JPH0813267B2 - ビブリオ属に属する新規微生物 - Google Patents

ビブリオ属に属する新規微生物

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JPH0813267B2
JPH0813267B2 JP10974293A JP10974293A JPH0813267B2 JP H0813267 B2 JPH0813267 B2 JP H0813267B2 JP 10974293 A JP10974293 A JP 10974293A JP 10974293 A JP10974293 A JP 10974293A JP H0813267 B2 JPH0813267 B2 JP H0813267B2
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cholesterol
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和仁 森屋
弘毅 堀越
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北海道糖業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ビブリオ(Vibrio)属
に属する新規微生物に関し、更に詳しくはステロイド化
合物分解性及び有機溶媒耐性を有するビブリオ(Vibrio)
属に属する新規微生物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、難水溶性であり、親油性であるス
テロイド化合物を微生物分解してホルモン様物質に変換
させる場合には、ステロイド化合物を培地中に直接懸濁
させて微生物分解させるか、或は僅かのステロイド化合
物を溶媒に溶かして微生物分解させる方法が採用されて
いる。
【0003】しかしながら、前者の方法ではステロイド
化合物が溶解しないために、微生物との接触が不十分で
分解効率が悪い。
【0004】また、後者の場合も、ステロイド化合物と
微生物の接触はよくなるが、有機溶媒耐性がないため微
生物の反応性が抑制されるので、いずれの場合も分解効
率が極めて低かった。
【0005】したがって、高濃度の有機溶媒に耐性を有
し、且つステロイド化合物分解性を兼ね備えた微生物が
嘱望されているが、このような機能を十分に備えた微生
物は未だ発見されていない。
【0006】また、ステロイド化合物としては、コレス
テロールが挙げられるが、コレステロールを効率よく分
解できることが要求されると共に、コレステロールを溶
解させる有機溶媒であるベンゼン、トルエン、キシレン
及びヘキサンに対する耐性も要求されるが、このような
機能を備えた微生物は、なおのこと見出されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の目的は、ステロイド化合物分解性及び有機溶媒耐性に
優れた微生物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記条
件を兼ね備えた微生物を見出すべく鋭意検討を重ねた結
果、北海道糖業株式会社北見製糖所敷地内の土壌から分
離された菌株、即ちビブリオ(Vibrio)属に属する菌株が
上記条件を兼ね備えていることを見出し、その発見に基
づいてこの発明を完成させたものである。
【0009】即ち、この発明は、ステロイド化合物分解
性及び有機溶媒耐性を有するビブリオ(Vibrio)
属に属する新規微生物を提供するもので、この新規微生
物の一つとしてビブリオ(Vibrio)sp.Z−2
株が挙げられ、この菌株の単離は、下記の方法によって
行った。
【0010】予め、土壌を50% のベンゼンで処理した
後、ベンゼン層に移行した細胞を酵母エキス0.5%、トリ
プトン1.0%、塩化ナトリウム0.5%、塩化カルシウム0.05
% 、塩化マグネシウム0.01% からなる培地(改変LB培
地と命名し、以下LB−II培地と記す)を基準に、更に
コレステロール0.5%及び寒天2.0%を添加した寒天培地で
培養し、コロニーの数株を得る。
【0011】これらの内コレステロールを分解してコロ
ニーの周りに透明帯を形成したものについて、更にコレ
ステロールが1%濃度となるように溶解した有機溶媒を
含むLB−II培地で培養し、培養後有機溶媒中のコレ
ステロール濃度の低下が最も大きいものを選択した。こ
れがこの発明の新規微生物であるビブリオ(Vibri
o)sp.Z−2株である。
【0012】この菌株は、生命工学工業技術研究所に平
成5年2月17日付けで寄託され、その微生物寄託番号
は、FERM P-13436(以下、Z−2株と記す)であり、こ
の発明に係る微生物は上記Z−2株のほか、自然的及び
人工的変異株をも含むものである。
【0013】次に、この発明に係る微生物の菌学的性質
について詳細に説明すると、Z−2株は次の菌学的諸性
質を有する。
【0014】(1)形態 大きさ:(0.5〜1.0)×(2.0〜5.0)μm の捍菌。胞子:形
成しない。 運動性:無し。グラム染色は陰性である。
【0015】(2)生理学的性質 硝酸塩の還元 :陽性 澱粉の加水分解 :陽性 色素の生成 :なし オキシダーゼ :陽性 カタラーゼ :陽性 生育範囲 pH :5.5 〜10.0( 最適7.0) 温度 :12〜50℃( 最適37℃) 酸素要求性 :好気性 OFテスト :酸化的 糖類からの酸及び:酸を生成、ガスは生成しない。 ガスの発生
【0016】(3)その他の性質 塩化ナトリウムの耐性:1.5 モル濃度まで生育 ゼラチンの加水分解 :陽性 カゼインの加水分解 :陽性 DNaseの産生 :陽性 リパーゼ :陽性 キチナーゼ :陽性
【0017】以上の菌学的性質からバージー・マニュア
ル第8巻の分類方法に従って、ビブリオ(Vibri
o)属に属する新規の菌株であると判断し、ビブリオ
(Vibrio)sp.Z−2株と命名した。
【0018】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて詳細に説
明する。 実施例1 Z−2株の採取方法 土壌10g にベンゼン10mlを添加し、30℃の温度で1時間
緩やかに浸盪培養を行った。培養後培養物を1時間静置
し、ベンゼン層と水層とに分離し、ベンゼン層の50μl
をコレステロール0.5%、硝酸カリウム0.5%及び寒天2.0%
を含むLB−II寒天培地に塗抹し、37℃で7日間静置培
養を行った。
【0019】培養後、生育したコロニーの中で、コロニ
ーの周りに透明帯を生じたものを釣り菌し、単離後10ml
の硝酸カリウム0.5%を含むLB−II培地に接種し、更に
1mg/ml濃度のコレステロールを含むベンゼン10mlを加
え、30℃で7日間浸盪培養を行った。これらの操作の
後、ベンゼン存在下で生育し、ベンゼン中のコレステロ
ールの濃度を最も低下させた菌株が、この発明のZ−2
株である。
【0020】実施例2 有機培養耐性試験 菌体の前培養は、大型試験管にLB−II培地10mlを入
れ、滅菌した後、上記前培養液0.5ml を接種し、更に下
記表1に示す濃度となるように各種有機溶媒を培地に重
層し、30℃で5日間激しく浸盪培養を行った。
【0021】培養後、静置して有機溶媒層と培地層とを
分離し、Z−2株の増殖に伴う培地層の濁度を分光光度
計を用いて、波長660nm のO・D(吸光度)で測定し、
その結果を下記表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 コレステロール分解試験(1) 前培養は、実施例2と同じ方法で行い、次に大型試験管
に硝酸カリウム0.5%を含むLB−II培地10mlを入れ、滅
菌した後、上記前培養液0.05mlを接種し、更に1mg/mlの
濃度になるようコレステロールを添加した各種有機溶媒
0.5ml (コレステロール含有量0.5mg)を重層し、30℃で
10日間激しく浸盪培養を行った。
【0024】培養後、1時間静置して溶媒層と培地層と
を分離し、そこに同種の有機溶媒を4.5ml 加えてから溶
媒層5.0ml を回収し、これに無水硫酸ナトリウム1gを加
えて一昼夜放置した。
【0025】この溶媒の2.5ml を採り、ロータリーエバ
ーポレーターで減圧乾固させた。この乾固物を再びクロ
ロホルム2.5ml にて溶解し、残存コレステロール量を測
定した。別に対照として
【0026】対照実験:菌体無接種とする以外は、同
様に操作し、上記実験と同様に処理して、残存コレステ
ロールを測定した。
【0027】対照実験:上記実験と同培地に、予め加
熱滅菌したコレステロールを直接0.5mg 懸濁して培養し
た後、未分解コレステロールを5.0ml のクロロホルムで
抽出し、これに無水硫酸ナトリウム1gを加え、以下上記
実験同様に処理して、残存コレステロール量を測定し
た。
【0028】コレステロール分解率は、実験処理前後の
コレステロール量の差を処理前のコレステロール量で除
した数値を%として表示し、その結果を下記表2に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例4 コレステロール分解試験(2) 前培養液を遠心分離し、菌体を100mM リン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.0) 10mlで2回洗浄した後、10mlの同緩衝液
を添加し、30℃で1週間浸盪培養を行った。培養後、1
時間静置して培地と有機溶媒とを分離した。
【0031】この有機溶媒層に1gの無水硫酸ナトリウム
を加えてから一昼夜放置した。放置後、有機溶媒を5ml
採り、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。こ
の乾固物を再びクロロホルム5ml に溶解し、残存コレス
テロール量を測定した。別に対照として
【0032】対照実験:菌体無接種とする以外は、同
様に操作し、上記実験と同様に処理して、残存コレステ
ロール量を測定した。
【0033】対照実験:有機溶媒を使用しないでコレ
ステロール10mgを直接緩衝液10mlに懸濁し、上記と同様
の方法で浸盪培養を行い、培養後有機溶媒10mlでコレス
テロールを抽出し、無水硫酸ナトリウム1gを加え、以下
上記実験と同様に処理して、残存コレステロールを測定
した。 その結果を下記表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】実施例5 各種ステロイド化合物の分解試験 前培養は、実施例2と同じ方法で行い、ステロイド分解
試験は有機溶媒及びステロイド化合物を下記表4に示す
物を使用する以外は、実施例4と同じ方法で行い、その
結果を下記表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】この発明に係る微生物は、ステロイド化
合物分解性及び有機溶媒耐性に優れ、したがって有機溶
媒中に溶解された僅かなステロイド化合物の分解に利用
することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステロイド化合物分解性及び有機溶媒耐
    性を有するビブリオ(Vibrio)sp.Z−2株
    (FERM P−13436)である新規微生物。
JP10974293A 1993-04-14 1993-04-14 ビブリオ属に属する新規微生物 Expired - Fee Related JPH0813267B2 (ja)

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KR102027295B1 (ko) * 2017-08-08 2019-11-04 전남대학교산학협력단 키티나아제를 생산할 수 있는 신규한 살리니비브리오 속 균주 및 이의 용도

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