JP3450234B2 - 耐汚染性積層シート - Google Patents

耐汚染性積層シート

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JP3450234B2
JP3450234B2 JP24859399A JP24859399A JP3450234B2 JP 3450234 B2 JP3450234 B2 JP 3450234B2 JP 24859399 A JP24859399 A JP 24859399A JP 24859399 A JP24859399 A JP 24859399A JP 3450234 B2 JP3450234 B2 JP 3450234B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性表面を有
する積層シートに関し、より詳しくは長期間にわたり耐
汚染性が持続する防水性積層シートに関する。 【0002】 【従来の技術】樹脂シートは各種の用途に使用されてお
り、繊維クロスを組み合わせた積層シートとしても使わ
れている。塩化ビニル樹脂などの汎用樹脂からなるシー
トでは時間の経過とともに汚染が発生するため、その防
汚策として、フッ素樹脂層を表面に形成させたり、ある
いは有機シリケートを塗布し、またはシートに練り込ん
で耐汚染性を向上させた積層シートが市販されてい
る。。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の知見に基づき本
発明者らが有機シリケート化合物を防水層を有する繊維
性基布の表面に塗布してみたところ、「雨筋汚れ」が発
生しないばかりでなく、汚れそのものもほとんど付着し
ないことが分かった。 【0004】ところが、防水層を表面に形成した防水シ
ートに前記有機シリケート化合物を塗布した場合、塗布
直後には優れた耐汚染効果を示すものの、時間の経過と
ともに次第にその効果が薄れることが見いだされた。 【0005】 【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、有
機シリケート化合物と防水シートの防水層との密着性を
向上させる方法について検討した結果、防水層と有機シ
リケート化合物層との間に、両者の密着性を向上させる
効果のある添加剤を予め加えたフッ素樹脂組成物を使用
することにより、防水層と有機シリケート化合物との密
着性が向上し、その結果、防水シートの耐汚染性の耐久
性を向上できることを見出し本発明を完成するに至っ
た。 【0006】すなわち、本発明は、繊維性基布、該基布
の少なくとも片面に形成された防水層、該防水層上に形
成されたフッ素樹脂にイソシアネート基含有化合物、ア
ミノ樹脂またはシリケート化合物を添加してなるフッ素
樹脂組成物からなる層、および該フッ素樹脂組成物から
なる層の上に塗布された有機シリケート化合物層を有し
てなる積層シートを提供する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の繊維性基布は、通常繊維
の織編物または不織布からなるシート状物である。繊維
としては、天然繊維、合成繊維、無機繊維(ガラス繊維
など)のいずれも使用できる。 【0008】本発明に使用できるガラス繊維シートは、
加熱減量が1.5%以下、クロスカバーファクターが1
0〜100のものが好ましく、また30kgf/30m
m以上の経、緯方向の引っ張り強力、および50g/c
2以上、特に100〜1000g/m2の目付を有する
ものが好ましい。ガラス繊維の種類、単繊維の太さなど
は特に限定されないが、一般的には太さ約2〜10μ
m、特に9μm程度のGヤーンあるいは6μm程度のD
Eヤーンと称されるものが好ましい。ガラス繊維シート
の織布は、織り方は特に限定されず、平織、綾織、朱子
織の他、目抜き平織、目抜きカラミ織、模紗織などでよ
い。また、これらのガラス繊維の不織布であってもよ
い。 【0009】本発明に使用できる合成繊維シートは、合
成繊維の紡績糸またはフィラメント糸からなる織布であ
る。合成繊維の種類は特に限定されないが、例えば、ポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリ
ル繊維(アクリル繊維)、ポリプロピレン繊維、ポリウ
レタン繊維等を挙げることができる。何れの素材も一般
的にはいくつかの原料単量体の共重合体であることが多
いが、特にその組成を限定することなく繊維の分野にお
いて上記分類で理解される繊維であれば良い。これらの
うち、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリロニ
トリル繊維製の紡績糸またはフィラメント糸を編織した
合成繊維クロスが特に好適に用いられる。また、繊維の
太さ、収束本数、編み方、編目の間隔、さらに上記繊維
の混紡または混織等は、使用用途、部位により光透過
性、強度、意匠性等を勘案して適宜選択可能である。例
えば、合成繊維クロスの織密度としては、ポリエステル
繊維の750デニールのフィラメント糸を使用した場合
のおり密度は、3〜40本/インチが好ましく、13〜
25本/インチがより好ましい。3本/インチ未満では
積層シートの引張強力が低くなり好ましくない。 【0010】本発明の積層シートは、上記繊維性基布の
少なくとも一方の表面に防水層を有している。防水層の
材料としては、従来繊維性基布の防水材料として使用さ
れているものならいずれも使用することができる。その
ような材料には、天然ゴム、ネオプレン(登録商標)ゴ
ム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ハイパロン
(登録商標)などの合成ゴム、ポリ塩化ビニル樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹
脂などの合成樹脂が包含される。防水層は、上記のゴム
または樹脂に加え、常套の可塑剤、安定剤、着色剤、紫
外線吸収剤、または他の機能付与剤を含んでいてよい。 【0011】防水層は、得られる防水性積層シートに所
望の防水性、難燃性、機械的強度などを与えるのに十分
な厚さ、例えば0.05mm以上、好ましくは0.05
〜2.0mmの厚さを有する。防水層は、上記のゴムま
たは樹脂のフィルム、溶液、ペーストまたはストレート
などを用い、公知の方法、例えば、トッピング、カレン
ダリング、コーティング、ディッピングなどの方法によ
って、繊維性基布上に形成することができる。 【0012】本発明において、積層シートの防水層に塗
布する有機シリケート化合物は、一般式: 【化1】 (式中、R1〜R6は、同一または異なって、炭素数1〜
8のアルキル基または炭素数6〜8のアリール基を表
す。ただし、異なる繰り返し単位に含まれるR5および
/またはR6は、同一であっても異なっていてもよい。
nは0〜11の整数を表す。)で表される化合物であ
る。 【0013】アルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘ
キシル基などを、アリール基としては、フェニル基、ト
リル基、パラメトキシ基などを挙げることができる。 【0014】有機シリケート化合物の具体例として、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライ
ソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テ
トラn−ブトキシシラン、テトラ−2−メトキシエトキ
シシラン、テトラ−2−エチルヘキシロキシシランな
ど、またはこれらの低縮合物を挙げることができる。こ
れらの低縮合物の構造は明らかではないが、Si−O結
合からなる骨格とアルコキシ基からなるポリ珪酸エステ
ルであって、骨格は、上記一般式(I)では直鎖として
表示してあるが分岐を有することもあり、また、環状構
造をとることもある。低縮合物の製造方法は特に限定さ
れないが、例えば前記テトラアルコキシシラン(単量
体)に水、酸、および/または溶剤を加えて部分的に加
水分解して縮合させて得ることができる。 【0015】このような部分加水分解されたアルキルシ
リケートとして、縮合度、構造、アルコキシ基の種類の
異なる各種のものが市販されており、例えばMシリケー
ト51、エチルシリケート40、エチルシリケート45
(以上、多摩化学工業(株)製品)、エチルシリケート
40、エチルシリケート48、n−プロピルシリケー
ト、n−ブチルシリケート、メチルシリケート51(以
上、コルコート(株)製品)などの有効シリカ分を28
〜52重量%程度のもの、またはテトラエトキシシラン
をエタノールやイソプロパノールに溶解して加水分解し
たHAS−1、HAS−6、HAS−10(以上、コル
コート(株)製品)などがある。また、これらをさらに
加水分解してシリカ分を57重量%にまで濃縮した有機
シリケート化合物を使用することも可能である。 【0016】有機シリケート化合物はアルコール中で安
定に存在するため、アルコール溶液として使用すること
ができる。そのようなアルコールの例としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エ
チルヘキサノ−ル等が挙げられる。また沈殿等の発生し
ない範囲内で、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソ
プロピル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、酢酸
ヘキシル等のエステル類、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の
エーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド等のアミド類等の溶剤をアルコールに混合して使う
ことも可能である。有機シリケート化合物は、それ自体
のアルコール溶液または、それに水および/または酸を
加えて部分的に加水分解して調製した溶液として塗布す
る。 【0017】有機シリケート化合物の塗布量は、特に限
定されず、耐汚染性を防水性積層シートに付与できる量
で塗布すればよい。 【0018】本発明の積層シートの防水層と有機シリケ
ート化合物層との間に、フッ素樹脂組成物から形成され
たフッ素樹脂層を設けることができる。このフッ素樹脂
層は、積層シートに、フッ素樹脂の有する耐候性、耐薬
品性、耐熱性などの優れた特性を積層シートに与えるこ
とができる。 【0019】このフッ素樹脂組成物に使用するフッ素樹
脂は、柔軟性を有するフッ素樹脂(以下「軟質フッ素樹
脂」という)である。また、軟質フッ素樹脂は、好まし
くはフッ化ビニリデン(VDF)の共重合体であり、か
つ23℃における引張弾性率が3,000kgf/cm
2以下の樹脂をいう。 【0020】そのような共重合体としては、VDFとヘ
キサフルオロプロピレン(HFP)、VDFとクロロト
リフルオロエチレン(CTFE)等の二元共重合体、V
DFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)との
三元共重合体等、またはこれらの単量体から得られる特
定のグラフト共重合体が挙げられる。 【0021】このグラフト共重合体は、少なくとも一種
の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体、例えば、V
DFとCTFEの混合物と、分子内に二重結合とペルオ
キシ結合を有する単量体とから、ガラス転移温度が室温
以下である含フッ素共重合体を製造することを第一段階
とし、第二段階において、第一段階で得られた共重合体
に水性乳濁液または分散溶媒中で、融点が130℃以上
である結晶性重合体を与える少なくとも一種の含フッ素
単量体、例えば、VDFを含む一種以上の単量体を、グ
ラフト共重合させたフッ素樹脂である。ここで使用する
分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量
体としては、t−ブチルペルオキシメタクリレ−ト、t
−ブチルペルオキシクロトネート等の不飽和ペルオキシ
エステル類、およびt−ブチルペルオキシアリルカーボ
ネート、p−メンタンペルオキシアリルカーボネート等
の不飽和ペルオキシカーボネート類が例示できる。 【0022】また本発明で使用するフッ素樹脂組成物で
は、フッ素樹脂は、軟質フッ素樹脂およびそれと相溶性
の良好な他の樹脂をブレンドしたブレンド物(以下、
「ブレンド樹脂」という)であってもよい。相溶性の良
好な他の樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)やアクリル樹脂等を挙げることができる
が、これに限られない。アクリル樹脂としては、アルキ
ル基の炭素数が8以下の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の一種以上の単
量体構造単位からなるものが使用される。この際、シー
トの柔軟性、耐候性等を維持するためには、これらの樹
脂の混合割合は、軟質フッ素樹脂100重量部当たり、
0〜100重量部、好ましくは0〜50重量部の範囲と
するのがよい。 【0023】本発明で使用するフッ素樹脂組成物は、前
記フッ素樹脂またはブレンド樹脂に水酸基と反応する官
能基を有する樹脂または化合物からなる添加剤(密着性
向上剤)をさらに添加したものである。これらの官能基
としては、イソシアネート基、アミノ基、アルコキシ
基、水酸基等が挙げられる。添加剤は、具体的にはイソ
シアネート基含有化合物、アミノ樹脂またはシリケート
化合物等である。 【0024】使用可能なイソシアネート基含有化合物と
しては、各種形状またはシートへの成型時に少なくとも
150℃以上の温度に暴露されることから、それ自体の
揮発性が低いもの、また溶剤等で希釈されていないもの
を使用することが好ましい。そのようなイソシアネート
基含有化合物としては、エチレンジイソシアネート、テ
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネー
ト、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、2,2,
4−トリメチルヘキサンジイソシアネ−ト、2,6−ジ
イソシアネートメチルカプロエート(LDI)、ビス
(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−イソ
シアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノ
エート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MD
I)、シクロキシレンジイソシアネート、メチルシクロ
ヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2
−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセン−1,
2−カルボキシレート、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネート、トル
エンジイソシアネート(TDI)、またはこれから調製
される、ウレタンアダクト、ビュレット体、イソシアヌ
レート、ブロックイソシアネート、ウレタンプレポリマ
ー等、例えばHDIの水変性物、TDI2量体、TDI
トリメチロールプロパンアダクト(L)、HMDI−ビ
ュレット体、L−フェノールブロック体、IPDIの3
量体等およびこれらの粗製物または2種以上の混合物が
挙げられる。 【0025】本発明で用いるフッ素樹脂組成物において
は、上記ポリイソシアネートを選択して使用すればよい
が、通常の場合変色は望ましくないので、無黄変型また
は難黄変型といわれるイソシアネート基がベンゼン核に
隣接していないもの、例えばHDI、XDI、LDI等
の脂肪族ジイソシアネートが好ましく、またこれらのポ
リイソシアネ−トから調製されるウレタンアダクト、ビ
ュレット体、イソシアヌレート、ブロックイソシアネー
ト、ウレタンプレポリマ−等も好ましく使用できる。 【0026】イソシアネート基含有化合物の添加量は、
フッ素樹脂またはブレンド樹脂100重量部当たり、好
ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.3
〜5重量部である。0.1重量部以下では、塗布した有
機シリケート化合物との密着が充分でなく、一方10重
量部を超えると、理由は明らかでないが、フィルムやシ
ート等の作成時に溶融粘度の上昇がある場合があり、均
一な厚みのものが得られにくくなることがある。 【0027】アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベ
ンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミ
ン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成
分とアルデヒドの反応によって得られるメチロール化ア
ミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ベンツアルデヒドなどがある。またこのメチロール化ア
ミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したも
のも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、nー
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブ
タノール、2−エチルヘキサノ−ル等が挙げられる。こ
れらのアミノ樹脂は、いずれも好適に使用可能である
が、それ自体の揮発性が低いもの、また溶剤等で稀釈さ
れていないものを用いることが好ましい。 【0028】アミノ樹脂の添加量は、フッ素樹脂または
ブレンド樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜
10重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量部であ
る。0.1重量部以下では、塗布した有機シリケート化
合物との密着が充分でなく、一方10重量部を超える
と、フィルムやシート等の作成時にメラミン化合物の自
己架橋により溶融粘度が上昇する場合があり、均一な厚
みのものが得られにくくなることがある。 【0029】フッ素樹脂組成物に含まれる添加剤(密着
性向上剤)としてのシリケート化合物は、(SiO2
を構成単位とする無機シリケート化合物であり、その末
端にSi−OH単位が残存しているものが好ましく、例
えば、湿式法ホワイトカーボンとして知られているシリ
カを例示できる。またSi−(OR)4(式中、Rは同一
または異なって、水素原子または炭素数1〜10の1価
の炭化水素基を示す。)で表される有機シリケート化合
物またはその(部分)縮合物が好ましい。添加量は、フ
ッ素樹脂またはブレンド樹脂100重量部当たり、好ま
しくは0.2〜30重量部であり、さらに好ましくは
0.5〜20重量部である。0.2重量部以下では、塗
布した有機シリケート化合物との密着が充分でなく、一
方30重量部を超えると、得られるフィルムあるいはシ
ートが硬くなり、シートとして好ましくない。 【0030】また、フッ素樹脂組成物には、混合するイ
ソシアネート基含有化合物、アミノ樹脂あるいはシリケ
ート化合物と表面に塗布する有機シリケート化合物との
反応を促進するため、硬化触媒を添加してもよい。その
ような硬化触媒としては、アルミニウム、チタニウム、
ジルコニウム等の金属類にアルコキシド基が結合した金
属アルコキシド類、該金属アルコキシド類にケト・エノ
ール互変異性体を構成しうるキレート化合物が配位した
金属キレート化合物類、ジブチル錫ジラウレート等の有
機錫化合物、ルイス酸、p−トルエンスルホン酸等の有
機プロトン酸、無機プロトン酸等が挙げられる。 【0031】硬化触媒の配合割合は,フッ素樹脂または
ブレンド樹脂100重量部当たり、0.01〜30重量
部、好ましくは0.1〜10重量部である。硬化触媒が
0.01重量部未満では耐汚染性の発現が遅く、また3
0重量部を超えると耐水性が低下するので好ましくな
い。 【0032】本発明の積層シートは、繊維性基布に防水
層を形成した後、有機シリケート化合物を常套の塗布方
法により塗布することにより製造することができる。塗
布方法としてはエアースプレー、エアレススプレー、刷
毛、ローラー等の通常のコーテイングに使用される方法
が挙げられる。塗布後の乾燥・後処理条件は、フッ素樹
脂層を形成する場合、フッ素樹脂層に含まれる添加剤の
種類によって異なり、例えばイソシアネート基含有化合
物やシリケート化合物であれば20〜180℃の範囲で
あり、一方、アミノ樹脂では100〜200℃の範囲で
あり、より好ましくは120〜180℃である。耐汚染
性を付与するのは積層シートの片面または両面である。 【0033】所望により形成されるフッ素樹脂層は、フ
ッ素樹脂組成物を溶融塗布することにより形成すること
ができる。あるいは、あらかじめ製造したフッ素樹脂シ
ートを防水層付き基布に貼着けることにより形成するこ
とができる。貼着方法は、加熱プレス機による枚葉式ま
たは加熱ロールによる連続式のいずれでもよい。加工温
度は、通常150〜280℃であり、180〜250℃
あるいはそれ以下が好ましい。150℃以下では、貼着
が困難であり、フッ素樹脂層が剥離しやすい。一方、2
80℃を超えると、繊維性基布の強度低下をもたらすこ
とがあり、好ましくない。この場合、防水層付き基布と
フッ素樹脂シートの厚さは、同じであっても異なってい
てもよい。 【0034】フッ素樹脂組成物は、溶液の形で塗布する
こともできる。溶剤としては、ジメチルホルムアミド
(DMF)、メチルエチルケトン(MEK)などが使用
でき、フッ素樹脂濃度は、通常15〜25重量%、好ま
しくは18〜20重量%に調整する。溶液塗布後の乾燥
は、通常100〜200℃、好ましくは140〜170
℃で行う。 【0035】 【実施例】(積層シートの製造例1) 下記組織: 密度 ポリエステルスパン20S/2×ポリエステルス
パン20S/353本×37本/インチ 目付 290g/m2 を有するテトロン(登録商標)繊維帆布をヒートセット
加工し、この基布を、ポリ塩化ビニル(PVC)ペース
ト樹脂100重量部、ジオクチルフタレート(DOP)
65重量部、トリクレジルホスフェート(TCP)5重
量部、Ba-Zn系安定剤(旭電化工業株式会社製アデ
カスタブMYL−18)3重量部、エポキシ化大豆油2
重量部、Sb236重量部、炭酸カルシウム10重量部
および顔料(酸化チタン)5重量部からなるペーストゾ
ルに浸漬した後、ディップロールでPVCゾル付着量3
00g/m2に絞り、180℃で2分間熱処理すること
によりPVCをゲル化溶融固着して防水シートを作成し
た。 【0036】この防水シートの上表面に、アクリル系接
着剤(デュポン製ルーサイト68080)を1.5g/
2(固型分)の塗布量で塗布し、160℃で2分間熱
処理し、さらに、セフラルソフトG150(セントラル
硝子(株)製軟質ふっ素樹脂)22.0重量部、DMF
88.0重量部、MEK10重量部、ポリイソシアネー
ト(日本ポリウレタン(株)製コロネートHX)0.3
6重量部からなるイソシアネート基含有フッ素樹脂組成
物溶液を、上記接着剤層上に3.0g/m2(固型分)
の塗布量で塗布し、160℃で2分間熱処理し、積層シ
ートを得た。得られた積層シートの厚みは0.50mm
であり、単位面積あたりの重量は600g/m2であっ
た。 【0037】(積層シートの製造例2) 下記組織 密度 T500d × T500d 26本×28本/インチ 目付 120g/m2 を有するテトロン繊維基布をヒートセット加工し、この
基布を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系接着剤(大
同化成(株)製ダイカラック587)100重量部、D
OP25重量部、イソシアネート系架橋剤(ICI製S
3240)3重量部からなる接着剤溶液に浸漬した
後、ディップロールで付着量25g/m2(固型分)に
絞り、140℃で予備乾燥し、180℃で2分間熱処理
した。さらに、PVC100重量部、DOP65重量
部、TCP5重量部、Ba-Zn系安定剤3重量部、ベ
ンゾフェノン系UV吸収剤(旭電化工業株式会社製)
0.5重量部、Sb237重量部、および顔料(酸化チ
タン)13重量部からなるPVC樹脂組成物を用い、カ
レンダー成形により、140μ厚さのフィルムを、接着
剤層を有する上記基布の表裏両面に形成して、防水シー
トを作成した。 【0038】この防水シートの上表面にアクリル系接着
剤(デュポン製ルーサイト68080)を1.5g/m
2(固型分)の塗布量で塗布し、160℃で2分間熱処
理し、さらに、セフラルソフトG150−200(セン
トラル硝子(株)製軟質ふっ素樹脂)100重量部、ル
チル型酸化チタン(大日精化(株)製)2重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン(デュポン製テフロン6J)
0.2重量部、ワックス(東京ファイン(株)製A−7
20)0.3重量部、およびポリイソシアネート(日本
ポリウレタン(株)製コロネートHX)2.0重量部か
らなるイソシアネート基含有フッ素樹脂組成物を用い、
上記接着剤層上に、カレンダー成形により100μ厚み
のフィルムを形成して、積層シートを得た。得られた積
層シートの厚みは0.50mmであり、単位面積あたり
の重量は650g/m2であった。 【0039】実施例1〜2 テトラエトキシシランの部分加水分解物HAS−10
(コルコート(株)製)をイソプロピルアルコールで希
釈し、3.0%濃度(シリカの重量%、以下同じ)の希
釈シリケート溶液を調製した。ついで、積層シ−トの製
造例1または2で得た積層シートの表面にエアースプレ
ーを用いて塗布し、室温にて7日間放置した。得られた
シリケート塗布積層シートを、両面テープを用いてアル
ミ板に貼り付け、45度面およびそれに続く垂直面双方
の汚染の程度が判定できるように、中央部分を45度に
折り曲げた後、45度に傾けた屋外曝露架台にセットし
た。45度面の汚染の程度は未曝露品との色差を測定
し、垂直面は雨筋汚れの状態を目視で観察し、次の基準
で評価した。 【0040】◎:雨筋が全く認められない ○:雨筋が認められるが、極めて薄い △:はっきり認識できる雨筋が認められる 【0041】比較例1〜2 【0042】実施例および比較例で作成したシートの仕
様を表1に示す。 【表1】 【0043】実施例および比較例における耐汚染性試験
の結果を表2に示す。 【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83/02 C08L 83/02 (72)発明者 峯岸 清一 埼玉県川越市今福中台2805番地 セント ラル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 好川 富郎 東京都中央区日本橋本石町四丁目4番20 号 泉株式会社東京支社内 (72)発明者 北村 哲彦 岐阜県安八郡神戸町大字安次700番地 丸山工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−329991(JP,A) 特開 昭62−41036(JP,A) 特開 昭61−185441(JP,A) 特開 平4−218539(JP,A) 特開 平8−12923(JP,A) 特開 平6−155670(JP,A) 特開 昭58−90955(JP,A) 実開 昭57−116440(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04 - 7/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 繊維性基布、 該基布の少なくとも片面に形成された防水層、 該防水層上に形成されたフッ素樹脂にイソシアネート基
    含有化合物、アミノ樹脂またはシリケート化合物を添加
    してなるフッ素樹脂組成物からなる層、および該フッ素
    樹脂組成物からなる層の上に塗布された有機シリケート
    化合物層を有してなる積層シート。
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