JPS6313574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は多数枚のメダルを一時貯留し、紙幣を
挿入することにより、この挿入された紙幣の額に
相当する前記メダルを利用者に瞬時支払うメダル
払出機構に関するものである。

（従来の技術） 従来、一般に使用されている自動販売にあつて
は釣銭払出し機構、また挿入紙幣の額に相当する
硬貨と両替する両替機にあつては硬貨払出し機
構、更にスロツトマシン等の様にメダルにて遊戯
を行う際、挿入金額に相当するメダルと交換する
メダル貸出機のメダル払出機構等は、スプロケツ
トによつてホツパーに収納されている硬貨、メダ
ルを一枚づつ払い出す機構であつた。

あるいは、払出し硬貨、メダルを上下方向に一
列に積み上げて収納する収納筒体の下側開口部よ
り硬貨等を一枚乃至数枚順次払出させる構造の物
も提供されている。

更に特開51−113696号公報で紹介されている発
明の様に、紙幣または高額硬貨の投入により所定
数の硬貨を収納した貯留装置の下部に内装した硬
貨払出弁が下方に回動する事によつて貯留した硬
貨を迅速に払出す機構の物も知られていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の様な従来の硬貨、メダル払出機構では次
の様な欠点がある。

(1) スプロケツトまたは筒式の払出機構では払出
し始めから払出し終了までに長時間を要す（利
用者の持ち時間が長い）。

(2) 筒式の貯留装置にあつては、上部開口部を介
して筒体内に硬貨等を案内した際、該硬貨等が
直立状態となり、硬貨詰りを発生しやすい。

そこで、本考案は上記欠点に鑑み、硬貨（低
額）投入の際にはスプロケツトによりメダルを利
用者に一枚ずつ払出し、紙幣（高額）投入に際し
ては利用者の待ち時間が無い様に、予め一時貯留
しておいた該紙幣の額に相当するメダル数を瞬
時、受皿へ送り出される様にしたコイン貸出機を
提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために本考案は、メダル
を収納するホツパー内の底部に内設したスプロケ
ツトと、スプロケツトより払出されたメダルが通
過するメダル落下部を前記ホツパーに隣設して設
け、該メダル落下部の下方に近設して設けた案内
筒を介して回動自在に軸支した複数個の貯留室か
ら成る円形状の貯留槽の前方の貯留室に該メダル
が貯留されるように形成し、該貯留槽の回動を規
制するフツクはソレノイドの励磁により作動し、
貯留槽を複数個の貯留室に区分する夫々の仕切板
の長辺が垂直状態時で該フツクと係止する係止鈎
を貯留槽の側部に設けて回動を規制し、紙幣の投
入により前記ソレノイドを介してフツクが上方に
作動し、係止鈎との係止が解除されると貯留され
たメダルの自重で前方に貯留槽が回動し、瞬時に
貯留槽の下方に有したメダル受槽を介して受皿に
メダルを送り出すように構成したものである。

（作 用） 本考案によれば、硬貨（100円）が投入された
場合は払い出されるメダルが少量の上、短時間で
行われるため、直接受皿へ送り出される案内樋の
方へ落下するよう振分板が前方へ移動し、紙幣
（1000円）が投入されると、予め貯留槽内の一つ
の貯留室に貯留されていたメダル（1000円に相当
する数の）は貯留槽の回転（検知装置からの指令
による）によつて瞬時に受皿へ払い出され、払い
出しが完了すると同時に振分板が後方（落下部の
下方）へ移動し、スプロケツトが回動してホツパ
ー内のメダルが振分板を介して案内筒を通つて貯
留室内に補給される機構としたものである。

（実施例） 以下、本考案のメダル払出機構を図面に基ずい
て詳細に説明する。

第１図は本考案の斜視図、第２図は紙幣を投入
した場合のメダルの落下状態を示した図、第３図
は硬貨を投入した場合のメダルの落下状態を示し
た図、第４図は貯留槽の縦断面図、第５図はコイ
ン貸出機の斜視図である。

１はホツパーで本実施例に於いてはメダルが無
造作に貯留されており、ホツパー１の底部にスプ
ロケツト２が回転自在にモータ３に連結されて周
知の如く回転駆動されるよう構成されている。

尚、スプロケツト２は硬貨（100円）の投入に
あつては投入金額を検知装置によつて確認された
指令により該投入金額に相当するメダルを利用者
に払出すもので、紙幣（1000円）の投入に際して
は予め該紙幣金額に相当するメダルを後述する貯
留槽１３に払出し、故にモータ３は硬貨投入にあ
つては投入時、紙幣にあつては貯留槽１３の作動
後に回転駆動するものである。

更にスプロケツト２を回転駆動するモータ３の
停止は、スプロケツト２によつてメダルが払出さ
れるメダル払出口４ａに設けられたセンサ４に
て、硬貨投入にあつては投入金額に相当するメダ
ル数が通過した時点で、また前記述べた貯留槽１
３の作動後には予め設定されたメダル数が通過し
た時点で該スプロケツト２の回転、即ちモータ３
の駆動を停止させるものである。

５はメダル落下部で、内部にメダル通路５′が
形成されてあり、スプロケツト２から送り出され
るメダルが通過し、下方へ落下するようになつて
いる。

６は長方板状の振分板支持杆９をコイルバネ１
０に抗して前後に作動させるソレノイドで、前記
メダル落下部５の背部より水平方向に突出したソ
レノイド取付板７の先端に固定されており、該支
持杆９の他端には振分板８が取付けられ、ソレノ
イド６によつて支持杆９を介して一定角度回動
し、落下部５から落下するメダルを検知装置から
の指令によつて案内樋１２方向と案内筒１１の方
向へ振り分ける働きをするもので、紙幣が投入さ
れた場合は上部がメダル落下部５から落下するメ
ダルを受ける位置まで移動し、硬貨が投入された
場合は、メダルが案内樋１２に落下するよう、落
下部５から離れた位置に移動するようになつてい
る。

１１は案内筒で、紙幣が投入された場合、振分
板８上を滑落してくるメダルを貯留槽１３へ確実
に送り込む働きをするものであり、１２も案内樋
で、硬貨が投入された場合、メダル落下部５から
直接落下してくるメダルを受け、確実にメダル受
槽１８へ送り込む働きをするものである。

１３は一実施例として仕切板１３ｄにて三つの
貯留室１３ａ，１３ｂ，１３ｃから成る円形状の
貯留槽で軸１３ｅにて回動自在に軸支されてお
り、紙幣の金額に相当するメダル数が前方（図中
では貯留室１３ａ）の貯留室に常時貯留されてい
る。

また、貯留槽１３の側部には夫々の仕切板１３
ｄの長辺が垂直状態時で後述するフツク１５と係
止する位置に水平方向に突出した係止鈎１７，１
７′，１７″が設けてあつて、貯留槽１３の上側部
に近設して設けた該フツク１５はその一端をソレ
ノイド１４と軸着して支点と成し、他端は係止鈎
１７と係止するようにその先端が「状に形成され
ていて、紙幣が投入されるとソレノイド１４の作
動によりコイルバネ１６に抗してフツク１５は上
方に回動し、前記係止鈎１７との係止を解除し、
貯留槽１３は前方の貯留室１３ａに貯留されたメ
ダルの自重で一定方向に回動し、瞬時に受皿１９
へメダルを払出すと同時に、コイルバネ１６によ
つてフツク１５が係止鈎１７を係止し、次のメダ
ルを貯留するセツト完了も瞬時に行なえる。

１８はメダル受槽で、紙幣が投入された場合で
も硬貨が投入された場合でも、このメダル受槽１
８を滑落して受皿１９へ送り出されるようになつ
ている。

２０は硬貨投入口で、２１は数を誤つて投入し
たり異質のものを投入した場合に返却される返却
口で２２は紙幣投入口であり、Ａはこれら投入
口、返却口および受皿を前部に設けたコイン貸出
機である。

以上の構造から成る本考案の作動について次に
説明する。

冒頭にのべたように本考案は高額紙幣を投入し
た場合、瞬時に多量のメダルが貸し出されるよう
にしたことが特徴であり、先ず、紙幣が投入され
た場合について説明する。

第５図に示したコイン貸出機Ａの前部に設けら
れた紙幣投入口２２に紙幣を投入すると、紙幣は
先ず検知装置（図示せず）によつて確認され、検
知装置からソレノイド６に伝達されると、ソレノ
イド６が作動し、振分板支持杆９が一定角度回動
し、先端の振分板８が落下部５の下方に移動す
る。

このように振分板８の移動と同時にソレノイド
１４にも伝達され、このソレノイド１４によつて
フツク１５の先端が貯留槽１３の係止鈎１７から
外れ、予め貯留されていた紙幣に相当するメダル
が自重で前方（受皿方向）へ回動し、メダルは受
皿１９へ送り出され、回動した貯留槽１３は係止
鈎１７がフツク１５によつて係止され、回動は停
止する。

貯留槽１３が回動してメダルの払い出しを完了
した後スプロケツト２が回転を開始し、ホツパー
１内のメダルはメダル通路５′を通つて落下し、
振分板８上を滑落し案内筒１１を通つて貯留槽１
３に補給される。

所定のメダルが送り出されると振分板８は第３
図に示したように元の位置に復帰する。

又、硬貨によつて貸し出されるメダルの数量は
少ないので、硬貨投入口２０を介して硬貨を投入
した場合、ソレノイド６は作動しないようになつ
ており、スプロケツト２によつて送り出されたメ
ダルは落下部５から落下して案内樋１２を通つて
メダル受槽１８内に落下し、メダル受槽１８内を
滑落して受皿１９へ送り出される。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係るメダル払出機
構は、硬貨（100円）と紙幣（1000円）の両方が
使用出来るメダル貸出機であつて、その目的とす
るところは高額紙幣の挿入に際して、利用者に待
ち時間なく、瞬時にメダルが貸出される貸出機を
提供するもので、仕切板にて本実施例に於いては
三つの貯留室を形成した貯留槽を回動自在に成し
て、前方の貯留室に予め紙幣金額に相当するメダ
ルを貯留しておくことによつて、紙幣を投入した
場合、該貯留槽の回動を規制するフツクと係止鈎
との係止が解除され、多量のメダルがその自重に
て貯留槽が回動し、瞬時に利用者にメダルが貸出
され、同時に次のメダルを貯留するためのセツト
も瞬時に行なえ、従来のようにスプロケツトまた
メダル等を上下方向に一列に積み上げて収納し、
下側開口部より一枚ずつ払出す筒式のものと比較
してその払い出しスピードは顕著である。

更に本考案の貯留槽は構造が簡単な上、円周面
が開口している故にメダルが送り込まれる際、ま
たはメダルを払出す際、従来の筒式の貯留装置で
懸念されていたメダル詰り等のトラブルは皆無で
利用者の多いパチンコ店またはゲーム遊技均等に
於いて短時間でメダルを貸出す本考案の効果は大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は紙幣を投入
した場合のメダルの落下状態を示した図、第３図
は硬貨を投入した場合のメダルの落下状態を示し
た図、第４図はフツクとの係合状態を示した貯留
槽の縦断面図、第５図はコイン貸出機の斜視図で
あり、 １はホツパー、２はスプロケツト、３はモー
タ、４はセンサ、５はメダル落下部、５′はメダ
ル通路、６はソレノイド、７はソレノイド取付
板、８は振分板、９は振分板支持杆、１０はコイ
ルバネ、１１は案内筒、１２は案内樋、１３は貯
留槽、１４はソレノイド、１５はフツク、１６は
コイルバネ、１７は係止鈎、１８はメダル受槽、
１９は受皿、２０は硬貨投入口、２１は返却口、
２２は紙幣投入口、Ａはコイン貸出機を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メダルを収納するホツパー内の底部に内設した
   スプロケツトと、スプロケツトより払出されたメ
   ダルが通過するメダル落下部を前記ホツパーに隣
   設して設け、該メダル落下部の下方に近設して設
   けた案内筒を介して回動自在に軸支した複数個の
   貯留室から成る円形状の貯留槽の前方の貯留室
   に、該メダルが貯留されるように形成し、該貯留
   槽の側部に設けた係止鈎とソレノイドの励磁によ
   り作動するフツクの係止にて該貯留槽の回動を規
   制し、紙幣の投入により前記ソレノイドを介して
   フツクが上方に作動し、係止鈎との係止が解除さ
   れると貯留されたメダルの自重で前方に貯留槽が
   回動し、瞬時に貯留槽の下方に有したメダル受槽
   を介して受皿にメダルを送り出すようにしたこと
   を特徴とするコイン貸出機に於けるメダル払出機
   構。