JPH0812957A - フッ化ビニリデン系樹脂用接着剤 - Google Patents

フッ化ビニリデン系樹脂用接着剤

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JPH0812957A
JPH0812957A JP14605694A JP14605694A JPH0812957A JP H0812957 A JPH0812957 A JP H0812957A JP 14605694 A JP14605694 A JP 14605694A JP 14605694 A JP14605694 A JP 14605694A JP H0812957 A JPH0812957 A JP H0812957A
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親史 川島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 VDF系樹脂基材と他の素材からなる基材と
の複合にあたって、高い接着力を有しながら、耐候性、
耐水性、耐熱性等の耐久性に優れた接着剤を提供する。 【構成】 軟質フッ素樹脂、ポリイソシアネート、有機
溶剤からなる接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面に耐候性、耐汚染
性、耐薬品性等を有したフッ化ビニリデン系樹脂被膜を
有する積層体の製造に有効なフッ素樹脂系接着剤に関す
るもので、積層体はフィルム、シート、クロス複合材等
の形状で、機器のハウジング、各種のカバーフィルム、
内・外装材、テント・膜屋根材等に利用される。
【0002】
【従来技術】ポリフッ化ビニリデン(以下、「PVD
F」という。)またはフッ化ビニリデン共重合体(以
下、これらを総称して「VDF系樹脂」という。)は、
腐食性の大きい化学薬品や紫外線に対して安定であり、
さらに機械的性質にも優れていることは広く知られてお
り、フッ素樹脂の中でも特に押出成形、粉体塗装等の溶
融加工性に富んでいることから、金属への耐食コーティ
ング、電線被覆等に多く使用されている。さらにPVD
Fはフッ素樹脂の中でもガスバリヤー性に優れており、
この性質を活かした用途も考えられている。
【0003】従来、VDF系樹脂のフィルムを他の素材
に貼り合わせて、表面に耐薬品性、耐汚染性等を付与す
る試みは広く行なわれており、例えばPVDFの5μm
厚程度のフィルムをアクリル系の接着剤を介して軟質塩
化ビニール製のテント膜材に貼り合わせた製品がトラッ
クの幌用等に使用されている。またVDF系樹脂のう
ち、柔軟性を有するものとして本発明者らが特開昭58
−206615号に開示しているフッ素樹脂(以下、
「軟質フッ素樹脂」という。)では、特開昭64−22
547号に記載されているごとく、軟質フッ素樹脂の薄
膜をポリウレタン接着剤を介して各種基材に貼り合わせ
る方法が知られており、テーブルクロス、壁装材、カー
テン等に利用されている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】従来知られているVD
F系樹脂と他の素材との接着剤で実用に供されているも
のは、いずれも接着剤自体の耐候性、耐水性、耐熱性等
がVDF系樹脂よりも劣るものであり、長期にわたる屋
外での使用あるいは苛酷な温度、湿度の条件下での使用
では接着剤が劣化し、積層体がはがれてくる問題点があ
った。
【0005】したがって、本発明はVDF系樹脂基材と
他の素材からなる基材との複合にあたって、高い接着力
を有しながら、耐候性、耐水性、耐熱性等の耐久性に優
れた接着剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、VDF系
樹脂基材と他の素材からなる基材の接着方法について鋭
意検討した結果、軟質フッ素樹脂とポリイソシアネート
の有機溶剤溶液からなる接着剤は、接着剤自体の耐久性
ならびに各層間の接着力が良好であり、上記課題を解決
できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】本発明で対象となるVDF系樹脂はポリフ
ッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンと他モノマー
の共重合体であって、フッ化ビニリデン構造単位と他モ
ノマーに基づく構造単位のモル比が100/0から50
/50の範囲にあるものである。他モノマーに基づく構
造単位が50%を超える共重合体は一般にゴム性の非常
に強いポリマーとなり、基材の表面特性を改質する目的
には適さない。VDFと共重合する他モノマーとして
は、特に限定するものではないが、テトラフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロアセトンなどが例示される。
またポリフッ化ビニリデンとフッ化ビニリデンと他モノ
マーの共重合体あるいは種類の異なるフッ化ビニリデン
と他モノマーの共重合体がブロックポリマーあるいはグ
ラフトポリマーの形で含有されている樹脂さらにはこれ
らのブレンド樹脂も本発明で対象となるVDF系樹脂に
含まれる。
【0008】本発明の接着剤に使用される軟質フッ素樹
脂はすくなくとも一種の含フッ素単量体を含む一種以上
の単量体と、分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時
に有する単量体とを共重合せしめてその分子内にペルオ
キシ結合を含有させ、かつそのガラス転移温度が室温以
下である含フッ素共重合体を製造することを第1段階と
し、第2段階において、第1段階で得られた共重合体の
水性乳濁液または分散溶媒中でフッ化ビニリデン単量体
をグラフト共重合させた樹脂である。この樹脂はガラス
転移温度が室温以下である共重合体部分が接着剤に必要
な柔軟性と有機溶媒への溶解性さらには他の基材へのな
じみやすさの性質を有しており、一方グラフト共重合に
より生成するPVDFの部分がVDF系樹脂との熱融着
性を発現するものと考えられる。
【0009】ここで使用する分子内に二重結合とペルオ
キシ結合を同時に有する単量体としては、t-ブチルペル
オキシメタクリレート、t-ブチルペルオキシクロトネー
ト等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt-ブチルペ
ルオキシアリルカーボネート、p-メンタンペルオキシア
リルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボネート類
が例示できる。
【0010】また、そのガラス転移温度が室温以下であ
る含フッ素共重合体の組成としては、フッ化ビニリデン
(VDF)とヘキサフルオロプロペン(HFP)の二元
共重合体、VDFとHFPとテトラフルオロエチレン
(TFE)の三元共重合体、およびVDFとクロロトリ
フルオロエチレン(CTFE)の二元共重合体などが例
示されるが、とくにその組成を限定するものではない。
【0011】第1段階で製造されるそのガラス転移温度
が室温以下である含フッ素共重合体と第2段階でグラフ
ト共重合されるPVDFとの重量比は95/5〜30/
70の範囲にあることが望ましい。この範囲未満ではV
DF系樹脂との熱接着性が不足するし、この範囲を越え
る場合には、接着剤として必要な柔軟性、有機溶剤への
溶解性が不足する。
【0012】本発明で軟質フッ素樹脂に混合するポリイ
ソシアネートとしては各種のものが使用できる。ポリイ
ソシアネートの混合は他の基材との密着性を向上させる
とともに、軟質フッ素樹脂の主に末端部位と反応して、
接着層の耐クリープ性、耐熱性等を向上させる効果を示
すものと考えられる。
【0013】ポリイソシアネートの混合割合は軟質フッ
素樹脂100重量部に対して0.3〜50重量部の範囲
が望ましく、さらに好ましくは、0.5〜30重量部の
範囲である。0.3重量部未満の場合にはポリイソシア
ネートの添加効果が充分に発揮されない。50重量部を
越えて混合した場合は接着剤層の柔軟性が失われるとと
もに耐薬品性、耐候性等が低下するので好ましくない。
【0014】本発明の接着剤におけるポリイソシアネー
トは特に限定されないが、エチレンジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネ
ート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、
2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート(LD
I)、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、
ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−
イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキ
サノエート、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、
メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TD
I)、ビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、キシリレンジ
イソシアネート(XD1)、ジエチルベンゼンジイソシ
アネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、また
これらから調製される、ウレタンアダクト、ビュレット
体、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート、ウレ
タンプレポリマーなど、たとえば、HDIの水変成物、
TDI2量体、TDIトリメチロールプロパンアダクト
(L)、HMDI−ビウレット体、L−フェノールブロ
ック体、IPDIの3量化物などおよびこれらの粗製物
または2種以上の混合物が挙げられる。
【0015】本発明の接着剤においては、上記ポリイソ
シアネートを選択して使用すれば良いが、通常の場合変
色は好まれないので、無黄変型または難黄変型といわれ
るイソシアネート基がベンゼン核に隣接していないも
の、例えば、HDI、XDI、LDIなどの脂肪族ジイ
ソシアネートまたはIPDI、水添MDI、水添XDI
などの脂環式イソシアネートが好ましく、また、これら
のポリイソシアネートから調製される、ウレタンアダク
ト、ビュレット体、イソシアヌレート、ブロックイソシ
アネート、ウレタンプレポリマーなども好ましく使用で
きる。
【0016】本発明で対象となる他の基材としては、そ
の表面にイソシアネート基と反応しうる活性水素(H
X)を有しているものでは特段の前処理を必要としない
ので望ましいものといえる。かかる活性水素を含む官能
基としては−OH、−COOH、−NH2、−CONH
−、エステル基等が例示され、これらを構造中に含むポ
リマーとしては、たとえば、ポリ(メタ)アクリル酸
(エステル)、ポリウレタン、ポリアミドなどを挙げる
ことができる。また構造中の主鎖に活性水素を含まない
樹脂であっても、その構造末端に活性水素を含む官能基
がついている場合、あるいは活性水素を含む物質をブレ
ンドした場合、さらには表面に活性水素を含む物質をコ
ーティングした場合等は本発明の接着剤の使用の対象と
なる。
【0017】基材が金属、ガラス等の場合には各種プラ
イマー、例えば、シランカップリング剤の塗布等の手段
がとられる。本発明で使用するシランカップリング剤
は、R 1−Si(OR23で表されるシランであり、R1
は有機官能基、例えばビニル基やアミノ基、R2は加水
分解できる基、例えば、ハライド、アシロキシ基、アル
コキシ基である。これらのシランは、例えば、γ−クロ
ロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロ
ロアルキル基含有シラン、ビニルトリクロロシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエト
キシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランなどの不飽和基含有シラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルシラントリオール
などのγ−グリシドキシ基を有するエポキシ基含有シラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの
メルカプト基含有シラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ランなどのアミノ基含有シランが挙げられ、上記したア
ミノ基含有シランが最も好ましい。
【0018】また、接着が困難とされているポリエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂に関して
は、火炎処理、コロナ放電処理、ナトリウムエッチング
等の手段で表面に活性水素をもった官能基が生成するこ
とが知られており、これらも本発明の接着剤の適用対象
となる。
【0019】したがって、基材の材質は繊維または板状
体を形成しうる物質であれば特に制限されないことにな
るので、機械的強度、耐熱性、耐候性、透光性などの要
求特性に応じて各種のものを選択することができる。
【0020】本発明の接着剤を使用する基材の形状は特
に限定されないが、外観が板状体を呈するものであるこ
とが好ましい。特に少なくとも接着層を挟む両基材のう
ち片側の基材は板状、シート状、膜状であることが好ま
しい。これらの基材は、無孔、有孔、織布、不織布また
は模様付きのものであってもよい。
【0021】本発明の接着剤を構成する有機溶剤として
は各種のものが使用できるが、軟質フッ素樹脂の溶解性
の面から、高極性溶剤、例えば、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドン、ならびにケトン、エステル類、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが好ましい。
また、これらの有機溶剤は混合して使用することもでき
るが、その場合前記高極性溶剤を併用することが好まし
い。
【0022】有機溶剤の混合比率については目的とする
接着に必要な粘度を勘案して決定されるが、通常は接着
剤溶液100重量部中の軟質フッ素樹脂とポリイソシア
ネートの合計量が1〜60重量部になるように調整され
る。
【0023】本発明の接着剤は通常活性水素を有する基
材側に塗布し、溶剤を揮散させた後、VDF系樹脂と熱
接着することによりなされる。塗布方法は、通常の方法
でよく、例えば、ディッピング、刷毛塗り、スプレー塗
装、ロールコート、カーテンコート、フローコートなど
があり、溶剤の揮散は加熱または非加熱で行なってよ
い。熱接着は加圧または非加圧状態で加熱することで行
なわれ、温度は基材の材質により制限を受けるがガラス
またはガラス繊維などの耐熱材料の場合には接着剤が機
能を失わない280℃以下で行なうのが好ましい。また
180℃以下ではVDF系樹脂が熱溶融しないので貼着
せず好ましくない。負荷圧力は必須ではないが5〜10
0Kgf/cm2程度の圧力を懸けると平滑性が得られるので
好ましい。
【0024】加熱接着の方法は、枚葉式、ロールによる
連続式のいずれをも採用しうる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を説明するが
これらの実施態様には限定されない。
【0026】実施例1 (A)軟質フッ素樹脂の製造 100L容量のステンレス製オートクレーブに純水50
Kg、過硫酸カリウム100g、パーフルオロオクタン
酸アンモニウム150gおよびtーブチルペルオキシアリ
ルカーボネート100gを加え、排気後フッ化ビニリデ
ンモノマー(VDF)12.5Kg、クロロトリフルオ
ロエチレンモノマー(CTFE)7.55Kgを仕込
み、撹拌しながら50℃の温度で20時間重合反応をお
こなった。生成物は白色ラテックス状態で得られ、これ
を塩析してゴム状の粒子を得た。水洗、真空乾燥の後、
nーヘキサンにて洗浄し未反応のtーブチルペルオキシアリ
ルカーボネートを除去して再度真空乾燥し、白色粉末の
共重合体16Kgを得た。この共重合体のDSC曲線は
ペルオキシ基の分解に基づく発熱ピークを160〜18
0℃に有しており、またヨウ素滴定法により共重合体の
活性酸素量は0.042%と測定された。この共重合体
のガラス転移温度はDSCにより−26.5℃と測定さ
れ、元素分析による共重合体中のVDFとCTFEに基
づく単位のモル比率は80/20であった。
【0027】次の段階で、前記白色粉末の共重合体12
KgとフロンR−113 75Kgを100L容量のス
テンレス製オートクレーブに仕込み、排気後、フッ化ビ
ニリデンモノマー6Kgを仕込み、95℃で24時間重
合をおこなった。生成したポリマーを溶媒と分離後乾燥
して白色粉末の軟質フッ素樹脂16.6Kgを得た。収
量から計算してこの軟質フッ素樹脂は第1段階で得られ
た共重合体100重量部に対して、フッ化ビニリデンモ
ノマー38.3重量部がグラフト共重合したものであっ
た。 (B)接着剤の製造 上記(A)で製造した軟質フッ素樹脂100gと溶剤と
してN,N−ジメチルホルムアミド400gを1L容量
のガラス製ビーカーに入れ、特殊機化工業(株)製高速
攪拌機(T.K ホモディスパー)を用いて、2,00
0回転で1時間攪拌し、樹脂を溶解した。この溶液にさ
らにメチルエチルケトン70gとポリイソシアネートと
して日本ポリウレタン(株)製コロネートHX(HDI
を原料とする無黄変型のポリイソシアネートでありイソ
シアヌレート環を持つ。)11.4gを攪拌しながら加
えて接着剤を調製した。 (C)ナイロンクロス/VDF系樹脂の接着 30cm角のナイロン6繊維のタフタ織クロス(720
d、0.3mm厚)の片側に前記(A)で製造した接着剤
をバーコーターで塗布後、130℃のオーブンで2分間
乾燥した。クロスへの接着剤樹脂の付き量は約15g/
m2であった。
【0028】次に、VDF系樹脂としてPVDF(AUSI
MONT社製 HYLAR461)と(A)で用いた軟質フ
ッ素樹脂の1対2(重量比)混合樹脂を180℃に加熱
された2本ロール成形機で混練後、一定速度で引出す方
法で厚み0.1mmのフィルムを製造した。
【0029】上記で接着剤を塗布したナイロンクロスと
VDF系樹脂フィルムを重ねて2枚の1mm厚のステンレ
ス板の間にはさみ、200℃に加熱された圧縮成形機中
で、10Kgf/cm2の圧力で2分間保持した後、取りだ
し、放冷して積層体を製造した。 (D)接着はくり強度の測定 前記(C)で製造した積層体の接着はくり強度をJIS
K6328(ゴム引布)に規定された引張剥離試験方
法に準じて測定した。測定値と破断部位を表1に示す。 (E)耐湿熱性の評価 前記(C)で製造した積層体を85℃、95%湿度に調
節された恒温・恒湿槽に入れ7日間経過後取りだして、
(D)の接着はくり強度の測定を行なった。結果を表1
に示すが、接着剤の耐湿熱性が良好であることがわか
る。
【0030】
【表1】
【0031】比較例1 実施例1で製造したVDF系樹脂フィルムに接着剤とし
てポリウレタン系接着剤(大日本インキ(株)製クリス
ボン 主剤:クリスボンC-4365T 100重量部、 架橋
剤:クリスボンNX 8重量部、 促進剤:クリスボン
アクセルHM3重量部、溶剤(DMF/トルエン=1/
1 40重量部))をバーコーターにて塗布し、80℃
のオーブンで1分間乾燥して溶剤を揮散させた。接着剤
の固形分付着量は約40g/m2であった。
【0032】このフィルムを直に実施例1で用いたナイ
ロンクロスと貼り合わせ常温で24時間熟成させた。こ
の積層体に関し実施例1と同様に初期と耐湿熱試験後の
はくり強度を測定した。結果を表1に示したが、実施例
1と比較して明らかに接着剤の耐湿熱性が劣っているこ
とが分かる。
【0033】実施例2 20cm角、厚さ3mmのガラス板を5%濃度のシランカ
ップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製アミノシランSH6020)水溶液に浸漬した
後、120℃の温度で2分間乾燥した。このガラス板の
片面に実施例1(B)で製造した接着剤をバーコーター
で塗布後、130℃のオーブンで2分間乾燥した。溶剤
揮散後の樹脂付着量は約10g/m2であった。
【0034】市販の0.15mm厚のPVDFフィルム
(SOLVEY社製)をこのガラス板の接着剤塗布面に
あわせ2枚のフッ素ゴム板の間にはさんだものを200
℃に加熱された圧縮成形機中で、5Kgf/cm2の圧力で2
分間保持した後、取りだし冷却して積層体を製造した。
この積層体の接着強度を実施例1と同様の方法で測定し
た。またこの積層体をサンシャインウエザオメータ(S
WM:ブラックパネル温度:60℃)中でVDF系樹脂
フィルム側が光にあたる様に曝露し、1000時間経過
後に取りだして、曝露前後のはくり強度変化ならびに外
観変化を測定した。結果を表2に示すが、本発明の接着
剤の耐候性が優れていることが明らかである。
【0035】
【表2】
【0036】比較例2 実施例1(B)の接着剤製造時にポリイソシアネートを
混合しない軟質フッ素樹脂溶液を調製し、これを接着剤
としてもちいた他は実施例2と同一の方法でガラス板と
PVDFフィルムの積層体を製造し、そのはくり強度を
測定した。結果を表2に示すが、実施例2と比較して明
らかに接着力が劣っている。
【0037】比較例3 実施例2で作成したシランカップリング剤処理をしたガ
ラス板にアクリル系接着剤として共同薬品(株)製NB
−91Bをバーコーターで塗布後80℃の温度で2分間
乾燥した。溶剤揮散後の樹脂付着量は約10g/m2であ
った。このガラス板とPVDFフィルムを実施例2と同
様の方法で熱接着して積層体を製造し、サンシャインウ
エザオメータ(実施例2と同一条件。)2000時間曝
露前後のはくり強度ならびに外観変化を測定した。結果
を表2に示すが、実施例2に比較して接着剤の耐候性が
明らかに劣っていた。
【0038】参考例 ガラス板にシランカップリング剤処理をしない他は実施
例2と同一の方法でガラス板とPVDFフィルムの積層
体を製造し、そのはくり強度を測定した。結果を表2に
示すが、実施例2と比較して明らかに接着力が劣ってい
るが、これは被着体の表面に活性な水素を有さないため
に強固な結合が生成しなかったためと推定される。
【0039】
【発明の効果】本発明の接着剤は実施例において示した
ように、VDF系樹脂基材と表面に活性水素を有する基
材との接着に有効でありかつ耐久性に優れたものであ
る。また、本発明の接着剤を使用して積層体を形成する
場合に、接着剤を活性水素を有する基材側に塗布し、溶
剤を揮散させた後、VDF系樹脂と熱接着するが、溶剤
が揮散した後の接着剤表面にはベトつき性は残らず、接
着剤処理した基材を巻き物状で保管することが可能であ
るため、連続した接着製品の製造、大量生産に大変有利
であるという効果を奏する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質フッ素樹脂、ポリイソシアネート、有
    機溶剤からなるフッ化ビニリデン系樹脂用接着剤
  2. 【請求項2】軟質フッ素樹脂が、すくなくとも一種の含
    フッ素単量体を含む一種以上の単量体と、分子内に二重
    結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体とを共重合
    せしめてその分子内にペルオキシ結合を含有させ、かつ
    そのガラス転移温度が室温以下である含フッ素共重合体
    を製造することを第1段階とし、第2段階において、第
    1段階で得られた共重合体の水性乳濁液または分散溶媒
    中でフッ化ビニリデン単量体をグラフト共重合せしめた
    ものである請求項1記載のフッ化ビニリデン系樹脂用接
    着剤
  3. 【請求項3】フッ化ビニリデン系樹脂がポリフッ化ビニ
    リデンまたはフッ化ビニリデンと他モノマーの共重合体
    であって、フッ化ビニリデン構造単位と他モノマーに基
    づく構造単位のモル比が100/0から50/50の範
    囲にあることを特徴とする請求項1〜2記載のフッ化ビ
    ニリデン系樹脂用接着剤
  4. 【請求項4】二つの基材に介在する接着層を構成する接
    着剤であって、一の基材がフッ化ビニリデン系樹脂から
    なり、他方の基材がその表面に活性水素を有する素材か
    らなることを特徴とする請求項1〜3記載のフッ化ビニ
    リデン系樹脂用接着剤
  5. 【請求項5】有機溶媒がN,N−ジメチルホルムアミド
    であることを特徴とする請求項1〜4記載のフッ化ビニ
    リデン系樹脂用接着剤
  6. 【請求項6】ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイ
    ソシネートまたはそれから誘導されたイソシアヌレート
    であることを特徴とする請求項1〜5記載のフッ化ビニ
    リデン系樹脂用接着剤
  7. 【請求項7】他方の基材が、基材の表面にプライマーに
    よる処理を施すことにより活性水素を有する基材とした
    基材であることを特徴とする請求項4記載のフッ化ビニ
    リデン系樹脂用接着剤
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5795654A (en) * 1995-12-04 1998-08-18 Central Glass Company, Ltd. Adhesive for bonding together polyvinylidene fluoride resin and substrate
US6487697B1 (en) * 2001-03-28 2002-11-26 Lsi Logic Corporation Distribution dependent clustering in buffer insertion of high fanout nets
CN109824941A (zh) * 2019-03-07 2019-05-31 中国人民解放军海军工程大学 一种表面接枝含氟树脂的改性中空玻璃微珠的制备方法

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