R2がシクロヘキシルであり、R3がHであり、そしてAが5員環である化合物である。
【0007】
分枝鎖(3−4C)アルキルという用語は炭素原子3〜4個を有する分枝鎖のアルキル基、例えばイソプロピルを示す。
【0008】
本発明は更に、適切に保護されたアミノ酸およびアミノイソキノリン誘導体をカップリングさせること、次いで、保護基を除去することを含む、トロンビン阻害剤の調製方法も包含する。
【0009】
式(I)の化合物はこのような化合物に関する従来の方法で調製してよい。これらはカップリング試薬として例えばN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)または2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)を用いながら式(II)の化合物を式(III)の化合物とペプチドカップリングさせることにより調製してよく、ここでR1、R2、R3およびAは前に定義した意味を有する。式(II)の化合物のN末端は場合によりt−ブチルオキシカルボニル基(Boc)のような保護基を有していてもよい。式(III)の化合物のアリールアミン基は場合によりカップリング反応後に除去できるベンゾイルのような保護基を有していてよい。
【0010】
【化3】
【0011】
式(II)の化合物は、Pg1がベンジルエステルのようなカルボキシレート保護基である式(IV)の化合物を原料として、式(IV)の化合物をシクロヘキサノンまたはアセトンのような適切なケトンおよびナトリウムトリアセトキシボロハイドライドのような還元剤で酸性条件下に処理し、その後、カルボキシレート保護基を除去することにより調製することができる。
【0012】
【化4】
【0013】
R3がHである式(III)の化合物(1−アミノ−6−(アミノメチル)イソキノリン)はWO98/47876に記載されている。R3=Meである式(III)の化合物(1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン)は1−アミノ−6−メトキシイソキノリンから1−アミノ−7−(アミノメチル)イソキノリンへの変換に関してWO98/47876に記載された操作法を用いて1−アミノ−6−メトキシー3−メチルイソキノリンから調製することができる。1−アミノ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリンはW.Zielinski and M.Mazik, Heterocycles, 38, 375 (1994)に記載の方法を用いて3−メトキシフェニルアセトンから調製することができる。
【0014】
或いは、式(I)の化合物は、式(V)の化合物を原料として、式(V)の化合物をシクロヘキサノンまたはアセトンのような適切なケトンおよびナトリウムトリアセトキシボロハイドライドのような還元剤で酸性条件下に処理することにより調製することができる。この反応においては、式(V)の化合物のアリールアミン基は場合により、還元的アミノ化の後に除去できるベンゾイルのような基にで保護されていてよい。
【0015】
【化5】
【0016】
式(V)の化合物は前に記載したカップリング試薬を用いてBocのような保護基でN末端を保護されたジペプチドと式(III)の化合物のペプチドカップリングにより調製することができる。
【0017】
αアミノ酸官能基の保護は、酸不安定性のt−ブチルオキシカルボニルキ(Boc)、ベジルオキシカルボニル(Cbz)基および置換された類縁体、塩基不安定性の9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基またはフタロイル(Phth)基のようなウレタン官能基により一般に行なわれる。他の適切なアミノ保護基には、Nps、Bpoc、Msc等が包含される。保護基の除去はこれら保護基の性質に応じて種々の方法で行なうことができる。通常は脱保護は酸性条件下、そして、スカベンジャーの存在下に行なう。Cbz基はまた接触還元により除去することもできる。アミノ酸保護基およびその除去に関する総論はThe Peptides, Analysis, Synthesis, Biology, Vol.3, Gross and J.Meienhofer, Eds., (Academic Press, New York, 1981)に記載されている。
【0018】
カルボキシル基の保護は、エステル形成、例えばメチル−またはエチルエステルのような塩基不安定性エステル、t−ブチルエステルのような酸不安定性エステル、または、ベンジルエステルのような水素化分解的に不安定なエステルの形成により行なうことができる。
【0019】
遊離の塩基の形態であってよい本発明の化合物は、製薬上許容しうる塩の形態で反応混合物から単離してよい。製薬上許容しうる塩はまた、式(I)の遊離の塩基を有機または無機の酸、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、および、アスコルビン酸で処理することにより得てよい。
【0020】
本発明の化合物は、不斉炭素原子1個以上を有し、従って、純粋なエナンチオマー、純粋なジアステレオマー、エナンチオマーの混合物、またはジアステレオマーを含有する混合物として得てよい。純粋なエナンチオマーを得るための方法は当該分野でよく知られており、例えば、光学活性の酸およびラセミ混合物から得られる塩の結晶化、または、キラルカラムを用いたクロマトグラフィーにより行なってよい。ジアステレオマーの場合、正相または逆相のカラムを用いてよい。
【0021】
本発明の化合物は、経腸的または非経腸的に、そして、ヒトに対しては好ましくは一日当たり用量0.001〜100mg/kg体重、好ましくは0.01〜10mg/kg体重で投与してよい。例えば標準的な参考文献であるGennaro等の Remington’s Pharmaceutical Science, (18th ed., Mack Publishing Company, 1990、特にPart8:Pharmaceutical Prparations and Their Manufacture参照)に記載の通り、薬学的に適する補助剤と混合した状態で、本発明の化合物を圧縮成型して丸薬、錠剤のような固体単位剤型とするか、カプセルまたは坐剤に製剤してよい。薬学的に適当な液体を用いることにより、化合物は、例えば注射用製剤として使用するための溶液、懸濁液、乳液の形態で、或いは例えば点鼻スプレーとして使用するためのスプレー剤として適用することもできる。
【0022】
投与単位、例えば錠剤を形成するためには、充填剤、着色剤、重合体バインダー等のような従来の添加剤を用いる。一般に、活性化合物の機能を妨害しない如何なる製薬上許容しうる添加剤も使用することができる。
【0023】
組成物を投与する際に用いることもできる適切な担体は乳糖、澱粉、セルロース誘導体等、または、これらの混合物を包含し、適切な量において使用する。
【0024】
本発明の化合物の消失半減期および生体利用率はイヌにおける以下の試験に従って適切に調べられる。
【0025】
雌性ビーグル犬における直接トロンビン阻害剤の滞留時間および生体利用率は静脈内または経口投与後の血漿中の抗IIa活性の測定により調べてよい。本発明のプロテアーゼ阻害剤の選択性に鑑み、トロンビンの阻害は測定されたプロテアーゼ阻害剤の濃度と直線的に関連している。セリンプロテアーゼ阻害剤の静脈内または経口投与の後、血液をその日の種々の時点において頸静脈から採取する。血液を遠心分離した後、血漿試料の血漿中抗IIa活性を、マイクロプレート発色試験において、被験化合物そのものものの検量線を用いて測定する。得られたデータは血漿vs時間の曲線から、例えばSimplex法に基づいたコンピューターによる反復操作を用いて分析される。その後、消失半減期を濃度非依存の相対誤差モデルを用いて計算し、そして台形法により曲線下部面積(AUC)を求める。生物学的利用能パーセントは、一次速度論的薬物動態を想定し、経口投与後に得られたAUCをその用量の静脈内投与後の平均推定規格化AUCで割ることにより計算する(x100%)。
【0026】
本発明を以下の実施例により更に説明する。
【0027】
実施例
1HNMR測定は1H周波数400MHzで操作するBRUKER DRX 400型の分光光度計を用いて行なった。質量スペクトル(MS)はPE−sciex API−165で記録した。
【0028】
実施例1
N−シクロヘキシル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド 塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−6Aiq.HCl)
2時間室温でジクロロメタン2.5mLおよびトリフルオロ酢酸2.5mL中の3−シクロヘキシル−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−D−アラニル−L−プロリンフェニルメチルエステル(Boc−D−Cha−Pro−OBzl)0.91gを攪拌した後、反応混合物を真空下に濃縮し、油状物0.94gを得た。この油状物を1%(v/v)酢酸を含有するN,N−ジメチルホルミアミド10mLに溶解し、そして、シクロヘキサノン0.26mLおよびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド0.64gを添加した。16時間室温で攪拌した後、水5mLを反応混合物に添加し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮して油状物0.90gを得た(TLC;シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=95/5(v/v)Rf=0.8)。この油状物を酢酸エチル50mLに溶解し、溶液のpHを酢酸で5に調節し、Pd/C(10%)0.10gを添加し、懸濁液を1時間室温で常圧下に水素化した。パラジウム触媒を濾去し、溶媒を減圧下に蒸発させて除去した。残存物をトルエンに溶解し、トルエンを減圧下に蒸発させ、N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−OHを0.56g得た。この酸(0.35g)をN,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、1−アミノ−6−アミノメチルイソキノリン(WO9847876)0.19mgおよび2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)0.4gを添加した。反応混合物のpHをN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いて8に調節した。室温で24時間攪拌した後、更に0.1gのTBTUを添加し、反応混合物をさらに18時間室温で攪拌した。その後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物をジクロロメタン50mLに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物を水に溶解し、40mL/minの流量で20%A/80%B〜10%A/30%B/50%Cの溶媒系による勾配溶離によりプリペラティブHPLC HeltaPak RP−C18上に直接適用した(A:0.5Mリン酸塩緩衝液、pH2.1、B:水、C:アセトニトリル/水=6/4(v/v))。収量:標題化合物0.25g。
【0029】
【化6】
【0030】
実施例2
N−シクロヘキシル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−3−メチル−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−6(3Me)Aiq.HCl)
2a.1−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−イソキノリン
3−メトキシフェニルアセトン2.12gおよびホスホリルクロリド1.26mLの無水トルエン45mL中の溶液を還流下に加熱した。30分後、混合物を0℃に冷却し、無水エーテル23mL中のシアナミド0.57gの溶液を滴加した。反応混合物を室温まで戻し、この温度で1時間攪拌した。攪拌混合物を0℃に冷却し、4塩化チタン1.5mLを滴加した。反応混合物を2.5時間還流下に加熱し、水34mLを添加し、混合物を濾過し、沈殿物を酢酸エチルで洗浄した。濾液を2N水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=95/5)で精製し、標題化合物0.42gを得た。
【0031】
【化7】
【0032】
2b.1−アミノ−6−ヒドロキシ−3−メチル−イソキノリン
ジクロロメタン6mL中の2臭化ホウ素(4mL)を0℃のジクロロメタン10ml中の1‐アミノ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリン(2g)の攪拌溶液に滴加した。周囲温度で16時間攪拌した後、反応混合物を氷上に注ぎ込み、有機層を除去し、水層のpHを濃アンモニア水を添加することによりpH9に調節した。沈殿した物質を濾取し、真空下に乾燥し、標題化合物1.6gを得た。ESI−MS:175(MH+)。
【0033】
2c.トリフルオロ−メタンスルホン酸1−アミノ−3−メチルイソキノリン−6−イルエステル
ジクロロメタン19.5mLおよびジオキサン19.5mL中の1−アミノ−6−ヒドロキシ−3−メチルイソキノリン1.4gおよびN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)4.3gの混合物をアイスバス中で冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン2.8mLを滴加した。得られた混合物を70℃で24時間加熱し、その後、揮発性物質を真空下に除去した。残存物を酢酸エチルに溶解し、順次、2N水酸化ナトリウム水溶液、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。濾過し、濃縮することにより得られた無色の油状物をトルエンで磨砕し、固体1.3gを得た。トルエン溶液をシリカクロマトグラフィー(トルエン/エタノール=95/5)で精製し、更に標題化合物0.6gを得た。総収量:1.9g。ESI−MS:307(MH+)。
【0034】
2d.1−アミノ−6−シアノ−3−メチルイソキノリン
酢酸パラジウム(0.28g)を190℃のN−メチル−ピロリドン24mL中のトリフルオロメタンスルホン酸1−アミノ−3−メチルイソキノリン−6−イルエステル(1.9g)、シアン化亜鉛(0.74g)およびトリフェニルホスフィン(0.33g)の加熱混合物に添加した(発熱反応)。攪拌を2時間190℃で継続した。室温に冷却下後、酢酸エチルを添加し、有機混合物を2Nアンモニア水、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)した。濾過および濃縮により得られた茶色見を帯びた油状物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=98/2)で精製し、標題化合物0.68gを得た。ESI−MS:184(MH+)。
【0035】
2e.1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン
窒素雰囲気下室温でテトラヒドロフラン15mL中の1−アミノ−6−シアノ−3−メチルイソキノリン(0.68g)の攪拌溶液に、テトラヒドロフラン中2Mのボランメチルスルフィド複合体8.4mLを添加し、その後50分間60℃で加熱した。反応混合物をアイスバス中で冷却し、メタノール7.5mLをゆっくり添加した。15分後、エーテル中1Mの塩化水素18.8mLを添加した。反応混合物を室温に戻し、更に16時間攪拌した。固体を単離し、1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン塩酸塩0.34gを得た。濾液をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/アンモニア=98/2)で精製し、更に0.15gの1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン0.15gを得た。ESI−MS:188(MH+)。
【0036】
2f.N−シクロヘキシル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−3−メチル−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−6(3Me)Aiq.HCl)
室温のN,N−ジメチルホルムアミド3mL中の1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン塩酸塩0.17g、N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−OH0.30g、アセトニトリル0.5mLおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.36mLの攪拌混合物をN,N−ジメチルホルムアミド1.3mL中のブロモトリピロリドノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)0.35gの溶液に1時間で添加した。室温で24時間攪拌した後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチルに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=9/1)およびt−ブタノール/塩酸からの凍結乾燥により精製し、標題化合物0.13gを得た。
【0037】
【化8】
【0038】
実施例3
N−シクロヘキシル−D−フェニルアラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Phe−Pro−6Aiq.HCl)
N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−D−フェニルアラニル−L−プロリンフェニルメチルエステル(Boc−D−Phe−Pro−OBzl)0.85gを出発物質とし、N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−OHに関して実施例1で記載した操作法を用いてN−シクロヘキシル−D−フェニルアラニル−L−プロリン(N−シクロヘキシル−D−Phe−Pro−OH)0.82gを得た。N−シクロヘキシル−D−Phe−Pro−OH(0.82g)をN,N−ジメチルホルミアミド10mLに溶解し、1−アミノ−6−アミノメチルイソキノリン0.33mgおよびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)1.1gを添加し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いてpH8に調節した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物をジクロロメタン50mLに溶解し、2回水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール(2%アンモニア含有)=9/1)およびt−ブタノール/塩酸からの凍結乾燥しにより精製し、標題化合物0.19gを得た。
【0039】
【化9】
【0040】
実施例4
N−シクロペンチル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロペンチル−D−Cha−Pro−6Aiq.HCl)
シクロヘキサノンの代わり人シクロペンタノンを用い、Boc−D−Cha−Pro−OBzl0.30gを原料として実施例1に記載の通り操作することにより得られた粗製のN−シクロペンチル−D−Cha−Pro−6Aiqをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/メタノール=10/1〜5/1の勾配)で精製した。t−ブタノール/塩酸からの凍結乾燥により標題化合物0.16gを得た。
【0041】
【化10】
【0042】
実施例5
N−(1−メチルエチル)−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−(1−メチルエチル)−D−Cha−Pro−6Aiq.HCl)
実施例1に記載の操作法を用い、Boc−D−Cha−Pro−Obzl 0.92gを原料とし、シクロヘキサンの代わりにアセトンを用いて、N−(1−メチルエチル)−D−Cha−Pro−6Aiq.HClを0.04g得た。
【0043】
【化11】
【0044】
抗トロンビン試験
本発明の化合物の抗トロンビン活性はトロンビンによりもたらされる発色基質S−2238の加水分解速度を分光光度計により測定することにより評価した。緩衝液系における抗トロンビン活性を調べるこの試験法を用いて被験化合物のIC50値を調べた。
【0045】
試験媒体:トロメタミン−NaCl−ポリエチレングリコール6000(TNP)緩衝液
比較対照化合物:I2581(Kabi)
溶媒:TNP緩衝液。可溶化はジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトニトリルまたはt−ブチルアルコールを用いて促進することができ、その際、最終反応混合物中2.5%までの濃度では悪影響がもたらされない。
【0046】
手法
試薬 * 1.トロメタミン−NaCl(TN)緩衝液[緩衝液の組成:トロメタミン(Tris)6.057g(50mmol), NaCl 5.844g(100mmol),水1リットルとなる量。溶液のpHはHCl(10mmol・l−1)を用いて37℃で7.4に調節];2.TNP緩衝液(ポリエチレングリコール6000をTN緩衝液に溶解し、3g・l−1の濃度とする);3.S−2238溶液[1バイアルのS−2238(25mg; Kabi Diagnostica, Sweden)を20mLのTN緩衝液に溶解し、1.25mg・l−1(2mmol・l−1)の濃度とする];4.トロンビン溶液[ヒトトロンビン(16000nKat・vial−1;Centraal Laboratorium von Bloedtransfusie, Amsterdam, The Netherkands)をTNP緩衝液に溶解し、835nKat・ml−1の保存溶液とする。使用直前にこの溶液をTNP緩衝液で希釈して3.34nKat・ml−1の濃度とする。]。
【0047】
* − 使用した全ての成分は分析用等級である。
− 水溶液は超純粋(Milli−Q等級)を使用した。
【0048】
被験化合物および比較対照化合物の溶液の調製
被験化合物および比較対照化合物をMilli−Q水に溶解し、10−2mol・l−1の保存用液濃度とした。各濃度を溶媒で段階希釈し、10−3、10−4および10−5 mol・l−1の濃度とした。保存用液を含む希釈系列を試験に用いた(反応混合物の終濃度:それぞれ、3・10−3; 10−3; 3・10−4; 10−4; 3・10−5; 10−5; 3・10−6および10−6 mol・l−1)。
【0049】
操作法
室温において、0.075mLおよび0.025mLの被験化合物または比較対照化合物の溶液または溶媒をマイクロプレートのウェルに交互にピペッティングし、これらの溶液をそれぞれ0.115mLおよび0.0165mLのTNP緩衝液で希釈する。各ウェルに0.030mlづつS−2238溶液を添加し、プレートを予備加熱し、37℃で10分間インキュベーター(Amersham)中で振とうしながら予備インキュベートする。予備インキュベーションの後、各ウェルに0.030mLのトロンビン溶液を添加することによりS−2238の加水分解を開始する。プレートを37℃で(30分間振とうしながら)インキュベートする。インキュベート1分後から、各試料の405nmにおける吸光度をカイネティックマイクロプレートリーダー(Twinreader plus, Flow Laboratories)を用いて90分間に渡り2分おきに測定する。
【0050】
LOTUS−MEASUREを用いて全データをIBMパーソナルコンピューターに収集する。各化合物の濃度(mol・l−1反応混合物として表示)およびブランクにつき、吸光度を反応時間分数に対してプロットする。
【0051】
応答の評価: 各終濃度につき最大吸光度を試験プロットから求めた。IC50値(終濃度、μmol・l−1で表示、ブランクの最大吸光度の50%抑制をもたらすもの)をHafner等(Arzneim.−Forsch./Drug Res. 1977;27(II)1871−3)に従ってロジット変換分析を用いて計算した。
【0052】
【表1】
本発明はアミノイソキノリン基を有するトロンビン阻害剤、これを含有する医薬組成物、並びにトロンビン関連疾患の治療および予防のための医薬の製造のための該阻害剤の使用に関する。
【0002】
文献において多くのペプチド様トロンビン阻害剤が開示されている。これらのトロンビン阻害剤の殆どは、塩基性アミノ酸であるアルギニンおよびリジンのみならずベンズアミジン等、塩基性の基をいわゆるP1位に有している。このような塩基性の部分は抗トロンビン活性に必須であると考えられている。一方、化合物の塩基性は経口投与により供給された場合には腸内での化合物の取りこみを損なう場合がある。WO98/47876において、改善された経上皮輸送特性を示す塩基性基としてアミノイソキノリン部分を有する、あるクラスのトロンビン阻害剤が開示されている。後者のクラスの化合物のうち、更に改善された薬理学的特性を有する新しく選択された化合物が今回同定された。
【0003】
今回、下記式(I):
【0004】
【化2】
[式中、
R1はシクロペンチル、シクロヘキシルまたは分枝鎖(3−4C)アルキルであり;
R2はシクロヘキシルまたはフェニルであり;
R3はHまたはメチルであり;そして、
Aは未置換の飽和4、5または6員環である]の化合物または製薬上許容しうるその塩が有意に延長された血漿中半減期を有する強力なトロンビン阻害剤であることがわかった。抗トロンビン薬が必要とされる臨床状況の大半において、より長い半減期が求められることが一般的である(Sixma, J.J.等、Thromb. Res. 67;305−311(esp307), 1992参照)。即ち本発明の化合物は当該分野において重要な進歩である。
【0005】
本発明の化合物はトロンビン媒介およびトロンビン関連の疾患の治療および予防のために有用である。これには、深静脈血栓、肺塞栓、血栓性静脈炎、血栓または塞栓に起因する動脈閉塞、血管形成術または血栓溶解の間またはその後の動脈の再狭窄、動脈傷害または侵襲性の心臓処置後の再狭窄、術後の静脈血栓または塞栓、急性または慢性のアテローム性動脈硬化症、卒中、心筋梗塞、癌および転移、および、神経変性性疾患を含むがこれらに限定されない凝固カスケードが活性化される多くのトロンビンおよびプロトロンビン状態が包含される。本発明の化合物はまた透析や外科処置で必要とされるように、体外血液循環において抗凝固剤として使用してよい。本発明の化合物はまたin vitroの抗凝固剤として使用してよい。
【0006】
本発明の好ましいトロンビン阻害剤はAが5員環である化合物である。好ましくはR2はシクロヘキシルである。他の好ましい化合物はR3がHであるものである。より好ましい化合物はR1がシクロヘキシルである者である。本発明のもっとも好ましいトロンビン阻害剤はR1がシクロヘキシルであり、R2がシクロヘキシルであり、R3がHであり、そしてAが5員環である化合物である。
【0007】
分枝鎖(3−4C)アルキルという用語は炭素原子3〜4個を有する分枝鎖のアルキル基、例えばイソプロピルを示す。
【0008】
本発明は更に、適切に保護されたアミノ酸およびアミノイソキノリン誘導体をカップリングさせること、次いで、保護基を除去することを含む、トロンビン阻害剤の調製方法も包含する。
【0009】
式(I)の化合物はこのような化合物に関する従来の方法で調製してよい。これらはカップリング試薬として例えばN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)または2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)を用いながら式(II)の化合物を式(III)の化合物とペプチドカップリングさせることにより調製してよく、ここでR1、R2、R3およびAは前に定義した意味を有する。式(II)の化合物のN末端は場合によりt−ブチルオキシカルボニル基(Boc)のような保護基を有していてもよい。式(III)の化合物のアリールアミン基は場合によりカップリング反応後に除去できるベンゾイルのような保護基を有していてよい。
【0010】
【化3】
【0011】
式(II)の化合物は、Pg1がベンジルエステルのようなカルボキシレート保護基である式(IV)の化合物を原料として、式(IV)の化合物をシクロヘキサノンまたはアセトンのような適切なケトンおよびナトリウムトリアセトキシボロハイドライドのような還元剤で酸性条件下に処理し、その後、カルボキシレート保護基を除去することにより調製することができる。
【0012】
【化4】
【0013】
R3がHである式(III)の化合物(1−アミノ−6−(アミノメチル)イソキノリン)はWO98/47876に記載されている。R3=Meである式(III)の化合物(1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン)は1−アミノ−6−メトキシイソキノリンから1−アミノ−7−(アミノメチル)イソキノリンへの変換に関してWO98/47876に記載された操作法を用いて1−アミノ−6−メトキシー3−メチルイソキノリンから調製することができる。1−アミノ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリンはW.Zielinski and M.Mazik, Heterocycles, 38, 375 (1994)に記載の方法を用いて3−メトキシフェニルアセトンから調製することができる。
【0014】
或いは、式(I)の化合物は、式(V)の化合物を原料として、式(V)の化合物をシクロヘキサノンまたはアセトンのような適切なケトンおよびナトリウムトリアセトキシボロハイドライドのような還元剤で酸性条件下に処理することにより調製することができる。この反応においては、式(V)の化合物のアリールアミン基は場合により、還元的アミノ化の後に除去できるベンゾイルのような基にで保護されていてよい。
【0015】
【化5】
【0016】
式(V)の化合物は前に記載したカップリング試薬を用いてBocのような保護基でN末端を保護されたジペプチドと式(III)の化合物のペプチドカップリングにより調製することができる。
【0017】
αアミノ酸官能基の保護は、酸不安定性のt−ブチルオキシカルボニルキ(Boc)、ベジルオキシカルボニル(Cbz)基および置換された類縁体、塩基不安定性の9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基またはフタロイル(Phth)基のようなウレタン官能基により一般に行なわれる。他の適切なアミノ保護基には、Nps、Bpoc、Msc等が包含される。保護基の除去はこれら保護基の性質に応じて種々の方法で行なうことができる。通常は脱保護は酸性条件下、そして、スカベンジャーの存在下に行なう。Cbz基はまた接触還元により除去することもできる。アミノ酸保護基およびその除去に関する総論はThe Peptides, Analysis, Synthesis, Biology, Vol.3, Gross and J.Meienhofer, Eds., (Academic Press, New York, 1981)に記載されている。
【0018】
カルボキシル基の保護は、エステル形成、例えばメチル−またはエチルエステルのような塩基不安定性エステル、t−ブチルエステルのような酸不安定性エステル、または、ベンジルエステルのような水素化分解的に不安定なエステルの形成により行なうことができる。
【0019】
遊離の塩基の形態であってよい本発明の化合物は、製薬上許容しうる塩の形態で反応混合物から単離してよい。製薬上許容しうる塩はまた、式(I)の遊離の塩基を有機または無機の酸、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、および、アスコルビン酸で処理することにより得てよい。
【0020】
本発明の化合物は、不斉炭素原子1個以上を有し、従って、純粋なエナンチオマー、純粋なジアステレオマー、エナンチオマーの混合物、またはジアステレオマーを含有する混合物として得てよい。純粋なエナンチオマーを得るための方法は当該分野でよく知られており、例えば、光学活性の酸およびラセミ混合物から得られる塩の結晶化、または、キラルカラムを用いたクロマトグラフィーにより行なってよい。ジアステレオマーの場合、正相または逆相のカラムを用いてよい。
【0021】
本発明の化合物は、経腸的または非経腸的に、そして、ヒトに対しては好ましくは一日当たり用量0.001〜100mg/kg体重、好ましくは0.01〜10mg/kg体重で投与してよい。例えば標準的な参考文献であるGennaro等の Remington’s Pharmaceutical Science, (18th ed., Mack Publishing Company, 1990、特にPart8:Pharmaceutical Prparations and Their Manufacture参照)に記載の通り、薬学的に適する補助剤と混合した状態で、本発明の化合物を圧縮成型して丸薬、錠剤のような固体単位剤型とするか、カプセルまたは坐剤に製剤してよい。薬学的に適当な液体を用いることにより、化合物は、例えば注射用製剤として使用するための溶液、懸濁液、乳液の形態で、或いは例えば点鼻スプレーとして使用するためのスプレー剤として適用することもできる。
【0022】
投与単位、例えば錠剤を形成するためには、充填剤、着色剤、重合体バインダー等のような従来の添加剤を用いる。一般に、活性化合物の機能を妨害しない如何なる製薬上許容しうる添加剤も使用することができる。
【0023】
組成物を投与する際に用いることもできる適切な担体は乳糖、澱粉、セルロース誘導体等、または、これらの混合物を包含し、適切な量において使用する。
【0024】
本発明の化合物の消失半減期および生体利用率はイヌにおける以下の試験に従って適切に調べられる。
【0025】
雌性ビーグル犬における直接トロンビン阻害剤の滞留時間および生体利用率は静脈内または経口投与後の血漿中の抗IIa活性の測定により調べてよい。本発明のプロテアーゼ阻害剤の選択性に鑑み、トロンビンの阻害は測定されたプロテアーゼ阻害剤の濃度と直線的に関連している。セリンプロテアーゼ阻害剤の静脈内または経口投与の後、血液をその日の種々の時点において頸静脈から採取する。血液を遠心分離した後、血漿試料の血漿中抗IIa活性を、マイクロプレート発色試験において、被験化合物そのものものの検量線を用いて測定する。得られたデータは血漿vs時間の曲線から、例えばSimplex法に基づいたコンピューターによる反復操作を用いて分析される。その後、消失半減期を濃度非依存の相対誤差モデルを用いて計算し、そして台形法により曲線下部面積(AUC)を求める。生物学的利用能パーセントは、一次速度論的薬物動態を想定し、経口投与後に得られたAUCをその用量の静脈内投与後の平均推定規格化AUCで割ることにより計算する(x100%)。
【0026】
本発明を以下の実施例により更に説明する。
【0027】
実施例
1HNMR測定は1H周波数400MHzで操作するBRUKER DRX 400型の分光光度計を用いて行なった。質量スペクトル(MS)はPE−sciex API−165で記録した。
【0028】
実施例1
N−シクロヘキシル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド 塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−6Aiq.HCl)
2時間室温でジクロロメタン2.5mLおよびトリフルオロ酢酸2.5mL中の3−シクロヘキシル−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−D−アラニル−L−プロリンフェニルメチルエステル(Boc−D−Cha−Pro−OBzl)0.91gを攪拌した後、反応混合物を真空下に濃縮し、油状物0.94gを得た。この油状物を1%(v/v)酢酸を含有するN,N−ジメチルホルミアミド10mLに溶解し、そして、シクロヘキサノン0.26mLおよびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド0.64gを添加した。16時間室温で攪拌した後、水5mLを反応混合物に添加し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮して油状物0.90gを得た(TLC;シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=95/5(v/v)Rf=0.8)。この油状物を酢酸エチル50mLに溶解し、溶液のpHを酢酸で5に調節し、Pd/C(10%)0.10gを添加し、懸濁液を1時間室温で常圧下に水素化した。パラジウム触媒を濾去し、溶媒を減圧下に蒸発させて除去した。残存物をトルエンに溶解し、トルエンを減圧下に蒸発させ、N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−OHを0.56g得た。この酸(0.35g)をN,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、1−アミノ−6−アミノメチルイソキノリン(WO9847876)0.19mgおよび2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)0.4gを添加した。反応混合物のpHをN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いて8に調節した。室温で24時間攪拌した後、更に0.1gのTBTUを添加し、反応混合物をさらに18時間室温で攪拌した。その後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物をジクロロメタン50mLに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物を水に溶解し、40mL/minの流量で20%A/80%B〜10%A/30%B/50%Cの溶媒系による勾配溶離によりプリペラティブHPLC HeltaPak RP−C18上に直接適用した(A:0.5Mリン酸塩緩衝液、pH2.1、B:水、C:アセトニトリル/水=6/4(v/v))。収量:標題化合物0.25g。
【0029】
【化6】
【0030】
実施例2
N−シクロヘキシル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−3−メチル−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−6(3Me)Aiq.HCl)
2a.1−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−イソキノリン
3−メトキシフェニルアセトン2.12gおよびホスホリルクロリド1.26mLの無水トルエン45mL中の溶液を還流下に加熱した。30分後、混合物を0℃に冷却し、無水エーテル23mL中のシアナミド0.57gの溶液を滴加した。反応混合物を室温まで戻し、この温度で1時間攪拌した。攪拌混合物を0℃に冷却し、4塩化チタン1.5mLを滴加した。反応混合物を2.5時間還流下に加熱し、水34mLを添加し、混合物を濾過し、沈殿物を酢酸エチルで洗浄した。濾液を2N水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=95/5)で精製し、標題化合物0.42gを得た。
【0031】
【化7】
【0032】
2b.1−アミノ−6−ヒドロキシ−3−メチル−イソキノリン
ジクロロメタン6mL中の2臭化ホウ素(4mL)を0℃のジクロロメタン10ml中の1‐アミノ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリン(2g)の攪拌溶液に滴加した。周囲温度で16時間攪拌した後、反応混合物を氷上に注ぎ込み、有機層を除去し、水層のpHを濃アンモニア水を添加することによりpH9に調節した。沈殿した物質を濾取し、真空下に乾燥し、標題化合物1.6gを得た。ESI−MS:175(MH+)。
【0033】
2c.トリフルオロ−メタンスルホン酸1−アミノ−3−メチルイソキノリン−6−イルエステル
ジクロロメタン19.5mLおよびジオキサン19.5mL中の1−アミノ−6−ヒドロキシ−3−メチルイソキノリン1.4gおよびN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)4.3gの混合物をアイスバス中で冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン2.8mLを滴加した。得られた混合物を70℃で24時間加熱し、その後、揮発性物質を真空下に除去した。残存物を酢酸エチルに溶解し、順次、2N水酸化ナトリウム水溶液、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。濾過し、濃縮することにより得られた無色の油状物をトルエンで磨砕し、固体1.3gを得た。トルエン溶液をシリカクロマトグラフィー(トルエン/エタノール=95/5)で精製し、更に標題化合物0.6gを得た。総収量:1.9g。ESI−MS:307(MH+)。
【0034】
2d.1−アミノ−6−シアノ−3−メチルイソキノリン
酢酸パラジウム(0.28g)を190℃のN−メチル−ピロリドン24mL中のトリフルオロメタンスルホン酸1−アミノ−3−メチルイソキノリン−6−イルエステル(1.9g)、シアン化亜鉛(0.74g)およびトリフェニルホスフィン(0.33g)の加熱混合物に添加した(発熱反応)。攪拌を2時間190℃で継続した。室温に冷却下後、酢酸エチルを添加し、有機混合物を2Nアンモニア水、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)した。濾過および濃縮により得られた茶色見を帯びた油状物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=98/2)で精製し、標題化合物0.68gを得た。ESI−MS:184(MH+)。
【0035】
2e.1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン
窒素雰囲気下室温でテトラヒドロフラン15mL中の1−アミノ−6−シアノ−3−メチルイソキノリン(0.68g)の攪拌溶液に、テトラヒドロフラン中2Mのボランメチルスルフィド複合体8.4mLを添加し、その後50分間60℃で加熱した。反応混合物をアイスバス中で冷却し、メタノール7.5mLをゆっくり添加した。15分後、エーテル中1Mの塩化水素18.8mLを添加した。反応混合物を室温に戻し、更に16時間攪拌した。固体を単離し、1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン塩酸塩0.34gを得た。濾液をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/アンモニア=98/2)で精製し、更に0.15gの1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン0.15gを得た。ESI−MS:188(MH+)。
【0036】
2f.N−シクロヘキシル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−3−メチル−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−6(3Me)Aiq.HCl)
室温のN,N−ジメチルホルムアミド3mL中の1−アミノ−6−(アミノメチル)−3−メチルイソキノリン塩酸塩0.17g、N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−OH0.30g、アセトニトリル0.5mLおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.36mLの攪拌混合物をN,N−ジメチルホルムアミド1.3mL中のブロモトリピロリドノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)0.35gの溶液に1時間で添加した。室温で24時間攪拌した後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチルに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=9/1)およびt−ブタノール/塩酸からの凍結乾燥により精製し、標題化合物0.13gを得た。
【0037】
【化8】
【0038】
実施例3
N−シクロヘキシル−D−フェニルアラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロヘキシル−D−Phe−Pro−6Aiq.HCl)
N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−D−フェニルアラニル−L−プロリンフェニルメチルエステル(Boc−D−Phe−Pro−OBzl)0.85gを出発物質とし、N−シクロヘキシル−D−Cha−Pro−OHに関して実施例1で記載した操作法を用いてN−シクロヘキシル−D−フェニルアラニル−L−プロリン(N−シクロヘキシル−D−Phe−Pro−OH)0.82gを得た。N−シクロヘキシル−D−Phe−Pro−OH(0.82g)をN,N−ジメチルホルミアミド10mLに溶解し、1−アミノ−6−アミノメチルイソキノリン0.33mgおよびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)1.1gを添加し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いてpH8に調節した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物をジクロロメタン50mLに溶解し、2回水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濃縮した。残存物をシリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール(2%アンモニア含有)=9/1)およびt−ブタノール/塩酸からの凍結乾燥しにより精製し、標題化合物0.19gを得た。
【0039】
【化9】
【0040】
実施例4
N−シクロペンチル−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−シクロペンチル−D−Cha−Pro−6Aiq.HCl)
シクロヘキサノンの代わり人シクロペンタノンを用い、Boc−D−Cha−Pro−OBzl0.30gを原料として実施例1に記載の通り操作することにより得られた粗製のN−シクロペンチル−D−Cha−Pro−6Aiqをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/メタノール=10/1〜5/1の勾配)で精製した。t−ブタノール/塩酸からの凍結乾燥により標題化合物0.16gを得た。
【0041】
【化10】
【0042】
実施例5
N−(1−メチルエチル)−3−シクロヘキシル−D−アラニル−N−[(1−アミノ−6−イソキノリニル)メチル]−L−プロリンアミド塩酸塩(N−(1−メチルエチル)−D−Cha−Pro−6Aiq.HCl)
実施例1に記載の操作法を用い、Boc−D−Cha−Pro−Obzl 0.92gを原料とし、シクロヘキサンの代わりにアセトンを用いて、N−(1−メチルエチル)−D−Cha−Pro−6Aiq.HClを0.04g得た。
【0043】
【化11】
【0044】
抗トロンビン試験
本発明の化合物の抗トロンビン活性はトロンビンによりもたらされる発色基質S−2238の加水分解速度を分光光度計により測定することにより評価した。緩衝液系における抗トロンビン活性を調べるこの試験法を用いて被験化合物のIC50値を調べた。
【0045】
試験媒体:トロメタミン−NaCl−ポリエチレングリコール6000(TNP)緩衝液
比較対照化合物:I2581(Kabi)
溶媒:TNP緩衝液。可溶化はジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトニトリルまたはt−ブチルアルコールを用いて促進することができ、その際、最終反応混合物中2.5%までの濃度では悪影響がもたらされない。
【0046】
手法
試薬 * 1.トロメタミン−NaCl(TN)緩衝液[緩衝液の組成:トロメタミン(Tris)6.057g(50mmol), NaCl 5.844g(100mmol),水1リットルとなる量。溶液のpHはHCl(10mmol・l−1)を用いて37℃で7.4に調節];2.TNP緩衝液(ポリエチレングリコール6000をTN緩衝液に溶解し、3g・l−1の濃度とする);3.S−2238溶液[1バイアルのS−2238(25mg; Kabi Diagnostica, Sweden)を20mLのTN緩衝液に溶解し、1.25mg・l−1(2mmol・l−1)の濃度とする];4.トロンビン溶液[ヒトトロンビン(16000nKat・vial−1;Centraal Laboratorium von Bloedtransfusie, Amsterdam, The Netherkands)をTNP緩衝液に溶解し、835nKat・ml−1の保存溶液とする。使用直前にこの溶液をTNP緩衝液で希釈して3.34nKat・ml−1の濃度とする。]。
【0047】
* − 使用した全ての成分は分析用等級である。
− 水溶液は超純粋(Milli−Q等級)を使用した。
【0048】
被験化合物および比較対照化合物の溶液の調製
被験化合物および比較対照化合物をMilli−Q水に溶解し、10−2mol・l−1の保存用液濃度とした。各濃度を溶媒で段階希釈し、10−3、10−4および10−5 mol・l−1の濃度とした。保存用液を含む希釈系列を試験に用いた(反応混合物の終濃度:それぞれ、3・10−3; 10−3; 3・10−4; 10−4; 3・10−5; 10−5; 3・10−6および10−6 mol・l−1)。
【0049】
操作法
室温において、0.075mLおよび0.025mLの被験化合物または比較対照化合物の溶液または溶媒をマイクロプレートのウェルに交互にピペッティングし、これらの溶液をそれぞれ0.115mLおよび0.0165mLのTNP緩衝液で希釈する。各ウェルに0.030mlづつS−2238溶液を添加し、プレートを予備加熱し、37℃で10分間インキュベーター(Amersham)中で振とうしながら予備インキュベートする。予備インキュベーションの後、各ウェルに0.030mLのトロンビン溶液を添加することによりS−2238の加水分解を開始する。プレートを37℃で(30分間振とうしながら)インキュベートする。インキュベート1分後から、各試料の405nmにおける吸光度をカイネティックマイクロプレートリーダー(Twinreader plus, Flow Laboratories)を用いて90分間に渡り2分おきに測定する。
【0050】
LOTUS−MEASUREを用いて全データをIBMパーソナルコンピューターに収集する。各化合物の濃度(mol・l−1反応混合物として表示)およびブランクにつき、吸光度を反応時間分数に対してプロットする。
【0051】
応答の評価: 各終濃度につき最大吸光度を試験プロットから求めた。IC50値(終濃度、μmol・l−1で表示、ブランクの最大吸光度の50%抑制をもたらすもの)をHafner等(Arzneim.−Forsch./Drug Res. 1977;27(II)1871−3)に従ってロジット変換分析を用いて計算した。
【0052】
【表1】
Claims (9)
- Aが5員環である請求項1記載の化合物。
- R2がシクロヘキシル請求項1記載の化合物。
- R3がHである請求項1記載の化合物。
- R1がシクロヘキシル請求項1記載の化合物。
- R1がシクロヘキシルであり、R2がシクロヘキシルであり、R3はHであり、そして、Aが5員環である請求項1記載の化合物。
- 請求項1から6の何れか1項に記載の化合物および製薬上適切である補助剤を含有する医薬組成物。
- 治療に用いるための請求項1から6の何れか1項に記載の化合物。
- トロンビン関連疾患の治療または予防のための医薬の製造のための請求項1から6の何れか1項に記載の化合物の使用。
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