JPH08129662A - コイン払出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動販売機等に使用されるコイン払出装置にお
いて、コインチューブ内でコインが立った場合でも、コ
インの払い出しを確実に行うことができるようにする。 【構成】ペイアウトスライド１４のコイン通過孔１４ａ
とボトムベースのコイン払出孔が平面的に略一致する位
置を初期位置とするとともに、コインがペイアウトスラ
イド１４のコイン通過孔１４ａ内に収容されていない状
態から払い出し動作を開始するよう構成し、コインチュ
ーブ１３内で立っているコインをペイアウトスライド１
４の移動により倒してからコイン通過孔１４ａ内に収容
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は自動販売機、両替機、
サービス機器等に使用され、投入コインを金種別に選別
収容するとともに、この選別収容されたコインを釣銭と
して払い出すコイン払出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動販売機、両替機、サービス機器等の
内部には、投入コインを金種別に選別収容するととも
に、この選別収容されたコインを釣銭として払い出すコ
イン処理装置が装着されている。また、このコイン処理
装置内には選別収容したコインを釣銭の金額に応じて選
択的に払い出すコイン払出装置が装着されている。

【０００３】図７は、上述したコイン払出装置の従来例
を示す要部概念断面図である。このコイン払出装置１０
は、払い出すべきコインを通過させるコイン払出孔１１
が形成されたボトムベース１２と、金種別にコインを積
載収容する複数のコインチューブ１３（図７ではその１
つを示す）と、ボトムベース１２とコインチューブ１３
の間に配設され、図の左右方向へ摺動自在に駆動される
ペイアウトスライド１４と、このペイアウトスライド１
４を駆動するためのペイアウトスライド駆動手段である
ペイアウトカム１５と、このペイアウトカム１５を回転
駆動するためのペイアウトスライド駆動手段である１つ
のモータ１６とから構成されている。

【０００４】上述したコイン払出装置１０のうち、ペイ
アウトスライド１４にはボトムベース１２のコイン払出
孔１１に対応する大きさのコイン通過孔１４ａと、ペイ
アウトカム１５に形成されたピン１５ａと係合するカム
溝１４ｂが形成されている。また、ペイアウトカム１５
は各コインチューブ１３毎に配設されており、各モータ
１６からの駆動力は対応するペイアウトカム１５に同時
に伝達される。したがって、モータ１６を回転駆動して
ペイアウトカム１５を一回転させると、ペイアウトカム
１５のピン１５ａが対応するペイアウトスライド１４の
カム溝１４ｂ内を移動するため、ペイアウトスライド１
４は図の左右方向へ往復運動する。

【０００５】さらに、各コインチューブ１３の最下面に
は開口部１３ａが形成されている。この開口部１３ａは
収容されているコインＡの外径とほぼ同径に形成され、
対応するペイアウトスライド１４のコイン通過孔１４
ａ、ならびにボトムベース１２のコイン払出孔１１も、
これとほぼ同径に形成されている。なお、図７において
符号１７は、コイン通過孔１４ａに収容されたコインＡ
を支承するコインベースである。

【０００６】上述したコイン払出装置１０によると、図
７で示す初期位置からペイアウトカム１５が回転し始
め、丁度半回転した時点に至ると、ペイアウトスライド
１４は図の左端へ移動し、コイン通過孔１４ａはボトム
ベース１２のコイン払出孔１１と平面的に略一致する位
置に達する。すると、コイン通過孔１４ａ内に収容され
ていたコインＡが自重によりコイン払出孔１１から下方
へ落下し、図示せぬコイン払出口から払い出されること
になる。さらにペイアウトカム１５が一回転して、ペイ
アウトスライド１４は図の右端へ移動し、図７の初期位
置に復帰すると、コイン通過孔１４ａはコインチューブ
１３の開口部１３ａと平面的に略一致する位置に達す
る。すると、コインチューブ１３の最下面に位置するコ
インがコイン通過孔１４ａ内に収容され、ペイアウトス
ライド１４は次のコインの払い出し、あるいは非払い出
しの待機状態となる。

【０００７】すなわち、上述したコイン払出装置１０を
備えたコイン処理装置では、投入されたコインの正偽と
金種を図示せぬコイン選別部で選別し、これらのコイン
を装置内の各所に配設した図示せぬコイン振分レバーに
より格別のコイン通路へそれぞれ振り分け、このうち正
コインを金種別にコインチューブ１３内に選別収容す
る。そして、釣銭の金種が特定されると、コインチュー
ブ１３内に収容されたコインを上述したコイン払出装置
１０により釣銭の金種に応じて選択的に払い出すように
している。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したコ
イン払出装置１０では、ペイアウトスライド１４のコイ
ン通過孔１４ａとコインチューブ１３の開口部１３ａが
平面的に略一致する位置を初期位置とし、コインがコイ
ン通過孔１４ａ内に収容された状態から払い出し動作を
開始するようにしている。このため、コイン通過孔１４
ａ内にコインが正しく収容されていないと、正確な払い
出し動作ができなくなることがある。

【０００９】すなわち、図８で示すようにコインチュー
ブ１３内が空の状態のときに、図示せぬコイン選別部で
選別された一枚の正コインＡがコインチューブ１３内へ
落下し、コインベース１７に当たって倒れずに立ってし
まった場合、払い出し動作を開始すると、図９で示すよ
うにコインＡはコイン通過孔１４ａの縁に引き寄せら
れ、図１０で示すようにコインＡはペイアウトスライド
１４のコインチューブ１３側の縁に乗り上げてしまうこ
とになる。このため、ペイアウトスライド１４が図の左
端へ移動しても、コインＡはコイン通過孔１４ａから払
い出されずに空打ちとなり、コインＡは図１１で示すよ
うにペイアウトスライド１４が図の右端へ移動し、初期
位置に復帰し始めたときにコイン通過孔１４ａ内に収容
されることになる。

【００１０】このように、上述した従来例のコイン払出
装置１０では、コイン通過孔１４ａと開口部１３ａが平
面的に略一致する位置をペイアウトスライド１４の初期
位置としているため、コインチューブ１３内に落下して
きたコインがコインベース１７上で立ってしまうと、ペ
イアウトスライド１４が正常に動いてもコインの払い出
しが行われなくなるという問題点があった。

【００１１】この発明は、コインチューブ内でコインが
立った場合でも、コインの払い出しを確実に行うことが
できるコイン払出装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、この発明に係わるコイン払出装置では、コインを
積載収容するコインチューブと、該コインチューブの下
方に設けられ、該コインチューブから引き出されたコイ
ンを通過させるコイン払出孔が形成されたボトムベース
と、前記コインチューブの最下面に位置するコインを一
枚づつ引き出して排出するコイン通過孔が形成されると
ともに、一方向へ往復移動可能なペイアウトスライド
と、該ペイアウトスライドを一方向へ往復直線運動させ
るペイアウトスライド駆動手段とを少なくとも有するコ
イン払出装置において、前記ペイアウトスライドのコイ
ン通過孔とボトムベースのコイン払出孔が平面的に略一
致する位置を初期位置とし、コインがペイアウトスライ
ドのコイン通過孔内に収容されていない状態から払い出
し動作を開始するようにしたことを特徴とする。

【００１３】

【作用】上述したコイン払出装置によると、コインチュ
ーブ内でコインが立った状態でペイアウトスライドがコ
インチューブ側に移動し始めると、コインチューブ内で
立っていたコインはペイアウトスライドの移動とともに
倒され、ペイアウトスライドのコイン通過孔とコインチ
ューブの開口部が平面的に略一致する位置に達したとき
に、コインはコイン通過孔内に収容される。この後ペイ
アウトスライドがコイン払出孔側に移動し、ペイアウト
スライドのコイン通過孔とボトムベースのコイン払出孔
が平面的に略一致する位置に達すると、コイン通過孔内
に収容されていたコインは自重によりコイン払出孔から
落下し、図示せぬコイン払出口から払い出される。

【００１４】すなわち、コインチューブ内で立っている
コインをペイアウトスライドの移動とともに倒し、コイ
ン通過孔内に収容してから払い出しを行うようにしてい
るため、ペイアウトスライドが正常に動作すれば、コイ
ンチューブ内でコインが立っていても、常に確実な払い
出しが可能となる。

【００１５】

【実施例】以下、この発明に係わるコイン払出装置の一
実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１６】図１は、この発明に係わるコイン払出装置
１の一実施例を示す要部概念斜視図であり、図７と同一
部分を同一符号で示している。なお、図１は複数の並設
されたコインチューブの１つを代表して示している。ま
た、図１では図７で示したボトムベース１２を省略する
とともに、その他の部分も適宜省略または簡略化してい
る。

【００１７】このコイン払出装置１では、ペイアウトス
ライド１４のコイン通過孔１４ａの真下に図示せぬボト
ムベースのコイン払出孔が位置し、ペイアウトスライド
１４のコイン通過孔１４ａと図示せぬボトムベースのコ
イン払出孔が平面的に略一致する位置を払い出し動作を
開始する際の初期位置としている。

【００１８】一方、上方に配設された図示せぬコイン選
別部で選別された図示せぬコインは、コインチューブ１
３内においてペイアウトスライド１４の先端部１４ｃ上
に積載収容される。

【００１９】その他の構成は図７で示したコイン払出装
置１０と同じであり、ペイアウトスライド１４の駆動に
より、コインチューブ１３内に収容されたコインを釣銭
の金種に応じて選択的に払い出している。

【００２０】次に、上述したコイン払出装置１の作用を
説明し、併せて構成をより詳細に説明する。

【００２１】図示せぬ自動販売機等の機器からコイン払
出信号が入力され、モータ１６の駆動力によりペイアウ
トカム１５が時計（または反時計）方向に回転すると、
ペイアウトカム１５のピン１５ａがペイアウトスライド
１４のカム溝１４ｂ内を移動するため、ペイアウトスラ
イド１４は図１の矢印方向へ移動し始める。そして、ペ
イアウトカム１５が丁度半回転した時点に至ると、図２
で示すようにペイアウトスライド１４は図の最右端まで
移動し、コイン通過孔１４ａがコインチューブ１３の開
口部１３ａと平面的に略一致する位置に達する。する
と、コインチューブ１３の最下面に位置し、ペイアウト
スライド１４の先端部１４ｃ上に載置されていた図示せ
ぬコインはコイン通過孔１４ａ内に収容される。

【００２２】この後、さらにペイアウトカム１５が同一
方向に回転すると、ペイアウトスライド１４は図２の矢
印方向へ移動し始める。そして、ペイアウトカム１５が
一回転して図１の初期位置に復帰すると、コイン通過孔
１４ａは図示せぬボトムベースのコイン払出孔と平面的
に略一致する位置に達する。ここで、コイン通過孔１４
ａ内に収容されていた図示せぬコインは自重により図示
せぬコイン払出孔から下方へ落下し、図示せぬコイン払
出口から払い出されることになる。

【００２３】一方、ペイアウトスライド１４の先端部１
４ｃ上には次のコインが載置され、次のコインの払い出
し、あるいは非払い出しの待機状態となる。

【００２４】次に、コインチューブ１３内でコインが立
った状態で払い出し動作を行った場合の作用について説
明する。

【００２５】図３は、上述したコイン払出装置１の要部
概念断面図であり、コインチューブ１３内が空の状態の
ときに図示せぬコイン選別部で選別された一枚の正コイ
ンＡがコインチューブ１３内に落下し、ペイアウトスラ
イド１４の先端部１４ｃに当たって倒れずに立っている
状態を示している。この状態からペイアウトスライド１
４が図の矢印方向へ移動し始めると、図４で示すように
コインチューブ１３内で立っていたコインＡはペイアウ
トスライド１４の移動とともに倒される。そして、図５
で示すようにペイアウトスライド１４のコイン通過孔１
４ａとコインチューブ１３の開口部１３ａが平面的に略
一致する位置に達したときに、コインＡはコイン通過孔
１４ａ内に収容される。この後、ペイアウトスライド１
４が図６で示すように図の矢印方向へ移動し、ペイアウ
トスライド１４のコイン通過孔１４ａとボトムベース１
２のコイン払出孔１１が平面的に略一致する位置に達す
ると、コイン通過孔１４ａ内に収容されていたコインＡ
は自重によりコイン払出孔１１から落下し、図示せぬコ
イン払出口から払い出されることになる。

【００２６】このように、上述したコイン払出装置１で
は、コインチューブ１３内でコインが立っているような
場合でも、このコインをペイアウトスライド１４の移動
とともに倒し、ペイアウトスライド１４のコイン通過孔
１４ａ内に収容して払い出すようにしているため、コイ
ンチューブ１３内のコインがコイン通過孔１４ａ内に正
しく収容できないような状態にあっても、払い出し時に
はコインをコイン通過孔１４ａ内に正しく収容すること
ができるため、常に正確な払い出し動作を行うことが可
能となる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
コイン払出装置では、ペイアウトスライドのコイン通過
孔とボトムベースのコイン払出孔が平面的に略一致する
位置を初期位置とし、コインがペイアウトスライドのコ
イン通過孔内に収容されていない状態から払い出し動作
を開始するようにしたため、コインチューブ内で立った
状態のコインはペイアウトスライドのコインチューブ側
への移動とともに倒され、ペイアウトスライドのコイン
通過孔とコインチューブの開口部が平面的に略一致する
位置に達するとコイン通過孔内に収容される。

【００２８】したがって、この発明に係わるコイン払出
装置によればコインチューブ内でコインが立った場合で
も、確実な払い出しを行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係わるコイン払出装置を示す要部概
念斜視図。

【図２】この発明に係わるコイン払出装置を示す要部概
念斜視図。

【図３】この発明に係わるコイン払出装置の動作を示す
要部概念断面図。

【図４】この発明に係わるコイン払出装置の動作を示す
要部概念断面図。

【図５】この発明に係わるコイン払出装置の動作を示す
要部概念断面図。

【図６】この発明に係わるコイン払出装置の動作を示す
要部概念断面図。

【図７】従来のコイン払出装置を示す要部概念断面図。

【図８】従来のコイン払出装置の動作を示す要部概念断
面図。

【図９】従来のコイン払出装置の動作を示す要部概念断
面図。

【図１０】従来のコイン払出装置の動作を示す要部概念
断面図。

【図１１】従来のコイン払出装置の動作を示す要部概念
断面図。

【符号の説明】

１、１０…コイン払出装置 １１…コイン払出孔 １２…ボトムベース １３…コインチューブ １３ａ…開口部 １４…ペイアウトスライド １４ａ…コイン通過孔 １４ｂ…カム溝 １４ｃ…先端部 １５…ペイアウトカム １５ａ…ピン １７…コインベース

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コインを積載収容するコインチューブと、 該コインチューブの下方に設けられ、該コインチューブ
   から引き出されたコインを通過させるコイン払出孔が形
   成されたボトムベースと、 前記コインチューブの最下面に位置するコインを一枚づ
   つ引き出して排出するコイン通過孔が形成されるととも
   に、一方向へ往復移動可能なペイアウトスライドと、 該ペイアウトスライドを一方向へ往復直線運動させるペ
   イアウトスライド駆動手段と、 を少なくとも有するコイン払出装置において、 前記ペイアウトスライドのコイン通過孔とボトムベース
   のコイン払出孔が平面的に略一致する位置を初期位置と
   し、コインがペイアウトスライドのコイン通過孔内に収
   容されていない状態から払い出し動作を開始するように
   したことを特徴とするコイン払出装置。