JP2515558B2 - 新規なペプチドおよびそれを有効成分とする抗健忘症剤 - Google Patents
新規なペプチドおよびそれを有効成分とする抗健忘症剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗健忘症剤として有用な新規なペプチドおよ
びその抗健忘症剤に関する。
びその抗健忘症剤に関する。
さらに詳しく言えば、本発明のプロリルエンドペプチ
ダーゼ(prolyl endopeptidase)作用を阻害する性質を
有する新規なペプチドに関し、またそのペプチドを有効
成分とする含有する抗健忘症剤に関する。
ダーゼ(prolyl endopeptidase)作用を阻害する性質を
有する新規なペプチドに関し、またそのペプチドを有効
成分とする含有する抗健忘症剤に関する。
近年、記憶に関係があるとされるバソプレッシン、TR
H等を不活化することが知られているプロリルエンドペ
プチダーゼの阻害剤が、ラツト等における実験的健忘症
に対し、抗健忘症作用を示すことが明らかにされている
(鶴、芳本ら)。
H等を不活化することが知られているプロリルエンドペ
プチダーゼの阻害剤が、ラツト等における実験的健忘症
に対し、抗健忘症作用を示すことが明らかにされている
(鶴、芳本ら)。
一方、これらの阻害剤の構造はその活性部位がプロリ
ンないしは、プロリンのカルボニル基を反応性の高い官
能基に変化させたものがほとんどであつた。
ンないしは、プロリンのカルボニル基を反応性の高い官
能基に変化させたものがほとんどであつた。
本発明者らは、種々研究の結果、一般式(I) (式中Zはベンジルオキシカルボニル基であり、Xは下
記の式によつて表わされるL−イミノ酸のイミノ酸中の
水素原子1個を除いた残基を示す。
記の式によつて表わされるL−イミノ酸のイミノ酸中の
水素原子1個を除いた残基を示す。
で表わされるペプチドが、プロリルエンドペプチダーゼ
の阻害活性を有し、また優れた抗健忘症作用を有するこ
とを見出した。
の阻害活性を有し、また優れた抗健忘症作用を有するこ
とを見出した。
一般式(I)で表わされるペプチドがプロリルエンド
ペプチダーゼ阻害活性を有し、また優れた抗健忘症作用
を示すことは、本発明者らにより初めて見いだされたも
のであり、本発明はかかる知見に基づくものである。
ペプチダーゼ阻害活性を有し、また優れた抗健忘症作用
を示すことは、本発明者らにより初めて見いだされたも
のであり、本発明はかかる知見に基づくものである。
本発明に係るプロリルエンドペプチダーゼ阻害活性を
有するペプチドの製造は、一般的なペプチド合成法によ
り容易に行なうことができる。このペプチドを抗健症剤
に使用する場合は、例えば錠剤、カプセル剤、軟カプセ
ル剤、散剤注射剤、貼付剤などの適宜な剤型をもって投
与できる。これらの剤型による各種製剤の調製にあたつ
ては、賦形剤、溶解補助剤などを使用することができ
る。この抗健忘症剤の投与は、静脈内注射、皮下注射、
筋肉内注射などの各種注射あるいは経口投与、経皮投与
などの種々の方法によつて行なうことができるが、特に
好ましいのは経口投与ならびに静脈内投与であり、その
投与量は、一般には、経口投与の場合は1日5〜900m
g、静脈内投与の場合は1日1〜500mgが好ましい。老人
性痴呆症等の健忘症の種類や症状あるいは投与方法など
によりその投与量は変化することが一般的であり、上記
範囲外で投与することもできる。
有するペプチドの製造は、一般的なペプチド合成法によ
り容易に行なうことができる。このペプチドを抗健症剤
に使用する場合は、例えば錠剤、カプセル剤、軟カプセ
ル剤、散剤注射剤、貼付剤などの適宜な剤型をもって投
与できる。これらの剤型による各種製剤の調製にあたつ
ては、賦形剤、溶解補助剤などを使用することができ
る。この抗健忘症剤の投与は、静脈内注射、皮下注射、
筋肉内注射などの各種注射あるいは経口投与、経皮投与
などの種々の方法によつて行なうことができるが、特に
好ましいのは経口投与ならびに静脈内投与であり、その
投与量は、一般には、経口投与の場合は1日5〜900m
g、静脈内投与の場合は1日1〜500mgが好ましい。老人
性痴呆症等の健忘症の種類や症状あるいは投与方法など
によりその投与量は変化することが一般的であり、上記
範囲外で投与することもできる。
以下に本発明ペプチドの実施例について述べる。な
お、実施例中でのアミノ酸はすべてL−型のものを示
す。例中で使用されている略号は、それぞれ下記の化合
物を略記したものである。
お、実施例中でのアミノ酸はすべてL−型のものを示
す。例中で使用されている略号は、それぞれ下記の化合
物を略記したものである。
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF:ジメチルホルムアミド HOSu:N−ヒドロキシサクシンイミド THF:テトラヒドロフラン 実施例 1 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリル−ヒドロキシ
プロリンの製造 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリン6.23gをア
セトニトリル70mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しな
がらDCC5.16gをアセトニトリル40mlに溶かした液を加
え、2時間撹拌した後、塩酸ヒドロキシメチルエステル
4.54gとトリエチルアミン2.53gを混合したトリエチルア
ミン40mlを加え、1時間撹拌した。さらに室温で2日間
撹拌後、ろ過し、分取した有機層から油状物を得た。こ
の油状物3.76gをTHF40mlに溶解し、撹拌しながら、これ
に、0.5N水酸化ナトリウム溶液20mlを加えた。1時間
後、THFを留去し、水層をエーテルで洗浄し、水層に1N
塩酸を加えた後、酢酸エチルを少量加えて結晶を析出さ
せると標記の化合物(1.7g)が得られた。
プロリンの製造 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリン6.23gをア
セトニトリル70mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しな
がらDCC5.16gをアセトニトリル40mlに溶かした液を加
え、2時間撹拌した後、塩酸ヒドロキシメチルエステル
4.54gとトリエチルアミン2.53gを混合したトリエチルア
ミン40mlを加え、1時間撹拌した。さらに室温で2日間
撹拌後、ろ過し、分取した有機層から油状物を得た。こ
の油状物3.76gをTHF40mlに溶解し、撹拌しながら、これ
に、0.5N水酸化ナトリウム溶液20mlを加えた。1時間
後、THFを留去し、水層をエーテルで洗浄し、水層に1N
塩酸を加えた後、酢酸エチルを少量加えて結晶を析出さ
せると標記の化合物(1.7g)が得られた。
mp.217−218℃(分解)(白色粉末) ▲IRνKBr max▼cm-1;3480,3100−2700,1743,1665,1640,
1440,1365,1190,765,745,700 実施例 2 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリル−チオプロリ
ンの製造 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリンを二塩化メ
チレン100mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しながらD
CCを二塩化メチレン50mlに溶かした液を加えた。約20分
撹拌後、4℃に放置し、ろ過後ろ液をエーテルで洗浄
し、留去後イソプロパノールから白色結晶を得た。別
に、チオプロリン1.33gをDMF50mlに懸濁しトリエチルア
ミ1.01gを加えて溶解させ、これに、前記の白色結晶3.4
6gを加え70℃で6時間撹拌した。DMFを留去後、5%炭
酸水素ナトリウムに溶解し、1N塩酸で中和し、4℃で放
置して得られた沈澱物をろ取すると、標記の化合物(1.
3g)が得られた。
1440,1365,1190,765,745,700 実施例 2 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリル−チオプロリ
ンの製造 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリンを二塩化メ
チレン100mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しながらD
CCを二塩化メチレン50mlに溶かした液を加えた。約20分
撹拌後、4℃に放置し、ろ過後ろ液をエーテルで洗浄
し、留去後イソプロパノールから白色結晶を得た。別
に、チオプロリン1.33gをDMF50mlに懸濁しトリエチルア
ミ1.01gを加えて溶解させ、これに、前記の白色結晶3.4
6gを加え70℃で6時間撹拌した。DMFを留去後、5%炭
酸水素ナトリウムに溶解し、1N塩酸で中和し、4℃で放
置して得られた沈澱物をろ取すると、標記の化合物(1.
3g)が得られた。
mp.183−185℃(分解)(淡褐色粉末) ▲IRνKBr max▼cm-1;3200−2700,1745,1660,1445,1370,
1190,770,745,700 実施例 3 N−ベンジルオキシカルボニル−プロピル−ピペコリン
酸の製造 メタノール70mlを氷−水浴で冷却し、撹拌しながら塩
化チオニル10mlを加えた。しばらく撹拌した後、これ
に、ピペコリン酸5.17gを加え3時間撹拌し、室温で一
晩撹拌した。メタノールを留去した後、5%炭酸水素ナ
トリウムに溶解し、エーテルで抽出し、エーテルを留去
して油状物を得た。別に、N−ベンジルオキシカルボニ
ル−プロリンをアセトニトリル40mlに溶解し、氷−水浴
で冷却し撹拌し、これに、DCCをアセトニトリル10mlに
溶かした液を加え、しばらく撹拌した後、先に得られた
油状物0.60gを加え一晩撹拌した。ろ過後ろ液を濃縮し
残つた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフイーで
精製し油状物を得た。この油状物をTHF30mlに溶かし、
これに、1N水酸化ナトリウム溶液1.94mlを希釈し20mlと
した溶液を室温で加え、そのまま、5時間撹拌後、THF
を留去しエーテルを加え、食塩水を加えて水層を分離し
た後、クエン酸で酸性にして油状物を分離した。水で数
回洗浄後、減圧乾燥すると標記の化合物(223mg)が得
られた。
1190,770,745,700 実施例 3 N−ベンジルオキシカルボニル−プロピル−ピペコリン
酸の製造 メタノール70mlを氷−水浴で冷却し、撹拌しながら塩
化チオニル10mlを加えた。しばらく撹拌した後、これ
に、ピペコリン酸5.17gを加え3時間撹拌し、室温で一
晩撹拌した。メタノールを留去した後、5%炭酸水素ナ
トリウムに溶解し、エーテルで抽出し、エーテルを留去
して油状物を得た。別に、N−ベンジルオキシカルボニ
ル−プロリンをアセトニトリル40mlに溶解し、氷−水浴
で冷却し撹拌し、これに、DCCをアセトニトリル10mlに
溶かした液を加え、しばらく撹拌した後、先に得られた
油状物0.60gを加え一晩撹拌した。ろ過後ろ液を濃縮し
残つた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフイーで
精製し油状物を得た。この油状物をTHF30mlに溶かし、
これに、1N水酸化ナトリウム溶液1.94mlを希釈し20mlと
した溶液を室温で加え、そのまま、5時間撹拌後、THF
を留去しエーテルを加え、食塩水を加えて水層を分離し
た後、クエン酸で酸性にして油状物を分離した。水で数
回洗浄後、減圧乾燥すると標記の化合物(223mg)が得
られた。
mp.66−69℃(白色粉末) ▲IRνKBr max▼cm-1;3200−2800,1715,1660,1620,1420,
1360,775,745,705 実施例 4 N−ベンジルオキシカルボニル−ピログルタミン酸の製
造 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリン4.99gを二
塩化メチレン20mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しな
がら、これに、DCC4.13gを溶解した二塩化メチレン10ml
を加え、30分間撹拌した後、グルタミン酸メチルエステ
ル塩酸塩4.23gとトリメチルアミン2.02gを懸濁した二塩
化メチレン40mlを加え、室温で一晩撹拌した。ろ過後、
ろ液を希塩酸、希炭酸水素ナトリウムで洗浄し、二塩化
メチレンを留去し、油状物を得た。これをTHF50mlに溶
解し、1N水酸化ナトリウム33.5mlを加えて室温で一晩撹
拌後、水層を分取し活性炭で脱色後、塩酸で酸性とし、
二塩化メチレンで抽出した。二塩化メチレンを留去し、
油状物を得た。これを二塩化メチレン30mlに溶解し、氷
−水浴で冷却し撹拌した。これにDCC1.28gを溶解した二
塩化メチレン300mlを加え、室温で一晩撹拌した。ろ過
後、ろ液を濃縮し、希炭酸水素ナトリウムに溶解し、エ
ーテルで洗浄後塩酸で酸性とし、4℃で一晩放置し、ろ
過し、乾燥すると標記化合物(1.043g)が得られた。
1360,775,745,705 実施例 4 N−ベンジルオキシカルボニル−ピログルタミン酸の製
造 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリン4.99gを二
塩化メチレン20mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しな
がら、これに、DCC4.13gを溶解した二塩化メチレン10ml
を加え、30分間撹拌した後、グルタミン酸メチルエステ
ル塩酸塩4.23gとトリメチルアミン2.02gを懸濁した二塩
化メチレン40mlを加え、室温で一晩撹拌した。ろ過後、
ろ液を希塩酸、希炭酸水素ナトリウムで洗浄し、二塩化
メチレンを留去し、油状物を得た。これをTHF50mlに溶
解し、1N水酸化ナトリウム33.5mlを加えて室温で一晩撹
拌後、水層を分取し活性炭で脱色後、塩酸で酸性とし、
二塩化メチレンで抽出した。二塩化メチレンを留去し、
油状物を得た。これを二塩化メチレン30mlに溶解し、氷
−水浴で冷却し撹拌した。これにDCC1.28gを溶解した二
塩化メチレン300mlを加え、室温で一晩撹拌した。ろ過
後、ろ液を濃縮し、希炭酸水素ナトリウムに溶解し、エ
ーテルで洗浄後塩酸で酸性とし、4℃で一晩放置し、ろ
過し、乾燥すると標記化合物(1.043g)が得られた。
mp.133−135℃(白色粉末) ▲IRνKBr max▼cm-1;3320,1730,1665,1540,1440,1375,1
220,1140,775,735,700 実施例 5 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリル−アゼチジン
−2−カルボン酸の製造 アゼチジン−2−カルボン酸800mgをメタノール100ml
に懸濁し、塩酸ガスを30分間通した後、3時間還流さ
せ、メタノールを留去して油状物を得た。別に、N−ベ
ンジルオキシカルボニル−プロリン1.97gをアセトニト
リル20mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しながら二塩
化メチレン5mlに溶解したDCC1.63gを加えしばらく撹拌
した後、これに、先に得た油状物1.97gとトリエチルア
ミン0.8gを溶解した二塩化メチレン5mlを加え、一晩撹
拌した。二塩化メチレンを留去し、エーテルに溶解し、
希炭酸水素ナトリウム、食塩水で洗浄し、エーテルを留
去し、油状物を得た。これをTHF20mlに溶解し、1N水酸
化ナトリウム2.38mlと水10mlを加え、室温で4時間撹拌
し、THFを留去した後、エーテルで洗浄し、水層をろ過
した。1N塩酸で酸性とし、3週間4℃で放置すると、標
記化合物が析出した。これをろ取した(330mg)。
220,1140,775,735,700 実施例 5 N−ベンジルオキシカルボニル−プロリル−アゼチジン
−2−カルボン酸の製造 アゼチジン−2−カルボン酸800mgをメタノール100ml
に懸濁し、塩酸ガスを30分間通した後、3時間還流さ
せ、メタノールを留去して油状物を得た。別に、N−ベ
ンジルオキシカルボニル−プロリン1.97gをアセトニト
リル20mlに溶解し、氷−水浴で冷却し撹拌しながら二塩
化メチレン5mlに溶解したDCC1.63gを加えしばらく撹拌
した後、これに、先に得た油状物1.97gとトリエチルア
ミン0.8gを溶解した二塩化メチレン5mlを加え、一晩撹
拌した。二塩化メチレンを留去し、エーテルに溶解し、
希炭酸水素ナトリウム、食塩水で洗浄し、エーテルを留
去し、油状物を得た。これをTHF20mlに溶解し、1N水酸
化ナトリウム2.38mlと水10mlを加え、室温で4時間撹拌
し、THFを留去した後、エーテルで洗浄し、水層をろ過
した。1N塩酸で酸性とし、3週間4℃で放置すると、標
記化合物が析出した。これをろ取した(330mg)。
mp.146−148℃(白色粉末) 実施例 6 プロリルエンドペプチダーゼ阻害活性の測定 プロリルエンドペプチダーゼ阻害活性の測定は、芳
本、鶴の方法で行なつた(Yoshimoto,T.and Tsuru,D.Ag
r.Biol.Chem.42,2417,1978)。
本、鶴の方法で行なつた(Yoshimoto,T.and Tsuru,D.Ag
r.Biol.Chem.42,2417,1978)。
試験管内に2.5mMZ−グリシル−プロリン−β−ナフチル
アミド0.25ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)0.99mlおよ
び本発明に係る各ペプチドの溶液0.01mlを入れ、37℃、
3分間加温した。プロリルエンドペプチダーゼ溶液(0.
2単位/ml)を0.1ml加え、35℃、10分間反応させた後、
トリトンX−100を含む1M酢酸緩衝液(pH4.0)を最終濃
度10%となるように加え、室温にて15分放置したのち、
410nmにおける吸光度(a)を測定した。
アミド0.25ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)0.99mlおよ
び本発明に係る各ペプチドの溶液0.01mlを入れ、37℃、
3分間加温した。プロリルエンドペプチダーゼ溶液(0.
2単位/ml)を0.1ml加え、35℃、10分間反応させた後、
トリトンX−100を含む1M酢酸緩衝液(pH4.0)を最終濃
度10%となるように加え、室温にて15分放置したのち、
410nmにおける吸光度(a)を測定した。
本発明に係る各ペプチドの溶液の代わりに緩衝液のみ
を用いたものを対照とし、同一の方法で、上記の如くし
て、その吸光度(b)を測定した。阻害率を次式により
求め、結果を阻害定数(Ki)として表1に示した。
を用いたものを対照とし、同一の方法で、上記の如くし
て、その吸光度(b)を測定した。阻害率を次式により
求め、結果を阻害定数(Ki)として表1に示した。
〔(b−a)/b〕×100 表中のペプチドの欄に示した数字は、実施例番号を表わ
し、該各実施例で得られたペプチドを意味する。
し、該各実施例で得られたペプチドを意味する。
実施例 7 ラツトにおける実験的健忘症の予防効果 抗健忘症作用の検定は、Int.Symp.on Pharmacogy of
Larning and Memory(1982)に記載の久保田、林の方法
に準じて行ない、本発明に係るペプチドの受動的回避学
習試験に対する効果を測定した。この試験に用いた受動
的回避試験箱は、格子状電極床(縦20cm、横22cm)とそ
の右側に置かれた台(縦20cm、横15cm、高さ4cm)より
成る。実験には、5週令のWistar系雄性ラツト(体重11
0〜160g)を用いた。
Larning and Memory(1982)に記載の久保田、林の方法
に準じて行ない、本発明に係るペプチドの受動的回避学
習試験に対する効果を測定した。この試験に用いた受動
的回避試験箱は、格子状電極床(縦20cm、横22cm)とそ
の右側に置かれた台(縦20cm、横15cm、高さ4cm)より
成る。実験には、5週令のWistar系雄性ラツト(体重11
0〜160g)を用いた。
ラツトを受動的回避試験箱の上に置き、ラツトが床に
降りたとき4.0mAの電流を流し、台に上がるまで流し続
けた。ラツトが20秒以上台の上に留つた時点で学習した
と見なし、箱から取り出した。また、ラットの不揃いを
避けるため、最初に床に降りるのに30秒以上要したも
の、5回以上床に降りたもの、さらに300秒以内に学習
しなかつたものについては除外した。
降りたとき4.0mAの電流を流し、台に上がるまで流し続
けた。ラツトが20秒以上台の上に留つた時点で学習した
と見なし、箱から取り出した。また、ラットの不揃いを
避けるため、最初に床に降りるのに30秒以上要したも
の、5回以上床に降りたもの、さらに300秒以内に学習
しなかつたものについては除外した。
学習を行なつたラツトについて、正常対照群には生理
食塩水1mlを、それ以外の群には生理食塩水1mlに溶かし
た臭化水素酸スコポラミン3mg/kgを腹腔内投与し、実験
的健忘症ラツトを作成した。本発明に係るペプチドは、
生理食塩水1mlに溶解または懸濁し、学習試験開始1時
間前に表2に示した投与量で腹腔内投与した。
食塩水1mlを、それ以外の群には生理食塩水1mlに溶かし
た臭化水素酸スコポラミン3mg/kgを腹腔内投与し、実験
的健忘症ラツトを作成した。本発明に係るペプチドは、
生理食塩水1mlに溶解または懸濁し、学習試験開始1時
間前に表2に示した投与量で腹腔内投与した。
試験結果を表2に示すが、腹腔内投与により対照に比
較して潜時の有意な延長を認め、その強さは抗健忘症作
用が既に明らかになつているZ−プロリル−プロリナー
ルと同程度であつた。
較して潜時の有意な延長を認め、その強さは抗健忘症作
用が既に明らかになつているZ−プロリル−プロリナー
ルと同程度であつた。
下記に本発明に係るペプチドの毒性に関し、LD50を示
す。
す。
5週令の体重24〜26gのICR雄性マウスを用いLD50を求
めた。1群5匹のマウスに本発明に係る各ペプチド溶液
を経口投与し、LD50を算出した。これらの試験結果は表
3に示すとおりである。表中のペプチドの項に示した数
字は、表1と同じく実施例番号である。
めた。1群5匹のマウスに本発明に係る各ペプチド溶液
を経口投与し、LD50を算出した。これらの試験結果は表
3に示すとおりである。表中のペプチドの項に示した数
字は、表1と同じく実施例番号である。
フロントページの続き (56)参考文献 Collect.Czech.Che m.Commu.,40〔3〕(1975) P.662−669 Int.J.Pept.Protei n Res.,8〔5〕(1976)P. 503−516 Acta Crystallog r.,Sect.B,B38〔4〕 (1982)P.1203−1207
Claims (2)
- 【請求項1】一般式、 (式中Zはベンジルオキシカルボニル基であり、Xは、
下記の式によつて表わされるL−イミノ酸のイミノ基中
の水素原子1個を除いた残基を示す。 で表わされるペプチド。 - 【請求項2】一般式、 (式中Zはベンジルオキシカルボニル基であり、Xは下
記の式によつて表わされるL−イミノ酸のイミノ基中の
水素原子1個を除いた残基を示す。 で表わされるペプチドを有効成分として含有する抗健忘
症剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62225377A JP2515558B2 (ja) | 1987-09-10 | 1987-09-10 | 新規なペプチドおよびそれを有効成分とする抗健忘症剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62225377A JP2515558B2 (ja) | 1987-09-10 | 1987-09-10 | 新規なペプチドおよびそれを有効成分とする抗健忘症剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6468396A JPS6468396A (en) | 1989-03-14 |
JP2515558B2 true JP2515558B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
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