JPH08134118A - スチレン系樹脂の製造法 - Google Patents

スチレン系樹脂の製造法

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JPH08134118A
JPH08134118A JP26980894A JP26980894A JPH08134118A JP H08134118 A JPH08134118 A JP H08134118A JP 26980894 A JP26980894 A JP 26980894A JP 26980894 A JP26980894 A JP 26980894A JP H08134118 A JPH08134118 A JP H08134118A
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JP
Japan
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styrene
resin
polymerization
polyethylene glycol
azo
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Withdrawn
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JP26980894A
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English (en)
Inventor
Hisami Tanda
久美 反田
Masanobu Imayoshi
正暢 今吉
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F12/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F12/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F12/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スチレン系単量体を重合させるにあたり、一
般式(A)で示されるポリエチレングリコール系ブロッ
クを含むアゾ系開始剤をスチレン系単量体に対し0.1
〜10重量%の割合で添加し、重合温度80以上160
℃未満の温度範囲で重合することを特徴とするスチレン
系樹脂の製造法。 【効果】 従来の方法に比べて、工業的に容易に、ポリ
エチレングリコール系ブロックを含むスチレン樹脂を、
ラジカル重合により、得ることができる。更に得られる
樹脂は、親水性等のポリエチレングリコール系樹脂の有
する特性が付与され、食品用トレーおよび食品包装用フ
ィルムなどとして使用することができる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン系樹脂の製造
法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、ポリ
エチレングリコール系ブロックを含むアゾ系開始剤を用
いた、表面特性を有する透明なスチレン系樹脂の製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スチレ
ン系樹脂は安価で、透明性、成形性、剛性に優れた樹脂
であることから、家庭用品、電気製品、包材等の成形材
料として広く用いられてきた。利用分野が拡大するに従
い、共重合体や種々のポリマーとのブレンド、添加剤に
より、スチレン系樹脂の物性を更に向上させたり、また
新しい機能を付与する方法が開発されてきた。
【0003】例えば、スチレン系樹脂に親水性、防曇
性、帯電防止性を付与する方法として、エチレングリコ
ール系樹脂とのポリマーブレンドが行われている。しか
しスチレン系樹脂とエチレングリコール系樹脂は相溶性
が悪く、透明で均一なものが得られない。相溶性を改善
するためには、高価な相溶化剤を用いて押し出し混練し
なければならない。このような作業は樹脂に大きなシェ
アがかかり、物性を低下させることにもなる。またスチ
レン系樹脂の末端基等を変性して、ブレンドを行う方法
も提案されている(特開昭59−142243号公報、
特開昭60−206865号公報、特開昭1−2498
53号公報)。あるいは、特開昭62−158742号
公報に示されるように、ポリアルキレングリコールを含
有するビニルモノマーをスチレン等とグラフト共重合さ
せた例がある。しかしながら、これらの樹脂は機械的強
度が劣り、市場を満足させるには至っていない。
【0004】以上のようにスチレン系樹脂にポリエチレ
ングリコール系ブロックを導入する方法は、スチレン系
樹脂の特性を損ない、また製造工程は末端基の変性など
を含む、複雑なものであった。本発明の目的は、これら
の問題点を解決し、ポリエチレングリコール系ブロック
を導入したスチレン系樹脂の、ラジカル重合による容易
な製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレングリコ
ール系ブロックを含むアゾ系開始剤を用いることによ
り、ポリエチレングリコール系ブロックを導入した透明
なスチレン系樹脂が容易に得られることを見いだし、本
発明に到達した。即ち、本発明は、スチレン系単量体を
重合させるにあたり、一般式(A)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素
原子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、l及びn
はそれぞれ独立して1〜6の整数を表し、mは1〜25
0の整数を表し、pは2〜20の整数を表す。)で示さ
れるポリエチレングリコール系ブロックを含むアゾ系開
始剤をスチレン系単量体当り0.1〜10重量%の割合
で添加し、重合温度80以上160℃未満の温度範囲で
重合することを特徴とするスチレン系樹脂の製造法、で
ある。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明の製
造法で用いるスチレン系単量体は、スチレン単独、また
はスチレンとスチレン誘導体の混合物である。スチレン
誘導体の代表的なものとしては、αーメチルスチレン、
pーメチルスチレン、pーtーブチルスチレン等を挙げ
ることができる。またスチレンを主体とし、スチレンと
共重合可能なアクリロニトリル、アクリル酸エステル等
との混合物でもよい。
【0009】本発明の製造法は、分子量調整、および/
または重合溶液の粘度調整のために、適当量の溶媒を使
用することも可能である。溶媒としては、トルエン、エ
チルベンゼン、キシレン等が使用できる。溶媒の使用量
は特に限定されるものではないが、15重量%を超えな
い範囲での使用が好ましい。本発明の製造法において
は、スチレン系単量体をポリエチレングリコール系ブロ
ックを含むアゾ系開始剤の存在下で重合することが必要
である。この開始剤は前記の一般式(A)で示され、そ
の繰り返し単位nは、通常1〜250であることが好ま
しく、より好ましくは10〜150の範囲である。
【0010】本発明において用いる開始剤の10時間半
減期温度は65〜85℃の温度範囲にあることが望まし
い。65℃未満のものでは短時間で分解反応が生じ、局
部的にラジカル濃度が高くなり低分子量重合体を生成
し、好ましくない。また85℃を超えるものは重合に時
間を要し、生産性の低下をもたらし好ましくない。また
この開始剤は、通常の有機溶媒に溶解する。このような
開始剤としては、例えば、次に示す構造のものが挙げら
れる。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】あるいは、上記構造式の構造単位を2つ以
上ランダムに有していてもよい。本発明で使用する一般
式(A)で示されるアゾ系開始剤は単独あるいは2種以
上を混合して用いることも可能である。また、スチレン
系重合体の製法で一般的に用いられる開始剤を併用する
こともできる。本発明においては、一般式(A)で示さ
れる開始剤の使用量はスチレン系単量体に対し0.1〜
10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。1
重量%以下では、重合速度及び分子量制御の観点から、
他の開始剤を併用することが望ましい。開始剤のスチレ
ン系単量体に対する量が0.1重量%未満では得られる
樹脂にポリエチレングリコール系ブロックの効果が発現
しにくい。また10重量%を越えると初期の反応速度が
著しく増加し、得られる重合体の分子量もかなり低下す
るので、重合反応の制御からも、物性上からも好ましく
ない。
【0015】また、本発明のラジカル重合法としては、
通常のスチレン系重合体の製造に用いられる塊状重合、
溶液重合、懸濁重合等に従い、原料スチレン系単量体に
開始剤及び所望に応じ溶媒その他必要な添加剤を加えた
混合物を、反応容器に導入し、必要に応じ加圧しながら
加熱することによって行うことができる。反応温度とし
ては、80〜160℃が好ましく、さらに好ましくは1
00〜150℃である。反応温度が80℃より低いと生
産性が低下し、工業的に不適当である。定温重合を行う
場合は、80℃〜110℃の範囲で行うことが望まし
い。また昇温重合を行う場合は、初段の温度を80〜1
10℃の範囲で設定し、スチレン系単量体の転化率が2
0%以上になるまで重合することが望ましい。いずれの
場合も、160℃より高温では低分子量重合体が多量に
生成して好ましくない。目標分子量が重合温度のみで調
整できない場合は、開始剤量、溶媒量等で制御すればよ
い。
【0016】反応時間は一般に0.5〜20時間が好ま
しく、より好ましくは2〜10時間である。反応時間が
0.5時間より短いと反応が充分に進行しない。スチレ
ン系単量体の転化率については、特に限定されるもので
はないが、工業的な見地から、50%以上であることが
望ましい。このようにして得られた重合溶液は、ついで
未反応単量体や溶媒を除去することにより、目的とする
スチレン系樹脂を分離することができる。また、未反応
単量体及び/または溶媒を回収する前または後の任意の
段階で、スチレン系単量体に慣用されている添加剤、例
えば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤等を添加でき
る。
【0017】本発明のスチレン系重合体の平均分子量
は、特に限定されるものではないが、重量平均(Mw)
で15万〜60万が好ましく、より好ましくは25万〜
45万とする。重量平均分子量Mwが60万を越える場
合は、溶融体の粘度が高くなり、成形、加工性等が極端
に低下し、生産性が悪化し、実用的でない。また15万
未満の場合は、成形体の強度が低下する。ここでいうM
wとは、38℃、テトラヒドロフランを溶媒としてゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより測定され
る。通常行われている様に、単分散ポリスチレンの溶出
曲線より各溶出時間における分子量を算出し、Mwを算
出すればよい。
【0018】以上述べたように、本発明のスチレン系樹
脂の製造法は、ラジカル重合反応で、ポリエチレングリ
コール系ブロックを含み、親水性、防曇性、帯電防止性
等の表面特性を有する透明なスチレン樹脂を容易に得る
ことができる。また、このスチレン系樹脂は、一般のス
チレン系樹脂とポリエチレングリコール系樹脂との相溶
化剤として用いることができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。なお、物
性評価法を以下に記す。 曇価 ASTM D1003に準ずる。 メルトフローレート(MFR) ISO R113に準ずる。 ビカット軟化点(VICAT) ASTM D1525に準ずる。 Izod衝撃強度(ノッチなし) ASTM D 256−56に準ずる。 対水接触角(θ) 協和界面化学(株)製、FACE接触角計、商品名CA
−D型を用いて測定した。
【0020】
【実施例1〜3】撹拌機を備えた200mlの反応容器
にスチレンと下式で示される開始剤からなる混合溶液を
加え、これを110℃で8時間重合させた。得られた生
成物を加熱脱気し、未反応モノマーを除去した後、10
cm角、厚さ2mmの平板に圧縮成形し、曇価を測定し
た。開始剤量と重合結果を表1に示す。
【0021】
【化6】
【0022】
【比較例1】開始剤を2,2-アゾビス(2-メチルブチルニ
トリル)とした以外は、実施例1と同様に重合させた。
重合結果を表1に示す。
【0023】
【比較例2】ポリエチレングリコールを1重量%反応液
に添加して、比較例1と同様に重合させた。重合結果を
表1に示す。
【0024】
【実施例4】スチレン85重量部、エチルベンゼン15
重量部の混合溶液100重量部に対し、実施例1で用い
た開始剤0.6重量部とt-ブチルパーオキシ3,5,5-トリ
メチルヘキサノエート0.01重量部を添加してなる重
合液を4.3lの3槽の管型反応器に0.65リットル
/hで連続的に供給する。3槽の管型反応器の温度をそ
れぞれ110℃、125℃、140℃に調節する。反応
器より連続せて排出される重合体溶液を、脱気装置を備
えた押出機に導入し、ペレットとした。得られたペレッ
トを10cm角、厚さ0.5mmのフィルムに圧縮成形
し、対水接触角(θ)を測定した。また射出成形にて試
験片を作成し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0025】
【比較例3】スチレン85重量部とエチルベンゼン15
重量部の混合溶液100重量部に対して、t-ブチルパー
オキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート0.03重量部
を添加してなる重合液を供給した以外は、、実施例4と
同様に重合させた。このスチレン系樹脂の物性及び対水
接触角(θ)を測定した。結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂の製造法は、ス
チレン系単量体の重合に、ポリエチレングリコール系ブ
ロックを含むアゾ系開始剤を用いることにより、従来の
方法に比べて、工業的に容易に、ポリエチレングリコー
ル系ブロックを含むスチレン樹脂を得ることができる。
更に得られる樹脂は、親水性、防曇性、帯電防止性等の
ポリエチレングリコール系樹脂の有する特性が付与さ
れ、食品用トレーおよび食品包装用フィルムなどとして
使用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体を重合させるにあた
    り、一般式(A) 【化1】 で示されるポリエチレングリコール系ブロックを含むア
    ゾ系開始剤をスチレン系単量体に対し0.1〜10重量
    %の割合で添加し、重合温度80以上160℃未満の温
    度範囲で重合することを特徴とするスチレン系樹脂の製
    造法。(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、
    低級アルキル基またはシアノ基を表し、l及びnはそれ
    ぞれ独立して1〜6の整数を表し、mは1〜250の整
    数を表し、pは2〜20の整数を表す。)
JP26980894A 1994-11-02 1994-11-02 スチレン系樹脂の製造法 Withdrawn JPH08134118A (ja)

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