JPH0813834A - 二段式立体駐車装置のパレット落下防止機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上方位置にあるパレットの不測の落下を防止
する。また、ワイヤの弛緩等によるパレットの傾斜を防
止する。 【構成】 車両Ｃを載置するためのパレット６を、上方
位置と下方位置との間で昇降させるようにした二段式立
体駐車装置Ａにおいて、上方位置にあるパレット６を係
止して落下を防止する落下防止用係止具Ｂを設けると共
に、パレット６の昇降作動を制御するパレット昇降用キ
ースイッチ31を開閉自在にカバーするスイッチカバー40
を設け、同スイッチカバー40と上記落下防止用係止具Ｂ
とを連動連結して、スイッチカバー40の開閉動作に連動
して落下防止用係止具Ｂを係止解除状態及び係止状態に
する。また、上記落下防止用係止具Ｂと連動して係止解
除状態及び係止状態になる従動側落下防止用係止具Ｄを
複数個配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は二段式立体駐車装置のパ
レット落下防止機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、二段式立体駐車装置では、複数個
の支柱で車両を搭載するためのパレットを昇降自在に支
持し、パレットを昇降作動させるために、ブレーキ付減
速モータにワイヤリールを連動連結し、パレット昇降用
ワイヤの一端をワイヤリールに連結し他端をパレットに
連結して、上記モータの正逆回転によりワイヤの巻取り
・巻戻しを行うことで、上記パレットを昇降作動させる
ように構成すると共に、上記駐車装置にパレット昇降用
スイッチを設け、同スイッチの操作によって上記モータ
の作動・停止及び正逆回転を制御するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上方位置に
おいてパレットをロックする構成がなされていないた
め、ブレーキ付減速モータのブレーキの緩み等によっ
て、上記位置の保持が不確実であった。

【０００４】そこで、前記支柱にロック機構を設けて支
柱にパレットをロックすることで、上記位置保持を確実
にすることが考えられるが、上方位置にあるパレットを
下降操作するには、上記ロックを解除して解除状態を保
持しながら、パレット昇降用スイッチを操作するという
二重の操作を要して操作が面倒である。

【０００５】また、１本の支柱だけにロック機構を設け
たのでは、前記のブレーキの緩み等によって、パレット
が傾斜してロックされていない側のパレット端部が大き
く降下するするおそれがあり、この傾斜を防止するため
に、複数の支柱にそれぞれロック機構を設けると、ロッ
ク操作が更に面倒になり、ついロック操作を怠りがちに
なるという問題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、車両を載置
するためのパレットを、上方位置と下方位置との間で昇
降させるようにした二段式立体駐車装置において、上方
位置にあるパレットの落下を防止する落下防止用係止具
を設けると共に、パレットの昇降作動を制御するパレッ
ト昇降用キースイッチを開閉自在にカバーするスイッチ
カバーを設けて、同スイッチカバーと上記落下防止用係
止具とを連動連結して、スイッチカバーの開閉動作に連
動して落下防止用係止具を係止解除状態及び係止状態に
することを特徴とする二段式立体駐車装置のパレット落
下防止機構を提供せんとするものである。

【０００７】また、上記二段式立体駐車装置に、落下防
止用係止具と連動してパレットを係止解除及び係止する
従動側落下防止用係止具を複数個配設したことにも特徴
を有する。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。

【０００９】図１及び図２で示すＡは、本発明に係る二
段式立体駐車装置であり、同駐車装置Ａは、地面Ｇ上に
四本の支柱1,2,3,4 を前後左右側に一定の間隔を開けて
立設し、これらの支柱1,2,3,4 の上端間に保護兼補強フ
レーム５を横架すると共に、各支柱1,2,3,4 の中途部間
に車両搭載用のパレット６を昇降自在に取付け、同パレ
ット６をパレット昇降機構７により昇降可能としてい
る。Ｃは車両、W1は前輪、W2は後輪である。

【００１０】各支柱1,2,3,4 は、図１及び図２で示すよ
うに、円形パイプよりなる支柱本体1a,2a,3a,4a と、各
支柱本体1a,2a,3a,4a の下端に取付けた固定板1b,2b,3
b,4bとで形成し、各固定板1b,2b,3b,4b をアンカーボル
ト等により地面Ｇ上に固定して、各支柱本体1a,2a,3a,4
a を垂直に立設している。

【００１１】そして、各支柱本体1a,2a,3a,4a の上端間
に横架した保護兼補強フレーム５を、前後幅が前後支柱
1,3 の間隔よりも広幅の略矩形枠状に形成して、前部を
前側の支柱1,2 よりも前方に水平張出し状とすると共
に、後部を後側の支柱3,4 よりも後方へ水平張出し状と
している。

【００１２】このようにして、保護兼補強フレーム５に
より、上段に駐車した車両Ｃの周囲を囲繞して保護する
と共に、支柱1,2,3,4 を補強し、更に、後述するパレッ
ト昇降機構７の構成部材の支持部材としての機能するよ
うにしている。

【００１３】パレット６は、図１及び図２で示すよう
に、矩形枠状のパレットフレーム８と、同パレットフレ
ーム８の前後左右側に一定の幅で矩形リング状に張設し
たパレット本体９と、パレットフレーム８の前側フレー
ム8aの左右側部にそれぞれ前方に張出し状に突設したス
テップ13と、パレットフレーム８の左右側フレーム8b,8
c の各前後部にそれぞれ取付けた昇降ガイド用筒体14,1
4,14,14 とで形成されている。

【００１４】昇降ガイド用筒体14,14,14,14 は、それぞ
れ内径を支柱1,2,3,4 の外径と略同一径に形成して、各
支柱1,2,3,4 の外周面に沿って同軸的にスライド自在と
すると共に、パレット６が傾斜して両者の軸線が僅かで
も交差状となると、パレット６がスライド停止するよう
に形成して、パレット６の下降規制が行えるようにして
いる。

【００１５】そして、パレット本体９は、図１及び図２
で示すように、前低後高の傾斜面としたパレット本体前
部9aと、略水平面としたパレット本体後部9bと、これら
のパレット本体前部9aとパレット本体後部9bとの境界位
置に取付けた左右一対の歯止め機構16,16 とで形成され
ている。

【００１６】パレット昇降機構７は、図１及び図２で示
すように、パレットフレーム８の後側フレーム8dの右側
後方に支持台22を突設し、同支持台22上にワイヤリール
20と、同ワイヤリール20を回転駆動するブレーキ付減速
モータ21とを載設して、これらのワイヤリール20とブレ
ーキ付減速モータ21とを右側後方の支柱４の後方に位置
させている。

【００１７】このように、ワイヤリール20とブレーキ付
減速モータ21とを、後側の支柱４の後方位置に配設した
ことによって、ワイヤリール20やブレーキ付減速モータ
21に車両Ｃが接触するのを防止することができ、また、
排気によるワイヤリール20やブレーキ付減速モータ21の
熱的障害や汚損を防止することができる。

【００１８】また、左右側フレーム8b,8c の前部にそれ
ぞれ前側昇降用前部ガイドリール23,23 を軸支し、後側
フレーム8dの中央左右側部に、可及的に中央に近接して
それぞれ前側昇降用後部ガイドリール25,25 をリール取
付ブラケット26,26 を介して軸支している。

【００１９】そして、図１及び図２で示すように、保護
兼補強フレーム５の左右側前部に、それぞれ前側昇降用
ワイヤ28,28 の一端28a,28a を連結すると共に、前側昇
降用前部ガイドリール23,23 と前側昇降用後部ガイドリ
ール25,25 とを介してワイヤリール20に前側昇降用ワイ
ヤ28,28 の他端28b,28b を連結している。

【００２０】また、保護兼補強フレーム５の左右側後部
に、それぞれ後側昇降用ワイヤ29,29 の一端29a,29a を
連結すると共に、ワイヤリール20とブレーキ付減速モー
タ21を配設した側の後側昇降用ワイヤ29の他端29b を直
接ワイヤリール20に連結し、他側の後側昇降用ワイヤ29
の他端29b を、後側昇降用ガイドリール27を介してワイ
ヤリール20に連結している。

【００２１】ワイヤリール20には、図２で示すように、
前方から後方に向けて、順次右側の後側昇降用ワイヤ29
の他端29b 、左側の後側昇降用ワイヤ29の他端29b 、右
側の前側昇降用ワイヤ28の他端28b 、左側の前側昇降用
ワイヤ28の他端28b を連結している。

【００２２】また、図１及び図４で示すように、保護兼
補強フレーム５の左側前部下面には、矩形パイプ状の取
付用ブラケット30を垂設して、同ブラケット30の下部前
壁にパレット昇降用キースイッチ31を取付けて家庭用商
用電源（図示せず）に接続し、車両Ｃのキーを用いてパ
レット６の昇降操作が行えるようにしている。

【００２３】かかる二段式立体駐車装置Ａにおいて、図
１及び図４〜図９で示すように、本発明ではパレット落
下防止機構を設けており、同パレット落下防止機構は、
落下防止用係止具Ｂと、これに連動する従動側落下防止
用係止具Ｄとで構成されている。

【００２４】落下防止用係止具Ｂは、図１及び図４〜図
６で示すように、取付用ブラケット30の後側面に上下枢
支部41,42 を突設し、同上下枢支部41,42 に枢軸43を回
動自在に挿通し、同枢軸43の側面に平面視略コ字形板状
のスイッチカバー40の一端を固着して、略コ字形状のス
イッチカバー40の内部に上記パレット昇降用キースイッ
チ31を収納して、パレット昇降用キースイッチ31の前面
部をスイッチカバー40の他端部でカバーして、同スイッ
チカバー40の枢軸43を中心としての回動により、パレッ
ト昇降用キースイッチ31の前面部を開閉可能にしてい
る。

【００２５】そして、枢軸43の下端部を屈折させて内側
方向に延出した延出係止部44を形成しており、スイッチ
カバー40を閉じたとき、上記延出係止部44でパレット本
体９の左側フレーム8bの前端部下面を係止してパレット
６の下降を阻止し、スイッチカバー40を開いたときは上
記の係止を解除してパレット６の下降を許容するように
している。

【００２６】かかる構成によって、スイッチカバー40の
開閉動作と連動して、パレット６の下降作動がロック又
はロック解除されることになる。

【００２７】図中、54,46 は枢軸43を取付けるためのピ
ン及びワッシャ、47は下向き開口略Ｃ字形状の受け板で
あって、同受け板47の下部に形成した係止部48で延出係
止部44が受けるパレット本体９の荷重を支承するための
ものであり、50,51,52はスイッチカバー40を開閉いずれ
かの状態に保持するためのスプリングと、ブラケット30
に垂設した固定ピンと、枢軸43の下部に垂設した遊動ピ
ン、53はつまみ、54は非常停止ボタンであり、同非常停
止ボタン54はスイッチカバー40から露出しているので、
スイッチカバー40の開閉にかかわらず常時操作すること
ができる。

【００２８】また、ブラケット30の外側面にリミットス
イッチ55をＬ字状保護板56を介して取付けており、スイ
ッチカバー40を開いたとき、スイッチカバー40の上端縁
から上方に延設したスイッチ押圧板57の傾斜面58に当接
して、後述のソレノイド69への電流を遮断するようにし
ている。

【００２９】また、上記支柱1,3,4 には、従動側落下防
止用係止具Ｄが配設されており、従動側落下防止用係止
具Ｄは、図１及び図７〜図９で示すように、支柱1,3,4
にそれぞれ外嵌した昇降ガイド用筒体14の外側面に係止
ピン59を突設すると共に、上記支柱1,3,4 上部を、それ
ぞれ中央板60と内外側面板内外側面板61,62 よりなる平
面視が略コ字形状の係止体63の開口部中に介在させ、各
係止体63上部と各支柱1,3,4 とをそれぞれ挿通した枢軸
64により各係止体63を回動自在に取付けている。

【００３０】係止体63は、その内外側面板内外側面板6
1,62 の下部に上向き開口略半円弧形状の係止凹部65を
形成し、下端隅部を斜めに切欠して係止ピン導入部66を
形成している。

【００３１】また、保護兼補強フレーム５からステー67
を垂設して、その下端に後面開放略箱形状のソレノイド
取付部68を介してソレノイド69を取付け、同ソレノイド
69を連結杆70を介して係止体63に連動連結している。7
1,72 はソレノイド69、連結杆70及び係止体63の外側面
板62とを回動自在に連結するための連結ピンである。

【００３２】また、上記ソレノイド取付部68には、リミ
ットスイッチ73が取付けられており、係止体63の中央板
60中央部から前方に突設したキッカー74の傾斜部75に対
向している。

【００３３】かかる構成によって、ソレノイド69に通電
していないときは、係止体63が自重で略垂直に垂下して
昇降ガイド用筒体14の係止ピン59に係止可能の状態にな
り、ソレノイド69に通電すると係止体63がソレノイド69
に吸引されて係止解除の状態になる。

【００３４】かかる構成によって、車両Ｃのキーを用い
てパレット昇降用キースイッチ31を操作することによ
り、車両Ｃを積載したパレット６を上昇させることがで
き、パレット６の上昇限度に達すると、パレット昇降検
出装置が作動しブレーキ付減速モータ21を停止させるこ
とによって、パレット６を上昇作動の上限位置で停止さ
せることができる。

【００３５】上記パレット６を上昇作動の上限位置近傍
では、従動落下防止係止具Ｄの昇降ガイド用筒体14の係
止ピン59が、係止体63の係止ピン導入部66周縁を摺動し
て係止体63を前方に移動させながら上昇するのである
が、係止ピン59が係止凹部65の開口部に達すると、上記
摺動が解除され、係止体63が垂直姿勢に戻り係止凹部65
が係止ピン59の下方に位置して係止可能の状態になる。

【００３６】そして、スイッチカバー40を閉蓋すると、
同カバー40に連動連結した落下防止係止具Ｂの延出係止
部44でパレット本体９の左側フレーム8bの前端部下面を
係止してパレット６の下降を阻止する。

【００３７】このように、パレット６の下降が複数箇所
でロックされるので、例えば、ワイヤ切断のような事故
が発生した場合でも、パレット６の落下と傾斜とを確実
に防止することができる。

【００３８】特に、略矩形状のパレット６の対角線上の
位置に、落下防止係止具Ｂと従動落下防止係止具Ｄとを
配設することで、下降作動がロックすることによって、
上記のような事故の場合でもパレット６が傾斜するのを
防止することができる。

【００３９】次に、上方位置にあるパレット６を下降さ
せるには、スイッチカバー40を開いて、パレット昇降用
キースイッチ31の前面を開放し、車両Ｃのキーでパレッ
ト昇降用キースイッチ31を操作して、車両Ｃを積載した
パレット６を降下させるのであるが、スイッチカバー40
を開蓋するとこれに連動して延出係止部44がパレット本
体９のロックを解除し、これと同時に、スイッチカバー
40に連設したスイッチ押圧板57のリミットスイッチ55へ
の押圧が解除され、ソレノイド69に電流が流れ同ソレノ
イド69に吸引され、係止体63の係止凹部65が昇降ガイド
用筒体14の外側面に係止ピン59の下方位置から外れてロ
ック解除状態になる。

【００４０】

【発明の効果】本発明によれば、車両を載置するための
パレットを、上方位置と下方位置との間で昇降させるよ
うにした二段式立体駐車装置において、上方位置にある
パレットの落下を防止する落下防止用係止具を設けると
共に、パレットの昇降作動を制御するパレット昇降用キ
ースイッチを開閉自在にカバーするスイッチカバーを設
けて、同スイッチカバーと上記落下防止用係止具とを連
動連結して、スイッチカバーの開閉動作に連動して落下
防止用係止具を係止解除状態及び係止状態にすることに
よって、スイッチカバーを閉じたときは、係止体がパレ
ットに係合可能になり、スイッチカバーを開いたとき
は、係止体がパレットとの係合を解除すべく構成したこ
とによって、例えば、ワイヤ切断のような重大な事故が
発生した場合でもパレットの落下を防止することができ
る。

【００４１】そして、スイッチカバーを開かなければ、
上記係合が解除されないので誤操作が防止され、しか
も、スイッチカバーの開蓋作動は、パレット昇降用キー
スイッチ操作に含まれるので、別途操作を要せず操作が
簡単かつ容易である。

【００４２】また、上記二段式立体駐車装置に、落下防
止用係止具と連動してパレットを係止解除及び係止する
従動側落下防止用係止具を複数個配設したことによっ
て、すべての落下防止係止具がスイッチカバーの開閉操
作に連動して、ロック解除およびロックを行うので、ス
イッチカバーの開閉操作だけでパレットの落下防止がよ
り確実になり、例えば、ワイヤ緩みが発生した場合で
も、パレットの傾斜を防止することができる。

【００４３】特に、略矩形状のパレットの対角線上の位
置に、落下防止係止具と従動落下防止係止具とを配設す
ることによって、２個の落下防止係止具でパレットの傾
斜を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパレット落下防止機構を具備する
二段式立体駐車装置の全体側面図。

【図２】同平面図。

【図３】同背面図。

【図４】側落下防止用係止具の側面図。

【図５】同背面図。

【図６】同平面図。

【図７】従動側落下防止用係止具の側面図。

【図８】同正面図。

【図９】同平面図。

【符号の説明】

Ａ 二段式立体駐車装置 Ｂ 落下防止用係止具 Ｃ 車両 Ｄ 従動側落下防止用係止具 ６ パレット 31 パレット昇降用キースイッチ 40 スイッチカバー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両(C) を載置するためのパレット(6)
   を、上方位置と下方位置との間で昇降させるようにした
   二段式立体駐車装置(A) において、上方位置にあるパレ
   ット(6) を係止して落下を防止する落下防止用係止具
   (B) を設けると共に、パレット(6) の昇降作動を制御す
   るパレット昇降用キースイッチ(31)を開閉自在にカバー
   するスイッチカバー(40)を設け、同スイッチカバー(40)
   と上記落下防止用係止具(B) とを連動連結して、スイッ
   チカバー(40)の開閉動作に連動して落下防止用係止具
   (B) を係止解除状態及び係止状態にすることを特徴とす
   る二段式立体駐車装置のパレット落下防止機構。
2. 【請求項２】 上記二段式立体駐車装置(A) に、落下防
   止用係止具(B) と連動してパレット(6) を係止解除及び
   係止する従動側落下防止用係止具(D) を複数個配設した
   ことを特徴とする請求項１記載の二段式立体駐車装置の
   パレット落下防止機構。