JPH08132425A - 積層セラミックの製造方法 - Google Patents

積層セラミックの製造方法

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JPH08132425A
JPH08132425A JP27521894A JP27521894A JPH08132425A JP H08132425 A JPH08132425 A JP H08132425A JP 27521894 A JP27521894 A JP 27521894A JP 27521894 A JP27521894 A JP 27521894A JP H08132425 A JPH08132425 A JP H08132425A
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JP27521894A
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Hidetoshi Shimura
秀敏 志村
Minoru Takahashi
稔 高橋
Kosei Wada
好世 和田
Koichi Sakurai
幸一 桜井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グリーンシートを積層して焼成する際に、せ
ん断加工に起因するだれやかえり等の欠陥を容易に解消
できる積層セラミックの製造方法を提供する。 【構成】 せん断加工によって窓31が形成された基板
部30を圧電活性部21の上面および下面に密着させ等
方圧プレスを行うと、グリーンシートの積層物が得られ
る。次に、ディスペンサ61を用いて焼結可能なペース
ト60を接合部の隅に充填、塗布して、滑らかな表面を
形成する。その後、焼成工程を経由することによって、
基板部30および圧電活性部21のグリーンシートがセ
ラミックに変化するとともに、接合部に塗布したペース
ト60も焼結して固化し、くびれが埋まるように滑らか
な表面が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック粉末をバイ
ンダで混練して成るグリーンシートの加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、積層セラミック製品を製造する場
合、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などのセ
ラミック材料から成るグリーンシートを所定寸法に裁断
した後、複数枚の裁断シートを積層したものを合成樹脂
製の袋に封入して真空パックを施し、等方圧プレスをか
けてシート間の密着性を向上させ、その後真空パックの
袋を開封してシート積層体を取出してから、金型にセッ
トして穴あけや打抜き等の加工を行っている。
【0003】図8は、積層セラミック製品の一例を示す
分解斜視図である。この積層セラミック製品は圧電素子
を切り出す前の中間製品であり、PZTシートが多数積
層され、各層間に内部電極が形成された圧電活性部1
と、同様にPZTシートが多数積層された2枚の基板部
2とが互いに密着して構成され、その後焼成することに
よって硬化したセラミック製品になる。なお、基板部2
の中央付近には、貫通した窓3が予め形成されている。
【0004】図9は、基板部2の窓3を打抜く様子を示
す工程図である。まず図9(a)において、金型の下刃
(ダイ)6の上に基板部2を乗載して、下刃6に対して
所定クリアランスを持つ上刃(パンチ)4および押え5
を下降する。次に図9(b)では押え5が基板部2を押
圧して固定し、図9(c)では上刃4が基板部2と接触
して塑性変形が始まり、図9(d)では上刃4が基板部
2に食い込んで、上刃4と接触した部分が下刃6の下穴
に押し出され、図9(e)では上刃4と接触した部分が
破断する。こうして基板部2に窓3を形成している。
【0005】図10は、基板部2の窓3の形状を示す断
面図である。窓3の切口を見ると、上面から順番に、塑
性変形の段階で生じただれ7と、食い込み段階で生じた
せん断面8と、破断の段階で生じた破断面9およびかえ
り10の各部分に分かれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】基板部2に窓を形成す
る場合、金型によるせん断加工を用いると、図10に示
すように、基板部2の下面にかえり10が発生してしま
う。かえり10が生じた基板部2をそのまま圧電活性部
1に密着させると、かえり10が圧電活性部1に食い込
んでしまう。この状態で焼成すると、図11(a)に示
すように、かえり10が接触した圧電活性部1の表面に
凹みが発生する。その後、図11(b)に示すように、
蒸着やスパッタリングを用いて、基板部2の表面および
端面ならびに圧電活性部1の表面に外部電極11を形成
すると、段差部分に外部電極11が形成されず、導通不
良の欠陥が発生してしまう。
【0007】本発明の目的は、グリーンシートを積層し
て焼成する際に、せん断加工に起因するだれやかえり等
の欠陥を容易に解消できる積層セラミックの製造方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、積層した第1
および第2のグリーンシートを用意する工程と、 第1
のグリーンシートにせん断加工を行う工程と、せん断加
工された第1のグリーンシートに焼結可能なペーストを
塗布する工程と、第1のグリーンシートと第2のグリー
ンシートとをペーストを介して接合する工程と、接合さ
れた第1および第2のグリーンシートを焼成する工程と
を含むことを特徴とする積層セラミックの製造方法であ
る。また本発明は、焼結可能なペーストは、第1および
第2のグリーンシートと同一材料から成るペーストであ
ることを特徴とする。また本発明は、積層した第1およ
び第2のグリーンシートを用意する工程と、第1のグリ
ーンシートにせん断加工を行う工程と、第1のグリーン
シートと第2のグリーンシートとを接合する工程と、第
1のグリーンシートと第2のグリーンシートとの接合部
に焼結可能なペーストを塗布する工程と、接合された第
1および第2のグリーンシートを焼成する工程とを含む
ことを特徴とする積層セラミックの製造方法である。ま
た本発明は、焼結可能なペーストは、第1および第2の
グリーンシートと同一材料から成るペーストであること
を特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に従えば、せん断加工された第1のグリ
ーンシートに焼結可能なペーストを塗布した後、第1の
グリーンシートと第2のグリーンシートとをペーストを
介して接合することによって、せん断加工によって発生
しただれやかえり等の欠陥にペーストが充填され、第1
のグリーンシートと第2のグリーンシートとの接合部に
生じたくびれが解消される。こうしてペーストで補修さ
れたグリーンシートを焼成することによって、接合部に
欠陥の無い積層セラミックが得られる。その後、接合部
を含む表面に外部電極を形成すると、接合部での導通が
確実に得られる。
【0010】また本発明に従えば、せん断加工された第
1のグリーンシートを第2のグリーンシートに接合し
て、この接合部に焼結可能なペーストを塗布することに
よって、せん断加工によって発生しただれやかえり等の
欠陥にペーストが充填され、接合部に生じたくびれが解
消される。こうしてペーストで補修されたグリーンシー
トを焼成することによって、接合部に欠陥の無い積層セ
ラミックが得られる。その後、前述と同様に、接合部を
含む表面に外部電極を形成すると、接合部での導通が確
実に得られる。
【0011】また、焼結可能なペーストは、第1および
第2のグリーンシートと同一材料から成るペーストであ
ることによって、焼結後の接合強度が向上する。
【0012】なお、本明細書で使用する「せん断加工」
とは、a)板材を直線または曲線に沿って切断する狭義
の「せん断」、b)板材を上刃および下刃で打抜いて、
所定形状の製品に切り取る「打抜き」、c)板材を上刃
および下刃で打抜いて、所定形状の穴を形成する「穴あ
け」を含む広義の概念である。
【0013】
【実施例】図1は、本発明を適用して得られる圧電素子
を示す斜視図である。圧電素子20は、電圧印加によっ
て伸縮する圧電活性部21と、圧電活性部21を両側か
ら保持する基板部30と、圧電活性部21の内部電極2
3、24と電気的に接続された外部電極32、33など
で構成される。
【0014】圧電活性部21は、PZTシートが多数積
層されて構成され、各層間に内部電極23、24が交互
に形成される。基板部30は、同様にPZTシートが多
数積層されて構成される。こうした圧電活性部21およ
び基板部30は互いに密着した後、焼成によって硬化し
一体化する。その後、蒸着やスパッタリングを用いて、
圧電活性部21および基板部30の表面および端面に外
部電極32、33を形成している。圧電活性部21の先
側端面(図1の左方)には内部電極24が露出してお
り、外部電極32と接続している。また、圧電活性部2
1の後側端面(図1の右方)には内部電極23が露出し
ており、外部電極33と接続される。
【0015】次に圧電素子20の動作について説明す
る。外部電極32、33に電圧を印加すると、内部電極
23と内部電極24との間に電界が発生し、圧電活性部
21のPZT層は厚さ方向に分極し、圧電効果によって
応力が発生する。応力は圧電活性部21に厚さ方向の縦
ひずみを発生させ、さらにポアソン比に応じた横ひずみ
を圧電素子20の長手方向に発生する。そこで、圧電素
子20の後側を固定すると、先端が印加電圧に応じて直
線変位することになる。こうして電気信号を機械的変位
に変換する圧電素子20が得られ、たとえばインクジェ
ットプリンタのインクノズルに搭載することによって、
小型軽量で高速印字が可能なプリンタが実現する。
【0016】図2は、圧電素子20の製造方法を示す工
程図である。まず工程S1において、PZT粉末、バイ
ンダ、可塑剤、分散界面活性剤、消泡剤、純水等を所定
比率で混合してスラリー状のグリーンシート原料を調合
する。次に工程S2では、スラリー状の原料を移動する
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上に
載せて、ブレードを用いて厚さ26〜27μm程度に均
一に延ばしてグリーンシートを成型し、その後グリーン
シートとPETフィルムとを剥離してそれぞれロール状
に巻き取る。
【0017】ここから圧電活性部21の工程S3〜S7
と、基板部30の工程S8〜S12とに分かれる。工程
S3において、ロール状に巻き取られたグリーンシート
を解きつつ、たとえば100mm×90mmの寸法に裁
断し、工程S4で裁断シートに透過光を照射して、ピン
ホールや異物等の欠陥の有無を検査して、不良シートを
除去する。工程S5では、図1の内部電極23、24の
形状に対応した2種類の印刷パターンを用いて、裁断シ
ート上に電極ペーストをスクリーン印刷し、工程S6で
室温で2分間放置してインク表面を滑らかにするレベリ
ングを行い、温度60℃で4分間放置して乾燥させる。
こうして得られた2種類の電極パターンが印刷されたシ
ートを交互に合計19枚積層し、さらに印刷無しのシー
トを2枚ずつ両側に積層して、圧電活性部21の焼成前
の積層グリーンシートを得る。
【0018】一方、工程S8〜S9では、工程S3〜S
4と同様に、ロール状のグリーンシートを解きつつ所定
寸法に裁断した後、欠陥検査を行う。工程S10では、
裁断シートを14枚積層した後、塩化ビニル樹脂製の袋
に収納して真空引きを約100秒間行って密閉し、さら
に別の袋に収納して真空引きを約30秒間行って密閉
し、耐水性向上のため2重袋構造の真空パックを施す。
工程S11では、WIL(温水静水圧ラミネート)装置
を用いて、真空パック状態の積層グリーンシートを水等
の液体で充たされた高圧容器内に投入し、温度60℃、
静水圧500kg/cm2 、圧力保持時間5分間の条件
で等方圧プレスを施す。この等方圧プレスはパスカルの
原理を利用したもので、両側から挟む方式の機械的プレ
スと比べて、表面形状に凹凸があっても印加圧力の大き
さおよび方向が均一になるため、積層グリーンシートの
密着性を格段に向上させることができる。次に工程S1
2で真空パックを開封し、積層グリーンシートを金型に
セットし、打抜きによるせん断加工を行って、基板部3
0に窓を形成する。
【0019】次に工程S13において、工程S7で得ら
れた圧電活性部21用の積層グリーンシートの両面に工
程S12で得られた基板部30用の積層グリーンシート
を配置し、治具を用いて相互に位置決めし、水系グルー
を塗布して、温度40℃、圧力40kg/cm2 、プレ
ス時間5秒間の条件でプレスし、積層グリーンシート同
士を仮圧着する。
【0020】図3は工程S13で得られる積層グリーン
シートの分解断面図であり、図4はその平面図である。
内部電極23が印刷されたPZTシート22と内部電極
24が印刷されたPZTシート22とを交互に積層して
圧電活性部21を構成し、さらに圧電活性部21の上面
および下面には窓31が形成された基板部30を密着さ
せる。基板部30には8×6個の窓31が形成され、図
1に示す圧電素子20の先端同士および後端同士が連設
するように配置される。窓31の領域では内部電極2
3、24同士が重なるように印刷しており、焼成後は内
部電極23、24で挟またれ部分が圧電動作を行う。な
お、全体の厚さを均一化するため、窓31以外の幅広部
分でも内部電極23、24同士を重ねているが、この部
分は内部電界が印加されず圧電動作を行わない。
【0021】図2に戻って、工程S14では、合体した
積層グリーンシートの両面にゴム等から成る弾性シート
を介在させてから、工程S10と同様な2重袋構造の真
空パックを施し、工程S15でWIL装置に投入し、温
度65℃の液体に20分間放置し、さらに温度60℃で
2分間放置した後、温度60℃、静水圧1000kg/
cm2 、圧力保持時間20分間の条件で等方圧プレスを
施す。ここで、積層グリーンシートの両面には基板部3
0の窓が露出しているため、そのまま真空パックして等
方圧プレスを作用すると、窓の部分に不均一な圧力がか
かって歪みが発生することがある。そこで、弾性シート
を介在させて真空パックを施すことによって、弾性シー
トが圧力の不均一を解消するため、歪み発生を低減でき
る。
【0022】次に工程S16で、ジルコニアと小麦粉を
3:7の体積比で混合した粉を積層グリーンシートの表
面にまぶした後、PZTダミーシートおよびMgOから
成るセッター基板で挟み、工程S17で温度500℃で
1.5時間加熱して、グリーンシート内のバインダを気
化させる仮焼を行って、工程S18で温度1155℃で
3時間加熱して焼成する本焼を行うと、厚さ1mm程度
の積層セラミックが得られる。
【0023】次に工程S19において、積層セラミック
の表面にガラスビーズを噴出させて、表面に付着したジ
ルコニア粉を除去し、工程S20で積層セラミックをシ
リコンウエハにワックスで固定し、ダイシングソーを用
いて所定形状に切断する。
【0024】図5(a)は、工程S20で切断された積
層セラミックの平面図である。図4に示す窓31の配列
において、窓31以外の幅狭部分および幅広部分の中心
を切断すると、図5(a)に示す8個の窓31を有する
形状が得られ、幅狭部分が圧電素子20の先端に対応
し、幅広部分が圧電素子20の後端に対応する。
【0025】図2に戻って、工程S21で切断された積
層セラミックの表面を研磨した後、内部電極23、24
が露出するように端面を研磨する。工程S22で積層セ
ラミックをクロロセン溶媒で超音波洗浄および蒸気洗浄
を行ってワックスを除去し、さらに工程S23で界面活
性剤、純水、イソプロピルアルコールなどを用いて超音
波洗浄を行ってから充分に乾燥させる。
【0026】次に工程S24で積層セラミックをマスキ
ング治具に収納した後、蒸着やスパッタリング等を用い
て、Cr(厚さ0.2μm)、Ni(厚さ0.4μ
m)、Au(厚さ0.2μm)の順で成膜し、図5
(b)に示すような外部電極32、33を形成する。工
程S25で図5(b)の積層セラミックを8個に分割し
て、図5(c)に示すように、窓31が1つの積層セラ
ミックにカットして、さらに図5(d)に示すように、
幅80μm程度にカットすると、図1に示す圧電素子2
0が多数得られる。
【0027】図6は、欠陥補修工程の一例を示す断面図
である。工程S15において、せん断加工によって窓3
1が形成された基板部30を圧電活性部21の上面およ
び下面に密着させ、WIL装置による等方圧プレスを行
うと、グリーンシートの積層物が得られる。このとき、
基板部30と圧電活性部21の接合部において、せん断
加工のかえりに起因するくびれが発生する。そこで、デ
ィスペンサ61を用いて、PZTペーストやガラスペー
ストなど、焼結可能なペースト60を接合部の隅に充
填、塗布して、滑らかな表面を形成する。このとき基板
部30の窓31の各辺に塗布する。
【0028】その後、工程S17の仮焼、工程S18の
本焼を経由することによって、基板部30および圧電活
性部21のグリーンシートがセラミックに変化するとと
もに、接合部に塗布したペースト60も焼結して固化
し、くびれが埋まるように滑らかな表面が形成される。
次に、工程S24において、図5(b)に示すような外
部電極32、33を形成すると、ペースト60が焼結し
た部分の表面に電極が形成され、窓31の段差部での導
通不良を防止できる。
【0029】図7は、欠陥補修工程の他の例を示す断面
図である。工程S13において、せん断加工によって窓
31が形成された基板部30の片面、すなわちかえりが
発生した面に、PZTペーストやガラスペーストなど、
焼結可能なペースト60をスクリーン印刷などで塗布す
る。このとき全面塗布であっても、かえり部分を重点に
塗布する部分塗布であってもよい。こうしてペーストが
塗布された基板部30を圧電活性部21の上面および下
面に密着させ、WIL装置による等方圧プレスを行う
と、グリーンシートの積層物が得られる。このとき、塗
布されたペースト60が基板部30と圧電活性部21の
接合部ににじみ出て、接合部の隅に滑らかな表面を形成
する。
【0030】その後、前述と同様に、工程S17の仮
焼、工程S18の本焼を経由することによって、基板部
30および圧電活性部21のグリーンシートがセラミッ
クに変化するとともに、接合部に塗布したペースト60
も焼結して固化し、くびれが埋まるように滑らかな表面
が形成される。次に、工程S24において、図5(b)
に示すような外部電極32、33を形成すると、ペース
ト60が焼結した部分の表面に電極が形成され、窓31
の段差部での導通不良を防止できる。なお、図7では基
板部30と圧電活性部21の接合面にペーストが介在し
ているため、接合性が良好となり、接合強度が格段に向
上する。
【0031】下記の表は、製造方法の違いによる欠陥発
生率を示す。ここで、焼結前の窓1個当りの欠陥個数と
は、基板部30と圧電活性部21とを密着させた積層グ
リーンシートに対して、窓31に正対するように照明光
を照射して、かえりによって発生した凹みの数を目視観
察によってカウントしたものである。また、焼結後の電
極付け不良率とは、基板部30と圧電活性部21とを密
着させた積層グリーンシートを焼結した後、外部電極3
2、33を形成してから圧電素子20にカットして、段
差部で発生した導電不良の割合を導通試験で検査したも
のである。
【0032】
【表1】
【0033】このように基板部30と圧電活性部21と
の接合部に焼成可能なペーストを充填して焼成すること
によって、段差部にくびれの無い積層セラミックが得ら
れる。したがって、外部電極32を形成する場合、段差
部での導通不良を確実に防止することができる。
【0034】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、せ
ん断加工された第1のグリーンシートと第2のグリーン
シートとの接合部に発生した欠陥部分に焼結可能なペー
ストが充填されるため、焼成後はくびれが無い滑らかな
表面を持つ積層セラミックが得られる。したがって、接
合部を含む表面に外部電極を形成すると、接合部での導
通が確実に得られ、導電不良などの欠陥発生率を格段に
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して得られる圧電素子を示す斜視
図である。
【図2】圧電素子20の製造方法を示す工程図である。
【図3】工程S13で得られる積層グリーンシートの分
解断面図である。
【図4】工程S13で得られる積層グリーンシートの平
面図である。
【図5】図5(a)は工程S20で切断された積層セラ
ミックの平面図であり、図5(b)は工程S24で外部
電極32、33を形成した状態の平面図であり、図5
(c)(d)は工程S25でカットした状態の平面であ
る。
【図6】欠陥補修工程の一例を示す断面図である。
【図7】欠陥補修工程の他の例を示す断面図である。
【図8】積層セラミック製品の一例を示す分解斜視図で
ある。
【図9】図8の基板部2の窓3を打抜く様子を示す工程
図である。
【図10】基板部2の窓3の形状を示す断面図である。
【図11】図11(a)は基板部2と圧電活性部1との
密着部分を示す拡大図であり、図11(b)は外部電極
11の欠陥を示す拡大図である。
【符号の説明】
20 圧電素子 21 圧電活性部 22 PZTシート 23、24 内部電極 30 基板部 31 窓 32、33 外部電極 60 ペースト 61 ディスペンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 幸一 静岡県静岡市中吉田20番10号 スター精密 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層した第1および第2のグリーンシー
    トを用意する工程と、 第1のグリーンシートにせん断加工を行う工程と、 せん断加工された第1のグリーンシートに焼結可能なペ
    ーストを塗布する工程と、 第1のグリーンシートと第2のグリーンシートとをペー
    ストを介して接合する工程と、 接合された第1および第2のグリーンシートを焼成する
    工程とを含むことを特徴とする積層セラミックの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 焼結可能なペーストは、第1および第2
    のグリーンシートと同一材料から成るペーストであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層セラミックの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 積層した第1および第2のグリーンシー
    トを用意する工程と、第1のグリーンシートにせん断加
    工を行う工程と、 第1のグリーンシートと第2のグリーンシートとを接合
    する工程と、 第1のグリーンシートと第2のグリーンシートとの接合
    部に焼結可能なペーストを塗布する工程と、 接合された第1および第2のグリーンシートを焼成する
    工程とを含むことを特徴とする積層セラミックの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 焼結可能なペーストは、第1および第2
    のグリーンシートと同一材料から成るペーストであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の積層セラミックの製造方
    法。
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